JP2009275990A - 分岐配管の応力低減金具およびその使用方法、ならびに分岐配管組立体 - Google Patents

Abstract

【課題】振動に対する応力を抑え、分岐配管の損傷を防止する分岐配管の応力低減金具およびその使用方法、ならびに分岐配管組立体を提供する。
【解決手段】分岐配管の応力低減金具１は、冷凍装置の圧縮機２に接続された主冷媒配管３から分岐した分岐配管４に作用する応力を低減する応力低減金具１である。応力低減金具１は、主冷媒配管３と連結する第１連結部５と、分岐配管４と連結する第２連結部６とを備えている。応力低減金具１は、主冷媒配管３と分岐配管４とを一体に連結することにより、圧縮機２で発生する振動によって分岐配管４が受ける応力を低減させる。
【選択図】図１

Description

本発明は、分岐配管の応力低減金具およびその使用方法、ならびに分岐配管組立体に関する。

従来、冷凍装置の圧縮機に接続された主冷媒配管などの冷媒回路には、分岐した分岐配管が接続されている場合があるが、この分岐配管を安定した状態で固定する必要がある。例えば、特許文献１に記載の分岐ユニットでは、複数の分岐配管が分岐ユニットの外箱胴体に金具で固定されている。
特開平８−１２１８１７号公報

しかし、冷媒系統の主冷媒配管から分岐する分岐配管は、主冷媒配管と寸法が異なるので、主冷媒配管と固有振動数が異なる。このため、圧縮機からの振動が主冷媒配管および分岐配管へ伝わったときに、配管形状や振動モードによっては分岐配管部分に作用する応力だけが高くなり、分岐配管が折れたり変形するなどの損傷のおそれがある。

本発明の課題は、振動に対する応力を抑え、分岐配管の損傷を防止する分岐配管の応力低減金具およびその使用方法、ならびに分岐配管組立体を提供することにある。

第１発明の分岐配管の応力低減金具は、冷凍装置の圧縮機に接続された主冷媒配管から分岐した分岐配管に作用する応力を低減する応力低減金具である。応力低減金具は、主冷媒配管と連結する第１連結部と、分岐配管と連結する第２連結部とを備えている。応力低減金具は、主冷媒配管と分岐配管とを一体に連結することにより、圧縮機で発生する振動によって分岐配管が受ける応力を低減させる。

ここでは、主冷媒配管と連結する第１連結部と、分岐配管と連結する第２連結部とを備えており、主冷媒配管と分岐配管とを一体に連結することにより、圧縮機で発生する振動によって分岐配管が受ける応力を低減させる。これにより分岐配管が圧縮機の振動による共振によって損傷することが抑えられる。

第２発明の分岐配管の応力低減金具の使用方法は、第１発明の分岐配管の応力低減金具を使用する方法である。応力低減金具の使用方法では、圧縮機を運転周波数の異なる別の圧縮機へ交換する際に、交換後の圧縮機の運転周波数に対応する応力低減金具を用いて、主冷媒配管と分岐配管とを一体に連結することにより、交換後の圧縮機で発生する振動によって分岐配管が受ける応力を低減する。

ここでは、圧縮機を運転周波数の異なる別の圧縮機へ交換する際に、交換後の圧縮機の運転周波数に対応する応力低減金具を用いて、主冷媒配管と分岐配管とを一体に連結することにより、交換後の圧縮機で発生する振動によって分岐配管が受ける応力を低減する。

第３発明の分岐配管の応力低減金具の使用方法は、第２発明の使用方法であって、交換後の圧縮機は、インバータ圧縮機である。

ここでは、交換後の圧縮機がインバータ圧縮機であり、インバータ圧縮機では、共振が生じる周波数帯を外して運転させることが難しいが、本発明では応力低減金具により分岐配管が受ける応力を低減できる。

第４発明の分岐配管の応力低減金具の使用方法は、第２発明の使用方法であって、分岐配管は、圧力開閉器に接続されている。

ここでは、分岐配管が圧力開閉器に接続されているので、圧力開閉器に接続される分岐配管は主冷媒配管よりも非常に細くて、振動の影響を受けやすいが、本発明では応力低減金具によって分岐配管が受ける応力を低減できる。

第５発明の分岐配管組立体は、第１発明の分岐配管の応力低減金具と、冷凍装置の圧縮機に接続された主冷媒配管に後付けで接続可能な分岐配管とを備えている。

ここでは、後付けで接続可能な分岐配管と、応力低減金具とによって構成された分岐配管組立体を構成されている。この分岐配管組立体は、冷凍装置とは別に補用品として用意されたキットであり、圧縮機の交換の際に、後付けで主冷媒配管に接続される。このため、分岐配管等の補用部品ついて応力低減金具をキット化し、分配配管の応力対策を図ることが可能である。

第１発明によれば、圧縮機で発生する振動によって分岐配管が受ける応力を低減させる。これにより分岐配管が圧縮機の振動による共振によって損傷することが抑えられる。

第２発明によれば、交換後の圧縮機で発生する振動によって分岐配管が受ける応力を低減することができる。

第３発明によれば、応力低減金具により分岐配管が受ける応力を低減できる。

第４発明によれば、圧力開閉器に接続される分岐配管は主冷媒配管よりも非常に細くて、振動の影響を受けやすいが、応力低減金具によって分岐配管が受ける応力を低減できる。

第５発明によれば、分岐配管等の補用部品ついて応力低減金具をキット化し、分配配管の応力対策を図ることが可能である。

つぎに本発明の分岐配管の応力低減金具およびその使用方法、ならびに分岐配管組立体の実施形態を図面を参照しながら説明する。

図１には、本実施形態の応力低減金具１によって分岐配管４が冷凍装置の圧縮機２から延びる主冷媒配管３に接続された状態が示されている。主冷媒配管３および分岐配管４の内部には、圧縮機２から送られる冷媒ガスが流れる。図１の分岐配管４は、圧力開閉器７に接続されている。分岐配管４は、冷媒ガスが洩れないように、主冷媒配管３にロウ付けなどで気密的に接続されている。

応力低減金具１は、冷凍装置の圧縮機２に接続された主冷媒配管３から分岐した分岐配管４に作用する応力を低減する。応力低減金具１は、主冷媒配管３と連結する第１連結部５と、分岐配管４と連結する第２連結部６とを備えている。応力低減金具１は、主冷媒配管３と分岐配管４とを一体に連結することにより、圧縮機２で発生する振動によって分岐配管４が受ける応力を低減させる。

主冷媒配管３と連結する第１連結部５は、応力低減金具１を主冷媒配管３の表面に強固に連結できれば、種々の連結手段を採用することが可能であり、例えば、ロウ付け、溶接、クランプによる固定などいずれの手段によって連結してもよい。

第１連結部５と同様に、分岐配管４と連結する第２連結部６は、応力低減金具１を分岐配管４の表面に強固に連結できれば、種々の連結手段を採用することが可能であり、例えば、ロウ付け、溶接、クランプによる固定などいずれの手段によって連結してもよい。

本実施形態では、後付けで接続可能な分岐配管４と、応力低減金具１とによって構成された分岐配管組立体１０を構成されている。この分岐配管組立体１０は、冷凍装置とは別に補用品として用意されたキットであり、圧縮機２の交換の際に、後付けで主冷媒配管３に接続される。

応力低減金具１が主冷媒配管３と分岐配管４とを一体に連結することにより、主冷媒配管３と分岐配管４は同一の振動モードとなる。それによって、分岐配管４だけが主冷媒配管３と別の振動モード（固有振動数）を持つという状態が抑制される。したがって、分岐配管４が圧縮機２の振動による共振によって損傷することが抑えられる。

分岐配管４の応力低減金具１を使用する場合、圧縮機２を運転周波数の異なる別の圧縮機として、インバータ圧縮機２へ交換する際に、交換後のインバータ圧縮機２の運転周波数に対応する応力低減金具１を用いて、主冷媒配管３と分岐配管４とを一体に連結する。これにより、交換後のインバータ圧縮機２で発生する振動によって分岐配管４が受ける応力を低減する。

インバータ圧縮機２では、共振が生じる周波数帯を外して運転させることが難しいが、応力低減金具１により分岐配管４が受ける応力を低減できる。

分岐配管４は、例えば、ＨＰＳ（高圧遮断スイッチ）などの圧力開閉器７に接続されている。圧力開閉器７に接続される分岐配管４は主冷媒配管よりも非常に細くて（太さ２分、すなわち外径６．３ｍｍぐらい）、振動の影響を受けやすいが、応力低減金具１によって分岐配管４が受ける応力を低減できる。

＜特徴＞
（１）
実施形態の応力低減金具１は、主冷媒配管３と連結する第１連結部５と、分岐配管４と連結する第２連結部６とを備えており、主冷媒配管３と分岐配管４とを一体に連結することにより、圧縮機２で発生する振動によって分岐配管４が受ける応力を低減させる。

これにより、応力低減金具１が主冷媒配管３と分岐配管４とを一体に連結することにより、主冷媒配管３と分岐配管４は同一の振動モードとなる。それによって、分岐配管４だけが主冷媒配管３と別の振動モード（固有振動数）を持つという状態が抑制される。したがって、分岐配管４が圧縮機２の振動による共振によって配管折れなどで損傷することが抑えられる。

（２）
実施形態の応力低減金具１の使用方法では、圧縮機２を運転周波数の異なる別の圧縮機として、インバータ圧縮機２へ交換する際に、交換後のインバータ圧縮機２の運転周波数に対応する応力低減金具１を用いて、主冷媒配管３と分岐配管４とを一体に連結する。これにより、交換後のインバータ圧縮機２で発生する振動によって分岐配管４が受ける応力を低減する。

（３）
とくに、インバータ圧縮機２に交換した場合には、共振が生じる周波数帯を外して運転させることが難しいが、応力低減金具１によって分岐配管４の固有振動数を変化させることでインバータ圧縮機２の幅広い運転周波数に対応することが可能である。

（４）
また、圧力開閉器７に接続される分岐配管４は主冷媒配管３よりも非常に細くて（太さ２分、すなわち外径６．３ｍｍぐらい）、振動の影響を受けやすいが、本実施形態では、応力低減金具１によって分岐配管４が受ける応力を低減できる。

（５）
さらに、本実施形態では、後付けで接続可能な分岐配管４と、応力低減金具１とによって構成された分岐配管組立体１０を構成されている。この分岐配管組立体１０は、冷凍装置とは別に補用品として用意されたキットであり、圧縮機２の交換の際に、後付けで主冷媒配管３に接続される。

このため、分岐配管４等の補用部品ついて応力低減金具１をキット化することが可能であり、容易かつ確実に分岐配管４の応力低減対策をすることが可能である。

本発明は、圧縮機２に接続された主冷媒配管３から分岐配管４が分岐した冷凍装置の構造であれば、広く適用可能であり、本発明の分岐配管の応力低減金具およびその使用方法、ならびに分岐配管組立体のいずれも適用することが可能である。

本発明の実施形態に係わる応力低減金具によって分岐配管が冷凍装置の主冷媒配管に接続された状態を示す冷凍装置における圧縮機周辺の構成図。

符号の説明

１ 応力低減金具
２ 圧縮機
３ 主冷媒配管
４ 分岐配管
５ 第１連結部
６ 第２連結部
７ 圧力開閉器
１０ 分岐配管組立体

Claims (5)

1. 冷凍装置の圧縮機（２）に接続された主冷媒配管（３）から分岐した分岐配管（４）に作用する応力を低減する応力低減金具（１）であって、
   前記主冷媒配管（３）と連結する第１連結部（５）と、
   前記分岐配管（４）と連結する第２連結部（６）と
   を備えており、
   前記主冷媒配管（３）と前記分岐配管（４）とを一体に連結することにより、前記圧縮機（２）で発生する振動によって前記分岐配管（４）が受ける応力を低減させる、
   分岐配管（４）の応力低減金具（１）。
2. 請求項１に記載の分岐配管（４）の応力低減金具（１）を使用する方法であって、
   圧縮機（２）を運転周波数の異なる別の圧縮機（２）へ交換する際に、交換後の前記圧縮機（２）の運転周波数に対応する前記応力低減金具（１）を用いて、前記主冷媒配管（３）と前記分岐配管（４）とを一体に連結することにより、交換後の前記圧縮機（２）で発生する振動によって前記分岐配管（４）が受ける応力を低減する、
   ことを特徴とする応力低減金具（１）の使用方法。
3. 前記交換後の圧縮機（２）は、インバータ圧縮機である、
   請求項２に記載の応力低減金具（１）の使用方法。
4. 前記分岐配管（４）は、圧力開閉器（７）に接続されている、
   請求項２に記載の応力低減金具（１）の使用方法。
5. 請求項１に記載の分岐配管（４）の応力低減金具（１）と、
   冷凍装置の圧縮機（２）に接続された主冷媒配管（３）に後付けで接続可能な分岐配管（４）と
   を備えている分岐配管組立体（１０）。

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