JP2009287406A - 消音装置 - Google Patents

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誠治 橘
Toshiaki Nakayama
利明 中山
Yoshitaka Nishio
佳高 西尾
Takao Yamamoto
高生 山本
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Abstract

【課題】 コストの上昇を抑えることができ、且つ内側ダクト4の吸気通路22内の圧力変化等を要因とする内側ダクト4の変形や、内側ダクト4のうちで強度または剛性が必要な部位における応力集中を抑えることを課題とする。
【解決手段】 薄膜部41〜45の膜厚が非常に薄い薄膜状の内側ダクト4における曲線部、鈍角部および直線部(内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位)に、薄膜部41〜45の膜厚よりも厚く形成した厚膜部50、51、53〜57を設けている。即ち、内側ダクト4における曲線部、鈍角部および直線部の肉厚を薄膜部41〜45の膜厚よりも厚く形成することで、内側ダクト4における曲線部、鈍角部および直線部の剛性および強度を向上できる。これにより、別体部品である補強部材によって内側ダクト4を補強しなくても、内側ダクト4の耐圧強度不足を解消できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、内部に中空部が形成された薄膜状の中空構造体を備えた消音装置に関するもので、特に内部に吸気通路(流体流路)が形成された薄膜状のダクトを備えた内燃機関の吸気消音装置に係わる。
[従来の技術]
従来より、内燃機関(エンジン)からの脈動波により、吸気ダクトの内部にて気柱共鳴が発生し、この気柱共鳴による吸気ダクトの共振に伴って吸気ダクトから放射音が発生するという問題があった。
そこで、エンジンの吸気通路の途中に、外管(または外筒)と内管(または内筒)とからなる2重管構造の吸気消音器を設置し、内管(または内筒)を薄膜とすることで、吸気ダクトの内部に気柱共鳴を発生し難くするようにし、外管(または外筒)の剛性を高めて膜振動を抑制することで、外管(または外筒)から外部へ伝達される放射音を低減させるようにした内燃機関の吸気消音装置が公知である(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1に記載の吸気消音装置は、図13に示したように、内部に吸気通路101が形成された円筒状の内管(内側ダクト)102と、この内側ダクト102の外周面との間に円筒状の空気層103を形成する円筒状の外管(外側ダクト)104とを備えている。この吸気消音装置は、内側ダクト102の膜厚を所定の肉厚よりも薄く形成して剛性を低く設定している。この内側ダクト102は、シリコンゴム等の粘弾性を有する薄肉の粘弾性膜を中空管状に形成したものである。また、外側ダクト104の肉厚を所定の肉厚よりも厚く形成して剛性を高く設定している。
また、特許文献2に記載の吸気消音装置は、図14に示したように、多数の小孔105が形成された円筒状の補強部材106と、全ての小孔105を塞ぐように補強部材106の外周部を被覆する可撓性薄膜部材107と、補強部材106および可撓性薄膜部材107によって構成される内側ダクト108の周囲をダンパ室109を介して取り囲む外側ダクト110とを備えている。
そして、ダンパ室109の両側の開口部は、ポリウレタンフォーム等の端部壁部材111によって閉塞されている。また、外側ダクト110の内周面には、ポリウレタンフォーム等の吸音材112が貼着されている。
ここで、補強部材106および外側ダクト110は、2つのダクト113と同様に、ポリプロピレン(PP)等の剛性を有する合成樹脂からなる。また、可撓性薄膜部材107は、音波が透過可能なように可撓性を有する合成樹脂薄膜フィルム等からなる。
[従来の技術の不具合]
ところが、特許文献1に記載の吸気消音装置においては、膜厚が所定の肉厚よりも薄い内側ダクト102が円筒状の円筒体であるので、形状剛性が大きく、内側ダクト102が音波によって振動し難い構造となっており、内側ダクト102の振動による消音効果が低い。
また、特許文献2に記載の吸気消音装置においては、多数の小孔105が形成された補強部材106を可撓性薄膜部材107の内周に入れることで可撓性薄膜部材107の強度および剛性を高めているが、内側ダクト108における薄膜部の面積(可撓性薄膜部材107における膜振動が可能な面積)が著しく減少している。すなわち、補強部材106の外周部に被覆された可撓性薄膜部材107が音波によって振動し難い構造となっており、可撓性薄膜部材107の膜振動による消音効果が低い。
そこで、多数の小孔105が形成された補強部材106を廃止し、可撓性薄膜部材107単独で内側ダクト108を構成し、且つそのダクト周方向全体の膜厚を非常に薄く形成し、更に、ダクト周方向に所定の間隔で複数の平面部(薄膜部)を配設した角筒状の中空構造体(角筒体)とすることで、複数の平面部における膜厚方向の膜振動を増大させて大きな消音効果を得ることが考えられる。
しかし、可撓性薄膜部材107単独で構成される内側ダクト108のダクト周方向全体の膜厚を非常に薄く形成し、且つ内側ダクト108の断面形状を複数の平面部を有する角筒形状に形成すると、内側ダクト108の耐圧強度が大きく不足するという問題が生じる。
複数の平面部(薄膜部)の膜厚を非常に薄くした角筒状の内側ダクトの場合、内側ダクトの耐圧強度が不足すると、エンジンからの脈動波による内側ダクトの吸気通路内の圧力変化等によって、内側ダクトの形状が大きく変化するという問題があった。
例えば内側ダクトの内部(吸気通路)を吸入空気が通過する際に吸入負圧が発生すると、内側ダクトの耐圧強度不足によって、内側ダクトの複数の平面部のうちの一部の平面部が内側へ潰れ易い。このように、内側ダクトの複数の平面部のうちの一部の平面部が内側へ潰れてしまうと、内側ダクトの内部(吸気通路)の通路断面積が狭くなり、吸気通路を通過する吸入空気の圧力損失が増加するので、エンジンに必要な吸入空気量が得られず、エンジン出力が低下する可能性がある。
そこで、複数の平面部(薄膜部)の膜厚を非常に薄くした角筒状の内側ダクトの場合、内側ダクトの強度および剛性を確保するという目的で、複数の平面部(薄膜部)において中空構造体として強度および剛性が必要な部位、例えば複数の平面部(薄膜部)の中間部分(吸気通路を流れる吸入空気の流れ方向の上流側端と下流側端との間の中間部分)に、角環状の補強部材(補強フレーム等)を接合固定することが考えられる。
しかし、角筒状の内側ダクトに角環状の補強部材を接合固定することは、部品点数の増加および組付工数の増加によってコストが上昇する。
また、図15に示したように、中空構造体を構成する角筒状の内側ダクト121のうちで強度および剛性が必要な部位に、内側ダクト121の胴体部のダクト周方向に延びる2つの補強リブ122を付けて、内側ダクト121の胴体部の強度および剛性を高めることが考えられる。
しかし、2つの補強リブ122の肉厚が複数の平面部(薄膜部)123の膜厚(肉厚)と同じで、2つの補強リブ122の内面側に台形状の空間が形成されているので、エンジンからの脈動波による内側ダクト121の吸気通路内の圧力変化等によって、2つの補強リブ122の両側の曲がり部124、125のうちの少なくとも一方の曲がり部の突出方向が急激に反転し、大きな異音(「ベコ」という高周波音)が発生する。また、図15に示したような内側ダクト121の場合、2つの補強リブ122の両側の曲がり部124、125のうちの少なくとも一方の曲がり部における突出方向の急激な反転を繰り返すことにより、2つの補強リブ122の両側の曲がり部124、125のうちの少なくとも一方の曲がり部に応力が集中する。
特開昭63−266492号公報 特開2004−346750号公報
本発明の目的は、コストの上昇を抑えることができ、且つ中空構造体の中空部内の圧力変化等を要因とする中空構造体の変形や、中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位における応力集中を抑えることのできる消音装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、中空構造体は、所定の肉厚よりも薄く形成した薄膜部、および中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位に、薄膜部の肉厚よりも厚く形成した補強部を有している。すなわち、中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位の肉厚を薄膜部の肉厚よりも厚く形成することにより、薄膜部の肉厚が非常に薄い中空構造体であっても、中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位の剛性および強度を向上することが可能となる。
これによって、中空構造体に補強部材を接合固定する必要がなくなるので、部品点数および組付工数が増加することはなく、コストの上昇を抑えることができる。また、薄膜部の肉厚が非常に薄い中空構造体の剛性および強度を向上できるので、中空構造体の中空部内の圧力変化等を要因とする中空構造体の変形や、中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位における応力集中を抑えることが可能となる。
なお、所定の肉厚よりも薄く形成した薄膜部を有する中空構造体とは、薄膜部の肉厚(膜厚)が2mmよりも薄い薄膜状の中空構造体のことである。すなわち、薄膜部の膜厚が所定の膜厚(2mm)よりも薄い薄膜状の中空構造体のことである。
また、所定の肉厚よりも薄く形成した薄膜部を有する中空構造体とは、薄膜部の肉厚(膜厚)が0.5mm以下の薄膜状の中空構造体のことである。すなわち、薄膜部の膜厚が0.5mm以下といった非常に薄い薄膜状の中空構造体のことである。
また、中空構造体の薄膜部の肉厚を従来製品の薄膜部の肉厚よりも薄く形成することにより、従来製品よりも薄膜部の肉厚(膜厚)方向の膜振動を増大させることが可能となるので、従来製品よりも大きな消音効果を発揮する。すなわち、請求項1に記載の発明は、従来製品よりも消音性能を向上することができる。
請求項2に記載の発明によれば、薄膜部は、中空部の周囲を取り囲むように、中空構造体の周方向に配設された複数の平面部によって構成されている。
ここで、複数の平面部のうちの少なくとも1つの平面部の外面に、例えば音波の所望(特定)の周波数に共鳴して振動する1つまたは複数の平面(振動面)を設けても良い。
請求項3に記載の発明によれば、中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位とは、複数の平面部のうちの隣合う2つの平面部間に形成される角部のことである。
請求項4に記載の発明によれば、補強部は、中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位である角部およびその近傍に配設された厚膜部または厚肉部によって構成されている。つまり、補強部は、薄膜部の肉厚よりも厚く形成した厚膜部または厚肉部によって構成されている。
請求項5に記載の発明によれば、厚膜部または厚肉部は、中空構造体の内面同士が密着するように折り重ねられて形成されている。つまり、厚膜部または厚肉部は、折り重ね部または折り返し部によって構成されている。
請求項6に記載の発明によれば、厚膜部または厚肉部は、複数の平面部のうちの隣合う2つの平面部同士が交差する稜線(稜線部、柱部)に沿って延びている。
ここで、複数の平面部を、中空部(例えば流体流路)を流れる流体の流れ方向に所定の間隔で配設した場合には、中空部(例えば流体流路)を流れる流体の流れ方向に対して垂直な方向に延びる稜線が形成される。また、複数の平面部を、中空部(例えば流体流路)を流れる流体の流れ方向に対して垂直な方向に所定の間隔で配設した場合には、中空部(例えば流体流路)を流れる流体の流れ方向に延びる稜線が形成される。
請求項7に記載の発明によれば、補強部は、複数の平面部の外面より外部に向けて突出している。この場合には、複数の平面部の内面より中空構造体の中空部内に向けて突出する突出物(障害物)が形成されないので、中空構造体の中空部内を通過する流体の圧力損失の増加を防止することができる。
請求項8に記載の発明によれば、中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位とは、中空構造体の中間部分のことである。
請求項9に記載の発明によれば、補強部は、中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位である中空構造体の中間部分に配設された厚膜部または厚肉部によって構成されている。つまり、補強部は、薄膜部の肉厚よりも厚く形成した厚膜部または厚肉部によって構成されている。
請求項10に記載の発明によれば、厚膜部または厚肉部は、中空構造体の内面同士が密着するように折り重ねられて形成されている。つまり、厚膜部または厚肉部は、折り重ね部または折り返し部によって構成されている。
請求項11に記載の発明によれば、補強部は、複数の平面部の外面より外部に向けて突出している。この場合には、複数の平面部の内面より中空構造体の中空部内に向けて突出する突出物(障害物)が形成されないので、中空構造体の中空部内を通過する流体の圧力損失の増加を防止することができる。
請求項12に記載の発明によれば、中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位とは、ジョイント部またはフランジ部のことである。
請求項13に記載の発明によれば、補強部は、中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位であるジョイント部またはフランジ部に配設された厚膜部または厚肉部によって構成されている。つまり、補強部は、薄膜部の肉厚よりも厚く形成した厚膜部または厚肉部によって構成されている。
請求項14に記載の発明によれば、厚膜部または厚肉部は、中空構造体の内面同士が密着するように折り重ねられて形成されている。つまり、厚膜部または厚肉部は、折り重ね部または折り返し部によって構成されている。
請求項15に記載の発明によれば、補強部は、複数の平面部の外面より外部に向けて突出している。この場合には、複数の平面部の内面より中空構造体の中空部内に向けて突出する突出物(障害物)が形成されないので、中空構造体の中空部内を通過する流体の圧力損失の増加を防止することができる。
本発明を実施するための最良の形態は、コストの上昇を抑えることができ、且つ中空構造体の中空部内の圧力変化等を要因とする中空構造体の変形や、中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位における応力集中を抑えるという目的を、中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位の肉厚を薄膜部の肉厚よりも厚く形成することで実現した。
[実施例1の構成]
図1ないし図4は本発明の実施例1を示したもので、図1は内燃機関の吸気装置を示した図で、図2は内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)を示した図で、図3は内側ダクトを示した図である。
本実施例の内燃機関の吸気装置は、複数の気筒を有する内燃機関(エンジン)の吸気ダクトの最上流部に設置されたエアクリーナ(内燃機関のエアクリーナ)と、エンジンの途中に設置された電子スロットル装置と、エンジンの各気筒毎の燃焼室内において混合気の燃焼を促進させるための吸気渦流を生成することが可能な吸気渦流発生装置と、エンジンの吸気脈動に伴って発生する吸気音を低減する吸気消音装置(内燃機関の吸気消音装置)とを備えている。
ここで、エンジンは、エアクリーナで濾過された清浄な吸入空気とインジェクタより噴射された燃料との混合気を燃焼室内で燃焼させて得られる熱エネルギーによりエンジン出力を得るガソリンエンジンである。
エンジンは、例えば自動車等の車両のエンジンルームに搭載されている。また、エンジンのエンジン本体1には、その各気筒毎の燃焼室内に吸入空気(吸気)を導入するための吸気ダクト(インテークダクト、吸気管)と、エンジンの各気筒毎の燃焼室より流出する排気ガスを排気浄化装置を経由して外部に排出するための排気ダクト(エキゾーストダクト、排気管)とが接続されている。
エンジンの吸気ダクトの内部には、エアクリーナで濾過された清浄な外気(新気、クリーンエア)を、電子スロットル装置、吸気消音装置および吸気渦流発生装置を経由して、エンジンの各気筒毎の燃焼室内に導入するための吸気通路(内燃機関の吸気通路)が形成されている。また、吸気ダクトは、エアクリーナケース2、吸気消音装置(外側ダクト3および内側ダクト4によって構成される消音ダクト)、スロットルボディ5、サージタンク6およびインテークマニホールド7等によって構成されている。
エンジン本体1は、複数の気筒(第1〜第4気筒)を有し、複数の気筒が気筒配列方向に直列して配置されたシリンダブロックと、複数の吸気ポート(インテークポート)および複数の排気ポート(エキゾーストポート)を有するシリンダヘッドとを備えている。エンジンの各気筒毎に独立して接続される複数の吸気ポートは、ポペット型の吸気バルブ(インテークバルブ)によって開閉される。また、エンジンの各気筒毎に独立して接続される複数の排気ポートは、ポペット型の排気バルブ(エキゾーストバルブ)によって開閉される。
エンジン本体1のシリンダヘッドには、先端部が各気筒毎の燃焼室内に露出するようにスパークプラグが取り付けられている。このシリンダヘッドには、吸気ポート内に最適なタイミングで燃料を噴射するインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)が取り付けられている。また、エンジン本体1のシリンダブロックの内部には、気筒配列方向に4つの燃焼室が形成されている。このシリンダブロックの各気筒の内部に形成されるシリンダボア内には、連接棒を介してクランクシャフトに連結されたピストンが、シリンダボアの中心軸線方向に摺動自在に支持されている。
エアクリーナは、エンジンの吸気ダクトの最上流部に設置されたエアクリーナケース2を有している。このエアクリーナケース2の内部には、外気中に含まれる不純物(塵や埃、砂等のダスト)を捕捉して取り除くエアクリーナエレメント(フィルタエレメント)11が収容されている。また、エアクリーナケース2には、エンジンの各気筒(全気筒)の燃焼室内に供給される吸入空気量を電気信号に変換してエンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)に出力するエアフローメータ12が搭載されている。
また、本実施例の吸気ダクトは、エアクリーナケース2とスロットルボディ5との間に、2重管構造の吸気消音器(消音ダクト)を設置している。この消音ダクトは、円筒状の外側ダクト3および角筒状の内側ダクト4等によって構成されている。
なお、外側ダクト3および内側ダクト4の詳細は、後述する。
本実施例の電子スロットル装置は、スロットルバルブ13のバルブ開度に相当するスロットル開度に応じて、エンジンの各気筒毎の燃焼室に吸い込まれる吸入空気の流量(吸入空気量)を可変制御するシステムである。
電子スロットル装置は、エンジンの吸気ダクトの途中に設置されたスロットルボディ5、このスロットルボディ5の内部を流れる吸入空気の流量を可変するバタフライ型のスロットルバルブ13、およびこのスロットルバルブ13を閉弁作動方向(または開弁作動方向)に付勢するリターンスプリング(またはデフォルトスプリング)等によって構成されている。なお、スロットルボディ5の下流端には、吸入空気の圧力脈動を低減するサージタンク6が接続されている。
そして、スロットルボディ5には、スロットルバルブ13を支持固定するシャフト14を開弁作動方向(または閉弁作動方向)に駆動するアクチュエータが搭載されている。このアクチュエータは、電力の供給を受けると駆動力を発生する電動モータ15、およびこの電動モータ15の駆動力をスロットルバルブ13のシャフト14に伝達する動力伝達機構(例えば歯車減速機構)等を有している。
ここで、シャフト14を介して、スロットルバルブ13を駆動する電動モータ15は、ECUによって電子制御されるモータ駆動回路を介して、自動車等の車両に搭載されたバッテリに接続されている。
本実施例の吸気渦流発生装置は、エンジンの各気筒毎の燃焼室内において縦方向の吸気渦流(タンブル流)を発生させる複数の吸気流制御弁(タンブル流制御弁:以下TCVと呼ぶ)を備えている。このTCVは、エンジンの吸気ダクトの最下流部に設置されたインテークマニホールド7の各吸気分岐管、これらの吸気分岐管の内部に開閉自在に収容された吸気流制御バルブ16、およびこの吸気流制御バルブ16を開弁作動方向(または閉弁作動方向)に付勢するリターンスプリング等によって構成されている。
また、吸気流制御バルブ16は、その全閉時または半開き時に、インテークマニホールド7の各吸気分岐管の内部の通路断面積を絞ることで、エンジンの各気筒毎の燃焼室内においてタンブル流を発生させるタンブル流制御バルブである。
そして、インテークマニホールド7には、複数の吸気流制御バルブ16を支持固定する1本のシャフト17を閉弁作動方向(または開弁作動方向)に駆動するアクチュエータが搭載されている。このアクチュエータは、電力の供給を受けると駆動力を発生する電動モータ18、およびこの電動モータ18の駆動力をシャフト17に伝達する動力伝達機構(例えば歯車減速機構)等を有している。
ここで、1本のシャフト17を介して、複数の吸気流制御バルブ16を駆動する電動モータ18は、ECUによって電子制御されるモータ駆動回路を介して、自動車等の車両に搭載されたバッテリに接続されている。
なお、複数の吸気分岐管は、エンジンの各気筒の燃焼室および各吸気ポートに独立して接続されて、サージタンク6のサージタンク室より分岐している。
本実施例の吸気消音装置は、エンジンの各気筒毎の燃焼室内に吸入空気を導入する吸気ダクトに一体的に設置された2重管構造の吸気消音器(消音ダクト)によって構成されている。
本実施例の吸気消音装置は、図1に示したように、エアクリーナのフィルタエレメント11よりも吸気流方向の下流側(クリーンサイド)に設置されている。この吸気消音装置は、エアクリーナケース2とスロットルボディ5との間に気密的に接続されている。そして、吸気消音装置は、図2に示したように、円筒状の外側ダクト(外管、外筒)3および角筒状(本例では六角筒状)の内側ダクト(内管、内筒)4等を有している。
外側ダクト3は、内側ダクト4よりも高剛性(硬質)の樹脂材料(熱可塑性樹脂:例えばポリプロピレン(PP)、ポリアミド樹脂(PA)等の合成樹脂)によって形成された円筒状の樹脂体である。
外側ダクト3は、図2に示したように、押出成形またはブロー成形または射出成形によって半割り円筒状に成形された2つの半割り円筒体(半割り円筒型成形体)31をその内面(凹曲面)同士が向き合うように接合固定することで製造される。
2つの半割り円筒体31は、吸入空気の流れ方向(吸気流方向)に沿って半割り円筒状に2分割されている。これらの半割り円筒体31の両側の端縁部には、一対のフランジ部32が一体的に形成されている。これらのフランジ部32は、吸気流方向に沿って真っ直ぐに延びる平面部であって、半割り円筒体31の両側の端縁部から半径方向外方に向けて突出するように形成されている。
2つの半割り円筒体31によって構成される外側ダクト3は、内側ダクト4の周囲を円筒状の消音室24を介して取り囲む円筒状(または角筒状)の被覆体(剛体)を構成している。この外側ダクト3は、ダクト周方向に円筒面が形成された2つの第1、第2ジョイント部(径小部)、ダクト周方向に円錐台面が形成された2つの第1、第2テーパ部、およびダクト周方向に円筒面が形成された中間円筒部(径大部:内側ダクト4の周囲を取り囲む被覆体の部分)を有している。
また、外側ダクト3は、その第1ジョイント部の吸気流方向の上流端が、エアクリーナケース2の吸気流方向の下流端に気密的に接続されている。第1ジョイント部の内部には、吸気通路21が形成されている。また、外側ダクト3は、その第2ジョイント部の吸気流方向の下流端が、スロットルボディ5の吸気流方向の上流端に気密的に接続されている。第2ジョイント部の内部には、吸気通路23が形成されている。なお、内側ダクト4の内部には、2つの吸気通路21、23を連通する吸気通路22が形成されている。
ここで、吸気通路22は、多角断面を有する第1空間(流体流路)を構成する。また、消音室24は、円筒状の断面を有する第2空間(気体層、空気層)を構成する。この消音室24は、音波を干渉させて減衰させる音波干渉空気層を構成している。
また、外側ダクト3の中間円筒部の両端部には、消音室24と外部とを連通する連通孔33が周方向に複数形成されている。これらの連通孔33の大きさ、個数に応じて、比較的に狭い周波数域(狭帯域)の比較的に大きな音圧の音波を減衰させることができ、且つ比較的に広い周波数域(広帯域)の消音を図ることができる。
本実施例の内側ダクト4は、内部に吸気通路(中空部)22が形成された角筒状の薄膜中空構造体(角筒体)である。また、内側ダクト4は、吸気ダクト内を伝播する吸気音に共鳴して振動する筒状薄膜共鳴体を構成すると共に、所望(特定)の周波数を有する吸気音が、吸気通路側から消音室側に向けて透過可能な筒状吸気音透過体を構成している。
また、内側ダクト4は、樹脂材料(熱可塑性樹脂:例えば芳香族ポリアミド樹脂(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等の合成樹脂)によって形成された合成樹脂薄膜ダクトである。
また、内側ダクト4は、吸気通路22の周囲を周方向に取り囲むように設置されている。また、内側ダクト4は、内側の吸気通路22と外側の消音室24とを気密的に区画する薄膜隔壁を構成している。また、内側ダクト4は、ダクト周方向に複数の振動面が形成された角筒状の合成樹脂薄膜フィルム(振動膜:例えば薄膜状のPENフィルム等)である。この内側ダクト4は、吸気通路22内を流れる吸入空気の流れ方向(吸気流方向)に垂直な断面が、角筒形状(六角筒形状)となっている。
内側ダクト4は、図2ないし図4に示したように、押出成形またはブロー成形または射出成形によって角筒形状に成形されている。
内側ダクト4の両側には、吸気流方向に沿って真っ直ぐに延びる一対のフランジ部34が一体的に形成されている。これらのフランジ部34は、内側ダクト4の両側から半径方向外方に向けて突出するように形成されている。
ここで、一対のフランジ部34は、一対のフランジ部32間にそれぞれ挟み込まれて保持固定されている。これにより、内側ダクト4が外側ダクト3に固定される。
また、内側ダクト4は、第1ジョイント部(径小部)、第1テーパ部、胴体部(径大部)、第2テーパ部および第2ジョイント部(径小部)を有している。
内側ダクト4は、第1ジョイント部の吸気流方向の上流端が、外側ダクト3の第1ジョイント部の吸気流方向の下流端に気密的に接続されている。また、内側ダクト4は、第2ジョイント部の吸気流方向の下流端が、外側ダクト3の第2ジョイント部の吸気流方向の上流端に接続されている。
また、内側ダクト4の第1テーパ部は、胴体部の上流端から絞り込まれて第1ジョイント部の下流端に連続すると共に、角筒状の胴体部から円筒状の第1ジョイント部に向かって徐々に外形が変化する構造を有している。また、内側ダクト4の第2テーパ部は、胴体部の下流端から絞り込まれて第2ジョイント部の上流端に連続すると共に、角筒状の胴体部から円筒状の第2ジョイント部に向かって徐々に外形が変化する構造を有している。なお、第1、第2テーパ部の代わりに、角環状の段差部を設けても良い。
内側ダクト4は、所定の膜厚(例えば2mm)よりも薄く形成した複数の薄膜部41〜45、およびこれらの薄膜部41〜45よりも厚く形成した複数の厚膜部50、51、53〜57を有している。
薄膜部41〜45の膜厚は、厚膜部50、51、53〜57よりも薄肉で、内側ダクト4のダクト周方向の最小膜厚部を構成している。特に薄膜部41〜45の膜厚は、0.5mm以下(例えば0.2〜0.5mm、特に0.3〜0.4mm)といった非常に薄肉である。また、厚膜部50、51、53〜57は、薄膜部41〜45よりも厚肉で、内側ダクト4のダクト周方向の最大膜厚部を構成している。
薄膜部41は、吸気通路22の周囲を取り囲むように、2つの第1、第2ジョイント部のダクト周方向に配設された半割り円筒部(第1薄膜部)によって構成されている。この半割り円筒部の外面、つまり薄膜部41の外面には、2つの第1、第2ジョイント部のダクト周方向に延びる半割り円筒面が形成されている。
薄膜部42、43は、吸気通路22の周囲を取り囲むように、2つの第1、第2テーパ部のダクト周方向に所定の間隔で配設された複数の斜面部(第2薄膜部)によって構成されている。これらの斜面部の外面、つまり薄膜部42、43の外面には、吸気流方向に対して傾斜して延びる台形状の傾斜面(平面)が形成されている。
複数の薄膜部44、45は、吸気通路22の周囲を取り囲むように、胴体部のダクト周方向に所定の間隔で配設された複数の平面部(第3薄膜部)によって構成されている。これらの平面部の外面、つまり薄膜部44、45の外面には、吸気流方向に沿って直線状に延びる方形状の振動面(平面)が形成されている。
また、複数の振動面は、複数の薄膜部44、45に対応して設けられている。また、複数の振動面は、エンジンから吸気ダクト内を伝播してきた吸気音の所望(特定)の周波数に共鳴して膜厚方向に振動する。また、各振動面は、所定の幅、所定の長さを有している。
なお、薄膜部41〜45、特に内側ダクト4の胴体部を構成する薄膜部44、45の膜厚は、従来製品よりも膜厚方向の膜振動を増大させて大きな消音効果を得るという目的から、0.05〜1.9mm程度であることが望ましく、更に0.2〜0.5mmであることがより望ましく、0.3〜0.4mmであることが最も望ましい。薄膜部44、45の膜厚が0.05mm未満の場合には、内側ダクト4の強度および剛性が低下すると共に、内側ダクト4の製造が困難となる。また、薄膜部44、45の膜厚が2.0mm以上の場合には、内側ダクト4の膜振動が十分にできなくなって膜厚方向の膜振動による消音効果が低下する。
厚膜部50、51、53〜57は、内側ダクト4の外面より外側ダクト3の内面側に向けて所定の突出量分だけ突出している。
内側ダクト4は、2つの第1、第2ジョイント部の先端部(開口端縁部)に、2つの第1、第2ジョイント部のダクト周方向、つまり吸気流方向に対して垂直な方向に延びる曲線部(内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位)を一体的に形成している。
この曲線部上には、薄膜部41〜45よりも厚肉である円環状の厚膜部50が一体的に形成されている。また、厚膜部50は、2つの第1、第2ジョイント部の曲線部の膜厚を、薄膜部41〜45の膜厚よりも厚く形成した補強リブ(補強部)である。そして、厚膜部50は、2つの第1、第2ジョイント部の半割り円筒部の外面である半割り円筒面より外部(外側ダクト3の内面側)に向けて突出するリブ状突起部である。
また、内側ダクト4は、2つの第1、第2ジョイント部の半割り円筒部(薄膜部41)と2つの第1、第2テーパ部の複数の斜面部(薄膜部42、43)との間に形成される鈍角部(内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位)に、半割り円筒部と複数の斜面部とが交差する複数の第1稜線を有している。
これらの第1稜線は、2つの第1、第2テーパ部のダクト周方向、つまり吸気流方向に対して垂直な方向に延びている。そして、複数の第1稜線上には、薄膜部41〜45よりも厚肉である円環状の厚膜部(第1厚膜部)51が一体的に形成されている。つまり、厚膜部51は、第1稜線に沿って2つの第1、第2テーパ部のダクト周方向に延びている。また、厚膜部51は、第1稜線およびその近傍(第1稜線の両側または片側近傍)の膜厚を、薄膜部41〜45の膜厚よりも厚く形成した補強リブ(補強部)である。そして、厚膜部51は、2つの第1、第2ジョイント部の半割り円筒部の外面である半割り円筒面より外部(外側ダクト3の内面側)に向けて突出するリブ状突起部である。
また、内側ダクト4は、2つの第1、第2テーパ部の複数の斜面部(薄膜部42、43)と胴体部の複数の平面部(薄膜部44、45)との間に形成される鈍角部に、隣合う斜面部と平面部とが交差する複数の第2稜線を有している。
これらの第2稜線は、胴体部のダクト周方向、つまり吸気流方向に対して垂直な方向に延びている。
また、内側ダクト4は、2つの第1、第2テーパ部の複数の斜面部のうちの隣合う2つの斜面部(薄膜部42、43)間に形成される鈍角部(内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位)に、複数の斜面部のうちの隣合う2つの斜面部同士が交差する複数の第3稜線を有している。
これらの第3稜線は、吸気流方向に対して傾斜して真っ直ぐに延びている。そして、複数の第3稜線上には、薄膜部41〜45よりも厚肉である直線状の厚膜部(第3厚膜部)53が一体的に形成されている。つまり、厚膜部53は、第3稜線に沿って真っ直ぐに延びている。また、厚膜部53は、第3稜線およびその近傍(第3稜線の両側または片側近傍)の膜厚を、薄膜部41〜45の膜厚よりも厚く形成した補強リブ(補強部)である。そして、厚膜部53は、2つの第1、第2テーパ部の複数の斜面部の外面である傾斜面より外部(外側ダクト3の内面側)に向けて突出するリブ状突起部である。
また、内側ダクト4は、胴体部における複数の平面部のうちの隣合う2つの平面部(薄膜部44、45)間に形成される鈍角部(内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位)に、複数の平面部のうちの隣合う2つの平面部同士が交差する複数の第4稜線を有している。
これらの第4稜線は、吸気流方向に沿って真っ直ぐに延びている。そして、複数の第4稜線上には、薄膜部41〜45よりも厚肉である直線状の厚膜部(第4厚膜部)54が一体的に形成されている。つまり、厚膜部54は、第4稜線に沿って真っ直ぐに延びている。また、厚膜部54は、第4稜線およびその近傍(第4稜線の両側または片側近傍)の膜厚を、薄膜部41〜45の膜厚よりも厚く形成した補強リブ(補強部)である。そして、厚膜部54は、胴体部の複数の平面部の外面である振動面より外部(外側ダクト3の内面側)に向けて突出するリブ状突起部である。
また、内側ダクト4は、胴体部における複数の平面部のうちの隣合う2つの平面部(薄膜部45)間に形成される鈍角部(内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位)に、複数の平面部のうちの隣合う2つの平面部同士が交差する複数の第5稜線を有している。
これらの第5稜線は、吸気流方向に沿って真っ直ぐに延びている。そして、複数の第5稜線上には、薄膜部41〜45よりも厚肉である直線状の厚膜部(第5厚膜部)55が一体的に形成されている。つまり、厚膜部55は、第5稜線に沿って真っ直ぐに延びている。また、厚膜部55は、第5稜線およびその近傍(第5稜線の両側または片側近傍)の膜厚を、薄膜部41〜45の膜厚よりも厚く形成した補強リブ(補強部)である。そして、厚膜部55は、胴体部の複数の平面部の外面である振動面より外部(外側ダクト3の内面側)に向けて突出するリブ状突起部である。
また、内側ダクト4は、2つの第1、第2テーパ部の複数の斜面部のうちの隣合う2つの斜面部(薄膜部43)間に形成される鈍角部(内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位)に、複数の斜面部のうちの隣合う2つの斜面部同士が交差する複数の第6稜線を有している。
これらの第6稜線は、吸気流方向に対して傾斜して真っ直ぐに延びている。そして、複数の第6稜線上には、薄膜部41〜45よりも厚肉である直線状の厚膜部(第6厚膜部)56が一体的に形成されている。つまり、厚膜部56は、第6稜線に沿って真っ直ぐに延びている。また、厚膜部56は、第6稜線およびその近傍(第6稜線の両側または片側近傍)の膜厚を、薄膜部41〜45の膜厚よりも厚く形成した補強リブ(補強部)である。そして、厚膜部56は、2つの第1、第2テーパ部の複数の斜面部の外面である傾斜面より外部(外側ダクト3の内面側)に向けて突出するリブ状突起部である。
また、内側ダクト4は、2つの第1、第2ジョイント部の2つの半割り円筒部間に形成される直線部(内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位)上に、薄膜部41〜45よりも厚肉である直線状の厚膜部(第7厚膜部)57が一体的に形成されている。つまり、厚膜部57は、吸気流方向に沿って真っ直ぐに延びている。また、厚膜部57は、直線部およびその近傍(直線部の両側または片側近傍)の膜厚を、薄膜部41〜45の膜厚よりも厚く形成した補強リブ(補強部)である。そして、厚膜部57は、2つの第1、第2ジョイント部の2つの半割り円筒部の外面である半割り円筒面より外部(外側ダクト3の内面側)に向けて突出するリブ状突起部である。
なお、以上のリブ状突起部および第1〜第6稜線は、内側ダクト4を補強する第1補強部であり、また、厚膜部50、51、53〜57は、内側ダクト4を補強する第2補強部である。
[実施例1の作用]
次に、本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)の作用を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。
イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、スロットルバルブ13のスロットル開度に応じて、エアクリーナケース2の外気導入口から外気を吸入し、エンジンが運転を開始する。このとき、エンジンの特定気筒が排気行程から、吸気バルブが開弁し、ピストンが下降する吸気行程に移行すると、ピストンの下降に従って当該気筒の燃焼室内の負圧(大気圧よりも低い圧力)が大きくなり、開弁している吸気ポートから燃焼室に混合気が吸い込まれる。
また、エンジンは、吸気バルブの開閉作動およびピストンの昇降運動を実施することで、吸気行程、圧縮行程、膨張(燃焼)行程、排気行程の4つの行程(ストローク)を順次繰り返すため、吸気ダクト内の全体に吸入空気の振動、すなわち、吸気脈動が発生する。そして、この吸気脈動に伴って吸気脈動音、つまり吸気音が吸気ダクト内を伝播する。
吸気ダクト内を伝播した吸気音が、エンジン側から消音ダクトに到達すると、内側ダクト4の薄膜部(平面部)44、45が、吸気ダクト内を伝播してきた吸気音の所望(特定)の周波数(を含む特定の周波数帯域)に共鳴して膜厚方向に振動する。
そして、内側ダクト4の薄膜部44、45における膜厚方向の膜振動によって発生する音波が、内側ダクト4の薄膜部44、45の各振動面(平面)から消音ダクトの消音室24内に伝播する。そして、消音ダクトの外側ダクト3の内面に伝播してきた音波は、先ず消音室24内で減衰する。
次に、外側ダクト3の内面に伝播してきた音波は、外側ダクト3の内面で反射し、反射波となって内側ダクト側に向かう。これにより、内側ダクト4の薄膜部44、45における膜厚方向の膜振動によって発生し、外側ダクト側に向かう音波と、内側ダクト側に向かう反射波とが干渉して減衰される。
したがって、内側ダクト4の薄膜部44、45における膜厚方向の膜振動によって発生する音波が減衰(消音)されるので、外側ダクト3から外部へ伝達される放射音を低減することが可能となる。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)においては、薄膜部41〜45の膜厚が非常に薄い内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位(薄膜状の内側ダクト4における曲線部、鈍角部および直線部)に、薄膜部41〜45の膜厚よりも厚く形成した厚膜部(第2補強部)50、51、53〜57を設けている。すなわち、内側ダクト4における曲線部、鈍角部および直線部の肉厚を薄膜部41〜45の膜厚よりも非常に厚く形成することで、薄膜状の内側ダクト4である合成樹脂薄膜フィルム(合成樹脂薄膜ダクト)であっても、内側ダクト4における曲線部、鈍角部および直線部の剛性および強度を向上することが可能となる。
これによって、別体部品である補強部材によって内側ダクト4における曲線部、鈍角部および直線部を補強しなくても、合成樹脂薄膜ダクトの耐圧強度不足を解消することができる。この結果、合成樹脂薄膜ダクトに補強部材を接合固定する必要がなくなるので、部品点数および組付工数の増加を抑えることができ、消音ダクトの製品コスト(製造コスト)の上昇を抑えることができる。また、合成樹脂薄膜ダクト自体の剛性および強度を向上することが可能となるので、エンジンからの脈動波による吸気通路22内の圧力変化等を要因とする合成樹脂薄膜ダクトの変形や、薄膜状の内側ダクト4における曲線部、鈍角部および直線部、特に厚膜部50、51、53〜57のエッジ部分における応力集中を抑えることができる。
また、薄膜部41〜45の膜厚が非常に薄い内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位(薄膜状の内側ダクト4における曲線部、鈍角部および直線部)を補強する補強部としての厚膜部50、51、53〜57は、内側ダクト4の外面、特に薄膜部41〜45の外面(円筒面、傾斜面、平面)より外部(外側ダクト3の内面側)に向けて突出している。これにより、内側ダクト4の内面、特に薄膜部41〜45の内面より吸気通路22内に向けて突出する突出物(障害物)が形成されないので、吸気通路22内を流れる吸入空気の圧力損失の増加を防止することができる。
また、合成樹脂薄膜ダクトの耐圧強度不足を解消することができるので、吸気通路22内を吸入空気が流れる際に吸入負圧が発生した場合であっても、合成樹脂薄膜フィルムの耐圧強度不足を原因とする、薄膜部41〜45のうちの一部の薄膜部が内側へ潰れる等の変形を抑制することができる。これにより、吸気通路22内の通路断面積が狭くなるのを抑制できるので、エンジンに必要な吸入空気量を容易に得ることができる。したがって、エンジン出力の低下を抑えることができる。
また、内側ダクト4における薄膜部41〜45の膜厚を従来製品の薄膜部の膜厚よりも非常に薄く形成することができるので、従来製品よりも薄膜部41〜45の肉厚(膜厚)方向の膜振動を増大させることが可能となり、従来製品よりも大きな消音効果を発揮する。すなわち、本実施例の内側ダクト4は、従来製品よりも消音性能を向上することができる。
図5は本発明の実施例2を示したもので、図5(a)、(b)は内側ダクトを示した図である。
本実施例の内側ダクト4は、2つの第1、第2テーパ部の複数の斜面部と胴体部の複数の平面部との間に形成される鈍角部(内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位)に、隣合う斜面部と平面部とが交差する複数の第2稜線を有している。
これらの第2稜線は、胴体部のダクト周方向、つまり吸気流方向に対して垂直な方向に延びている。そして、複数の第2稜線上には、薄膜部41〜45よりも厚肉である円環状の厚膜部(第2厚膜部)52が一体的に形成されている。つまり、厚膜部52は、第2稜線に沿って胴体部のダクト周方向に延びている。また、厚膜部52は、第2稜線およびその近傍(第2稜線の両側または片側近傍)の膜厚を、薄膜部41〜45の膜厚よりも厚く形成した補強リブ(補強部)である。そして、厚膜部52は、胴体部の複数の平面部の外面である振動面より外部(外側ダクト3の内面側)に向けて突出するリブ状突起部である。
また、内側ダクト4は、2つの第1、第2テーパ部の複数の斜面部のうちの隣合う2つの斜面部(薄膜部42、43)間に形成される鈍角部(内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位)に、複数の斜面部のうちの隣合う2つの斜面部同士が交差する複数の第3稜線を有している。これらの第3稜線は、吸気流方向に対して傾斜して真っ直ぐに延びている。
また、内側ダクト4は、胴体部における複数の平面部のうちの隣合う2つの平面部(薄膜部44、45)間に形成される鈍角部(内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位)に、複数の平面部のうちの隣合う2つの平面部同士が交差する複数の第4稜線を有している。これらの第4稜線は、吸気流方向に沿って真っ直ぐに延びている。
また、内側ダクト4は、胴体部の上流端と下流端との間の中間部分に、胴体部のダクト周方向、つまり吸気流方向に対して垂直な方向に延びる2つの曲線部(内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位)を一体的に形成している。
これらの曲線部上には、薄膜部41〜45よりも厚肉である円環状の厚膜部58が一体的に形成されている。また、厚膜部58は、胴体部の曲線部の膜厚を、薄膜部41〜45の膜厚よりも厚く形成した補強リブ(補強部)である。そして、厚膜部58は、胴体部の外面である振動面(平面)より外部(外側ダクト3の内面側)に向けて突出するリブ状突起部である。 以上のように、本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)においては、内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位(内側ダクト4における曲線部、鈍角部および直線部)に、薄膜部41〜45よりも厚肉である厚膜部50〜52、55〜58を設けているので、実施例1と同様な効果を達成することができる。
また、本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)においては、複数の振動面(平面)が、厚膜部52、55、58と複数の第4稜線とで区画されるため、実施例1と比べて、1つの振動面(平面)の面積が小さくなり、振動面(平面)の数が増える。
図6は本発明の実施例3を示したもので、図6(a)、(b)は内側ダクトを示した図である。
本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)においては、内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位(内側ダクト4における曲線部、鈍角部および直線部)に、薄膜部41〜45よりも厚肉である厚膜部50〜58を設けているので、実施例1と同様な効果を達成することができる。
また、本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)においては、複数の振動面(平面)が、厚膜部52、54、55、58によって区画されるため、実施例1と比べて、1つの振動面(平面)の面積が小さくなり、振動面(平面)の数が増える。
図7および図8は本発明の実施例4を示したもので、図7(a)、(b)および図8(a)、(b)は内側ダクトを示した図である。
本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)は、内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位(内側ダクト4における曲線部、鈍角部および直線部)に、薄膜部41〜45よりも厚肉である厚膜部50、51、53〜57を設けている。
これらの厚膜部50、51、53〜57は、内側ダクト4における2つの第1、第2ジョイント部の半割り円筒部(薄膜部41)の内面同士、2つの第1、第2テーパ部の複数の斜面部のうちの隣合う2つの斜面部(薄膜部42、43)の内面同士、胴体部の複数の平面部のうちの隣合う2つの平面部(薄膜部44、45)の内面同士が隙間無く密着するように折り重ねられて形成された折り重ね部(折り返し重合部)によって構成されている。
以上のように、本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)においては、実施例1と同様な効果を達成することができる。
図9は本発明の実施例5を示したもので、図9(a)、(b)は内側ダクトを示した図である。
本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)は、内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位(内側ダクト4における曲線部、鈍角部および直線部)に、薄膜部41〜45よりも厚肉である厚膜部50〜52、55〜58を設けている。
これらの厚膜部50〜52、55〜58は、内側ダクト4における2つの第1、第2ジョイント部の半割り円筒部(薄膜部41)の内面同士、2つの第1、第2テーパ部の複数の斜面部のうちの隣合う2つの斜面部(薄膜部43)の内面同士、胴体部の複数の平面部のうちの隣合う2つの平面部(薄膜部45)の内面同士が隙間無く密着するように折り重ねられて形成された折り重ね部(折り返し重合部)によって構成されている。
以上のように、本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)においては、実施例1と同様な効果を達成することができる。
また、本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)においては、複数の振動面(平面)が、厚膜部52、55、58と複数の第4稜線とで区画されるため、実施例1及び4と比べて、1つの振動面(平面)の面積が小さくなり、振動面(平面)の数が増える。
図10は本発明の実施例6を示したもので、図10(a)、(b)は内側ダクトを示した図である。
本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)は、内側ダクト4のうちで中空構造体として強度または剛性が必要な部位(内側ダクト4における曲線部、鈍角部および直線部)に、薄膜部41〜45よりも厚肉である厚膜部50〜58を設けている。
これらの厚膜部50〜58は、内側ダクト4における2つの第1、第2ジョイント部の半割り円筒部(薄膜部41)の内面同士、2つの第1、第2テーパ部の複数の斜面部のうちの隣合う2つの斜面部(薄膜部42、43)の内面同士、胴体部の複数の平面部のうちの隣合う2つの平面部(薄膜部44、45)の内面同士が隙間無く密着するように折り重ねられて形成された折り重ね部(折り返し重合部)によって構成されている。
以上のように、本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)においては、実施例1と同様な効果を達成することができる。
また、本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)においては、複数の振動面(平面)が、厚膜部52、54、55、58によって区画されるため、実施例1及び4と比べて、1つの振動面(平面)の面積が小さくなり、振動面(平面)の数が増える。
図11は本発明の実施例7を示したもので、図11(a)、(b)は内側ダクトを示した図である。
本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)は、所定の膜厚(例えば2mm)よりも薄く形成した薄膜部44、45を有する内側ダクト4を備えている。薄膜部44、45の膜厚は、0.5mm以下(例えば0.2〜0.5mm、特に0.3〜0.4mm)といった非常に薄肉である。
薄膜部44、45は、吸気通路22の周囲を取り囲むように、胴体部のダクト周方向に所定の間隔で配設された複数の平面部(薄膜部)によって構成されている。これらの平面部の外面、つまり薄膜部44、45の外面には、吸気流方向に沿って直線状に延びる方形状の振動面(平面)が形成されている。
また、内側ダクト4は、2つの第1、第2ジョイント部にフランジ部35を有している。また、2つの第1、第2ジョイント部およびフランジ部35には、薄膜部44、45よりも厚肉である円環状の厚膜部61、62が一体的に形成されている。つまり、厚膜部61、62は、2つの第1、第2ジョイント部のダクト周方向、つまり吸気流方向に対して垂直な方向に延びている。また、厚膜部61、62は、2つの第1、第2ジョイント部およびフランジ部35の膜厚を、薄膜部44、45の膜厚よりも厚く形成した補強リブ(補強部)である。そして、フランジ部35および厚膜部61、62は、2つの第1、第2ジョイント部の外面より外部(外側ダクト3の内面側)に向けて突出するリブ状突起部である。
また、内側ダクト4の胴体部の中間部分には、薄膜部44、45よりも厚肉である円環状の厚膜部63、64が一体的に形成されている。つまり、厚膜部63、64は、胴体部のダクト周方向、つまり吸気流方向に対して垂直な方向に延びている。また、厚膜部63、64は、胴体部の中間部分の膜厚を、薄膜部44、45の膜厚よりも厚く形成した補強リブ(補強部)である。そして、厚膜部63、64は、胴体部の中間部分の外面、つまり薄膜部44、45の振動面(平面)より外部(外側ダクト3の内面側)に向けて突出するリブ状突起部である。
ここで、薄膜部44、45の膜厚を非常に薄くした角筒状の内側ダクト4の場合、内側ダクト4の耐圧強度が不足すると、エンジンからの脈動波による内側ダクト4の吸気通路22内の圧力変化等によって、内側ダクト4の形状が大きく変化するという問題があった。例えば内側ダクト4の内部(吸気通路22)を吸入空気が通過する際に吸入負圧が生じると、内側ダクト4の薄膜部44、45のうちの一部の平面部が内側に向かって潰れようとする。
そこで、上記不具合を解消すべく、本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)のように、耐圧強度不足を補うための補強部材を設置することなく、薄膜状の内側ダクト4である合成樹脂薄膜ダクト自体で補強構造部(厚膜部61〜64)を構成することで、薄膜部44、45が支えられ、吸入負圧に対して耐え得るようにしている。
以上のように、本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)においては、実施例1と同様な効果を達成することができる。
図12は本発明の実施例8を示したもので、図12(a)、(b)は内側ダクトを示した図である。
本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)は、実施例7の厚膜部63、64の代わりに、内側ダクト4の胴体部の中間部分に蛇腹部36を設けている。この場合には、内側ダクト4の吸気通路22内の圧力変化等による内側ダクト4の形状変化を蛇腹部36の弾性変形によって吸収することができる。
以上のように、本実施例の内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)においては、実施例1と同様な効果を達成することができる。
なお、内側ダクト4の耐負圧特性を向上するため、蛇腹部36を、その他の胴体部と比べて硬質の合成樹脂によって形成しても良い。
[変形例]
本実施例では、エンジンの吸気ダクトに、電子スロットル装置および吸気渦流発生装置を設置したが、エンジンの吸気ダクトに、電子スロットル装置または吸気渦流発生装置を設置しなくても良い。エンジンの吸気ダクトに、少なくとも吸気消音装置(吸気消音器)が設置されていれば良い。
本実施例では、外側ダクト3と内側ダクト4との間に形成される筒状の空間を消音室24として使用しているが、外側ダクト3と内側ダクト4との間に形成される筒状の空間を吸音室または共鳴室として使用しても良い。
また、空気層(消音室24)を、アルゴン、ヘリウム、キセノン等の不活性ガス、窒素ガスなどが封入されるガス層(気体層)に変更しても良い。
ここで、共鳴室として使用する場合には、外側ダクト3に分岐開口部(連通孔)を設け、この分岐開口部からダッシュパネル(またはサイドパネル)を貫通して、自動車の車室内で開口する開口部まで延びる分岐ダクトを消音ダクトに接続する。そして、内側ダクト4の形状、厚み、面積または位置をチューニングすることにより、所望(特定)の周波数(を含む特定の周波数帯域:例えば100〜400Hz程度)を有する吸気音、例えば運転者にとって心地良い吸気音が、内側ダクト4を透過して、消音ダクトの共鳴室および分岐開口部からダッシュパネル(またはサイドパネル)を貫通する分岐ダクト内に伝播し、その後に、分岐ダクトの開口部から自動車の車室内に放出される。なお、この場合の消音ダクトは共鳴器となる。
本実施例では、内部に流体流路が形成された筒状のダクト(内側ダクト4)と、このダクトの周囲を気体層(空気層)を介して取り囲む筒状の被覆体(外側ダクト3)とを備えた2重管構造の吸気消音装置(消音ダクト)を構成しているが、内部に流体流路が形成された筒状のダクト(内側ダクト4)のみで吸気消音装置(消音ダクト)を構成しても良い。
本実施例では、被覆体として、円筒形状の外側ダクト3を採用しているが、被覆体として、角筒形状または長円筒形状等の被覆体を採用しても良い。
本実施例では、内側ダクト4として、六角筒形状の合成樹脂ダクト(フィルム)を採用しているが、内側ダクト4として、三角〜五角、七角以上の多角筒形状、あるいは長円筒形状等のように、少なくとも一部に所定の面積を持つ平面部(薄膜部、薄肉部)を有する筒形状の合成樹脂ダクト(フィルム)を採用しても良い。
本実施例では、本発明の消音装置を、エンジンで発生した吸気音、つまり内側ダクト4よりも吸気通路(流体流路)を流れる吸入空気(流体、特に気体)の流れ方向(吸気流方向)の下流側で発生した音を減衰させる吸気消音装置(音を消音する消音ダクトまたは音を吸収する吸音ダクト)に適用しているが、本発明の消音装置を、ダクトよりも流体流路を流れる流体の流れ方向の上流側で発生した音を減衰させる消音装置(消音ダクトまたは吸音ダクト)に適用しても良い。あるいは本発明の消音装置を、ダクトの内部で発生した音を減衰させる消音装置(消音ダクトまたは吸音ダクト)に適用しても良い。
本実施例では、本発明の消音装置を、エンジンの吸気ダクトの途中に部分的に設置された2重管構造の吸気消音装置(消音ダクト)に適用しているが、本発明の消音装置を、内燃機関の排気ダクトの途中に部分的に設置された排気消音装置(自動車用マフラ)に適用しても良い。また、本発明の消音装置を、空調装置(エアコン)用の吸気ダクトまたは燃焼式暖房装置の排気ダクトの途中に部分的に設置される消音装置(消音ダクトまたは吸音ダクト)に適用しても良い。
本実施例では、2つの第1、第2ジョイント部、2つの第1、第2テーパ部および胴体部に、膜厚が所定の膜厚よりも薄い薄膜部41〜45を配設した内側ダクト4を採用しているが、少なくとも胴体部のみに、膜厚が所定の膜厚よりも薄い薄膜部44、45を配設した内側ダクト4を採用しても良い。また、少なくとも胴体部のダクト周方向(吸気流方向に対して垂直な方向)に薄膜部44、45および厚膜部54、55を交互に所定の間隔で配設しても良い。
本実施例では、薄膜部44、45のうちの隣合う2つの薄膜部44、45間に補強部として機能する厚膜部54、55を配設しているが、薄膜部44、45のうちの隣合う2つの薄膜部44、45間に補強部として機能する第4、第5稜線を配設しても良い。なお、第4稜線は、複数の平面部のうちの隣合う2つの平面部(薄膜部44、45)同士が交差し、且つ吸入空気(流体)の流れ方向に沿って延びる稜線となる。また、第5稜線は、フランジ部34と平面部45とが交差し、あるいは複数の平面部のうちの隣合う2つの平面部(薄膜部45)同士が交差し、且つ吸入空気(流体)の流れ方向に沿って延びる稜線となる。
また、第4、第5稜線または厚膜部54、55を、吸入空気(流体)の流れ方向に対して傾斜して延ばしても良い。また、内側ダクト4の胴体部に、吸入空気(流体)の流れ方向に対して垂直な方向に延びる稜線を設けても良い。
内燃機関の吸気装置を示した概略図である(実施例1)。 (a)は内燃機関の吸気消音装置(消音ダクト)を示した断面図で、(b)は(a)のA−A断面図である(実施例1)。 (a)は内側ダクトを示した平面図で、(b)は(a)のB−B断面図である(実施例1)。 (a)、(b)は内側ダクトを示した平面図、正面図である(実施例1)。 (a)、(b)は内側ダクトを示した平面図、正面図である(実施例2)。 (a)、(b)は内側ダクトを示した平面図、正面図である(実施例3)。 (a)は内側ダクトを示した平面図で、(b)、(c)は(a)のC−C断面図である(実施例4)。 (a)、(b)は内側ダクトを示した平面図、正面図である(実施例4)。 (a)、(b)は内側ダクトを示した平面図、正面図である(実施例5)。 (a)、(b)は内側ダクトを示した平面図、正面図である(実施例6)。 (a)は内側ダクトを示した断面図で、(b)は(a)のD−D断面図である(実施例7)。 (a)は内側ダクトを示した断面図で、(b)は(a)のE−E断面図である(実施例8)。 内燃機関の消音装置を示した断面図である(従来の技術)。 (a)は内燃機関の消音装置を示した断面図で、(b)は(a)の要部拡大図である(従来の技術)。 (a)は内側ダクトを示した平面図で、(b)は(a)のF−F断面図である(比較例)。
符号の説明
3 外側ダクト(円筒体、アウターダクト、外筒、外管)
4 内側ダクト(角筒体、インナーダクト、内筒、内管)
21 吸気通路(流体流路)
22 吸気通路(中空部、流体流路)
23 吸気通路(流体流路)
24 消音室(空気層)
31 半割り円筒体
32 フランジ部
34 フランジ部
35 フランジ部
36 蛇腹部
41 2つの第1、第2ジョイント部の薄膜部(薄肉部、円筒部)
42 2つの第1、第2テーパ部の薄膜部(薄肉部、斜面部)
43 2つの第1、第2テーパ部の薄膜部(薄肉部、斜面部)
44 胴体部の薄膜部(薄肉部、平面部)
45 胴体部の薄膜部(薄肉部、平面部)
50 厚膜部(補強部、厚肉部)
51 厚膜部(補強部、厚肉部)
52 厚膜部(補強部、厚肉部)
53 厚膜部(補強部、厚肉部)
54 厚膜部(補強部、厚肉部)
55 厚膜部(補強部、厚肉部)
56 厚膜部(補強部、厚肉部)
57 厚膜部(補強部、厚肉部)
58 厚膜部(補強部、厚肉部)
61 厚膜部(補強部、厚肉部)
62 厚膜部(補強部、厚肉部)
63 厚膜部(補強部、厚肉部)
64 厚膜部(補強部、厚肉部)

Claims (15)

  1. 内部に中空部が形成された中空構造体を備えた消音装置において、
    前記中空構造体は、所定の肉厚よりも薄く形成した薄膜部、および前記中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位に、前記薄膜部の肉厚よりも厚く形成した補強部を有していることを特徴とする消音装置。
  2. 請求項1に記載の消音装置において、
    前記薄膜部は、前記中空部の周囲を取り囲むように、前記中空構造体の周方向に配設された複数の平面部によって構成されていることを特徴とする消音装置。
  3. 請求項2に記載の消音装置において、
    前記中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位とは、前記複数の平面部のうちの隣合う2つの平面部間に形成される角部のことであることを特徴とする消音装置。
  4. 請求項3に記載の消音装置において、
    前記補強部は、前記角部およびその近傍に配設された厚膜部または厚肉部によって構成されていることを特徴とする消音装置。
  5. 請求項4に記載の消音装置において、
    前記厚膜部または前記厚肉部は、前記中空構造体の内面同士が密着するように折り重ねられて形成されていることを特徴とする消音装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の消音装置において、
    前記厚膜部または前記厚肉部は、前記複数の平面部のうちの隣合う2つの平面部同士が交差する稜線に沿って延びていることを特徴とする消音装置。
  7. 請求項2ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の消音装置において、
    前記補強部は、前記複数の平面部の外面より外部に向けて突出していることを特徴とする消音装置。
  8. 請求項2ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の消音装置において、
    前記中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位とは、前記中空構造体の中間部分のことであることを特徴とする消音装置。
  9. 請求項8に記載の消音装置において、
    前記補強部は、前記中空構造体の中間部分に配設された厚膜部または厚肉部によって構成されていることを特徴とする消音装置。
  10. 請求項9に記載の消音装置において、
    前記厚膜部または前記厚肉部は、前記中空構造体の内面同士が密着するように折り重ねられて形成されていることを特徴とする消音装置。
  11. 請求項8ないし請求項10のうちのいずれか1つに記載の消音装置において、
    前記補強部は、前記複数の平面部の外面より外部に向けて突出していることを特徴とする消音装置。
  12. 請求項2ないし請求項11のうちのいずれか1つに記載の消音装置において、
    前記中空構造体のうちで強度または剛性が必要な部位とは、ジョイント部またはフランジ部のことであることを特徴とする消音装置。
  13. 請求項12に記載の消音装置において、
    前記補強部は、前記ジョイント部または前記フランジ部に配設された厚膜部または厚肉部によって構成されていることを特徴とする消音装置。
  14. 請求項13に記載の消音装置において、
    前記厚膜部または前記厚肉部は、前記中空構造体の内面同士が密着するように折り重ねられて形成されていることを特徴とする消音装置。
  15. 請求項12ないし請求項14のうちのいずれか1つに記載の消音装置において、
    前記補強部は、前記複数の平面部の外面より外部に向けて突出していることを特徴とする消音装置。
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