以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
〔実施形態1〕
図1は本発明の実施形態に係る通信システム全体の概略構成の一例を示す説明図である。本実施形態の通信システムでは、複数の通信端末装置としての携帯電話機等の移動体通信端末であるユーザ端末装置(UE:User Equipment)10S,10Rからメール送受信等のメール通信サービスを利用することができる。このメール通信サービスを提供するために、通信ネットワークとしての移動体通信網20にメール処理システム231が設けられている。本実施形態のメール処理システム231は、マルチメディアメッセージ(以下、「MMSメッセージ」という。)のメール送受信が可能なメール通信サービスを提供することができるマルチメディアメッセージングサービスセンター(MMSC)として機能する。このメール処理システム231は、メール転送処理装置としてのマルチメディアメッセージングサービス−リレー(MMS−R。以下、「MMSリレー装置」という。)232と、メール格納管理装置としてのマルチメディアメッセージングサービス−サーバ(MMS−S。以下、「MMSサーバ装置」という。)233とを備える。MMSリレー装置232は、各ユーザ端末装置10S,10Rから、送信対象のMMSメッセージやメール関連処理の処理要求等を受信したり、MMSメッセージの着信通知、メッセージ本体(メール本体)、送信済みのMMSメッセージについての配信確認通知等を各ユーザ端末装置10S,10Rに送信したりする。MMSサーバ装置233は、MMSメッセージを記憶するメール記憶手段としてのメールボックス(メッセージボックス)233aを備え、送受信されるMMSメッセージを配信可能に一時的に保存したり、各加入者の送信済みのMMSメッセージや受信済みのMMSメッセージを保存したりする。メール処理システム231とユーザ端末装置10S,10Rとの間のMMSメッセージの送受信には、HTTP等のWEB通信プロトコルのほか、SMTPやIMAP等の汎用のメール通信プロトコルを用いることができる。
なお、本実施形態では、必要に応じて、メッセージ送信側の端末装置をユーザ端末装置10Sとし、メッセージ受信側の端末装置をユーザ端末装置10Rとして説明する。また、本実施形態では、2台のユーザ端末装置10S,10Rとの間でMMSメッセージが送受信される場合について説明するが、本発明は、ユーザ端末装置の数やメールの種類にかかわらず適用することができる。例えば、本発明は、3台以上のユーザ端末装置の間でMMSメッセージ以外のメールを送受信する場合にも適用することができる。
また、本実施形態のユーザ端末装置10S,10Rはそれぞれ、そのユーザ端末装置の利用者(通信サービスの加入者)に対応する同一の加入者識別情報について互いに異なる複数のメールアドレスがそれぞれ設定された複数の回線を使用可能に構成されている。なお、本実施形態では、上記複数の回線として、加入者が主に使用するように設定された主回線としてのA回線と、その加入者がA回線(主回線)とは別に追加使用するように設定された一つの副回線としてのB回線とを使用可能な場合について説明するが、本発明は、2以上の副回線を使用可能な場合にも同様に適用できる。
ここで、上記「メールアドレス」は、MMSメッセージ等のメールの送信先や送信元として使用可能な通信ネットワーク上のアドレスある。この「メールアドレス」としては、例えば、インターネット30を介した電子メールの送受信に可能な「@」を書式に含む「電子メールアドレス」(例えば、「aaaaa@ssssss.jp」)のほか、移動体通信網20を介したSMS(Short Message Service)メッセージ等のメールの送受信に使用可能な「電話番号」(例えば「090-1234-5678」)が挙げられる。そして、上記同一の加入者識別情報について設定される「互いに異なる複数のメールアドレス」は、同じ種類のメールアドレスについて設定される「互いに異なる複数のメールアドレス」である。例えば、上記「電子メールアドレス」がメールアドレスである場合の「互いに異なる複数のメールアドレス」としては、「2A@ssssss.jp」及び「2B@ssssss.jp」が挙げられる。また、上記「電話番号」がメールアドレスの場合の「互いに異なる複数のメールアドレス」としては、「090-1111-aaaa」及び「090-1111-bbbb」(「aaaa」及び「bbbb」の部分は互いに異なる数字である)が挙げられる。
上記移動体通信網20は、基地局や無線ネットワーク制御装置等を含む無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)210と、交換器等を含むコアネットワーク220と、上記メール処理システム231を含むIP(Internet Protocol)ネットワーク230と、ショートメッセージサービス(以下、「SMS」と略す。)のメッセージの送受信を中継して処理するショートメッセージサービスセンタ(以下、「SMSC」と略す。)250とを備えている。また、移動体通信網20は、図1において図示が省略されているが、各利用者による通信サービスの利用を管理する通信サービス利用管理装置としてのRADIUS(Remote Authentication Dial In User Service)サーバと、加入者がウェブやメール等の通信サービスを利用する際に必要な利用者情報やユーザ端末装置の情報等を管理する利用者情報管理装置としてR2M(RADIUS and Repository Manager)サーバとを備えている。上記RADIUSサーバは、通信サービスの利用者を識別する認証処理、認証済みの利用者に対して通信サービスを提供するか否かを判断する処理、実際の通信サービスの利用情報を記録するアカウンティング等を行う。また、上記R2Mサーバは、移動体通信網20の他のノードからリクエストに応じて、各ユーザ端末装置の電話番号や加入者識別情報(IMSI:International Mobile Subscriber Identity)等の情報を提供する。
上記無線アクセスネットワーク210の基地局211は、管轄対象のセルごとに設けられ、移動体通信網20内の有線回線からのデータを無線インタフェースに合うデータフォーマットに変換し、管轄対象のセル内にあるユーザ端末装置10S,10Rに無線周波数で送信する。逆に無線周波数で送信されるユーザ端末装置10S,10Rからのデータを受信して有線インタフェースに合うデータフォーマットに変換し、移動体通信網20内の有線回線部分に転送する。
上記コアネットワーク220は、回線交換網やパケット交換網等の交換網、位置登録データベース(HLR:Home Location Register)221、図示しない認証センター等を備え、各ユーザ端末装置間の通信等を中継するように通信制御を行う。更に、コアネットワーク220は、各ユーザ端末装置と、移動体通信網20内の構成要素との間における通信を中継するように通信制御を行う。また、コアネットワーク220は、各ユーザ端末装置と他の通信ネットワークとの間における通信を中継するように通信制御を行う。
また、上記コアネットワーク220のパケット交換網は、SGSN(Serving GPRS Support Node)222やGGSN(Gateway GPRS Support Node)223等のノードを有している。SGSN222は、基地局211が接続されている図示しない無線ネットワーク制御装置とコアネットワーク220側のパケット交換網との間のゲートウェイ機能と、各ユーザ端末装置10S,10Rの位置管理、セキュリティ管理及びアクセス制御を行う機能とを有している。また、GGSN223は、コアネットワーク220側のパケット交換網と、IPネットワーク230との間のゲートウェイ機能を有している。
上記IPネットワーク230は、前述のメール処理システム231のほか、プロキシサーバ235、ゲートウェイサーバ236、プッシュ型の配信中継装置としてのPPG(Push Proxy Gateway)サーバ237、加入者情報が格納された加入者情報データベースとしてのCUR(Common User Repository)238、各種メッセージの配信情報を管理するメッセージ配信管理装置としてのMDM(Message Delivery Management)サーバ239、その他図示しないWEBサーバ等を備えている。
上記プロキシサーバ235は、各ユーザ端末装置10S,10Rと、IPネットワーク230内のサーバやインターネット30上のサーバとの間の通信を中継する処理を行う。このプロキシサーバ235は、コアネットワーク220における通信プロトコルとIPネットワーク230やインターネット30等の他の通信ネットワークにおける通信プロトコルが異なる場合に、両通信プロトコルを合わせるためのプロトコル変換機能も有している。なお、このIPネットワーク230には、WEBサーバや、コンテンツをダウンロードするためのダウンロードサーバを設けてもよい。
上記ゲートウェイサーバ236は、移動体通信網20のIPネットワーク230とインターネット30との間のゲートウェイ機能とファイヤウォール機能とを有している。
上記PPGサーバ237は、メール処理システム231から受信したプッシュリクエストに基づいて、上記着信通知等のメッセージをプッシュ型のメッセージとして、SMSC250を経由してユーザ端末装置10S,10Rに送信する。上記プッシュ型のメッセージとしては、例えばWAP(Wireless Application Protocol)仕様に準拠したWapPushのメッセージを用いることができる。なお、PPGサーバ237は、着信通知等のプッシュ型のメッセージを転送する際に、必要に応じて、通信プロトコルを変換したり、データの値を変換したり、データフォーマットを変換したりするように構成してもよい。
上記CUR238は、ユーザ端末装置を用いて移動体通信網20の各種通信サービスを利用する加入者の情報を格納している。この加入者の情報としては、例えば、各加入者の氏名や住所等の情報のほか、各加入者に一意に付与されたIMSI(International Mobile Subscriber Identity)等の加入者識別情報、各加入者が使用するユーザ端末装置の端末識別情報としての電話番号(MSISDN:Mobile Subscriber ISDN Number)及びメールアドレス、各加入者が利用登録した通信サービスの情報、各種通信サービスを使用するとき等に用いられるサービス利用者識別情報(例えばアカウント情報)やパスワード等の認証情報、等が格納されている。また、本実施形態のように、同一の加入者識別情報について互いに異なる複数組の電話番号及びメールアドレスがそれぞれ設定された複数の回線を加入者が契約している場合は、その加入者について、複数の回線ごとに、電話番号、メールアドレス、各回線を契約した地域に関する契約サイト情報、主契約のA回線(主回線)及び副契約のB回線(副回線)を区分する契約回線情報、等が格納されている。
表1は、A回線(主回線)及びB回線(副回線)の2回線を使用可能な加入者について上記CUR238に格納されている複数回線契約関連の加入者情報の一部を例示したものである。また、表2は、その複数回線契約関連の加入者情報の値を例示したものである。
上記MDMサーバ239は、メール処理システム231からの情報に基づいて、ユーザ端末装置10S,10Rで送受信されるMMSメッセージの配信ステータスやメールボックスの利用ステータスを管理したり、各メッセージの送受信について課金用の通信サービス利用情報(CDR:Call Detail Records)のファイルを生成したりする。前述のMMSリレー装置232は、各ユーザ端末装置10S,10Rで送受信されるMMSメッセージの配信ステータス情報をMDMサーバ239に通知したり、MDMサーバ239から取得した配信ステータス情報に基づいて配信確認通知を各ユーザ端末装置10S,10Rに送信したりすることができる。また、MDMサーバ239で生成された課金用の通信サービス利用情報のファイルは、例えばCDR−C(CDR-Collector)等の情報収集装置で収集され、課金システムによる各加入者についての課金処理に使用される。
上記SMSC250は、ショートメッセージサービス(SMS)を提供するものであり、各ユーザ端末装置の端末識別情報としての電話番号に基づいて、サイズ制限(例えば140バイト)のあるショートメッセージを送信側のユーザ端末装置10Sから受信し、受信側のユーザ端末装置10Rに送信する。また、SMSC250は、放送形式で複数のユーザ端末装置へ一斉にショートメッセージを送信することもできる。
上記移動体通信網20のIPネットワーク230を介して接続されているインターネット30には、各種コンテンツ提供用のサーバが接続されている。このコンテンツ提供用のサーバとしては、WEBページのコンテンツを主に提供するWEBサーバ40や、画像ファイル、音楽ファイル、アプリケーションのプログラムファイルなどのコンテンツを主に提供するダウンロードサーバ50等がある。インターネット30上の各種コンテンツ提供サーバからユーザ端末装置10S,10Rにコンテンツをダウンロードするときには、ネットワークの各階層において所定の通信プロトコルが用いられる。例えば、WEBサーバ40からWEBページをダウンロードするときのアプリケーション層の通信プロトコルとしては、HTTP(HyperText Transfer Protocol)、W−HTTP(Wireless HyperText Transfer Protocol)、WTP(Wireless Transaction Protocol)、WSP(Wireless Session Protocol)等が用いられる。
上記メール処理システム231は、次のようにMMSメッセージの処理を行う。例えば、メール処理システム231のMMSリレー装置232は、送信側のユーザ端末装置10SからSMTPで送信されたMMSメッセージを受信すると、受信したMMSメッセージをMMSサーバ装置233に転送する。MMSサーバ装置233は、MMSリレー装置232から受信したMMSメッセージをメールボックス233aに保存する。また、MMSリレー装置232は、MMSサーバ装置233のメールボックス233aにMMSメッセージが保存されると、所定のタイミングで、PPGサーバ237及びSMSC250等を介して受信側のユーザ端末装置10RにWAP Pushで当該MMSメッセージの着信通知を送信したり、送信側のユーザ端末装置10SにWAP PushでMMSメッセージの配信確認通知を送信したりする。また、MMSリレー装置232は、受信側のユーザ端末装置10Rからメッセージ取得要求を受けると、そのメッセージ取得要求に対応するMMSメッセージの全体をMMSサーバ装置233から取得し、必要に応じて所定のフォーマット変換を行い、受信側のユーザ端末装置10RにIMAPで送信する。また、MMSリレー装置232は、インターネット30からユーザ端末装置10R宛のMMSメッセージを受信したときも、着信通知を行った後、必要に応じて所定のフォーマット変換を行い、受信側のユーザ端末装置10RにIMAPでMMSメッセージを送信する。
各ユーザ端末装置10S,10RからMMSメッセージを送信したり転送したりするときの通信プロトコルとしては、SMTPを使用することができる。そして、ユーザ端末装置10S,10Rそれぞれにおいて前述の複数回線のメールアドレスを使い分けてMMSメッセージを送信することができるように、SMTPで使用可能な「MAIL FROM」コマンドに、送信対象のMMSメッセージの送信元の回線を識別可能な回線識別情報が書き込まれる。例えば、送信対象のMMSメッセージの送信元の電話番号(MSISDN)が「0A0CDEFGHJK/TYPE=PLMN」のときは、その電話番号の情報を回線識別情報として含む次のようなフォーマットの「MAIL FROM」コマンドが、ユーザ端末装置からメール処理システム231に送信される。
[MAIL FROMコマンドのフォーマット例]
MAIL<SP>FROM:<SP><0A0CDEFGHJK/TYPE=PLMN><CR><LF>
また、MMSメッセージを送信したり転送したりするときのSMTPで使用可能な「RCPT TO」コマンドには、送信対象のMMSメッセージの送信先の回線を識別可能な回線識別情報が書き込まれる。例えば、送信対象のMMSメッセージの送信先の電話番号(MSISDN)が「0B0LMNOPQRS/TYPE=PLMN」のときは、その電話番号の情報を回線識別情報として含む次のようなフォーマットの「RCPT TO」コマンドが、ユーザ端末装置からメール処理システム231に送信される。
[RCPT TOコマンドのフォーマット例]
RCPT<SP>TO:<SP><0B0LMNOPQRS/TYPE=PLMN><CR><LF>
また、各ユーザ端末装置10S,10RにMMSメッセージの着信通知、メッセージ本体及び配信確認通知を前述のプッシュ型のメッセージとして送信するときの通信プロトコルとしては、WAP Pushを使用することができる。そして、ユーザ端末装置10S,10Rそれぞれにおいて前述の複数回線のメールアドレスを使い分けて着信通知等を受信して処理できるように、WAP Pushで送受信されるプッシュ型のメッセージの複数種類のヘッダーフィールドに、MMSメッセージの送信先又は送信元の回線を識別可能な回線識別情報が書き込まれる。MMSメッセージの着信通知及びメッセージ本体を送信するときには、受信対象のMMSメッセージの送信先の回線を識別可能な回線識別情報が書き込まれる。一方、MMSメッセージの配信確認通知を送信するときには、送信対象のMMSメッセージの送信元の回線を識別可能な回線識別情報が書き込まれる。例えば、着信通知対象のMMSメッセージの送信先及び配信通知対象のMMSメッセージの送信元が、前述の主回線(A回線)のメールアドレスの場合には、次のようなヘッダーフィールドに所定の値が書き込まれる。
[主回線(A回線)のメールアドレスの場合のヘッダ例]
Content-Type: application/vnd.wap.mms-message
X-Wap-Application-Id: x-wap-application:mms.ua
一方、着信通知対象のMMSメッセージの送信先及び配信通知対象のMMSメッセージの送信元が、前述の副回線(B回線)のメールアドレスの場合には、次のようなヘッダーフィールドに所定の値が書き込まれる。
[副回線(B回線)のメールアドレスの場合のヘッダ例]
Content-Type: application/vnd.zzz.mid2
X-Wap-Application-Id: x-yyy-zzz:mid2.ua
また、各ユーザ端末装置10S,10Rが着信通知を受けた後にMMSメッセージの全体を取得したり、メール処理システム231のメールボックス233aについてメッセージリスト取得やメッセージ削除等のメール関連処理(サーバ処理)を要求したりするときの通信プロトコルとしては、IMAPを使用することができる。そして、ユーザ端末装置10S,10Rそれぞれにおいて前述の複数回線のメールアドレスを使い分けてメール関連処理を要求することができるように、IMAPで使用可能な「NOOP」コマンドに、処理対象のメールアドレスに対応する回線を識別可能な回線識別情報が書き込まれる。例えば、処理対象のメールアドレスに対応する回線の電話番号(MSISDN)が「0A0CDEFGHJK」のときは、次に示すように当該電話番号の情報を回線識別情報としてmidタグに書き込んだ「NOOP」コマンドが、ユーザ端末装置からメール処理システム231に送信される。
[NOOPコマンドのフォーマット例]
tag<SP>NOOP<SP><cmd>C-ID</cmd><ua-prof>URI</ua-prof><user-agent>UA</user-agent><mid>0A0CDEFGHJK</mid><CR><LF>
上記NOOPコマンドのフォーマット例において、「C-ID」はオペレーションを識別するコマンドIDであり、「URI」(Uniform Resource Identifier)はUser Agent Profile(ユーザ端末装置の性能情報)が公開されているHTTPサーバのリソース指定識別子であり、「UA」(User Agent)はユーザ端末装置の名称である。
また、互いに異なるサイトにある複数のメール処理システム間でMMSメッセージ等を送受信するときの通信プロトコルとしては、IMAPのほか、必要に応じてLMTP(Local Mail Transfer Protocol)が使用される。例えば、メール処理システム内のMMSサーバ装置から他サイトのMMSリレー装置へMMSメッセージを送信するときにはIMAPを使用し、メール処理システム内のMMSリレー装置から他サイトのMMSサーバ装置へMMSメッセージを送信するときにはLMTPを使用することができる。
なお、上記ユーザ端末装置で複数の回線(主契約回線:A回線,副契約回線:B回線)を使い分けてMMSメッセージの送受信やメールボックスの管理を行うときのより詳しい通信シーケンスの例については、後述する。
図2は、上記メール処理システム231を構成するMMSリレー装置232及びMMSサーバ装置233それぞれに共通のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。このMMSリレー装置232及びMMSサーバ装置233は、システムバス900、プロセッサとしてのCPU901、内部記憶装置、外部記憶装置904、入力装置905、出力装置906、及び通信装置907を備えている。上記内部記憶装置は、RAM902やROM903等で構成されている。上記外部記憶装置904は、例えばハードディスクドライブ(HDD)や光ディスクドライブ等で構成されている。上記入力装置905は、例えばマウスやキーボード等で構成されている。上記出力装置906は、例えばディスプレイやプリンタ等で構成されている。上記通信装置907は、所定の通信プロトコルにより、移動体通信網20のプロキシサーバ235、PPGサーバ237、MMSリレー装置232等と通信したり、移動体通信網20の他のサイトにあるメール処理システムと通信したり、ゲートウェイサーバ236を介してインターネット30上の各種クライアント端末や他のサーバと通信したりするための装置である。
上記CPU901やRAM902等の構成要素はお互いに、システムバス210を介して、データやプログラムの命令等のやり取りを行っている。このMMSリレー装置232及びMMSサーバ装置233を所定の手順に従って動作させるためのプログラムはROM903や外部記憶装置904に記憶されており、必要に応じてCPU901やRAM902上の作業エリアに呼び出されて実行される。
また、上記MMSリレー装置232及びMMSサーバ装置233はそれぞれ、一部又は全体を専用の制御装置として構成してもいいし、一部又は全体を汎用のコンピュータシステムを用いて構成してもよい。また、MMSリレー装置232及びMMSサーバ装置233はそれぞれ、互いに独立した1台のコンピュータで構成してもいいし、複数の機能をそれぞれ受け持つ複数台のコンピュータをネットワークで結んで構成してもよい。また、MMSリレー装置232及びMMSサーバ装置233を含むメール処理システム231は、1台のコンピュータで構成してもよい。
図3は、本発明に係るメール処理システム(MMSC)231の各機能の関係を示した機能ブロック図である。メール処理システム231は、メッセージ通信部920とメッセージ処理部921とメッセージ格納管理部922と通知データ生成部923と通知データ送信部924とを備えている。この機能ブロック図における構成要素のうち、メッセージ通信部920とメッセージ処理部921と通知データ生成部923と通知データ送信部924とにおける機能は、例えばMMSリレー装置232で実現される。また、メッセージ格納管理部922の機能は、例えばMMSサーバ装置233で実現される。
上記メッセージ通信部920は、所定の通信プロトコルにより、次のような通信を行う手段として機能する。
(1)移動体通信網20を介して送信側のユーザ端末装置10S等から送信対象のMMSメッセージを受信する手段。
(2)配信対象のMMSメッセージを受信側のユーザ端末装置10Rに送信する手段。
(3)複数の回線を使用可能なユーザ端末装置10S,10Rから、MMSメッセージの送信元に設定されたメールアドレスに対応する回線を識別するための回線識別情報を受信する手段。
(4)ユーザ端末装置10S,10Rから当該ユーザ端末装置に対応するメールボックスについてメール関連処理(サーバ操作処理)を要求する処理要求を受信する手段。
(5)上記処理要求に対応するメール関連処理の結果を、当該処理要求を要求してきたユーザ端末装置に送信する手段。
(6)複数の回線を使用可能なユーザ端末装置10S,10Rからメール関連処理の処理対象のメールアドレスに対応する回線を識別するための回線識別情報を受信する手段。
また、上記メッセージ通信部920は、所定の通信プロトコルにより、次のような通信を行う手段としても機能する。
(7)送信側のユーザ端末装置10Sから、送信先が指定されたメールを受信する手段。
(8)送信側のユーザ端末装置10Sから受信したメールが、他の契約サイトで契約された副回線に対応するメールアドレスを送信元とするメールである場合、その受信したメールを当該他の契約サイトのメール処理システムに転送する手段。
(9)他の契約サイトにあるメール処理システムから転送されてきた、当該他の契約サイトで契約された副回線に対応するメールアドレスを送信元とするメールを受信する手段。
(10)送信側のユーザ端末装置10Sから、上記送信先が指定されたメールを送信するための接続情報を含むメール送信要求を受信する手段。
(11)送信側のユーザ端末装置10Sから、送信対象のメールの送信元として設定するメールアドレスに対応するメール送信の回線を識別可能な回線識別情報を受信する手段。
(12)受信側のユーザ端末装置10Rから、複数の回線のいずれかに対応するメールアドレスを送信先とするメールの取得処理を要求するメール取得要求を受信する手段。
(13)受信側のユーザ端末装置10Rから受信したメール取得要求が、他の契約サイトで主回線とは別に追加使用するように設定された副回線に対応するメールアドレスを送信先とするメールの取得処理を要求するものである場合、当該メールを上記他の契約サイトのメール処理システムから取得する手段。
(14)上記他の契約サイトのメール処理システムから取得した当該他の契約サイトの副回線に対応するメールアドレスを送信先とするメールを、上記メール取得要求を送信してきた受信側のユーザ端末装置10Rに送信する手段。
(15)受信側のユーザ端末装置10Rから、受信対象のメールの送信先として設定するメールアドレスに対応するメール送信先の回線を識別可能な回線識別情報を受信する手段。
(16)ユーザ端末装置10から、前記複数の回線のいずれかに対応するメールアドレスを送信先とするメールの転送処理を要求するサーバメール転送要求を受信する手段。
(17)上記ユーザ端末装置10から受信したサーバメール転送要求が、他の契約サイトで主回線とは別に追加使用するように設定された副回線に対応するメールアドレスを送信先とするメールの転送処理を要求するものである場合、当該メールを上記他の契約サイトのメール処理システムから取得する手段。
(18)上記他の契約サイトのメール処理システムから取得した上記副回線に対応するメールアドレスを送信先とするメールを、上記サーバメール転送要求を送信してきたユーザ端末装置が指定した転送先へメールを送信する手段。
(19)ユーザ端末装置から、上記サーバメール転送対象のメールの送信元として設定するメールアドレスに対応するメール送信の回線を識別可能な回線識別情報を受信する手段。
上記メッセージ処理部921は、次のような手段として機能する。
(1)メッセージ通信部920及びメッセージ格納管理部922との間でMMSメッセージを中継する手段。
(2)MMSメッセージや処理要求の受信のステータス情報やMMSメッセージの配信のステータス情報をMDMサーバ239に送る手段。
(3)MDMサーバ239から取得したMMSメッセージの送信又は配信のステータス情報に基づいて、MMSメッセージの着信通知や配信確認通知の送信処理を開始する手段。
(4)ユーザ端末装置から受信した回線識別情報に基づいてMMSメッセージや上記処理要求の送信元として設定された回線を判定する手段。
(5)CUR238から取得した加入者情報に基づいて、MMSメッセージや上記処理要求を送信してきたユーザ端末装置の利用者(加入者)について認証処理を実行する手段。
(6)上記処理要求に基づき、所定のメールアドレスついてメールボックスにおける指定のメール関連処理を実行するためのサーバ操作指令を、メッセージ格納管理部922に送信する手段。
上記メッセージ処理部921は、次のような手段としても機能する。
(7)上記送信側のユーザ端末装置10Sから受信したメール送信要求に含まれる接続情報に基づいて、当該ユーザ端末装置10Sの加入者情報を取得し、当該ユーザ端末装置10Sを使用する加入者について認証処理を実行する手段。
(8)上記送信側のユーザ端末装置10Sから受信した回線識別情報に基づいて、送信対象のメールの送信元として設定するメールアドレスに対応するメール送信の回線を判定する手段。
(9)上記メール送信の回線が、主回線とは別に追加使用するように設定された副回線であると判定したとき、当該副回線についての加入者情報を取得し、当該副回線について認証処理を実行する手段。
(10)上記受信側のユーザ端末装置10Rから受信したメール取得要求に含まれる接続情報に基づいて、当該受信側のユーザ端末装置10Rの加入者情報を取得し、当該受信側のユーザ端末装置10Rを使用する加入者について認証処理を実行する手段。
(11)上記受信側のユーザ端末装置10Rから受信した回線識別情報に基づいて、受信対象のメールの送信先として設定するメールアドレスに対応するメール送信先の回線を判定する手段。
(12)上記ユーザ端末装置から受信したサーバメール転送要求に含まれる接続情報に基づいて、当該サーバメール転送要求を送信してきたユーザ端末装置の加入者情報を取得し、当該ユーザ端末装置を使用する加入者について認証処理を実行する手段。
(13)上記サーバメール転送要求を送信してきたユーザ端末装置から受信した回線識別情報に基づいて、サーバメール転送対象のメールの送信元として設定するメールアドレスに対応するメール送信の回線を判定する手段。
上記メッセージ格納管理部922は、次のような手段として機能する。
(1)メッセージ通信部920で受信したMMSメッセージを、メッセージ処理部921から受け取り、そのMMSメッセージの送信元の情報又は送信先の情報と対応付けてメールボックスに格納する手段。
(2)メッセージ処理部921から受信したメッセージ取得要求に基づいて、要求されたMMSメッセージをメールボックスから読み出し、メッセージ処理部921に送信する手段。
(3)メッセージ処理部921から受信したサーバ操作指令に基づいて、上記処理要求で要求された所定のメール関連処理を実行する手段。
(4)他の契約サイトのメール処理システムから転送されてきた、当該他の契約サイトで契約された副回線に対応するメールアドレスを送信元とする受信メールを、当該メールの送信先へ配信可能に一時的に記憶する手段。
上記通知データ生成部923は、次のような手段として機能する。
(1)メッセージ処理部921から受けた着信通知開始指令及び関連するMMSメッセージの情報に基づいて、当該MMSメッセージの着信通知の送信データを生成する手段。
(2)上記着信通知の送信データに、その通知対象のMMSメッセージの送信先に対応する回線識別情報を付加する手段。
(3)メッセージ処理部921から受けた配信確認通知開始指令及び関連するMMSメッセージの情報に基づいて、当該MMSメッセージの配信確認通知の送信データを生成する手段。
(4)上記配信確認通知の送信データに、その通知対象のMMSメッセージの送信元に対応する回線識別情報を付加する手段。
上記通知データ送信部924は、所定の通信プロトコルにより、次のような通知を送信する手段として機能する。
(1)上記通知データ生成部923で回線識別情報を付加して生成した着信通知の送信データを、移動体通信網20のPPGサーバ237やSMSC250等を介して、着信通知対象のMMSメッセージの送信先に対応するユーザ端末装置に送信する手段。
(2)上記通知データ生成部923で回線識別情報を付加して生成した配信確認通知の送信データを、移動体通信網20のPPGサーバ237やSMSC250等を介して、配信確認通知対象のMMSメッセージの送信元に対応するユーザ端末装置に送信する手段。
図4は、MMS(Multimedia Messaging Service)を提供する上記メール処理システム231を介してユーザ端末装置10S,10R間で送受信されるMMSメッセージの一例を示す説明図である。このMMSメッセージは、RFC(Request for Comments)822,2822,2045,2046,2047,2049等で仕様が規定されているMIME(Multipurpose Internet Mail Extension)対応のインターネットテキストフォーマットのメッセージである。このMMSメッセージは、メッセージ本文930とヘッダー931とにより構成されている。MMSメッセージのメッセージ本文930は、テキスト情報のほか、音声、イメージ、ビデオ、オーディオなどの様々なメディアによる情報のデータを含めるように構成することができる。また、MMSメッセージのヘッダー931は、送信側のユーザ端末装置などの通信端末において送信メッセージに関する様々な情報のデータが入力される各種フィールドで構成されている。
なお、上記MMS、上記MMSリレー装置及びMMSサーバ装置で構成されるメール処理システム(MMSC)、MMSメッセージ等は、例えば、次の(1)〜(5)等に規定されている仕様に準拠するものである。
(1)Multimedia Messaging Service Architecture Overview Version 1.2 (OMA-MMS-ARCH-v1_2-20030920-C)
(2)Multimedia Messaging Service Client Transactions Version 1.2 (OMA- MMS-CTR-v1_2-20030916-C)
(3)Multimedia Messaging Service Encapsulation Protocol Version 1.2 (OMA-MMS-ENC-v1_2-20030915-C)
(4)RFC2821(Simple Mail Transfer Protocol)
(5)RFC3501(INTERNET MESSAGE ACCESS PROTOCOL - VERSION 4rev1)
図5はユーザ端末装置10(10S、10R)の一構成例を示す外観図であり、図6は、そのユーザ端末装置10のハードウェア構成の一例を示す概略構成図である。また、図7は、ユーザ端末装置10におけるソフトウェア構造の一例を示す説明図である。なお、以下の説明において2台のユーザ端末装置10S、10Rを区別しない場合は、ユーザ端末装置10と記載する。
ユーザ端末装置10は、携帯型の通信端末装置の一例であるクラムシェル(折り畳み)タイプの携帯電話機であり、システムバス100、プロセッサとしてのCPU101、RAM102やROM103等の記憶装置、入力装置104、出力装置105、移動体通信網用通信装置106を備えている。CPU101やRAM102等の構成要素は、システムバス100を介して、互いに各種データやプログラムの命令等のやり取りを行っている。
上記CPU101は、上記記憶装置から所定のプログラムを読み込んで実行することにより、ネイティブ側の電話機プラットフォームの基本ソフトOS上で、音声通話機能や、アプリケーションソフト(以下「アプリケーション」という。)による各種機能を実現することができる。このアプリケーションによる機能としては、WEBブラウザー、メーラー、音楽再生、動画表示、外部装置とのデータ送受信、アドレス帳管理、スケジューラ、メモ帳等がある。このWEBブラウザー、メーラー、音楽再生、動画表示等のアプリケーションを起動し、そのアプリケーション上でMMSメッセージの送受信を行ったり、受信したMMSメッセージに含まれるテキストや画像(静止画、動画)コンテンツや音声や音楽等のオーディオコンテンツを出力したりしてもよい。
また、上記CPU101は、上記記憶装置から所定のプログラムを読み込んで実行することにより、上記ネイティブ側の電話機プラットフォームとは異なるアプリケーション実行環境を構築することができる。そして、このアプリケーション実行環境上で、ユーザ端末装置にプリインストールされているアプリケーションや利用者がダウンロードして登録したアプリケーション等の各種アプリケーションを実行することができる。このアプリケーションとしては、プラットフォームに依存しないオブジェクト指向プログラミングによって開発されたJAVA(登録商標)、C++等のプログラム言語で記述されたアプリケーションや、C言語やアセンブリ言語で記述されたアプリケーションなどが挙げられる。また、これらのアプリケーション実行環境は、例えばJAVA(登録商標)の仮想マシン(VM:Virtual Machine)やBREW(登録商標)等のミドルウェアによって構築される。
上記入力装置104は、データ入力キー(テンキー、*キー、#キー)11、通話開始キー12、終話キー13、スクロールキー14、多機能キー15、マイク16等から構成されている。この入力装置104のテンキー11、通話開始キー12、終話キー13等により、利用者が操作可能な操作部が構成される。この操作部を操作することにより、利用者は、MMSメッセージを送受信したり、MMSメッセージに添付されている画像ファイルを展開して表示したり、音楽ファイルを展開して再生したり、アプリケーションプログラムを選択して実行したりすることができる。また、利用者は上記操作部を操作することにより、コンテンツ取得先のURL等のデータを入力したり、電話着信の際に通話の開始及び終了を行ったり、アプリケーションプログラムの選択、起動及び停止を行ったりすることができる。また、利用者は上記操作部を操作することにより、上記ダウンロードサーバ50から画像ファイル、音楽ファイル、アプリケーションプログラム等のコンテンツをダウンロードして登録することができる。
上記出力装置105は、表示手段である液晶ディスプレイ(LCD)17、スピーカー18、図示しない振動デバイス等から構成されている。上記液晶ディスプレイ(LCD)17やスピーカー18等からなる出力装置で構成されている出力部は、移動体通信網20からMMSメッセージやその着信通知を受信した旨を利用者に知らせたり、MMSメッセージのテキストや画像(静止画、動画)を液晶ディスプレイ(LCD)17に表示したり、MMSメッセージに添付の音声や音楽をスピーカー18から出力したりするときに用いられる。上記MMSメッセージやその着信通知の受信を利用者に知らせるときは、出力部の液晶ディスプレイ(LCD)17に着信通知画像を表示したり、スピーカー18から着信音を出力させたりする。
また、上記出力部は、移動体通信網20を介して受信したWebページを液晶ディスプレイ(LCD)17に表示したり、移動体通信網20から情報を着信した旨を利用者に知らせたりするときにも用いられる。また、上記出力部は、上記ゲーム等のアプリケーションプログラムの実行中に、そのプログラム実行に関連した画像の表示や音の出力に用いたり、情報配信サーバから受信した情報を表示したりするときにも用いられる。
なお、上記スピーカー18は、通話中の音声を聞くための受話器用スピーカー(レシーバ)と、着信音や音楽などを出力する外部出力用スピーカーとを別々に設けて構成してもいいし、これらの受話器用スピーカー及び外部出力用スピーカーを兼用するように一つのスピーカーで構成してもよい。
上記出力装置105を構成する振動デバイスは、この振動デバイスは、マナーモード(サイレントモード)設定時などに音声電話を着信したりMMSメッセージや各種配信情報を受信したりしたときに、ユーザ端末装置10の全体を振動させ、その着信等を利用者に知らせるように制御することができる。
上記移動体通信網用通信装置106は、変復調器、シンセサイザ、周波数変換器,高周波増幅器などにより構成され、移動体通信網20を介して他のユーザ端末装置や上述したサーバ等と通信するときに用いられる。この移動体通信網用通信装置106は、移動体通信網20を介して他のユーザ端末装置とMMSメッセージのやり取りを行ったり、移動体通信網20からゲートウェイサーバ236を介して、インターネット30等の外部の通信ネットワークに接続し、インターネット30上の通信端末とのMMSメッセージのやり取り等を行ったりするための通信手段として用いられる。更に、この移動体通信網用通信装置106は、移動体通信網20を介して、ダウンロードサーバ50が提供するアプリケーションプログラムをダウンロードしたり、現在位置の位置情報を含む配信情報を受信したりする情報受信手段としても用いられる。
図8は、本発明に係るユーザ端末装置10の各機能の関係を示した機能ブロック図である。このユーザ端末装置10は、通信部110と記憶部111と出力部112と制御部113とを備えている。
上記通信部110は上記移動体通信網用通信装置106等で構成され、所定の通信プロトコルにより、移動体通信網20を介してメール処理システム231との間で次のような通信を行う手段として機能する。
(1)MMSメッセージを送信する手段。
(2)当該ユーザ端末装置で使用可能な複数の回線のうち、送信対象のMMSメッセージの送信元に設定されたメールアドレスに対応する回線を識別するための回線識別情報を送信する手段。
(3)移動体通信網20のPPGサーバ237やSMSC250等を介して、当該ユーザ端末装置10で使用可能な複数の回線のいずれかを送信先とするMMSメッセージの着信通知を受信する手段。
(4)上記着信通知に対応するMMSメッセージのメッセージ本体を受信する手段。
(5)移動体通信網20のPPGサーバ237やSMSC250等を介して、当該ユーザ端末装置10で使用可能な複数の回線のいずれかを送信元とするMMSメッセージの配信確認通知を受信する手段。
(6)当該ユーザ端末装置に対応するメールボックスについてメール関連処理(サーバ操作処理)を要求する処理要求を送信する手段。
(7)上記メール関連処理の処理対象のメールアドレスに対応する回線を識別するための回線識別情報を送信する手段。
(8)上記処理要求で要求したメール関連処理の結果を受信する手段。
上記記憶部111は、上記RAM102やROM103等の記憶装置で構成され、上記通信部110で受信した、着信通知、配信確認通知、MMSメッセージのメッセージ本体、メール関連処理の結果等の受信データを記憶する手段としての機能を有する。また、上記記憶部111は、上記通信部110で送信したMMSメッセージ等の送信データを記憶する手段としての機能を有する。
上記出力部112は上記出力装置105等で構成され、通信部110で受信した着信通知、配信確認通知、MMSメッセージのメッセージ本体、上記メール関連処理の結果等の受信データを出力する手段としての機能を有する。また、出力部112は、MMSメッセージの着信通知やメッセージ本文等のデータをテキストや画像(静止画、動画)コンテンツとしてディスプレイ上に表示したり、音声や音楽等のオーディオコンテンツとしてスピーカーやイヤホンから出力したりすることもできる。
上記制御部113は上記CPU101等で構成され、上記通信部110によるMMSメッセージの送信、上記通信部110による着信通知・配信確認通知の受信やMMSメッセージ本体の受信、上記記憶部111へのMMSメッセージや着信通知等の保存、上記出力部112へのMMSメッセージや着信通知の出力等を制御する制御手段としての機能を有する。制御部113は、着信通知や配信確認通知に書き込まれている回線識別情報を読み出す処理や、その回線識別情報に基づいて、着信通知等の受信データを保存したりMMSメッセージの取得要求を送信する処理を開始したりする手段としても機能する。
図9は、上記構成の通信システムにおいて送信側のユーザ端末装置10Sから受信側のユーザ端末装置10R宛のMMSメッセージを送信するときの処理手順の一例を示すシーケンス図である。なお、図9の処理手順は、送信ユーザ及び受信ユーザそれぞれの2回線(主回線、副回線)ともに同じサイト(XXX)で契約されている場合において、送信ユーザ側のA回線から受信ユーザ側のA回線宛にMMSメッセージを送信するときのシーケンスについて例示している。なお、図中のかっこ内の数字は処理手順のステップの順番を示している(以下のシーケンス図でも同様)。
表3は、図9の処理例において送信ユーザ(一郎)が使用する送信側のユーザ端末装置10Sで使用可能な2回線(A回線、B回線)それぞれの電話番号、メールアドレス及び契約サイト(契約地)の情報を例示したものである。また、表4は、受信ユーザ(あ子)が使用する受信側のユーザ端末装置10Rで使用可能な2回線(A回線、B回線)それぞれの電話番号等の情報を例示したものである。
図9において、まず、送信側の利用者(一郎)は、ユーザ端末装置10Sを操作してMMSメッセージ用のアプリケーションを起動し、MMSメッセージを作成する。そして、メール送受信に使用する回線として主契約のA回線を設定した状態で、送信相手先のメールアドレス(A回線の「2A@ssssss.jp」)を指定して上記MMSメッセージを送信するようにユーザ端末装置10Sを操作する。この操作により、ユーザ端末装置10Sは、移動体通信網20側のGGSN223との間でパケット通信セッションとしてのPDP(パケットデータプロトコル)コンテキストを確立した後、主契約のA回線の電話番号(090-1111-aaaa)の利用者として、その電話番号(090-1111-aaaa)等の接続情報を含むTCP/IPによる接続要求を、メール処理システム231のMMSリレー装置232に送信する(ステップ1)。
上記PDPコンテキストの確立処理は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)の技術仕様に準拠し、例えば図10に示す手順で行われる。
図10の例において、ユーザ端末装置10Sは、PDPコンテキストの確立を要求する「ACTIVATE PDP Context Request」を、SGSN222を介してGGSN223に送信する(ステップ1001)。GGSN223は、ユーザ端末装置10Sから受信した「ACTIVATE PDP Context Request」に基づいて、利用者の認証を要求する「Access Request」を、通信サービス利用管理装置(RADIUSサーバ)260に送信する(ステップ1002)。通信サービス利用管理装置260は、ユーザ端末装置10Sの利用者について通信サービスの利用者であるか否かを確認する利用者認証を実行する(ステップ1003)。この認証処理には、例えば、電話番号(MSISDN)、加入者識別情報(IMSI)、端末識別情報(IMEI:International Mobile Equipment Identity)、利用者認証用ID及びパスワード、SGSNのIPアドレス(SGSN−IP)等が用いられる。ここで、通信サービスの利用者であることを確認できた場合、通信サービス利用管理装置260は、当該利用者のユーザ端末装置10SについてIPアドレスを払い出し、「Access Accept」をGGSN223に送信するように応答する(ステップ1004)。次に、GGSN223は、当該利用者について通信サービスの利用情報を記録するAccounting処理を要求する「Accounting Request (Start)」を、利用者情報管理装置(R2Mサーバ)270に送信する(ステップ1005)。この「Accounting Request (Start)」の送信により、当該利用者のユーザ端末装置10Sについて、電話番号、IMSI、SGSN−IP、及び、払い出されたIPアドレスなどが、利用者情報管理装置270に通知される。利用者情報管理装置270は、GGSN223から受信したSGSN−IPからPLMN(Public Land Mobile Network)−idを判定する(ステップ1006)。このPLMN−idは、例えば、国コード(MCC:Mobile Country Code)と、ネットワークコード(MNC:Mobile Network Code)とにより構成される。利用者情報管理装置270は、上記PLMN−idの判定の後、当該利用者のユーザ端末装置10SについてAccounting処理を開始し、「Accounting Response」をGGSN223に送信する(ステップ1007)。次に、GGSN223は、PDPコンテキストの受付け処理が完了した旨を通知する「ACTIVATE PDP Context Accept」をユーザ端末装置10Sに送信する(ステップ1008)。以上により、ユーザ端末装置10SとGGSN223との間に、パケット通信セッションであるPDPコンテキストが確立される。
上記ユーザ端末装置10Sから接続要求を受信したMMSリレー装置232は、送信側のユーザ端末装置10SのIPアドレスをINキーとして上記利用者情報管理装置(R2Mサーバ)270から当該ユーザ端末装置10Sについて利用者管理情報(例えば、電話番号、IMSI、SGSN−IP、PLMN−id)を取得した後、加入者データベース(CUR)238にアクセスし、送信側のユーザ端末装置10Sから受信した主契約の電話番号(090-1111-aaaa)に基づいて、送信側の加入者情報を取得し(ステップ2)、送信側の加入者について認証処理を実行する(ステップ3)。
次に、送信側のユーザ端末装置10Sは、メール用の汎用通信プロトコルであるSMTPにより、送信元の回線識別情報としてA回線の電話番号(090-1111-aaaa)の情報を含む「MAIL FROM」コマンドをMMSリレー装置232に送信する(ステップ4)。MMSリレー装置232は、送信側のユーザ端末装置10Sから受信した「MAIL FROM」コマンドについてチェック処理を実行し、MMSメッセージの送信元の回線を特定する(ステップ5)。本例では、送信元の回線が主契約のA回線(主回線)であると特定される。
次に、MMSリレー装置232は、送信先のA回線(主回線)の電話番号(080-2222-aaaa)について「RCPT TO」コマンドを送信側のユーザ端末装置10Sから受信し(ステップ6)、その送信先の電話番号(080-2222-aaaa)に基づいて加入者データベース(CUR)238にアクセスし、受信側の加入者情報を取得する(ステップ7)。その後、MMSリレー装置232は、送信対象のMMSメッセージのデータを送信側のユーザ端末装置10Sから受信し(ステップ8)、MMSサーバ装置233に転送する(ステップ9)。MMSサーバ装置233は、MMSリレー装置232から受信したMMSメッセージを、上記受信側のユーザ端末装置10RのA回線宛のメールとしてメールボックスに格納する。
次に、MMSリレー装置232は、上記送信側のユーザ端末装置10Sから受信した送信先の電話番号(080-2222-aaaa)に基づき、受信側のユーザ端末装置10Rについて登録されているマルチライン属性の情報をチェックする処理を実行する(ステップ10)。その後、MMSリレー装置232は、メール用の汎用通信プロトコルであるWAP Pushにより、送信先のA回線識別情報がヘッダー(Content−Type及びApplication−ID)に書き込まれた着信通知を、受信側のユーザ端末装置10Rに向けて送信する(ステップ11)。上記着信通知は、Push型の配信中継装置であるPPGサーバ237で一旦受信され、所定のデータ変換処理であるWSPエンコーディングが施され(ステップ12)、SMSC250を介して、受信側のユーザ端末装置10Rに配信される(ステップ13)。また、MMSリレー装置232は、上記着信通知の送信の後、当該MMSメッセージの配信処理情報であるM−Check−In(送信)を、メッセージ配信管理装置であるMDMサーバ239に送信する(ステップ14)。
図11は、上記図9のステップ5で実行するMMSリレー装置232による「MAIL FROM」コマンドのチェック処理の一例を示すフローチャートである。まず、MMSリレー装置232は、送信側のユーザ端末装置10Sから「MAIL FROM」コマンドを受信したか否かを確認し(ステップ101)、「MAIL FROM」コマンドを受信した場合(ステップ101でYES)は、送信側のユーザ端末装置10Sが複数回線(A回線、B回線)を使用可能なマルチライン対応端末装置からのメール送信要求である可能性があると判断し、次のチェック処理に進む。一方、「MAIL FROM」コマンドを受信していない場合(ステップ101でNO)は、1回線のみ使用可能なマルチライン非対応の端末装置からのメール送信要求であると判断し、副回線に関する加入者情報の取得や認証処理をスキップして「RCPT TO」コマンドの受信処理に進む。
次に、MMSリレー装置232は、上記ステップ101でYESの場合、送信側のユーザ端末装置10Sから受信した「MAIL FROM」コマンドからMSISDNの部分(/TYPE=PLMNを除く。)を抽出し、所定のフォーマット(0A0CDEFGHJK)に合致しているか否かを判断する(ステップ102)。ここで、「MAIL FROM」コマンドのMSISDNの部分が所定のフォーマットに合致している場合(ステップ102でYES)は、マルチライン対応端末装置からのメール送信要求である可能性があると判断し、次のチェック処理に進む。一方、「MAIL FROM」コマンドのMSISDNの部分が所定のフォーマットに合致していない場合(ステップ102でNO)は、「MAIL FROM」コマンドの値のエラーとして送信側のユーザ端末装置10Sにエラー応答した後、所定の応答コード及び応答メッセージをユーザ端末装置10Sに返信し、それまでに取得した情報をすべて破棄し、処理を中止する(ステップ103)。
次に、MMSリレー装置232は、上記ステップ102でYESの場合、送信側のユーザ端末装置10Sから受信した「MAIL FROM」コマンドの値が「00000000000」であるか否かを判断する(ステップ104)。これは、上記所定のフォーマットからなる「00000000000」という特別な値を「MAIL FROM」コマンドに書き込む端末装置をマルチライン非対応の端末装置とするための判断である。ここで、「MAIL FROM」コマンドの値が「00000000000」でない場合(ステップ104でNO)は、マルチライン対応端末装置からのメール送信要求である可能性があると判断し、次のチェック処理に進む。一方、「MAIL FROM」コマンドの値が「00000000000」である場合(ステップ104でYES)は、マルチライン非対応の端末装置からのメール送信要求であると判断し、正常応答(250OK)を送信側のユーザ端末装置10Sに送信するとともに、副回線に関する加入者情報の取得や認証処理をスキップして「RCPT TO」コマンドの受信処理に進む。
次に、MMSリレー装置232は、上記ステップ104でNOの場合、送信側のユーザ端末装置10Sから受信した「MAIL FROM」コマンドの値が、当該ユーザ端末装置10Sの主契約のA回線の電話番号と同じか否かを判断する(ステップ105)。ここで、「MAIL FROM」コマンドの値が上記送信側のユーザ端末装置10SのA回線の電話番号と同じでない場合(ステップ105でNO)は、マルチライン対応端末装置からのメール送信要求である可能性があると判断し、次のチェック処理に進む。一方、「MAIL FROM」コマンドの値が上記送信側のユーザ端末装置10SのA回線の電話番号と同じ場合(ステップ105でYES)は、マルチライン非対応の端末装置からのメール送信要求であると判断し、正常応答(250OK)を送信側のユーザ端末装置10Sに送信するとともに、副回線に関する加入者情報の取得や認証処理をスキップして「RCPT TO」コマンドの受信処理に進む。
次に、MMSリレー装置232は、上記ステップ105でNOの場合、送信側のユーザ端末装置10Sから受信した「MAIL FROM」コマンドの値が、加入者情報データベースCUR238から取得した当該ユーザ端末装置10Sのマルチライン属性の値と同じか否かを判断する(ステップ106)。ここで、「MAIL FROM」コマンドの値が上記マルチライン属性の値と同じでない場合(ステップ106でNO)は、なりすましの端末装置のB回線や過去に登録されていた現在無効になっているB回線からのメール送信要求であると判断し、送信側のユーザ端末装置10Sにエラー応答した後、所定の応答コード及び応答メッセージをユーザ端末装置10Sに返信し、それまでに取得した情報をすべて破棄し、処理を中止する(ステップ107)。一方、「MAIL FROM」コマンドの値が上記マルチライン属性の値と同じ場合(ステップ106でYES)は、送信側のユーザ端末装置10Sの副契約のB回線からのメール送信要求であると判断し(ステップ108)、そのB回線に関する加入者情報の取得及び認証処理に進む。
なお、上記図11の「MAIL FROM」コマンドのチェック処理において、MMSリレー装置232が、次に示すように「MAIL FROM」コマンドへの回線の設定や「MAIL FROM」コマンドのメールアドレスの書き換えを更に行うようにしてもよい。例えば、図11のステップ101でNOの場合に、「MAIL FROM」コマンドの値をA回線(主回線)の電話番号に設定し、MMSメッセージの送信元のメールアドレスを正しい送信元(A回線)のメールアドレスに書き換えるように処理する。また、図11のステップ104でYESの場合に、「MAIL FROM」コマンドの値をA回線(主回線)の電話番号に設定し、MMSメッセージの送信元のメールアドレスを正しい送信元(A回線)のメールアドレスに書き換える。また、図11のステップ105でYESの場合及びステップ106でYESの場合は、「MAIL FROM」コマンドに正しい回線の電話番号が設定されているので、メールアドレスの書き換え処理すなわちMMSメッセージの送信元のメールアドレスを正しい送信元(A回線またはB回線)のメールアドレスに書き換える処理のみ実施する。なお、エラー応答(ステップ103及びステップ107)の場合は、エラー応答で処理が終了(完了)するので、「MAIL FROM」コマンドの値の設定およびメールアドレスの書き換え処理は実施されない。
図12は、上記図9のステップ10で実行するMMSリレー装置232による受信側のユーザ端末装置10Rについてのマルチライン属性のチェック処理の一例を示すフローチャートである。まず、MMSリレー装置232は、送信側のユーザ端末装置10Sから受信して格納したMMSメッセージについて着信通知を送信する前に、受信側のユーザ端末装置10Rについて加入者情報データベースCUR238から取得した受信者側の加入者情報に、複数回線(A回線、B回線)を使用可能なマルチライン対応端末装置に関する情報が設定される「マルチライン属性」が存在しているか否かを判定する(ステップ201)。ここで、マルチライン属性が存在していない場合(ステップ201で「なし」)は、着信通知のヘッダーの所定ヘッダーフィールドContent−Type及びApplication−IDそれぞれに、A回線の回線識別情報として、当該ヘッダーフィールドに使用されていた既存の情報を設定する(ステップ202)。一方、マルチライン属性が存在している場合(ステップ201で「あり」)は、そのマルチライン属性の値を判定する(ステップ203)。
次に、MMSリレー装置232は、上記マルチライン属性の値判定において、マルチライン属性に値がない場合、マルチライン属性の値が未契約に対応する値の場合、又はマルチライン属性の値がマルチライン契約のA回線に対応する値が書き込まれている場合には、着信通知のヘッダーの所定ヘッダーフィールドContent−Type及びApplication−IDそれぞれに、A回線の回線識別情報として、当該ヘッダーフィールドに使用されていた既存の情報を設定する(ステップ204)。一方、マルチライン属性の値がマルチライン契約のB回線に対応する値である場合には、受信側のユーザ端末装置10Rの回線がB回線であると判定し(ステップ205)、着信通知のヘッダーの所定ヘッダーフィールドContent−Type及びApplication−IDそれぞれに、B回線の回線識別情報を設定する(ステップ206)。
図13は、上記構成の通信システムにおいて送信側のユーザ端末装置10Sから受信側のユーザ端末装置10R宛のMMSメッセージを送信するときの他の処理手順の一例を示すシーケンス図である。図13の例では、送信側のユーザ端末装置10Sで使用される回線が図9の例とは異なるB回線(副回線)であり、受信側のユーザ端末装置10Rで使用される回線が図9の例と同じA回線(主回線)である。なお、図13におけるステップ1〜3、8〜16は、図9におけるステップ1〜3、6〜14と同様であるので、説明を省略する。
図13において、図9の場合と同様に送信側の加入者について認証処理(ステップ3)を実行した後、送信側のユーザ端末装置10Sは、メール用の汎用通信プロトコルであるSMTPにより、送信元の回線識別情報としてB回線の電話番号(090-1111-bbbb)の情報を含む「MAIL FROM」コマンドをMMSリレー装置232に送信する(ステップ4)。MMSリレー装置232は、送信側のユーザ端末装置10Sから受信した「MAIL FROM」コマンドについてチェック処理を実行し、MMSメッセージの送信元の回線を特定する(ステップ5)。本例では、送信元の回線が副契約のB回線(副回線)あると特定される。
次に、MMSリレー装置232は、加入者データベース(CUR)238にアクセスし、送信側のユーザ端末装置10Sから受信したB回線(副回線)の電話番号(090-1111-bbbb)に基づいて、送信側のB回線(副回線)に関する加入者情報を取得し(ステップ6)、そのB回線(副回線)について加入者認証処理を実行する(ステップ7)。
表5は、上記B回線加入者認証処理で判定される加入者属性の一例を示している。この例では、当該加入者について、「ユーザステータス」、「ユーザ送信ステータス」、「メールSMTPアクセスの規制」及び「WAP(パケット)通信サービスへの加入状況」が判定される。ここで、「ユーザステータス」が「サービス中」又は「着信規制」に対応する値であり、「ユーザ送信ステータス」が「規制なし」に対応する値であり、「メールSMTPアクセス」が「規制なし」に対応する値であり、「WAP通信サービス」が「加入」に対応する値である場合は、図13の例のように、それ以降の処理を継続する。一方、各加入者属性の少なくとも一つの値が表5の判定条件の値を満たさない場合は、送信側のユーザ端末装置10Sにエラー応答した後、上記満たさない判定条件に対応する応答コード及び応答メッセージをユーザ端末装置10Sに返信し、それまでに取得した情報をすべて破棄し、処理を中止する。
図14は、上記構成の通信システムにおいて送信側のユーザ端末装置10Sから受信側のユーザ端末装置10R宛のMMSメッセージを送信するときの更に他の処理手順の一例を示すシーケンス図である。図14の例では、送信側のユーザ端末装置10Sで使用される回線が図9の例と同じA回線(主回線)であり、受信側のユーザ端末装置10Rで使用される回線が図9の例と異なるB回線(副回線)である。なお、図14におけるステップ1〜5は、図9におけるステップ1〜5と同様であるので、説明を省略する。
図14において、図9の場合と同様に送信側のユーザ端末装置10Sから受信した「MAIL FROM:」コマンドについてチェック処理を実行することによりMMSメッセージの送信元の回線を特定した後、MMSリレー装置232は、送信先のB回線(副回線)の電話番号(080-2222-bbbb)について「RCPT TO」コマンドを送信側のユーザ端末装置10Sから受信し(ステップ6)、その送信先の電話番号(080-2222-bbbb)に基づいて加入者データベース(CUR)238にアクセスし、受信側の加入者情報を取得する(ステップ7)。その後、MMSリレー装置232は、送信対象のMMSメッセージのデータを送信側のユーザ端末装置10Sから受信し(ステップ8)、MMSサーバ装置233に転送する(ステップ9)。MMSサーバ装置233は、MMSリレー装置232から受信したMMSメッセージを、上記受信側のユーザ端末装置10RのB回線宛のメールとしてメールボックスに格納する。
次に、MMSリレー装置232は、上記送信側のユーザ端末装置10Sから受信した送信先の電話番号(080-2222-bbbb)に基づき、受信側のユーザ端末装置10Rについて登録されているマルチライン属性の情報をチェックする処理を実行する(ステップ10)。その後、MMSリレー装置232は、メール用の汎用通信プロトコルであるWAP Pushにより、送信先のB回線識別情報がヘッダー(Content−Type及びApplication−ID)に書き込まれた着信通知を、受信側のユーザ端末装置10Rに向けて送信する(ステップ11)。上記着信通知は、Push型の配信中継装置であるPPGサーバ237で一旦受信され、所定のデータ変換処理であるWSPエンコーディングが施され(ステップ12)、SMSC250を介して、受信側のユーザ端末装置10Rに配信される(ステップ13)。また、MMSリレー装置232は、上記着信通知の送信の後、当該MMSメッセージの配信処理情報であるM−Check−In(送信)を、メッセージ配信管理装置であるMDMサーバ239に送信する(ステップ14)。
図15は、上記構成の通信システムにおいて送信側のユーザ端末装置10Sから受信側のユーザ端末装置10R宛のMMSメッセージを送信するときの更に他の処理手順の一例を示すシーケンス図である。図15の例では、送信側のユーザ端末装置10Sで使用される回線及び受信側のユーザ端末装置10Rで使用される回線がいずれも、図9の例と異なるB回線(副回線)である。なお、図15におけるステップ1〜3は、図9におけるステップ1〜3と同様であるので、説明を省略する。
図15において、図9の場合と同様に送信側の加入者について認証処理(ステップ3)を実行した後、送信側のユーザ端末装置10Sは、メール用の汎用通信プロトコルであるSMTPにより、送信元の回線識別情報としてB回線の電話番号(090-1111-bbbb)の情報を含む「MAIL FROM」コマンドをMMSリレー装置232に送信する(ステップ4)。MMSリレー装置232は、送信側のユーザ端末装置10Sから受信した「MAIL FROM:」コマンドについてチェック処理を実行し、MMSメッセージの送信元の回線を特定する(ステップ5)。本例では、送信元の回線が副契約のB回線(副回線)あると特定される。
次に、MMSリレー装置232は、加入者データベース(CUR)238にアクセスし、送信側のユーザ端末装置10Sから受信したB回線(副回線)の電話番号(090-1111-bbbb)に基づいて、前述の図13の場合と同様に、送信側のB回線(副回線)に関する加入者情報を取得し(ステップ6)、そのB回線(副回線)について加入者認証処理を実行する(ステップ7)。
次に、MMSリレー装置232は、送信先のB回線(副回線)の電話番号(080-2222-bbbb)について「RCPT TO」コマンドを送信側のユーザ端末装置10Sから受信し(ステップ8)、その送信先の電話番号(080-2222-bbbb)に基づいて加入者データベース(CUR)238にアクセスし、受信側の加入者情報を取得する(ステップ9)。その後、MMSリレー装置232は、送信対象のMMSメッセージのデータを送信側のユーザ端末装置10Sから受信し(ステップ10)、MMSサーバ装置233に転送する(ステップ11)。MMSサーバ装置233は、MMSリレー装置232から受信したMMSメッセージを、上記受信側のユーザ端末装置10RのB回線宛のメールとしてメールボックスに格納する。
次に、MMSリレー装置232は、上記送信側のユーザ端末装置10Sから受信した送信先の電話番号(080-2222-bbbb)に基づき、受信側のユーザ端末装置10Rについて登録されているマルチライン属性の情報をチェックする処理を実行する(ステップ12)。その後、MMSリレー装置232は、メール用の汎用通信プロトコルであるWAP Pushにより、送信先のB回線識別情報がヘッダー(Content−Type及びApplication−ID)に書き込まれた着信通知を、受信側のユーザ端末装置10Rに向けて送信する(ステップ13)。上記着信通知は、Push型の配信中継装置であるPPGサーバ237で一旦受信され、所定のデータ変換処理であるWSPエンコーディングが施され(ステップ14)、SMSC250を介して、受信側のユーザ端末装置10Rに配信される(ステップ15)。また、MMSリレー装置232は、上記着信通知の送信の後、当該MMSメッセージの配信処理情報であるM−Check−In(送信)を、メッセージ配信管理装置であるMDMサーバ239に送信する(ステップ16)。
図16は、上記構成の通信システムにおいて受信側のユーザ端末装置10Rが着信通知を受信した後、その着信通知に対応するMMSメッセージを取得するときの処理手順の一例を示すシーケンス図である。なお、図16の処理手順は、送信ユーザ及び受信ユーザそれぞれの2回線(主契約、副契約)ともに同じサイト(XXX)で契約されている場合において、受信ユーザ側のA回線に届いているMMSメッセージを取得するときのシーケンスについて例示している。
図16において、まず、受信側の利用者(あ子)は、ユーザ端末装置10Rを操作してMMSメッセージ用のアプリケーションを起動し、メール送受信に使用する回線として主契約のA回線を設定した状態で、そのA回線宛の着信通知が届いているMMSメッセージを取得するようにユーザ端末装置10Rを操作する。この操作により、ユーザ端末装置10Rは、移動体通信網20側のGGSN223との間でパケット通信セッションとしてのPDP(パケットデータプロトコル)コンテキストを確立した後、主契約のA回線の電話番号(080-2222-aaaa)の利用者として、その電話番号(080-2222-aaaa)等の接続情報を含むTCP/IPによる接続要求を、メール処理システム231のMMSリレー装置232に送信する(ステップ1)。上記ユーザ端末装置10Rから接続要求を受信したMMSリレー装置232は、受信側のユーザ端末装置10RのIPアドレスをINキーとして上記利用者情報管理装置(R2Mサーバ)270から当該ユーザ端末装置10Rについて利用者管理情報(例えば、電話番号、IMSI、SGSN−IP、PLMN−id)を取得した後、加入者データベース(CUR)238にアクセスし、受信側のユーザ端末装置10Rから受信した主契約の電話番号(080-2222-aaaa)に基づいて、受信側の加入者情報を取得し(ステップ2)、受信側の加入者について認証処理を実行する(ステップ3)。
次に、受信側のユーザ端末装置10Rは、メール用の汎用通信プロトコルであるIMAPにより、メール送信先の回線識別情報としてA回線の電話番号(080-2222-aaaa)の情報を所定タグ(midタグ)に含む「NOOP」コマンドを、MMSリレー装置232に送信する(ステップ4)。MMSリレー装置232は、受信側のユーザ端末装置10Rから受信した「NOOP」コマンドについてチェック処理を実行し、MMSメッセージの送信先の回線を特定する(ステップ5)。本例では、送信先の回線が主契約のA回線(主回線)であると特定される。
次に、MMSリレー装置232は、IMAPの「UID FETCH」コマンドを受信側のユーザ端末装置10Rから受信し(ステップ6)、そのコマンドで指定されているメッセージ識別情報(UID:Unique ID)に基づいて、当該受信側ユーザに届いているMMSメッセージのデータをMMSサーバ装置233から取得し(ステップ7)、その取得したMMSメッセージを受信側のユーザ端末装置10Rに送信する(ステップ8)。
次に、MMSリレー装置232は、上記MMSメッセージの送信の後、当該MMSメッセージの配信処理情報であるM−Check−In(受信)を、MDMサーバ239に送信する(ステップ9)。次に、MMSリレー装置232は、IMAPの「UID STORE」コマンドを受信側のユーザ端末装置10Rから受信し(ステップ10)、そのコマンドで指定されているメッセージ識別情報(UID:Unique ID)に基づいて、MMSサーバ装置233のメールボックス内に格納されている当該受信側ユーザに配信したMMSメッセージのフラグを配信済みに変更し(ステップ8)、そのメールボックス内のMMSメッセージのフラグ変更処理情報であるM−Commitを、MDMサーバ239に送信する(ステップ11)。
図17は、上記図16のステップ5で実行するMMSリレー装置232による「NOOP」コマンドのチェック処理の一例を示すフローチャートである。まず、MMSリレー装置232は、受信側のユーザ端末装置10Rから「NOOP」コマンドで回線識別情報(midタグ)を受信したか否かを確認し(ステップ301)、回線識別情報(midタグ)を受信した場合(ステップ301でYES)は、受信側のユーザ端末装置10Rが複数回線(A回線、B回線)を使用可能なマルチライン対応端末装置からのメール取得要求である可能性があると判断し、次のチェック処理に進む。一方、「NOOP」コマンドで回線識別情報(midタグ)を受信していない場合(ステップ301でNO)は、1回線のみ使用可能なマルチライン非対応の端末装置からのメール取得要求であると判断し、正常応答(tag OK)を受信側のユーザ端末装置10Rに送信するとともに、副回線に関する加入者情報の取得や認証処理をスキップして「UID FETCH」コマンドの受信処理に進む。
次に、MMSリレー装置232は、上記ステップ301でYESの場合、受信側のユーザ端末装置10Rから「NOOP」コマンドで受信した回線識別情報(midタグ)からMSISDNの部分を抽出し、所定のフォーマット(0A0CDEFGHJK)に合致しているか否かを判断する(ステップ302)。ここで、回線識別情報(midタグ)のMSISDNの部分が所定のフォーマットに合致している場合(ステップ302でYES)は、マルチライン対応端末装置からのメール取得要求である可能性があると判断し、次のチェック処理に進む。一方、回線識別情報(midタグ)のMSISDNの部分が所定のフォーマットに合致していない場合(ステップ302でNO)は、回線識別情報(midタグ)の値のエラーとして受信側のユーザ端末装置10Rにエラー応答した後、所定の応答コード及び応答メッセージをユーザ端末装置10Rに返信し、それまでに取得した情報をすべて破棄し、処理を中止する(ステップ303)。
次に、MMSリレー装置232は、上記ステップ302でYESの場合、受信側のユーザ端末装置10Rから「NOOP」コマンドで受信した回線識別情報(midタグ)のMSISDNの値が、当該ユーザ端末装置10Rの主契約のA回線の電話番号と同じか否かを判断する(ステップ304)。ここで、回線識別情報(midタグ)のMSISDNの値が上記受信側のユーザ端末装置10RのA回線の電話番号と同じでない場合(ステップ304でNO)は、マルチライン対応端末装置からのメール取得要求である可能性があると判断し、次のチェック処理に進む。一方、回線識別情報(midタグ)のMSISDNの値が上記受信側のユーザ端末装置10RのA回線の電話番号と同じ場合(ステップ304でYES)は、受信側のユーザ端末装置10Rの主契約のA回線(主回線)からのメール送信要求であると判断し、副回線に関する加入者情報の取得や認証処理をスキップして「UID FETCH」コマンドの受信処理に進む。
次に、MMSリレー装置232は、上記ステップ304でNOの場合、受信側のユーザ端末装置10Rから「NOOP」コマンドで受信した回線識別情報(midタグ)のMSISDNの値が、加入者情報データベースCUR238から取得した当該ユーザ端末装置10Rのマルチライン属性の値と同じか否かを判断する(ステップ305)。ここで、回線識別情報(midタグ)のMSISDNの値が上記マルチライン属性の値と同じでない場合(ステップ305でNO)は、なりすましの端末装置のB回線や過去に登録されていた現在無効になっているB回線からのメール取得要求であると判断し、受信側のユーザ端末装置10Rにエラー応答した後、所定の応答コード及び応答メッセージをユーザ端末装置10Rに返信し、それまでに取得した情報をすべて破棄し、処理を中止する(ステップ306)。一方、回線識別情報(midタグ)のMSISDNの値が上記マルチライン属性の値と同じ場合(ステップ305でYES)は、受信側のユーザ端末装置10Rの副契約のB回線(副回線)からのメール取得要求であると判断し(ステップ307)、その副回線に関する加入者情報の取得及び認証処理に進む。
図18は、上記構成の通信システムにおいて受信側のユーザ端末装置10Rが着信通知を受信した後、その着信通知に対応するMMSメッセージを取得するときの他の処理手順の一例を示すシーケンス図である。図18の例では、受信側のユーザ端末装置10Rで使用される回線が図16の例と異なるB回線(副回線)である。なお、図18におけるステップ1〜3、8〜13は、図16におけるステップ1〜3、6〜11と同様であるので、説明を省略する。
図18において、図16の場合と同様に受信側の加入者について認証処理(ステップ3)を実行した後、受信側のユーザ端末装置10Rは、メール用の汎用通信プロトコルであるIMAPにより、送信先の回線識別情報としてB回線の電話番号(080-2222-bbbb)の情報を所定タグ(midタグ)に含む「NOOP」コマンドを、MMSリレー装置232に送信する(ステップ4)。MMSリレー装置232は、受信側のユーザ端末装置10Rから受信した「NOOP」コマンドについてチェック処理を実行し、MMSメッセージの送信先の回線を特定する(ステップ5)。本例では、送信先の回線が副契約のB回線(副回線)あると特定される。
次に、MMSリレー装置232は、加入者データベース(CUR)238にアクセスし、受信側のユーザ端末装置10Rから受信したB回線(副回線)の電話番号(080-2222-bbbb)に基づいて、受信側のB回線(副回線)に関する加入者情報を取得し(ステップ6)、そのB回線(副回線)について加入者認証処理を実行する(ステップ7)。
表6は、上記メール取得処理におけるB回線加入者認証処理で判定される加入者属性の一例を示している。この例では、当該加入者について、「メールボックスステータス」、「ユーザ受信ステータス」、「ユーザステータス」、「ユーザジェネレーション」及び「WAP(パケット)通信サービスへの加入状況」が判定される。ここで、「メールボックスステータス」が「アクティブ」に対応する値であり、「ユーザ受信ステータス」が「規制なし」に対応する値であり、「ユーザステータス」が「サービス中」又は「着信規制」に対応する値であり、受信側のユーザ端末装置10Rの世代を示す「ユーザジェネレーション」が所定の世代識別情報(表6の例では「3G(第3世代)」を示す「30」)であり、「WAP通信サービス」が「加入」に対応する値である場合は、図18の例のように、それ以降の処理を継続する。一方、各加入者属性の少なくとも一つの値が表6の判定条件の値を満たさない場合は、受信側のユーザ端末装置10Rにエラー応答した後、上記満たさない判定条件に対応する応答コード及び応答メッセージをユーザ端末装置10Rに返信し、それまでに取得した情報をすべて破棄し、処理を中止する。なお、表6において「3G(第3世代)」以外の世代を指定する場合は、「ユーザジェネレーション」の値として、例えば、2G(第2世代)の場合に「20」、2.5G(第2.5世代)の場合に「25」が設定される。
なお、図16及び図18では、着信通知に対応するMMSメッセージ(メール本体)を取得する場合について説明したが、図16のステップ1〜5の処理や図18のステップ1〜7の処理は、MMSサーバ装置233内のメールボックスの容量情報の確認処理、当該メールボックス内のMMSメッセージのリストの取得処理、及び当該メールボックス内のMMSメッセージの削除処理等のメール関連処理を、各回線について要求する場合にも適用できる。例えば、各ユーザ端末装置からIMAPを使ってメールボックスの容量情報の確認処理を要求するには、上記「UID FETCH」コマンドの代わりに、「UID」コマンドと、「GETQUOTA」コマンドや「GETQUOTAROOT」コマンドとを組み合わせて送信する。また、メールボックス内のMMSメッセージのリスト取得処理を要求する場合は、「UID」コマンドと「LIST」コマンドとを組み合わせて送信する。また、メールボックス内のMMSメッセージの削除処理を要求する場合は、「UID」コマンドと「EXPUNGE」コマンドとを組み合わせて送信する。
図19は、互いに異なる地域に対応する複数のサイト(XXX,YYY)の移動体通信網20X,20Yそれぞれに構築された2つのメール処理システム231X,231Yを含む通信システム全体の概略構成の一例を示す説明図である。図19の通信システムにおいて、各サイトのMMSリレー装置232X,232Yは互いに通信可能に接続されている。また、各サイトのメッセージ配信管理装置(MDMサーバ)239X,239Y同士も相互にデータ送受信可能に構成され、互いに異なるサイトそれぞれにあるMMSリレー装置とMMSサーバ装置との間も相互にデータ送受信可能に構成されている。なお、図19では、前述の図1の装置やノード等と同様な構成要素については図1と同じ番号を付し、各サイトの構成要素であることをを識別するために添え字「X」又は「Y」を付している。
図19の通信システムにおいて、ユーザ端末装置10S,10Rの利用者は、各サイト(XXX,YYY)のいずれにおいても、移動体通信網20X,20Yの全体を管理運営する移動体通信事業者との間で主契約及び副契約を結ぶことができる。ここで、同一の加入者識別情報に対応する加入者が主に使用するように設定されたA回線(主回線)について契約されたサイトを「主契約サイト」といい、その加入者がA回線(主回線)とは別に追加使用するように設定されたB回線(副回線)について契約されたサイトを「副契約サイト」という。
また、A回線及びB回線のメールアドレスを送信元として送信された配信対象のMMSメッセージは、当該MMSメッセージの送信元の回線について契約されたサイトにあるMMSサーバ装置233X,Yのメールボックスに一旦格納される。例えば、A回線及びB回線がそれぞれサイトXXX及びサイトYYYで契約されている場合、送信元がA回線のメールアドレスである配信対象のMMSメッセージは、そのA回線が契約されたサイトXXXのMMSサーバ装置233Xのメールボックスに格納される。また、送信元がB回線のメールアドレスである配信対象のMMSメッセージは、そのB回線が契約されたサイトYYYのMMSサーバ装置233Yのメールボックスに格納される。
また、A回線及びB回線のメールアドレスを送信先として送信された着信通知後の取得対象のMMSメッセージは、当該MMSメッセージの送信先の回線について契約されたサイトにあるMMSサーバ装置233X,Yのメールボックスに格納される。例えば、A回線及びB回線がそれぞれサイトXXX及びサイトYYYで契約されている場合、送信先がA回線のメールアドレスである取得対象のMMSメッセージは、そのA回線が契約されたサイトXXXのMMSサーバ装置233Xのメールボックスに格納される。また、送信先がB回線のメールアドレスである取得対象のMMSメッセージは、そのB回線が契約されたサイトYYYのMMSサーバ装置233Yのメールボックスに格納される。
また、A回線及びB回線のメールアドレスに対応するメールボックスについてメール取得、リスト取得などのメール関連処理を要求したときにMMSリレー装置232X,Yで生成されるメール関連処理情報(M−check−In、M−Commit)は、当該メールボックスがあるサイトのメッセージ配信管理装置(MDMサーバ)239X,Yに格納されて管理される。
図20は、図19の通信システムにおいて主契約サイト(XXXサイト)とは異なる副契約サイト(YYYサイト)で契約したB回線のメールアドレスを送信元とするMMSメッセージを配信する日時を指定して送信するときの処理手順の一例を示すシーケンス図である。表7は、図20の処理例において送信ユーザ(三郎)が使用する送信側のユーザ端末装置10Sで使用可能な2回線(A回線、B回線)それぞれの電話番号、メールアドレス及び契約サイト(契約地)の情報を例示したものである。また、表8は、受信ユーザ(あ子)が使用する受信側のユーザ端末装置10Rで使用可能な2回線(A回線、B回線)それぞれの電話番号等の情報を例示したものである。
図20において、まず、送信側の利用者(三郎)は、ユーザ端末装置10Sを操作してMMSメッセージ用のアプリケーションを起動し、MMSメッセージを作成する。そして、メール送受信に使用する回線として副契約のB回線を設定した状態で、送信相手先のメールアドレス(A回線の「2A@ssssss.jp」)を指定して上記MMSメッセージを送信するようにユーザ端末装置10Sを操作する。この操作により、ユーザ端末装置10Sは、移動体通信網20側のGGSN223との間でパケット通信セッションとしてのPDP(パケットデータプロトコル)コンテキストを確立した後、主契約のA回線の電話番号(090-3333-aaaa)の利用者として、その電話番号(090-3333-aaaa)等の接続情報を含むTCP/IPによる接続要求を、主契約サイト(XXXサイト)のメール処理システム231XのMMSリレー装置232Xに送信する(ステップ1)。上記ユーザ端末装置10Sから接続要求を受信した主契約サイトのMMSリレー装置232Xは、送信側のユーザ端末装置10SのIPアドレスをINキーとして上記利用者情報管理装置(R2Mサーバ)270から当該ユーザ端末装置10Sについて利用者管理情報(例えば、電話番号、IMSI、SGSN−IP、PLMN−id)を取得した後、加入者データベース(CUR)238Xにアクセスし、送信側のユーザ端末装置10Sから受信した主契約の電話番号(090-3333-aaaa)に基づいて、送信側の加入者情報を取得し(ステップ2)、送信側の加入者について認証処理を実行する(ステップ3)。
次に、送信側のユーザ端末装置10Sは、メール用の汎用通信プロトコルであるSMTPにより、送信元の回線識別情報としてB回線の電話番号(090-3333-bbbb)の情報を含む「MAIL FROM」コマンドをMMSリレー装置232Xに送信する(ステップ4)。MMSリレー装置232Xは、送信側のユーザ端末装置10Sから受信した「MAIL FROM」コマンドについてチェック処理を実行し、MMSメッセージの送信元の回線を特定する(ステップ5)。本例では、送信元の回線が副契約サイトで契約されたB回線(副回線)であると特定される。
次に、MMSリレー装置232Xは、加入者データベース(CUR)238Xにアクセスし、送信側のユーザ端末装置10Sから受信したB回線(副回線)の電話番号(090-3333-bbbb)に基づいて、送信側のB回線(副回線)に関する加入者情報を取得し(ステップ6)、そのB回線(副回線)について加入者認証処理を実行する(ステップ7)。
次に、MMSリレー装置232Xは、送信先のA回線(主回線)の電話番号(080-2222-aaaa)について「RCPT TO」コマンドを送信側のユーザ端末装置10Sから受信し(ステップ8)、その送信先の電話番号(080-2222-aaaa)に基づいて加入者データベース(CUR)238Xにアクセスし、受信側の加入者情報を取得する(ステップ9)。その後、MMSリレー装置232Xは、送信対象のMMSメッセージのデータを送信側のユーザ端末装置10Sから受信し(ステップ10)、副契約サイトにあるMMSサーバ装置233Yに転送する(ステップ11)。副契約サイトのMMSサーバ装置233Yは、主契約サイトのMMSリレー装置232Xから転送されてきたMMSメッセージを、上記受信側のユーザ端末装置10RのA回線宛のメールとしてメールボックスに格納する。
図21は、図19の通信システムにおいて主契約サイト(XXXサイト)とは異なる副契約サイト(YYYサイト)で契約したB回線のメールアドレスを送信先とするMMSメッセージについて着信通知受信後にMMSメッセージの本体を取得するときの処理手順の一例を示すシーケンス図である。表9は、図21の処理例において送信ユーザ(一郎)が使用する送信側のユーザ端末装置10Sで使用可能な2回線(A回線、B回線)それぞれの電話番号、メールアドレス及び契約サイト(契約地)の情報を例示したものである。また、表10は、受信ユーザ(さ子)が使用する受信側のユーザ端末装置10Rで使用可能な2回線(A回線、B回線)それぞれの電話番号等の情報を例示したものである。
図21において、まず、受信側の利用者(さ子)は、ユーザ端末装置10Rを操作してMMSメッセージ用のアプリケーションを起動し、メール送受信に使用する回線として副契約のB回線を設定した状態で、そのB回線宛の着信通知が届いているMMSメッセージを取得するようにユーザ端末装置10Rを操作する。この操作により、ユーザ端末装置10Rは、移動体通信網20側のGGSN223との間でパケット通信セッションとしてのPDP(パケットデータプロトコル)コンテキストを確立した後、主契約のA回線の電話番号(080-4444-aaaa)の利用者として、その電話番号(080-4444-aaaa)等の接続情報を含むTCP/IPによる接続要求を、主契約サイトのメール処理システム231XのMMSリレー装置232Xに送信する(ステップ1)。上記ユーザ端末装置10Rから接続要求を受信したMMSリレー装置232Xは、受信側のユーザ端末装置10RのIPアドレスをINキーとして上記利用者情報管理装置(R2Mサーバ)270から当該ユーザ端末装置10Rについて利用者管理情報(例えば、電話番号、IMSI、SGSN−IP、PLMN−id)を取得した後、加入者データベース(CUR)238Xにアクセスし、受信側のユーザ端末装置10Rから受信した主契約の電話番号(080-4444-aaaa)に基づいて、受信側の加入者情報を取得し(ステップ2)、受信側の加入者について認証処理を実行する(ステップ3)。
次に、受信側のユーザ端末装置10Rは、メール用の汎用通信プロトコルであるIMAPにより、メール送信先の回線識別情報としてB回線の電話番号(080-4444-bbbb)の情報を所定タグ(midタグ)に含む「NOOP」コマンドを、主契約サイトのMMSリレー装置232Xに送信する(ステップ4)。MMSリレー装置232Xは、受信側のユーザ端末装置10Rから受信した「NOOP」コマンドについてチェック処理を実行し、MMSメッセージの送信先の回線を特定する(ステップ5)。本例では、送信先の回線が副契約サイトにおけるB回線(副回線)であると特定される。
次に、主契約サイトのMMSリレー装置232Xは、加入者データベース(CUR)238Xにアクセスし、受信側のユーザ端末装置10Rから受信したB回線(副回線)の電話番号(080-4444-bbbb)に基づいて、受信側のB回線(副回線)に関する加入者情報を取得し(ステップ6)、そのB回線(副回線)について加入者認証処理を実行する(ステップ7)。
次に、主契約サイトのMMSリレー装置232Xは、IMAPの「UID FETCH」コマンドを受信側のユーザ端末装置10Rから受信し(ステップ8)、そのコマンドで指定されているメッセージ識別情報(UID)に基づいて、当該受信側ユーザに届いているMMSメッセージのデータを、B回線(副回線)が契約された副契約サイトにあるMMSサーバ装置233Yから取得し(ステップ9)、その取得したMMSメッセージを受信側のユーザ端末装置10Rに送信する(ステップ10)。
次に、主契約サイトのMMSリレー装置232Xは、上記MMSメッセージの送信の後、当該MMSメッセージの配信処理情報であるM−Check−In(受信)を、MDMサーバ239Xに送信する(ステップ11)。次に、MMSリレー装置232Xは、IMAPの「UID STORE」コマンドを受信側のユーザ端末装置10Rから受信し(ステップ12)、そのコマンドで指定されているメッセージ識別情報(UID)に基づいて、副契約サイトのMMSサーバ装置233Yのメールボックス内に格納されている当該受信側ユーザに配信したMMSメッセージのフラグを配信済みに変更し、そのメールボックス内のMMSメッセージのフラグ変更処理情報であるM−Commitを、主契約サイトのMDMサーバ239Xに送信する(ステップ13)。主契約サイトのMDMサーバ239Xは、MMSリレー装置232Xから受信したフラグ変更処理情報(M−Commit)を、副契約サイトのMDMサーバ239Xに転送する(ステップ14)。
図22は、図19の通信システムにおいて主契約サイト(XXXサイト)とは異なる副契約サイト(YYYサイト)で契約したB回線のメールアドレス宛の受信済みMMSメッセージを、そのB回線のメールアドレスを送信元として他のユーザに送信(転送)するときの処理手順の一例を示すシーケンス図である。表11は、図22の処理例において送信ユーザ(三郎)が使用する送信側のユーザ端末装置10Sで使用可能な2回線(A回線、B回線)それぞれの電話番号、メールアドレス及び契約サイト(契約地)の情報を例示したものである。また、表12は、受信ユーザ(さ子)が使用する受信側のユーザ端末装置10Rで使用可能な2回線(A回線、B回線)それぞれの電話番号等の情報を例示したものである。
図22において、まず、送信側の利用者(三郎)は、ユーザ端末装置10Sを操作してMMSメッセージ用のアプリケーションを起動し、メール送受信に使用する回線として副契約のB回線を設定した状態で、メールボックス内にあるメールから選択された送信対象のMMSメッセージと送信相手先のメールアドレス(B回線の「4B@ssssss.jp」)とを指定し、上記MMSメッセージを転送(送信)するようにユーザ端末装置10Sを操作する。この操作により、ユーザ端末装置10Sは、移動体通信網20側のGGSN223との間でパケット通信セッションとしてのPDP(パケットデータプロトコル)コンテキストを確立した後、主契約のA回線の電話番号(090-3333-aaaa)の利用者として、その電話番号(090-3333-aaaa)等の接続情報を含むTCP/IPによる接続要求を、主契約サイト(XXXサイト)のメール処理システム231XのMMSリレー装置232Xに送信する(ステップ1)。上記ユーザ端末装置10Sから接続要求を受信した主契約サイトのMMSリレー装置232Xは、送信側のユーザ端末装置10SのIPアドレスをINキーとして上記利用者情報管理装置(R2Mサーバ)270から当該ユーザ端末装置10Sについて利用者管理情報(例えば、電話番号、IMSI、SGSN−IP、PLMN−id)を取得した後、加入者データベース(CUR)238Xにアクセスし、送信側のユーザ端末装置10Sから受信した主契約の電話番号(090-3333-aaaa)に基づいて、送信側の加入者情報を取得し(ステップ2)、送信側の加入者について認証処理を実行する(ステップ3)。
次に、送信側のユーザ端末装置10Sは、メール用の汎用通信プロトコルであるSMTPにより、送信元の回線識別情報としてB回線の電話番号(090-3333-bbbb)の情報を含む「MAIL FROM」コマンドをMMSリレー装置232Xに送信する(ステップ4)。MMSリレー装置232Xは、送信側のユーザ端末装置10Sから受信した「MAIL FROM」コマンドについてチェック処理を実行し、MMSメッセージの送信元の回線を特定する(ステップ5)。本例では、送信元の回線が副契約サイトで契約されたB回線(副回線)であると特定される。
次に、MMSリレー装置232Xは、加入者データベース(CUR)238Xにアクセスし、送信側のユーザ端末装置10Sから受信したB回線(副回線)の電話番号(090-3333-bbbb)に基づいて、送信側のB回線(副回線)に関する加入者情報を取得し(ステップ6)、そのB回線(副回線)について加入者認証処理を実行する(ステップ7)。
次に、MMSリレー装置232Xは、送信先のB回線(副回線)の電話番号(080-4444-bbbb)について「RCPT TO」コマンドを送信側のユーザ端末装置10Sから受信し(ステップ8)、その送信先の電話番号(080-4444-bbbb)に基づいて主契約サイトの加入者データベース(CUR)238Xにアクセスし、受信側の加入者情報を取得する(ステップ9)。その後、MMSリレー装置232Xは、送信側のユーザ端末装置10Sから上記受信済みMMSメッセージ(転送対象のMMSメッセージ)のメッセージ識別情報(UID)を含むデータを受信し(ステップ10)、そのメッセージ識別情報(UID)に基づいて転送対象のMMSメッセージを副契約サイトのMMSサーバ装置233Yから取得し(ステップ11)、当該MMSメッセージの配信処理情報であるM−Check−In(送信)を、MDMサーバ239Xに送信し(ステップ12)、上記取得した転送対象のMMSメッセージを、副契約サイトにあるMMSリレー装置232Yに転送する(ステップ13)。副契約サイトのMMSリレー装置232Yは、送信先の電話番号(080-4444-bbbb)に基づいて副契約サイトの加入者データベース(CUR)238Yにアクセスし、受信側の加入者情報を取得し(ステップ14)、主契約サイトのMMSリレー装置232Xから転送されてきたMMSメッセージを、副契約サイトのMMSサーバ装置233Yに送信する(ステップ15)。副契約サイトのMMSサーバ装置233Yは、MMSリレー装置232Yから送信されてきたMMSメッセージを、上記受信側のユーザ端末装置10RのB回線宛のメールとしてメールボックスに格納する。
次に、上記副契約サイトのMMSリレー装置232Yは、前述の図15の場合と同様に、メール用の汎用通信プロトコルであるWAP Pushにより、送信先のB回線識別情報がヘッダー(Content−Type及びApplication−ID)に書き込まれた着信通知を、受信側のユーザ端末装置10Rに向けて送信する(ステップ16)。また、副契約サイトのMMSリレー装置232Yは、上記着信通知の送信の後、当該MMSメッセージの配信処理情報であるM−Check−In(DR)を、副契約サイトのMDMサーバ239Yに送信する(ステップ17)。
図23は、図19の通信システムにおいて主契約サイト(XXXサイト)とは異なる副契約サイト(YYYサイト)で契約したB回線のメールアドレス宛の受信済みMMSメッセージを、新規MMSメッセージとともに、そのB回線のメールアドレスを送信元として他のユーザに送信(転送)するときの処理手順の一例を示すシーケンス図である。なお、送信側のユーザ端末装置10S及び受信側のユーザ端末装置10Rそれぞれで使用可能な2回線(A回線、B回線)の電話番号等の情報は、上記表11及び表12に示したものと同じである。また、図23におけるステップ2〜9、11〜17は、図22におけるステップ2〜9、11〜17と同様であるので、説明を省略する。
図23において、送信側の利用者(三郎)は、ユーザ端末装置10Sを操作してMMSメッセージ用のアプリケーションを起動し、MMSメッセージを作成する。そして、メール送受信に使用する回線として副契約のB回線を設定した状態で、送信相手先のメールアドレス(B回線の「4B@ssssss.jp」)を指定して上記MMSメッセージを送信するようにユーザ端末装置10Sを操作する。更に、メールボックス内にあるメールから選択された送信対象のMMSメッセージを指定し、上記MMSメッセージを転送(送信)するようにユーザ端末装置10Sを操作する。
そして、主契約サイトのMMSリレー装置232Xは、図22の場合と同様に、「RCPT TO」コマンドを送信側のユーザ端末装置10Sから受信して受信側の加入者情報を取得し(ステップ2〜9)、その後、上記新規作成された送信対象のMMSメッセージと上記受信済みMMSメッセージ(転送対象のMMSメッセージ)のメッセージ識別情報(UID)を含むデータを送信側のユーザ端末装置10Sから受信する(ステップ10)。この送信側のユーザ端末装置10Sから受信した送信対象のMMSメッセージは、副契約サイトのMMSサーバ装置233Yから一旦取得された転送対象のMMSメッセージとともに、副契約サイトのMMSリレー装置232Yに転送されMMSサーバ装置233Yに格納される(ステップ13,15)。
なお、受信側のユーザ端末装置10Rは、上記副契約サイトのMMSサーバ装置233Yに格納されたB回線(メールアドレス)宛のMMSメッセージを、例えば、前述の図21で示したメール取得手順と同様な手順により取得することができる。
以上、本実施形態によれば、同一の加入者識別情報(IMSI)について互いに異なる複数のメールアドレスがそれぞれ設定された複数の回線(主回線、副回線)を使用可能なユーザ端末装置10において、複数のアプリケーションを起動することなく、メール処理システム231から受信したMMSメッセージからなるメールの着信通知を、その複数のメールアドレスを区別して適切に処理することができる。従って、ユーザ端末装置10で加入者識別情報を切り換えたり複数のアプリケーションを起動したりすることなく、同一の加入者識別情報について設定された複数のメールアドレスそれぞれを送信先とするメールの着信通知を、当該加入者識別情報が使用されるユーザ端末装置10で適切に受信して処理することができる。
なお、上記実施形態の図9〜図15の例では、受信側のユーザ端末装置10Rが着信通知を受信する場合について示しているが、図9のステップ10〜13の処理、図12の処理、図13のステップ12〜15の処理、図14のステップ10〜13の処理、及び図15のステップ12〜15の処理はそれぞれ、MMSリレー装置232から受信側のユーザ端末装置10Rに着信通知なしにMMSメッセージの全体を送信したり、MMSリレー装置232から送信側のユーザ端末装置10Sに配信確認通知(送信先への着信通知又MMSメッセージの送信が完了した旨の通知)を送信したりする場合にも適用できる。
また、本実施形態によれば、同一の加入者識別情報(IMSI)について互いに異なる複数のメールアドレスがそれぞれ設定された複数の回線(主回線、副回線)を使用可能なユーザ端末装置10において、複数のアプリケーションを起動することなく、複数のメールアドレスを区別し、各メールアドレスを送信元とするMMSメッセージからなるメールの送信要求や各メールアドレスを対象にしたメール関連処理の処理要求を、メール処理システム231に送信することができる。そして、メール処理システム231では、そのメール送信要求やメール関連処理の処理要求をユーザ端末装置10から受信したとき、その要求に対応するメールアドレスの回線を判定するとともに、当該回線について加入者の認証処理を実行している。従って、ユーザ端末装置で加入者識別情報を切り換えたり複数のアプリケーションを起動したりすることなく、同一の加入者識別情報について設定された複数のメールアドレスそれぞれを送信元とするMMSメッセージの送信要求や、各メールアドレスに対するメール関連処理の処理要求を安全且つ確実に、当該加入者識別情報が使用されるユーザ端末装置10から受け付け、その要求されたメール送信その他のメール関連処理を適切に処理することができる。
また、本実施形態によれば、複数のメールアドレスの回線(主回線、副回線)について契約されたサイトに応じて各メールアドレスに対するMMSメッセージからなるメールが互いに異なるサイトに区別して格納される場合であっても、各メールを適切に配信したり各メールを適切に取得したりできるように、主契約サイト(XXXサイト)のメール処理システム231Xと副契約サイト(YYYサイト)のメール処理システム231Yとの間でメールの転送処理が行われる。従って、ユーザ端末装置10で加入者識別情報(IMSI)を切り換えたり複数のアプリケーションを起動したりすることなく、同一の加入者識別情報について設定された複数のメールアドレスに対するメールが互いに異なるサイトに区別して格納される場合でも、各サイトをまたがってメール配信、メール取得処理、サーバ操作処理等を適切に行うことができる。
なお、上記実施形態では複数の回線についてMMSメッセージを送受信可能な通信端末装置の場合について説明したが、本発明は、MMSメッセージ以外の形式のメールを複数の回線について送受信可能な通信端末装置の場合についても同様に適用することができる。