JP2009279564A - 加工穴を洗浄する装置と方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ワーク12をロボット8によって支持し、ワーク12に形成される加工穴14と洗浄ノズル22を対向させて、洗浄ノズル22から洗浄流体を噴射する。このとき、洗浄ノズル22は、加工穴14の内壁に形成されたねじ溝36に向けて洗浄流体を斜めに噴射し、加工穴14の内部にねじ溝36に沿って旋回する洗浄流体の旋回流を発生させる。
【選択図】図2
Description
上記の問題に関し、特許文献1には、加工穴の内部を洗浄するための技術が記載されている。特許文献1に記載の技術では、加工穴に向けて洗浄液を噴射するノズルを扁平に形成し、その扁平なノズルを回転させながら加工穴を横断するように移動させている。
本発明は、雌ねじ部が形成された加工穴をきれいに洗浄することができる技術を提供する。
この装置によると、雌ねじ部が形成された加工穴をきれいに洗浄することができる。
この構成によると、加工穴に噴射された洗浄流体は、加工穴の側面に沿って旋回しながら加工穴の底面へと進む。加工穴の底面に到達した洗浄流体は、加工穴の軸に沿って加工穴の開口へと戻り、排出される。加工穴の内部に安定した洗浄流体の流れを実現することができ、加工穴の内部に洗浄液の強い流れを発生させることができる。
この構成によると、洗浄流体は、洗浄ノズルを通って加工穴の底面付近まで導入される。そして、洗浄ノズルから噴射された洗浄流体は、加工穴の側面に沿って旋回しながら加工穴の開口へと進み、排出される。この構成によっても、加工穴の内部に安定した洗浄流体の流れを実現することができ、加工穴の内部に洗浄液の強い流れを発生させることができる。
この構成によると、第1噴射孔から噴射された洗浄流体が、加工穴の側面に沿って旋回する流れを形成するとともに、第2噴射孔から噴射された洗浄流体が、加工穴の底面から加工穴の開口へと進む流れを形成する。それにより、ねじ溝内から除去された異物が確実に外部へ排出される流れを形成することができる。
この構成によると、第2噴出口から噴射される洗浄流体の流量が比較的に小さくなり、加工穴の内部に発生した旋回流が乱されることを防止することができる。
それにより、ワークに形成された加工穴の位置や形状に応じて、洗浄流体を加工穴に対して適切に噴射することが可能となる。
ここで、洗浄槽に貯留する液体と、洗浄ノズルから噴射する洗浄流体は、同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。例えば、洗浄槽の液体中に支持されたワークの加工穴に対して、洗浄ノズルから同じ液体を噴射してもよいし、空気等の気体を噴射してもよい。
この構成によると、加工穴から除去された異物が洗浄槽の液体中に拡散するので、異物が加工穴の内部に再度進入することを防止することができる。
この方法によると、加工穴の内部に洗浄液の強い流れを発生させることができ、雌ねじ部が形成された加工穴をきれいに洗浄することができる。
(特徴1) 洗浄ノズルが洗浄流体を噴射する方向は、加工穴の軸と平行でなく、加工穴の軸と交差もしない位置関係にある。即ち、洗浄ノズルが洗浄流体を噴射する方向は、加工穴の軸とねじれの位置関係にある。
(特徴2) 洗浄ノズルが洗浄流体を噴射する方向は、加工穴の軸に垂直な水平面に対して斜めに傾けられている(即ち、垂直でない)。
(特徴3) 洗浄ノズルが洗浄流体を噴射する方向は、加工穴の軸に垂直な水平面において、加工穴の径方向と角度を成す(平行でない)。即ち、洗浄ノズルが洗浄流体を噴射する方向は、洗浄流体が噴射される加工穴の側面における接平面に対して、斜めに傾けられている(即ち、垂直でない)。
(特徴4) 洗浄ノズルの径と、洗浄ノズルの噴射口と洗浄流体を噴射する加工穴の側面との距離の少なくとも1つを調整して、加工穴の内部にねじ溝に沿って旋回する洗浄流体の旋回流を発生させる。
図1に、洗浄装置2の概略構成を表わす図を示す。洗浄装置2は、洗浄液6を貯留する洗浄槽4と、洗浄槽4にワーク12を浸漬するロボット8と、洗浄ノズル22,26を備えている。ロボット8は、洗浄槽4の洗浄液6中でワーク12を支持する。洗浄ノズル22,26は、洗浄槽4の洗浄液6中で洗浄流体(本実施例では、洗浄液6)をワーク12に向けて噴射する。
洗浄槽4の内壁にはガイドレール18が設けられている。ガイドレール18には、洗浄ノズル22,26が、ノズル駆動部20,24によってそれぞれスライド可能に配設されている。ノズル駆動部20,24は、図示しないアクチュエータによって、洗浄ノズル22,26を液中で上下方向に移動することができる。また、ノズル駆動部20,24は、洗浄ノズル22,26を回転させることができる。ノズル駆動部20,24は、図示しない制御装置によって制御されており、ノズル22と26をそれぞれ個別に駆動する。洗浄液供給管28は洗浄ノズル22,26と連通しており、洗浄槽4内の洗浄液6を洗浄ノズル22,26に供給することができる。洗浄ノズル22,26の上流側には、ポンプ30とフィルタ32が設けられている。ポンプ30が動作することによって、洗浄液6が排水口34から洗浄液供給管28に導入される。導入された洗浄液6はフィルタ32によってろ過され、洗浄ノズル22,26から噴射される。
さらに、洗浄流体を噴射する方向は、加工穴14の加工面において加工穴14の軸と交わらない。即ち、図3に示す平面視において、洗浄流体が加工穴14の側面に衝突する点における接平面と、洗浄流体を噴射する方向とが成す角度は、鋭角を成す(図3のθ2を参照)。この角度θ2は、例えば、加工穴14の直径に基づいて設定することができる。
また、本実施例では、ねじ穴14と洗浄ノズル22を液面に平行な方向で対向させて洗浄を行っている。このため、洗浄液6中に放出された異物50は洗浄槽4の下部へと沈殿し、再び加工穴14に入ってしまうことがない。洗浄装置2によると、雌ねじ部が形成された加工穴14をきれいに洗浄することができる。
図4に、第2の実施形態を示す。本実施例の加工穴44は、底部38側の一部にのみ雌ねじ構造を有している。例えば、図4に示す加工穴44のように、加工穴44の開口部分とねじ溝36が形成されている部分との間に距離があることがある。このような場合、加工穴44の外側に洗浄ノズルを配置して、加工穴44の加工面側の内壁40に向けて洗浄流体を噴射しても、ねじ溝36の充分な洗浄効果を得られないおそれがある。このような場合には、図4に示すように、加工穴44の内部に洗浄ノズル42を挿入して、洗浄流体を噴射するとよい。この実施形態においても、洗浄ノズル42は、液体の洗浄流体を加工穴44のねじ溝36が形成される側面に向けて、ねじ溝36が螺旋を描く方向へ、斜めに噴射する。洗浄流体を噴射する方向は、上述した洗浄ノズル22の場合と同様に、加工穴44の軸に平行でなく、また、加工穴44の軸と交わらない。即ち、洗浄流体を噴射する方向は加工穴44の軸とねじれの関係にある。洗浄ノズル42は、上記の角度条件を具現化するために、先端部が角度を有して形成されていてもよい(図4を参照)。
この洗浄ノズル42によっても、図4に矢印で示すように、加工穴44の内部に、ねじ溝36に沿って旋回する洗浄流体の旋回流を発生させることができる。雌ねじ部が形成された加工穴44をきれいに洗浄することができる。
図5に、第3の実施形態を示す。加工穴14の内壁全部には、第1実施例と同様に、ねじ溝36が形成されている。例えば、加工穴14の奥行きが深い場合、加工穴14の外側に洗浄ノズルを配置して洗浄流体を噴射するだけでは、底部38側のねじ溝36の充分な洗浄効果を得られない場合がある。このような場合には、図5に示すように、加工穴14の内部に洗浄ノズル52を挿入して、洗浄流体を噴射するとよい。
また、第1噴出口52aの開口面積は、第2噴出口52bの開口面積よりも大きく形成されている。このため、第2噴出口52bから噴射される洗浄流体の流量が比較的に小さくなり、加工穴の内部に発生した旋回流が乱されることが防止される。
本発明によると、雌ねじ部を有する加工穴14,44をきれいに洗浄することができ、洗浄不良による不良品の発生を有意に防止することができる。
例えば、上記した実施例では、洗浄ノズル22から洗浄流体として洗浄液6を噴射しているが、洗浄ノズル22から洗浄流体として他の液体や空気等の気体を噴射してもよい。
また、上記した実施例では、ワーク12を液体中(洗浄液6中)に配置して加工穴14の洗浄を行っているが、ワーク12を気体中(例えば大気中)に配置して加工穴14の洗浄を行ってもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
4:洗浄槽
6:洗浄液
8:ロボット
9:アーム
10:ワーク支持部
12:ワーク
14,16,44:加工穴
18:ガイドレール
20,24:ノズル駆動部
22,26,42,52:洗浄ノズル
22a,42a:噴出口
28:洗浄液供給管
30:ポンプ
32:フィルタ
34:排水口
36:ねじ溝
38:底部
40:内壁
50:異物
52a:第1噴出口
52b:第2噴出口
Claims (8)
- 少なくとも一部に雌ねじ部が形成された加工穴を洗浄する装置であり、
加工穴が形成されたワークを支持する支持手段と、
ワークの加工穴に洗浄流体を噴射する洗浄ノズルを備え、
洗浄ノズルは、加工穴の側面に向けて洗浄流体を斜めに噴射し、加工穴の内部にねじ溝に沿って旋回する洗浄流体の旋回流を発生させることを特徴とする加工穴を洗浄する装置。 - 前記洗浄ノズルは、雌ねじ部の外部から雌ねじ部の側面に向けて洗浄流体を噴射することを特徴とする請求項1に記載の加工穴を洗浄する装置。
- 前記洗浄ノズルは、加工穴の底面に対向する位置で雌ねじ部の側面に向けて洗浄流体を噴射することを特徴とする請求項1に記載の加工穴を洗浄する装置。
- 前記洗浄ノズルは、雌ねじ部の側面に向けて洗浄流体を斜めに噴射する第1噴射口と、加工穴の底面に向けて洗浄流体を加工穴の軸と平行に噴射する第2噴射口を備えていることを特徴とする請求項3に記載の加工穴を洗浄する装置。
- 前記第1噴出口の開口面積は、前記第2噴出口の開口面積よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の加工穴を洗浄する装置。
- 前記ワークと前記洗浄ノズルの少なくとも一方を移動させ、前記ワークと前記洗浄ノズルの相対位置を調整する手段をさらに備えることを特徴とする1から5のいずれか一項に記載の加工穴を洗浄する装置。
- 液体を貯留する洗浄槽をさらに備え、
前記支持手段は、前記洗浄槽の液体中で前記ワークを支持し、
前記洗浄ノズルは、前記洗浄槽の液体中で洗浄流体を噴射することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の加工穴を洗浄する装置。 - 少なくとも一部に雌ねじ部が形成された加工穴を洗浄する方法であり、
加工穴が形成されたワークを支持する支持工程と、
ワークの加工穴に洗浄流体を噴射する洗浄工程を備え、
洗浄工程では、加工穴の側面に向けて洗浄流体を斜めに噴射し、加工穴の内部にねじ溝に沿って旋回する洗浄流体の旋回流を発生させることを特徴とする加工穴を洗浄する方法。
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