JP2009278305A - 放送受信機、および放送信号再生方法 - Google Patents

放送受信機、および放送信号再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】音質変化弊害を抑制しつつも、高品質な放送を効率良く再生する。
【解決手段】放送電波の受信品質に応じてデジタル放送信号とアナログ放送信号とを切り替えて択一的に再生する再生手段と、受信品質の経時変化を監視する経時変化監視手段と、監視された経時変化に基づき所定のウェイト時間を決定するウェイト時間決定手段と、受信品質の変動に伴い再生手段により再生放送信号が切り替えられた後、少なくとも決定されたウェイト時間が経過するまで該再生手段による再生放送信号の切替を禁止する切替禁止手段とを有する放送受信機を提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、放送受信機および放送信号再生方法に関連し、詳しくは、デジタルとアナログのハイブリッド放送の受信に適した放送受信機、およびそのような放送の再生に適した放送信号再生方法に関する。
近年、音響機器や映像機器等において音声や映像をデジタル形式で処理、管理することが一般化している。このような音響機器等における音声や映像のデジタル符号化の趨勢はラジオ放送の分野にも波及し、幾つかの方式のデジタルラジオ放送が規格化、実用化されている。例えば米国では、IBOC(In-Band On-Channel)と呼ばれるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)を利用したデジタルラジオ放送方式がiBiquity(アイビクイティ)社によって提案され、実用化されている。
ここで、従来のアナログラジオ放送は、各放送局に割り当てられた周波数帯域に周波数分布をもつ搬送波(以下、「アナログ搬送波」と記す。)により放送される。しかし、アナログ搬送波は、割り当てられた周波数帯域全てを使用して伝送されているわけではない。具体的には、隣接するチャネル(つまり、それぞれ異なる放送局に割り当てられた周波数帯域)のアナログ搬送波同士の干渉を避けるため、割り当てられた周波数帯域のうち中心部分のみがアナログ搬送波の伝送に使用され、それ以外の部分は使用されていない。つまり、アナログラジオ放送においては、アナログ搬送波に隣接する周波数帯(以下、「サイドバンド」という)が有効には活用されていない。
IBOC方式の信号伝送フォーマットには、従来有効活用されていなかったサイドバンドを使用してアナログ搬送波とともにデジタルラジオ放送信号を伝送するハイブリッドフォーマットや、サイドバンドを使用してデジタルラジオ放送信号のみを伝送するオールデジタルフォーマットなどが規定され、既存のアナログラジオ放送から多機能・高品位なオールデジタルフォーマット放送へと段階的に移行できるようにデザインされている。アナログラジオ放送からオールデジタル放送への過渡期においては、主に、ハイブリッドフォーマットによる信号伝送が使用され、同一周波数帯域によりアナログラジオ放送信号とデジタルラジオ放送信号がサイマルキャスト方式で伝送される。
IBOC方式のデジタルラジオ放送は、OFDM変調により信号伝送を行うため、アナログラジオ放送よりも周波数利用効率が高くマルチパスフェージングに耐性がある。すなわち、デジタルラジオ放送は、伝送容量が多くノイズ耐性が高いため、アナログラジオ放送よりも高音質である。したがって、IBOC方式のラジオ放送を受信するHD(High Definition)ラジオは、ハイブリッドフォーマット放送受信時に、受信電波の品質が一定レベル以上であればデジタルラジオ放送を、該品質が一定レベルに満たずデジタルラジオ放送信号をデコードできなければアナログラジオ放送を再生するように構成されている。これにより、より高音質なラジオ放送がユーザに提供されるとともにデコードエラーによって長い時間無音状態になることが避けられる。
ところで、放送基地局から遠く離れた弱電界地域や、都市部等のマルチパスフェージングの影響が強い場所等においては、受信電波の品質が上記一定レベルを跨いで頻繁に上下動することがある。この場合、HDラジオで再生される音声が高音質なデジタルラジオ放送と低音質なアナログラジオ放送との間で頻繁に切り替わり、それに伴う音質の急激な変化が繰り返される。このように音質が急激に変化して然も繰り返されるとユーザに違和感や不快感を与えかねない。このため、音質の急激な変化が繰り返される弊害(以下、「音質変化弊害」と記す。)が抑制される放送受信機の提供が望まれている。そこで、このような要望に応える放送受信機の一例が特許文献1に提案されている。
特許文献1には、同一内容でかつ画質・音質が互いに異なる高階層映像と低階層映像とを一チャンネル中に伝送するBS(Broadcasting Satellite)デジタル放送を受信可能な放送受信機が開示されている。該放送受信機は、受信信号のBER(Bit Error Rate)を計算し、計算結果に応じて映像の階層を切り替えて択一的に再生する。そして、映像の切替直後は、BERの変動に拘わらず少なくとも一定のウェイト時間切替動作を禁止する。これにより、受信電波の品質変動に起因した高階層映像と低階層映像との頻繁な切替が減少し、音質変化弊害が抑制される。
特開2001−78180号公報
特許文献1に記載の放送受信機において、ウェイト時間が十分に長く設定されている場合には、音質変化弊害が高い確率で避けられるようになる。ここで、例えば強電界地域であってもマルチパスフェージングの影響により受信電波の品質が一瞬だけ低下することがある。このとき受信信号のBERが一時的に高くなるため、高階層映像からノイズ耐性が比較的高い低階層映像に切り替わり、その後一定のウェイト時間が継続する。このため、受信電波の品質が元のレベルに戻りウェイト時間が経過するまでの期間、つまり、実際には高階層映像を再生できる期間中も低画質・低音質な低階層映像が再生されるといった不利な点がある。これは、ウェイト時間を短く設定することにより抑えることができる。しかし、ウェイト時間が短い場合、結局のところ、音質変化弊害が発生しやすくなる。このため、ウェイト時間の適切かつ妥当な設定が望まれるが、あらゆる状況に適したウェイト時間を予め設定することは事実上不可能である。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、音質変化弊害を抑制しつつも、高品質な放送を効率良く再生することができる放送受信機および放送信号再生方法を提供することにある。
上記の課題を解決する本発明の一形態に係る放送受信機は、デジタル放送信号と、該デジタル放送信号に対応するアナログ放送信号を受信する放送受信機であり、放送電波の受信品質に応じてデジタル放送信号とアナログ放送信号とを切り替えて択一的に再生する再生手段と、受信品質の経時変化を監視する経時変化監視手段と、監視された経時変化に基づき所定のウェイト時間を決定するウェイト時間決定手段と、受信品質の変動に伴い再生手段により再生放送信号が切り替えられた後、少なくとも決定されたウェイト時間が経過するまで該再生手段による再生放送信号の切替を禁止する切替禁止手段とを有することを特徴とする。
このように構成された放送受信機によれば、ウェイト時間は、その時々の受信状態に適した時間に決定される。ウェイト時間は、例えば受信状態が不安定であれば音質変化弊害を抑制するため長い時間に決定される。また、受信状態が改善傾向にあれば音質変化弊害が発生しにくいため短い時間に決定される。ウェイト時間を短い時間に決定することにより、従来犠牲となっていたデジタル放送の再生時間をウェイト時間を設定しない場合と比べて遜色ない程度まで確保することができる。すなわち、本発明に係る放送受信機においては、音質変化弊害を抑制しつつも、高品質なデジタル放送を効率良く再生することができる。
ここで、ウェイト時間決定手段は、監視された経時変化に基づき受信状態を推定し、該推定された受信状態が改善傾向を示す場合にはウェイト時間を第一の時間に決定し、該受信状態が悪化傾向を示す場合には該ウェイト時間を第一の時間より長い第二の時間に決定することができる。
また、経時変化監視手段は、受信品質を所定時間毎にサンプリングする構成としてもよい。この場合において、ウェイト時間決定手段は、サンプリングされた複数の受信品質に基づき受信状態を推定する。
なお、本発明に係る放送受信機は、移動体への取り付けに適した車載型受信機としてもよい。
また、上記の課題を解決する本発明の一形態に係る放送信号再生方法は、デジタル放送信号と、該デジタル放送信号に対応するアナログ放送信号を受信し、放送電波の受信品質に応じて該デジタル放送信号またはアナログ放送信号の何れか一方を再生する方法に関する。当該放送信号再生方法は、受信品質の経時変化を監視する経時変化監視ステップと、監視された経時変化に基づき所定のウェイト時間を決定するウェイト時間決定ステップと、受信品質が所定レベルを跨いで変動したときに再生放送信号を切り替える再生切替ステップと、再生放送信号切替後少なくとも決定されたウェイト時間が経過するまで、受信品質の変動に拘わらず該再生放送信号の切替を禁止する切替禁止ステップとを実行することを特徴とした方法である。
このような放送信号再生方法によれば、ウェイト時間は、その時々の受信状態に適した時間に決定される。ウェイト時間は、例えば受信状態が不安定であれば音質変化弊害を抑制するため長い時間に決定される。また、受信状態が改善傾向にあれば音質変化弊害が発生しにくいため短い時間に決定される。ウェイト時間を短い時間に決定することにより、従来犠牲となっていたデジタル放送の再生時間をウェイト時間を設定しない場合と比べて遜色ない程度まで確保することができる。すなわち、本発明に係る放送信号再生方法においては、音質変化弊害を抑制しつつも、高品質なデジタル放送を効率良く再生することができる。
ウェイト時間決定ステップには、例えば、監視された経時変化に基づき受信状態を推定する推定ステップと、推定された受信状態が改善傾向を示す場合にはウェイト時間を第一の時間に決定し、該受信状態が悪化傾向を示す場合には該ウェイト時間を第一の時間より長い第二の時間に決定する決定ステップが含まれる。
経時変化監視ステップにおいては、受信品質を所定時間毎にサンプリングするようにしてもよい。この場合、推定ステップにおいて、サンプリングされた複数の受信品質に基づき受信状態を推定するようにしてもよい。
本発明に係る放送受信機および放送信号再生方法によれば、音質変化弊害を抑制しつつも、高品質な放送を効率良く再生することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の放送受信機について説明する。本実施形態の放送受信機は、IBOC方式のラジオ放送の受信に適したHDラジオである。
図1は、本発明の実施形態のHDラジオ100の構成を示したブロック図である。HDラジオ100は、車載型の放送受信機であり、一般乗用車等に装備される。HDラジオ100は、IBOC方式のラジオ放送に適合して設計され、当該方式の信号フォーマットによる放送信号を受信して処理するように構成されている。
HDラジオ100の各ブロックは、バスにより特定のハードウェアと接続されており、HDラジオ100本体の電源投入後、該バスを介して必要なハードウェアにアクセスする。例えばHDラジオ100の電源投入直後は、マイクロコンピュータ10がROM(Read-Only Memory)12にアクセスする。マイクロコンピュータ10は、ROM12に格納されたファームウェアを呼び出してRAM(Random-Access Memory)14のワークエリアに展開し、HDラジオ100のシステムを起動する。これにより、各ブロックが必要に応じて処理を実行して、選局されたラジオ放送が再生されるようになる。
電源投入直後に選局されるラジオ放送は、前回使用時に最後に選局されていたチャンネル(以下、「ラストチャンネル」と記す。)に対応する放送である。ラストチャンネルの情報は、例えばマイクロコンピュータ10のレジスタ(不図示)に保持されている。また、電源投入後は、ユーザが必要に応じてHDラジオ100を操作してチャンネルを選局する。このときラストチャンネルの情報は、選局操作により選局されたチャンネルの情報に上書きされる。CPU20は、チューナ20に対してPLL(Phase Locked Loop)制御を実行する際、レジスタに保持されたラストチャンネル、または選局操作に応じてラストチャンネルに上書きされたチャンネルの情報を参照する。
ユーザ操作を受け付けるデバイスとして、図示省略された操作キー(ハードウェアキー)がHDラジオ100本体のフロントパネルに設けられている。フロントパネルには、さらに、選局中のラジオ放送に関する情報等を表示する液晶ディスプレイ16も設けられている。液晶ディスプレイ16はタッチパネル構造を有し、入力装置としての機能も兼ね備えている。ユーザは、フロントパネル上の操作キーに対するキー入力や、液晶ディスプレイ18に表示されるGUI(Graphical User Interface)に対するフィンガータッチやペンタッチを行うことにより、HDラジオ100を操作することができる。また、図示省略されたリモート・コントローラによってもHDラジオ100を操作することができる。
HDラジオ100は、以下のようにしてラジオ放送信号を処理して再生する。すなわち、HDラジオ100は、アンテナ18により電波を受信してチューナ20に出力する。チューナ20は、レジスタに保持されたチャンネルの情報に基づきPLL動作して、受信された電波から選局チャンネルのRF(Radio Frequency)信号を抽出する。そして、抽出されたRF信号をフィルタリング等の信号処理に適した中間周波数に周波数変換する。チューナ20は、RF信号の周波数変換によって得られたIF(Intermediate Frequency)信号を予め設定された強度に増幅してDSP(Digital Signal Processor)22に出力する。
DSP22は、A/Dコンバータ222、アナログIF制御回路224、オーディオ信号処理回路226、およびD/Aコンバータ228を有する。チューナ20により出力されたIF信号は、A/Dコンバータ222に入力されてA/D変換処理され、アナログIF制御回路224とIDM(IBOC Digital Module)24に分配出力される。
アナログIF制御回路224は、アナログラジオ放送信号の復調処理等を行う信号処理回路である。具体的には、アナログIF制御回路224は、A/Dコンバータ222からのIF信号をアナログ搬送波の帯域のIF信号に帯域制限する。次いで、帯域制限されたIF信号をアナログラジオ放送のオーディオ信号(以下、「アナログオーディオ信号」と記す。)に復調する。アナログIF制御回路224は、復調されたアナログオーディオ信号に、ノイズ成分除去、ミュート、ハイカット、セパレーション制御等の選局チャネルの受信状態に応じた処理を施してオーディオ信号処理部226に出力する。
また、アナログIF制御回路224にはSメータ224aが内蔵されている。Sメータ224aは、アナログオーディオ信号復調時の検波電圧の値(以下、「Sメータ値」と記す。)を所定のサンプリング周期で測定してマイクロコンピュータ10に出力する。Sメータ値は、受信電波に比例した直流電圧であり、受信電波のCN比と相関がある。したがって、マイクロコンピュータ10は、Sメータ値を監視することにより受信電波のCN比を推定することができる。
一方、IDM24は、IBOC方式のデジタルラジオ放送信号処理専用に設計されたモジュールである。IDM24は、A/Dコンバータ222からのIF信号を直交復調して同期再生によりガードインターバル長等にあった受信同期を確立し、ビットストリームに変換する。ここで変換されるビットストリームは、例えばPAC(Perceptual Audio Corder)形式により圧縮符号化されたビットストリームである。IDM24は、IF信号がデジタルラジオ放送信号を含む場合に限り受信同期を確立することができる。IDM24は、例えば選局チャンネルが設定または変更される毎に、復調処理結果に基づきステータス情報(例えば受信同期が確立できたか否か等の情報)を生成してマイクロコンピュータ10に出力する。
IDM24は、さらに、ビットストリームに含まれる誤り訂正符号をデコードして、該ビットストリームに対する誤り訂正処理を行う。次いで、誤り訂正されたビットストリームをオーディオストリームとデータストリームに分離する。IDM24は、分離されたオーディオストリームを各パケットのタイムスタンプにしたがったタイミングでデコードしてデジタルラジオ放送のオーディオ信号(以下、「デジタルオーディオ信号」と記す。)を再構築し、オーディオ信号処理部226に出力する。また、オーディオストリームに対するデコード処理と同時に、分離されたデータストリームをデコードして所定の付帯データに変換しRAM14に転送する。付帯データは、ID3タグを用いて記述されたデータであって、例えば放送サービスを提供する事業者名、放送中の曲名、アーティスト名等の選局中のラジオ放送に関する情報を有する。
また、IDM24は、誤り訂正処理により算出されたBER等に基づき受信信号の品質を測定し、測定結果に基づきブレンド信号を生成してオーディオ信号処理部226に出力する。さらに、受信同期確立やデジタルオーディオ信号のデコードの成否等に応じてスイッチ回路(不図示)を制御してオーディオ信号処理部226の所定のポートにHi信号またはLow信号を入力させる。具体的には、IDM24は、デジタルオーディオ信号をデコードした場合にはHi信号を、それ以外の(例えば受信同期エラーやデコードエラーが発生した)場合にはLow信号を、該所定のポートに入力させる。
このようにしてオーディオ信号処理部226には、アナログオーディオ信号、デジタルオーディオ信号、ブレンド信号、およびHi信号またはLow信号が入力される。オーディオ信号処理部226は、ブレンド信号に基づきアナログオーディオ信号とデジタルオーディオ信号に対するブレンド処理を行うとともに、Hi信号入力期間にはデジタルオーディオ信号を、Low信号入力期間にはアナログオーディオ信号を、D/Aコンバータ228に出力する。すなわち、オーディオ信号処理部226は、選局チャンネルがオールデジタルフォーマット放送またはハイブリッドフォーマット放送(以下、「HD放送」と記す。)の場合にはIDM24においてデジタルオーディオ信号が正常にデコードされる限り、デジタルオーディオ信号を優先して出力する。
D/Aコンバータ228に入力されたオーディオ信号は、D/A変換されてパワーアンプ26に入力される。パワーアンプ26に入力されたオーディオ信号は、ボリュームに応じた増幅率によりゲイン調整されてスピーカ28に出力される。以上の信号処理を経て、選局チャンネルのラジオ放送がスピーカ28により再生される。
また、マイクロコンピュータ10は、RAM14に転送された付帯データを解析して描画データを生成し、液晶ディスプレイ16に出力する。これにより、選局中のラジオ放送に関する情報が液晶ディスプレイ16に表示される。
ところで、IBOC方式においては、ベースバンド信号がシンボル長の長いQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)により一次変調されているため、マルチパスフェージングに強く移動体での受信に適した信号伝送が実現されている。しかし、高層ビルが密集してマルチパスフェージングの影響が著しく強い場所等においては受信状態が不安定となり、受信電波のCN比が所定レベル(デジタルオーディオ信号の正常なデコード処理が保証される最低限の品質)を跨いで頻繁に上下動する虞がある。
このときHD放送を選局していると、IDM24からオーディオ信号処理部226にHi信号とLow信号が繰り返し交互に入力される。したがって、オーディオ信号処理部226は、ブレンド信号に基づきアナログオーディオ信号とデジタルオーディオ信号を頻繁に切り替えて出力することになる。ここで、オーディオ信号処理部226は、ブレンド信号に基づきアナログオーディオ信号とデジタルオーディオ信号との遅延量、品質差等を考慮した補正を行いながら信号のミキシングを行いつつ、切替前後の音声がスムーズにつながるように出力オーディオ信号を切り替える。しかし、このようなブレンド処理を行い音声を切り替えた場合でも、デジタルオーディオ信号とアナログオーディオ信号の各形式の音声自体には依然として音質差があるため、音質変化弊害は発生する。
そこで、HDラジオ100は、以下に説明される図2のSメータ値保存処理および図3のウェイト時間決定処理を実行することにより、音質変化弊害が抑制されるように構成されている。
図2は、マイクロコンピュータ10が実行するSメータ値保存処理のフローチャート図である。マイクロコンピュータ10は、電源投入後または選局操作がなされた時、IDM24からのステータス情報に基づき選局チャンネルがHD放送であるか否かを判定する(ステップ1、以下、本明細書および図面においてステップを「S」と略記する)。マイクロコンピュータ10は、選局チャンネルがHD放送でなければ(S2:NO)、図2のSメータ値保存処理を終了する。一方、選局チャンネルがHD放送であれば(S2:YES)、Sメータ224aにより測定された直近の所定数のSメータ値の平均値(以下、「Sメータ平均値」と記す。)を計算する(S2)。マイクロコンピュータ10は、計算されたSメータ平均値をレジスタに保持する(S3)。次いで、所定時間待機した後(S4)、S2の処理に復帰してS2〜S4の処理を再度実行する。なお、図2のSメータ値保存処理の実行途中に選局操作がなされた場合、マイクロコンピュータ10による処理は、S1の処理に強制的に戻される。
図3は、マイクロコンピュータ10が実行するウェイト時間決定処理のフローチャート図である。マイクロコンピュータ10は、図2のSメータ値保存処理を実行する期間、図3のウェイト時間決定処理を該Sメータ値保存処理と並行して実行する。図3のウェイト時間決定処理は、図2のSメータ値保存処理とともに実行開始され、また、終了される。
図3に示されるように、マイクロコンピュータ10は、レジスタに保持されるSメータ平均値がn回(例えば3回)連続して前回のSメータ平均値よりも大きい場合(S11:YES)、H信号を出力して(S12)、処理をS16に進める。また、Sメータ平均値がn回連続して前回のSメータ平均値よりも小さい場合には(S11:NO、S13:YES)、L信号を出力して(S14)、処理をS16に進める。それ以外、つまり、Sメータ平均値の増加または減少がn回連続しない場合には(S11:NO、S13:NO)、F信号を出力して(S15)、処理をS16に進める。
S16の処理においてマイクロコンピュータ10は、S12、S14、またはS15の処理で出力された信号に基づきウェイト時間を決定する。詳しくは、H信号の場合は、Sメータ平均値が増加傾向、すなわち受信電波のCN比が改善傾向にある。このため、マイクロコンピュータ10は、受信状態が良好で音質変化弊害が発生しにくい状況にあるとしてウェイト時間を短めの時間(S時間)に決定する。L信号の場合は、Sメータ平均値が減少傾向、すなわち受信電波のCN比が悪化傾向にある。このため、マイクロコンピュータ10は、受信状態が不安定で音質変化弊害が発生しやすい状況にあるとしてウェイト時間を長めの時間(S時間よりも長いL時間)に決定する。F信号の場合は、Sメータ平均値の推移が一定でなく受信電波のCN比が改善傾向にあるか悪化傾向にあるか判断しにくい。このため、マイクロコンピュータ10は、ウェイト時間を中程度の時間(S時間よりも長くL時間よりも短いa時間)に決定する。一例として、a時間はS時間の6倍であり、L時間はS時間の10倍である。
マイクロコンピュータ10は、S16の処理で決定されたウェイト時間の情報をレジスタに上書き保存する(S17)。次いで、図2のSメータ値保存処理で新たなSメータ平均値が計算されるまで待機する(S18)。待機後、S11の処理に復帰してS11〜S18の処理を再度実行する。
このようにして決定されたウェイト時間は、オーディオ信号処理部226による出力オーディオ信号切替後の再度の信号切替を所定時間禁止するために用いられる。次に、図4および図5を用いて、ウェイト時間が加味された出力オーディオ信号の切替について説明する。
図4は、Sメータ値の時間的推移を示すグラフである。図4のグラフの縦軸はSメータ値を、横軸は時間を示す。グラフ中プロットは、図2のSメータ値保存処理で計算された各Sメータ平均値である。Sメータ値の時間的推移は、各プロットを用いて最小二乗法により計算された実線300により示される。実線300の所々から下方に延びる直線302、304、306、308、310、312、314は、マルチパスフェージングによりSメータ値が瞬間的に低下したことを示す。時刻t1、t2、t3、t4、t5、t6、t7はそれぞれ、直線302、304、306、308、310、312、314により示されるSメータ値が低下した時刻を示す。太線316は、デジタルオーディオ信号の正常なデコード処理が保証される最低限のCN比に対応するSメータ値(以下、「Sメータ閾値」と記す。)を示す。
例えば時刻t1においてSメータ値がSメータ閾値を下回るとCN比低下により受信同期エラーやデコードエラー等が発生する。このため、オーディオ信号処理部226の所定のポートに対する入力がHi信号からLow信号に切り替わる。オーディオ信号処理部226は、Low信号への切替に伴い、出力オーディオ信号をデジタルオーディオ信号からアナログオーディオ信号に切り替える。また、Low信号への切替と同時に、マイクロコンピュータ10は、監視中のSメータ値やステータス情報により出力オーディオ信号の切替を検知する。次いで、図3のウェイト時間決定処理で決定されたウェイト時間の情報をレジスタから読み出してオーディオ信号処理部226に出力する。このとき出力されるウェイト時間情報は、直前のSメータ平均値が3回連続して前回のSメータ平均値よりも大きいため、S時間を表す情報となる。
Sメータ値は、時刻t1経過後速やかにSメータ閾値を超える値に戻る。このため、IDM24は、デジタルオーディオ信号を再びデコードできるようになる。したがって、オーディオ信号処理部226の所定のポートに対する入力がLow信号からHi信号に戻る。オーディオ信号処理部226は、通常であればHi信号の入力にしたがい出力オーディオ信号を切り替えてデジタルオーディオ信号を出力する。しかし、ウェイト時間情報が入力された直後に限っては、Low信号やHi信号よりもウェイト時間情報を優先させて出力オーディオ信号を決定する。このため、オーディオ信号処理部226は、ウェイト時間(S時間)経過するまで出力オーディオ信号をアナログオーディオ信号からデジタルオーディオ信号に切り替えない。
各時刻t2〜t7(時刻t6を除く)においても時刻t1の場合と同様の処理が行われる。時刻t2、t3、t4、t5、t7に対応するウェイト時間はそれぞれ、S時間、S時間、a時間、L時間、L時間になる。
図5は、本実施形態のHDラジオ100と従来のHDラジオとを比較検討するための図であって、図4に示されるようにSメータ値が推移した場合の、デジタルオーディオ信号とアナログオーディオ信号の出力期間を示す。図5(a)はHDラジオ100における出力期間を、図5(b)は従来のHDラジオにおける出力期間を示す。なお、図5(b)の従来のHDラジオにおいては、ウェイト時間は一定時間(a時間)となっている。また、該従来のHDラジオの構成は、図2のSメータ値保存処理および図3のウェイト時間決定処理を実行しない点を除き、HDラジオ100のものと同一である。
図5(a)と(b)を比較検討すると、HDラジオ100は、出力オーディオ信号の切替回数が従来のHDラジオよりも少ないことが分かる。特に時刻t5〜t7の期間、従来のHDラジオが出力オーディオ信号を4回切り替えているのに対し、HDラジオ100は出力オーディオ信号を僅か2回しか切り替えていない。すなわち、HDラジオ100においては、音質変化弊害が従来のHDラジオよりもさらに抑制されている。
図5(a)と(b)をさらに比較検討すると、HDラジオ100は、従来のHDラジオと比べてデジタルオーディオ信号の出力期間が長いことが分かる。特に時刻t1〜t4の期間は、従来のHDラジオと比べてデジタルオーディオ信号の出力期間が長い。すなわち、HDラジオ100は、音質変化弊害を抑制しつつも、高音質なデジタルラジオ放送を効率良く再生することができる。
このようにHDラジオ100は、ウェイト時間を設定することで音質変化弊害を抑制するとともに、ウェイト時間の設定に伴い従来犠牲となっていたデジタルラジオ放送の再生時間をウェイト時間を設定しない場合と比べて遜色ない程度まで確保することができる。これは、Sメータ値低下時にSメータ値の直前の推移に基づき受信状態を推定し、推定された受信状態に適したウェイト時間を設定しているためである。具体的には、HDラジオ100は、推定される受信状態が良好であればCN比が安定し音質変化弊害が発生しにくいと判断してウェイト時間を短く設定する。一方、該受信状態が悪化していればCN比が不安定で音質変化弊害が発生しやすいと判断してウェイト時間を長く設定する。このように受信状態に適したウェイト時間を設定することにより、音質変化弊害を抑制することと、デジタルラジオ放送を効率良く再生することという従来二律背反の関係にあった課題を同時に達成している。
以上が本発明の実施形態の説明である。本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば本発明に係る放送受信機は、XM Satellite Radio、Sirius Satellite Radio、DAB(Digital Audio Broadcasting)、DMB(Digital Multimedia Broadcasting)、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial)等の他のデジタル放送方式の受信に適した装置としてもよい。
また、図3のS16の処理においては、予め定められた時間(S時間、a時間、L時間)のなかからウェイト時間が選択されているが、別の実施形態においては、例えばSメータ平均値の推移に基づき最適なウェイト時間が計算されるようにしてもよい。この場合、音質変化弊害の抑制とデジタルラジオ放送の再生時間の確保がより好適に達成される。
本発明の実施形態のHDラジオの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態で実行されるSメータ値保存処理を示すフローチャート図である。 本発明の実施形態で実行されるウェイト時間決定処理を示すフローチャート図である。 Sメータ値の時間的推移を示すグラフである。 本発明の実施形態のHDラジオと従来のHDラジオとを比較検討するための図である。
符号の説明
10 マイクロコンピュータ
12 ROM
14 RAM
16 液晶ディスプレイ
18 アンテナ
20 チューナ
22 DSP
24 IDM
26 パワーアンプ
28 スピーカ
100 HDラジオ

Claims (7)

  1. デジタル放送信号と、該デジタル放送信号に対応するアナログ放送信号を受信する放送受信機において、
    放送電波の受信品質に応じて前記デジタル放送信号とアナログ放送信号とを切り替えて択一的に再生する再生手段と、
    前記受信品質の経時変化を監視する経時変化監視手段と、
    前記監視された経時変化に基づき所定のウェイト時間を決定するウェイト時間決定手段と、
    前記受信品質の変動に伴い前記再生手段により再生放送信号が切り替えられた後、少なくとも前記決定されたウェイト時間が経過するまで該再生手段による再生放送信号の切替を禁止する切替禁止手段と、
    を有することを特徴とする放送受信機。
  2. 前記ウェイト時間決定手段は、前記監視された経時変化に基づき受信状態を推定し、該推定された受信状態が改善傾向を示す場合には前記ウェイト時間を第一の時間に決定し、該受信状態が悪化傾向を示す場合には該ウェイト時間を前記第一の時間より長い第二の時間に決定することを特徴とする、請求項1に記載の放送受信機。
  3. 前記経時変化監視手段は、前記受信品質を所定時間毎にサンプリングし、
    前記ウェイト時間決定手段は、前記サンプリングされた複数の受信品質に基づき前記受信状態を推定することを特徴とする、請求項2に記載の放送受信機。
  4. 移動体への取り付けに適していることを特徴とする、請求項1から請求項3の何れかに記載の放送受信機。
  5. デジタル放送信号と、該デジタル放送信号に対応するアナログ放送信号を受信し、放送電波の受信品質に応じて該デジタル放送信号またはアナログ放送信号の何れか一方を再生する放送信号再生方法において、
    前記受信品質の経時変化を監視する経時変化監視ステップと、
    前記監視された経時変化に基づき所定のウェイト時間を決定するウェイト時間決定ステップと、
    前記受信品質が所定レベルを跨いで変動したときに再生放送信号を切り替える再生切替ステップと、
    前記再生放送信号切替後少なくとも前記決定されたウェイト時間が経過するまで、前記受信品質の変動に拘わらず該再生放送信号の切替を禁止する切替禁止ステップと、
    を実行することを特徴とする放送信号再生方法。
  6. 前記ウェイト時間決定ステップは、
    前記監視された経時変化に基づき受信状態を推定する推定ステップと、
    前記推定された受信状態が改善傾向を示す場合には前記ウェイト時間を第一の時間に決定し、該受信状態が悪化傾向を示す場合には該ウェイト時間を前記第一の時間より長い第二の時間に決定する決定ステップと、
    を含むことを特徴とする、請求項5に記載の放送信号再生方法。
  7. 前記経時変化監視ステップにおいて、前記受信品質を所定時間毎にサンプリングし、
    前記推定ステップにおいて、前記サンプリングされた複数の受信品質に基づき前記受信状態を推定することを特徴とする、請求項6に記載の放送信号再生方法。
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