JP2009278581A - 移動体通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】所期のデータレート及び通信エリアを確保し、通信の確実性を維持しつつ移動端末台数の増減に柔軟に対応することのできる移動体通信システムを得る。
【解決手段】複数の周波数チャネルを用い、各周波数チャネル毎に、複数の移動端末、中継装置、及び共通の基地装置を含む通信グループを形成するとともに、各通信グループ内においては、TDMA方式により中継を含む通信接続を行なう。また、異なる通信グループに所属する移動端末間の通信は、各グループに共通に通信接続された基地装置を通して行なう。さらに中継装置の動作に異常を検出した際には、稼働中の他の中継装置の中からその位置情報に基づいて代替可能な中継装置を選択して、通信グループ内での中継動作を継続させる。
【選択図】図1
【解決手段】複数の周波数チャネルを用い、各周波数チャネル毎に、複数の移動端末、中継装置、及び共通の基地装置を含む通信グループを形成するとともに、各通信グループ内においては、TDMA方式により中継を含む通信接続を行なう。また、異なる通信グループに所属する移動端末間の通信は、各グループに共通に通信接続された基地装置を通して行なう。さらに中継装置の動作に異常を検出した際には、稼働中の他の中継装置の中からその位置情報に基づいて代替可能な中継装置を選択して、通信グループ内での中継動作を継続させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、移動体通信システムに係り、特に、複数の周波数チャネルを有し、これらの各周波数チャネル毎に形成された、高速で移動する複数の移動端末及び中継装置を含む通信グループがグループ内で通信しながら共通の基地装置と通信し、通信グループ間に跨った通信を可能とする移動通信システムに関する。
図7は、複数の移動端末、基地局及びこれらの間の通信を中継する中継局を含み、特定の無線周波数で通信を行なう、従来の移動体通信システムの一例をモデル化して示す構成図である。
この図7の事例では、基地局71及び3台の移動端末72a〜72cが、直接または中継局73を経由して単一の無線周波数で相互に通信を行なう移動体通信システムが構築されている。また、移動端末72c及び中継局73は、基地局71と直接通信可能な範囲に位置し、移動端末72a及び72bは、基地局71とは直接通信可能な範囲内には位置しておらず、中継局73を介して基地局71と通信を行なっている。そして、各移動端末は、それぞれに必要な通信接続を維持しながら、例えば目的地Zに向け高速で移動している状況を示している。
図7において、3台の移動端末72a〜72cは所定の無線周波数に対応した送受信部に加え、操作表示部(いずれも図示せず)等を含み、例えば小型軽量に構成され、目的地Zに向けて高速で移動する。また、基地局も同様の送受信部や操作表示部に加え、例えば上位システム等、関連する他の通信システムとの接続に対応した通信部等(図示せず)を含み、利用目的に応じて例えば可搬型や固定設置型などに構成される。また、中継局も同じ無線周波数に対応した1組の送受信部を含み、同様に利用目的に応じて、例えば可搬型や滞空型に構成される。
このように構成された移動体通信システムの動作を、例えば移動端末72aが基地局71との通信を維持しながら、基地局71の周辺から目的地Zに向けて高速で移動する場合を取りあげて説明すると、次のようになる。すなわち、移動端末72aが高速で移動を開始した直後、基地局71と直接通信可能なエリアを移動中は、直接基地局71と通信を行なう。その後、基地局71から次第に離れ、状況に合わせて適宜配置された中継局73と通信可能なエリアに移動すると、この中継局73を介して基地局71との通信を維持しつつ移動を継続する。また、この移動中に、例えば後続する移動端末72bとの直接通信が必要であれば、この通信も維持しつつ移動する。
このような、移動端末が中継を含み相互に通信する形態の移動体通信システムに適用可能な通信制御の手法のひとつとして、いわゆるアドホックネットワークと称される手法が提案されている。アドホックネットワークでは、基地局やアクセスポイント、中継局等を含んだ特定のネットワークインフラに依存せず、一時的に集合した複数の移動端末がその場で自律的に通信ネットワークを構築する。これらの移動端末は、データ中継機能をあわせ持っており、移動端末が互いに直接通信できない距離にあっても、基地局やアクセスポイント等を介在させることなく、移動端末の有するデータ中継機能を用いてマルチホップの通信経路を設定し、移動端末相互間の通信を可能にしている。また、不特定多数の移動端末を対象にすることができ、ネットワークへの参入及び離脱にあたっても、比較的制約が少ない。このため、移動端末を、所定の無線周波数に対応した一組の送受信部による簡易な構成としてネットワーク全体を構築できる。しかし、中継ホップ数が増えて通信エリアが拡大してくると、通信のデータレートが低下するとともに、各移動端末自身による中継経路を含む通信経路設定の負荷が重くなってくる。加えて、通信接続方式は、単一の無線周波数を用いたCSMA(Carrier Sense Multiple Access)を用いるので、いわゆる隠れ端末等によるデータ衝突も発生する。従って、例えば、ほぼリアルタイムに情報を共有しながら高速で移動する複数の移動端末を含む場合には、適用が難しい。
一方、所望する通信エリア内において所期のデータレートを維持しつつ、通信接続の確実性を向上させることができるように、通信インフラとして基地局や中継局等を設けるとともに、通信接続方式を、例えば単一の無線周波数によるTDMA(Time Division Multiple Access)とし、この中で高速で移動する複数の移動端末が、所定の無線周波数に対応した簡易な構成の送受信部を用いて通信するように、通信システムを構築することもできる。しかし、この場合には、確保すべきデータレートとの兼ね合いでTDMAのスロット割当数の上限に制約が生じる。すなわち、通信システム内の移動端末数が制限される。また、端末台数を増加させるには、例えば、このような通信システムを1つのグループとし、異なる無線周波数を用いた複数グループで通信システムを構築する手法も考えられるが、複数グループ間に跨った移動端末間での通信に困難を生じ、情報共有が難しい。これらに加え、中継局を含む通信システムの場合では、中継局の動作に異常が発生した際に、移動端末が孤立してしまうおそれがあり、特に移動端末が高速で目的地方向に移動している場合には、通信が途絶することの影響は大きい。
なお、アドホックネットワークによる端末接続の事例が特許文献1に、また、TDMA方式によるタイムスロットの割り当ての事例が特許文献2に、それぞれ開示されている。
特開2006−50371号公報(第11ページ、図1)
特開2007−67654号公報(第29ページ、図14)
上述したように、従来の移動体通信システムでは、一組の簡素な送受信部で構成され、かつ高速で移動する移動端末を対象とした場合に、その通信エリア内において所期のデータレートを確保しつつ、通信接続の確実性を維持するには、参入可能な移動端末の台数が制限されていた。また、移動端末数が増加すると、必ずしも十分な通信サービスを提供することが困難になることがあった。
本発明は、上述の事情を考慮してなされたものであり、所期のデータレート及び通信エリアを確保し、通信の確実性を維持しつつ移動端末台数の増減に対して柔軟に対応する移動体通信システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の移動体通信システムは、複数の周波数チャネルを有し、これら周波数チャネル毎に複数の移動端末及び中継装置を含む通信グループを形成しこの通信グループ内で直接または前記中継装置を介して相互に通信を行なうとともに、これら通信グループが共通の基地装置と通信接続された移動体通信システムであって、前記移動端末は、所属する前記通信グループの周波数チャネルで通信を行なう1つの送受信部を有し、前記中継装置は、所属する前記通信グループの周波数チャネルで通信の中継を行なうとともに、周波数チャネルを他の前記通信グループに対応した周波数チャネルに切換可能な中継送受信部と、前記基地装置との間で前記中継送受信部の周波数チャネルの切換制御情報を授受する制御周波数チャネルに対応した送受信部とを有し、前記基地装置は、前記通信グループのそれぞれの周波数チャネルで通信を行なう複数の送受信部からなる通信部と、これら複数の送受信部のそれぞれから前記各通信グループ内での通信メッセージを授受し異なる前記通信グループあての通信メッセージを中継転送するとともに、前記中継装置の中継送受信部の周波数チャネルの切換制御情報を生成する制御部と、前記中継装置との間で、前記周波数チャネルの切換制御情報を授受する制御周波数チャネルに対応した送受信部とを有し、前記各通信グループ内の移動端末は直接または前記中継装置を介してそれぞれの周波数チャネルで前記基地装置と相互に通信を行なうとともに、前記基地装置を通して他の前記通信グループに跨って通信メッセージを授受することを特徴とする。
また、前記各通信グループは、TDMA(Time Division Multiple Access)方式により前記基地装置を含むグループ内の通信接続を行なうことを特徴とする。
また、前記中継装置は、前記制御周波数チャネルを用いて自身の位置情報及び中継動作状態を含むステータス情報を前記基地装置に送信し、前記基地装置は、これら各中継装置からのステータス情報に基づいて前記各中継装置の中継動作を監視するとともに、動作異常が検出された場合には、前記ステータス情報の異常でない中継装置の中からその位置情報に基づいてこの動作異常が検出された中継装置の所属する通信グループの電波到達範囲内にある中継装置を選択し、選択した中継装置に対してその中継送受信部の周波数チャネルをこの動作異常が検出された中継装置の所属する通信グループの周波数チャネルに切換えるための切換制御情報を生成して前記制御周波数チャネルを通して送信することを特徴とする。
本発明によれば、所期のデータレート及び通信エリアを確保し、通信の確実性を維持しつつ移動端末台数の増減に柔軟に対応することのできる移動体通信システムを得ることができる。
以下に、本発明に係る移動体通信システムを実施するための最良の形態について、図1乃至図6を参照して説明する。
図1は、本発明に係る移動体通信システムの一実施例の構成をモデル化して示すブロック図である。本実施例においては、2つの周波数チャネルf1及びf2を有し、それぞれの周波数チャネルを用いて通信グループA及び通信グループBが形成されており、通信グループAには3台の移動端末及び1台の中継装置を、また通信グループBには2台の移動端末及び1台の中継装置を含み、さらにそれぞれの通信グループが共通の基地装置に通信接続している場合を例示している。また、基地装置との接続を含む通信グループ内の通信接続は、TDMA方式によるものとしている。
図1に例示したように、この移動体通信システムは、5台の移動端末11a、11b、11c、12a、及び12b(図1中には、それぞれA#1、A#2、A#3、B#1、及びB#2と表記)、2台の中継装置#A13a、及び中継装置#B13b、ならびに基地装置14から構成されている。移動端末11a、11b、及び11c、ならびに中継装置#A13aは、基地装置14を含み周波数チャネルf1を用いて通信グループAを形成しており、また、移動端末12a及び12b、ならびに中継装置#B13bは、基地装置14を含み周波数チャネルf2を用いて通信グループBを形成している。
各移動端末11、及び12は、移動端末間あるいは後述する基地装置14と通信を行なうための、所属する通信グループの周波数チャネルに対応した送受信部を共通に有している。すなわち、通信グループAに所属する3台の移動端末11は、図2(a)に例示したように、いずれも周波数チャネルf1に対応した送受信部111(図1中にはTRf1と表記)を、また、通信グループBに所属する2台の移動端末は、図2(b)に例示したように、いずれも周波数チャネルf2に対応した送受信部121(図1中にはTRf2と表記)を備えている。加えて、これら移動端末は、例えば、通信メッセージ等を処理するメッセージ処理部112や、マンマシンインターフェイスとしての操作表示部113等を含み構成されている。
中継装置#A13a、及び中継装置#B13bは、いずれも同一に構成されており、図3に例示したように、中継送受信部(図1中にはTRfxと表記)131、制御送受信部(図1中にはTRfcと表記)132、及び制御部133から構成されている。中継送受信部131は、対応する周波数チャネルを切換え可能に構成されており、所属する通信グループ内において移動端末間あるいは移動端末と基地装置14との間の通信の中継を行なう。図1の事例では、中継装置#A13aの中継送受信部131の周波数チャネルは、通信グループAの周波数チャネルであるf1に切換設定されており、また、中継装置#B13bの中継送受信部131の周波数チャネルは、通信グループBの周波数チャネルであるf2に切換設定されている場合を示している。制御送受信部132は、この中継送受信部131の周波数チャネルの切換制御情報、ならびに自装置の位置情報及び動作状態を示すステータス情報を含む各種制御情報を、基地装置14との間で制御周波数チャネルfcを用いて授受する。制御部133は、基地装置14からの中継送受信部131に対する周波数チャネルの切換制御情報に基づきその切換制御を行なうとともに、自装置の位置情報の取得、及び中継動作状態の監視を行なってステータス情報を生成する。
基地装置14は、図4に例示したように、通信部141、制御送受信部142、及び制御部143から構成されている。通信部141は、各通信グループの周波数チャネルに対応した複数の送受信部を備えている。すなわち、本実施例の場合においては、通信グループAの周波数チャネルf1に対応した送受信部(TRf1)、及び通信グループBの周波数チャネルf2に対応した送受信部(TRf2)を備えている。制御送受信部142は、中継装置13との間で、制御周波数チャネルを用いて中継送受信部131に対する周波数チャネルの切換制御情報を含む通信を行なう。制御部143は、通信部141内の各送受信部で授受した各通信グループ内の通信メッセージの中で、異なる通信グループあてのものを中継転送するとともに、各中継装置13からのステータス情報に基づき中継送受信部131に対する周波数チャネルの切換制御情報を生成する。
また、基地装置14との接続を含む各通信グループ内の通信接続、及び制御周波数チャネルでの各中継装置13と基地装置14との通信接続はTDMA方式としている。この時のTDMAスロットの割り当ての一例をモデル化して図5に示す。図5(a)は、通信グループにおける1フレーム中のスロットの割り当てをモデル化したものであり、最大N台の移動端末、2台の中継装置、及び基地装置に対してスロットの割り当てを行なった場合を例示したものである。各装置及び移動端末は、自身に割り当てられたスロットで通信を行なう。本実施例においては、図5(a)のスロットの中で、例えば、通信グループAでは、基地装置、中継装置#1、及び移動端末#1〜#3のスロットに各機器が割り当てられ、通信グループBでは、基地装置、中継装置#1、及び移動端末#1〜#2に割り当てられる。また、図5(b)は、制御周波数チャネルにおける1フレーム中のスロットの割り当てをモデル化したものであり、最大6台の中継装置に対して割り当てを行なった場合を例示している。本実施例においては、この図5(b)のスロットの中で、例えば通信グループAに所属する中継装置13aには#1のスロットが、また通信グループBに所属する中継装置13bには#2のスロットがそれぞれ割り当てられ、これらの中継装置及び基地装置はそれぞれに割り当てられたスロットで通信を行なう。
次に、前出の図1乃至図5、ならびに図6のフローチャートを参照して、上述のように構成された本実施例の移動体通信システムの動作について説明する。なお、以下の説明では、各移動端末は、それぞれの通信グループ内で基地装置13との通信接続を維持しながら、通信グループA内の3台の移動端末11a、11b、及び11cは、基地装置14の位置から目的地Xに向かって、また通信グループB内の2台の移動端末12a及び12bは目的地Yに向かってそれぞれ高速で移動しているものとしている。あわせて、異なる通信グループの移動端末間で通信メッセージを授受するとともに、中継装置のステータス情報に異常が検出された場合の動作も含めている。
図6は、図1に例示した本発明に係る移動体通信システムの一実施例の動作を説明するためのフローチャートである。はじめに、各種の事前設定として、周波数チャネルと通信グループとの対応づけや、通信グループ内でのTDMAスロットの割り当て、中継装置の周波数チャネルの切換制御等を行なう。本実施例では、周波数チャネルf1と通信グループAが、また周波数チャネルf2と通信グループBが対応付けられる。そして、通信グループ内の各装置に対して図5に例示したスロットが割り当てられる。また、中継装置13a及び13bの中継送受信部131は、それぞれ周波数チャネルf1、及びf2に切換制御される(ST601)。
まず、それぞれの通信グループ内で通信接続を確立・維持しながら、移動端末11及び12が基地装置周辺から高速でそれぞれの目的地に向けて、順次高速で移動を開始する。例えば、通信グループA内では、移動端末11a、11b、及び11cの順に、また通信グループB内では、移動端末12a及び12bの順に移動を開始する(ST602)。各移動端末は、高速で移動開始後、例えば種々の情報を取得しながら、基地装置14からの直接通信可能範囲のときは直接基地装置14と、またそれぞれの通信グループ内の移動端末相互間で、取得した情報等を通信メッセージにして相互に授受する(ST603)。さらに移動端末が高速移動して、例えば図1中の移動端末11a、11b、12aのように基地装置14からの直接通信可能範囲を越えると(ST604)、移動端末はそれぞれの通信グループ内の中継装置13aまたは13bを介して基地装置14との通信を継続する(ST605)。
そして、それぞれに目的地に接近し、異なる通信グループに宛先指定をして通信メッセージを授受する場合、例えば、通信グループA内で目的地Xに最接近している移動端末11aと、通信グループB内で目的地Yに最接近している移動端末12aとの間で、それぞれの目的地に関して取得した情報等の共有のために通信する場合には、次のような経路で通信メッセージが送られる。すなわち、移動端末11aからの通信メッセージは、通信グループA内で移動端末11aから中継装置13aを介して基地装置14に送られ、基地装置14内で制御部143の制御のもと、通信部141内の通信グループAの周波数チャネルf1に対応した送受信部(TRf1)から通信グループBの周波数チャネルf2に対応した送受信部(TRf2)に中継転送された後、基地装置14から通信グループB内の中継装置13bを介して、宛先である移動端末12aに送られる。一方、移動端末12aからの通信メッセージは、上記と反対の経路で送られる。このようにして、異なる通信グループに跨って移動端末間で通信メッセージが授受され、例えば目的地に関してそれぞれに取得した情報等が共有される(ST606)。
上記のような通信動作と併せ、この移動体通信システム内では、それぞれの通信グループに所属する中継装置13は、制御周波数チャネルfcを通して基地装置14にステータス情報を所定のタイミングで送出する。ステータス情報には、それぞれの中継装置13の位置情報、及び中継送受信部131の動作状態が含まれている。基地装置14は、このステータス情報によりそれぞれの中継装置13の中継動作状態を監視し、異常の有無を検出する(ST607)。このときに、動作状態に異常を検出した場合には、正常動作中の他の中継装置13の中から、その位置情報に基づいて代替可能な位置にある中継装置13を選択する。図1の事例では、例えば通信グループBに所属する中継装置13bの中継送受信部131の動作状態が異常になった場合、正常動作している通信グループAに所属する中継装置13aが通信グループBの電波到達範囲内に位置しているものとすると、基地装置14は、この中継装置13aが中継を代替可能であるとし、代替中継装置として選択する(ST608)。さらに、基地装置14は、中継装置13aに対し、通信グループBの周波数チャネルf2に切換えて動作異常となった中継装置13bのTDMAスロットで中継動作を行なうよう、切換制御情報を生成して中継装置13aに送出する。これによって、例えば基地装置14から最も離れ目的地Yに最接近している移動端末12aは孤立することなく、代替の中継装置である、異なる通信グループAの中継装置13aを介して基地装置14との通信経路が確保される(ST609)。この後は、動作終了が指示されるまで、また新たな移動端末が移動を開始して通信を行なうなど、上述したST602のステップからの動作が繰り返される(ST610)。
以上説明したように、本実施例においては、複数の周波数チャネルを用い、各周波数チャネル毎に、複数の移動端末、中継装置、及び共通の基地装置を含む通信グループを形成するとともに、各通信グループ内においては、TDMA方式により中継を含む通信接続を行なっている。これにより、移動端末側を一組の送受信部からなる簡易な構成とすることができるとともに、それぞれの通信グループ内の通信において、所期のデータレート及び通信エリアを確保し、通信の確実性を維持しつつ移動端末台数の増減に対しても柔軟に対応することができる。
また、異なる通信グループに所属する移動端末間の通信に対しては、各グループに共通に通信接続された基地装置を通して中継転送しているので、通信グループを跨っての通信を可能としているとともに、通信エリアをより広汎なものとしている。さらに、基地装置は中継装置の中継動作を監視し、異常を検出した際には、稼働中の他の中継装置の中からその位置情報に基づいて代替可能な中継装置を選択して、通信グループ内での中継動作の継続を可能にしている。これにより、中継を必要とする位置にある移動端末が孤立することなく通信経路が確保され、通信システム全体として、より障害に強い安定した中継動作を確保することができる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
11、12 移動端末
13 中継装置
14 基地装置
13 中継装置
14 基地装置
Claims (3)
- 複数の周波数チャネルを有し、これら周波数チャネル毎に複数の移動端末及び中継装置を含む通信グループを形成しこの通信グループ内で直接または前記中継装置を介して相互に通信を行なうとともに、これら通信グループが共通の基地装置と通信接続された移動体通信システムであって、
前記移動端末は、
所属する前記通信グループの周波数チャネルで通信を行なう1つの送受信部を有し、
前記中継装置は、
所属する前記通信グループの周波数チャネルで通信の中継を行なうとともに、周波数チャネルを他の前記通信グループに対応した周波数チャネルに切換可能な中継送受信部と、
前記基地装置との間で前記中継送受信部の周波数チャネルの切換制御情報を授受する制御周波数チャネルに対応した送受信部とを有し、
前記基地装置は、
前記通信グループのそれぞれの周波数チャネルで通信を行なう複数の送受信部からなる通信部と、
これら複数の送受信部のそれぞれから前記各通信グループ内での通信メッセージを授受し異なる前記通信グループあての通信メッセージを中継転送するとともに、前記中継装置の中継送受信部の周波数チャネルの切換制御情報を生成する制御部と、
前記中継装置との間で、前記周波数チャネルの切換制御情報を授受する制御周波数チャネルに対応した送受信部とを有し、
前記各通信グループ内の移動端末は直接または前記中継装置を介してそれぞれの周波数チャネルで前記基地装置と相互に通信を行なうとともに、前記基地装置を通して他の前記通信グループに跨って通信メッセージを授受することを特徴とする移動体通信システム。 - 前記各通信グループは、TDMA(Time Division Multiple Access)方式により前記基地装置を含むグループ内の通信接続を行なうことを特徴とする請求項1に記載の移動体通信システム。
- 前記中継装置は、前記制御周波数チャネルを用いて自身の位置情報及び中継動作状態を含むステータス情報を前記基地装置に送信し、
前記基地装置は、これら各中継装置からのステータス情報に基づいて前記各中継装置の中継動作を監視するとともに、動作異常が検出された場合には、
前記ステータス情報の異常でない他の中継装置の中からその位置情報に基づいてこの動作異常が検出された中継装置の所属する通信グループの電波到達範囲内にある中継装置を選択し、選択した中継装置に対してその中継送受信部の周波数チャネルをこの動作異常が検出された中継装置の所属する通信グループの周波数チャネルに切換えるための前記切換制御情報を生成して前記制御周波数チャネルを通して送信する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動体通信システム。
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Cited By (1)
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JP2017184061A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 株式会社メガチップス | 無線通信システムおよび無線通信方法 |
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- 2008-05-19 JP JP2008130477A patent/JP2009278581A/ja active Pending
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