JP2009276086A - 角速度検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高次振動の影響を抑制することが可能な角速度検出装置を提供すること。
【解決手段】振動子を第1の軸方向に励振振動させる励振振動手段と、前記第1の軸に直交する第2の軸方向の前記振動子の変位を検出する直交方向変位検出手段と、該直交方位検出手段により検出された変位に対して周期的な反転処理を行なう反転処理手段と、を備え、該反転処理手段による反転処理の結果に基づいて、前記振動子に生じた前記第1の軸及び第2の軸の双方に直交する第3の軸周りの角速度を検出する角速度検出装置であって、前記反転処理手段は、前記励振振動手段による励振振動の位相に対して、略30度、略18度、略13度、略8度、略7度のうちいずれかの位相角分シフトさせた位相で、前記周期的な反転処理を行なうことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】振動子を第1の軸方向に励振振動させる励振振動手段と、前記第1の軸に直交する第2の軸方向の前記振動子の変位を検出する直交方向変位検出手段と、該直交方位検出手段により検出された変位に対して周期的な反転処理を行なう反転処理手段と、を備え、該反転処理手段による反転処理の結果に基づいて、前記振動子に生じた前記第1の軸及び第2の軸の双方に直交する第3の軸周りの角速度を検出する角速度検出装置であって、前記反転処理手段は、前記励振振動手段による励振振動の位相に対して、略30度、略18度、略13度、略8度、略7度のうちいずれかの位相角分シフトさせた位相で、前記周期的な反転処理を行なうことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、振動子を励振振動させることにより振動子に生じた角速度を検出する角速度検出装置に関する。
従来、振動子を三次元直交座標系における第1の軸に沿って励振振動させ、第1の軸に直交する第2の軸に沿った振動を検出することにより、振動子に生じた第1の軸及び第2の軸の双方に直交する第3の軸周りの角速度を検出する角速度検出装置が知られている。係る角速度検出装置は、第3の軸を鉛直軸とする向きで車両に搭載されることにより、ヨーレートセンサーとして用いられている。
このような角速度検出装置において生じる問題点の一つに、振動子が、その共振周波数に応じて、励振振動に対する高次振動(周波数が励振振動のn倍の振動)をする場合がある。振動子が高次振動をすると、角速度と高次振動との関係で、上記第3の軸に沿った振動が高次成分を含んでしまうこととなる。この結果、検出した角速度に高次振動による誤差が生じることとなる。
これを解消することを主眼とする角速度センサについての発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このセンサでは、基本波を同期検波する主同期検波回路とは別に、主同期検波回路では除去不可能な、基本波に重畳する奇数次高調波を選択的に抽出する高調波同期検波回路を設け、主同期検波回路からの主検波波形から、高調波同期検波回路が抽出した奇数次高調波検波波形を用いて残留奇数次高調波成分を減少させる信号処理を行うものとしている。
特開2006−47144号公報
しかしながら、上記従来のセンサにおいては、以下の如き不都合が生じる。まず、奇数次高調波は、基本波に係る成分を含んでいるため、奇数次高調波のみを反映させたものとならない。従って、基本波から奇数次高調波を差し引いた信号は基本波のみを反映させた信号とならない。この結果、最終的に出力される角速度が不正確なものとなってしまう。また、高調波同期検波回路を設けるため、装置のサイズやコストが増大する。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、高次振動の影響を抑制することが可能な角速度検出装置を提供することを、主たる目的とする。
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、
振動子を第1の軸方向に励振振動させる励振振動手段と、
前記第1の軸に直交する第2の軸方向の前記振動子の変位を検出する直交方向変位検出手段と、
該直交方位検出手段により検出された変位に対して周期的な反転処理を行なう反転処理手段と、を備え、
該反転処理手段による反転処理の結果に基づいて、前記振動子に生じた前記第1の軸及び第2の軸の双方に直交する第3の軸周りの角速度を検出する角速度検出装置であって、
前記反転処理手段は、前記励振振動手段による励振振動の位相に対して、略30度、略18度、略13度、略8度、略7度のうちいずれかの位相角分シフトさせた位相で、前記周期的な反転処理を行なうことを特徴とする、
角速度検出装置である。
振動子を第1の軸方向に励振振動させる励振振動手段と、
前記第1の軸に直交する第2の軸方向の前記振動子の変位を検出する直交方向変位検出手段と、
該直交方位検出手段により検出された変位に対して周期的な反転処理を行なう反転処理手段と、を備え、
該反転処理手段による反転処理の結果に基づいて、前記振動子に生じた前記第1の軸及び第2の軸の双方に直交する第3の軸周りの角速度を検出する角速度検出装置であって、
前記反転処理手段は、前記励振振動手段による励振振動の位相に対して、略30度、略18度、略13度、略8度、略7度のうちいずれかの位相角分シフトさせた位相で、前記周期的な反転処理を行なうことを特徴とする、
角速度検出装置である。
この本発明の第1の態様によれば、高次振動の影響を抑制することができる。
本発明の第2の態様は、
振動子を第1の軸方向に励振振動させる励振振動手段と、
前記第1の軸に直交する第2の軸方向の前記振動子の変位を検出する直交方向変位検出手段と、
該直交方位検出手段により検出された変位に対して周期的な反転処理を行なう反転処理手段と、を備え、
該反転処理手段による反転処理の結果に基づいて、前記振動子に生じた前記第1の軸及び第2の軸の双方に直交する第3の軸周りの角速度を検出する角速度検出装置であって、
前記反転処理手段は、複数の位相角から一の位相角を選択し、前記励振振動手段による励振振動の位相に対して該選択した位相角分シフトさせた位相で、前記周期的な反転処理を行なうことを特徴とする、
角速度検出装置である。
振動子を第1の軸方向に励振振動させる励振振動手段と、
前記第1の軸に直交する第2の軸方向の前記振動子の変位を検出する直交方向変位検出手段と、
該直交方位検出手段により検出された変位に対して周期的な反転処理を行なう反転処理手段と、を備え、
該反転処理手段による反転処理の結果に基づいて、前記振動子に生じた前記第1の軸及び第2の軸の双方に直交する第3の軸周りの角速度を検出する角速度検出装置であって、
前記反転処理手段は、複数の位相角から一の位相角を選択し、前記励振振動手段による励振振動の位相に対して該選択した位相角分シフトさせた位相で、前記周期的な反転処理を行なうことを特徴とする、
角速度検出装置である。
この本発明の第2の態様によれば、高次振動の影響を効果的に抑制することができる。
本発明の第2の態様において、
前記複数の位相角は、例えば、略30度、略18度、略13度、略8度、略7度のうち一部又は全部である。
前記複数の位相角は、例えば、略30度、略18度、略13度、略8度、略7度のうち一部又は全部である。
また、本発明の第2の態様において、
温度を検出する温度検出手段を備え、
前記反転処理手段は、該温度手段により検出された温度に基づいて、複数の位相角から一の位相角を選択する手段であるものとしてもよい。
温度を検出する温度検出手段を備え、
前記反転処理手段は、該温度手段により検出された温度に基づいて、複数の位相角から一の位相角を選択する手段であるものとしてもよい。
また、本発明の第2の態様において、
前記反転処理手段は、前記振動子の励振振動の周波数に基づいて、複数の位相角から一の位相角を選択する手段であるものとしてもよい。
前記反転処理手段は、前記振動子の励振振動の周波数に基づいて、複数の位相角から一の位相角を選択する手段であるものとしてもよい。
本発明によれば、高次振動の影響を抑制することが可能な角速度検出装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
<第1実施例>
以下、本発明の第1実施例に係る角速度検出装置1について説明する。
以下、本発明の第1実施例に係る角速度検出装置1について説明する。
[基本構成]
図1は、本発明の第1実施例に係る角速度検出装置1の構成例である。角速度検出装置1は、主要な構成として、振動子10と、駆動回路20と、励振変位検出回路22と、PLL回路24と、分周器26と、位相調整回路28と、角速度による変位検出回路30と、検波装置32と、積分器34と、増幅器36と、を備える。
図1は、本発明の第1実施例に係る角速度検出装置1の構成例である。角速度検出装置1は、主要な構成として、振動子10と、駆動回路20と、励振変位検出回路22と、PLL回路24と、分周器26と、位相調整回路28と、角速度による変位検出回路30と、検波装置32と、積分器34と、増幅器36と、を備える。
図2は、振動子10とその周囲に配設される電極、振動子10の振動方向等を概念的に示す図である。振動子10は、図2におけるX軸方向に励振されると共にY軸方向に振動可能に構成される。振動子10の周囲には励振用及び振動検出用の複数の電極が配設されており、それぞれが振動子10との間の静電容量の変化を励振回路20及び検出回路40に出力している。そして、振動子10がX軸方向に駆動されているときにX軸方向に直交するZ軸周りの角速度(角速度)が発生すると、コリオリ力によってY軸方向の振動が発生する。本装置は、Y軸方向の振動の大きさを検出することにより、Z軸周りの角速度を検出するものである。なお、振動子10の形状や電極の配設位置について特段の制限はなく、如何なるものを用いても構わない。
駆動回路20は、分周器26から入力される駆動タイミング信号を基準として、振動子10の周囲に配設された電極にAC成分を有する電圧の印可を行ない、振動子10を上記X軸方向に振動させる。なお、これに限らず、モーターやソレノイドを用いて機械的に振動子10を振動させる構成であってもよい。
励振変位検出回路22は、振動子10の周囲(X軸方向)に配設された電極により検出された静電容量を電圧に変換する(Q/V変換)すると共に、これを復調して、振動子10のX軸方向の振動に応じた信号(以下、励振検出信号と称する)を生成し、駆動回路20及びPLL回路24に出力する。駆動回路20に入力された励振検出信号は、励振振動の振れ幅を安定化するために用いられる。
PLL回路24は、励振変位検出部22から入力された励振検出信号と、分周器34から入力された駆動タイミング信号との位相差を電圧に変換する位相比較器、ローパスフィルター、入力電圧によって周波数が決定されるパルス信号を出力するVCO(Voltage-Controlled Oscillator)等を有し、励振検出信号と駆動タイミング信号との位相差に基づくクロック信号を出力して、振動子10の共振点で駆動周波数をロックする。
分周器26は、例えばプログラマブルカウンターを有し、所定カウント数毎に駆動タイミングを指示するための駆動信号を駆動回路20及びPLL回路24に出力する。また、プログラマブルカウンターのカウンター出力値を位相調整回路28に出力する。位相調整回路28については後述する。
角速度による変位検出回路30は、振動子10の周囲(Y軸方向)に配設された電極により検出された静電容量を電圧に変換する(Q/V変換)すると共に、これを復調して、振動子10のY軸方向の振動に応じた信号(以下、角速度検出信号と称する)を生成し、検波装置32に出力する。
検波装置32は、角速度による変位検出回路30により角速度検出信号に対して周期的な反転処理を行なって検波信号を生成し、積分器34に出力する。積分器34では、検波信号を平均化して角速度信号を生成する。増幅器36については後述する。
[問題点]
一般的に、検波装置32の如く反転処理によって検波を行なう機能部は、励振振動と位相同期した反転処理を行なう。すなわち、励振振動による変位の符号が変化するタイミング(=角速度検出信号の符号が変化するタイミング)で、角速度検出信号を反転させるか否かを切り替えている。
一般的に、検波装置32の如く反転処理によって検波を行なう機能部は、励振振動と位相同期した反転処理を行なう。すなわち、励振振動による変位の符号が変化するタイミング(=角速度検出信号の符号が変化するタイミング)で、角速度検出信号を反転させるか否かを切り替えている。
図3は、係る一般的な処理により、角速度検出信号から検波信号が生成され、検波信号から角速度信号が生成される様子を示す図である。これにより、振動子10が励振される方向(図2におけるX軸方向)に直交するZ軸周りの角速度が発生すると、コリオリ力によってY軸方向の振動が発生する。Y軸方向の振動は、検出回路40によって角速度信号に変換され、外部に出力される。
ところが、振動子10は、その共振周波数に応じて、励振振動に対する高次振動(周波数が励振振動のn倍の振動)をする場合がある。すなわち、温度変化等により励振振動の周波数や高次共振の周波数が徐々に変化し、励振振動の周波数の奇数倍と高次共振の周波数が近づくのに応じて、角速度検出信号に重畳している高次振動の周波数成分が積分器34の出力における低周波成分として現れることとなる。その周波数は、次式(1)の如くなり、周波数が値ゼロとなったときに、係る現象に起因して積分器34の出力に現れる誤差成分が最大となる。
周波数 = |(励振振動の周波数)×n−(高次振動の共振周波数)| …(1)
以下、これについて説明する。振動子10が高次振動をすると、角速度と高次振動との関係で、角速度検出信号が高次成分(誤差)を含んでしまうこととなる(図4左側参照)。なお、高次振動は、温度等の環境に応じて発生点が変更する上に、何通りもの倍数が存在するため、装置の設計及び励振振動の制御により発生を回避するのが困難である。
そして、奇数倍の高次成分を含んだ角速度検出信号に対して、前述の如く励振振動と同位相で反転処理を行なうと、高次振動による誤差成分が発生する(図4右側参照)なお、原理的には、偶数倍の高次成分は打ち消し合ってゼロとなるため問題は生じない。
この問題を回避する手法として、従来、参照信号の3倍以上の奇数倍周波数を有する高次参照信号を生成して、これを用いて角速度検出信号から高次検波信号を生成し、参照信号に基づき生成される検波信号から高次検波信号を差し引いて角速度信号を生成する手法が公開されている。以下、高次振動を高調波と称し(3倍、5倍、…の奇数次のものを特に奇数次高調波と称する)、高次振動でない振動を基本波と称する。
しかしながら、係る手法を用いた場合には、以下の如き不都合が生じる。まず、高次検波信号は、基本波に係る成分を含んでいるため、高調波のみを反映させたものとならず、正確さに欠ける。このため、検波信号から高次検波信号を差し引いた信号は基本波のみを反映させた信号とならない。この結果、最終的に出力する角速度信号が不正確なものとなってしまう。また、高次検波信号を生成する機能部を備える必要が生じ、装置のサイズやコストが増大する。
[特徴的な構成]
そこで、本実施例の角速度検出装置1では、位相調整回路28が、励振振動の符号が反転するタイミングから、励振振動の奇数次高調波の略1/4周期に相当する位相角分シフトさせたタイミングで、検波装置32に検波タイミング信号を出力することとした。励振振動の奇数次高調波とは、励振振動の3倍、5倍、7倍、11倍、13倍…の周波数の振動波をいう(現実的には13倍程度までカバーすれば十分である)。励振振動の奇数次高調波の略1/4周期に相当する位相角は、下記の通りとなる。
そこで、本実施例の角速度検出装置1では、位相調整回路28が、励振振動の符号が反転するタイミングから、励振振動の奇数次高調波の略1/4周期に相当する位相角分シフトさせたタイミングで、検波装置32に検波タイミング信号を出力することとした。励振振動の奇数次高調波とは、励振振動の3倍、5倍、7倍、11倍、13倍…の周波数の振動波をいう(現実的には13倍程度までカバーすれば十分である)。励振振動の奇数次高調波の略1/4周期に相当する位相角は、下記の通りとなる。
360[度]/3/4 = 30[度]
360[度]/5/4 = 18[度]
360[度]/7/4 = 12.86[度] ≒ 13[度]
360[度]/11/4 = 8.18[度] ≒ 8[度]
360[度]/13/4 = 6.92[度] ≒ 7[度]
360[度]/5/4 = 18[度]
360[度]/7/4 = 12.86[度] ≒ 13[度]
360[度]/11/4 = 8.18[度] ≒ 8[度]
360[度]/13/4 = 6.92[度] ≒ 7[度]
位相調整回路28は、これらのうち、装置の設計上発生しやすい奇数次高調波に対応する位相角を予め選択しておき、励振振動の位相から当該位相角分の位相シフトを行なった検波タイミング信号を生成する。また、後述する如く、温度や励振振動の周波数に応じてターゲットとする奇数次高調波を切り替える(従って位相シフト量を切り替える)ものとしてもよい。
検波装置32では、位相調整回路28から検波タイミング信号が入力されたタイミングで反転処理を行なうか否かを切り替える。従って、本実施例では、励振振動の位相に比して、上記のいずれかの位相角分シフトされた(位相が進んだ、又は遅れた)位相で反転処理を行なうこととなる。なお、厳密に30[度]等に合わせる必要はなく、例えば30[度]や18[度]については±2[度]程度のズレは許容される。また、13[度]や8[度]、7[度]については±1[度]程度のズレは許容される。
図5は、反転処理の位相を励振振動の位相に対して30[度]遅らせた場合に、基準波及び3次高調波により生成される角速度信号を示す図である。この場合、図示する如く、角速度信号における高次成分(誤差)は相殺されてゼロとなっている。従って、係る構成により、高次振動の影響を抑制することができる。
ここで、角速度信号における基準波成分は、本来出力すべき角速度信号よりも定常的に小さく出力されることとなるが、これについては、増幅器36により容易に復元することができる。反転処理の位相を励振振動の位相に対して所定角度遅らせた場合に、角速度信号における基準波成分が定常的にどの程度小さく出力されるかは、容易に予測(解析)することができるため、増幅器36の増幅程度を予め適切に設定しておけばよい。
一方、3次高調波により生成される角速度信号は、定常的に出力されるため、増幅器36等を用いて修正するのが困難である。従って、角速度信号における基準波成分が定常的に小さくなるデメリットに比して、角速度信号における高調波成分を抑制することができるメリットの方が大きいのである。
図6は、反転処理の位相を励振振動の位相に対して18[度]遅らせた場合に、基準波及び5次高調波により生成される角速度信号を示す図である。この場合、図示する如く、角速度信号における高次成分(誤差)は相殺されてゼロとなっている。従って、係る構成により、高次振動の影響を抑制することができる。この場合、増幅器36の増幅程度を、反転処理の位相を励振振動の位相に対して18[度]遅らせた場合に対応できるように、予め設定しておく。
なお、角速度検出装置1の出力を利用する側において適宜復元処理を行なうものとして、角速度検出装置1の構成から増幅器36を省略しても構わない。
以上説明した本実施例の角速度検出装置1によれば、高次振動の影響を抑制することができる。また、角速度信号における基準波成分が定常的に小さくなるが、これについては容易に復元することができる。更に、位相調整回路28はデジタル回路で構成可能であり、増幅器36は簡易な構成で実現することが可能であるため、これらの付加により装置のサイズやコストが増大するデメリットは比較的小さい。
図7は、分周器26、位相調整回路28、及び検波装置32についてより詳細な構成例を示した図である。図示する如く、分周器26は、カウンター26Aと、駆動タイミング生成回路26Bとを有する。位相調整回路28は、位相調整設定部28Aと、検波タイミング生成回路28Bとを有する。検波装置32は、非反転アンプ32Aと、反転アンプ32Bと、スイッチ32C、32Dとを有する。
カウンター26Aは、PLL回路24から出力されるクロック信号に基づいて、周期的なカウンター値を出力する。駆動タイミング生成回路26Bは、係る周期的なカウンター値を読み取って駆動タイミング信号を出力する。
位相調整設定部28Aは、現在設定されているシフト分の位相角を保持している記憶装置及び/又はマイクロコンピューター等である。検波タイミング生成回路28Bは、カウンター26Aが出力する周期的なカウンター値を読み取って逆位相の検波タイミング信号α、βをそれぞれ出力する。ここで、検波タイミング信号α、βは、例えばHigh/Lowの2値信号である。
スイッチ32C、32Dは、High信号が入力されたときにオン状態となり、Low信号が入力されたときにオフ状態となる。
図8は、これらの信号等の状態変化を示すタイミングチャートである。
<第2実施例>
以下、本発明の第2実施例に係る角速度検出装置2について説明する。
以下、本発明の第2実施例に係る角速度検出装置2について説明する。
図9は、本発明の第2実施例に係る角速度検出装置2の構成例である。角速度検出装置2は、第1実施例の角速度検出装置1が有するハードウエア構成に加え、温度計40を備える。なお、図9は、図7に示した角速度検出装置1のより詳細な構成例を基本構成とした。
本実施例における位相調整設定部28Aは、温度計40により検出された装置内部の温度に基づいて、検波タイミング信号においてシフトさせる位相角を変更する。
これにより、装置の温度に応じて打ち消すターゲットとなる奇数次高調波を動的に変更することができる。何次の高調波が発生しやすいかは、装置の全体設計においてまず決定され、更に装置の温度によっても変化するため、係る構成によって、高次振動の影響を効果的に抑制することができる。なお、装置の温度に応じて発生しやすい奇数次高調波を予め実験等によって確認しておき、温度(より厳密には、温度範囲)と位相角を対応付けたデータを位相調整設定部28Aに保持させておくものとする。
<第3実施例>
以下、本発明の第3実施例に係る角速度検出装置3について説明する。
以下、本発明の第3実施例に係る角速度検出装置3について説明する。
図10は、本発明の第3実施例に係る角速度検出装置3の構成例である。図10は、図7に示した角速度検出装置1のより詳細な構成例を基本構成とした。
本実施例における位相調整設定部28Aには、PLL回路24が有するVCOに印可される電圧の値が入力される。そして、位相調整設定部28Aは、係る電圧値から振動子10の励振振動の周波数を認識し、この励振振動の周波数に基づいて、検波タイミング信号においてシフトさせる位相角を変更する。
これにより、励振振動の周波数に応じて打ち消すターゲットとなる奇数次高調波を動的に変更することができる。何次の高調波が発生しやすいかは、前述した装置の全体設計、温度に加え、励振振動の周波数によっても変化するため、係る構成によって、高次振動の影響を効果的に抑制することができる。なお、励振振動の周波数に応じて発生しやすい奇数次高調波を予め実験等によって確認しておき、励振振動の周波数(より厳密には、励振振動の周波数の範囲)と位相角を対応付けたデータを位相調整設定部28Aに保持させておくものとする。
<その他>
第2実施例の機能と第3実施例の機能を併せ持つ装置として角速度検出装置が構成されてもよい。すなわち、装置の温度と励振振動の周波数の双方を位相調整設定部28Aに入力し、位相調整設定部28Aでは、両データからシフトさせる位相角を導出するマップや関数等を用いて、シフトさせる位相角を変更する。係る構成によっても、高次振動の影響を効果的に抑制することができる。
第2実施例の機能と第3実施例の機能を併せ持つ装置として角速度検出装置が構成されてもよい。すなわち、装置の温度と励振振動の周波数の双方を位相調整設定部28Aに入力し、位相調整設定部28Aでは、両データからシフトさせる位相角を導出するマップや関数等を用いて、シフトさせる位相角を変更する。係る構成によっても、高次振動の影響を効果的に抑制することができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
本発明は、自動車製造業や自動車部品製造業等に利用可能である。
1、2、3 角速度検出装置
10 振動子
20 駆動回路
22 励振変位検出回路
24 PLL回路
26 分周器
26A カウンター
26B 駆動タイミング生成回路
28 位相調整回路
28A 位相調整設定部
28B 検波タイミング生成回路
30 角速度による変位検出回路
32 検波装置
32A 非反転アンプ
32B 反転アンプ
32C、32D スイッチ
34 積分器
36 増幅器
40 温度計
10 振動子
20 駆動回路
22 励振変位検出回路
24 PLL回路
26 分周器
26A カウンター
26B 駆動タイミング生成回路
28 位相調整回路
28A 位相調整設定部
28B 検波タイミング生成回路
30 角速度による変位検出回路
32 検波装置
32A 非反転アンプ
32B 反転アンプ
32C、32D スイッチ
34 積分器
36 増幅器
40 温度計
Claims (5)
- 振動子を第1の軸方向に励振振動させる励振振動手段と、
前記第1の軸に直交する第2の軸方向の前記振動子の変位を検出する直交方向変位検出手段と、
該直交方位検出手段により検出された変位に対して周期的な反転処理を行なう反転処理手段と、を備え、
該反転処理手段による反転処理の結果に基づいて、前記振動子に生じた前記第1の軸及び第2の軸の双方に直交する第3の軸周りの角速度を検出する角速度検出装置であって、
前記反転処理手段は、前記励振振動手段による励振振動の位相に対して、略30度、略18度、略13度、略8度、略7度のうちいずれかの位相角分シフトさせた位相で、前記周期的な反転処理を行なうことを特徴とする、
角速度検出装置。 - 振動子を第1の軸方向に励振振動させる励振振動手段と、
前記第1の軸に直交する第2の軸方向の前記振動子の変位を検出する直交方向変位検出手段と、
該直交方位検出手段により検出された変位に対して周期的な反転処理を行なう反転処理手段と、を備え、
該反転処理手段による反転処理の結果に基づいて、前記振動子に生じた前記第1の軸及び第2の軸の双方に直交する第3の軸周りの角速度を検出する角速度検出装置であって、
前記反転処理手段は、複数の位相角から一の位相角を選択し、前記励振振動手段による励振振動の位相に対して該選択した位相角分シフトさせた位相で、前記周期的な反転処理を行なうことを特徴とする、
角速度検出装置。 - 前記複数の位相角は、略30度、略18度、略13度、略8度、略7度のうち一部又は全部である、
請求項2に記載の角速度検出装置。 - 温度を検出する温度検出手段を備え、
前記反転処理手段は、該温度手段により検出された温度に基づいて、複数の位相角から一の位相角を選択する手段である、
請求項2又は3に記載の角速度検出装置。 - 前記反転処理手段は、前記振動子の励振振動の周波数に基づいて、複数の位相角から一の位相角を選択する手段である、
請求項2ないし4のいずれか1項に記載の角速度検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008125084A JP2009276086A (ja) | 2008-05-12 | 2008-05-12 | 角速度検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008125084A JP2009276086A (ja) | 2008-05-12 | 2008-05-12 | 角速度検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009276086A true JP2009276086A (ja) | 2009-11-26 |
Family
ID=41441673
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008125084A Pending JP2009276086A (ja) | 2008-05-12 | 2008-05-12 | 角速度検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009276086A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104596494A (zh) * | 2013-10-31 | 2015-05-06 | 精工爱普生株式会社 | 角速度传感器、电子设备以及移动体 |
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2008
- 2008-05-12 JP JP2008125084A patent/JP2009276086A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104596494A (zh) * | 2013-10-31 | 2015-05-06 | 精工爱普生株式会社 | 角速度传感器、电子设备以及移动体 |
JP2015087287A (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | セイコーエプソン株式会社 | 角速度センサー、電子機器および移動体 |
CN104596494B (zh) * | 2013-10-31 | 2019-08-06 | 精工爱普生株式会社 | 角速度传感器、电子设备以及移动体 |
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