以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。尚、以下の説明では、この発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、この発明の範囲は以下の実施の形態および図面に限定されるものではない。
・第1実施の形態
図1は、本実施の形態の光学機器としての携帯型電話機(携帯型情報端末)における構成を示す。但し、図1(a)は携帯型電話機11の正面図であり、図1(b)は携帯型電話機11の背面図であり、図1(c)は携帯型電話機11の側面図である。
本実施の形態における上記携帯型電話機11は、撮像機能(カメラ機能)を備えている。そのため、携帯型電話機11は、図1(a)〜図1(c)に示すように、少なくとも、筐体12と、撮像装置13と、スピーカ部14と、マイク部15と、入力部16と、モニター部17と、ライト部18と、シャッターボタン19とを含んでいる。尚、本実施の形態においては、入力部16およびモニター部17が設けられている図1(a)に示す面を、正面と称することにする。
上記スピーカ部14およびマイク部15は、音声情報を入出力するために用いられる。モニター部17は、映像情報を出力するために用いられ、本実施の形態においては、撮像装置13から得られた情報を表示するためにも用いられる。ライト部18は、撮像装置13によって被写体を撮像する際に上記被写体を照らすための照明装置として用いられる。
上記撮像装置13による被写体の撮像は、シャッターボタン19あるいは入力部16を操作することによって行うことができる。撮像された画像は、携帯型電話機11内において信号処理されて、モニター部17に表示される。さらに、上記撮像された画像は、電子データとして携帯型電話機11内に保存することができ、外部記録装置に保存することもできる。
以下、上記撮像装置13について詳細に説明する。図2は、撮像装置13の断面図である。尚、図2は、図1(c)に示す撮像装置13を、図1(c)に描かれた携帯型電話機11の側面と平行(つまり紙面と平行)に切断した状態を表している。撮像装置13は、図2に示すように、固体撮像部(固体撮像装置)13aと、ユニットパッケージ13bと、レンズユニット13cと、を含んでいる。
上記固体撮像部13aは、レンズユニット13cを通過した光線を電気信号に変換するための電気変換部を含む固体撮像素子20と、支持基板21と、フレキシブルプリント基板22とを有している。
上記固体撮像素子20における受光側の面の中央部には、画素が2次元に配置されてなる上記電気変換部が形成されている。さらに、上記電気変換部の周囲には、信号処理回路が形成されている。この信号処理回路は、上記各画素を順次駆動して信号電荷を得る駆動回路部と、上記各信号電荷をデジタル信号に変換するA/D変換部と、上記デジタル信号を用いて画像信号を形成する信号処理部等を含んで構成されている。本実施の形態では、固体撮像素子20における受光側の面の外縁近傍には多数のパッド(図示せず)が設けられており、固体撮像素子20は支持基板21に接続されて支持されている。尚、固体撮像素子20の種類は特に限定されるものではない。具体的には、CCD(電荷結合素子)センサあるいはCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサ等を用いることができる。
上記支持基板21は、一方の面において固体撮像素子20およびユニットパッケージ13bを支持することが可能なように、硬質の板状体で構成されている。そして、支持基板21における他方の面(固体撮像素子20を支持する面とは反対側の面)には、フレキシブルプリント基板22が取り付けられている。ここで、支持基板21の表裏両面には多数の信号伝達用パッドが設けられており、上記一方の面に設けられた信号伝達用パッドには固体撮像素子20が接続され、上記他方の面に設けられた信号伝達用パッドにはフレキシブルプリント基板22が接続されている。
上記フレキシブルプリント基板22は、外部の回路(例えば、撮像装置13を搭載している装置(つまり、携帯型電話機11)が有する制御回路)から固体撮像素子20を駆動するための電圧信号およびクロック信号の供給を受けたり、デジタルYUV信号を外部へ出力したりすることが可能な基板である。ここで、上記YUV信号の「Y」は輝度信号であり、「U」は赤と輝度信号との色差信号であり、「V」は青と輝度信号との色差信号である。
また、上記ユニットパッケージ13bは、遮光体23と赤外光カットフィルタ24とを有している。
上記遮光体23は、上記支持基板21における固体撮像素子20側の面に、固体撮像素子20を覆うように固定されて配置されている。具体的には、遮光体23は、概略有底の円筒形をなし、その開口端が固体撮像素子20を取り囲んで支持基板21に当接して固定されている。さらに、上記有底の円筒形における底部の中央部には小開口が設けられている。また、遮光体23は、上記有底の円筒形における円筒部の内部に、レンズユニット13cを収納することができる。
上記赤外光カットフィルタ24は、ユニットパッケージ13bにおける光線の入射部分に配置されており、具体的には、遮光体23における上記底部の中央部に設けられた上記小開口を塞ぐように配置されて固定されている。尚、赤外光カットフィルタ24は、レンズユニット13cと固体撮像素子20との間に配置しても一向に差し支えない。また、赤外光カット機能を付加したカバーガラスを、赤外光カットフィルタ24として用いてもよい。
また、上記レンズユニット13cは、鏡筒25と、開口絞り26と、組レンズ27と、を有している。
上記鏡筒25は、組レンズ27を保持し、遮光体23の内壁に設けられたフランジ(図示せず)を用いて、遮光体23の内部に取り付け固定されている。尚、鏡筒25は、光を吸収する材料、例えば遮光樹脂等を用いた成型等によって形成されている。
上記開口絞り26は、本実施の形態においては、組レンズ27よりも被写体側に配置されているが、組レンズ27の間に配置することも可能である。
上記組レンズ27は、以下のように構成されている。図3は、組レンズ27の光軸28に沿った断面図である。図3において、紙面左側が被写体側であり、紙面右側が固体撮像素子20側である。尚、図3において、29は、組レンズ27の結像面(撮像面)である。結像面29の位置は、組レンズ27の焦点位置であると共に、固体撮像素子20の上記電気変換部の位置に相当する。
上記組レンズ27は、結像に寄与する光線が通過する領域である光学的な有効領域面が互いに異なる第1レンズL1,第2レンズL2および第3レンズL3の3枚のレンズを、光軸方向に組み合わせた構成を有している。ここで、上記組レンズとは、複数枚のレンズにおいて、レンズ外周部の面を光軸方向に重ね合わせたり、レンズ外周部の面をスペーサを介して重ね合わせたり、レンズ外周部を嵌合させて重ね合わせたりしたものを指す。レンズは、硝子や樹脂材料を用いて成型等によって形成されており、光学設計によって最適な屈折率や曲率半径を適宜選択して形成されたものである。尚、図3に示すような複雑なレンズ形状や周辺構造を有する場合には、樹脂材料を用いて成型によって形成されたものを用いるのが好ましい。また、上述したように、本実施の形態においては、開口絞り26は、組レンズ27よりも被写体側に配置されている。
上記第1レンズL1における像面側の有効領域面L1bの最外縁と、第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの最外縁との間には、第1遮光板30が配置されている。この第1遮光板30は、光を吸収する材料、例えば、遮光性樹脂の材料や黒色PETフィルム等を用いて成型等によって形成したものであり、第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの最外縁に近接して配置されている。具体的には、図3に示すように、第1レンズL1における像面側の有効領域面L1bの最外縁と第1遮光板30との光軸方向の間隔をAとし、第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの最外縁と第1遮光板30との光軸方向の間隔をBとした場合に、第1遮光板30は、A>Bとなるように配置されている。
また、上記第1遮光板30の内周縁は、第1レンズL1の像面側の有効領域面L1bにおける最外縁と、第2レンズL2の被写体側の有効領域面L2aにおける最外縁とを、最短で結ぶ直線を母線とする円錐台の側面上にあるのが好ましい。その理由は、第1遮光板30の内周縁が上記円錐台の側面よりも光軸側にある場合には、第1レンズL1における像面側の有効領域面L1bを透過して撮像面(結像面)29に結像する有効な光線を遮光してしまうからである。また、第1遮光板30の内周縁が上記円錐台の側面よりも外側(光軸側とは反対側)にある場合には、有効画角外の入射角度で組レンズ27に入射した光を遮光することができないため、第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの外側部分L2cに入射することになり、結果的に撮像面29に到達した場合にはゴーストやフレアが発生するからである。
上記第2レンズL2における像面側の有効領域面L2bの最外縁と、第3レンズL3における被写体側の有効領域面L3aの最外縁との間には、第2遮光板31が配置されている。この第2遮光板31は、光を吸収する材料、例えば、遮光性樹脂の材料や黒色PETフィルム等を用いて成型等によって形成したものであり、第3レンズL3における被写体側の有効領域面L3aの最外縁に近接して配置されている。具体的には、図3に示すように、第2レンズL2における像面側の有効領域面L2bの最外縁と第2遮光板31との光軸方向の間隔をA'とし、第3レンズL3における被写体側の有効領域面L3aの最外縁と第2遮光板31との光軸方向の間隔をB'とした場合に、第2遮光板31は、A'>B'となるように配置されている。
また、上記第2遮光板31の内周縁は、第2レンズL2の像面側の有効領域面L2bにおける最外縁と、第3レンズL3の被写体側の有効領域面L3aにおける最外縁とを、最短で結ぶ直線を母線とする円錐台の側面上にあるのが好ましい。その理由は、第2遮光板31の内周縁が上記円錐台の側面よりも光軸側にある場合には、第2レンズL2における像面側の有効領域面L2bを透過して撮像面29に結像する有効な光線を遮光してしまうからである。また、第2遮光板31の内周縁が上記円錐台の側面よりも外側(光軸側とは反対側)にある場合には、有効画角外の入射角度で組レンズ27に入射した光を遮光することができないため、第3レンズL3における被写体側の有効領域面L3aの外側部分L3cに入射することになり、結果的に撮像面29に到達した場合にはゴーストやフレアが発生するからである。
ここで、上記第1レンズL1,第2レンズL2および第3レンズL3夫々の形状について説明する。
最も被写体側(光入射側)に位置する上記第1レンズL1は、被写体側の面および被写体側とは反対側(像面側)の面において、結像に寄与する光線が通過する有効領域面(被写体側の有効領域面L1aおよび像面側の有効領域面L1b)の外側に、有効領域面L1a,L1bに滑らかに連なる面を有している。
尚、図3において、上記第1レンズL1の被写体側および像面側における有効領域面L1a,L1bと、この有効領域面L1a,L1bに滑らかに連なる外側部分の面との境界の位置に、この境界の位置が分かるように光軸に平行な極短い仮想の線分を描いている。他のレンズ,他の実施の形態および他の図においても同様である。
上記第1レンズL1に隣接してこの第1レンズL1の像面側に位置する第2レンズL2は、被写体側の面および像面側の面において、結像に寄与する光線が通過する有効領域面(被写体側の有効領域面L2aおよび像面側の有効領域面L2b)の外側に、上記有効領域面L2a,L2bに滑らかに連なる面を有している。すなわち、被写体側の有効領域面L2aにおける最外縁近傍の形状は、像面側に向かって窪んだ凹形状になっている。さらに、被写体側の面における有効領域面L2aの外側部分L2cの形状は、像面側に向かって窪んだ凹形状になっている。被写体側の面をこのような形状にすることによって、第1遮光板30を、第1レンズL1における像面側の有効領域面L1bの最外縁と第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの最外縁との間であって、尚且つ、有効領域面L2aの最外縁に近接した位置に配置することが、容易に可能となる。
また、上記第2レンズL2の像面側の面における有効領域面L2bの外側部分L2dの形状は、有効領域面L2bに滑らかに連なる曲面になっている。像面側の面をこのような形状にすることによって、第2レンズL2の像面側の面における有効領域面L2bよりも外側に至った光は、図3の経路(イ)で示すように、曲面を成す外側部分L2dで屈折されて(本実施の形態の場合には光軸方向に屈折される)出射し、第2遮光板31によって遮光されることになる。
上記第2レンズL2に隣接してこの第2レンズL2の像面側に位置する第3レンズL3は、被写体側の面および像面側の面において、結像に寄与する光線が通過する有効領域面(被写体側の有効領域面L3aおよび像面側の有効領域面L3b)の外側に、上記有効領域面L3a,L3bに滑らかに連なる面を有している。すなわち、被写体側の有効領域面L3aにおける最外縁近傍の形状は、像面側に向かって窪んだ凹形状になっている。さらに、被写体側の面における有効領域面L3aの外側部分L3cの形状は、像面側に向かって窪んだ凹形状になっている。被写体側の面をこのような形状にすることによって、第2遮光板31を、第2レンズL2における像面側の有効領域面L2bの最外縁と第3レンズL3における被写体側の有効領域面L3aの最外縁との間であって、尚且つ、有効領域面L3aの最外縁に近接した位置に配置することが、容易に可能となる。
次に、上記第1遮光板30および第2遮光板31の配置位置を、図3に示すように、A>BおよびA'>B'になるようにする理由について説明する。
光学機器に用いられるレンズ系においては、光学設計によって最適な屈折率や曲率半径が適宜選択されて、当該レンズ系に取り込まれる光の有効画角が決定される。そして、上記有効画角内の入射角度でレンズ系に入射した光が、当該レンズ系を伝搬して撮像面に至ることによって、所望の像が得られるのである。
しかしながら、図3に示すように、上記レンズ系としての組レンズ27に有効画角外の入射角度αで入射する光も存在し、そのような光が撮像面29に至ることによってゴーストやフレアが発生する。そこで、第1遮光板30をA>Bとなるように配置することで、画角外光が、第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの外側部分L2cに入射するのを遮光することができ、ゴーストやフレアの発生を抑えることができる。同様に、第2遮光板31をA'>B'となるように配置することで、有効画角外の入射角度βで組レンズ27に入射した光が、第3レンズL3における被写体側の有効領域面L3aの外側部分L3cに入射するのを遮光することができ、ゴーストやフレアの発生を抑えることができるのである。以下、具体例を上げて説明する。
図4は、図3に示す組レンズ27とは異なる組レンズ27'の断面図である。この組レンズ27'は、有効領域面L1a,L1b,L2a,L2b,L3a,L3bの屈折率,曲率半径,レンズ間隔等の光学性能を決める数値が図3に示すレンズL1,L2,L3と同じであって、有効領域面L2a,L2b,L3aの外側部分L2c',L2d',L3c'の形状がレンズL1,L2,L3とは異なるようなレンズL1',L2',L3'で構成されている。
図4において、有効画角内で組レンズ27'に入射した光が作る像は、図3の組レンズ27で得られる像と同一である。また、図4に示す組レンズ27'においては、第1遮光板30は、図3の組レンズ27の場合と同様に、第1レンズL1'における像面側の有効領域面L1bの最外縁と、第2レンズL2'における被写体側の有効領域面L2aの最外縁との間に配置されている。しかしながら、A<Bとなるように配置されている点で、図3の組レンズ27の場合とは異なる。
このように、上記第1遮光板30をA<Bとなるように配置した場合には、図4に示すように、有効画角外の入射角度αで第1レンズL1'に入射した光は、第1遮光板30で遮光されずに第2レンズL2'の被写体側における有効領域面L2aの外側部分L2c'に入射することになる。その結果、経路(ロ)で示すように、反射を繰り返して撮像面29に到達することになり、ゴーストやフレアが発生するのである。
また、図4において、上記第2遮光板31は、第2レンズL2'における像面側の有効領域面L2bの最外縁と、第3レンズL3'における被写体側の有効領域面L3aの最外縁との間に配置されてはおらず、且つ、A'<B'となるように配置されている点で、図3の組レンズ27の場合とは異なる。
このように、上記第2遮光板31をA'<B'となるように配置した場合には、図4に示すように、有効画角外の入射角度βで第1レンズL1'に入射し、第3レンズL3'の被写体側における有効領域面L3aの外側部分L3c'に入射する光を、遮光することができない。その結果、経路(ハ)で示すように、第3レンズL3'に入射して反射を繰り返して撮像面29に到達することになり、ゴーストやフレアが発生するのである。
以上のことより、上記第1遮光板30は互いに対向する第1レンズL1と第2レンズL2との間に、上記第2遮光板31は互いに対向する第2レンズL2と第3レンズL3との間に、A>BおよびA'>B'の関係を満たすように配置する必要がある。
次に、上記第2レンズL2の像面側の面における有効領域面L2bの外側部分L2dの形状を曲面にする理由について説明する。
図3に示すように、上記第2レンズL2の像面側の面における有効領域面L2bの外側部分L2dの形状は曲面になっている。そのため、有効画角外の入射角度γで第1レンズL1に入射し、第2レンズL2の像面側における有効領域面L2bよりも外側に至った光は、経路(イ)で示すように、曲面を成す外側部分L2dで光軸方向に屈折されて出射されることになる。その結果、第2レンズL2の外側部分L2dから出射された光は、第2遮光板31によって遮光される。したがって、ゴーストやフレアの発生を抑えることができるのである。尚、このことは、第2レンズL2(第1遮光板30)に対して被写体側に位置する第1レンズL1の場合にも当てはまる。
しかしながら、図4に示す組レンズ27'の場合には、上記第2レンズL2'の像面側における有効領域面L2bの外側部分L2d'の形状は平面になっている。そのため、有効画角外の入射角度γで第1レンズL1'に入射し、第2レンズL2'の像面側の面における有効領域面L2bよりも外側に至った光は、経路(ニ)で示すように、平面を成す外側部分L2d'で反射されることになる。その結果、第2レンズL2'の外側部分L2d'で反射された光は、第2遮光板31によって遮光されることなく第2レンズL2'および第3レンズL3'でさらに反射を繰り返し、撮像面29に到達してゴーストやフレアが発生する可能性がある。特に、全反射が生じた場合には反射光強度が強くなるため、ゴーストやフレアが発生し易くなる。
以上のごとく、本実施の形態においては、上記第1レンズL1,第2レンズL2および第3レンズL3で構成される組レンズ27において、第1レンズL1における像面側の有効領域面L1bの最外縁と、第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの最外縁との間に、第1遮光板30を配置する。さらに、第2レンズL2における像面側の有効領域面L2bの最外縁と、第3レンズL3における被写体側の有効領域面L3aの最外縁との間に、第2遮光板31を配置している。そして、有効領域面L1bの最外縁と第1遮光板30との光軸方向の間隔をAとする一方、有効領域面L2aの最外縁と第1遮光板30との光軸方向の間隔をBとし、有効領域面L2bの最外縁と第2遮光板31との光軸方向の間隔をA'とする一方、有効領域面L3aの最外縁と第2遮光板31との光軸方向の間隔をB'とした場合に、第1遮光板30をA>Bとなるように配置し、第2遮光板31をA'>B'となるように配置している。
したがって、上記第1遮光板30および第2遮光板31によって、第2レンズL2および第3レンズL3の被写体側における有効領域面L2a,L3aの外側部分L2c,L3cに入射する光を確実に遮光することができる。その結果、有効画角外の入射角度で第1レンズL1に入射した光が撮像面29に到達するのを防止し、ゴーストやフレアの発生を抑制することができる。
また、上記第1遮光板30に対して像面側に位置する第2レンズL2および第2遮光板31に対して像面側に位置する第3レンズL3に関して、被写体側の面における有効領域面L2a,L3aの外側部分L2c,L3cの形状は、像面側に向かって窪んだ凹形状になっている。したがって、第1遮光板30および第2遮光板31を、第1レンズL1および第2レンズL2における像面側の有効領域面L1b,L2bの最外縁と第2レンズL2および第3レンズL3における被写体側の有効領域面L2a,L3aの最外縁との間であって、尚且つ、有効領域面L2a,L3aの最外縁に近接した位置に配置することが、容易に可能となる。その結果、上記第2レンズL2および第3レンズL3の被写体側における有効領域面L2a,L3aの外側部分L2c,L3cに入射する光を確実に遮光することができ、ゴーストやフレアの発生を抑制することができる。
また、上記第1遮光板30に対して被写体側に位置する第1レンズL1および第2遮光板31に対して被写体側に位置する第2レンズL2に関して、像面側の面における有効領域面L1b,L2bの外側部分L2dの形状は曲面になっている。そのために、有効領域面L2bの外側部分L2dに入射した光は、経路(イ)で示すように、曲面を成す外側部分L2dで屈折されて第3レンズL3に向かって出射され、結果的に第2遮光板31によって遮光される。したがって、ゴーストやフレアの発生を抑制することができるのである。第1レンズL1の場合も同様である。
すなわち、本実施の形態によれば、結像に寄与しない不要な光を確実に遮断して、ゴーストやフレアの発生を抑制することができる。その際に、上記特許文献1に開示された従来のレンズおよび組レンズの場合のように、上記有効領域面の外周部分に、結像に寄与しない不要な光をランダムに反射させる等して撮像面29に入力しないようにする領域を設けてはいない。したがって、光学機器の小型化に伴って第1レンズL1〜第3レンズL3の外径が小さくなり上記有効領域面の外周部分の幅が狭くなった場合でも、結像に寄与しない不要な光を確実に遮断することができるのである。
尚、本実施の形態においては、上記組レンズ27を構成する第1レンズL1,第2レンズL2および第3レンズL3のうち、第1レンズL1と第2レンズL2との組において、被写体側に位置する第1レンズL1が請求項1における上記「第1のレンズ」に相当する一方、像面側に位置する第2レンズL2が請求項1における上記「第2のレンズ」に相当している。また、第2レンズL2と第3レンズL3との組において、被写体側に位置する第2レンズL2が請求項1における上記「第1のレンズ」に相当する一方、像面側に位置する第3レンズL3が請求項1における上記「第2のレンズ」に相当している。
・第2実施の形態
本実施の形態は、上記第1実施の形態における組レンズ27の構成が異なっているものに関し、その他の撮像装置を含む携帯型電話機の基本構成は、上記第1実施の形態の場合と同様である。
図5は、本実施の形態における組レンズ35の構成を示す光軸28に沿った断面図である。尚、本実施の形態においては、上記第1実施の形態の場合と異なる点について説明する便宜上、上記第1実施の形態で説明した部材と同一の機能を有する部材には上記第1実施の形態の場合と同一番号を付して、その説明は省略する。
本実施の形態においては、図5に示すように、組レンズ35は第1レンズL1と第2レンズL2との2つのレンズによって構成されている。尚、以下の説明においては、第1レンズL1と第2レンズL2とでなる組レンズ35の構成についてのみ詳述するが、この発明の範囲は本実施の形態および図面に限定されるものではない。
上記第1実施の形態の場合には、図3に示すように、上記第2レンズL2の被写体側の有効領域面L2aにおける最外縁近傍の形状は、像面側に向かって窪んだ凹形状になっている。これに対し、本実施の形態の第2レンズL2では、詳細は後述するが、図5に示すように、第2レンズL2の被写体側の有効領域面L2aにおける最外縁近傍の形状は、被写体側に向かって突出した凸形状になっている。さらに、被写体側の面における有効領域面L2aの外側部分L2cの形状は、像面側に向かって窪んだ凹形状になっている。
図5に示すように、上記組レンズ35は、結像に寄与する光が通過する領域である光学的な有効領域面が互いに異なる第1レンズL1および第2レンズL2の2枚のレンズを、光軸方向に組み合わせた構成を有している。各レンズは、硝子や樹脂材料を用いて成型等によって形成されており、光学設計によって最適な屈折率や曲率半径を適宜選択して形成されたものである。尚、図5に示すような複雑なレンズ形状および周辺構造を有する場合には、樹脂材料を用いて成型によって形成されたものを用いるのが好ましい。また、本実施の形態においては、開口絞り26は、組レンズ35よりも被写体側に配置されている。
上記第1レンズL1における像面側の有効領域面L1bの最外縁と、上記第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの最外縁との間には、遮光板36が配置されている。この遮光板36は、光を吸収する材料、例えば、遮光性樹脂の材料や黒色PETフィルム等を用いて成型等によって形成したものであり、第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの最外縁に近接して配置されている。具体的には、図5に示すように、第1レンズL1における像面側の有効領域面L1bの最外縁と遮光板36との光軸方向の間隔をAとし、第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの最外縁と遮光板36との光軸方向の間隔をBとした場合に、遮光板36は、A>Bとなるように配置されている。
また、上記遮光板36の内周縁は、第1レンズL1の像面側の有効領域面L1bにおける最外縁と、第2レンズL2の被写体側の有効領域面L2aにおける最外縁とを、最短で結ぶ直線を母線とする円錐台の側面上にあるのが好ましい。その理由は、遮光板36の内周縁が上記円錐台の側面よりも光軸側にある場合には、第1レンズL1における像面側の有効領域面L1bを透過して撮像面(結像面)29(図3参照)に結像する有効な光線を遮光してしまうからである。また、遮光板36の内周縁が上記円錐台の側面よりも外側(光軸側とは反対側)にある場合には、有効画角外の入射角度で組レンズ35に入射した光を遮光することができないため、第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの外側部分L2cに入射することになり、結果的に撮像面29に到達した場合にはゴーストやフレアが発生するからである。
最も被写体側(光入射側)に位置する上記第1レンズL1は、被写体側の面および被写体側とは反対側(像面側)の面において、結像に寄与する光線が通過する有効領域面(被写体側の有効領域面L1aおよび像面側の有効領域面L1b)の外側に、有効領域面L1a,L1bに滑らかに連なる面を有している。
上記第1レンズL1に隣接してこの第1レンズL1の像面側に位置する第2レンズL2は、被写体側の面および像面側の面において、結像に寄与する光線が通過する有効領域面(被写体側の有効領域面L2aおよび像面側の有効領域面L2b)の外側に、上記有効領域面L2a,L2bに滑らかに連なる面を有している。すなわち、被写体側の有効領域面L2aにおける最外縁近傍の形状は、被写体側に向かって突出した凸形状になっている。さらに、被写体側の面における有効領域面L2aの外側部分L2cの形状は、像面側に向かって窪んだ凹形状になっている。被写体側の面をこのような形状にすることによって、遮光板36を、第1レンズL1における像面側の有効領域面L1bの最外縁と第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの最外縁との間であって、尚且つ、有効領域面L2aの最外縁に近接した位置に配置することが、容易に可能となる。
また、上記第2レンズL2の被写体側の面における有効領域面L2aの外側部分L2cの形状が、像面側に向かって窪んだ凹形状になっていない場合には、第1レンズL1と第2レンズL2との間隔を調整するスペーサー(図示せず)を設けたり、レンズユニット13cの形状や遮光板36の形状を工夫したりすることによって、遮光板36を、第1レンズL1の像面側の有効領域面L1bの最外縁と、第2レンズL2の被写体側の有効領域面L2aの最外縁との間に配置することができる。
次に、上記遮光板36の配置位置を、図5に示すように、A>Bになるようにする理由について説明する。
光学機器に用いられるレンズ系においては、光学設計によって最適な屈折率や曲率半径が適宜選択されて、当該レンズ系に取り込まれる光の有効画角が決定される。そして、上記有効画角内の入射角度でレンズ系に入射した光が、当該レンズ系を伝搬して撮像面に至ることによって、所望の像が得られるのである。
しかしながら、図5に示すように、上記レンズ系としての組レンズ35に有効画角外の入射角度δや入射角εで入射する光も存在し、そのような光が撮像面29に至ることによってゴーストやフレアが発生する。そこで、遮光板36をA>Bとなるように配置することで、画角外光が、第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの外側部分L2cに入射するのを遮光することができ、ゴーストやフレアの発生を抑えることができるのである。以下、具体例を上げて説明する。
図6は、図5に示す組レンズ35とは異なる組レンズ35'の断面図である。この組レンズ35'は、有効領域面L1a,L1b,L2a,L2bの屈折率,曲率半径,レンズ間隔等の光学性能を決める数値が図5に示すレンズL1,L2と同じであって、有効領域面L1b,L2aの外側部分L2c'の形状がレンズL1,L2とは異なるようなレンズL1',L2'で構成されている。
図6において、有効画角内で組レンズ35'に入射した光が作る像は、図5の組レンズ35で得られる像と同一である。また、図6に示す組レンズ35'においては、遮光板36は、図5の組レンズ35の場合と同様に、第1レンズL1'における像面側の有効領域面L1bの最外縁と、第2レンズL2'における被写体側の有効領域面L2aの最外縁との間に配置されている。しかしながら、A<Bとなるように配置されている点で、図5の組レンズ35の場合とは異なる。
このように、上記遮光板36をA<Bとなるように配置した場合には、図6に経路(ホ)で示すように、有効画角外の入射角度δで第1レンズL1'に入射した光は、遮光板36で遮光されずに第2レンズL2'の被写体側における有効領域面L2aの外側部分L2c'に入射することになる。その結果、撮像面29に到達することになり、ゴーストやフレアが発生するのである。
以上のことより、上記遮光板36は互いに対向する第1レンズL1と第2レンズL2との間に、A>Bの関係を満たすように配置する必要がある。
以上のごとく、本実施の形態においては、第1レンズL1および第2レンズL2で構成される組レンズ35において、第1レンズL1における像面側の有効領域面L1bの最外縁と、第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの最外縁との間に、遮光板36を配置する。そして、有効領域面L1bの最外縁と遮光板36との光軸方向の間隔をAとする一方、有効領域面L2aの最外縁と遮光板36との光軸方向の間隔をBとした場合に、遮光板36をA>Bとなるように配置している。
したがって、上記遮光板36によって、第2レンズL2の被写体側における有効領域面L2aの外側部分L2cに入射する光を有効に遮光することができる。その結果、有効画角外の入射角度で第1レンズL1に入射した光が撮像面29に到達するのを防止し、ゴーストやフレアの発生を抑制することができる。
また、上記遮光板36に対して像面側に位置する第2レンズL2に関して、被写体側の有効領域面L2aにおける最外縁近傍の形状は、被写体側に向かって突出した凸形状になっている。さらに、被写体側の面における有効領域面L2aの外側部分L2cの形状は、像面側に向かって窪んだ凹形状になっている。したがって、遮光板36を、第1レンズL1における像面側の有効領域面L1bの最外縁と第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの最外縁との間であって、尚且つ、有効領域面L2aの最外縁に近接した位置に配置することが、容易に可能となる。その結果、第2レンズL2の被写体側における有効領域面L2aの外側部分L2cに入射する光を確実に遮光することができ、ゴーストやフレアの発生を抑制することができるのである。
・第3実施の形態
本実施の形態は、上記第1実施の形態における組レンズ27および上記第2実施の形態における組レンズ35とは異なる構成の組レンズに関するものであり、その他の撮像装置を含む携帯型電話機の基本構成は、上記第1実施の形態の場合と同様である。
図7および図9は、本実施の形態における組レンズ41および開口絞り42,45の構成を示す光軸28に沿った断面図である。尚、本実施の形態においては、上記第1実施の形態の場合と異なる点について説明する便宜上、上記第1実施の形態で説明した部材と同一の機能を有する部材には上記第1実施の形態の場合と同一番号を付し、その説明は省略する。
本実施の形態においては、図7に示すように、組レンズ41は第1レンズL1と第2レンズL2との2つのレンズによって構成されている。尚、以下の説明においては、第1レンズL1と第2レンズL2とでなる組レンズ41および開口絞り42の構成についてのみ詳述するが、この発明の範囲は本実施の形態および図面に限定されるものではない。
上記第1実施の形態および上記第2実施の形態の場合には、図3および図5に示すように、開口絞り26を、組レンズ27および組レンズ35よりも被写体側、つまり第1レンズL1よりも被写体側に配置されている。これに対し、本実施の形態においては、図7に示すように、詳細は後述するが、開口絞り42は、組レンズ41における第1レンズL1と第2レンズL2との間に配置されている。
図7に示すように、上記組レンズ41は、結像に寄与する光が通過する領域である光学的な有効領域面が互いに異なる第1レンズL1および第2レンズL2の2枚のレンズを、光軸方向に組み合わせた構成を有している。各レンズは、硝子や樹脂材料を用いて成型等によって形成されており、光学設計によって最適な屈折率や曲率半径を適宜選択して形成されたものである。尚、図7に示すような複雑なレンズ形状および周辺構造を有する場合には、樹脂材料を用いて成型によって形成されたものを用いるのが好ましい。
上述したように、本実施の形態においては、上記開口絞り42は、第1レンズL1と第2レンズL2の間に配置されており、より詳細に言えば、第1レンズL1側に配置されている。開口絞り42は、光を吸収する材料、例えば、遮光性樹脂の材料を用いて成型等によって形成したものであり、第1レンズL1に接着剤によって接着・固定されている。
上記第1レンズL1における像面側の有効領域面L1bの最外縁と、上記第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの最外縁との間には、遮光板43が配置されている。この遮光板43は、光を吸収する材料、例えば、遮光性樹脂の材料や黒色PETフィルム等を用いて成型等によって形成したものであり、第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの最外縁に近接して配置されている。具体的には、図7に示すように、第1レンズL1における像面側の有効領域面L1bの最外縁と遮光板43との光軸方向の間隔をAとし、第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの最外縁と遮光板43との光軸方向の間隔をBとした場合、遮光板43は、A>Bとなるように配置されている。
また、上記遮光板43の内周縁は、第1レンズL1の像面側の有効領域面L1bにおける最外縁と、第2レンズL2の被写体側の有効領域面L2aにおける最外縁とを、最短で結ぶ直線を母線とする円錐台の側面上にあるのが好ましい。その理由は、遮光板43の内周縁が上記円錐台の側面よりも光軸側にある場合には、第1レンズL1における像面側の有効領域面L1bを透過して撮像面(結像面)29(図3参照)に結像する有効な光線を遮光してしまうからである。また、遮光板43の内周縁が上記円錐台の側面よりも外側(光軸側とは反対側)にある場合には、有効画角外の入射角度で組レンズ41に入射した光を遮光することができないため、第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの外側部分L2cに入射することになり、結果的に撮像面29に到達した場合にはゴーストやフレアが発生するからである。
最も被写体側(光入射側)に位置する上記第1レンズL1は、被写体側の面および被写体側とは反対側(像面側)の面において、結像に寄与する光線が通過する有効領域面(被写体側の有効領域面L1aおよび像面側の有効領域面L1b)の外側に、有効領域面L1a,L1bに滑らかに連なる面を有している。
上記第1レンズL1に隣接してこの第1レンズL1の像面側に位置する第2レンズL2は、被写体側の面および像面側の面において、結像に寄与する光線が通過する有効領域面(被写体側の有効領域面L2aおよび像面側の有効領域面L2b)の外側に、上記有効領域面L2a,L2bに滑らかに連なる面を有している。すなわち、被写体側の面における有効領域面L2aの外側部分L2cの形状は、像面側に向かって窪んだ凹形状になっている。被写体側の面をこのような形状にすることにより、遮光板43を、第1レンズL1における像面側の有効領域面L1bの最外縁と第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの最外縁との間であって、尚且つ、有効領域面L2aの最外縁に近接した位置に配置することが、容易に可能となる。
次に、上記遮光板43の配置位置を、図7に示すように、A>Bになるようにする理由について説明する。
光学機器に用いられるレンズ系においては、光学設計によって最適な屈折率や曲率半径が適宜選択されて、当該レンズ系に取り込まれる光の有効画角が決定される。そして、上記有効画角内の入射角度でレンズ系に入射した光が、当該レンズ系を伝搬して撮像面に至ることによって、所望の像が得られるのである。
しかしながら、図7に示すように、上記レンズ系としての組レンズ41に有効画角外の入射角度ζで入射する光も存在し、そのような光が撮像面29に至ることによってゴーストやフレアが発生する。そこで、遮光板43をA>Bとなるように配置することにより、画角外光が、第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの外側部分L2cに入射するのを確実に遮光することができ、ゴーストやフレアの発生を抑えることができるのである。以下に、具体例を上げて説明する。
図8は、図7に示す組レンズ41とは異なる組レンズ41'の断面図である。この組レンズ41'は、有効領域面L1a,L1b,L2a,L2bの屈折率,曲率半径,レンズ間隔等の光学性能を決める数値が図7に示すレンズL1,L2と同じであって、有効領域面L1b,L2aの外側部分の形状部分L2c'の形状がレンズL1,L2とは異なるようなレンズL1',L2'で構成されている。また、図8に示す開口絞り42'における内周縁の直径は、図7の場合と同じである。
図8において、有効画角内で組レンズ41'に入射した光が作る像は、図7の組レンズ41で得られる像と同一である。但し、図8に示す組レンズ41'においては、特に遮光板は無く、開口絞り42'が遮光板43の役割を兼ねている点で、図7の組レンズ41の場合とは異なる。つまり、図8の組レンズ41'では、上記遮光板(開口絞り42')は、図7の組レンズ41の場合と同様に、第1レンズL1'における像面側の有効領域面L1bの最外縁と、第2レンズL2'における被写体側の有効領域面L2aの最外縁との間に配置されているが、開口絞り42'の位置に配置されているため、A<Bとなるように配置されているのである。
このように、上記遮光板をA<Bとなるように配置した場合には、図8に示すように、有効画角外の入射角度ζで第1レンズL1'に入射した光は、上記遮光板として機能する開口絞り42'で遮光されずに第2レンズL2'の被写体側における有効領域面L2aの外側部分L2c'に入射することになる。その結果、経路(ヘ)で示すように撮像面29に到達することになり、ゴーストやフレアが発生するのである。
以上のことより、上記遮光板43は互いに対向する第1レンズL1と第2レンズL2との間に、A>Bの関係を満たすように配置する必要がある。
尚、図9に示すように、上記組レンズ41を構成する第1レンズL1と第2レンズL2との間に配置される開口絞り45に厚みを持たせ、開口絞り45の被写体側の面が図7に示す開口絞り42の被写体側の面と同じ位置になり、開口絞り45の像面側の面が図7に示す遮光板43の像面側の面と同じ位置になるようにすることによって、開口絞り45によって上記遮光板を兼用することができ、且つ、開口絞り45のうち上記遮光板として機能する部分をA>Bの関係を満たす位置に配置することができる。但し、開口絞り45の像面側の面の内周縁は、第1レンズL1の像面側の有効領域面L1bにおける最外縁と、第2レンズL2の被写体側の有効領域面L2aにおける最外縁とを、最短で結ぶ直線を母線とする円錐台の側面上にあるのが好ましい。
上記開口絞り45をこのように構成することによって、有効画角外の入射角度ζで第1レンズL1に入射した光が、上記遮光板として機能する開口絞り45で確実に遮光され、第2レンズL2における被写体側の有効領域面L2aの外側部分L2cに入射するのを防止でき、ゴーストやフレアの発生を抑えることができるのである。
また、上記開口絞りが、第1レンズL1と第2レンズL2との間であって、第2レンズL2側に配置する場合には、図9の場合と同様に上記開口絞りと遮光板とを一体化させることによって、上記遮光板の機能を有する開口絞りの薄膜化を図ることができる。
ところで、図2に示すように、上記各実施の形態における組レンズ27,35,41や、この組レンズ27,35,41と開口絞り26,42,45とを組み合わせて成るレンズユニット13cは、例えば光学設計によって、固体撮像装置13aの撮像面29に結像する光学系として、固体撮像装置13aと一体化させて用いることができる。また、撮像装置を搭載した光学機器にも適用することができる。
上記撮像装置としては、例えば、デジタルスチルカメラや携帯電話等に搭載されるカメラモジュールが挙げられる。このようなカメラモジュールにおいては、撮像時に結像に寄与しない不要な光を遮断することが要求されている。したがって、上記各実施の形態における組レンズ27,35,41のように、ゴーストやフレアの発生を抑制する構成は益々重要になってきている。
また、上記光学機器としては、上記デジタルスチルカメラや携帯電話の他に、組レンズを搭載した情報読み取りゲーム機、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等の機器が挙げられる。上記各実施の形態における組レンズ27,35,41によれば、レンズを必要とする全ての光学機器に対して、ゴーストやフレアの発生を抑制することのできる組レンズを提供することができる。
尚、上記各実施の形態においては、各レンズのレンズ外周部を嵌合して成る組レンズの場合を例に挙げて説明しているが、この発明の組レンズは上記各実施の形態および図面の構成に限定されるものではない。