JP2009276195A - 障害物検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両1の走行方向X前方に向けて電磁波を照射すると共にその電磁波によるスキャン範囲を上下方向に設定した照射手段を、車幅方向左右に離して2つ設ける。その2つの照射手段からの照射方向2Gを、上記走行方向X前方で交差するように設定する。そして、照射した電磁波の障害物からの反射波に基づき障害物を検出する。
【選択図】 図1
Description
この技術では、次のような処理によって、走行方向前方の障害物を検出する。すなわち、距離画像センサが、走行方向前方の走行面を含む空間領域を斜め下向きに撮像し、画素値が距離値である距離画像を生成する。そして、その距離画像センサが取得した距離画像と、基準面の距離画像との差分画像を生成する。さらに、差分画像のうち差分値が規定の距離閾値以上である領域について、距離画像を基準面に投影し、基準面からの高さ値を画素値とした高さ画像を生成する。さらに、高さ画像を2段階の閾値で2値化し、2つの2値画像を生成する。そして、各2値画像において、基準面からの高さ値が閾値以上である領域の面積を比較する。この比較結果によって障害物か否かを判断する。ここで、上記基準面は、移動体が走行している面を延長した平面である。
このため、走行等によって移動体にピッチ角変化が生じると、走行面に対する距離画像センサの設置パラメータが変化する。例えば前方へのピッチ角変化によって、障害物を検知する範囲が狭くなる。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、移動体にピッチ角変化が生じても、障害物検知の範囲が適切に確保できる障害物検出を提供することを課題としている。
また、左右両側からの電磁波を、移動体の移動方向前方において、閉じた空間を画成するように照射する。このため、移動体が走行しようとする領域に入ってくる障害物を、容易に検知することができる。
図1は、本実施形態の障害物検出装置を設けた移動体としての車両を示す模式図である。
(構成)
本実施形態の車両1は、前後輪を備え、その前後輪に駆動力を付与することで走行可能となっている。符号1aは車体を示す。
ここで、図1では、車両1が紙面右側に走行するものとする。
その車体1aの前部には、検出装置本体2を備える。検出装置本体2は、図1に示すように、車幅両端部にそれぞれ配置してある。すなわち、2つの検出装置本体2が、車両1の走行方向Xに交差する方向に互いに離して配置してある。
各検出装置本体2は、図2に示す構成となっている。すなわち、検出装置本体2は、照射部2A、照射光駆動制御部2B、スキャナ装置2C、垂直走査位置検出装置2D、受信部2E、及び受光回路2Fを備える。
照射部2Aは、例えばレーザダイオードからなる。照射部2Aは、レーザ光を発光し、そのレーザ光をスキャナ装置2Cに向けて出力する。
また、垂直走査位置検出装置2Dが、スキャナ装置2Cから照射するビームBの上下方向のスキャン位置を検出して、照射光駆動制御部2B及びコントローラに出力する。例えば、上記駆動軸4の回転変位を検出することで、ビームBの向きを検出できる。
照射光駆動制御部2Bは、照射部2Aの発光及び発光強度を制御する。このとき、垂直走査位置検出装置2Dからの信号に基づき、照射方向2Gを検出して発光強度を調整する。これについては後述する。
検出コントローラ3は、送受光制御手段3Aと、障害物検知手段3Bとを備える。
送受光制御手段3Aは、周期的に作動し、スキャナ装置2C及び照射光駆動制御部2Bに駆動信号を出力して、検出装置本体2で個々にスキャナ範囲内を走査するようにレーザ光を出射する。また同期をとって、その出射によって物体から反射してきた各反射波に対応する数値(受光レベル)を、受光回路2Fから入力する。
ここで、障害物の検出は、受光した反射光情報に基づき、送受光の時間差(タイムオブフライト)もしくは、照射光と受光の位置関係にもとづき、照射光を反射する対象までの距離を計測するようにしても良い。
また、太陽光等の外乱光強度が強い環境下でも安定して反射光を受信するために、照射及び受光の同期検波を行う。そして、同期検波のために、照射光変調と抽出を行う。
照射光駆動制御部2Bは、図3に示すように、垂直走査位置検出装置2Dからの信号に基づき、照射方向2Gを取得する。そして、照射方向2Gに応じて、上記交差線E位置での強度が一定となるように、レーザ光の出力強度を調整する。
そして、上記交差線E位置での強度が、装置として障害物を検出可能な最大強度とするように調整する。これによって、交差線E位置が、最大測距位置となる。即ち、交差線E位置までが検出範囲となり、その間に位置する障害物を検出する。
照射光の強度は、到達距離の二乗に反比例する。左右にそれぞれ設けた一対の照射部2Aから照射したビームBが交差する位置で、それぞれのビームBの強度が一定とする。このようになるために、ビームBの照射強度を、ビームBの配光方向に応じて調整する。
照射方向θの照射強度I(θ)を、図4に示すように下記式で表す。
I(θ)=((tanθ)2+1)×I
ここで、
照射方向θ:基準方向に対する上下方向の傾き角度
基準強度I:レーザ光の基準方向の強度
である。
I(θ)=((tanθ)2+1)2×I
そして、一対の照射部2Aから照射したビームBが交差する位置を、障害物の最大測拒位置とするように、基準方向のビームB強度Iを規定する。
ここで、本実施形態では、2つの照射部2Aから照射したビームBの交差位置Dを上下に結ぶ交差線Eを、鉛直方向の直線とする。
ここで、車両1は走行体を構成する。ビームB(レーザ光)は電磁波を構成する。照射部2A及び照射光駆動制御部2Bは、照射手段を構成する。受信部2Eは受信手段を構成する。
左右の各検出装置本体2の検出を、ともに垂直スキャンとする。これによって、図5に示すように、車両1の左右両側に、上下に延びる壁のような検出面(スキャン範囲)を設定出来る。
更に、左右の検出面が車両1先方で交差することで、図5及び図6に示すように、上面視、閉じた三角形状(楔形状)の検出範囲となる。すなわち、車両前方に上記2つの検出面で画成した閉じた空間を形成する。ここで、車両前方は、車両1の進行しようとする位置である。また、車両1の走行方向Xが左右に旋回すると、図7に示すように、交差位置D(交差線E)もその旋回方向に移動する。そして、この閉じた空間の境界を構成する上記検出面に障害物が交差することで、上記閉じた空間に相対的に進入してくる障害物を検出する。このように、車両1が進行しようとする方向にいる障害物を、確実に検出することが可能となる。
ここで、車両1は、加減速することでピッチングする。また走行路面の凹凸によってもピッチングする。
本実施形態の障害物検出装置では、車両1のピッチ角によって、図8の(a)→(b)のように、交差線Eが車両前後方向に傾く。しかし交差線Eが傾いても、上記2つの検出面で画成し閉じた空間が保持出来る。この結果、車両前方の障害物を確実に検出可能となる。
(1)障害物を検知するための照射光が、車両1の左右両側から、それぞれの照射軸(照射方向2Gが車両前方で交差するように設定している。また、各照射光が上下方向に走査するように設定している。
この結果、車両1のピッチ角変化が生じても、障害物を検知する範囲は、車両1が走行しようとする方向の実空間においてほとんど変化しない。
(2)さらに、車両1の両側から照射する照射光が、車両前方の車両1が走行しようとする方向に閉じた空間を形成する。この結果、車両1が走行しようとする領域に入ってくる障害物を容易に検知することができる。
また、車両1の左右から照射する照射光で、車両前方の車両1が走行しようとする方向に、障害物を検知するための閉じた空間を形成することができる。
(1)上記2つの検出装置本体2は、それぞれ車両1の幅方向両端部にあることが好ましい。このようにすると、車両1の車幅方向全体の前方にある障害物を検出し易くなる。
(2)上記2つの検出装置本体2は、車体1aに対し対称に配置する必要はない。照射光が車両1走行方向X前方で交差すればよい。このことは、他の装備との干渉を避けて容易に配置できることに繋がる。
(3)電磁波としてレーザ光を例示した。電磁波としては、ミリ波など距離検出が可能な電磁波を使用すればよい。
(4)2つの検出装置本体2の障害物検出を交互に行うようにしても良い。この場合には、互いの光による干渉を回避でき、光の分離処理などが不要となる。
即ち、レーザ光の発光強度を照射方向2Gに依らず一定とする。そして、図9に示すように、レーザの光路上に照射強度調整用のフィルタ5を設ける。この照射強度調整用のフィルタ5によって、上記交差線E位置での強度を一定にする。照射強度調整用のフィルタ5は、例えば、濃淡を付けた不均一な透過率を有するフィルム状のものを使用する。すなわち、照射方向2Gに応じた光の透過率(減衰率)をあらかじめ規定することにより、濃淡パターンを形成しておく。
車両1は、走行方向Xと交差する方向、例えば左右対称に対向配置した一対の車輪で移動可能な車両1構成であっても良い。
このような車両1構成の移動体は、通常、ピッチングさせながら走行する。このため、ピッチ角の変更が頻繁に発生すると共に、そのピッチ角が大きい。
このようなピッチ角が大きい場合でも、上記障害物検出装置を採用することで、車両1の走行方向Xの前方、つまり走行しようとする方向の障害物を検知しやすくなる。
即ち、本件の障害物検出装置を上記車両1構成に移動体に採用することで、特に有効に、その効果を享受することが出来る。
(8)また、2つの検出装置本体2の組を複数組設けても良い。この場合には、2つの検出面で閉鎖した空間を複数設定することが出来る。例えば、後退なども考慮して、前方と後方にそれぞれ配置する。また、2つの検出装置本体2のビームBの照射方向2Gを左右方向に変更可能となっていても良い。
例えば、2つの検出面の間の左右の間隔が上方に向かうにつれて広くなるように設定しておいても良い。この場合には、車両前方がノーズダウンするようにピッチングすると、左右の検出面で囲んだ三角形が広くなって、検出範囲が広がる。
(10)また、上記実施形態では、各検出装置本体2の最大測距位置を交差線Eの位置に設定している。最大測距位置を交差線E位置よりも若干手間に設定しても良い。この場合には、交差線E位置近傍に障害物を検出しないエリアが形成される。しかし、そのエリア幅よりも、対象とする障害物の幅が大きければ適用可能である。
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様な装置などについては、同一の符号を付して説明する。
上記第1実施形態では、レーザ光、つまり1本のビームBを上下方向に走査することで、スキャン方向を上下に設定する場合を例示している。
本実施形態では、図10のように、帯状のビームB(シートビームB)を上記スキャン方向に沿って一度に照射する。その際に、その帯状のビームBの強度を、上記電磁波の交差位置Dを上下に結ぶ交差線E位置で照射光強度が一定となるように設定する。
この帯状のビームBを上記スキャン方向に沿って照射する場合には、光切断法を採用する。
即ち、受信部2Eとして、車体1aに撮像装置を設けて、車両前方の画像を取得することで、障害物の反射光を取得する。これによって、障害物を検出する。受信部2Eである撮像装置は、CCDあるいはCMOS等の撮像素子によって、シートビームBを含む画像を撮像する。
本実施形態の検出装置本体2は、上記第1実施形態と比較して、照射方向2Gを上下に変更する必要がないので、照射光駆動制御部2Bが不要である。また、受信部2Eをカメラなどの撮像装置で構成するので、受光回路2Fが受信部2Eに含まれる。
なお、受信部2Eである撮像装置は、上述のように各検出装置本体2毎に設けても良いし、2つの検出装置本体2に共通に一台設けても良い。
また、検出コントローラ3の障害物検知手段3Bは、光切断法によって取得した画像から障害物情報を取得して、障害物判定を行う。
その他の構成は上記実施形態と同様である。
車両前方に平面状のシートビームBを照射する。そして、照射したシートビームBの像を撮像装置で捉え、シートビームBの形成する平面とカメラの設置パラメータに基づき、三角測量の原理を利用してシートビームBまでの距離を計測する。これによって、障害物の位置を検出する。
(1)基本的な効果は、上記第1実施形態と同様である。
(2)一対のシートビームB照射手段と撮像装置から構成し、光切断法の原理により距離を測定する。また、シートビームBの上下方向に応じて照射光強度を変化させる。
これによって、車両1のピッチ角に依存せず、車両1が走行しようとする方向の実空間において障害物を検知する範囲を規定することができる。
また、車両1両端から照射されるシートビームBで、車両前方の車両1が走行しようとする方向に、障害物を検知するための閉じた空間を形成することができる。
(3)帯状のビームBとすることで、ビームBの照射方向2Gを上下に変更する必要が無くなる。
次に、第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記各実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
本発明の基本構成は、上記第1及び第2実施形態と同様である。ただし、上記交差線Eの位置が異なる。
すなわち、本実施形態では、交差線Eを、車両1側面視において、図12のように傾いた軌跡線とする。すなわち、交差線Eを、基準走行面R1よりも上方に向かうにつれて、平面視において車両1から離れるように傾ける(図12のE1部分)。
これによって、交差線Eは、走行面を屈曲点とした「くの字」状となっている。
ここで、上記交差線Eを規定する基準走行面R1は、水平な平面を想定し、その水平な平面に車両1を置いた場合であって且つ車両1にピッチングが発生していない状態とする。
その他の構成は、上記実施形態と同様である。
車両1が、前側にピッチ角がつくように、つまりノーズダウンするようにピッチングした場合には、図13のように、上記交差線Eと走行面との交差位置Dが車両前方に変位する。
また、車両1が、後側にピッチ角がつくように、つまりテールダウンするようにピッチングした場合には、上記交差線Eと走行面との交差位置Dが車両前方に変位する。
この結果、路面近傍において、障害物を検出する空間の境界位置が前方に拡大する。この作用は、走行面よりも下方の交差線E2を、車両1前側に傾けた作用である。
即ち、車両前方が下り坂(図12のR2部分)となっている場合に、走行路面上方と同じ傾斜で傾けていると、走行路の検出が前側に来る。これに対し、走行路面よりも下方を逆向きに傾けておくことで、路面近傍の検出位置が前側に移動することを回避できる。
(1)基本的な効果は、上記第1及び第2実施形態と同様である。
(2)交差線E1を、車両1の走行面に近いほど(走行面からの高さが低いほど)、車両1の近くで交差し、車両1の走行面から上方に向けて遠くなるほど(走行面からの高さが高いほど)、車両1の遠方で交差するような軌跡としている。
これによって、車両1にノーズダウンするようなピッチングが発生して、そのピッチ角が大きいほど、車両前方の障害物の検知範囲が広くなる。
特に、車両1のピッチ角に応じて移動速度が変化する倒立振子型の移動体においては、ピッチ角が大きくなるほど、つまり移動速度が速くなるほど、走行しようとする方向における障害物の検知範囲を広くすることが可能となる。一般に、速度が速いほど、より前方の障害物を早めに検出したい。
これによって、車両1にテールダウンするようなピッチングが発生して、そのピッチ角が大きいほど、走行路面近傍における、車両前方の障害物の検知範囲が広くなる。
この結果、速度が速くなるほど車両1にテールダウンが発生するような車両1において、走行しようとする方向における障害物の検知範囲を広くすることが可能となる。
(1)上記全実施形態において、上記交差線Eは、直線状の軌跡を描く必要はない。すなわち曲線状や階段状の軌跡を描いても良い。また、上記交差線Eは、左右方向に傾斜していても良い。
(2)公差線Eは、基準走行面R1よりも上側では、上述のE1のように傾斜させた場合に、基準走行面R1よりも下側については、鉛直方向に延在するなどしていても良い。
同様に、公差線Eは、基準走行面R1よりも上側では、上述のE1のように傾斜させた場合に、基準走行面R1よりも下側については、鉛直方向に延在するなどしていても良い。
2 検出装置本体
2A 照射部
2B 照射光駆動制御部
2C スキャナ装置
2D 垂直走査位置検出装置
2E 受信部
2F 受光回路
2G 照射方向
3 検出コントローラ
3A 送受光制御手段
3B 障害物検知手段
4 駆動軸
5 フィルタ
R1 基準走行面
B ビーム(レーザ光)
D 交差位置
E 交差線
X 走行方向
Claims (6)
- 移動体に設けられて当該移動体の走行方向前方に向けて電磁波を照射すると共にその電磁波によるスキャン範囲を上下方向に設定した照射手段と、照射した電磁波の障害物からの反射波に基づく障害物情報を取得する受信手段と、を備え、
上記照射手段を、上面視において、移動体の走行方向と交差する方向へ互いに離して少なくとも2つ設け、
上面視において、上記2つの照射手段からの照射方向が上記走行方向前方で交差するように、各照射手段からの照射方向の向きを設定することを特徴とする障害物検出装置。 - 上記照射手段からの電磁波の強度を、他の照射手段からの電磁波の照射方向と交差する位置が最大測距位置となるように、設定することを特徴とする請求項1に記載した障害物検出装置。
- 上記電磁波の交差位置を上下に結ぶ交差線を、移動体がピッチングしていない通常状態で、移動体が設置される面を水平面に想定した基準走行面から上方に向かうほど、上面視における移動体からの距離が大きくなるように設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した障害物検出装置。
- 上記電磁波の交差位置を上下に結ぶ交差線を、移動体がピッチングしていない通常状態で、移動体が設置される面を水平面に想定した基準走行面から下方に向かうほど、上面視における移動体からの距離が大きくなるように設定することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した障害物検出装置。
- 上記照射手段は、照射方向に向けて電磁波のビームを照射すると共に、上記スキャン範囲に沿って上下方向に上記照射方向を変化することで走査し、
上記照射方向を上下方向に変化させても、上記電磁波の交差位置を上下に結ぶ交差線位置で照射光強度を一定にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載した障害物検出装置。 - 上記照射手段は、帯状のビームを上記スキャン範囲に沿って照射し、その帯状のビームの強度を、上記電磁波の交差位置を上下に結ぶ交差線位置で照射光強度が一定にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載した障害物検出装置。
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