JP2009275533A - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2009275533A
JP2009275533A JP2008125377A JP2008125377A JP2009275533A JP 2009275533 A JP2009275533 A JP 2009275533A JP 2008125377 A JP2008125377 A JP 2008125377A JP 2008125377 A JP2008125377 A JP 2008125377A JP 2009275533 A JP2009275533 A JP 2009275533A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
oil storage
chamber
compressor
adjustment hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008125377A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Egashira
諭 江頭
Kazuhiro Kuroki
和博 黒木
Masao Iguchi
雅夫 井口
Hiroyuki Motonami
博之 元浪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2008125377A priority Critical patent/JP2009275533A/ja
Publication of JP2009275533A publication Critical patent/JP2009275533A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compressor (AREA)

Abstract

【課題】貯油室内の油量を一定に維持することができ、かつ、圧縮機の車体への取り付けの自由度を上げることができる圧縮機を提供する。
【解決手段】車体フレームに取り付けた圧縮機における駆動軸7の軸心線X1を通る鉛直面X3により貯油室49を分割したとき、貯油室49の一方側に吸入室32に連通する第1の貯油量調整孔53が、他方側に吸入室32に連通する第2の貯油量調整孔54が配設されており、第1の貯油量調整孔53及び第2の貯油量調整孔54のうち、一方の貯油量調整孔を含む水平面よりも上方位置に他方の貯油量調整孔が配設されている。
【選択図】図2

Description

本願発明は、例えば、車両用空調装置に用いられる圧縮機の潤滑に関するものである。
例えば、特許文献1の図1及び図3に開示されたスクロール式圧縮機は、固定スクロール部材及び可動スクロール部材からなる圧縮機構が電動モータにより回転される回転軸によって駆動されている。第2ハウジング構成体には圧縮室に吐出弁を介して連通する吐出室が配設され、吐出室の周囲に環状に区画された第2油貯溜室が配設されている。
吐出室内において油分離器により冷媒ガスから分離された油は高圧の冷媒ガスと共に油通路を通り、背圧室に供給される。この過程で油は圧縮機の各摺動部を潤滑するとともに抽油通路を通り、第2油貯溜室に供給され、貯留される。
第2油貯溜室内の油は圧縮機構における吸引作用により油戻し通路を通して吸入室内へ導入される。吸入室内の油は冷媒ガスとともに圧縮室へ取り込まれて圧縮された後、吐出室から図示しない外部冷媒回路へ供給され、外部冷媒回路内の潤滑も行なう。
圧縮機においては、冷媒ガス中に適当量の油を混入させ、圧縮機のベアリングや摺動部あるいは外部冷媒回路等の潤滑や冷却が行われている。特許文献1には特に明示されていないが、第2油貯溜室内に貯留される油量の増減に応じて次のような問題点が生じる。即ち、第2油貯溜室内の油量が少な過ぎると、圧縮機の潤滑不良を生じるという問題がある。逆に第2油貯溜室内の油量が過剰になると、外部冷媒回路内の油不足が生じるとともに外部冷媒回路から吸入口を介して圧縮機のモータ収容室に戻る油量が減少する。このため、外部冷媒回路内やモータ収容室内の潤滑不良が生じるほか、熱容量の低下により電動モータの冷却不良が生じる等の大きな問題が生じる。
これらの問題を解消するために、従来は第2油貯溜室内の油量が予め設定した一定量に維持できるように、吸入室と連通する調整孔を第2油貯溜室内に配設する方法が行なわれていた。油戻し通路から吸入室へ戻る油量は微量に設定されているため、圧縮機の通常運転中、第2油貯溜室内の油量は増加する傾向にある。しかし、一定量以上の余分な油は前記調整孔から吸入室へ強制的に戻されるので、第2油貯溜室内の貯油量の過不足がなくなり、前記のような潤滑不良や冷却不良の問題を解消することができる。
特開2004−301090号公報
従来行なわれていた前記調整孔による第2油貯溜室内の油量調整は、特許文献1の図3に表されるように、例えば圧縮機が通常車体フレームに搭載された場合に正常に機能する構成である。しかし、車両側のニーズとして、圧縮機を駆動軸の回転方向に一定角度傾けた状態で設置する場合が多々ある。
例えば、圧縮機が前記調整孔と反対側の方向に傾けた状態で設置されると、前記調整孔の位置が高くなり、予め設定した一定量よりも過剰な状態で貯油されることになる。即ち、吸入室へ戻される油量が不足するという前記した従来と同様の問題が生じる。逆に圧縮機が前記調整孔の方向へ傾けて設置されると、前記調整孔の位置が低くなる。このため、油は早期に前記調整孔から吸入室側へ戻されてしまい、予め設定した一定量よりも少ない貯油状態になる。従って、前記した従来と同様の潤滑不足の問題が生じる。
本願発明の目的は、貯油室内の油量を一定に維持することができ、かつ、圧縮機の車体への取り付けの自由度を上げることができる圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本願発明は、ハウジング内に冷媒ガスの吸入室、圧縮室、吐出室及び冷媒ガスから分離された油の貯油室を備えるとともに圧縮機構に連結する駆動軸を収容した圧縮機において、車体フレームに取り付けた前記圧縮機における前記駆動軸の軸心線を通る鉛直面により前記貯油室を分割したとき、前記貯油室の一方側に前記吸入室に連通する第1の貯油量調整孔が、他方側に前記吸入室に連通する第2の貯油量調整孔が配設され、前記第1の貯油量調整孔及び第2の貯油量調整孔のうち、一方の貯油量調整孔を含む水平面よりも上方位置に他方の貯油量調整孔が配設されていることを特徴とする。ここで、「水平面」とは、鉛直面に対して直交する平面を意味する。
請求項1記載の本願発明によれば、貯油室内の油量を予め設定した一定量に維持することができ、かつ、圧縮機の車体への取り付けの自由度を上げることができる。従って、圧縮機のベアリング等の摺動部における潤滑を充分行なうことができる。
請求項2に記載の本願発明は、前記貯油室内の油を前記吸入室へ常時供給する油供給孔を設けたことを特徴とする。従って、圧縮機の低速運転時においても、前記吸入室へ油を不足することなく供給することができる。
請求項3に記載の本願発明は、前記吐出室は前記駆動軸の軸心線を含む中心側に配設され、前記貯油室は前記吐出室の周囲に環状に配設されていることを特徴とする。従って、吐出室の周囲を有効利用することができ、圧縮機のコンパクト化に貢献することができる。
請求項4に記載の本願発明は、前記圧縮機は前記ハウジング内に前記駆動軸を回転するモータを内蔵した電動圧縮機であることを特徴とする。従って、モータを構成する機構の潤滑及び冷却を充分行うことができる。
請求項5に記載の本願発明は、前記圧縮機内の油を前記貯油室に回収する抽油通路と前記第1の貯油量調整孔又は第2の貯油量調整孔のうち前記抽油通路に近い位置に配設された貯油量調整孔との間に仕切り部材を配設したことを特徴とする。従って、抽油通路から供給される油が前記第1の貯油量調整孔又は第2の貯油量調整孔に直接流入することを防止し、油を貯油室に適切に貯留することができる。
本願発明は、貯油室内の油量を一定に維持することができ、かつ、圧縮機の車体への取り付けの自由度を上げることができる。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態を図1及び図3に基づいて説明する。
図1はモータを内蔵したスクロール式圧縮機(以下、単に圧縮機という)の概要を示すものである。なお、本願明細書では図1の左側をフロント、右側をリアとして説明する。ハウジング1はフロントハウジング2及びリアハウジング3を有し、両者をボルト4にて締結することにより構成されている。また、ハウジング1は横置き型の圧縮機として示されている。フロントハウジング2は大径筒部2a及び大径筒部2aのフロント側に延出した有底円筒状の小径筒部2bを有する。リアハウジング3はリア側に底部を有する有底円筒体として形成されている。
フロントハウジング2の底部内壁中央部には、円筒状のボス部5が内部に突出され、大径筒部2aの開口端側には、中央部に貫通孔を有する軸受部材6が圧入されている。ボス部5と軸受部材6との間には駆動軸7が配置され、それぞれベアリング8、9により回転可能に支持されている。軸受部材6と駆動軸7との間にはシール部材10が介在され、軸受部材6のフロント側とリア側とを封鎖している。この構成により、軸受部材6のフロント側には、密閉されたモータ収容室11が区画される。
フロントハウジング2の小径筒部2bの内周面には、コイル12を備えたステータ13が設けられている。また、駆動軸7には、ステータ13の内周側に位置するようにロータ14が固定されている。コイル12、ステータ13、ロータ14及び駆動軸7はモータ15を構成する。小径筒部2bの外周面の一部にはアルミ製の冷却板16が配置され、冷却板16の上面にシール部材17を介在してインバータケース18が固定されている。インバータケース18にはインバータ回路を実装した回路基板が収納されている。従って、電源となるインバータからコイル12への給電によって、ロータ14及び駆動軸7が一体となって回転される。
大径筒部2aの開口端側には、円板上に形成された固定スクロール体19が配設されている。固定スクロール体19は外周壁20及びフロント側に突出して形成された固定渦巻壁21を有する。また、固定スクロール体19は外周壁20のフロント側端面が軸受部材6のリア側に形成されたフランジ部6aに接合され、リアハウジング3をフロントハウジング2にボルト4によって締結することにより固定される。この構成により、固定スクロール体19及び軸受部材6の間には密閉された背圧室22が区画形成されている。
駆動軸7はリア側が背圧室22内に突出し、駆動軸7の軸心線X1から一定距離偏心した軸心線X2を有する偏心軸23が設けられている。偏心軸23の外周にはブッシュ24が嵌合し、固定されている。ブッシュ24は円板上に形成された可動スクロール体25をベアリング26を介して相対回転可能に支持している。
可動スクロール体25は環状の外周壁27及びリア側に突出して形成された可動渦巻壁28を備えている。外周壁27はそのフロント側端面が軸受部材6のフランジ部6aに接触している。可動渦巻壁28は固定スクロール体19の固定渦巻壁21に噛み合わされ、固定渦巻壁21のフロント側端面が可動スクロール体25に、可動渦巻壁28のリア側端面が固定スクロール体19にそれぞれ接触するように構成されている。従って、可動スクロール体25の旋回時に、固定渦巻壁21と可動渦巻壁28との間には複数の圧縮室29が形成される。
可動スクロール体25のフロント側には複数の孔30が形成され、軸受部材6のフランジ部6aのリア側に突出して形成した複数のピン31が複数の孔30にそれぞれ遊嵌することによって可動スクロール体25の自転を阻止している。
固定スクロール体19の外周壁20と可動スクロール体25の外周壁27との間には、吸入室32が形成されている。吸入室32は図示しない吸入通路によりモータ収容室11と連通している。
フロントハウジング2の大径筒部2aのフロント側には、モータ収容室11と連通する冷媒ガスの吸入口33が形成され、図示しない外部冷媒回路の蒸発器につながる外部管路と接続している。従って、外部冷媒回路から帰還する低圧の冷媒ガスは吸入口33からモータ収容室11に導入され、さらに図示しない吸入通路を介して吸入室32へ導入される。なお、ステータ13の外周面に形成されたスラスト方向の複数の溝(図示せず)及びステータ13とロータ14との間の隙間は冷媒ガスの通路となり、冷媒ガス中に混在する油によりモータ15の各構成部とベアリング8、9の潤滑及び冷却が行われる。また、冷却板16を冷却することによりインバータケース18内の回路基板を冷却することができる。
リアハウジング3の内部に形成した区画壁34と固定スクロール体19との間には、吐出室35が形成されている。固定スクロール体19及び可動スクロール体25により区画される中心位置の圧縮室29は、固定スクロール体19の中心部に形成した吐出孔36により吐出室35と連通する。固定スクロール体19のリア側には、吐出孔36を開閉するためのリード弁よりなる吐出弁37及び吐出弁37の開度を規制するリテーナ38が配設され、ボルト39によって固定されている。
従って、モータ15が駆動されると、駆動軸7及び偏心軸23の回転により可動スクロール体25が固定スクロール体19の軸心(駆動軸7の軸心線X1と同一線上にある)の周りで旋回される。このとき、可動スクロール体25はピン31によって自転が阻止され、旋回運動のみを行なう。可動スクロール体25の旋回運動により、圧縮室29が固定スクロール体19の固定渦巻壁21及び可動スクロール体25の可動渦巻壁28の外周側から中心側へ容積を減少しつつ移動される。この圧縮室29の移動により、吸入室32から取り込まれた低圧冷媒ガスの圧縮が行われる。圧縮された高圧冷媒ガスは、吐出孔36から吐出弁37を介して吐出室35に吐出される。
リアハウジング3には、筒状の油分離器40を内包する油分離室41が形成されている。油分離室41は油分離器40の外周面と対向する位置に設けられた連通孔42によって吐出室35と連通する。油分離器40の下端は油分離室41内に開口し、上端は吐出口43に開口している。吐出口43は図示しない外部冷媒回路の凝縮器につながる外部管路と接続する。従って、吐出室35から油分離室41に流出する高圧の冷媒ガスは、油分離器40の外周面を旋回することにより油を分離され、油分離器40の下端から吐出口43へ流れる。冷媒ガスから分離された油は油分離室41の下方に滴下する。
固定スクロール体19に形成された絞り通路44に連通する油導出路45がリアハウジング3に形成されている。油導出路45はフィルタ46を介して油分離室41の下部に開口し、絞り通路44は背圧室22に連通している。従って、油分離室41内の少量の冷媒ガスを含有する高圧の油は油導出路45及び絞り通路44を介して背圧室22に供給され、ベアリング26等の潤滑機能及び可動スクロール体25を固定スクロール体19に付勢する機能を行なう。
図2に示すように、固定スクロール体19のリア側壁面には吐出室35を囲む環状の区画壁47が突出形成され、区画壁47とリアハウジング3のフロント側壁面との間にシールリング48が介在される。一方、リアハウジング3には吐出室35の周囲を取り囲むように、区画壁47の外周囲に貯油室49が形成されている。
貯油室49の上方位置には抽油通路50が開口され、背圧室22と連通している。抽油通路50はボール及びスプリングにより構成されるチェック弁51(図1参照)を有する。チェック弁51は背圧室22内の圧力と貯油室49内の圧力との差に応じて開かれる。従って、圧縮機の通常運転状態では、チェック弁51の動作によって背圧室22の圧力、即ち背圧室22の圧力に基づく可動スクロール体25の付勢力がほぼ一定に保たれる。また、背圧室22内の油は抽油通路50及びチェック弁51を通して貯油室49に回収され、貯留される。
油が常時貯留される貯油室49内の下方側(図2の下側)には、固定スクロール体19のリア側壁面に吸入室32と連通する油供給孔としての油戻し孔52が形成されている。油戻し孔52は大きく絞った細孔で形成されており、圧縮機の低速運転時に油が油戻し孔52から吸入室32へ必要量供給され、圧縮機や外部冷媒回路の潤滑機能及び冷却機能を充足することができる。
貯油室49内において、固定スクロール体19のリア側壁面にはさらに第1の貯油量調整孔53及び第2の貯油量調整孔54が2箇所に形成されている。図2は、多くの圧縮機が車両の車体フレームに通常設置される場合を示している。第1の貯油量調整孔53は、駆動軸7の軸心線X1を通る鉛直面X3によって貯油室49を分割したとき、貯油室49の一方である鉛直面X3の左側に配設され、その高さ位置は予め設定された貯油量の油面Yに相当する。
一方、第2の貯油量調整孔54は第1の貯油量調整孔53の反対側に位置するように、貯油室49の他方である鉛直面X3の右側に配設されている。第2の貯油量調整孔54の高さ位置は第1の貯油量調整孔53を含む水平面よりも高く、図3に示すように、圧縮機が駆動軸7の回転方向に一定角度傾けて設置された場合に前記予め設定された貯油量に達した時の油面Yに相当する。但し、第2の貯油量調整孔54の高さ位置は圧縮機が設置される時の傾き角度に応じた適切な位置に形成されるものである。なお、第1の貯油量調整孔53を含む水平面とは、圧縮機を車体に取り付けた状態において、図2に示した第1の貯油量調整孔53の孔径内の1点を通る水平面を指すものである。ここで、「水平面」とは、鉛直面X3に対して直交する平面を意味する。
なお、符号55は貯油室49内上部の固定スクロール体19のリア側壁面に形成したガス戻し孔であり、貯留された油から分離された冷媒ガスを吸入室32に導入することができる。また、吐出孔36の両側に示した符号56、57は吐出孔36よりも小径に形成された過剰圧力調整用の補助吐出孔である。補助吐出孔56、57は固定スクロール体19及び可動スクロール体25の中心に区画される圧縮室29よりも外周に隣接して区画される他の圧縮室29に連通する。補助吐出孔56、57は図示しないが、吐出孔36の吐出弁37と同様に構成された吐出弁を有し、各吐出弁の開度がリテーナ58、59によって規制されている。前記他の圧縮室29内の圧力が過剰になると、冷媒ガスの漏れが生じて圧縮効率を低下するため、補助吐出孔56、57は一定圧力以上になると吐出弁が開き、吸入室32へ冷媒ガスを放出して圧縮効率の安定化を図っている。
以上のように構成された第1の実施形態の作用を以下に説明する。
圧縮機の運転が開始され、モータ15の駆動軸7が回転すると、偏心軸23により可動スクロール体25が旋回運動する。吸入室32から導入された低圧の冷媒ガスは固定スクロール体19と可動スクロール体25との間に区画される圧縮室29によって圧縮される。圧縮された高圧の冷媒ガスは吐出孔36から吐出室35へ吐出され、さらに連通孔42から油分離室41へ導入される。油分離器40の周囲を旋回する冷媒ガスは油を分離されて吐出口43へ流出する。
但し、一部の油は冷媒ガスとともに吐出口43から外部冷媒回路へ供給され、外部冷媒回路内の潤滑を行なう。また、外部冷媒回路から吸入口33を通りモータ収容室11へ帰還した冷媒ガス中の油はモータ15及びベアリング8、9の潤滑及び冷却を行なうとともに冷却板16を介してインバータケース18内の回路基板の冷却を行なう。
一方、冷媒ガスから分離された高圧の油は一部の冷媒ガスとともに油導出路45及び絞り通路44を通り背圧室22へ供給される。背圧室22では可動スクロール体25を付勢するとともにベアリング26及び可動スクロール体25の摺動部の潤滑を行なう。背圧室22内の圧力が一定圧以上になると、チェック弁51が開き、冷媒ガスとともに油が貯油室49に排出される。
圧縮機の運転中、貯油室49には油が順次貯留されていく。図2に示した圧縮機の設置状態では、予め設定された貯油量の油面Yを超えた過剰な油は第1の貯油量調整孔53から排出され、吸入室32へ供給される。従って、貯油室49内の油は予め設定された貯油量に維持される。また、吸入室32内の油は低圧の冷媒ガスとともに圧縮室29へ吸入されるため、冷媒ガスとともに背圧室22への供給と外部冷媒回路及びモータ収容室11への供給が過不足なく行なわれ、各部の潤滑及び冷却が適性に行われる。
図3に示すように、図2の構成を有する圧縮機が駆動軸の回転方向、即ち、図2の時計方向に一定角度傾いた状態で設置された場合は、予め設定された貯油量の油面Yを超えた過剰な油は第2の貯油量調整孔54から排出され、吸入室32へ供給される。従って、圧縮機が車体フレームに一定角度傾けて設置された場合であっても、貯油室49内に予め設定された貯油量を維持することができるとともに背圧室22、モータ収容室11及び外部冷媒回路内の潤滑と必要な個所の冷却が適性に行われる。
前記した本願発明の第1の実施形態では、以下の作用効果が得られる。
(1)車体フレームに取り付けた圧縮機における駆動軸7の軸心線X1を通る鉛直面X3により貯油室49を分割したとき、貯油室49の一方側に吸入室32に連通する第1の貯油量調整孔53が、他方側に吸入室32に連通する第2の貯油量調整孔54が配設されており、第1の貯油量調整孔53及び第2の貯油量調整孔54のうち、一方の貯油量調整孔を含む水平面よりも上方位置に他方の貯油量調整孔が配設されている。従って、貯油室49内の油量を一定に維持することができ、かつ、圧縮機の車体への取り付けの自由度を上げることができる。また、貯油室49内の貯油量を一定に維持するための構成が極めて簡単で、従来の圧縮機の内部構造の大きな変更を必要としない。
(2)貯油室49内の油を吸入室32へ常時供給する油戻し孔52を設けた。従って、貯油室49内に貯められた油が油戻し孔52を介して吸入室32へ供給されるため、圧縮機の低速運転時における可動スクロール体25と固定スクロール体19との摺動部における潤滑を充分行なうことができる。
(3)吐出室35は駆動軸7の軸心線X1を含む中心側に配設され、貯油室49は吐出室35の周囲に環状に配設されている。従って、吐出室35の周囲を有効利用することができ、圧縮機のコンパクト化に貢献することができる。
(4)圧縮機はハウジング1内に駆動軸7を回転するモータ15を内蔵した電動圧縮機である。従って、モータを構成する機構の潤滑及び冷却を充分行なうことができる。
(第2の実施形態)
図4に示す第2の実施形態は、第1の実施形態の一部を変更したもので、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
一般に、抽油通路50からは圧縮機内の油が冷媒ガスとともに貯油室49内に回収されているため、一部が周囲に飛散し易い傾向がある。第2の貯油量調整孔54は比較的抽油通路50に近い位置に配設されているため、飛散した油が直接第2の貯油量調整孔54に吸引され易いという問題が生じ易い。この結果、貯油室49内における予め設定された一定量の油の貯留を維持できなくなる恐れが生じる。
第2の実施形態は、抽油通路50と第2の貯油量調整孔54との間に板状の仕切り部材60を配設したものである。仕切り部材60を配設することにより、抽油通路50から第2の貯油量調整孔54側に飛散した油は仕切り部材60に衝突し、矢印で示されるように貯油室49の下方に滴下する。従って、回収した油が直接第2の貯油量調整孔54に吸引されることは無い。なお、仕切り部材60は板状に限らず、飛散した油が第2の貯油量調整孔54に直接吸引されないように構成されるものならば、いかなる形状のものにも置き換えることが可能である。
本願発明は、前記した各実施形態の構成に限定されるものではなく本願発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、次のように実施することができる。
(1)第1の実施形態は圧縮機を駆動軸7の回転方向の内、図2の時計方向側に傾いた状態で設置する例を示したが、本願発明は図2の反時計方向側に傾けて設置した場合でも実施することができる。この例では、第1の実施形態における第1の貯油量調整孔53と第2の貯油量調整孔54がそれぞれの高さ位置を逆にした状態に配設される。従って、圧縮機が図2の状態では第2の貯油量調整孔54が油面Yの位置に存在し、圧縮機が図2の反時計方向側に傾けて設置された状態では第1の貯油量調整孔53が油面Yの位置に存在することになる。
(2)第2の実施形態における仕切り部材60の位置は、抽油通路50の配設位置により異なる。例えば、抽油通路50が第1の貯油量調整孔53に近い位置に配設された場合は、仕切り部材60を抽油通路50と第1の貯油量調整孔53との間に配設することになる。
(3)圧縮機(スクロール式に限らず他の方式の圧縮機を含む)は第1の実施形態のようにモータを内蔵した内部駆動源により運転されるものに限らず、例えば車両のエンジン等の外部駆動源によって運転されるものであっても良い。
(4)本願発明を実施する圧縮機はスクロール式に限らず、斜板式、ベーン式、ワッブル式あるいはルーツ式等の各圧縮機において実施することができる。
本願発明を実施したスクロール式圧縮機の縦断面図である。 圧縮機の設置状態を示す図1のA−A線断面図である。 図2の圧縮機を一定角度傾けて設置した状態を示すA−A線断面図である。 第2の実施形態を示す図2相当の断面図である。
符号の説明
1 ハウジング
7 駆動軸
11 モータ収容室
15 モータ
19 固定スクロール体
21 固定渦巻壁
22 背圧室
23 偏心軸
25 可動スクロール体
28 可動渦巻壁
29 圧縮室
32 吸入室
35 吐出室
36 吐出孔
38 リテーナ
49 貯油室
50 抽油通路
52 油戻し孔
53 第1の貯油量調整孔
54 第2の貯油量調整孔
55 ガス戻し孔
60 仕切り部材
X1 駆動軸の軸心線
X3 垂線
Y 油面

Claims (5)

  1. ハウジング内に冷媒ガスの吸入室、圧縮室、吐出室及び冷媒ガスから分離された油の貯油室を備えるとともに圧縮機構に連結する駆動軸を収容した圧縮機において、
    車体フレームに取り付けた前記圧縮機における前記駆動軸の軸心線を通る鉛直面により前記貯油室を分割したとき、前記貯油室の一方側に前記吸入室に連通する第1の貯油量調整孔が、他方側に前記吸入室に連通する第2の貯油量調整孔が配設されており、前記第1の貯油量調整孔及び第2の貯油量調整孔のうち、一方の貯油量調整孔を含む水平面よりも上方位置に他方の貯油量調整孔が配設されていることを特徴とする圧縮機。
  2. 前記貯油室内の油を前記吸入室へ常時供給する油戻し孔を設けたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記吐出室は前記駆動軸の軸心線を含む中心側に配設され、前記貯油室は前記吐出室の周囲に環状に配設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記圧縮機は前記ハウジング内に前記駆動軸を回転するモータを内蔵した電動圧縮機であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の圧縮機。
  5. 前記圧縮機内の油を前記貯油室に回収する抽油通路と、前記第1の貯油量調整孔又は第2の貯油量調整孔のうち前記抽油通路に近い位置に配設された貯油量調整孔との間に仕切り部材を配設したことを特徴する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の圧縮機。
JP2008125377A 2008-05-13 2008-05-13 圧縮機 Pending JP2009275533A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008125377A JP2009275533A (ja) 2008-05-13 2008-05-13 圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008125377A JP2009275533A (ja) 2008-05-13 2008-05-13 圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009275533A true JP2009275533A (ja) 2009-11-26

Family

ID=41441211

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008125377A Pending JP2009275533A (ja) 2008-05-13 2008-05-13 圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009275533A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102150374B1 (ko) * 2019-08-27 2020-09-01 (주)대주기계 흡입유로에 슬릿 브로윙을 적용한 대용량 공기압축기의 성능개선 구조

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102150374B1 (ko) * 2019-08-27 2020-09-01 (주)대주기계 흡입유로에 슬릿 브로윙을 적용한 대용량 공기압축기의 성능개선 구조

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6672101B2 (en) Electrically driven compressors and methods for circulating lubrication oil through the same
JP4273807B2 (ja) 電動圧縮機
US8162636B2 (en) Scroll compressor having partition wall in oil reservoir
KR101971819B1 (ko) 스크롤 압축기
US20020136653A1 (en) Scroll compressors and methods for circulating lubrication oil through the same
EP1464840A1 (en) Scroll compressor
CN111379704A (zh) 电动压缩机
JP2007182773A (ja) 圧縮機
US20020136654A1 (en) Scroll-type compressor with lubricant provision
JP2007085297A (ja) スクロール圧縮機
US8485803B2 (en) Scroll compressor comprising oil separating driving shaft
US20060083649A1 (en) Compressor
JP4149947B2 (ja) 圧縮機
JP5173479B2 (ja) スクロール電動圧縮機
JP6611648B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2009275533A (ja) 圧縮機
CN213981182U (zh) 动涡旋组件及包括其的涡旋压缩机
JP6633305B2 (ja) スクロール圧縮機
JP4720649B2 (ja) 電動圧縮機
JP7135694B2 (ja) 圧縮機
JP2002295369A (ja) 電動圧縮機および電動圧縮機の潤滑油循環方法
JP2010112180A (ja) 電動圧縮機
JP2022502604A (ja) コンプレッサー
JP2006090180A (ja) 密閉型圧縮機
JP2007247562A (ja) 冷媒圧縮機