しかし、特許文献1に記載のトレーニング管理システムは、サイクリングマシン又はランニングマシン等の比較的単純な運動動作をユーザに行わせる運動支援装置を対象としたものであり、スポーツクラブ又はフィットネスクラブ等の運動施設の代替としては不十分である。
また、運動動作に関する画像を表示してストレッチ、筋力トレーニング又はエアロビクス等の運動支援を行う運動支援装置の場合、液晶表示装置又はプロジェクタ等の画像を表示する装置を用意するのみで簡単に運動支援を実現できる。このため、スポーツクラブ又はフィットネスクラブ等の運動施設でなく、ユーザは自宅のテレビジョン装置などに運動動作に関する画像を表示させることができ、運動支援装置により自宅にて運動を行うことができる。
しかしながら、スポーツクラブ又はフィットネスクラブ等の運動施設では比較的大きなスペースを利用してユーザは運動を行うことができるが、自宅においてはテレビジョン装置などが設置された部屋の大きさに運動を行うことができるスペースが制限されるという問題がある。また、部屋の大きさ及び部屋に設置された家具等の要因によって、運動を行うことができるスペースの大きさはユーザ毎に異なる。このため、運動支援装置によって表示された運動動作が大きな移動を伴うものである場合、大きい運動スペースを確保できないユーザは運動動作を十分に行うことができない虞がある。また、運動支援装置を利用して複数のユーザが同時に運動を行う場合には、各ユーザの運動スペースが更に制限される。
運動施設においてインストラクタの指導の元でユーザが運動を行う場合には、運動に利用可能なスペース及びユーザの人数等を考慮してインストラクタが適切な運動を選択し、ユーザを指導することができる。しかし、上述のような運動支援装置の場合には、適切な指導を行うインストラクタが存在しないため、運動支援装置を用いて狭い部屋で多数のユーザが運動を行うなど、各ユーザが十分な運動スペースを確保できない状態で運動を行う虞があり、運動効果及び安全性が損なわれるという問題がある。特許文献2に記載の運動支援システムについても同様の問題がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ユーザが運動に利用することができるスペース内で行うことができる運動動作のみを運動動作データベースから選択して表示部に表示し、効果的に運動の支援を行うことができる運動支援装置、コンピュータプログラム及び運動支援方法を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、複数のユーザが運動を行う場合であっても、各ユーザが運動を行う運動スペースを的確に決定し、各ユーザの運動スペース内で行うことができる運動動作のみを表示部に表示することができる運動支援装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、矩形の利用可能スペースを等分して運動スペースの決定を行う構成とすることにより、各ユーザが運動するのに適した形状の運動スペースの決定を行うことができる運動支援装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、運動動作データベースには各運動動作に必要なスペースの大きさを身長に対する比率として記憶しておくことにより、ユーザの体格差に関係なく、各ユーザに適した運動動作を選択して表示部に表示することができる運動支援装置を提供することにある。
本発明に係る運動支援装置は、運動動作に係る画像を表示部に表示する処理を行う表示処理手段を備える運動支援装置において、運動に利用することができる利用可能スペースに係る情報を取得する利用可能スペース取得手段と、該利用可能スペース取得手段が取得した利用可能スペースに係る情報を基に、被支援者が運動を行う運動スペースを決定する運動スペース決定手段と、運動動作及び該運動動作を行うために必要なスペースに係る情報が対応付けて記憶された運動動作データベースから、前記運動スペース決定手段が決定した運動スペースにて行うことができる運動動作を選択する運動動作選択手段とを備え、前記表示処理手段は、前記運動動作選択手段が選択した運動動作に係る画像を前記表示部に表示するようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係る運動支援装置は、運動を行う被支援者の人数を取得する運動人数取得手段を更に備え、前記運動スペース決定手段は、前記利用可能スペース取得手段が取得した利用可能スペースに係る情報及び前記運動人数取得手段が取得した人数を基に、各被支援者が運動を行う運動スペースを決定するようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係る運動支援装置は、前記利用可能スペース取得手段が取得する利用可能スペースが矩形であり、前記運動スペース決定手段は、前記利用可能スペースを前記運動人数取得手段が取得した人数で等分した矩形スペースの縦横比率を算出し、前記矩形スペースの縦横比率が所定比率範囲を超える場合、前記人数を増して、前記等分した矩形スペースの縦横比率の算出を繰り返し行い、前記矩形スペースの縦横比率が所定比率範囲を超えない場合に、前記等分した矩形スペースを前記運動スペースと決定するようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係る運動支援装置は、前記運動動作データベースには、運動動作を行うために必要なスペースの大きさが身長に対する比率として記憶してあり、被支援者の身長を取得する身長取得手段と、前記運動動作データベースに記憶された比率及び前記身長取得手段が取得した身長を基に、運動動作データベースに記憶された各運動動作を行うために必要なスペースの大きさを算出する必要スペース算出手段とを更に備え、前記運動動作選択手段は、前記必要スペース算出手段が算出した必要スペースの大きさを基に、前記運動スペース決定手段が決定した運動スペースにて行うことができる運動動作を選択するようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、被支援者の運動を支援するために表示部に表示する運動動作を選択させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、運動に利用することができる利用可能スペースに係る情報を基に、被支援者が運動を行う運動スペースを決定させるステップと、運動動作及び該運動動作を行うために必要なスペースに係る情報が対応付けて記憶された運動動作データベースから、決定した運動スペースにて行うことができる運動動作を選択させるステップとを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る運動支援方法は、運動動作に係る画像を表示部に表示することにより被支援者の運動を支援する運動支援方法において、運動に利用することができる利用可能スペースに係る情報を基に、被支援者が運動を行う運動スペースを決定し、運動動作及び該運動動作を行うために必要なスペースに係る情報が対応付けて記憶された運動動作データベースから、決定した運動スペースにて行うことができる運動動作を選択し、選択した運動動作に係る画像を前記表示部に表示することを特徴とする。
本発明においては、運動動作及びこれを行うために必要なスペースに係る情報を対応付けて運動動作データベースに記憶しておく。運動支援装置は、運動に利用できる利用可能スペースに係る情報、例えば運動を行う部屋の幅、奥行き及び高さ等の情報を取得し、取得した情報を基にユーザが運動を行う運動スペースを決定する。ユーザの運動スペースと運動動作に必要なスペースとを基に、運動支援装置は運動動作データベースからユーザの運動スペースにて行うことができる運動動作を選択することができる。選択した運動動作に係る画像を表示部に表示することにより、運動支援装置はユーザが運動を行う部屋などの大きさに適した運動動作のみを表示することができる。よって、ユーザは狭い部屋などの限られたスペースであっても、運動支援装置による運動を確実に行うことができる。
また、本発明においては、運動を行うユーザの人数を運動支援装置が取得する。ユーザの人数の取得方法は、ユーザが入力する数値を直接的に受け付ける方法であってもよく、予めデータベースなどに登録された人数を取得する方法であってもよく、又はその他の方法であってもよい。運動を行う部屋などが広い場合であっても、同時に運動を行うユーザの数が増すと、各ユーザが確保できる運動スペースは制限されて小さくなる。そこで、運動支援装置は、全体として運動に利用可能なスペースの大きさと運動を行う人数とから、各ユーザの運動スペースを決定し、この運動スペースの大きさにて行うことができる運動動作を選択する。これにより運動支援装置は、広い部屋で一人又は少人数のユーザが運動を行う場合には動きの大きな運動動作を表示し、狭い部屋又は多人数のユーザが運動を行う場合には動きの小さな運動動作を表示するなど、運動に利用可能なスペースと運動を行うユーザの人数とに適した運動支援を行うことができる。
また、本発明においては、運動に利用できる利用可能スペースとして、矩形のスペースを運動支援装置は取得する。ユーザが運動を行う部屋などの形状が矩形以外の複雑な形状の場合には、この中で確保することができる最大の矩形のスペースを利用可能スペースとすればよい。次いで運動支援装置は、矩形の利用可能スペースをユーザの人数で等分して得られる矩形スペースの縦横比率を算出する。なお、利用可能スペースをユーザの人数で等分する際には、等分した矩形スペースの縦及び横の長さの差が最も小さくなるように運動支援装置は等分を行うものとする。
矩形スペースの縦及び横の長さの差が大きく、縦横比率が所定比率範囲を超える場合には、この矩形スペースは運動に適さない縦長又は横長のスペースであると判断できる。そこで、算出した縦横比率が所定比率範囲を超える場合、運動支援装置はユーザの人数を例えば1人増して利用可能スペースの等分を再度行い、矩形スペースの縦横比率が所定比率範囲を超えるか否かを再度判定する。利用可能スペースの等分及び縦横比率の判定をユーザの人数を増しながら繰り返し行い、縦横比率が所定比率範囲を超えない場合に、運動支援装置は等分した矩形スペースを運動スペースとして決定する。
これにより、運動支援装置は、運動に適さない極度に縦長又は横長のスペースを運動スペースとして決定することがない。極度に縦長又は横長のスペースが運動スペースとして決定された場合、このような運動スペースにて行うことができる運動動作が運動動作データベース中に存在しない虞があるが、運動スペースの縦横比率を所定比率範囲内に限ることによってこれを回避できる。
また、本発明においては、運動動作データベースに、運動動作を行うために必要なスペースの大きさを身長に対する比率として記憶しておく。運動動作を行うために必要なスペースの大きさは、ユーザの体格などにより異なる。小柄なユーザは小さなスペースで動きの大きな運動動作を行うことができるが、大柄なユーザは同じ運動動作を行うためにより大きなスペースを必要とする。
そこで、運動支援装置は、運動を行うユーザの身長を取得して、運動動作データベースに記憶された比率に伸長を積算することによって、運動動作を行うために必要なスペースの大きさを算出する。運動を行うユーザが複数存在する場合には、最も高い身長を用いればよい。これにより運動支援装置は、狭い部屋でユーザが運動を行う場合などに、身長の低いユーザには動きの大きな運動動作を表示し、身長の高いユーザには動きの小さな運動動作を表示するなど、ユーザの身長に適した運動支援を行うことができる。
本発明による場合は、ユーザが確保できる運動スペース内で行うことができる運動動作のみを表示部に表示して運動支援を行う構成とすることにより、例えば狭い部屋では動きの小さな運動動作を表示し、広い部屋では動きの大きな運動動作を表示するなど、ユーザが運動を行う部屋などの大きさに適した運動支援を行うことができる。よって、ユーザは部屋の大きさなどを気にすることなく運動支援装置による運動を確実に行うことができるため、スポーツクラブ又はフィットネスクラブ等の運動施設を利用することなくユーザが自宅で健康増進及びダイエット等を目的とした運動を簡単に継続して行うことができる。
また、本発明による場合は、運動に利用することができる利用可能スペース、及び運動を行うユーザの人数から、各ユーザの運動スペースを決定する構成とすることにより、運動支援装置を利用して複数のユーザが同時に運動を行う場合であっても、運動に利用可能なスペースとユーザの人数とに適した運動動作を表示して運動支援を行うことができる。よって、運動支援装置の利便性を向上することができ、家族又は友人等の多人数で楽しみながら運動を効果的に行うことができる。
また、本発明による場合は、矩形の利用可能スペースをユーザの人数で等分し、等分した矩形スペースの縦横比率が所定比率範囲を超える場合には人数を増して利用可能スペースの等分を再度行い、縦横比率が所定比率範囲を超えない場合にこの矩形スペースを各ユーザの運動スペースとする構成とすることにより、運動に適さない極度に縦長又は横長のスペースが運動スペースとして決定されることがない。よって運動支援装置は、各ユーザに最適な運動スペースを決定することができ、運動スペースに最適な運動動作を表示して運動支援を行うことができる。
また、本発明による場合は、運動動作に必要なスペースの大きさを身長に対する比率として運動動作データベースに記憶しておき、ユーザの身長を取得して運動動作データベースの比率を基に運動動作に必要なスペースの大きさを算出する構成とすることにより、運動スペースとユーザの体格とを考慮した運動動作の選択及び表示を行うことができる。よって運動支援装置は、各ユーザにより適した運動操作を表示して運動支援を行うことができ、ユーザはより効果的に運動を行うことができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明に係る運動支援装置の構成を示す模式図である。図において1は、液晶表示装置3などにケーブルを介して接続され、運動動作に係る画像を液晶表示装置3に表示することによってユーザ(被支援者)100の運動を支援する運動支援装置である。運動支援装置1及び液晶表示装置3は、例えばユーザ100の自宅にて部屋の隅などに設置される。このとき、液晶表示装置3は表示面が部屋の中央を向くように設置され、ユーザ100は部屋の中央側にて液晶表示装置3が表示する画像の視聴及び運動を行うことができる。なお、液晶表示装置3は、運動支援装置1の運動支援に係る画像を表示する専用の表示装置であってもよく、テレビ番組などの表示を行う表示装置であってもよい。また、運動支援装置1は、運動支援に係る処理を行う専用の装置であってもよく、運動支援に係る処理を行うプログラムがインストールされたPC(Personal Computer)などであってもよい。
運動支援装置1は、ユーザ100の運動を支援するための画像として運動動作を行う見本像110を液晶表示装置3に表示する。例えば見本像110にはポリゴン及びテクスチャ等で構成された3次元人物像を用いることができ、運動支援装置1はこの見本像110が予め決定された運動メニュー(運動内容)に応じて動作する動画像を液晶表示装置3に表示する。また、運動支援装置1は、液晶表示装置3に内蔵されたスピーカ(図示は省略する)から見本像110の動作に応じて運動のリズムに適したテンポの楽曲を再生して出力することができる。これによりユーザ100は、液晶表示装置3に表示された3次元の見本像110の運動動作を真似て、液晶表示装置3のスピーカから出力される楽曲に合わせて体を動かすことができ、運動支援装置1は各ユーザ100に適した運動を行わせることができる。
図2は、本発明に係る運動支援装置1の構成を示すブロック図である。運動支援装置1は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、出力部13、操作部14、通信部15及び記憶部20等を備えている。CPU11は、記憶部20に記憶された制御プログラム21を読み出して実行することにより、運動支援装置1の各部の制御処理及び各種の演算処理等を行うものである。RAM12は、SRAM(Static RAM)又はDRAM(Dynamic RAM)等のメモリ素子で構成され、CPU11の処理過程で発生したデータなどの記憶を行うものである。
出力部13は、画像及び音声等のアナログ信号又はデジタル信号を伝送するケーブルなどを接続する接続端子を有しており、これらのケーブルを介して液晶表示装置3に接続されている。運動支援装置1は、上述の見本像110の画像、ユーザ100が各種の情報を設定するための設定画面及びユーザ100に選択させるためのメニュー画面等の画像に係るデータを表示に適した画像信号に変換し、出力部13からケーブルを介して液晶表示装置3へ出力することによって画像の表示を行う。また、運動支援装置1は、見本像110の動作に合わせて再生する楽曲、効果音及び音声メッセージ等の音声に係るデータを音声信号に変換し、出力部13から液晶表示装置3へ出力することによって、液晶表示装置3のスピーカから音声出力を行う。
操作部14は、例えば運動支援装置1の筺体の正面に設けられた複数のスイッチなどで構成されるものである。操作部14は、ユーザ100のスイッチ操作による情報の入力及びメニューの選択等を受け付けて、受け付けた操作内容をCPU11へ通知する。なお、運動支援装置1がリモートコントローラ(以下、リモコンという)を備える場合には、このリモコンに操作部14を設ける構成であってもよい。また、運動支援装置1が操作部14としてマウス及びキーボード等の入力装置を備える構成であってもよく、液晶表示装置3の表示面にタッチパネルを設けて操作部14とする構成であってもよい。
通信部15は、通信ケーブルを接続するための接続端子を有し、通信ケーブルを介してLAN(Local Area Network)などのネットワークNに接続されている。通信部15は、ネットワークNに接続された他の機器との間でデータの送受信を行うことができ、例えば各種のプログラム及びデータをネットワークNを介してダウンロードし、記憶部20に記憶することができる。
記憶部20は、ハードディスクなどの大容量の記憶装置で構成されるものであり、運動支援処理を行うための制御プログラム21、並びに運動動作データベース(以下、DBという)22、ユーザ情報DB23、スペース設定ファイル24及び運動レベル変換テーブル25等の各種のデータが記憶してある。これらのプログラム及びデータは、運動支援装置1に予めインストールされて記憶部20に記憶される構成であってもよく、通信部15がネットワークNを介して他の機器からダウンロードして記憶部20に記憶される構成であってもよい。なお、記憶部20に記憶された各種のデータの詳細は後述する。
本発明に係る運動支援装置1を利用して運動を行うユーザ100は、まず、液晶表示装置3に表示されるユーザ情報登録画面を閲覧しながら、操作部14を操作してユーザ100に関する情報を登録する必要がある。図3は、ユーザ情報を登録するためのユーザ情報登録画面の一例を示す模式図である。ユーザ情報登録画面には、例えばユーザ名、年齢、身長及び体重を入力するためのボックスと、性別を選択するための2つのオプションボタンと、運動習慣を選択するための5つのチェックボックスとが設けてある。ユーザ100は、これらの情報を入力又は選択した後で、操作部14を利用して”登録”ボタンを操作することによりユーザ情報の入力を完了して登録することができる。なお、ユーザ情報登録画面を利用したユーザ情報の登録は、ユーザ100が運動支援装置1を初めて利用する場合にのみ行えばよく、2度目以降は登録した情報を読み出して利用すればよい。
ユーザ100によりユーザ情報が登録された場合、運動支援装置1はユーザ100毎にID(IDentifier)番号などの識別情報を付与すると共に、登録されたユーザ情報を記憶部20のユーザ情報DB23に記憶する。図4は、ユーザ情報DB23の一構成例を示す模式図である。ユーザ情報DB23には、各ユーザ100に一意に付与された識別情報に対応付けて、ユーザ名、年齢、性別、身長、体重、運動習慣及び運動レベル等の情報が記憶される。ユーザ情報DB23に記憶されるユーザ名、年齢、性別、身長及び体重に係る情報は、図3に示したユーザ情報登録画面にてユーザ100が入力した情報である。
ユーザ情報DB23の運動習慣は1〜5の値で表わされ、ユーザ情報登録画面に設けられた5つのチェックボックスのいずれが選択されたかにより決定される。例えば、"毎日運動する"が選択された場合には運動習慣の値が"5"に決定され、"週3回程度運動する"が選択された場合には運動習慣の値が"4"に決定され、"週末だけ運動する"が選択された場合には運動習慣の値が"3"に決定され、"月1回程度運動する"が選択された場合には運動習慣の値が"2"に決定され、"ほとんど運動しない"が選択された場合には運動習慣の値が"1"に決定される。
ユーザ情報DB23の運動レベルは、各ユーザ100の運動能力を示す情報である。運動支援装置1は、ユーザ情報登録画面にて登録されたユーザ100の年齢、性別及び運動習慣を基に、記憶部20に記憶した運動レベル変換テーブル25を参照することによって、各ユーザ100の運動レベルを決定する。図5は、運動レベル変換テーブル25の一構成例を示す模式図である。運動レベル変換テーブル25は、男性又は女性の性別毎に定められた年齢層と、運動習慣を5段階に評価した数値とに対応付けて、1〜5の5段階の数値で運動レベルが記憶してある。これにより、運動支援装置1は、ユーザ100の年齢、性別及び運動習慣から運動レベルを一意に決定することができ、決定した運動レベルをユーザ情報DB23に記憶する。
またユーザ100は、運動支援装置1を用いた運動を開始する前に、運動に利用可能なスペース(利用可能スペース)の大きさ(広さ)に関する情報を設定する必要がある。利用可能スペースは、例えば運動支援装置1が設置された部屋の中で家具などの障害物が存在せず、ユーザ100が自由に移動することができる場所(例えば図1においてハッチングを付した領域)である。運動支援装置1は、利用可能スペースの大きさを設定するためのスペース設定画面を液晶表示装置3に表示し、ユーザ100による入力を受け付ける。また、運動支援装置1を用いた運動は複数のユーザ100が同時に行うことができるため、運動支援装置1はスペース設定画面にて運動を行うユーザ100の人数の設定を受け付ける。
図6は、スペース設定画面の一例を示す模式図である。スペース設定画面には、例えば利用可能スペースの形状を選択するためのプルダウンメニューと、幅及び奥行きを入力するためのボックスと、利用人数を入力するためのボックスとが設けてある。利用可能スペースの形状は例えば長方形、正方形又は円形等から選択することができる。ここで長方形が選択された場合、運動支援装置1は利用可能スペースの大きさとして幅及び奥行きの設定を受け付ければよい。正方形が選択された場合、運動支援装置1は幅又は奥行きのいずれか一方の設定を受け付けて他方を同じ値に自動的に設定してもよい。また、円形が選択された場合、運動支援装置1は半径又は直径を入力するためのボックスをスペース設定画面に表示して、利用可能スペースの大きさとして半径又は直径の設定を受け付けてもよい。
運動支援装置1は、スペース設定画面にて受け付けた利用可能スペースの大きさ(幅及び奥行き)と利用人数とを、記憶部20のスペース設定ファイル24に記憶する。ただし、利用可能スペースの形状を長方形又は正方形以外の形状とした場合、運動支援装置1は設定された形状にて確保することができる最大の長方形又は正方形のスペースを算出し、算出したスペースの大きさを利用可能スペースの大きさとしてスペース設定ファイル24に記憶してもよい。また、以前の設定内容から変更がない場合にはユーザ100はスペース設定画面による設定を行うことを省略でき、この場合には運動支援装置1は記憶部20に記憶されたスペース設定ファイル24を読み出して利用可能スペースの大きさ及び利用人数を取得する。なお、本実施の形態においては、利用可能なスペースを2次元の平面として扱うが、これに限るものではなく、スペース設定画面にて高さの設定を受け付けるなどして利用可能なスペースを3次元の空間として扱う構成とすることもできる。
利用可能スペースの大きさ及び利用人数の設定を受け付けてスペース設定ファイル24に記憶した運動支援装置1は、この設定を基に1人のユーザ100が運動に利用できるスペース(運動スペース)を決定する。なお、運動支援装置1を利用して運動を行うユーザ100の人数が1人の場合、このユーザ100の運動スペースはスペース設定画面にて設定された利用可能スペースである。2人以上の複数人のユーザ100が1つの運動支援装置1を利用して運動を行う場合の運動スペースの決定方法について以下に説明する。
図7及び図8は、運動スペースの決定方法を説明するための模式図である。なお本例では、ユーザ100がスペース設定画面にて利用可能スペースを、幅が4.0m且つ奥行きが3.0mの長方形と設定したものとする。ユーザ100がスペース設定画面にて利用人数を2人に設定した場合、運動支援装置1は利用可能スペースを2等分して2つの長方形又は正方形のスペース(矩形スペース)とする。ここで、幅が4.0m且つ奥行きが3.0mの利用可能スペースを2等分する場合、幅が2.0m且つ奥行きが3.0mの2つの矩形スペースa1及びa2となるように幅方向を2等分する方法(図7(a)参照)と、幅が4.0m且つ奥行きが1.5mの2つの矩形スペースb1及びb2となるように奥行き方向を2等分する方法(図7(b)参照)との2つの方法がある。
そこで運動支援装置1は、利用可能スペースを等分した矩形スペースについて縦横の比率(ここで、矩形スペースの縦横のうち長い方の辺の長さ/短い方の辺の長さを縦横比率とする)を算出し、縦横比率が最も小さい矩形スペースを各ユーザ100の運動スペースと決定する。即ち、運動支援装置1は、最も正方形に近い矩形スペースを各ユーザ100の運動スペースと決定する。例えば図7(a)に示す矩形スペースa1及びa2の縦横比率は3.0m/2.0m=1.5であり、図7(b)に示す矩形スペースb1及びb2の縦横比率は4.0m/1.5m≒2.67であるため、運動支援装置1は矩形スペースa1及びa2を各ユーザ100の運動スペースと決定する。
また、ユーザ100がスペース設定画面にて利用人数を3人に設定した場合、運動支援装置1は利用可能スペースを3等分して3つの矩形スペースとする。ここで、幅が4.0m且つ奥行きが3.0mの利用可能スペースを3等分する場合、幅が約1.33m且つ奥行きが3.0mの3つの矩形スペースa1〜a3となるように幅方向を3等分する方法(図8(a)参照)と、幅が4.0m且つ奥行きが1.0mの3つの矩形スペースb1〜b3となるように奥行き方向を3等分する方法(図8(b)参照)との2つの方法がある。矩形スペースa1〜a3の縦横比率は3.0m/1.33m≒2.26であり、矩形スペースb1〜b3の縦横比率は4.0/1.0=4.0であるため、矩形スペースa1〜a3の方が縦横比率は小さい。ただし、運動支援装置1は、矩形スペースの縦横比率が所定の比率範囲を超える場合(本例では1≦縦横比率≦2.0の比率範囲を超える場合、即ち縦横比率>2.0の場合)には、この矩形スペースは運動に不向きな極度に縦長又は横長のスペースであると判断し、この矩形スペースは運動スペースと決定しない。
そこで、運動支援装置1は、利用人数を1人増して4人とし、利用可能スペースを4等分して4つの矩形スペースとする。幅が4.0m且つ奥行きが3.0mの利用可能スペースを4等分する場合、幅が1.0m且つ奥行きが3.0mの4つの矩形スペースとなるように幅方向を4等分する方法(図示は省略する)と、幅が4.0m且つ奥行きが0.75mの4つの矩形スペースとなるように奥行き方向を4等分する方法(図示は省略する)と、幅が2.0m且つ奥行きが1.5mの4つの矩形スペースc1〜c4となるように幅方向及び奥行き方法をそれぞれ2等分する方法(図8(c)参照)との3つの方法がある。矩形スペースc1〜c4の縦横比率は2.0m/1.5m≒1.33であり、3つの方法で縦横比率が最も小さく、且つ、1≦縦横比率≦2.0を満たすため、運動支援装置1は矩形スペースc1〜c4(のうちの3つ)を各ユーザ100の運動スペースと決定する。
このように運動支援装置1は、利用可能スペースを等分した矩形スペースの縦横比率が所定比率範囲を超える場合、縦横比率が所定比率範囲内となるまで、利用人数を1人増し、利用可能スペースを再度等分し、得られる矩形スペースの縦横比率が所定比率範囲内であるか否かを判定する処理を繰り返し行う。これにより、各ユーザ100の運動スペースが運動に不向きな極度に縦長又は横長のスペースと決定されることがない。
各ユーザ100の運動スペースを決定した運動支援装置1は、記憶部20に記憶された運動動作DB22を読み出して、各ユーザ100の運動レベル及び上述の運動スペース等を考慮して、ユーザ100及び周囲環境に適した運動内容(運動メニュー)を決定する。図9は、運動動作DB22の一構成例を示す模式図である。運動動作DB22は、ユーザ100の運動レベルに応じた詳細な運動動作が、運動のジャンル毎に分類して記憶されたツリー構造をなしている。図示の例では、運動動作DB22は、エアロビクスに関する運動動作が記憶されたエアロビクスDB、ヒップホップダンスに関する運動動作が記憶されたヒップホップDB、及びラテンダンスに関する運動動作が記憶されたラテンダンスDBの3つのデータベースで構成されている。また、運動動作DB22のエアロビクスDB、ヒップホップDB及びラテンダンスDBは、ユーザ100の運動レベルに応じた運動動作が記憶されたレベル1〜5のデータベースで構成されている。ただし、図示の構成は一例であり、運動動作DB22がより多くの運動ジャンルに関するデータベースで構成されていてもよい。
図10は、運動動作DB22のエアロビクスDBの一構成例を示す模式図であり、運動レベル3の運動動作が記憶されたデータベースのみを図示してある。なお、エアロビクスDBの他の運動レベルに係るデータベースの構成、並びにヒップホップDB及びラテンDBの構成は、図10に示すデータベースと同様の構成であるため、図示及び説明を省略する。エアロビクスDBには、例えばマーチ、サイドステップ及びグレープバイン等の種々の運動動作が記憶されていると共に、各運動動作をユーザ100が行った場合に必要なスペースの大きさを算出するための必要スペース係数が、各運動動作に対応付けて記憶されている。
必要スペース係数は、各運動動作を行った場合の移動量を、ユーザ100の身長に対する比率として示したものである。運動支援装置1は、必要スペース係数にユーザ100の身長を乗じる(積算する)ことで運動動作に伴うユーザ100の移動量を算出することができ、運動動作に伴うユーザ100の移動量は、即ち運動動作に必要なスペースの大きさである。例えば、必要スペース係数が0.5であり、ユーザ100の身長が160cmである場合、ユーザ100の移動量は0.5×160=80cmと算出することができる。また、必要スペース係数は前後方向及び左右方向のそれぞれについて定めてあり、この場合の前後方向は運動スペースの奥行き方向に相当し、左右方向は運動スペースの幅方向に相当する。
なお、図示のエアロビクスDBは、運動動作としてマーチ、サイドステップ及びグレープバイン等の項目のみが記載されているが、実際には各運動動作に対応した動画像を生成するためのデータ及び運動動作を指示するための音声データ等が各項目に対応付けて記憶してある。また動画像を生成するためのデータとは、例えば表示する人物像を構成するためのポリゴンデータ及びテクスチャデータ等である。
運動支援装置1は、運動を行うユーザ100に適したジャンル(ユーザ100が選択する構成であってよい)のデータベースを運動動作DB22から選択し、選択したデータベースから更にユーザ情報DB23に記憶されたユーザ100の運動レベルに応じたデータベースを選択する。次いで、運動支援装置1は、ユーザ情報DB23から運動を行うユーザ100の身長を取得し、運動動作DB22に記憶された各運動動作の必要スペース係数に身長を乗じて、各運動動作に必要なスペースの大きさを算出する。なお、運動支援装置1を利用して複数のユーザ100が同時に運動を行う場合には、運動支援装置1は最も低い運動レベルに応じてデータベースの選択を行い、最も高い身長に応じて必要なスペースの大きさを算出すればよい。
また上述のように、運動支援装置1は、利用可能スペースの大きさ及びユーザ100の人数に基づいて、各ユーザ100の運動スペースを決定する。これらにより、運動支援装置1は、決定した運動スペース内で行うことができる運動動作を運動動作DB22から抽出することができる。即ち、運動支援装置1は、運動スペースの奥行きより前後方向の必要スペースが小さく、且つ、運動スペースの幅より左右方向の必要スペースが小さい運動動作のみを運動動作DB22から抽出することができる。運動支援装置1は、抽出した運動動作を適宜に組み合わせることによって、ユーザ100に行わせる30分程度の運動メニューを決定する。図11は、運動メニューの一例を示す模式図である。図示の例においては、運動メニューは「ウォーミングアップ」「第1〜第4サーキット」「ストレッチ」の6つのセッションで構成されている。
「ウォーミングアップ」のセッションでは、ユーザ100の運動レベルに応じたウォーミングアップが5分程度行われる。「第1〜第4サーキット」のセッションは、運動動作DB22から選択されたマーチ、腕立て伏せ及びサイドステップ等の複数の運動動作が行われるセッションである。「ストレッチ」のセッションは、ストレッチの後に深呼吸を行って運動を終了するためのセッションである。なおウォーミングアップ及びストレッチ1〜4の運動動作についても、運動DB22からユーザ100の運動レベル及び運動スペース等に応じて選択されたものである。なお、各セッションにて行う運動動作の組み合わせは、ユーザの好み、ユーザの運動履歴、ユーザの運動目的又は運動動作の消費カロリー等の種々の情報を基に運動支援装置1が適宜に決定すればよく、本実施の形態に係る運動支援装置1においては決定方法を特に限定しない。本実施の形態に係る運動支援装置1では、運動スペース内で行うことができる運動動作のみを組み合わせたものであればよい。
運動支援装置1は、決定した運動メニューに基づいて、運動動作DB22から各運動動作に係るデータを取得し、画像処理により見本像110が運動動作を行う動画像を作成して液晶表示装置3に表示する。ユーザ100は表示された見本像110の運動動作を真似ることで運動を行うことができる。このとき液晶表示装置3に表示される動画像は、各ユーザ100が運動スペース内で行うことができる運動動作に係る動画像のみであるため、利用可能スペースが広く利用人数が少ないほど移動量の多い運動動作に係る動画像が表示され、利用可能スペースが狭く利用人数が多いほど移動量の少ない運動動作に係る動画像が表示される。
以下に、本発明に係る運動支援装置1が行う一連の処理をフローチャートを用いて説明する。図12は、本発明に係る運動支援装置1が行うユーザ情報登録処理の手順を示すフローチャートであり、運動支援装置1のCPU11が制御プログラム21を実行することによって行う処理である。まず運動支援装置1のCPU11は、出力部13から画像信号を出力することによって、図3に示したユーザ情報登録画面を液晶表示装置3に表示して(ステップS1)、ユーザ情報の入力を受け付ける。CPU11は、ユーザ情報登録画面の”登録”ボタンが操作部14を利用して操作されたか否かを調べることにより、ユーザ情報の入力が完了したか否かを調べ(ステップS2)、入力が完了していない場合には(S2:NO)、ステップS1へ戻り、ユーザ情報登録画面の表示を継続して行って、ユーザ情報の入力が完了するまで待機する。
ユーザ情報の入力が完了した場合(S2:YES)、CPU11は、記憶部20からユーザ情報DB23を読み出して(ステップS3)、ユーザ情報DB23に含まれない新たな一の識別情報を決定する(ステップS4)。また、CPU11は、図5に示した運動レベル変換テーブル25を読み出して(ステップS5)、入力されたユーザ情報を基にこのユーザ100の運動レベルを決定する(ステップS6)。次いで、CPU11は、決定した識別情報に対応付けて、入力されたユーザ情報及び決定した運動レベルをユーザ情報DB23に記憶して(ステップS7)、ユーザ情報登録処理を終了する。
図13は、本発明に係る運動支援装置1が行うスペース設定処理の手順を示すフローチャートである。運動支援装置1のCPU11は、出力部13から画像信号を出力することによって、図6に示したスペース設定画面を液晶表示装置3に表示して(ステップS21)、スペース設定の入力を受け付ける。CPU11は、ユーザ100による操作部14の操作の有無を基に、スペース設定画面の”OK”ボタンが操作されたか否かを調べることにより、スペース設定の入力が完了したか否かを調べ(ステップS22)、入力が完了していない場合には(S22:NO)、ステップS21へ戻り、スペース設定画面の表示を継続して行って、スペース設定の入力が完了するまで待機する。
スペース設定の入力が完了した場合(S22:YES)、CPU11は、操作部14を利用してユーザにより入力されたスペース設定から利用可能スペースの大きさ(幅及び奥行き)を取得し(ステップS23)、運動支援装置1の利用人数を取得して(ステップS24)、これらの情報を記憶部20のスペース設定ファイル24に記憶する(ステップS25)。次いで、CPU11は、各ユーザの運動スペースを決定するために、運動スペース決定処理を行う(ステップS26)。
図14は、本発明に係る運動支援装置1が行う運動スペース決定処理の手順を示すフローチャートであり、図13に示したスペース設定処理のフローチャートのステップS26にて行う処理である。運動支援装置1のCPU11は、記憶部20に記憶されたスペース設定ファイル24から利用可能スペース(の大きさ)及び利用人数を取得し(ステップS31)、変数nの初期値として利用人数を設定する(ステップS32)。なお、変数nは整数型の変数であり、CPU11のレジスタ又はRAM12等の記憶領域に確保される。
次いで、CPU11は、ステップS31にて取得した利用可能スペースをn等分して(ステップS33)、n個の矩形スペースを取得する。なお、図7及び図8に示したように、得られるn個の矩形スペースが最も正方形に近くなるように、CPU11は利用可能スペースをn等分する。CPU11は、n等分により得られた矩形スペースの縦横比率を算出して(ステップS34)、算出した縦横比率が所定比率範囲内(例えば、1≦縦横比率≦2.0)であるか否かを調べる(ステップS35)。矩形スペースの縦横比率が所定比率範囲外の場合(S35:NO)、CPU11は、変数nに1を加算して(ステップS36)、ステップS33へ戻り、利用可能スペースのn等分、矩形スペースの縦横比率の算出及び所定比率範囲との比較等を繰り返し行う。
矩形スペースの縦横比率が所定比率範囲内の場合(S35:YES)、CPU11は、この矩形スペースを各ユーザ100の運動スペースに決定して(ステップS37)、運動スペース決定処理を終了し、図13に示したスペース設定処理へ戻る。
ステップS26にて運動スペース決定処理を行った後、CPU11は、決定した各ユーザ100の運動スペースに係る情報(運動スペースの幅及び奥行き等)を記憶部20のスペース設定ファイル24に記憶して(ステップS27)、スペース設定処理を終了する。
図15は、本発明に係る運動支援装置1が行う運動メニュー決定処理の手順を示すフローチャートである。まず、運動支援装置1のCPU11は、記憶部20に記憶されたユーザ情報DB23から運動を行うユーザ100の身長を取得する(ステップS41)。なお、複数人のユーザ100が運動を行う場合、CPU11は、全てのユーザ100の身長を取得し、最も高い身長について以下の処理を行う。
また、CPU11は、ユーザ100の好みのジャンル及びユーザ100の運動レベルに応じて、記憶部20から運動動作DB22を読み出す(ステップS42)。このために、CPU11は、ステップS43に先立って、運動のジャンルをユーザ100に選択させるメニューなどを表示して、運動のジャンルの選択を受け付ける処理を行ってもよい。また、複数人のユーザ100が運動を行う場合、CPU11は最も低い運動レベルに対応する運動動作DB22を読み出す。
次いで、CPU11は、運動動作DB22の各運動動作に設けられた必要スペース係数と、ステップS41にて取得したユーザ100の身長とを乗ずることによって、各運動動作の必要スペースを算出する(ステップS43)。また、CPU11は、記憶部20に記憶されたスペース設定ファイル24から各ユーザ100の運動スペースの大きさを取得する(ステップS44)。これによりCPU11は、各運動動作の必要スペースと各ユーザ100の運動スペースとを比較することによって、運動動作DB22の各運動動作を運動スペース内で行うことができるか否かを判定することができる。そこでCPU11は、運動スペースの奥行きより前後方向の必要スペースが小さく、且つ、運動スペースの幅より左右方向の必要スペースが小さい運動動作のみを運動動作DB22から抽出することによって、運動スペース内で行うことができる運動動作の運動動作DB22からの選択を行う(ステップS45)。
次いで、CPU11は、選択された運動動作を適宜に組み合わせることにより、ウォーミングアップの運動動作を決定し(ステップS46)、第1〜第4サーキットの運動動作を決定し(ステップS47)、ストレッチの運動動作を決定して(ステップS48)、運動メニューの決定を行い、処理を終了する。
その後、運動支援装置1は、決定した運動メニューに従って運動動作DB22から各運動動作に係る動画像を構成するためのデータを取得し、見本像110が運動動作を行う動画像を画像処理により作成して液晶表示装置3に表示する。これによりユーザ100は、液晶表示装置3に表示された見本像110の運動動作を真似て運動を行うことができる。
以上の構成の運動支援装置1は、ユーザ100が確保できるスペース内で行うことができる運動動作のみを液晶表示装置3に表示して運動支援を行う構成であるため、例えば狭い部屋では動きの小さな運動動作を表示し、広い部屋では動きの大きな運動動作を表示するなど、ユーザ100が運動を行う部屋などの大きさに適した運動支援を行うことができる。よって、ユーザ100は部屋の大きさなどを気にすることなく運動支援装置1による運動を確実に行うことができるため、スポーツクラブ又はフィットネスクラブ等の運動施設を利用することなくユーザ100が自宅で健康増進及びダイエット等を目的とした運動を簡単に継続して行うことができる。
また、運動支援装置1は、スペース設定画面にて入力された利用可能スペースの大きさ及び利用人数から、各ユーザ100の運動スペースを決定する構成であるため、運動支援装置1を利用して複数のユーザ100が同時に運動を行う場合であっても、運動に利用可能なスペースとユーザ100の人数とに適した運動動作のみを液晶表示装置3に表示して運動支援を行うことができる。よって、ユーザ100は家族又は友人等の多人数で楽しみながら運動を効果的に行うことができる。
また、運動支援装置1は、矩形の利用可能スペースを利用人数で等分し、等分した矩形スペースの縦横比率が所定比率範囲を超える場合には人数を増して利用可能スペースの等分を再度行い、縦横比率が所定比率範囲を超えない場合にこの矩形スペースを各ユーザ100の運動スペースとする構成であるため、運動に適さない極度に縦長又は横長のスペースが運動スペースとして決定されることがない。よって運動支援装置1は、各ユーザ100に最適な運動スペースを決定することができ、運動スペースに最適な運動動作のみを液晶表示装置3に表示して運動支援を行うことができる。
また、運動支援装置1は、運動動作に必要なスペースの大きさを身長に対する比率として運動動作DB22に記憶しておき、ユーザ100情報DB23からユーザ100の身長を取得し、運動動作DB22の比率にユーザ100の身長を乗じて運動動作に必要なスペースの大きさを算出する構成であるため、各ユーザ100の運動スペースの大きさとユーザ100の体格とを考慮した運動動作の選択及び表示を行うことができ、ユーザ100はより効果的に運動を行うことができる。
なお、本実施の形態においては、運動支援装置1がケーブルなどを介して接続された液晶表示装置1に運動動作に係る動画像を表示する構成としたが、これに限るものではなく、運動支援装置1に液晶パネルなどによる表示部を内蔵し、この表示部に同画像を表示する構成としてもよい。また、運動支援装置1として汎用のPCを用いる場合には、運動支援装置1は運動支援用のコンピュータプログラムとして提供されるものであってもよい。
また、運動支援装置1はユーザ100が自宅で利用する構成としたが、利用場所はこれに限るものではなく、スポーツクラブ又はフィットネスクラブ等の運動施設にて運動支援装置1を利用する構成であってもよい。この場合、複数の運動支援装置1をLAN(Local Area Network)などのネットワークを介して接続し、運動動作DB22及びユーザ情報DB23等のデータをサーバコンピュータなどが管理する構成としてもよい。
また、利用可能スペースを利用人数で等分した矩形スペースの縦横比率を算出する際に、矩形スペースの長い方の辺の長さ/短い方の辺の長さ=縦横比率として算出を行ったが、これに限るものではない。例えば、矩形スペースの短い方の辺の長さ/長い方の辺の長さ=縦横比率としてもよく、この場合には0.5≦縦横比率≦1.0を所定比率範囲として運動スペースの決定処理を行えばよい。また例えば、矩形スペースの縦の辺の長さ/横の辺の長さ=縦横比率としてもよく、この場合には0.5≦縦横比率≦2.0を所定比率範囲として運動スペースの決定処理を行えばよい。なお、所定比率範囲として示した数値は一例であってこれに限るものではない。
(変形例)
また、運動支援装置1は利用可能スペースを2次元の平面として扱う構成であるが、これに限るものではなく、利用可能スペースを3次元の空間として扱う構成としてもよい。図16は、変形例に係るスペース設定画面の一例を示す模式図である。変形例のスペース設定画面は、図6に示したスペース設定画面に利用可能スペースの高さを入力するためのボックスを追加した構成である。ユーザ100は運動に利用できるスペースの高さ(部屋の天井までの高さ又は電灯までの高さ等)を入力する。運動支援装置1は、入力された高さを取得して、幅及び奥行きと共に記憶部20のスペース設定ファイル24に記憶する。ただし、運動支援装置1は、各ユーザ100の運動スペースの決定処理については、利用可能スペースの高さを考慮する必要はなく、上述と同様の方法で運動スペースを決定すればよい。利用可能スペースの高さは運動動作DB22から運動動作を選択する際に用いられる。
図17は、変形例に係る運動動作DB22の一構成例を示す模式図である。変形例の運動動作DB22は、各運動動作に対応付けて、前後方向及び左右方向の必要スペース係数が記憶されていると共に、上下方向の必要スペース係数が記憶されている。運動支援装置1は、ユーザ情報DB23からユーザ100の身長を取得して必要スペース係数に乗ずることによって、各運動動作を行うために必要なスペースの高さを算出することができる。
よって、変形例の運動支援装置1は、各ユーザ100が運動スペースにて行うことができる運動動作を運動動作DB22から選択する際に、利用可能スペースの高さと各運動動作に必要なスペースの高さとを比較して、利用可能スペースの高さを超える運動動作を選択から除外する。このように、変形例の運動支援装置1は、利用可能スペースの高さを考慮して運動動作の選択を行うため、例えば身長の高いユーザ100が天井の低い部屋で運動を行う場合などでは上下の移動量が大きい運動動作(例えばジャンプなど)が表示されず、ユーザ100が安全に運動を行うことができる。