JP2009279967A - 操舵装置、操舵模擬装置、及び操舵制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者が操舵時にステアリングから受ける抵抗感をほぼ一定にするように操舵角と操舵トルクとの関係を制御する。
【解決手段】ステアリングの操作に応じて操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵制御ブロックは、ステアリングの切り始めまたはステアリングの回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとに関して、d2Y/dX2がXに比例する関係が略成立するように、操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御する。
【選択図】図9
【解決手段】ステアリングの操作に応じて操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵制御ブロックは、ステアリングの切り始めまたはステアリングの回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとに関して、d2Y/dX2がXに比例する関係が略成立するように、操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御する。
【選択図】図9
Description
本発明は、操舵装置、操舵模擬装置、及び操舵制御方法に関し、詳しくは、ステアリングの操作に応じて操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵装置、操舵模擬装置、及び操舵制御方法に関する。
ステアリングの操舵トルクは運転者が自動車の向きを制御する際に加えるもので、これはタイヤの復元力、ステアリングシャフトの剛性、粘性、摩擦、パワーステアリングによるアシストトルク等の各要素の和と釣り合うものである。パワーステアリングによるアシストトルクは、元来、運転者の操舵負担を軽減すること、及び低車速域での取り回し性能を向上させることを目的として、操舵トルクと同じ向きに加えられることが多かった。しかし、近年では、高車速域での安定性を向上させるために操舵トルクと逆の向きに加えるといった、車速によりアシスト方法を可変にする技術が提案されている(例えば下記特許文献1)。
一方、運転者にとって良好な操舵感は、操舵角と操舵トルクがある適切な関係の元で変化するときに得られる。上述したように、操舵トルクの大きさはタイヤやステアリングシャフトの機械的な特性の影響を受けるが、これらは車速によって特性が変化することが知られており、車速変化に伴って操舵感が変化(悪化)することが問題視されている。これを解決するため、パワーステアリングによるアシストトルクを制御して、車速によらず結果として常に一定の操舵角と操舵トルクとの関係を維持する技術が提案されている(例えば下記特許文献2)。
ステアリングを操作する運転者の操舵感は、操舵角と操舵トルクとの関係に依存する。操舵トルクの増大に対して操舵角が過度に増加すると、ステアリングからの抵抗感の小さい頼りない感覚を運転者が受けることになる。反対に、操舵トルクの増大に対して操舵角の増加が足りないと、ステアリングからの抵抗感の大きい壁感を運転者が受けることになる。また、運転者がステアリングを操作しているときにステアリングから受ける抵抗感が変化すると、運転者に違和感を与えることになる。運転者の操舵感を向上させるためには、操舵トルクの増大に対して過不足無い増分で操舵角が変化し、さらに、運転者が操舵時にステアリングから受ける抵抗感をほぼ一定にすることが望ましい。特許文献1,2では、操舵角と操舵トルクとの関係を制御する際に、運転者がステアリングから受ける抵抗感を一定にすることについては、何ら考慮されていない。その結果、運転者が操舵時にステアリングから受ける抵抗感が変動して、運転者に違和感を与えることになる。
本発明は、運転者が操舵時にステアリングから受ける抵抗感をほぼ一定にするように操舵角と操舵トルクとの関係を制御することを目的とする。
本発明に係る操舵装置、操舵模擬装置、及び操舵制御方法は、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る操舵装置は、ステアリングの操作に応じて操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵装置であって、ステアリングの切り始めまたはステアリングの回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとに関して、d2Y/dX2がXに比例する関係が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵制御手段を備えることを要旨とする。
本発明の一態様では、操舵制御手段は、d2Y/dX2とXとの間の比例係数を車速に応じて変化させることが好適である。
また、本発明に係る操舵装置は、ステアリングの操作に応じて操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵装置であって、ステアリングの切り始めまたはステアリングの回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとに関して、log(dX/dY)とlog(X)との線形関係が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵制御手段を備えることを要旨とする。
本発明の一態様では、操舵制御手段は、Xが所定量以上である場合にlog(dX/dY)とlog(X)との線形関係が略成立し、Xが当該所定量より小さい場合にYがXに比例する関係が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御することが好適である。
本発明の一態様では、操舵制御手段は、w、Eを係数とすると、
log(dX/dY)=−w×log(X)+E
が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御し、さらに、係数Eを車速に応じて変化させることが好適である。
log(dX/dY)=−w×log(X)+E
が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御し、さらに、係数Eを車速に応じて変化させることが好適である。
また、本発明に係る操舵模擬装置は、ステアリングの操作に応じて操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵模擬装置であって、ステアリングの切り始めまたはステアリングの回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとに関して、d2Y/dX2がXに比例する関係が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵制御手段を備えることを要旨とする。
また、本発明に係る操舵模擬装置は、ステアリングの操作に応じて操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵模擬装置であって、ステアリングの切り始めまたはステアリングの回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとに関して、log(dX/dY)とlog(X)との線形関係が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵制御手段を備えることを要旨とする。
また、本発明に係る操舵制御方法は、ステアリングの操作に応じて操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵制御方法であって、ステアリングの切り始めまたはステアリングの回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとに関して、d2Y/dX2がXに比例する関係が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御することを要旨とする。
また、本発明に係る操舵制御方法は、ステアリングの操作に応じて操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵制御方法であって、ステアリングの切り始めまたはステアリングの回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとに関して、log(dX/dY)とlog(X)との線形関係が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御することを要旨とする。
本発明によれば、運転者が操舵時にステアリングから受ける抵抗感をほぼ一定にするように操舵角と操舵トルクとの関係を制御することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る操舵装置20の概略構成を示す図である。本実施形態に係る操舵装置20は、車両に搭載されるものであり、図示するように、車両の操舵輪30,32を操舵するために運転者(操作者)により操作されるステアリング22と、運転者のステアリング操作により回転駆動されるステアリングシャフト24と、ステアリングシャフト24の回転運動を直線運動に変換して操舵輪30,32へ伝達するラックアンドピニオン機構28と、操舵輪30,32の切り角を変更するための操舵アシストトルクを減速機34を介してステアリングシャフト24へ伝達して操舵輪30,32へ出力する電動パワーステアリング装置用モータ(操舵アクチュエータ)42と、ステアリング22の角度(操舵角)を検出する操舵角センサ23と、ステアリング22のトルク(操舵トルク)を検出する操舵トルクセンサ25と、装置全体をコントロールする電子制御ユニット50と、を備える。
電子制御ユニット50は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM54と、一時的にデータを記憶するRAM56と、入出力ポート(図示せず)と、を備える。この電子制御ユニット50には、操舵角センサ23からの操舵角y、操舵トルクセンサ25からの操舵トルクx、及び車速センサ58からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、電子制御ユニット50からは、電動パワーステアリング装置用モータ42への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。
図2は、操舵装置20の電子制御ユニット50がステアリング22の操作に応じて操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御する操舵制御ブロック60として動作するときの制御ブロックを例示する説明図である。図示するように、操舵制御ブロック60は、ステアリング22の回転方向を判定するステアリング回転方向判定部62と、操舵角yに対して操舵トルクxを制御するための操舵トルク指令値xtを演算する操舵トルク指令値演算部66と、を有する。電子制御ユニット50では、この操舵制御ブロック60により演算された操舵トルク指令値xtと操舵トルクセンサ25により検出される操舵トルクxとに基づいてステアリング22に作用する操舵トルクxが操舵反力指令値xtとなるよう電動パワーステアリング装置用モータ42を駆動制御する。これによって、操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御する。ここでの電動パワーステアリング装置用モータ42の駆動制御については、例えば操舵トルク指令値xtと操舵トルクxとの偏差に基づくPI(比例積分)制御を用いることができる。なお、操舵角y及び操舵トルクxについては、ステアリング22の反時計まわり方向を正とする。
操舵制御ブロック60におけるステアリング回転方向判定部62では、操舵角センサ23により検出される操舵角yに基づいて、ステアリング22の回転方向が判定される。より具体的には、前回入力した操舵角yと今回入力した操舵角yとの差の符号、すなわち正負によりステアリング22の回転方向が判定される。操舵トルク指令値演算部66では、ステアリング回転方向判定部62の判定結果(ステアリング22の回転方向)と操舵角yと操舵トルクxと車速Vとに基づいて操舵トルク指令値xtを演算する。
運転者がステアリング22を操作する際には、ステアリング22から抵抗感を受ける。運転者が操舵時にステアリング22から受ける抵抗感が変動すると、運転者が違和感を受けることになる。運転者の操舵感を向上させるためには、運転者が操舵時にステアリング22から受ける抵抗感をほぼ一定にするように、操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御することが望ましい。
本願発明者は、評価グリッド法による分析手法を用いて、運転者が操舵時にステアリング22から受ける抵抗感に関係のある物理量を抽出した。その際には、まず「ステアリング22から受ける抵抗感」をどのような現象から判断しているかについて運転者(評価パネラ)にインタビューを行い、「ステアリング22から受ける抵抗感が大きい」とは、「ステアリング22の操作時に手にかかる力や腕の負担が大きい」、及び「ステアリング22に操舵トルクを入力したときに操舵角の応答(変化量)が小さい」という結果が得られた。次に、これらの現象がどのような物理量と関係しているかについて運転者にインタビューを行い、「ステアリング22の操作時に手にかかる力や腕の負担が大きい」とは「操舵トルクxが大きい」、「ステアリング22に操舵トルクを入力したときに操舵角の応答が小さい」とは「操舵系の剛性(ばね定数)dx/dyが大きい」という結果が得られた。すなわち、「ステアリング22から受ける抵抗感」に関係のある物理量が「操舵トルクx」と「操舵系の剛性(ばね定数)dx/dy」であるという結果が得られた。
次に、本願発明者は、運転者が受ける抵抗感をほぼ一定にする操舵トルクxと操舵系の剛性dx/dyとの関係を検討するために、図3に示すような、操舵角yと操舵トルクxとの関係を変更できるドライビングシミュレータを用いて、運転者が操舵時にステアリング122から受ける抵抗感を調べる実験を行った。図3に示すドライビングシミュレータにおいては、ステアリング122の操舵角yに基づいてモータ142からステアリング122に作用させるトルクを制御することで、操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御することが可能である。実験の際には、まず操舵角yと操舵トルクxとの関係を図4Aに示すような操舵系の剛性dx/dyがkA(高剛性)となる関係に設定した条件(条件Aとする)で、操舵トルクxを0から増加させる方向(反時計まわり方向)にステアリング122を操舵したときの抵抗感を運転者(被験者)123に評価させた。次に、操舵角yと操舵トルクxとの関係を図4Bに示すような操舵系の剛性dx/dyがkB(低剛性、kB<kA)となる関係に設定した条件(条件Bとする)で、操舵トルクxを増加させる方向にステアリング122を操舵したときの抵抗感を運転者123に評価させ、条件Aで操舵トルクx=0から操舵したときの抵抗感と同じ抵抗感になる操舵トルクの値xBを運転者123に評価させた。つまり、「操舵トルク0且つ操舵系の剛性kA」の場合と「操舵トルクxB且つ操舵系の剛性kB」の場合とで、抵抗感が同じとなる。さらに、条件Aを固定して、条件Bでの操舵系の剛性kBを様々に変化させながら、条件Aで操舵トルク0から操舵したときと同じ抵抗感になる操舵トルクxBを運転者123に評価させた。これによって、抵抗感が同じとなる操舵トルクx及び操舵系の剛性dx/dyの組を多数抽出した。
抵抗感が同じとなる操舵トルクx及び操舵系の剛性dx/dyの組を調べた実験結果を図5に示す。図5は、抵抗感が一定となるときの操舵トルクの2乗x2と操舵系の剛性の逆数dy/dx(yの1階微分)との関係を表している。図5に示すように、抵抗感が一定となるときの操舵トルクの2乗x2と操舵系の剛性の逆数dy/dxとの関係はほぼ線形関係であり、その傾きが正となる。つまり、抵抗感が一定である場合に、操舵系の剛性の逆数dy/dxは、操舵トルクの2乗x2の一次関数で近似して表すことができ、以下の(1)式で表すことができる。(1)式において、a,c1は係数であり、図5から、a>0、c1>0である。
(1)式をxに関して微分すると、以下の(2)式が得られる。(2)式は、抵抗感が一定となるときの操舵トルクxとd2y/dx2(yの2階微分)との関係がほぼ比例関係であることを示しており、正の係数aがd2y/dx2とxとの間の比例係数となる。
また、(1)式をxに関して積分すると、以下の(3)式が得られる。(3)式において、c2は係数である。(3)式は、抵抗感が一定である場合に、操舵角yが操舵トルクxの三次関数で近似して表せることを示している。
したがって、操舵角yと操舵トルクxとに関して(1)〜(3)式が成立する(あるいはほぼ成立する)場合に、運転者がステアリング22から受ける抵抗感がほぼ一定となる。
ただし、操舵トルクxが小さいときは、運転者は操舵トルクxを知覚しない傾向にあり、「ステアリング22から受ける抵抗感」に関係のある物理量として、「操舵系の剛性(ばね定数)dx/dy」の寄与が高くなる。そのため、操舵トルクxが小さい条件で抵抗感をほぼ一定にするためには、操舵系の剛性dx/dyがほぼ一定、すなわち操舵角yと操舵トルクxがほぼ線形関係であることが好ましい。本願発明者は、図3に示すドライビングシミュレータを用いて、運転者(人間)の操舵トルクに対する知覚閾値特性を調べる実験も行った。より具体的には、0から徐々に大きくなるトルクを評価入力としてモータ142からステアリング122に与えることで運転者(被験者)123に提示し、その提示された評価入力(トルク)を運転者123が初めて知覚した時点でのトルクを調べ、そのトルクを運転者123の操舵トルク知覚閾値とした。この実験から、運転者123の操舵トルク知覚閾値が約1.0[Nm]である結果が得られた。そのため、操舵トルクxが約1.0[Nm]程度の操舵トルク知覚閾値よりも小さい条件では、抵抗感をほぼ一定にするために、操舵角yと操舵トルクxがほぼ線形関係であることが好ましい。ただし、(3)式において、操舵トルクxが小さい条件では、3次の項が十分小さいため、操舵角yと操舵トルクxが線形関係にあると近似することが可能である。
また、運転者がステアリング22を操作する際には、ステアリング22を切り増したり切り戻したりするため、ステアリング22の回転方向がその時々に応じて変化し、ステアリング22の回転方向が切り替わった時点での操舵角y及び操舵トルクxもその時々に応じて変化する。そこで、本実施形態では、操舵制御ブロック60は、ステアリング22の切り始めの時点またはステアリング22の回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとに関して、操舵トルク変化量の2乗X2とdY/dXとの傾きが正となる線形関係、すなわち以下の(4)式が成立する(あるいはほぼ成立する)ように、操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御する。つまり、操舵制御ブロック60は、d2Y/dX2が操舵トルク変化量Xに正の比例係数で比例する関係、すなわち以下の(5)式が成立する(あるいはほぼ成立する)ように、操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御する。以下、そのための処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
まずステップS101では、操舵角y[deg]、操舵トルクx[Nm]、及び車速V[km/h]が読み込まれる。ステップS102では、ステアリング22の回転方向(操舵方向)が切り替わったか否かがステアリング回転方向判定部62で判定される。ここでは、前回入力した操舵角yと今回入力した操舵角yとの差の符号(正負)が反転したか否かを判定することで、ステアリング22の回転方向が切り替わったか否かを判定することができる。ステアリング22の回転方向が切り替わったと判定された場合(ステップS102の判定結果がYESの場合)は、ステップS103において、基準操舵角y0の値がステップS102でステアリング22の回転方向が切り替わったと判定された時点での操舵角yに更新されるとともに、基準操舵トルクx0の値がステアリング22の回転方向が切り替わったと判定された時点での操舵トルクxに更新される。そして、ステップS104に進む。一方、ステアリング22の回転方向が切り替わっていないと判定された場合(ステップS102の判定結果がNOの場合)は、ステップS104に進む。ステップS104では、現時点での操舵角yと基準操舵角y0との差の絶対値|y−y0|が算出されることで、ステアリング22の切り始めの時点またはステアリング22の回転方向が切り替わった時点からの操舵角変化量(絶対値)Yが算出され、現時点での操舵トルクxと基準操舵トルクx0との差の絶対値|x−x0|が算出されることで、ステアリング22の切り始めの時点またはステアリング22の回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量(絶対値)Xが算出される。なお、ステアリング22の切り始めにおいては、基準操舵角y0の値及び基準操舵トルクx0の値はいずれも0に設定されている。
ステップS105では、係数c1[deg/Nm]の値が設定される。(4)式から、係数c1はX=0のときのdY/dXの値を表し、係数c1の値が小さいほど保舵及び切り返し時に舵が安定する傾向にあるため、ここでは係数c1を例えば0.1[deg/Nm]程度の小さい値に設定する。ステップS106では、d2Y/dX2とXとの間の比例係数a[deg/(Nm)3]の値が設定される。ここでは、車速Vに基づいて係数aの値が設定され、例えば以下の(6)式が成立するように係数aの値が設定される。これによって、車速Vに応じて係数aの値が変化し、車速Vの増大に対して係数aの値が減少する。そのため、高車速域では、係数aの値が小さく、操舵に大きな操舵トルクが必要な特性となり、低車速域では、係数aの値が大きく、小さい操舵トルクで操舵が可能となる。
ステップS107では、操舵トルク指令値xtが操舵トルク指令値演算部66で算出される。ここでは、以下の(7)式が成立するように操舵トルク指令値xtが算出される。その際には、(7)式において、与えられた操舵角変化量Y(操舵角yと基準操舵角y0)に対応するXの値を算出し、y−y0≧0の場合は基準操舵トルクx0とこの算出されたXとの和を操舵トルク指令値xtとし、y−y0<0の場合は基準操舵トルクx0とこの算出されたXとの差を操舵トルク指令値xtとする。(7)式をXに関して微分すると(4)式が得られるため、(7)式が成立するように操舵トルク指令値xtを算出することで、操舵角yに対して抵抗感をほぼ一定にするための操舵トルク指令値xtを算出することができる。なお、(7)式では、(3)式の係数c2の値を0としている。
ステップS108では、操舵トルクxが現時点での操舵角yに対する操舵トルク指令値xtに一致する(あるいはほぼ一致する)ように電動パワーステアリング装置用モータ42のトルクが制御される。これによって、(7)式が成立する(d2Y/dX2がXに比例する)ように操舵角yに対して操舵トルクxが制御され、抵抗感がほぼ一定となるように操舵角yと操舵トルクxとの関係が制御される。そして、ステップS109では、操舵制御を終了するか否かが判定される。操舵角yと操舵トルクxとのいずれかが0でない値であり、操舵制御を終了しない場合(ステップS109の判定結果がNOの場合)は、ステップS101に戻る。一方、操舵角y及び操舵トルクxがいずれも0(あるいはほぼ0)であり、操舵制御を終了する場合(ステップS109の判定結果がYESの場合)は、本処理の実行を終了する。
図6のフローチャートの処理によれば、操舵角y=0且つ操舵トルクx=0の状態から運転者が操舵角yを増大させる方向にステアリング22を切り始めた場合は、図7,8に示すように、(3)式に示す関係に従って操舵角yの増大とともに操舵トルクxが増大し、車速Vが一定の状態では、d2y/dx2がxに比例するよう操舵角yと操舵トルクxとの関係が制御される。さらに、図7,8に示すように、車速Vが高くなるほど比例係数aの値(操舵トルクxに対するd2y/dx2の傾き)が減少し、同じ操舵トルクxに対して操舵角yが減少する。
また、操舵角y=y1且つ操舵トルクx=x1(図9の点A)のときにステアリング22の回転方向が操舵角yの減少方向から増大方向に切り替わった場合は、図9の特性線Bに示すように、基準操舵角y0=y1且つ基準操舵トルクx0=x1としたときの(7)式に示す関係に従って操舵角yの増大とともに操舵トルクxが増大し、車速Vが一定の状態では、d2Y/dX2がXに比例するよう操舵角yと操舵トルクxとの関係が制御される。そして、操舵角y=y2且つ操舵トルクx=x2(図9の点C)のときにステアリング22の回転方向が操舵角yの増大方向から減少方向に切り替わった場合は、図9の特性線Dに示すように、基準操舵角y0=y2且つ基準操舵トルクx0=x2としたときの(7)式に示す関係に従って操舵角yの減少とともに操舵トルクxが減少し、車速Vが一定の状態では、d2Y/dX2がXに比例するよう操舵角yと操舵トルクxとの関係が制御される。
また、図6のフローチャートの処理においては、操舵トルク変化量X[Nm]が所定量以下であるときに、(7)式が成立する(d2Y/dX2がXに比例する)ように操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御することも可能である。ここでの所定量としては、例えば2.5〜3.0[Nm]程度の値を設定することが可能である。その場合において、操舵トルク変化量Xが所定量よりも大きいときの操舵角変化量Yと操舵トルク変化量Xとの関係については、例えば一次関数や二次関数等、任意に設定することが可能である。
以上説明した実施形態によれば、d2Y/dX2が操舵トルク変化量Xに比例する関係が略成立するように、操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御することで、運転者が操舵時にステアリング22から受ける抵抗感の変動を抑制して抵抗感をほぼ一定にすることができる。その結果、運転者が操舵時に違和感を受けるのを抑制することができ、運転者の操舵感を向上させることができる。
また、低車速領域での車両の取り回し性を向上させるためには、小さい操舵トルクxで操舵角yが変化することが好ましく、高車速領域での車両の走行安定性を向上させるためには、操舵角yを変化させるのに必要な操舵トルクxを大きくすることが好ましい。以上説明した実施形態では、d2Y/dX2と操舵トルク変化量Xとの間の比例係数aを車速Vに応じて変化させ、車速Vの増大に対して比例係数aを減少させることで、d2Y/dX2とXとの比例関係を維持しながら、低車速領域では小さい操舵トルクxで操舵角yを変化させることができ、高車速領域では操舵角yを変化させるのに必要な操舵トルクxを大きくすることができる。したがって、運転者が操舵時にステアリング22から受ける抵抗感をほぼ一定に保ちながら、車速Vに応じた車両の取り回し性及び走行安定性の向上を図ることができる。
本願発明者は、図3に示すドライビングシミュレータを用いて、(7)式が成立する(d2Y/dX2がXに比例する)ように操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御した場合の抵抗感を運転者(被験者)に評価させる確認実験を行った。この確認実験の際には、以下の(8)式が成立するように操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御した場合の抵抗感を、(8)式におけるbの値を変化させながら運転者に評価させた。この確認実験により、b=3の場合、すなわちd2Y/dX2がXに比例する場合に、操舵時の抵抗感の変動が少なくほぼ一定となる評価結果が得られた。
次に、操舵制御ブロック60の他の構成例について説明する。ここで、抵抗感が同じとなる操舵トルクx及び操舵系の剛性dx/dyの組を調べた前述の実験結果を、操舵トルクの対数(自然対数)log(x)と操舵系の剛性の対数(自然対数)log(dx/dy)との関係で整理して図10に示す。図10に示すように、抵抗感が一定となるときの操舵トルクの対数log(x)と操舵系の剛性の対数log(dx/dy)との関係はほぼ線形関係であり、その傾きが負となる。つまり、抵抗感が一定である場合に、操舵系の剛性の対数log(dx/dy)は、操舵トルクの対数log(x)の一次関数で近似して表すことができ、以下の(9)式で表すことができる。(9)式において、w,Eは係数であり、図10から、w>0、E>0である。
(9)式を変形すると、以下の(10)式が得られる。(10)式において、eは自然対数の底であり、cは係数である。(10)式は、抵抗感が一定である場合に、操舵角yが操舵トルクxのべき乗(w+1乗)の関数(xw+1の一次関数)で近似して表せることを示している。
したがって、操舵角yと操舵トルクxとに関して(9)、(10)式が成立する(あるいはほぼ成立する)場合においても、運転者がステアリング22から受ける抵抗感がほぼ一定となる。
ただし、前述のように、操舵トルクxがトルク知覚閾値(約1.0[Nm]程度の値)よりも小さい条件では、運転者は操舵トルクxを知覚しない傾向にあり、「ステアリング22から受ける抵抗感」に関係のある物理量として、「操舵系の剛性(ばね定数)dx/dy」の寄与が高くなる。また、運転者がステアリング22を操作する際には、ステアリング22の回転方向が切り替わった時点での操舵角y及び操舵トルクxがその時々に応じて変化する。そこで、操舵制御ブロック60は、ステアリング22の切り始めの時点またはステアリング22の回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとに関して、操舵トルク変化量Xが所定量X0よりも小さい場合は、操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとの傾きが正となる線形関係が成立する(あるいはほぼ成立する)ように、操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御する。一方、操舵トルク変化量Xが所定量X0以上である場合は、操舵制御ブロック60は、操舵トルク変化量の対数(自然対数)log(X)とdX/dYの対数(自然対数)log(dX/dY)との傾きが負となる線形関係、すなわち以下の(11)式が成立する(あるいはほぼ成立する)ように、操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御する。ここでは、以下の(12)、(13)式が成立する(あるいはほぼ成立する)ように、操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御することで、(12)式と(13)式とでX=X0のときのYの値及びdY/dXの値が一致する。ここでの所定量X0は、運転者のトルク知覚閾値に相当し、例えば約1.0[Nm]程度の値を設定することができる。
次に、(12)、(13)式が成立するように操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御するための処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。ステップS201〜S203については、図6のフローチャートのステップS101〜S103と同様である。ステップS204では、ステアリング22の切り始めの時点またはステアリング22の回転方向が切り替わった時点からの操舵角変化量Y(現時点での操舵角yと基準操舵角y0との差の絶対値|y−y0|)と、操舵トルク変化量X(現時点での操舵トルクxと基準操舵トルクx0との差の絶対値|x−x0|)とが算出される。ステップS205では、係数wの値が設定される。ここでの係数wの値については、例えば1〜2程度の値に設定する。ステップS206では、係数Eの値が設定される。ここでは、車速Vに基づいて係数Eの値が設定され、車速Vの増大に対して係数Eの値が増大するように設定される。ステップS207では、操舵トルク指令値xtが操舵トルク指令値演算部66で算出される。操舵角変化量Yがe-E・X0 w+1よりも小さい場合は、(12)式が成立するように操舵トルク指令値xtが算出され、操舵角変化量Yがe-E・X0 w+1以上である場合は、(13)式が成立するように操舵トルク指令値xtが算出される。その際には、(12)式または(13)式において、与えられた操舵角変化量Y(操舵角yと基準操舵角y0)に対応するXの値を算出し、y−y0≧0の場合は基準操舵トルクx0とこの算出されたXとの和を操舵トルク指令値xtとし、y−y0<0の場合は基準操舵トルクx0とこの算出されたXとの差を操舵トルク指令値xtとする。(13)式をXに関して微分して変形すると(11)式に相当する式が得られるため、(13)式が成立するように操舵トルク指令値xtを算出することで、操舵角yに対して抵抗感をほぼ一定にするための操舵トルク指令値xtを算出することができる。ステップS208,S209については、図6のフローチャートのステップS108,S109と同様である。
図11のフローチャートの処理によれば、操舵角y=0且つ操舵トルクx=0の状態から運転者が操舵角yを増大させる方向にステアリング22を切り始めた場合は、図12に示すように、(12)式または(13)式に示す関係に従って操舵角yの増大とともに操舵トルクxが増大する。車速Vが一定の状態では、x<X0の場合にyがxに比例し、x≧X0の場合にlog(dx/dy)とlog(x)が線形関係になるように、操舵角yと操舵トルクxとの関係が制御される。さらに、図12に示すように、車速Vが高くなるほど係数Eの値が増大し、同じ操舵トルクxに対して操舵角yが減少する。
また、操舵角y=y1且つ操舵トルクx=x1のときにステアリング22の回転方向が操舵角yの減少方向から増大方向に切り替わった場合は、図9の特性線Bの場合と同様に、基準操舵角y0=y1且つ基準操舵トルクx0=x1としたときの(12)式または(13)式に示す関係に従って操舵角yの増大とともに操舵トルクxが増大する。車速Vが一定の状態では、X<X0の場合にYがXに比例し、X≧X0の場合にlog(dX/dY)とlog(X)が線形関係になるように、操舵角yと操舵トルクxとの関係が制御される。そして、操舵角y=y2且つ操舵トルクx=x2のときにステアリング22の回転方向が操舵角yの増大方向から減少方向に切り替わった場合は、図9の特性線Dの場合と同様に、基準操舵角y0=y2且つ基準操舵トルクx0=x2としたときの(12)式または(13)式に示す関係に従って操舵角yの減少とともに操舵トルクxが減少する。
また、図11のフローチャートの処理においては、操舵トルク変化量X[Nm]が所定量X0以上且つ所定量X1以下であるときに、(13)式が成立する(log(dX/dY)とlog(X)が線形関係になる)ように操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御することも可能である。ここでの所定量X1としては、例えば2.5〜3.0[Nm]程度の値を設定することが可能である。その場合において、操舵トルク変化量Xが所定量X1よりも大きいときの操舵角変化量Yと操舵トルク変化量Xとの関係については、例えば一次関数や二次関数等、任意に設定することが可能である。
以上説明した実施形態によれば、log(dX/dY)とlog(X)との線形関係が略成立する((13)式が略成立する)ように、操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御することで、運転者が操舵時にステアリング22から受ける抵抗感の変動を抑制して抵抗感をほぼ一定にすることができる。さらに、操舵トルク変化量Xが小さい場合は、YがXに比例する関係が略成立する((12)式が略成立する)ように、操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御することで、運転者が操舵トルク変化を知覚しにくい場合にも、抵抗感をほぼ一定にすることができる。さらに、係数Eを車速Vに応じて変化させ、車速Vの増大に対して係数Eを増大させることで、YとXとの比例関係(X<X0の場合)及びlog(dX/dY)とlog(X)との線形関係(X≧X0の場合)を維持しながら、低車速領域では小さい操舵トルクxで操舵角yを変化させることができ、高車速領域では操舵角yを変化させるのに必要な操舵トルクxを大きくすることができる。したがって、運転者が操舵時にステアリング22から受ける抵抗感をほぼ一定に保ちながら、車速Vに応じた車両の取り回し性及び走行安定性の向上を図ることができる。
本願発明者は、図3に示すドライビングシミュレータを用いて、(12)、(13)式が成立するように操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御した場合の抵抗感を運転者(被験者)に評価させる確認実験を行った。この確認実験の際には、(12)、(13)式におけるw,X0の値を変化させながら操舵時の抵抗感を運転者に評価させた。この確認実験により、特にwが1〜2の範囲でX0が約1である場合に、操舵時の抵抗感の変動が極めて少なくほぼ一定となる評価結果が得られた。
本実施形態に係る操舵装置20の他の構成例を図13に示す。図13の操舵装置20は、本発明をステアバイワイヤシステムに適用した場合を示し、図1に示す構成例と同様にステアリング22とステアリングシャフト24とラックアンドピニオン機構28と操舵角センサ23と操舵トルクセンサ25と電子制御ユニット50とを備え、さらに、運転者によるステアリング22の操作に応じてステアリング22にトルクを作用させることで操舵トルクを模擬する反力モータ42と、ステアリング22の操舵角に応じて操舵輪30,32の切り角を変更するための出力トルクを減速機34を介してラックアンドピニオン機構28に伝達して操舵輪30,32へ出力する転舵モータ40と、を備える。図13に示す構成例においても、電子制御ユニット50の操舵制御ブロック60は、d2Y/dX2が操舵トルク変化量Xに比例する関係が略成立する、またはlog(dX/dY)とlog(X)との線形関係が略成立するように、操舵角yと操舵トルクxとの関係を制御することで、運転者が操舵時にステアリング22から受ける抵抗感の変動を抑制して抵抗感をほぼ一定にすることができる。
以上の実施形態に係る操舵装置20では、電動パワーステアリング装置用モータや反力モータのトルクによりステアリング22にトルクを作用させるものとしたが、電動パワーステアリング装置用モータや反力モータ以外にも、例えば可変操舵ギア比システム用アクチュエータ等、他のアクチュエータを用いてステアリング22にトルクを作用させることもできる。
以上の実施形態の説明では、本発明を車載用の操舵装置20に適用した場合について説明した。ただし、本発明をドライビングシミュレータ等において用いられる操舵模擬装置に適用することも可能である。その場合は、以上の実施形態で説明したステアリング22とステアリングシャフト24と操舵角センサ23と操舵トルクセンサ25と反力モータ42と電子制御ユニット50(操舵制御ブロック60)とを含んで実施形態に係る操舵模擬装置を構成することができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
20 操舵装置、22 ステアリング、23 操舵角センサ、24 ステアリングシャフト、25 操舵トルクセンサ、28 ラックアンドピニオン機構、30,32 操舵輪、34 減速機、40 転舵モータ、42 電動パワーステアリング装置用モータ、50 電子制御ユニット、52 CPU、54 ROM、56 RAM、58 車速センサ、60 操舵制御ブロック、62 ステアリング回転方向判定部、66 操舵トルク指令値演算部。
Claims (9)
- ステアリングの操作に応じて操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵装置であって、
ステアリングの切り始めまたはステアリングの回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとに関して、d2Y/dX2がXに比例する関係が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵制御手段を備える、操舵装置。 - 請求項1に記載の操舵装置であって、
操舵制御手段は、d2Y/dX2とXとの間の比例係数を車速に応じて変化させる、操舵装置。 - ステアリングの操作に応じて操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵装置であって、
ステアリングの切り始めまたはステアリングの回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとに関して、log(dX/dY)とlog(X)との線形関係が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵制御手段を備える、操舵装置。 - 請求項3に記載の操舵装置であって、
操舵制御手段は、Xが所定量以上である場合にlog(dX/dY)とlog(X)との線形関係が略成立し、Xが当該所定量より小さい場合にYがXに比例する関係が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御する、操舵装置。 - 請求項3または4に記載の操舵装置であって、
操舵制御手段は、
w、Eを係数とすると、
log(dX/dY)=−w×log(X)+E
が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御し、
さらに、係数Eを車速に応じて変化させる、操舵装置。 - ステアリングの操作に応じて操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵模擬装置であって、
ステアリングの切り始めまたはステアリングの回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとに関して、d2Y/dX2がXに比例する関係が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵制御手段を備える、操舵模擬装置。 - ステアリングの操作に応じて操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵模擬装置であって、
ステアリングの切り始めまたはステアリングの回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとに関して、log(dX/dY)とlog(X)との線形関係が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵制御手段を備える、操舵模擬装置。 - ステアリングの操作に応じて操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵制御方法であって、
ステアリングの切り始めまたはステアリングの回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとに関して、d2Y/dX2がXに比例する関係が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御する、操舵制御方法。 - ステアリングの操作に応じて操舵角と操舵トルクとの関係を制御する操舵制御方法であって、
ステアリングの切り始めまたはステアリングの回転方向が切り替わった時点からの操舵トルク変化量Xと操舵角変化量Yとに関して、log(dX/dY)とlog(X)との線形関係が略成立するように、操舵角と操舵トルクとの関係を制御する、操舵制御方法。
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