JP2004341032A - 撮像ユニット及び撮像装置 - Google Patents

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哲英 武山
Toshiyuki Nagaoka
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Abstract

【課題】可変光学素子の内壁面で発生されるフレアー光及びゴースト光や、液体中の不純物の写り込みや、前記第1液体と第2液体との界面反射によって発生するゴースト光による画質の劣化を実用レベルに抑制した撮像装置を実現する。
【解決手段】第1液体8及び第1液体8と混合することのない第2液体9を容器10内に収容し、前記液体への印加電圧の変化に応じて第1液体8と第2液体9との界面形状が変化する可変光学素子5を有する撮像ユニット1であって、撮像ユニット1は、可変光学素子の光線入射側に配置された光学ユニットを備え、可変光学素子単体における軸上光束の最大径をΦ(mm)、可変光学素子の入射面における軸上光束の最大光線高さをh(mm)とするとき、下記の式を満足する開口絞り4を備えることを特徴とする。
0.1<(Φ−2×h)<20.0
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気毛管現象を利用した光学素子を含む撮像ユニット、及び撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビデオカメラなどの撮像装置において、焦点距離を変更できる光学系がある。これらの光学系のほとんどは、レンズ又はレンズ群の一部を機械的に動かすことによって、焦点距離を変更している。しかしながら、このような構成では、機械的構造が複雑になってしまう問題がある。そこで、レンズそのものの光学特性を変化させることによって、焦点距離を変更する可変焦点レンズが考案されている。その一例として、電気毛管現象を用いた可変光学素子がある。
【0003】
この可変光学素子としては、次のような構成のものが知られている。この可変光学素子は、第1液体及び該第1液体と混合することのない第2液体が、容器内に収容されている。また、前記第1液体を取り囲むリング状の第1電極と、前記第2液体を取り囲むリング状の第2電極とを有する。そして、前記電極に加える印加電圧の変化に応じて、前記第1液体と前記第2液体との界面形状を変化させている(例えば、非特許文献1参照。)。また、可変光学素子を備えた光学系に関しては、各種のものが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−249203号公報 (第16頁、第6図)
【特許文献2】
特開2001−249261号公報 (第14頁、第7図)
【非特許文献1】
Robert E.Fischer、「Current Developments in Lends Design and Optical Engineering III」、(米国)、SPIE、2002年7月
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、可変光学素子を組み込んだ撮像装置においては、フレアー光やゴースト光を発生する不都合がある。これは、可変光学素子の内壁面に配された電極などの構造物に、光束が当たることによる。
また、生産時に、前記第1液体中と前記第2液体中とにゴミ等の不純物が混入した場合、該不純物が撮像した画像に写り込む。そのため、画質が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は、これらの事情を鑑みてなされたものであり、フレアー光やゴースト光の発生が抑制された撮像ユニット、あるいは撮像装置を実現することを目的としている。また、液体中に不純物があっても、写り込みのない撮像ユニット、あるいは撮像装置を実現することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、第1液体及び該第1液体と混合することのない第2液体を容器内に収容し、前記液体への印加電圧の変化に応じて前記第1液体と前記第2液体との界面形状が変化する可変光学素子を有する撮像ユニットであって、該撮像ユニットは、前記可変光学素子の光線入射側に配置された光学ユニットを備え、前記可変光学素子単体における軸上光束の最大径をΦ(mm)、前記可変光学素子の入射面における軸上光束の最大光線高さをh(mm)とするとき、下記の式(1)を満足する光束制限部を備えることを特徴とする。
0.1<(Φ−2×h)<20.0…式(1)
【0008】
この発明によれば、前記可変光学素子と前記光学ユニットの組み合わせにおいて、フレアー光やゴースト光の発生を抑えることができる。この条件を満足すると、撮影範囲の画角より大きな画角等の光束が入射した際に、前記容器の内壁面に対して、光束を適切な距離だけ離すことができる。そのため、該容器の内壁面に光束が当たることがない。その結果、フレアー光やゴースト光が発生しない。
また、前記可変光学素子中において、光束が通過しない範囲が大きくなり過ぎない。そのため、該可変光学素子を大型化させずに済む。その結果、該可変光学素子を備える前記撮像ユニットの大型化を抑制することができる。また、コストの増大を抑えることが可能となる。
【0009】
前記可変光学素子をより小型化し、コストを低くするためには、上述の条件に代えて、
0.1<(Φ−2×h)<10.0
を満足することが望ましい。
更に前記可変光学素子を小型化し、コストを低くするためには、上述の条件に代えて、
0.1<(Φ−2×h)<5.0
を満足することが望ましい。
【0010】
請求項2に係る発明は、第1液体及び該第1液体と混合することのない第2液体を容器内に収容し、前記液体への印加電圧の変化に応じて、前記第1液体と前記第2液体との界面形状が変化する可変光学素子を有する撮像ユニットであって、該撮像ユニットは、前記可変光学素子の光線入射側に配置された光学ユニットを備え、前記可変光学素子は、両端における開口部の径が異なる部材を備え、該部材は、小さい方の開口部が光線入射側に位置するように配置され、該部材の小さい方の開口径をΦ(mm)、大きい方の開口径をΦ(mm)、前記可変光学素子の入射面における軸上光束の最大光線高さをh(mm)及び、前記界面における軸上光束の最大光線高さをh(mm)とするとき、下記の式(2)および式(3)を同時に満足する光束制限部を備えることを特徴とする。
0.1<(Φ−2×h)<20.0…式(2)
0.1<(Φ−2×h)<20.0…式(3)
【0011】
この発明による効果は、請求項1に係る発明と同じである。
【0012】
前記可変光学素子をより小型化し、コストを低くするためには、上述の条件に代えて、
0.1<(Φ−2×h)<10.0
0.1<(Φ−2×h)<10.0
を満足することが望ましい。
更に、前記可変光学素子を小型化し、コストを低くするためには、上述の条件に代えて、
0.1<(Φ―2×h)<5.0
0.1<(Φ―2×h)<5.0
を満足することが望ましい。
【0013】
請求項3に係る発明は、第1液体及び該第1液体と混合することのない第2液体を容器内に収容し、前記液体への印加電圧の変化に応じて前記第1液体と前第1液体及び該第1液体と混合することのない第2液体を容器内に収容し、前記液体への印加電圧の変化に応じて前記第1液体と前記第2液体との界面形状が変化する可変光学素子を有する撮像ユニットであって、前記可変光学素子の入射面における最大画角の光束の面積をS(mm)としたとき、下記の式(4)を満足する光束制限部を備えることを特徴とする。
0.5<S<20.0…式(4)
【0014】
この発明によれば、上記条件を満足することで、前記可変光学素子の入射面における最大画角の光束面積を、適切な大きさにすることができる。そのため、前記第1液体や前記第2液体中に、生産時に混入したゴミなどの不純物が、撮像した画像に写り込まない。その結果、画質が劣化しない。また、前記第1液体と前記第2液体の境界面が大きくなり過ぎない。そのため、電気毛管現象の制御が困難にならない。その結果、印加電圧が高くなり過ぎずに、所望の形状精度を得ることが可能となる。
【0015】
前記第1液体と前記第2液体の境界面を小さくするためは、上述の条件に代えて、
0.5<S<10.0
を満足することが望ましい。
更に、前記境界面を小さくするためは、上述の条件に代えて、
0.5<S<5.0
を満足することが望ましい。
【0016】
請求項4に係る発明は、第1液体及び該第1液体と混合することのない第2液体を容器内に収容し、前記液体への印加電圧の変化に応じて前記第1液体と前記第2液体との界面形状が変化する可変光学素子を有する撮像ユニットであって、該撮像ユニットは、前記可変光学素子の光線射出側に配置された撮像素子を備え、前記界面の曲率半径をR12(mm)、前記界面から前記撮像素子面までの軸上主光線の光路長をd(mm)としたとき、R12−dの絶対値が、前記光路長dの10%以上、且つ500%以下であることを特徴とする。
【0017】
この発明にかかる撮像ユニットによれば、界面形状の変化しうる曲率半径を、前記界面位置から前記撮像素子面までの軸上主光線の光路長に対し、適切な値とすることができる。そのため、界面反射からのゴースト光が、前記撮像素子面で小さなスポット状となって結像されない。その結果、該撮像素子面の各画素あたりにもたらす光量エネルギーを小さくできる。よって、画質劣化への影響を抑制することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る撮像ユニットの一実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。
第1実施形態に係る撮像ユニット1を図1に示す。撮像ユニット1は、光軸2に沿って間隔をあけて順に配置された、第1レンズ3と、開口絞り(光束制限部)4と、可変光学素子5と、第2レンズ6及び、撮像素子7から構成されている。
可変光学素子5は、第1液体8と、第1液体8とは混合することのない第2液体9と、第1液体8と第2液体9とを収容する容器10とを有する。ここで、第1液体8と第2液体9は、お互いが混合しないため、両者の間に界面11が形成されている。すなわち、両者は、1つの密閉された空間内において、互いに界面11を境にして分離する性質を持っている。
更に、容器10は、リング状の第1電極12と、リング状の第2電極13と、絶縁部材14と、第1カバーガラス15と、第2カバーガラス16を有する。
第1電極12は、中空の筒状であり、内周面が光束の射出方向に向かって徐々に内径寸が拡大する形状となって、第1液体8を取り囲むように配されている。また、第2電極13の形状は、同様に中空の筒状であり、第2液体9を取り囲むように配されている。
また、絶縁部材14は、第1電極12と第2電極13との間に配置され、両電極を電気的に絶縁する。また、第1カバーガラス15は第1液体8側に配されている。第2カバーガラス16は、第2液体9側に配されている。
ここで、第1電極12と第2電極13との間の印加電圧を変化させることによって、界面11の形状が変化し、可変光学素子5の焦点距離を変化させる。
【0019】
この撮像ユニット1において、第1レンズ3側から平行光束を入射させる。この光束は軸上光束である。この場合、平行光束は、第1レンズ3で収斂光束に変換される。この収斂光束は、開口絞り4を通過する。図1(a)では、開口絞り4の開口部を通過する光線のみを示している。
開口絞り4を通過した光束は、可変光学素子5に入射する。そして、第1カバーガラス15、第1液体8、第2液体9、第2カバーガラス16を通過して、射出する。続いて、可変光学素子5から射出した収斂光束は、第2レンズ6を通過して撮像素子7上に集光する。
このような構成において、撮像ユニット1は、下記の式(1)を満足する光束制限部を備えている。
0.1<(Φ―2×h)<20.0…式(1)
パラメータΦ、hについて説明する。図1(a)に示す構成では、可変光学素子5の入射面側には、第1レンズ3と開口絞り4が配置されている。h(mm)はこのような構成におけるパラメータであり、可変光学素子5の入射面における軸上光束の最大光線の高さを表している。ここで、開口絞り4の開口部よりも大きな光束部分は、開口絞り4で遮光されることになる。よって、開口絞り4は、光束制限部として機能する。
【0020】
上記の入射面は、第1カバーガラス15における2つの面のうち、開口絞り4側の面である。ここで、第1カバーガラス15の厚みが薄ければ、第1カバーガラス15の両面での最大光線の高さに大きな違いはない。よって、h(mm)は、第1カバーガラス15における2つの面のうち、第1液体8側の面における、軸上光束の最大光線の高さということもできる。さらに、この面の位置は、第1カバーガラス15と第1液体8とが接している位置である。また、この面の位置は、第1電極12における2つの端面のうち、第1カバーガラス15側の端面の位置でもある。
【0021】
一方、図1(b)に示す構成では、可変光学素子5の入射面側には、何も配置されていない。Φ(mm)はこのような構成におけるパラメータであり、可変光学素子5における軸上光束の最小径である。ここで、カバーガラス12の全面に入射した光束は、第1電極12における2つの端面のうち、第1カバーガラス15側の端面で遮光されることになる。よって、この端面は、可変光学素子単体時には、光束制限部として機能する。
上記の端面(第1電極12における第1カバーガラス15側端面)によって、軸上光束の最小径が決まる。よって、Φ(mm)は、第1カバーガラス15側の端面における、第1電極12の内径と言うことができる。また、第1カバーガラス15側で内径が最も小さい、よって、Φ(mm)は、第1電極12の内径の最小値である、ということができる。また、この端面の位置は、第1カバーガラス15と第1液体8とが接している位置でもある。
ここで、例えば、hが5.0mmとなるように、第1レンズ3と開口絞り4を構成する。また、Φが13.0mmとなるように、第1電極12を構成する。このようにすると、式(1)のΦ−2×h=3.0mmとなり、式(1)を満足する。
【0022】
上記の構成からなる撮像ユニット1において、光束を第1レンズ3に入射させる。すると、入射光束は、第1レンズ3で集光される。そして、開口絞り4によって、可変光学素子5へ入射する光束径が、最大光線高さhの2倍以下になるように制限される。そして、可変光学素子5、第2レンズ6でさらに集光し、撮像素子7上に至る。このとき、第1電極12と第2電極13との間の印加電圧を調節することによって界面11の形状を変化させることができる。このようにして、可変光学素子5の焦点距離を調節すると、入射光束が、撮像素子7上に結像する。
【0023】
上記の構成によれば、第1電極12と入射光束との間隔が1.5mmとなっている。そのため、入射光束が可変光学素子5に入射しても、第1電極12に当たらない。よって、フレアー光やゴースト光の発生が抑制される。この結果、フレアー光やゴースト光の発生による画質劣化を抑えることが可能となる。
【0024】
次に、この発明の第2実施形態に係る撮像ユニット1について、図2を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上述した第1実施形態と構成を共通とする箇所には、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、撮像ユニット1は、下記の式(2)、(3)同時に満足する光束制限部を備えている。
0.1<(Φ―2×h)<20.0…式(2)
0.1<(Φ―2×h)<20.0…式(3)
ここで、パラメータΦ、h、Φ、hについて説明する。図2(a)に示す構成では、可変光学素子5の入射面側には、第1レンズ3と開口絞り4が配置されている。h、h(mm)は、このような構成におけるパラメータである。すなわち、h(mm)は、第1実施形態と同様に、可変光学素子5の入射面における軸上光束の最大光線の高さを表している。あるいは、h(mm)は、第1カバーガラス15における2つの面のうち、第1液体8側の面における、軸上光束の最大光線の高さということもできる。一方、h(mm)は、界面11における軸上光束の最大光線の高さを表している。なお、この界面11は、第1電極12における2つの端面のうち、第2カバーガラス16側の端面に近い。よって、第1電極12における2つの端面のうち、第2カバーガラス16側の端面を通過する最大光線の高さともいえる。ここで、hとhを導き出すための軸上光束は、開口絞り4の開口部を通過した光束である。前述のように、開口絞り4の開口部よりも大きな光束部分は、開口絞り4で遮光されることになる。よって、開口絞り4は、光束制限部として機能する。
【0025】
一方、図2(b)に示す構成では、可変光学素子5の入射面側には、何も配置されていない。Φ、Φ(mm)はこのような構成におけるパラメータである。ここで、可変光学素子5は両端における開口部の径が異なる部材を備えている。そして、この部材は、小さい方の開口部が光線入射側位置するように配置されている。Φ(mm)は、この部材の小さい方の開口径である。本実施形態では、第1電極12がこの部材に該当する。よって、Φ(mm)は、第1電極12における2つの端面のうち、第1カバーガラス15側における端面の内径ということができる。一方、Φ(mm)は、この部材の大きい方の開口径である。よって、Φ(mm)は、第1電極12における2つの端面のうち、第2カバーガラス16側における端面の内径ということができる。
なお、カバーガラス12の全面に入射した光束は、第1電極12における2つの端面のうち、第1カバーガラス15側の端面で遮光されることになる。よって、この端面は、可変光学素子単体時には、光束制限部として機能する。
【0026】
ここで、例えば、hが4.5mm、hが4.0mmとなるように、第1レンズ3と開口絞りを構成する。また、Φが10.0mm、Φが11.0mmとなるように、第1電極12を構成する。このようにすると、式(2)のΦ―2×h=2.0mmとなり、また式(3)のΦ―2×h=3.0mmとなり、式(2)、式(3)を満足する。
【0027】
上記の構成からなる撮像ユニット1において、第1の実施形態と同様に、光束を第1レンズ3に入射させる。すると、開口絞り4によって可変光学素子5へ入射する光束径が、最大光線高さhの2倍以下、かつ最大光線高さhの2倍以下になるように制限される。そして、可変光学素子5、第2レンズ6でさらに集光し、撮像素子7上に至る。このとき、入射光束が、撮像素子7上に結像するように、第1電極12と第2電極13との間の印加電圧を調節する。
【0028】
上記の構成によれば、第1電極12と入射光束の間隔が、第1カバーガラス15側で1.0mmとなっている。そのため、入射光束が可変光学素子5に入射しても、第1電極12に入射光束が当たらない。よって、フレアー光やゴースト光の発生が抑制される。また、第1電極12と入射光束の間隔が、第2カバーガラス16側で1.5mmとなっている。そのため、可変光学素子5を大型化させずに済む。この結果、可変光学素子5を大型化させることなく、フレアー光やゴースト光の発生による画質劣化を抑えることが可能となる。
【0029】
次に、この発明の第3実施形態に係る撮像ユニット1について、図3を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上述した第1実施形態と構成を共通とする箇所には、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、撮像ユニット1は、可変光学素子の入射面における最大画角の光束の面積をS(mm)としたとき、下記の式(4)を満足する光束制限部を備えている。
0.5<S<20.0…式(4)
【0030】
上記の入射面は、第1カバーガラス15における2つの面のうち、開口絞り4側の面である。ただし、第1カバーガラス15の厚さが薄ければ、第1カバーガラス15の両面での最大光線の高さに大きな違いはない。よって、上記の入射面は、第1カバーガラスと第1液体との境界面ということもできる。
ここで、例えば、Sが2.0mmとなるように、開口絞り4を構成する。そうすると、第1の実施形態と同様に、開口絞り4によって第1カバーガラス15へ入射する光束径の面積が、最大画角の光束面積S以下になるように制限される。このとき、撮像素子7上に結像するように、第1電極12と第2電極13との間の印加電圧を調節する。
上記の構成によれば、光束面積Sが条件を満足しているため、第1液体8及び第2液体9中に混入したゴミ等の不純物の写り込みが抑制防止される。
【0031】
次に、この発明の第4実施形態に係る撮像ユニット1について、図4を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上述した第1実施形態と構成を共通とする箇所には、同一の符号を付して説明を省略する。符号17は、光学系への入射光束の正規結像スポットを示す。また、符号18は、界面11からのゴースト光によるスポット像を示している。
この撮像ユニット1において、界面11から撮像素子面までの軸上主光線の光路長d(mm)と、界面11の曲率半径R12(mm)との差の絶対値が、前記光路長dの10%以上、且つ500%以下となるように、前記曲率半径R12及び前記光路長dが設定されている。ここで、R12を、例えば23.0mmとし、dを、例えば20.0mmとする。
【0032】
上記の構成からなる撮像ユニット1において、第1の実施形態と同様に入射光束が、撮像素子7上に結像するように、第1電極12と第2電極13との間の印加電圧を調節する。
上記の構成によれば、撮像素子7面上に界面11における反射によるゴースト光は、撮像素子7上で小さなスポット状に結像されない。この結果、界面11における反射によるゴースト光が、撮像素子7上の各画素あたりに与える光量エネルギーは小さくなる。よって、画質劣化への影響が抑制される。
なお、光路長d(mm)と、界面11の曲率半径R12(mm)との差の絶対値が、前記光路長dの10%以上、且つ100%以下であるのが好ましい。更には、10%以上、且つ50%以下であるのが好ましい。
なお、前記第1カバーガラス15及び前記第2カバーガラス16は、球面、非球面、回折光学面、自由曲面などで構成することも可能である。
【0033】
以下に、撮像ユニット1を用いた本実施形態にかかる撮像装置の具体的な例を説明する。
図5に示したのは、撮像ユニット1をカプセル内視鏡20に用いた例である。
カプセル内視鏡20は、照明光源21、撮像ユニット1、撮像ユニット1の撮像素子からの信号を処理する画像処理回路22及び、それらに電源を供給するバッテリー23を備え、全体がカバー24で覆われている。
カバー24の先端には、透明窓25が設けられている。この透明窓25を介して、照明光の投射と撮像ユニット1による反射光の受光が行われる。
【0034】
次に、図6に示したのは、撮像ユニット1を携帯用端末30に用いた例である。図6(a)、(b)は、それぞれ正面図、側面図であり、図6(c)は、図6(a)のX−X断面図である。
携帯用端末30は、撮像ユニット1が用いられた撮像部31、モニタ部32、文字記号や知れ信号をボタン・ダイヤル等で入力する入力部33、マイク部34、スピーカ部35及び、無線通信の授受を行うアンテナ36を備えている。
図6(c)に示したように、携帯用端末30の内部には、基板取付部37に固定された回路基板38上に、撮像ユニット1に含まれるCCD39が、電気的に接続されて固定され、撮像部光軸40の方向にカバーガラス41が設けられて封止されている。
【0035】
次に、図7に示したのは、撮像ユニット1をパーソナルコンピュータ50に用いた例である。図7は、パーソナルコンピュータ50の概略構成を説明するための斜視説明図である。
パーソナルコンピュータ50は、キーボード51、モニタ部52及び、撮像部53を備えている。モニタ部52は、撮像部53で撮られた画像も含む画像54を表示することができる構成とされている。撮像部53は、モニタ部52の横に設けられている。撮像ユニット1(図示略。)は、撮像部53の内部に設けられており、光軸方向断面が、図6(c)に示したものと同じ構成を備えている。
【0036】
次に、図8に示したのは、撮像ユニット1を監視カメラ60に用いた例である。図7は、監視カメラ60の概略構成を説明するための側面視説明図である。
監視カメラ60は、監視カメラ本体をなす回路部61と、撮像部62とを備え、天井63に固定された取付部64に、軸65及びモータ66を介して取り付けられている。撮像部62の内部には、図示真直矢印方向が現像可能となるように、撮像ユニット1が設けられている。撮像ユニット1は、光軸方向断面が、図6(c)に示したものと同じ構成を備え、撮像部62内に固定されている。基板取付部37(図6(c)参照。)は、回動機構(図示略。)により、首振り運動可能に取り付けてもよい。
【0037】
次に、図9に示したのは、撮像ユニット1を自動車の車載用カメラシステム70に用いた例である。図9は、車載用カメラシステム70の概略構成を説明するための斜視説明図である。
車載用カメラシステム70は、撮像部71a、b、cを備え、信号処理部72及び、切換制御部73を介してそれぞれの撮像部により撮影された画像をモニタ部74に表示できるようにしたシステムである。撮像部71a、b、cは、それぞれ、光ファイバ75a、b、cによって結合されている。
撮像ユニット1は、光軸方向断面が、図6(c)に示したものと同じ構成を備え、撮像部71a、b、c内に固定されている。
【0038】
以上に説明した本実施形態にかかる撮像装置によれば、いずれも本発明の第1から第4の実施形態に係る撮像ユニットを用いているため、第1から第4の実施形態の撮像ユニットと同様の作用効果を奏する。
【0039】
[付記]
以上の本発明の撮像装置は、例えば次のように構成することができる。
【0040】
(1)第1液体及び該第1液体と混合することのない第2液体を容器内に収容し、前記液体への印加電圧の変化に応じて、前記第1液体と前記第2液体との界面形状が変化する可変光学素子を有する撮像装置において、
前記容器が、前記液体を光軸方向に挟む第1カバーガラス及び第2カバーガラスと、前記第1カバーガラスに隣接し、前記第1液体を取り囲むリング状の第1電極と、前記第2カバーガラスに隣接し、前記第2液体を取り囲むリング状の第2電極とを備え、
前記第1電極が、前記第1液体に導通しかつ前記第2液体から絶縁されるとともに、前記第1カバーガラス側から光軸方向に沿って徐々に内径寸法が拡大する内面を備え、前記第2電極が、前記第2液体に導通しかつ前記第1液体から絶縁され、
第1電極における最も第1カバーガラス側での内径Φ(mm)、第1電極における最も第2カバーガラス側での内径Φ(mm)、前記第1電極の前記第1カバーガラス側の端面を通過する最大光線高さh(mm)及び、前記第1電極の前記第2カバーガラス側の端面を通過する最大光線高さh(mm)が、下記の式(2)および式(3)を同時に満足することを特徴とする撮像装置。
0.1<(Φ―2×h)<20.0…式(2)
0.1<(Φ―2×h)<20.0…式(3)
この構成によれば、例えば、撮影範囲の画角より大きな画角等の光束が入射した際に、光束が前記第1電極の最も第1カバーガラス側での内径から適切な距離だけ離れているため、前記第1電極に当たらず、その結果、フレアー光やゴースト光が発生しない。また、同様に光束が、前記第1電極の最も第2カバーガラス側での内径から適切な距離だけ離れているため、前記第1電極に当たらず、その結果、フレアー光やゴースト光が発生しない。
また、前記可変光学素子中において光束が通過しない範囲が大き過ぎないため、前記可変光学素子を大型化させずに済む。その結果、この可変光学素子を備える撮像装置の大型化を抑制して、コストの増大を抑えることが可能となる。
(2)第1液体及び該第1液体と混合することのない第2液体を容器内に収容し、前記液体への印加電圧の変化に応じて前記第1液体と前記第2液体との界面形状が変化する可変光学素子を有する撮像装置において、
前記容器が、前記液体を光軸方向に挟む要素であって、前記第1液体に隣接する第1カバーガラスを有し、
前記第1カバーガラスと前記第1液体との界面を通過する最大画角の光束面積S(mm)が、下記の式(4)を満足することを特徴とする撮像装置。
0.5<S<20.0…式(4)
この構成によれば、第1カバーガラスと第1液体との界面を通過する最大画角の光束面積を規定することによって液体中のゴミの写り込みによる影響と制御性が両立でき、画質の劣化が実用レベルまで抑えられる。
(3)第1液体及び該第1液体と混合することのない第2液体を容器内に収容し、前記液体への印加電圧の変化に応じて前記第1液体と前記第2液体との界面形状が変化する可変光学素子を有する撮像装置において、
前記界面形状の変化しうる曲率半径R12(mm)と、前記第1液体と前記第2液体との界面位置から撮像素子面までの軸上主光線の光路長d(mm)との差の絶対値が、前記光路長dの10%以上500%以下であることを特徴とする撮像装置。
この構成によれば、第1液体と第2液体との界面の曲率半径を規定することによって界面反射によるゴースト光の発生が回避でき、画質の劣化を実用レベルまで抑えられる。
(付記項1) 上記構成において、撮像素子と電源供給手段とを有し、撮像作用と可変光学作用とを同一の電源供給手段によって行う。
【0041】
(付記項2) 上記構成において、2つの液体の屈折率が異なる。
【0042】
(付記項3) 撮像装置は、上記撮像ユニットを備えた携帯電話機。
【0043】
(付記項4) 撮像装置は、上記撮像ユニットを備えたデジタルカメラ。
【0044】
(付記項5) 撮像装置は、上記撮像ユニットを備えた顕微鏡。
【0045】
(付記項6) 撮像装置は、上記撮像ユニットを備えた測定機。
【0046】
(付記項7) 撮像装置は、上記撮像ユニットを備えた携帯情報端末。
【0047】
(付記項8) 撮像装置は、上記撮像ユニットを備えた内視鏡。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1及び2に係る発明によれば、第1電極と通過光束との離れ具合を規定することによって可変光学素子の内壁面で発生されるフレアー光やゴースト光が抑制され、画質の劣化が実用レベルまで抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態による構成図である。
【図3】本発明の第3実施形態による構成図である。
【図4】本発明の第4実施形態による構成図である。
【図5】同撮像ユニットを用いたカプセル内視鏡の概略構成を示す断面図である。
【図6】同撮像ユニットを用いた携帯用端末の概略構成を示す正面図、側面図及び断面図である。
【図7】同撮像ユニットを用いたパーソナルコンピュータの概略構成を示す斜視説明図である。
【図8】同撮像ユニットを用いた監視カメラの概略構成を示す側面視説明図である。
【図9】同撮像ユニットを用いた自動車の車載用カメラシステムの概略構成を示す斜視説明図である。
【符号の説明】
4:開口絞り(光束制限部)
5:可変光学素子
6:撮像素子
8:第1液体
9:第2液体
10:容器
11:第1液体及び第2液体により形成される界面
Φ:可変光学素子単体における軸上光束の最大径(mm)
h:可変光学素子の入射面における軸上光束の最大光線高さ(mm)
Φ:第1電極における最も第1カバーガラス側での内径(mm)
Φ:第1電極における最も第2カバーガラス側での内径(mm)
:可変光学素子の入射面における軸上光束の最大光線高さ(mm)
:界面における軸上光束の最大光線高さ(mm)
S:可変光学素子の入射面における最大画角の光束の面積(mm
d:界面から前記撮像素子面までの軸上主光線の光路長(mm)

Claims (5)

  1. 第1液体及び該第1液体と混合することのない第2液体を容器内に収容し、前記液体への印加電圧の変化に応じて前記第1液体と前記第2液体との界面形状が変化する可変光学素子を有する撮像ユニットであって、
    該撮像ユニットは、前記可変光学素子の光線入射側に配置された光学ユニットを備え、
    前記可変光学素子単体における軸上光束の最大径をΦ(mm)、前記可変光学素子の入射面における軸上光束の最大光線高さをh(mm)とするとき、下記の式(1)を満足する光束制限部を備えることを特徴とする撮像ユニット。
    0.1<(Φ−2×h)<20.0…式(1)
  2. 第1液体及び該第1液体と混合することのない第2液体を容器内に収容し、前記液体への印加電圧の変化に応じて、前記第1液体と前記第2液体との界面形状が変化する可変光学素子を有する撮像ユニットであって、
    該撮像ユニットは、前記可変光学素子の光線入射側に配置された光学ユニットを備え、
    前記可変光学素子は、両端における開口部の径が異なる部材を備え、
    該部材は、小さい方の開口部が光線入射側位置するように配置され、
    該部材の小さい方の開口径をΦ(mm)、大きい方の開口径をΦ(mm)、前記可変光学素子の入射面における軸上光束の最大光線高さをh(mm)及び、前記界面における軸上光束の最大光線高さをh(mm)とするとき、下記の式(2)および式(3)を同時に満足する光束制限部を備えることを特徴とする撮像ユニット。
    0.1<(Φ−2×h)<20.0…式(2)
    0.1<(Φ−2×h)<20.0…式(3)
  3. 第1液体及び該第1液体と混合することのない第2液体を容器内に収容し、前記液体への印加電圧の変化に応じて前記第1液体と前記第2液体との界面形状が変化する可変光学素子を有する撮像ユニットであって、
    前記可変光学素子の入射面における最大画角の光束の面積をS(mm)としたとき、下記の式(4)を満足する光束制限部を備えることを特徴とする撮像装置。
    0.5<S<20.0…式(4)
  4. 第1液体及び該第1液体と混合することのない第2液体を容器内に収容し、前記液体への印加電圧の変化に応じて前記第1液体と前記第2液体との界面形状が変化する可変光学素子を有する撮像ユニットであって、
    該撮像ユニットは、前記可変光学素子の光線射出側に配置された撮像素子を備え、
    前記界面の曲率半径をR12(mm)、前記界面から前記撮像素子面までの軸上主光線の光路長をd(mm)としたとき、R12−dの絶対値が、前記光路長dの10%以上、且つ500%以下であることを特徴とする撮像ユニット。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の撮像ユニットを備えた撮像装置。
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