JP2009277264A - 磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法および磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法および磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な記録再生特性を確保しつつ、記録密度を大幅に増加させることができ、特に、書き込み特性に優れた磁気記録媒体、その製造方法およびこの磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置を提供する。
【解決手段】本発明では、互いに分離した複数の磁気記録パターン部4aを有する磁気記録媒体を製造するに際して、非磁性基板1上に連続して磁性層4を形成した後、該磁性層4の磁気記録パターン部4aに対応する領域に、イオン注入または反応性プラズマ処理を行い、磁性層4の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を低下させることにより、磁気記録パターン部4aを形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハードディスク装置等に用いられる磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置に関するものである。
近年、ハードディスク装置、フレキシブルディスク装置、磁気テープ装置等の磁気記録装置の適用範囲は著しく増大され、その重要性が増すと共に、これらの装置に用いられる磁気記録媒体について、その記録密度の著しい向上が図られつつある。特にMR(magnet resistive)ヘッド、およびPRML技術の導入以来、単位面積あたりの記録密度の上昇はさらに激しさを増し、近年ではさらにGMR(giant magnet resistive)ヘッド、TMR(tunneling magnet resistive)ヘッドなども導入され、1年に約100%ものペースで増加を続けている。これらの磁気記録媒体については、今後更に高記録密度を達成することが要求されており、そのために磁気記録層の高信号対雑音比(SNR)、高分解能を達成することが要求されている。また、近年では線記録密度の向上と同時にトラック密度の増加によって記録密度を上昇させようとする努力も続けられている。
最新の磁気記録装置ではトラック密度が300kTPIにも達している。しかし、トラック密度を上げていくと、隣接するトラック間の磁気記録情報が互いに干渉し合い、その境界領域の磁化遷移領域がノイズ源となり、SNRを損なうという問題が生じやすくなる。このことは、そのままビットエラーレート(Bit Error rate)の悪化につながるため、記録密度の向上に対して障害となっている。
磁気記録媒体の記録密度を上昇させるためには、磁気記録媒体上の各記録ビットのサイズをより微細なものとし、各記録ビットに可能な限り大きな飽和磁化と磁性膜厚を確保する必要がある。しかし、記録ビットを微細化していくと、1ビット当たりの磁化最小体積が小さくなり、熱揺らぎによる磁化反転で記録データが消失するという問題が生じる。
また、トラック密度が高くなると、トラック間距離が近づくために、磁気記録装置は極めて高精度のトラックサーボ技術を要求されるという問題も生じる。
これに対しては、記録を広いトラック幅で行い、再生を、記録時よりも狭いトラック幅で行うようにすることにより、隣接トラックからの影響をできるだけ排除する方法が一般的に用いられている。しかし、この方法ではトラック間の影響を最小限に抑えることができる反面、再生出力を十分得ることが困難であり、そのために十分なSNRを確保することがむずかしいという問題がある。
以上のような熱揺らぎの問題を解消し、さらに、SNRの確保及び十分な出力の確保を達成する方法の一つとして、記録媒体表面にトラックに沿った凹凸を形成する等により、記録トラック同士を物理的または磁気的に分離して、隣接トラック間の干渉を抑えることにより、トラック密度を上げようとする試みがなされている。なお、以下では、このような技術をディスクリートトラック法、それによって製造された磁気記録媒体をディスクリートトラック媒体と呼ぶ。
さらに、ディスクリートトラック媒体のトラック部分をさらにビット単位で分離したビットパターン媒体を製造する試みもなされている。
ディスクリートトラック媒体の一例として、表面に凹凸パターンを形成した非磁性基板上に磁性層を形成することによって、物理的に分離した磁気記録トラック及びサーボ信号パターンを形成した磁気記録媒体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、このディスクリートトラック媒体では、磁性層に凹凸加工を施したり、その後、この凹凸を非磁性層で埋めて表面平坦化したりするために、ナノレベルの微細加工技術が必要であり、製造コストがかかるという問題がある。
そこで、ディスクリートトラック媒体の製造方法として、あらかじめ形成した磁性層の、磁気トラック同士の間の領域(磁気トラック間領域)に、窒素、酸素等のイオンを注入し、または、レーザ光を照射することにより、この領域の磁気的な特性を変化させ、磁気トラック同士を磁気トラック間領域を介して分離する方法が開示されている(特許文献2〜4参照。)。
また、このディスクリートトラック媒体においても、磁気記録トラック内で記録ビット間の磁壁の移動に起因する情報の消失が起こる可能性がある。この問題を解決するために、ディスクリートトラック媒体の磁気記録トラック内にピンニングサイトを作り、磁壁の移動を抑えることで、磁壁の移動に起因する情報の消失を防ぐ技術が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
特開2004−164692号公報 特開平5−205257号公報 特開2006−209952号公報 特開2006−309841号公報 特開平11−31318号公報
前述のように、従来のディスクリートトラック媒体やビットパターン媒体の製造方法では、あらかじめ形成した連続した磁性層の磁気トラック間領域または磁気ビット間領域に、窒素、酸素等のイオンを注入したり、レーザ光を照射したりすることにより、その部分の磁気的な特性を変化させている。この方法では、磁気トラック間領域または磁気ビット間領域をイオン注入等により非磁性化することを理想としているものの、この領域の磁性を完全になくすことは困難であった。
本願発明者の研究によると、従来の方法で製造したディスクリートトラック媒体やビットパターン媒体では、磁気トラック間領域または磁気ビット間領域に磁性がわずかに残留し、この領域に残留した磁性結晶粒が、磁気トラック上の磁性結晶粒とが交換結合する。このことが、これら媒体の磁気記録再生特性を悪化させていた。
また、従来のディスクリート媒体では、磁気記録媒体の高密度化に伴う磁気記録再生ヘッドの小型化に対応するのが難しいという問題もある。
すなわち、ヘッドが小型化すると、発生する磁界が小さくなる。
一方、従来の磁気記録媒体では、高密度記録を達成するためには磁気異方性定数(Ku)を高くする必要がある。しかし、小型化したヘッドでは、このような高Ku媒体に対しては、書き込みに際する記録磁界が不足してしまい、十分な書き込み特性(writability)を得るのが難しい。
本発明は、十分な記録再生特性を確保しつつ、記録密度を大幅に増加させることができ、特に、書き込み特性に優れた磁気記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
(1)本発明は、互いに分離した複数の磁気記録パターン部を有する磁気記録媒体の製造方法であって、非磁性基板上に連続した磁性層を形成した後、該磁性層の前記磁気記録パターン部に対応する領域に、イオン注入処理または反応性プラズマ処理の少なくともいずれかの処理を行うことにより、前記磁性層の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を低下させて、該箇所を磁気記録パターン部とすることを特徴とする。
(2)本発明は、前記イオン注入処理または反応性プラズマ処理を施した後の磁気記録パターン部における磁性層の保磁力が、1000 Oe〜6000 Oeの範囲内であり、処理を施す前の磁性層の保磁力と、処理を施した後の磁気記録パターン部における磁性層の保磁力との差が、500 Oe〜5000 Oeの範囲内であることを特徴とする。
(3)本発明は、(1)または(2)に記載のイオン注入処理またはプラズマ処理を施す前の磁性層の磁気異方性定数が、5×10erg/cc以上であり、処理を施した後の磁気記録パターン部における磁性層の磁気異方性定数が、3×10erg/cc未満であることを特徴とする。
(4)本発明において、前記磁性層は、FePt系合金、CoPt系合金、FePd系合金、CoPd系合金のいずれかを主成分とし、前記磁性層の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を低下させる処理は、Ptイオンの注入であることを特徴とする。
(5)本発明において、(1)〜(4)のいずれかに記載の磁性層の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を低下させる処理は、酸素イオンを含有する反応性プラズマによる処理でも良い。
(6)本発明において、(1)〜(4)のいずれかに記載の磁性層の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を低下させる処理は、ハロゲンイオンを含有する反応性プラズマによる処理でも良い。
(7)本発明において、(1)〜(6)の何れかに記載の各磁気記録パターン部は、記録トラック、記録ビット、サーボ信号の少なくともいずれかで良い。
(8)前記(7)に記載の各磁気記録パターン部の少なくともいずれかは、記録ビットでも良い。
(9)本発明の磁気記録媒体は、互いに分離した複数の磁気記録パターン部を有する磁気記録媒体であって、前記磁気記録パターン部は、保磁力が1000 Oe〜6000 Oeの範囲内であり、磁気異方性定数が5×10erg/cc未満であり、前記磁気記録パターン部の周囲の領域は、保磁力が磁気記録パターン部の保磁力より500 Oe〜5000 Oeの範囲内で高く、磁気異方性定数が3×10erg/cc以上であることを特徴とする。
(10)本発明の磁気記録再生装置は、(9)に記載の磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を記録トラック方向に駆動する媒体駆動手段と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対運動させるヘッド運動手段と、磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号の再生を行う記録再生信号処理手段とを具備してなる。
本発明によって製造される磁気記録媒体は、互いに分離した複数の磁気記録パターン部が設定されている。そして、本発明では、磁性層の磁気記録パターン部に対応する領域に、反応性プラズマ処理またはイオン注入を行うことにより、磁性層の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を低下させて、磁気記録パターン部を形成する。このようにして製造された磁気記録媒体は、磁気記録パターン部が、その周囲の領域に比べて、保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)が低いものとなっている。
このような磁気記録媒体では、隣合う磁気記録パターン部同士が、その間の領域、すなわち保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)が高い領域によって確実に分離され、磁気記録パターン部間での干渉を抑えることができる。
また、磁気記録パターン部の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)が周囲の領域よりも低く、磁気記録パターン部の磁壁が周囲の磁性体によって効果的にピンニングされるため、磁気記録パターン部の磁化が容易となる。このため、比較的書き込み磁界の小さい記録ヘッドを用いた場合でも、磁気記録パターン部に、確実に書き込みを行うことができ、優れた書き込み特性を得ることができる。
本発明を実施するための最良の形態を、図を用いて詳細に説明する。
本発明は、互いに分離した複数の磁気記録パターン部を有する磁気記録媒体の製造方法であり、非磁性基板上に連続した磁性層を形成した後、該磁性層の磁気記録パターン部に対応する領域に、イオン注入または反応性プラズマ処理を施して、この領域の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を低下させることにより、磁気記録パターン部を形成することを特徴とする。
前述したように、従来のディスクリートトラック媒体やビットパターン媒体においては、非磁性基板の上に形成した連続した磁性層の内で、磁気記録パターン部の周囲の部分にイオン注入等を行い、該箇所の磁気的な特性を変化させることによって、磁気記録パターンを形成するのが一般的であった。そして、ここでいう磁気的な特性の変化とは、イオン注入等を行った箇所における保磁力等の磁気特性を低下させること、望ましくは、該箇所を非磁性化することを指していた。
しかしながら、本願発明者の研究によると、イオン注入等で磁性体を非磁性化するためには長い処理時間を要し、また、それによってもイオン注入箇所を完全に非磁性化することは困難であった。そして、この領域にわずかに残留する磁性結晶粒は、磁気トラック上の磁性結晶粒と交換結合し、これがディスクリートトラック媒体やビットパターン媒体の磁気記録再生特性を悪化させていた。
本発明の磁気記録媒体では、従来とは逆に、連続する磁性層の一部で磁気記録パターン部とする箇所にイオン等を注入し、該箇所の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を下げることによって、磁気記録パターン部の周囲の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を、磁気記録パターン部に比べて相対的に高くする。このような構成で磁気記録パターン部を形成することにより、磁気記録媒体の書き込み特性(writability)を飛躍的に向上できることが明らかになった。以下、本発明の構成について、詳述する。
「磁気記録媒体」
まず、本発明の磁気記録媒体の製造方法によって製造される磁気記録媒体の一例について説明する。
図1は、本発明の製造方法によって製造される磁気記録媒体を示す縦断面図である。
図1に示す磁気記録媒体は、記録ビット(磁気記録パターン部4a)同士が、該記録ビットと磁気特性が異なる磁気記録パターン部間領域4bによって分離されたビットパターン媒体である。この磁気記録媒体は、非磁性基板1上に、磁気記録層2及び保護膜5がこの順に積層されて構成されている。
非磁性基板1としては、Alを主成分とした例えばAl−Mg合金等のAl合金基板や、通常のソーダガラス、アルミノシリケート系ガラス、結晶化ガラス類、シリコン、チタン、セラミックス、各種樹脂からなる基板など、非磁性基板であれば任意のものを用いることができる。中でもAl合金基板や結晶化ガラス等からなるガラス製基板またはシリコン基板を用いることが好ましい。また、これら基板の平均表面粗さ(Ra)は、1nm以下であることが好ましく、0.5nm以下であることがより好ましく、0.1nm以下であることがさらに好ましい。
磁気記録層2は、磁性層4と、必要に応じて設けられる下地層3とによって構成されている。
磁気記録層2は、面内磁気記録層であっても垂直磁気記録層であってもかまわないが、より高い記録密度を実現するためには垂直磁気記録層であるのが好ましい。
面内磁気記録層としては、例えば、非磁性のCrMo系合金を主材料とする下地層3と、強磁性のCoCrPtTa系合金を主材料とする磁性層4とからなる積層構造のもの等が挙げられる。
垂直磁気記録層は、例えば、裏打ち層と、配向制御膜と、磁性層4とがこの順に積層された積層構造とされる。また、配向制御膜と磁性層との間には、中間膜が設けられていてもよい。この場合、裏打ち層と配向制御膜、または、裏打ち層と配向制御膜と中間膜とによって下地層3が構成される。
裏打ち層は、軟磁性材料によって構成される。裏打ち層に用いられる軟磁性材料としては、例えばFeCo系合金(FeCoB、FeCoSiB、FeCoZr、FeCoZrB、FeCoZrBCuなど)、FeTa系合金(FeTaN、FeTaCなど)、Co系合金(CoTaZr、CoZrNB、CoBなど)等が挙げられる。
配向制御膜の材料としては、Pt、Pd、NiCr、NiFeCr等が挙げられ、中間膜の材料としては、Ru等が挙げられる。
磁性層4の材料としては、CoCrPt系合金、FePt系合金、CoPt系合金、FePd系合金、CoPd系合金等が挙げられ、また、これらの磁性層をグラニュラ構造にするための酸化物を添加したものを用いることができる。また、これらの合金層を多層構造としても良い。これらの合金層のうち、FePt系合金を主成分として構成されているのが好ましい。磁性層に用いられるFePt系合金としては、例えば、12Cr−36Fe−52Pt、25Fe−30Co−45Pt、38Fe−10Co−5Ni−47Pt等が挙げられる。
また、磁性層4には、グラニュラ構造を形成する粒界構成物質として酸化物が添加されていてもよい。グラニュラ構造を形成する酸化物としては、Si酸化物、Ti酸化物、W酸化物、Cr酸化物、Co酸化物、Ta酸化物およびRu酸化物のいずれか1種以上を含むものが好ましい。
以上のような磁気記録層2は、使用する磁性合金の種類と積層構造を考慮して、十分なヘッド出入力が得られるような条件で形成すれば良い。例えば、磁性層の膜厚については、再生の際に一定以上の出力を得るためには、ある程度以上の厚さが必要であり、一方で、記録再生特性の指標となる諸パラメータは、出力の上昇とともに劣化するのが通例である。このような点から、磁性層は、最適な膜厚で形成する必要がある。具体的には、磁気記録層の厚さは、3nm以上20nm以下であることが好ましく、5nm以上15nm以下とすることがより好ましい。
そして、この磁気記録媒体では、特に、磁気記録層2の磁性層4に、互いに分離された複数の磁気記録パターン部4aと、該磁気記録パターン4aと磁気特性が異なる磁気記録パターン部間領域4bとが設定されている。
磁気記録パターン部4aは、磁気的情報が記録される部分であり、磁気記録パターン部間領域4bよりも保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)が低いものとなっている。この磁気記録パターン部4aとしては、具体的には、ユーザによって情報信号が書き込まれる記録トラックや記録ビット、サーボ信号パターンを構成する各サーボ信号等が挙げられる。また、このうちサーボ信号パターンとしては、特に限定されないが、バーストパターン、グレイコードパターン、プリアンブルパターン等がある。本実施形態では、記録ビットおよびサーボ信号が、磁気記録パターン部4aに対応する。
また、磁気記録パターン部間領域4bは、磁性層4のうち、磁気記録パターン部4a以外の領域であり、磁気記録パターン部4a同士を物理的および磁気的に分離する機能を有する。
このような磁気記録媒体では、隣合う磁気記録パターン部4a同士が、磁気記録パターン部間領域4bによって確実に分離され、磁気記録パターン部4a間での干渉を抑えることができる。
また、磁気記録パターン部4aが、磁気記録パターン部間領域4bよりも保磁力および磁気異方性定数が低いものとなっており、磁気記録パターン部4aの磁壁が、その周囲の磁性体によって効果的にピンニングされため、磁気記録パターン部4aの磁化が容易となる。このため、比較的書き込み磁界の小さい記録ヘッドを用いた場合でも、各記録ビット(磁気記録パターン部)4aに、確実に書き込みを行うことができ、優れた書き込み特性を得ることができる。
また、本実施形態では、各記録ビット4aの周囲に磁気記録パターン部間領域4bが設けられているため、前述のピンニング作用によって、記録ビット4a毎に磁壁移動を抑える効果が得られる。これにより、記録ビット4aの磁壁の移動に起因する情報の消失を防ぐことができる。
ここで、磁気記録パターン部4aの幅(記録トラック幅または記録ビット幅)Wは200nm以下、磁気記録パターン部間領域4bの幅Lは100nm以下、トラックピッチおよびビットピッチ(すなわち、W+L)は300nm以下の範囲とするのが好ましい。これにより、磁気記録媒体の記録密度を高めることができる。
また、磁気記録パターン部4aは、保磁力が1000Oe〜6000Oe(1 Oeは79A/mである。)の範囲内であることが好ましく、磁気異方性定数が1×107erg/cc未満であることが好ましい。保持力が6000 Oeより高くなると記録特性が悪化する。保持力が1000 0eより低くなると外部磁界の影響を受け易くなる。
また、磁気記録パターン部間領域4bは、保磁力が、磁気記録パターン部4aの保磁力より500Oe〜5000Oeの範囲内で低いことが好ましく、磁気異方性定数が、5×10erg/cc以上であることが好ましい。
磁気記録パターン部4aおよび磁気記録パターン部間領域4bの磁気特性を以上のように設定することにより、磁気記録媒体の書き込み特性をより向上させることが可能となる。保持力差が500 Oeより低いとSN比が悪化する。保持力差が5000 Oeより大きくなると、記録が困難となって記録特性が悪化する。
以上のような磁気記録層2の上には、保護膜5が設けられている。
保護膜5の材料としては、炭素(C)、水素化炭素(HC)、窒素化炭素(CN)、アルモファスカーボン、炭化珪素(SiC)等の炭素質層やSiO、Zr、TiNなど、通常用いられる保護膜の材料を用いることができる。また、保護膜5が2層以上の層から構成されていてもよい。
保護膜5の膜厚は、10nm未満とする必要がある。保護膜5の膜厚が10nmを越えるとヘッドと磁性層4との距離が大きくなり、十分な出入力信号の強さが得られなくなるからである。
保護膜5の上には、潤滑層(図示せず)を形成することが好ましい。潤滑層に用いる潤滑剤としては、フッ素系潤滑剤、炭化水素系潤滑剤及びこれらの混合物等が挙げられる。また、潤滑層は、通常1〜4nmの厚さで形成される。
「第1の製造方法」
次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法について、図1に示す磁気記録媒体を製造する場合を例にして説明する。
図2は、本発明の磁気記録媒体の第1の製造方法を説明するための工程図である。
[1]まず、図2(a)に示すように、非磁性基板1を用意する。そして、図2(b)に示すように、非磁性基板1上に、例えばスパッタ法等の薄膜形成技術を用いて、下地層3および磁性層4を形成し、磁気記録層2を得る。
[2]次に、磁性層4の磁気記録パターン部4aに対応する部分に、保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を低減させる処理(以下、「磁性低減処理」と言う)を行う。
まず、磁性層4上に、磁気記録パターン部4aと反対パターンのレジストパターン10を形成する。
レジストパターン10は、例えば、図2(c)に示すように、磁性層4表面に、レジストを全面的に塗布してレジスト膜10aを形成した後、図2(d)に示すように、このレジスト膜10aの表面に、磁気記録パターン部4aに対応するパターンの凸部を有するスタンパー20を密着させ、高圧でプレスすることによって形成することができる。
レジストとしては、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、SOG(Spin On Glass)等を用いることができる。
また、スタンパー20としては、例えば、金属プレートに、電子線描画などの方法を用いて磁気記録パターン部と反対パターンで凹部を刻設したものが使用できる。
また、スタンパー20の材料としては、プロセスに耐えうる硬度、耐久性が有するものであれば特に限定されず、例えばNi合金等を使用することができる。スタンパーには、通常のデータを記録するパターンの他に、バーストパターン、グレイコードパターン、プリアンブルパターンといったサーボ信号のパターンも形成することができる。
また、レジストパターン10は、フォトリソグラフィー技術を用いて形成するようにしてもよい。
次に、図2(e)に示すように、磁性層4に、レジストパターン10aを介して、磁性低減処理を行う。レジストパターン10を介して磁性低減処理を行うことにより、図2(f)に示すように、磁気記録パターン部4aに対応する部分の磁気特性を選択的に低減することができる。
磁性低減処理としては、イオン注入および反応性プラズマ処理の少なくともいずれかを用いる。
磁性低減処理としてイオン注入を行う場合、注入するイオン種は、磁性層4の構成材料によって異なり、例えば、磁性層4がFePt系合金を主成分として構成されている場合には、Ptイオンを用いるのが好ましい。FePt系の磁性層4は、保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)が比較的高く、また、Ptイオンを注入することにより、容易に保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を下げることができる。また、FePt系の磁性層4にPtイオンを注入することによって形成された磁気記録パターン部4aと磁気記録パターン部間領域4bとの境界部は、磁壁移動に対するピンニング効果が高く、この箇所の磁壁の移動に起因する磁気記録パターン部4aの情報の消失を効果的に防ぐことができる。
反応性プラズマとしては、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)や反応性イオンプラズマ(RIE;Reactive Ion Plasma)等を用いることができる。
誘導結合プラズマとは、気体に高電圧をかけることによってプラズマ化し、さらに高周波数の変動磁場によって、そのプラズマ内部に渦電流によるジュール熱を発生させることによって得られる高温のプラズマである。誘導結合プラズマは、電子密度が高いため、イオン注入を用いる場合に比べて、比較的広い面積の磁性層4であっても、その磁気記録パターン部に対応する部分の磁気特性を、高い効率で、短時間に変化させることができる。
反応性イオンプラズマとは、プラズマ中にO、SF、CHF、CF、CCl等の反応性ガスを加えた反応性の高いプラズマである。このようなプラズマを用いることにより、磁性層4の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を、より高い効率で下げることが可能となる。
磁気特性を低減させる処理として反応性プラズマ処理を用いる場合、磁気特性の低減は、磁性層4を構成する磁性金属と反応性プラズマ中の原子またはイオンとの反応により実現するのが好ましい。ここで、反応とは、磁性金属に反応性プラズマ中の原子等が侵入し、磁性金属の結晶構造が変化すること、磁性金属の組成が変化すること、磁性金属が酸化すること、磁性金属が窒化すること、磁性金属が珪化すること等が挙げられる。
また、反応性プラズマは、酸素原子を含有させ、これにより、磁性層4を構成する磁性金属と反応性プラズマ中の酸素原子とが反応して磁性層4が部分的に酸化し、保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)が効率よく低減する。その結果、磁気記録パターン部間領域4bよりも磁気特性の低い磁気記録パターン部4aを、短時間に形成することが可能となる。
さらに、反応性プラズマは、ハロゲン原子を含有しているのが好ましく、ハロゲン原子の中でもF原子を含有しているのが特に好ましい。反応性プラズマがハロゲン原子を含んでいると、このハロゲン原子が磁性合金と反応して、磁性層4の磁気特性を効率よく改質することができる。この理由の詳細は明らかではないが、反応性プラズマ中のハロゲン原子が、磁性層4の表面に付着している異物をエッチングし、これにより磁性層4の表面が清浄化し、磁性層4の反応性が高まることが考えられる。さらに、清浄化した磁性層4表面とハロゲン原子とが高い効率で反応することも寄与しているものとが考えられる。特に、ハロゲン原子としてF原子を用いると、このような効果を顕著に得ることができる。
また、ハロゲン原子は、酸素元素とともに、反応性プラズマ中に添加しても良い。これにより、磁性層4を構成する磁性金属と酸素原子等との反応性が、ハロゲン原子によって高められ、磁性層4の磁気特性をより効率よく変化させることが可能となる。
ここで、磁性低減処理を施した後の磁気記録パターン部4aの保磁力は、1000Oe〜5000Oe(1Oe=79A/m)の範囲内であることが好ましく、磁性低減処理を施す前の磁性層4の保磁力と、磁性低減処理を施した後の磁気記録パターン部4aの保磁力との差は、200Oe〜5000Oeの範囲内であることが好ましい。
また、磁性低減処理を施した後の磁気記録パターン部4aの磁気異方性定数は、1×107erg/cc未満であることが好ましく、磁性低減処理を施す前の磁性層4の磁気異方性定数は、1×107erg/cc以上であることが好ましい。
磁性層4の磁気特性がこのような範囲となるように磁性低減処理を施すことにより、より優れた書き込み特性が得られる磁気記録媒体を製造することができる。
以上のようにして磁性低減処理を行った後、磁性層4の上からレジストパターン10を除去する。
レジストパターン10を除去する方法としては、特に限定されないが、ドライエッチング、反応性イオンエッチング、イオンミリング、湿式エッチング等の手法を用いることができる
[3]次に、図2(g)に示すように、磁性層4の上に、保護膜5を形成する。
保護膜5の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、ダイヤモンド状炭素(Diamond Like Carbon)を主成分とする保護膜の場合、プラズマCVDなどを用いて成膜することができる。
その後、保護膜5表面に、潤滑剤を塗布することによって潤滑層を形成する。
以上のようにして目的の磁気記録媒体が得られる。
以上のように、この製造方法では、磁性層4の磁気記録パターン部4aに対応する領域に、磁性層4の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を低下させる処理を行うことにより、当該処理部分に磁気記録パターン部4aを形成する。このため、製造される磁気記録媒体は、磁気記録パターン部4aが、その周囲の領域に比べて、保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)が低いものとなっている。
このような磁気記録媒体では、磁気記録パターン部4aの保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)が周囲の領域よりも低く、磁気記録パターン部の磁壁の移動が周囲の磁性体によって効果的にピンニングされるため、磁気記録パターン部4aの磁化が容易となる。このため、比較的書き込み磁界の小さい記録ヘッドを用いた場合でも、磁気記録パターン部4aに、確実に書き込みを行うことができ、優れた書き込み特性を得ることができる。
また、隣り合う磁気記録パターン部4a同士が、その間の領域(保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)が高い領域)によって確実に分離され、磁気記録パターン部4a間での干渉を抑えることができる。
「第2の製造方法」
次に、本発明の磁気記録媒体の第2の製造方法について説明する。
図3は、本発明の磁気記録媒体の第2製造方法を説明するための縦断面図である。
第2製造方法は、保護膜5を形成した後、磁性層4の磁気記録パターン部4aに対応する部分に磁性低減処理を行う以外は、前記第1の製造方法と同様である。
以下、第2の製造方法について、第1の製造方法との相違点を中心に説明する。
[1]まず、非磁性基板1を用意する。そして、図3(a)に示すように、この非磁性基板1上に、第1の製造方法と同様にして磁気記録層2を形成し、さらに磁気記録層2上に保護膜5を形成する。
[2]次に、磁性層4の磁気記録パターン部4aに対応する部分に、保護膜5を介して、保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を低減させる処理(以下、「磁性低減処理」と言う)を行う。
まず、保護膜5上に、磁気記録パターン部4aと反対パターンのレジストパターン10を形成する。レジストパターン10は、前記実施例1と同様にして形成することができる。
次に、図3(b)に示すように、磁性層4に、レジストパターン10および保護膜5を介して、磁性低減処理を行う。
磁性低減処理としては、前記第1の製造方法と同様の処理、すなわち、イオン注入処理あるいは反応性プラズマ処理が用いられる。
レジストパターン10および保護膜5を介して磁性低減処理を行うと、レジストパターンが形成されていない領域において、イオンが保護膜5を透過して磁性層4に達する。このイオンの作用によって、図3(c)に示すように、磁性層4の磁気記録パターン部4aに対応する部分の磁気特性を、選択的に低減することができる。
ここで、保護膜5で覆われているはずの磁性層4において、イオン注入等が行われる理由は、保護膜5に空隙等が存在し、その空隙からイオンが侵入する、あるいは、保護膜5中を注入イオンが拡散し、そのイオンが磁性層4まで到達することであると考えられる。
以上のようにして磁性低減処理を行った後、保護膜5の上からレジストパターン10を除去する。
その後、保護膜5表面に、潤滑剤を塗布することによって潤滑層を形成する。
以上のようにして目的の磁気記録媒体が得られる。
第2の製造方法においても、前記第1の製造方法と同様の効果が得られる。
また、第2の製造方法では、特に、保護膜5を形成した後に、磁性低減処理を行うので、磁性低減処理を行った後、保護膜5を形成する必要がない、すなわち、磁気記録層2の成膜工程と保護膜5の成膜工程とを連続して行うことができるので、製造工程が簡便になり、生産性の向上を図ることができる。また、磁気記録媒体の製造工程における汚染の低減の効果が得られる。
なお、以上の実施形態では、本発明をビットパターン媒体に適用した場合を例にしているが、本発明が適用される磁気記録媒体はこれに限るものではなく、記録トラック同士がトラック間領域によって分離されたディスクリートトラック媒体であってもよい。
「磁気記録再生装置」
次に、本発明の磁気記録媒体を適用した磁気記録再生装置について説明する。
図4は、本発明の磁気記録再生装置を示す概略構成図である。
図4に示す磁気記録再生装置は、図1に示す積層構造の磁気記録媒体30と、これを回転駆動(記録方向に走行)する媒体駆動部26と、記録部と再生部からなる磁気ヘッド27と、磁気ヘッド27を磁気記録媒体30に対して相対移動させるヘッド運動手段28と、磁気ヘッド27への信号入力と磁気ヘッド27からの出力信号の再生を行う記録再生信号処理手段とを備える記録再生信号系29とを具備している。
このように構成することにより記録密度の高い磁気記録再生装置を実現することが可能となる。
すなわち、この例の磁気記録再生装置では、磁気記録媒体の記録トラックが磁気的に不連続に加工されている。このため、従来はトラックエッジ部の磁化遷移領域の影響を排除するために、再生ヘッドの幅を記録ヘッドの幅よりも狭くして対応していたものを、両者をほぼ同じ幅にして動作させることができる。これにより、十分な再生出力と高いSNRを得ることができる。
さらに、上述の磁気ヘッドの再生部をGMRヘッドあるいはTMRヘッドで構成することにより、高記録密度においても十分な信号強度を得ることができ、高密度記録に対応し得る磁気記録再生装置を実現することができる。
また、この磁気ヘッドの浮上量を0.005μm〜0.020μmとし、磁気ヘッドを、従来に比べて低い高さで浮上させると、出力が向上し、高SNRが得られ、大容量で高信頼性の磁気記録再生装置を提供することができる。
また、最尤復号法による信号処理回路を組み合わせると、さらに記録密度を向上できる。例えば、トラック密度100kトラック/インチ以上、線記録密度1000kビット/インチ以上、1平方インチ当たり100Gビット以上の記録密度で記録・再生する場合にも十分なSNRが得られる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
「実施例1」
まず、成膜装置の真空チャンバ内に、ハードディスク用ガラス基板をセットし、真空チャンバ内を1.0×10−5Pa以下に真空排気した。
ここで使用したガラス基板は、LiSi、Al−KO、Al−KO、MgO−P、Sb−ZnOを構成成分とする結晶化ガラスよりなり、外径:65mm、内径:20mm、平均表面粗さ(Ra):2Å(0.2nm)である。
次に、ガラス基板上に、DCスパッタリング法を用いて、軟磁性層としてFeCoB膜、中間層としてRu膜、磁性層として25Fe−30Co−45Pt膜を順次成膜した。
ここで、それぞれの層の膜厚は、FeCoB軟磁性層については600Å、Ru中間層については100Å、磁性層については150Åとした。
次に、この表面に、紫外線硬化性樹脂を200nmの厚さで塗布することによってレジスト膜を形成し、このレジスト膜の表面に、あらかじめ用意しておいたNi製スタンパーを密着させてプレスした。これにより、レジスト膜の表面に、スタンパーの凹凸パターンをインプリントした。スタンパーは、20nmの深さの溝が、100nmのトラックピッチおよびビットピッチで刻設されたものである。
その後、レジスト膜に紫外線を照射することによって硬化し、レジストパターンを得た。
次に、磁性層に、レジストパターンを介して、Ptイオンを注入し、レジストパターンで覆われていない箇所における磁性層の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を低減させた。ここで、磁性層へのPtイオン注入処理は、加速電圧:300V、電流密度:0.4mA/cm2、処理時間:30秒の条件で行った。
その後、磁気記録媒体表面のレジストパターンをドライエッチングにより除去した。
次に、磁性層上に、P−CVD法を用いて、平均膜厚40Åのカーボン保護膜を成膜し、さらに、カーボン保護膜上に、フッ素系潤滑剤を塗布することによって潤滑膜を形成した。以上の工程により、磁気記録媒体を製造した。
(実施例2)
実施例1と同様にして、ガラス基板上に、FeCoB軟磁性層、Ru中間層および磁性層を順次成膜した後、これに続いて、カーボン保護膜を形成した。
次に、この表面に、実施例1と同様にして、レジストパターンを形成し、このレジストパターンおよびカーボン保護膜を介して磁性層にPtイオン注入を行い、レジストパターンで覆われていない箇所における磁性層の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を低減させた。
その後、磁気記録媒体表面のレジストパターンをドライエッチングにより除去した。
次に、カーボン保護膜上に、フッ素系潤滑剤を塗布することによって潤滑膜を形成した。以上の工程により、磁気記録媒体を製造した。
以上のようにして製造した各磁気記録媒体について、電磁変換特性(SNRおよび3T−squash)を測定した。
電磁変換特性の評価は、スピンスタンドを用いて実施した。このとき評価用のヘッドには、記録用として垂直記録ヘッド、読み込み用としてTuMRヘッド(Tunneling Magneto Resistive head, TDK株式会社製)を用い、750kFCIの信号を記録したときのSNR値および3T−squashを測定した。
その結果、実施例1で製造された磁気記録媒体はSNRが13.5dB、3T−squashが93%、実施例2で製造された磁気記録媒体はSNRが13.3dB、3T−squashが92%であった。
このことから、各磁気記録媒体は、SNRや3T−squashといったRW特性に優れており、磁気記録ビット間の分離特性が優れていることがわかった。
本発明の磁気記録媒体の一例を示す模式的な縦断面図である。 本発明の磁気記録媒体の第1製造方法を説明するための模式的な縦断面図である。 本発明の磁気記録媒体の第2製造方法を説明するための模式的な縦断面図である。 本発明の磁気記録再生装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1・・・非磁性基板、2・・・記録磁性層 3・・・下地層 4・・・磁性層 4a・・・磁気記録パターン部 4b・・・磁気記録パターン部間領域 5・・・保護膜 10・・レジストパターン 10a・・・レジスト膜 20・・・スタンパー 26・・・媒体駆動部 27・・・磁気ヘッド 28・・・ヘッド運動手段 29・・・記録再生信号系 30・・・磁気記録媒体

Claims (10)

  1. 互いに分離した複数の磁気記録パターン部を有する磁気記録媒体の製造方法であって、
    非磁性基板上に連続した磁性層を形成した後、該磁性層の前記磁気記録パターン部に対応する領域に、イオン注入処理または反応性プラズマ処理の少なくともいずれかの処理を行うことにより、前記磁性層の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を低下させて、該箇所を磁気記録パターン部とすることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記イオン注入処理または反応性プラズマ処理を施した後の磁気記録パターン部における磁性層の保磁力が、1000 Oe〜5000 Oeの範囲内であり、処理を施す前の磁性層の保磁力と、処理を施した後の磁気記録パターン部における磁性層の保磁力との差が、500 Oe〜6000 Oeの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記イオン注入処理またはプラズマ処理を施す前の磁性層の磁気異方性定数が、5×10erg/cc以上であり、イオン注入処理またはプラズマ処理を施した後の磁気記録パターン部における磁性層の磁気異方性定数が、3×10erg/cc未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記磁性層は、FePt系合金,CoPt系合金,CoPd系合金のいずれかを主成分とし、前記磁性層の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を低下させる処理は、Ptイオンの注入であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 前記磁性層の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を低下させる処理は、酸素イオンを含有する反応性プラズマによる処理であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記磁性層の保磁力(Hc)および磁気異方性定数(Ku)を低下させる処理は、ハロゲンイオンを含有する反応性プラズマによる処理であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 前記各磁気記録パターン部は、記録トラック、記録ビット、サーボ信号の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 前記各磁気記録パターン部の少なくともいずれかは、記録ビットであることを特徴とする請求項7に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 互いに分離した複数の磁気記録パターン部を有する磁気記録媒体であって、
    前記磁気記録パターン部は、保磁力が1000 Oe〜6000 Oeの範囲内であり、磁気異方性定数が5×10erg/cc未満であり、
    前記磁気記録パターン部の周囲の領域は、保磁力が磁気記録パターン部の保磁力より500 Oe〜5000 Oeの範囲内で高く、磁気異方性定数が3×10erg/cc以上であることを特徴とする磁気記録媒体。
  10. 請求項9に記載の磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を記録トラック方向に駆動する媒体駆動手段と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対運動させるヘッド運動手段と、前記磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号の再生を行う記録再生信号処理手段とを具備してなることを特徴とする磁気記録再生装置。
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