JP2010233072A - 無線ネットワークシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】基幹装置と各無線装置との間の中継経路が動的に変化する場合であっても、前記各無線装置に対する省電力制御を可能とする。
【解決手段】無線ネットワークシステムにおいて、基幹装置12との間の中継経路が切り替わった無線装置16は、接続要求パケットを発行して上り通信時間領域中のタイムスロットで送信し、前記接続要求パケットを受信した無線装置16は、前記接続要求パケットの発行元の無線装置16と基幹装置12との間の新たな中継経路を構成する無線装置になったことを認識し、発行元の無線装置16に割り当てられたデータフレーム中のタイムスロットで通信可能状態となることを決定する。
【選択図】図7
【解決手段】無線ネットワークシステムにおいて、基幹装置12との間の中継経路が切り替わった無線装置16は、接続要求パケットを発行して上り通信時間領域中のタイムスロットで送信し、前記接続要求パケットを受信した無線装置16は、前記接続要求パケットの発行元の無線装置16と基幹装置12との間の新たな中継経路を構成する無線装置になったことを認識し、発行元の無線装置16に割り当てられたデータフレーム中のタイムスロットで通信可能状態となることを決定する。
【選択図】図7
Description
本発明は、基幹装置を根元として複数の無線装置によりツリー状に形成されたマルチホップ無線ネットワーク方式の無線ネットワークシステムに関する。
従来より、複数の無線端末(基幹装置及び複数の無線装置)によりツリー状の無線ネットワークを構築し、該無線ネットワーク内の隣接する無線端末間でパケットを中継することにより、電波が直接届かない無線端末間での通信を実現するマルチホップ無線ネットワーク方式の無線ネットワークシステムが提案されている。
このような無線ネットワークシステムでは、無線ネットワークに参加する無線装置の数が多くなることに起因してパケットの衝突が発生するおそれがある。また、各無線装置は電池で駆動するタイプが多いので、消費電力の増大を回避できることが望ましい。
そこで、特許文献1には、送信元の無線端末からの中継回数に応じて、パケットを送信すべきタイミングを決定することにより、パケットの衝突の発生を抑制することが提案されている。また、特許文献2には、周囲の無線端末間で次回のパケットの送信開始タイミングと該パケットの送信量とを事前に通知し合う間欠受信処理を行うことが提案されている。
上述した技術では、事前に通知し合う送信信号中に次回の送信開始タイミング等を含める必要があるので、送信可能なデータ量が抑制されるという問題がある。これに対しては、予め特定された受信タイミングで無線装置が通信可能状態(起床状態)になってパケットを受信し、一方で、それ以外のタイミングで該無線装置が通信待機状態(スリープ状態)になれば、上記の問題を解決できるものと考えられる。
ところで、上述した無線ネットワークシステムにおいて、各無線装置には、基幹装置と前記各無線装置との間で、あるいは、前記各無線装置間でパケットを送受信するための通信スロットがそれぞれ割り当てられる。この場合、前記各無線装置は、複数の通信スロットのうち、自己に割り当てられた通信スロットでパケットを送信するとき、及び、他の無線装置に割り当てられた通信スロットで該他の無線装置からのパケットを中継するときにのみ通信可能状態となる。そのため、前記各無線装置は、パケットを送信又は中継するときの通信スロット以外の通信スロットでは通信待機状態となるので、前記各無線装置に対する省電力制御が可能となる。
しかしながら、前記無線ネットワークシステムは、前記基幹装置をツリーの頂点とするアドホックネットワークを構成するため、前記アドホックネットワーク内での無線装置の移動や無線装置間の電波状況に起因して、前記基幹装置と前記各無線装置との間の中継経路が動的に変化した場合には、前記各無線装置に対する省電力制御を適切に行えないことが懸念されている。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、基幹装置と各無線装置との間の中継経路が動的に変化する場合であっても、前記各無線装置に対する省電力制御を可能とする無線ネットワークシステムを提供することを目的とする。
本発明に係る無線ネットワークシステムは、基幹装置を根元として複数の無線装置によりツリー状に形成されたマルチホップ無線ネットワーク方式の無線ネットワークシステムにおいて、
前記各無線装置は、該各無線装置から前記基幹装置への上り方向にパケットを送信するための上り方向制御スロットでは、常時、通信可能状態になり、一方で、パケットを送受信するために前記各無線装置にそれぞれ割り当てられた通信スロットのうち、自己に割り当てられた通信スロットでパケットを送信するとき、及び、他の無線装置に割り当てられた通信スロットで該他の無線装置からのパケットを中継するときにのみ通信可能状態になり、
前記基幹装置との間の中継経路の切替が発生した場合に、前記中継経路の切り替わった無線装置は、前記基幹装置との接続を要求するための接続要求パケットを発行して前記上り方向制御スロットで送信し、
前記接続要求パケットを受信した無線装置は、前記接続要求パケットの発行元の無線装置と前記基幹装置との間の新たな中継経路を構成する無線装置になったことを認識し、前記発行元の無線装置に割り当てられた通信スロットで通信可能状態になることを決定することを特徴としている。
前記各無線装置は、該各無線装置から前記基幹装置への上り方向にパケットを送信するための上り方向制御スロットでは、常時、通信可能状態になり、一方で、パケットを送受信するために前記各無線装置にそれぞれ割り当てられた通信スロットのうち、自己に割り当てられた通信スロットでパケットを送信するとき、及び、他の無線装置に割り当てられた通信スロットで該他の無線装置からのパケットを中継するときにのみ通信可能状態になり、
前記基幹装置との間の中継経路の切替が発生した場合に、前記中継経路の切り替わった無線装置は、前記基幹装置との接続を要求するための接続要求パケットを発行して前記上り方向制御スロットで送信し、
前記接続要求パケットを受信した無線装置は、前記接続要求パケットの発行元の無線装置と前記基幹装置との間の新たな中継経路を構成する無線装置になったことを認識し、前記発行元の無線装置に割り当てられた通信スロットで通信可能状態になることを決定することを特徴としている。
本発明によれば、基幹装置との間の中継経路が切り替わった無線装置は、前記基幹装置との接続を要求するための接続要求パケットを上り方向制御スロットで送信するので、前記接続要求パケットを受信した無線装置は、該接続要求パケットの受信により、自己が前記接続要求パケットの発行元の無線装置と前記基幹装置との間の新たな中継経路を構成する無線装置になったことを認識すると共に、前記発行元の無線装置に割り当てられた通信スロットで通信可能状態になることを決定する。
これにより、前記基幹装置と各無線装置との間の中継経路が動的に変化する場合であっても、前記各無線装置は、パケットを送信又は中継する時間帯にのみ通信可能状態となるので、前記各無線装置に対する省電力制御を確実に行うことが可能となる。
本発明に係る無線ネットワークシステムの好適な実施形態について、図1〜図10を参照しながら説明する。
本実施形態に係る無線ネットワークシステム10は、図1に示すように、基本的には、基幹装置12を根元として、複数の無線装置(図1では、第1〜第3無線装置16a〜16cのみ図示)によりツリー状に形成されたマルチホップ無線ネットワーク方式の無線ネットワークシステムである。この場合、基幹装置12は、無線14を介して第1無線装置16a及び第3無線装置16cと接続され、第1無線装置16aは、無線18を介して第2無線装置16bと接続されている。なお、参照符号の13は、基幹装置12のアンテナであり、参照符号の15a〜15cは、第1〜第3無線装置16a〜16cのアンテナである。さらに、第1〜第3無線装置16a〜16cは、センサ42a〜42cをそれぞれ有する。
また、図2に示すように、無線ネットワークシステム10は、実際には、1つの基幹装置12及び複数の無線装置16を備え、これらが所定の間隔dで配置されたクラスタ24を複数備えており、1つのクラスタ24では、基幹装置12を根元に、無線14、18を介して、各無線装置16がツリー状に形成されている。これにより、基幹装置12から無線14、18を介して各無線装置16の方向(下り方向)にパケットを送信し、一方で、各無線装置16から無線18、14を介して基幹装置12の方向(上り方向)にパケットを送信することで、電波が直接届かない無線端末間での通信が可能となる。
なお、図2において、1つのクラスタ24は、16個の無線端末(1つの基幹装置12及び15個の無線装置16)から構成されているが、1つのクラスタ24に収容される無線端末の個数は、図2に示す個数に限定されないことは勿論である。また、各無線装置16(第1〜第3無線装置16a〜16c)は、図3に示すように、受信部28、解析部30、タイミング割当部32、記憶部34、タイミング設定部36、送信制御部38、送信部40、及び、センサ42(42a〜42c)をそれぞれ有する。この場合、各無線装置16は、センサ42が検出したセンサ情報を、該センサ情報を検出した時刻(絶対時刻)と共に基幹装置12に向けて送信するセンサノードとして機能し、基幹装置12は、各センサノードからのセンサ情報及び絶対時刻を収集するゲートノードとして機能する。従って、無線ネットワークシステム10は、各センサノードから収集したセンサ情報及び絶対時刻に基づき、各センサノードの設置場所の状況(例えば、地滑り、地震)を観測するセンサネットワークシステムに適用される。
上述した無線ネットワークシステム10の基本構成及び機能や、基幹装置12と各無線装置16との間、及び、各無線装置16間での無線によるパケットの送受信に関わる基本的な動作については、例えば、特開2008−228176号公報に開示されているので、これらの詳細については、説明を省略する。
本実施形態に係る無線ネットワークシステム10において、基幹装置12及び各無線装置16間でのパケットの送受信、及び、各無線装置16間でのパケットの送受信は、該パケットをフレーム中の所定のスロットで送信(中継)することにより行われる。
図4は、パケットを送受信するスーパーフレーム50の基本構成を示す説明図であり、図5は、スーパーフレーム50中の制御フレーム54の構成を示す説明図であり、図6は、スーパーフレーム50中のデータフレーム56の構成を示す説明図である。
スーパーフレーム50は、図4に示すように、所定時間間隔で繰り返されるフレームであり、1つのスーパーフレーム50は、L個のフレーム52から構成される。この場合、1つのスーパーフレーム50中の最初のフレーム52は、基幹装置12と無線装置16との間、及び、各無線装置16間で、各無線装置16を制御するパケットを送受信するための制御フレーム54として割り当てられる。一方、制御フレーム54以降の2番目からL番目までの(L−1)個のフレーム52は、基幹装置12と各無線装置16との間、及び、各無線装置16間でデータ(例えば、センサ42が検出したセンサ情報及び絶対時刻)を送受信するためのデータフレーム56として割り当てられる。
制御フレーム54は、図5に示すように、基幹装置12から各無線装置16の方向(下り方向)へのパケットの通信に用いられる下り通信時間領域58と、各無線装置16から基幹装置12の方向(上り方向)へのパケットの通信に用いられる上り通信時間領域60とに時分割される。
下り通信時間領域58は、複数のタイムスロット62、64に時分割される。この場合、1番目のタイムスロット62は、基幹装置12がパケットを下り方向に送信(例えば、基幹装置12から無線14を介して第1無線装置16a及び第3無線装置16cに送信)するためのタイムスロットとして割り当てられている。また、各タイムスロット64は、ホップ数(基幹装置12からの中継回数)に対応する無線端末がパケットを下り方向に送信するためのスロットとして割り当てられている。
具体的に、2番目のタイムスロット64(スロット2)は、ホップ数が0(0ホップ)の無線装置16から下り方向にパケットを送信するためのタイムスロット(例えば、第1無線装置16aから無線18を介して第2無線装置16bに送信するためのタイムスロット)として割り当てられている。また、3番目からn番目のタイムスロット64(スロット3〜n)は、1ホップ〜(n−2)ホップの無線装置16から下り方向にパケットを送信するためのタイムスロットとして割り当てられている。
さらに、各タイムスロット64は、複数のサブスロット66(図5では1〜mのサブスロット)にそれぞれ時分割されている。この場合、クラスタ24内の無線装置16毎に1つのサブスロット66が割り当てられている。これにより、各無線装置16は、自己のホップ数に応じたタイムスロット64中、パケットの送信先の無線装置16に割り当てられたサブスロット66にて前記パケットを中継する。
一方、上り通信時間領域60は、複数のタイムスロット(上り方向制御スロット)68、70に時分割されている。この場合、サブスロット66と同様に、クラスタ24内の無線装置16毎に1つのタイムスロット68(SN1〜SNmのうちの1つ)が割り当てられている。従って、無線装置16は、自己に割り当てられたタイムスロット68にてパケットを上り方向に中継する。また、タイムスロット70(SNm+1〜SNm+x)は、これからクラスタ24に参加する無線装置16、あるいは、タイムスロット68がまだ割り当てられていない無線装置16における上り方向へのパケット送信のためのタイムスロットである。
従って、各無線装置16は、制御フレーム54中、下り通信時間領域58については、自己に割り当てられたタイムスロット64及びその前後のスロットにて、常時、通信可能状態となり、一方で、上り通信時間領域60では、全てのタイムスロット68、70にて、常時、通信可能状態となる。
データフレーム56は、図6に示すように、基幹装置12から各無線装置16の方向(下り方向)へのパケットの通信、あるいは、各無線装置16から基幹装置12の方向(上り方向)へのパケットの通信に用いられる複数のタイムスロット(通信スロット)71から構成されている。
この場合、各タイムスロット71は、各無線装置16にそれぞれ割り当てられ、各無線装置16は、各タイムスロット71のうち、自己に割り当てられたタイムスロット71でパケットを送信するとき、又は、他の無線装置16に割り当てられたタイムスロット71で該他の無線装置16からのパケットを中継するときにのみ通信可能状態となり、一方で、それ以外のタイムスロット71では通信待機状態(スリープ状態)となる。
例えば、データフレーム56が上り方向にパケットを通信するためのフレームとして割り当てられた場合に、各無線装置16は、自己のセンサ42が検出したセンサ情報を自己に割り当てられたタイムスロット71で上り方向にそれぞれ送信すると共に、他の無線装置16に割り当てられたタイムスロット71で該他の無線装置16のセンサ42が検出したセンサ情報を上り方向に中継する。また、データフレーム56が下り方向にパケットを通信するためのフレームとして割り当てられた場合に、基幹装置12は、各無線装置16に割り当てられたタイムスロット71でパケット(例えば、無線装置16が備えるセンサ42の観測条件を変更するための要求)を下り方向に送信し、各無線装置16は、他の無線装置16に割り当てられたタイムスロット71で前記パケットを下り方向に中継する。
次に、本実施形態に係る無線ネットワークシステム10の動作及び効果について、図7A〜図9を参照しながら説明する。
ここでは、図7Aに示すように、基幹装置12(GB)と第2無線装置16b(SN2)との間の中継経路が、無線14c、第3無線装置16c(SN3)及び無線18cの経路から、無線14a、第1無線装置16a(SN1)及び無線18aの経路に切り替わったときの無線ネットワークシステム10の動作について説明する。この場合、基幹装置12に対する第1〜第3無線装置16a〜16cのホップ数等に変更はないので、中継経路の切替に伴うタイムスロット64、68、71及びサブスロット66の変更は発生しないものとして説明を行う。
なお、前記中継経路の切替は、例えば、第2無線装置16bから見て、無線18cの電波状況よりも無線18aの電波状況が良好である場合や、各無線装置16a〜16cの移動や遮蔽物の存在等によって無線18cを介した通信が切断され、無線18aを介した通信が可能になった場合に発生する。この場合、第2無線装置16bにおける中継経路の切替の判断は、例えば、特開2008−228176号公報に開示されているハローパケットの送受信を各無線装置16a〜16c間で行い、前記ハローパケット中の経路情報に基づいて中継経路の切断や接続を判定することにより行われる。
図7Bは、前記中継経路の切替の前後で第1無線装置16aから見て通信可能状態(起床状態)にある無線装置を説明するための一覧表であり、図7Cは、前記中継経路の切替の前後で第3無線装置16cから見て通信可能状態にある無線装置を説明するための一覧表である。
なお、図7B及び図7Cにおいて、○印は、自装置又は通信可能状態にある無線装置を示し、×印は、通信待機状態(スリープ状態)にある無線装置を示す。また、図7B及び図7C中、接続要求とは、中継経路の切替後に第2無線装置16bから上り方向に送信される接続要求パケット72(図8参照)を示している。従って、接続要求前とは、接続要求パケット72の送信前(中継経路の切替前)をいい、接続要求後とは、接続要求パケット72の送信後(中継経路の切替後)をいう。
図7Bに示すように、第1無線装置16aから見た場合、前記中継経路の切替によって、第2無線装置16bとの間では、通信待機状態(×印)から通信可能状態(○印)に切り替わる。また、第1無線装置16aから見た場合、前記中継経路の切替に関わりなく、第3無線装置16cとの間では、通信待機状態(×印)にある。一方、図7Cに示すように、第3無線装置16cから見た場合、前記中継経路の切替によって、第2無線装置16bとの間では、通信可能状態(○印)から通信待機状態(×印)に切り替わる。また、第3無線装置16cから見た場合、前記中継経路の切替に関わりなく、第1無線装置16aとの間では、通信待機状態(×印)にある。
前記中継経路の切替により、第1無線装置16aから見て、第2無線装置16bに割り当てられたタイムスロット71は、切替前までは通信待機状態のスロットであったが、切替後は通信可能状態のスロット(中継対象のスロット)になる。また、第3無線装置16cから見て、第2無線装置16bに割り当てられたタイムスロット71は、切替前までは通信可能状態のスロット(中継対象のスロット)であったが、切替後は通信待機状態のスロットになる。従って、中継経路の切替に伴って、通信可能状態から通信待機状態に移行するタイムスロット71や、通信待機状態から通信可能状態に移行するタイムスロット71を、第1無線装置16a及び第3無線装置16cに認識させることにより、中継経路が動的に変化する場合でも、各無線装置16a〜16cに対する省電力制御を確実に行うことが可能になる。
そこで、本実施形態に係る無線ネットワークシステム10では、中継経路の切替後に、第2無線装置16bは、切替後の新たな中継経路での基幹装置12との接続を要求するための接続要求パケット72を発行し、発行した接続要求パケット72を第2無線装置16bに割り当てられたタイムスロット68で上り方向に送信する。
図8は、接続要求パケット72の構成を示す説明図である。
接続要求パケット72は、ヘッダ部74と、接続要求パケット72の発行元の無線端末から送信先の無線端末(基幹装置12)に実際に送信したい情報が設定されるネットワーク情報部76と、パケット全体に対する巡回冗長符号の計算結果が設定されたチェックサム78とから構成される。
ヘッダ部74には、接続要求パケット72を送信する無線端末の識別情報が格納される送信側ノード識別子格納部82と、接続要求パケット72を受信する無線端末の識別情報が格納される受信側ノード識別子格納部84とが順に配置されている。
また、ネットワーク情報部76には、基幹装置12の識別情報が格納される基幹装置格納部86と、接続要求パケット72の発行元の無線端末の識別情報が格納される接続要求発行元格納部88と、接続要求パケット72の発行元の無線端末が従属する無線端末の識別情報が格納される従属先格納部90とが順に配置されている。
図9は、中継経路の切替に係る動作を説明するためのシーケンス図である。
先ず、ステップS1において、第2無線装置16bでは、第1無線装置16aからのハローパケットと第3無線装置16cからのハローパケットとを受信部28(図3参照)がアンテナ15bを介して受信すると、解析部30は、タイミング割当部32を介して記憶部34に前記各ハローパケットを記憶すると共に、前記各ハローパケット中の経路情報に基づいて中継経路の切断や接続を判定する。この場合、前記各経路情報に基づいて無線18cの電波状況よりも無線18aの電波状況が良好であると判定したときに、解析部30は、基幹装置12から無線14c、第3無線装置16c及び無線18cを介した経路を切断して、基幹装置12から無線14a、第1無線装置16a及び無線18aを介した経路に中継経路を切り替えることを決定する。
次に、ステップS2において、解析部30は、基幹装置12に対する接続要求パケット72を発行して、タイミング割当部32に通知する。この場合、解析部30は、図8に示すように、送信側ノード識別子格納部82及び接続要求発行元格納部88に第2無線装置16bを示すSN2を格納し、受信側ノード識別子格納部84及び従属先格納部90に第1無線装置16aを示すSN1を格納し、基幹装置格納部86に基幹装置12を示すGBを格納することにより接続要求パケット72を発行する。タイミング割当部32は、第2無線装置16bに割り当てられたタイムスロット68を接続要求パケット72の送信タイミングとして設定し、送信制御部38及びタイミング設定部36に通知する。送信部40は、送信制御部38からの制御に従って、タイミング設定部36が指定したタイムスロット68にてアンテナ15bから無線18aを介して第1無線装置16aに接続要求パケット72を送信する(ステップS3)。
第1無線装置16aでは、受信部28がアンテナ15aを介して接続要求パケット72を受信すると、解析部30は、タイミング割当部32を介して記憶部34に接続要求パケット72を記憶し、該接続要求パケット72中の基幹装置格納部86、接続要求発行元格納部88及び従属先格納部90にそれぞれ格納された情報から、自装置(第1無線装置16a)が第2無線装置16bと基幹装置12との間の新たな中継経路を構成する無線装置になったことを認識すると共に、第2無線装置16bに割り当てられたタイムスロット71で通信可能状態となることを決定する。
次に、ステップS4において、第1無線装置16aの解析部30は、図8に示すように、送信側ノード識別子格納部82に格納されている情報をSN2からSN1に変更すると共に、受信側ノード識別子格納部84に格納されている情報をSN1からGBに変更し、変更後の新たな接続要求パケット72をタイミング割当部32に通知する。タイミング割当部32は、第1無線装置16aに割り当てられたタイムスロット68を新たな接続要求パケット72の送信タイミングとして設定し、送信制御部38及びタイミング設定部36に通知する。送信部40は、送信制御部38からの制御に従って、タイミング設定部36が指定したタイムスロット68にてアンテナ15aから無線14aを介して基幹装置12に接続要求パケット72を中継する(ステップS5)。
一方、第3無線装置16cにおいても、第1無線装置16aからのハローパケットと第2無線装置16bからのハローパケットとを受信部28がアンテナ15cを介して受信すると、解析部30は、タイミング割当部32を介して記憶部34に前記各ハローパケットを記憶すると共に、前記各ハローパケット中の経路情報に基づいて中継経路の切断や接続を判定する。
この場合、ステップS6において、前記各経路情報に基づいて第2無線装置16bとの通信が切断された(中継経路が切り替わった)と判定したときに、解析部30は、基幹装置12から無線14c、第3無線装置16c及び無線18cを介して第2無線装置16bに至る中継経路が切断されたので、第2無線装置16bに割り当てられたタイムスロット71では通信待機状態になることを決定し、さらに、中継経路の切断を検出したことを示すパケットを生成して、タイミング割当部32に通知する。
タイミング割当部32は、第3無線装置16cに割り当てられたタイムスロット68を前記パケットの送信タイミングとして設定し、送信制御部38及びタイミング設定部36に通知する。送信部40は、送信制御部38からの制御に従って、タイミング設定部36が指定したタイムスロット68にてアンテナ15cから無線14cを介して基幹装置12に前記パケットを送信する(ステップS7)。
基幹装置12では、第1無線装置16aから接続要求パケット72を受信し、一方で、第3無線装置16cから前記パケットを受信した後に、接続要求パケット72と前記パケットとを照合して、基幹装置12と第2無線装置16bとの間の中継経路の切替を確認する。次に、基幹装置12は、中継経路の切替の確認結果をパケットに設定する(ステップS8)。
ところで、図5に示すように、制御フレーム54は、下り通信時間領域58及び上り通信時間領域60の順に時分割され、接続要求パケット72は、上り通信時間領域60中のタイムスロット68を利用して基幹装置12に送信される。そのため、基幹装置12は、接続要求パケット72を受信したタイムスロット68を有するスーパーフレーム50の次のスーパーフレーム50におけるタイムスロット62で、該基幹装置12が設定した前記パケットをアンテナ13から無線14a、14cを介して第1無線装置16a及び第3無線装置16cにそれぞれ報知する(ステップS9)。
第1無線装置16aでは、受信部28がアンテナ15aを介して前記パケットを受信すると、解析部30は、タイミング割当部32を介して記憶部34に前記パケットを記憶すると共に、前記パケットの内容を確認することにより前記中継経路の切替が完了したことを認識することができる。タイミング割当部32は、スロット2(タイムスロット64)中の第2無線装置16bに割り当てられたサブスロット66を、タイミング設定部36及び送信制御部38に通知する。タイミング設定部36は、サブスロット66を前記パケットの送信タイミングに設定する(ステップS10)。これにより、送信部40は、送信制御部38からの制御に従って、タイミング設定部36が指定したサブスロット66で、アンテナ15aから無線18aを介して前記パケットを第2無線装置16bに中継する(ステップS11)。
第2無線装置16bでは、受信部28がアンテナ15bを介して前記パケットを受信すると、解析部30は、タイミング割当部32を介して記憶部34に前記パケットを記憶すると共に、前記パケットの内容を確認することにより前記中継経路の切替が完了したことを認識することができる(ステップS12)。
この結果、基幹装置12から無線14a、第1無線装置16a及び無線18aを介した第2無線装置16bに至る中継経路が確立されて、データフレーム56中のタイムスロット71において、基幹装置12と第2無線装置16bとの間のパケットの送受信を行うことが可能となる。
一方、第3無線装置16cでは、受信部28がアンテナ15cを介して前記パケットを受信すると、解析部30は、タイミング割当部32を介して記憶部34に前記パケットを記憶すると共に、前記パケットの内容を確認することにより、前記中継経路の切替が完了して、基幹装置12から無線14a、第1無線装置16a及び無線18aを介した第2無線装置16bに至る中継経路が確立されたことを把握することができる。
なお、上述した説明では、基幹装置12と第2無線装置16bとの間の中継経路が、無線14c、第3無線装置16c及び無線18cの経路から、無線14a、第1無線装置16a及び無線18aの経路に切り替わったときの動作について説明した。
本実施形態に係る無線ネットワークシステム10は、上記の例に限定されることはなく、(1)第2無線装置16bが起動して、基幹装置12から無線14a、第1無線装置16a及び無線18aを介して第2無線装置16bに至る中継経路が新たに確立される場合、(2)クラスタ24に第2無線装置16bが新たに参加することにより、基幹装置12から無線14a、第1無線装置16a及び無線18aを介して第2無線装置16bに至る中継経路が新たに確立された場合、(3)クラスタ24内での第1〜第3無線装置16a〜16cの移動や、各無線装置16a〜16c間での電波状況によって図7A以外の中継経路が新たに確立される場合にも適用することが可能である。
(1)及び(2)の場合には、第2無線装置16bに対してタイムスロット64、68、71及びサブスロット66が割り当てられていない可能性がある。一方、(3)の場合には、ホップ数の変更等によってタイムスロット64、68、71及びサブスロット66を再度割り当てる必要がある。
そこで、(1)及び(2)の場合には、ステップS3において、第2無線装置16bは、未割当のタイムスロット70にて接続要求パケット72を第1無線装置16aに送信する。この場合、接続要求パケット72は、基幹装置12との接続を要求するためのパケットであると共に、新たなタイムスロット64、68、71及びサブスロット66の割当を要求するためのパケットでもある。そのため、ステップS8において、基幹装置12は、第2無線装置16bに対して新たなタイムスロット64、68、71及びサブスロット66を割り当てる処理を行った後に、新たに割り当てたタイムスロット64、68、71及びサブスロット66の各番号と、中継経路の切替の確認結果とをパケットに設定する。従って、第1無線装置16a及び第3無線装置16cは、ステップS9で前記パケットを受信することにより、第2無線装置16bに新たなタイムスロット64、68、71及びサブスロット66が割り当てられたことを把握することも可能となる。また、第2無線装置16bは、ステップS11で前記パケットを受信することにより、第2無線装置16bに新たなタイムスロット64、68、71及びサブスロット66が割り当てられたことを把握することも可能となる。
一方、(3)の場合には、ステップS3において、第2無線装置16bは、自己に割り当てられたタイムスロット68にて接続要求パケット72を第1無線装置16aに送信する。この場合、接続要求パケット72は、基幹装置12との接続を要求するためのパケットであると共に、タイムスロット64、68、71及びサブスロット66の再割当を要求するためのパケットでもある。そのため、ステップS8において、基幹装置12は、第2無線装置16bに対してタイムスロット64、68、71及びサブスロット66を再度割り当てる処理を行った後に、再度割り当てたタイムスロット64、68、71及びサブスロット66の各番号と、中継経路の切替の確認結果とをパケットに設定する。従って、第1無線装置16a及び第3無線装置16cは、ステップS9で前記パケットを受信することにより、第2無線装置16bにタイムスロット64、68、71及びサブスロット66が再度割り当てられたことを把握することも可能となる。また、第2無線装置16bは、ステップS11で前記パケットを受信することにより、第2無線装置16bにタイムスロット64、68、71及びサブスロット66が再度割り当てられたことを把握することも可能となる。
また、本実施形態に係る無線ネットワークシステム10は、図10A〜図10Cに示す場合(変形例)にも適用することが可能である。
この変形例は、図10Aに示すように、第2無線装置16bに無線18bを介して第4無線装置16d(SN4)が接続され、該第4無線装置16dに対して下り方向に無線装置16(図示せず)がさらに接続されている場合である。
ここで、図7A〜図9で説明した、第2無線装置16bにおける第3無線装置16cから第1無線装置16aへの中継経路の切替が発生した場合に、第4無線装置16dは、中継経路の切替を直接認識することができない。すなわち、第4無線装置16dは、第2無線装置16bに従属しているので、第2無線装置16bでの中継経路の切替により、第4無線装置16dから基幹装置12までの中継経路も自動的に切り替わるが、第2無線装置16bから中継経路が切り替わったことを示す情報を受信しなければ、第4無線装置16dは、第4無線装置16dから基幹装置12までの中継経路も切り替わったことを認識することができない。
そこで、この変形例において、第2無線装置16bは、図9のステップS1により中継経路の切断を認識すると、中継経路が切り替わった旨のハローパケットを無線18bを介して第4無線装置16dに送信する。第4無線装置16dは、ハローパケットを受信すると、第2無線装置16bとの接続を維持しながらも第4無線装置16dから基幹装置12までの中継経路が切り替わったと認識し、該中継経路が切り替わった旨のハローパケットを下り方向に送信する。
第2無線装置16bは、ステップS1以降、図9のフローチャートに従って、接続要求パケットを第1無線装置16aを介して基幹装置12に送信するが、一方で、第4無線装置16dも、第2無線装置16bと同様に、基幹装置12に対して上り方向に接続要求パケットを送信する。この接続要求パケットは、第4無線装置16dから無線18b、第2無線装置16b、無線18a、第1無線装置16a、無線14aを介して基幹装置12に送信される。
これにより、第1無線装置16aは、第4無線装置16dからの接続要求パケットの受信により、図10Bに示すように、第4無線装置16dに割り当てられたタイムスロット68では、通信待機状態から通信可能状態に切り替わる。この場合、第4無線装置16dの下り方向に接続されている各無線装置16のタイムスロット68についても、第1無線装置16aは、通信待機状態から通信可能状態に切り替わることが可能である。
これに対して、第3無線装置16cは、第2無線装置16bからのハローパケットの無受信、あるいは、第2無線装置16bからの中継経路が切り替わった旨のハローパケットの受信によって、第2無線装置16bとの間の経路が切断されたことを認識する。これにより、第3無線装置16cは、第2無線装置16bに割り当てられたタイムスロット68と、第2無線装置16bに対して下り方向に接続されている各無線装置(第4無線装置16d、該第4無線装置16dに対して下り方向に接続された無線装置16)にそれぞれ割り当てられたタイムスロット68では、通信可能状態から通信待機状態となる(図10C参照)。
このように、変形例では、第2無線装置16bでの中継経路の切替に伴う、第2無線装置16bの配下にある第4無線装置16dのタイムスロット68、及び、該第4無線装置16dに対して下り方向に接続される無線装置16のタイムスロット68に関する情報の更新を、各無線装置で自動的に行うことが可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る無線ネットワークシステム10において、各無線装置16は、タイムスロット68、70では、常時、通信可能状態になり、一方で、各無線装置16にそれぞれ割り当てられたタイムスロット71のうち、自己に割り当てられたタイムスロット71でパケットを送信するとき、及び、他の無線装置16に割り当てられたタイムスロット71で該他の無線装置16からのパケットを中継するときにのみ通信可能状態になる。
この場合、基幹装置12との間の中継経路の切替が発生した場合に、中継経路の切り替わった無線装置16は、基幹装置12との接続を要求するための接続要求パケット72を発行してタイムスロット68、70で送信し、接続要求パケット72を受信した無線装置16は、接続要求パケット72の発行元の無線装置16と基幹装置12との間の新たな中継経路を構成する無線装置になったことを認識し、発行元の無線装置16に割り当てられたタイムスロット71で通信可能状態になることを決定する。
これにより、基幹装置12と各無線装置16との間の中継経路が動的に変化する場合であっても、各無線装置16は、パケットを送信又は中継する時間帯にのみ通信可能状態となるので、各無線装置16に対する省電力制御を確実に行うことが可能となる。
また、中継経路の切替前に当該中継経路を構成していた無線装置16は、中継経路の切替後、接続要求パケット72の発行元の無線装置16に割り当てられたタイムスロット71で通信待機状態になることを決定するので、この無線装置16に対する省電力制御を効率よく行うことが可能となる。
上記の説明では、基幹装置12及び第1〜第4無線装置16a〜16dでの処理について説明したが、基幹装置12と他の無線装置16との間でも同様の処理を行うことが可能である。
なお、この発明は、上述の実施形態に限らず、種々の構成を採り得ることは勿論である。
10…無線ネットワークシステム 12…基幹装置
14、14a、14c、18、18a〜18c…無線
16、16a〜16d…無線装置 24…クラスタ
50…スーパーフレーム 54…制御フレーム
56…データフレーム
62、64、68、70、71…タイムスロット
66…サブスロット 72…接続要求パケット
14、14a、14c、18、18a〜18c…無線
16、16a〜16d…無線装置 24…クラスタ
50…スーパーフレーム 54…制御フレーム
56…データフレーム
62、64、68、70、71…タイムスロット
66…サブスロット 72…接続要求パケット
Claims (2)
- 基幹装置を根元として複数の無線装置によりツリー状に形成されたマルチホップ無線ネットワーク方式の無線ネットワークシステムにおいて、
前記各無線装置は、該各無線装置から前記基幹装置への上り方向にパケットを送信するための上り方向制御スロットでは、常時、通信可能状態になり、一方で、パケットを送受信するために前記各無線装置にそれぞれ割り当てられた通信スロットのうち、自己に割り当てられた通信スロットでパケットを送信するとき、及び、他の無線装置に割り当てられた通信スロットで該他の無線装置からのパケットを中継するときにのみ通信可能状態になり、
前記基幹装置との間の中継経路の切替が発生した場合に、前記中継経路の切り替わった無線装置は、前記基幹装置との接続を要求するための接続要求パケットを発行して前記上り方向制御スロットで送信し、
前記接続要求パケットを受信した無線装置は、前記接続要求パケットの発行元の無線装置と前記基幹装置との間の新たな中継経路を構成する無線装置になったことを認識し、前記発行元の無線装置に割り当てられた通信スロットで通信可能状態になることを決定する
ことを特徴とする無線ネットワークシステム。 - 請求項1記載のシステムにおいて、
前記中継経路の切替前に当該中継経路を構成していた無線装置は、前記中継経路の切替後、前記発行元の無線装置に割り当てられた通信スロットで通信待機状態になることを決定する
ことを特徴とする無線ネットワークシステム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2009
- 2009-03-27 JP JP2009079967A patent/JP2010233072A/ja not_active Withdrawn
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