JP2009283410A - 有機透明導電膜付き基材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】導電膜としての十分な電気伝導性を有し、しかも高い透明性を有する有機透明導電膜を備えた基材を提供すること。
【解決手段】本発明の有機透明導電膜付き基材1は、スルホン基を表面に有するポリスチレン基材11と、前記スルホン基を介して担持されたポリエチレンジオキシチオフェン層12と、を具備することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の有機透明導電膜付き基材1は、スルホン基を表面に有するポリスチレン基材11と、前記スルホン基を介して担持されたポリエチレンジオキシチオフェン層12と、を具備することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、有機透明導電膜付き基材及びその製造方法に関する。
近年、コンピュータや携帯機器が急速に高性能化されており、ディスプレイとマトリクススイッチなどを組み合わせたタッチパネルが搭載されてきており、画面上の表示を押さえることで機器を操作することができ、より操作性が向上してきている。一方、携帯機器は、小型化が進んできており、さらに、ウェアラブルな形態のものも開発されている。このようなウェアラブルな形態の機器においては、機器全体を折り畳んだり、巻いたりできることが必要である。このような使用形態においては、タッチパネルを構成するディスプレイやマトリクススイッチの透明電極も折り畳んだり、巻いたりできることが必要であり、このような要求に対応できる材料が求められる。
このような要求を満足する透明電極材料として、例えば、導電性ポリマーであるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)が挙げられる。特許文献1には、PEDOTを用いた有機透明電極について開示されている。
特表2007−531233号公報
特許文献1に開示されているPEDOTを膜形成する場合、例えば、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート)の水分散液を、例えば、スピンコート法、スクリーン印刷法、バーコート法、浸漬法などの方法で基板上に塗布し、乾燥する。PEDOT/PSSは、水溶媒中では30nm〜100nm程度のサイズのゲル分散状態となっており、このままの状態では、必ずしも電気伝導性を発現する高分子サイト同士が効率良く配列する状態にはならない。したがって、上記機器で使用するために十分な電気伝導性を得るためには、厚さを数100nmから数μmとする必要があり、このような厚さになると、膜が青みがかってしまい透明性が低下するという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、導電膜としての十分な電気伝導性を有し、しかも高い透明性を有する有機透明導電膜を備えた基材を提供することを目的とする。
本発明の有機透明導電膜付き基材は、スルホン基を表面に有するポリスチレン基材と、前記スルホン基を介して担持されたポリエチレンジオキシチオフェン層と、を具備することを特徴とする。
この構成によれば、電気伝導性を発現するPEDOTの高分子サイト同士が効率良く配列する状態であるので、すなわち、ホールキャリアが通るPEDOT部分が高い重合度となるため、単位厚さにおける導電率が飛躍的に向上する。このため、必要とする電気伝導度を得るために必要な膜厚が薄くて済むので、膜の透明性を高くすることが可能となる。
本発明の有機透明導電膜付き基材においては、前記ポリエチレンジオキシチオフェン層におけるポリエチレンジオキシチオフェンがキノイド化されていることが好ましい。
本発明の有機透明導電膜付き基材においては、前記ポリスチレン基材がポリスチレンフィルムであることが好ましい。
本発明の有機透明導電膜付き基材においては、前記ポリスチレン基材が表面にポリスチレン層を有する樹脂フィルムであることが好ましい。
本発明の有機透明導電膜付き基材においては、前記ポリスチレン基材が多孔質ポリスチレンであり、前記ポリエチレンジオキシチオフェン層が前記多孔質ポリスチレンの孔部に形成されていることが好ましい。
本発明の有機透明導電膜付き基材の製造方法は、ポリスチレン基材の表面にスルホン基を導入する工程と、スルホン基を導入したポリスチレン基材に、エチレンジオキシチオフェン及び触媒を含む水分散溶液を接触させて、前記スルホン基にポリエチレンジオキシチオフェンを担持させる工程と、を具備することを特徴とする。
この方法によれば、ポリスチレン基材の厚さ方向に数分子層レベルのPEDOTを、基材表面上に2次元的に高密度に成長させることができる。これにより、電気伝導性を発現するPEDOTの高分子サイト同士が効率良く配列する状態を実現でき、結果として、非常に高透過率で、かつ低抵抗な有機透明導電膜を得ることが可能となる。
本発明の有機透明導電膜付き基材の製造方法においては、前記ポリスチレン基材は、印刷法により樹脂フィルム上にポリスチレン層をパターン形成してなる基材であることが好ましい。
本発明の有機透明導電膜付き基材によれば、スルホン基を表面に有するポリスチレン基材と、前記スルホン基を介して担持されたポリエチレンジオキシチオフェン層と、を具備するので、導電膜としての十分な電気伝導性を有し、しかも高い透明性を有する透明導電膜を得ることができる。
上述したように、PEDOT/PSSは、水溶媒中では、PEDOT分子をPSS分子が包み込むような形態で、30nm〜100nm程度のサイズで分散されている。PEDOT/PSSにおいては、PEDOTが電気伝導性を発揮し、PSSがドーパント、膜担持能、溶媒可溶性を発揮する。このため、PEDOT分子をPSS分子が包み込むような形態で基板上に成膜されても、電気伝導性を発揮するPEDOTが連続して配列せず、電気伝導性を十分に発揮することができない。
本発明者はこのような点に着目し、PEDOTが担持するスルホン基を配列した状態の基材を準備し、このスルホン基上にPEDOTを担持させる、すなわちスルホン基上でEDOTを重合させることにより、電気伝導性を発現する高分子サイト同士が効率良く配列する状態を実現でき、その結果、相対的に薄くても十分な電気伝導性を発揮させて高い透明性を実現できることを見出し本発明をするに至った。
すなわち、本発明の骨子は、スルホン基を表面に有するポリスチレン基材と、前記スルホン基を介して担持されたポリエチレンジオキシチオフェン層と、を具備する有機透明導電膜付き基材により、導電膜としての十分な電気伝導性を有し、しかも高い透明性を有する透明導電膜を得ることである。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る有機透明導電膜付き基材を示す図である。図1に示す有機透明導電膜付き基材1は、スルホン基を表面に有するポリスチレン基材11と、このスルホン基を介して担持されたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)層12と、から主に構成されている。
図1は、本発明の実施の形態に係る有機透明導電膜付き基材を示す図である。図1に示す有機透明導電膜付き基材1は、スルホン基を表面に有するポリスチレン基材11と、このスルホン基を介して担持されたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)層12と、から主に構成されている。
有機透明導電膜付き基材1においては、図2に示すように、ポリスチレン基材11の表面のスルホン基(SO3 −)21と、PEDOTのイオウ原子(S)22との間の配位結合により高分子錯体を構成している。
ポリスチレン基材11としては、スルホン基を表面に有するポリスチレン層を有していれば良く、ポリスチレンフィルム、表面にポリスチレン層を有する樹脂フィルムなどが挙げられる。例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上にポリスチレン層を形成してなるポリスチレン基材の場合、PETは主鎖にベンゼン環が入っているため、比較的にスルホン化されにくいので、優先的にポリスチレンがスルホン化されて、PEDOTを担持するスルホン基をポリスチレン基材の表面に存在させることができるので好ましい。
また、ポリスチレン基材11が発泡体などの多孔質ポリスチレンであり、PEDOT層が多孔質ポリスチレンの孔部に形成されている基材であっても良い。特に、多孔質ポリスチレン基材の場合には、孔部の表面積が大きいので、PEDOTが配列する領域が大きく、電気伝導性がより高くなる。
PEDOTを担持させる側、すなわちスルホン基が存在する側のポリスチレン基材11の表面はできるだけ平滑であることが好ましい。例えば、スルホン基が存在する側のポリスチレン基材11の粗さは、10nm以下であることが好ましい。このようにポリスチレン基材11の表面が平滑であると、スルホン基とPEDOTとの間の距離が安定して、スルホン基にPEDOTが担持し易くなる。
PEDOT層12におけるPEDOTは、電気伝導性を発現する高分子サイト同士が効率良く配列する状態を構成している。この状態においては、PEDOTがキノイド化されている。これは、ラマンシフトにより確認することができる(J.Ouyang et al., Polymer 45,8443-8450(2004))。具体的には、Renishaw 1000 RAMAN SYSTEM(632.8nmHe−Neレーザ光源)による背面散乱計測で、5員環の伸縮振動がレッドシフトし、かつ狭帯幅化していることにより、ベンゾイド構造からのキノイド構造化がなされていることを確認することができる(図3、図4参照)。
このような有機透明導電膜付き基材においては、電気伝導性を発現するPEDOTの高分子サイト同士が効率良く配列する状態であるので、すなわち、ホールキャリアが通るPEDOT部分が高い重合度となるため、単位厚さにおける導電率が飛躍的に向上する。このため、必要とする電気伝導度を得るために必要な膜厚が薄くて済むので、膜の透明性を高くすることが可能となる。
このような有機透明導電膜付き基材は、ポリスチレン基材の表面にスルホン基を導入し、スルホン基を導入したポリスチレン基材に、エチレンジオキシチオフェン及び触媒を含む水分散溶液を接触させて、前記スルホン基にポリエチレンジオキシチオフェンを担持させることにより製造することができる。
具体的には、図5に示すように、ポリスチレン基材11の表面を発煙硫酸で処理することによりにスルホン酸基を導入し((a),(b))、次いで、この表面で触媒を用いてEDOT(エチレンジオキシチオフェン)の重合反応を行う((c),(d))。なお、固体状の芳香族化合物をスルホン化する方法としては、発煙硫酸を用いる方法に限らず、スルホン化剤であるクロルスルホン酸、無水硫酸、濃硫酸などを塩素系溶剤に溶解し、反応させる方法などが挙げられる。
これにより、ポリスチレン基材11の厚さ方向に数分子層レベルのPEDOTを、基材表面上に2次元的に高密度に成長させることができる。これは、図5における(c),(d)の反応が基材表面で進行し、反応物が近傍に存在するので重合反応は進行し続けてポリマー鎖が伸びる(重合度>10数)からであり、また、PEDOTとスルホン酸基とが近接して成長しているからである。これにより、電気伝導性を発現するPEDOTの高分子サイト同士が効率良く配列する状態を実現でき、結果として、非常に高透過率で、かつ低抵抗な有機透明導電膜を得ることが可能となる。なお、EDOTの重合反応の際の触媒としては、Fe2(SO4)3/Na2S2O8、FeCl3/Na2S2O3などを挙げることができる。
ポリスチレン基材が、表面にポリスチレン層を有する樹脂フィルムである場合には、ポリスチレン層をパターニングしておくことにより、透明導電膜を選択的に成膜することが可能となる。上述したように、例えば、PETは比較的にスルホン化されにくいので、PETフィルム上にポリスチレン層をパターニングして形成することにより、ポリスチレン層が優先的にスルホン化される。その状態でEDOTを重合させることにより、透明導電膜をポリスチレン層に形成することができ、所望のパターンの透明導電膜を得ることができる。なお、樹脂フィルム上にポリスチレン層をパターニングして形成する方法としては、スクリーン印刷法などの印刷法などが挙げられる。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
(実施例1)
平均分子量40万の厚さ100μmのポリスチレンフィルム(帝人デュポンフィルム社製)をシート状に加工した。次いで、常法により発煙硫酸をエチレンジクロライドに溶解し、ポリスチレンフィルム表面を45分間処理し、フィルム表面にスルホン基(フェニルスルホン酸基)を導入した。表面をスルホン化したポリスチレンフィルムについて、ESCA(X線光電子分光分析装置)を用いてS元素分析を実施した。その結果、顕著なS元素によるピークを観察し、表面数10層ではかなり高濃度でスルホン基が導入されていることを確認した。
(実施例1)
平均分子量40万の厚さ100μmのポリスチレンフィルム(帝人デュポンフィルム社製)をシート状に加工した。次いで、常法により発煙硫酸をエチレンジクロライドに溶解し、ポリスチレンフィルム表面を45分間処理し、フィルム表面にスルホン基(フェニルスルホン酸基)を導入した。表面をスルホン化したポリスチレンフィルムについて、ESCA(X線光電子分光分析装置)を用いてS元素分析を実施した。その結果、顕著なS元素によるピークを観察し、表面数10層ではかなり高濃度でスルホン基が導入されていることを確認した。
次いで、水と混合した過硫酸アンモニウム(水:過硫化アンモニウム=1.5:1重量割合)溶液に、上記スルホン化したポリスチレンフィルム(PSS)を浸漬し、過硫化アンモニウム:エチレンジオキシチオフェン(EDOT)=2.4:1(重量割合)でEDOT(純正化学市販品)を滴下し、常温で約6時間酸化重合反応を行いポリスチレンフィルムの表面のPEDOT/PSSを成長させた。その後、PEDOT/PSSを成長させたポリスチレンフィルムを水洗浄した後に、130℃で10分間加熱処理を行った。このようにして、ポリスチレンフィルム上にPEDOT層を形成して、実施例1の有機透明導電膜付き基材を製造した。この有機透明導電膜付き基材の表面を反射FT−IR(フーリエ変換赤外分光器・日本分光製 FT−IR4000を使用)を用いてポリチオフェン環のCH面外変角振動720cm−1で観察したところ、チオフェンの成長に伴う顕著なピークが確認された。
得られた有機透明導電膜付き基材について、面積抵抗値及び透過率を調べた。その結果を下記表1に示す。面積抵抗値については、4探針法(三菱化学社製)で計測した。透過率については、UV−可視吸収スペクトル計測器(日立製:OP−1200)を用いて、ベースのポリスチレンフィルムを標準にして、波長550nmの光の吸収強度(%)を調べることにより評価した。
(実施例2)
厚さ75μmのPETフィルム(東レ社製、易接着処理品)上に、テトラヒドロフラン(THF)/ジエチレングリコール混合溶媒に溶解した分子量40万のポリスチレン(5重量%)を所望のパターンでスクリーン印刷した。なお、スクリーン版には、355メッシュ/インチ、透過体積124cm3/m2のものを用いた。その後、130℃で30分間加熱処理を行って、PETフィルム上に厚さ1.2μmのポリスチレン層を形成した。
厚さ75μmのPETフィルム(東レ社製、易接着処理品)上に、テトラヒドロフラン(THF)/ジエチレングリコール混合溶媒に溶解した分子量40万のポリスチレン(5重量%)を所望のパターンでスクリーン印刷した。なお、スクリーン版には、355メッシュ/インチ、透過体積124cm3/m2のものを用いた。その後、130℃で30分間加熱処理を行って、PETフィルム上に厚さ1.2μmのポリスチレン層を形成した。
次いで、実施例1と同様にしてポリスチレン層の表面にスルホン基を導入し、S元素分析を実施したところ、顕著なS元素によるピークを観察し、表面数10層ではかなり高濃度でスルホン基が導入されていることを確認した。次いで、実施例1と同様にしてポリスチレンフィルムの表面のPEDOT/PSSを成長させ、水洗浄した後に、130℃で10分間加熱処理を行って、実施例2の有機透明導電膜付き基材を製造した。得られた有機透明導電膜付き基材について、実施例1と同様にして面積抵抗値及び透過率を調べた。その結果を下記表1に併記する。
(実施例3)
厚さ100μmの発泡性ポリスチレン(JSP社製)の表面に、実施例1と同様にしてスルホン基を導入した。この発泡性ポリスチレンについてS元素分析を実施したところ、顕著なS元素によるピークを観察し、表面数10層ではかなり高濃度でスルホン基が導入されていることを確認した。次いで、実施例1と同様にしてポリスチレンフィルムの表面のPEDOT/PSSを成長させ、水洗浄した後に、130℃で10分間加熱処理を行って、実施例3の有機透明導電膜付き基材を製造した。得られた有機透明導電膜付き基材について、実施例1と同様にして面積抵抗値及び透過率を調べた。その結果を下記表1に併記する。
厚さ100μmの発泡性ポリスチレン(JSP社製)の表面に、実施例1と同様にしてスルホン基を導入した。この発泡性ポリスチレンについてS元素分析を実施したところ、顕著なS元素によるピークを観察し、表面数10層ではかなり高濃度でスルホン基が導入されていることを確認した。次いで、実施例1と同様にしてポリスチレンフィルムの表面のPEDOT/PSSを成長させ、水洗浄した後に、130℃で10分間加熱処理を行って、実施例3の有機透明導電膜付き基材を製造した。得られた有機透明導電膜付き基材について、実施例1と同様にして面積抵抗値及び透過率を調べた。その結果を下記表1に併記する。
(比較例1)
平均分子量40万の厚さ100μmのポリスチレンフィルム(旭化成ケミカルズ社製)をシート状に加工した。次いで、このポリスチレンフィルム上に、市販PEDOT/PSSの塗液(Baytron PH500)をスピンコートし、130℃で10分間加熱処理を行って、比較例の有機透明導電膜付き基材を製造した。得られた有機透明導電膜付き基材について、実施例1と同様にして面積抵抗値及び透過率を調べた。その結果を下記表1に併記する。
平均分子量40万の厚さ100μmのポリスチレンフィルム(旭化成ケミカルズ社製)をシート状に加工した。次いで、このポリスチレンフィルム上に、市販PEDOT/PSSの塗液(Baytron PH500)をスピンコートし、130℃で10分間加熱処理を行って、比較例の有機透明導電膜付き基材を製造した。得られた有機透明導電膜付き基材について、実施例1と同様にして面積抵抗値及び透過率を調べた。その結果を下記表1に併記する。
表1から分かるように、実施例1〜実施例3の有機透明導電膜付き基材は、面積抵抗値が小さく、電気伝導性の高いものであった。このため、薄くしても十分な電気伝導性を発揮することができ、透明性を高くすることが可能である。これは、電気伝導性を発現するPEDOTの高分子サイト同士が効率良く配列する状態が実現されているからであると考えられる。特に、多孔質のポリスチレン基材を用いた場合においては、電気伝導性が非常に高いものであった。一方、比較例の有機透明導電膜付き基材は、面積抵抗値が大きく、電気伝導性の低いものであった。これは、製造時にエチレンジオキシチオフェンが重合するのに伴って反応系から逸脱(沈殿)してしまい、重合度が進まず(重合度n≦10数 程度でオリゴマ)、電気伝導性を発現するPEDOTの高分子サイト同士が効率良く配列していない状態となったからであると考えられる。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。また、また、各層の厚さや材質については本発明の効果を逸脱しない範囲で適宜設定することができる。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
本発明は、フレキシブルディスプレイやその他の電子機器の透明電極に適用することができる。
1 有機透明導電膜付き基材
11 ポリスチレン基材
12 ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)層
21 スルホン基
22 イオウ原子
11 ポリスチレン基材
12 ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)層
21 スルホン基
22 イオウ原子
Claims (7)
- スルホン基を表面に有するポリスチレン基材と、前記スルホン基を介して担持されたポリエチレンジオキシチオフェン層と、を具備することを特徴とする有機透明導電膜付き基材。
- 前記ポリエチレンジオキシチオフェン層におけるポリエチレンジオキシチオフェンがキノイド化されていることを特徴とする請求項1記載の有機透明導電膜付き基材。
- 前記ポリスチレン基材がポリスチレンフィルムであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の有機透明導電膜付き基材。
- 前記ポリスチレン基材が表面にポリスチレン層を有する樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の有機透明導電膜付き基材。
- 前記ポリスチレン基材が多孔質ポリスチレンであり、前記ポリエチレンジオキシチオフェン層が前記多孔質ポリスチレンの孔部に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の有機透明導電膜付き基材。
- ポリスチレン基材の表面にスルホン基を導入する工程と、スルホン基を導入したポリスチレン基材に、エチレンジオキシチオフェン及び触媒を含む水分散溶液を接触させて、前記スルホン基にポリエチレンジオキシチオフェンを担持させる工程と、を具備することを特徴とする有機透明導電膜付き基材の製造方法。
- 前記ポリスチレン基材は、印刷法により樹脂フィルム上にポリスチレン層をパターン形成してなる基材であることを特徴とする請求項6記載の有機透明導電膜付き基材の製造方法。
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