JP2009274636A - 洗車機 - Google Patents

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剛大 山田
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Abstract

【課題】前部本体と後部本体との離間動距離を十分に設定でき、構造を簡単かつ安価とし得る洗車機を提供する。
【解決手段】洗車機本体1を、それぞれ別個に走行可能な、被洗浄車両2の洗浄を行う洗浄手段を備えた前部本体1Aと、被洗浄車両2の乾燥を行う乾燥手段を備えた後部本体1Bに分離し、前部本体1Aと後部本体1Bの少なくとも一方の上部に、上方へ起立状に突出したブーム51を設け、ブーム51の上部によって、前部本体1Aと後部本体1Bとに亘って設けた配線・配管体47の中間部を支持した。前部本体1Aと後部本体1Bを接近させたときに配線・配管体47を、洗車機本体1の高さとブーム51の突出高さとの高さ範囲内で十分な長さの垂れ下がり状にでき、離間に際して離間動距離を十分に取ることができ、前部本体1Aの洗浄手段からの水しぶきが後部本体1Bの乾燥手段に飛散し難い離間距離に容易に設定できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば給油所などに設置され、洗車に使用される洗車機に関するものである。
従来、この種のものとしては、次のような構成が提供されている。すなわち、被洗浄車両に対して洗車機本体を移動させながら洗車を行う洗車機であって、洗車機本体を、被洗浄車両の洗浄を行う洗浄手段を備えた前部本体と、被洗浄車両の乾燥を行う乾燥手段を備えた後部本体に分離している。そして、前部本体と後部本体をそれぞれ別個に走行可能にするとともに、これら前部本体と後部本体との間に配線・配管体を設けている。
すなわち、前部本体と後部本体との上面間には、横方向で折れ曲がり自在なアーム体が設けられ、配線・配管体は、このアーム体に支持された状態で配設されている。これにより配線・配管体は、その配線が前部本体側の走行制御部や洗浄制御部などに接続されて給電を行い、そして配管により給水を行うことになる。その際に、前部本体と後部本体とが接近動したときにアーム体は、支持した配線・配管体とともに折れ曲がり状にある。また前部本体と後部本体とが離間動したとき、アーム体が折れ曲がり状から直進状へと変位することになり、これに伴って配線・配管体も変位することで前部本体側に対する給電や給水は何ら支障なく行える(たとえば、特許文献1参照。)。
特開2007−131182号公報(第7−10頁、図1−図3) 特開平10−305760号公報
しかし、上記した従来構成によると、横方向で折れ曲がり自在なアーム体は、その両基端部が前後に振り分けられて、前部本体と後部本体との上部に横方向で揺動自在に支持された状態、すなわち折れ曲がり部(中間部分)がフリーの状態にあり、したがって、配線・配管体を支持しているアーム体を安定して折れ曲がり揺動させるためには、アーム体や揺動支持軸の部分に、水平を支える強度が必要となり、構造が複雑かつ高価となる。特に、前部本体と後部本体との離間動距離を、前部本体の洗浄手段からの水しぶきが後部本体の乾燥手段に飛散し難いように長く設定したときには、その分、アーム体が長くなって、構造がより複雑かつ高価となる恐れがある。
そこで本発明の請求項1記載の発明は、前部本体と後部本体との離間動距離を十分に設定し得るものでありながらも、構造を簡単かつ安価とし得る洗車機を提供することを目的としたものである。
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載の洗車機は、被洗浄車両に対して洗車機本体を移動させながら洗車を行う洗車機であって、洗車機本体を、被洗浄車両の洗浄を行う洗浄手段を備えた前部本体と、被洗浄車両の乾燥を行う乾燥手段を備えた後部本体に分離するとともに、前部本体と後部本体をそれぞれ別個に走行可能とし、前部本体と後部本体の少なくとも一方の上部に、上方へ起立状に突出したブームを設け、このブームの上部によって、前部本体と後部本体とに亘って設けた配線・配管体の中間部を支持したことを特徴としたものである。
したがって請求項1の発明によると、前部本体と後部本体をそれぞれ別個に走行させて、前部本体に設けた洗浄手段による被洗浄車両の洗浄と、後部本体に設けた乾燥手段による被洗浄車両の乾燥とを実行し得る。その際に配線・配管体によって、前部本体に対する給電と給水を行えるとともに、後部本体に対する給電を行える。そして、前部本体と後部本体を接近させたときに配線・配管体を、洗車機本体の高さとブームの突出高さとの高さ範囲内で、十分な長さの垂れ下がり状にし得る。また前部本体と後部本体との離間は、この十分な長さの垂れ下がり量の配線・配管体を穏やかな垂れ下がり状として行え、これにより前部本体と後部本体との離間動距離を十分に取れる。
また本発明の請求項2記載の洗車機は、上記した請求項1記載の構成において、ブームを、上方へ突出した起立姿勢と他方側への傾倒姿勢との間で揺動自在に構成したことを特徴としたものである。
したがって請求項2の発明によると、前部本体と後部本体を接近させたときにブームを起立姿勢に揺動させることで、配線・配管体を、ブームと洗車機本体との高さ範囲内で、十分な長さの垂れ下がり状とし得、そして前部本体と後部本体を離間させたときにブームを傾倒姿勢に揺動させることで、十分な長さの垂れ下がり量の配線・配管体を他方へ振り出した垂れ下がり状にし得る。
そして本発明の請求項3記載の洗車機は、上記した請求項2記載の構成において、ブームを起立姿勢に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴としたものである。
したがって請求項3の発明によると、前部本体と後部本体とを接近させると、接近するにつれて配線・配管体の引っ張り力が低減(減少)し、これによりブームを、付勢手段の付勢力によって起立姿勢へと自動的に揺動させ得る。また前部本体と後部本体とを離間させると、洗車機本体とブームとの間における配線・配管体の引っ張り力によって、付勢手段による付勢力に抗してブームを自動的に前方傾倒させ得る。
上記した本発明の請求項1によると、前部本体と後部本体をそれぞれ別個に走行駆動して、前部本体に設けた洗浄手段による被洗浄車両の洗浄と、後部本体に設けた乾燥手段による被洗浄車両の乾燥とを実行できる。その際に配線・配管体によって、前部本体に対する給電と給水を行うことができるとともに、後部本体に対する給電を行うことができる。そして、前部本体と後部本体を接近させたときに配線・配管体を、洗車機本体の高さとブームの突出高さとの高さ範囲内で、十分な長さの垂れ下がり状にできる。また前部本体と後部本体との離間は、この十分な長さの垂れ下がり量の配線・配管体を穏やかな垂れ下がり状として行うことができ、これにより前部本体と後部本体との離間動距離を十分に取れて、前部本体の洗浄手段からの水しぶきが後部本体の乾燥手段に飛散し難い離間距離に容易に設定でき、以て前部本体と後部本体とを別個に走行させての洗車を常に円滑に行うことができる。しかもブームは、後部本体の上部から上方へ起立状に突出させたことによって、強度をさほど必要とせず、その構造を簡単かつ安価に提供できる。
また上記した本発明の請求項2によると、前部本体と後部本体を接近させたときにブームを起立姿勢に揺動させることで、配線・配管体を、ブームと洗車機本体との高さ範囲内で、十分な長さの垂れ下がり状にでき、そして前部本体と後部本体を離間させたときにブームを傾倒姿勢に揺動させることで、十分な長さの垂れ下がり量の配線・配管体を他方へ振り出した垂れ下がり状にできる。
そして上記した本発明の請求項3によると、前部本体と後部本体とを接近させると、接近するにつれて配線・配管体の引っ張り力が低減(減少)し、これによりブームを、付勢手段の付勢力によって起立姿勢へと自動的に揺動させることができる。また前部本体と後部本体とを離間させると、洗車機本体とブームとの間における配線・配管体の引っ張り力によって、付勢手段による付勢力に抗してブームを自動的に前方傾倒させることができる。
[実施の形態1]
以下に、本発明の実施の形態1を、ドライブスルータイプの洗車機(前方から洗車機本体内へ進入した被洗浄車両を洗車終了後に後方へ通り抜け退場させる方式のセルフ洗車機)に採用した状態として、図1〜図7に基づいて説明する。
図1〜図3において、1は洗車機本体で、車両2を跨ぎ、車両2の前後方向に走行可能として門型に構成されている。この洗車機本体1は、車両2の洗浄を行う洗浄手段を備えた前部本体1Aと、車両2の乾燥を行う乾燥手段を備えた後部本体1Bに分離され、それぞれ複数個の輪体3を介して床面4に敷設された一対のレール5の上をそれぞれ別個に走行可能とされている。そして前部本体1Aの後端の両側には、後述するアーチを取り付けるためのパネル6が突設され、また前部本体1Aの正面上部には、車両2の存在および車両2の車高を検出する超音波センサからなる車両検出センサ7が設けられている。
前記パネル6を含む前部本体1A内には、前記車両2の洗浄手段の一例として、前面より順に、前端部上方に配置され、高圧水を上方から車両2へ噴射する高圧水スプレーノズル11と、洗浄水(リンス)を車両2の上面と両側面へ噴射する第1洗浄水(プレリンス)アーチ12と、洗車機本体1の走行方向と直角な左右方向に出退自在で車両2のタイヤおよび下部側面を洗浄する左右一対のロッカーブラシ13と、上下方向に移動自在で車両2の上面を洗浄するトップブラシ14と、通常の洗剤を車両2の上面へ噴射する第1洗剤(前洗剤)アーチ15と、洗浄水(リンス)を車両2の上面と両側面へ噴射する第2洗浄水(ファイナルリンス)アーチ16と、ワックス液(下地ワックス)を車両2の上面と両側面へ噴霧する第1ワックスアーチ17と、左右方向に横行自在で車両2の前後面および両側面を洗浄する一対のサイドブラシ18と、後部本体1Bの近くに配置され、高発泡洗剤を車両2の上面へ噴霧する高発泡洗剤アーチ19と、撥水コート液を車両2の上面と両側面へ噴霧する撥水コートアーチ20と、通常の洗剤を車両2の上面と両側面へ噴射する第2洗剤(後洗剤)アーチ21と、ワックス液(仕上げワックス)を車両2の上面と両側面へ噴霧する第2ワックスアーチ22とが設けられている。
前記ロッカーブラシ13とトップブラシ14とサイドブラシ18とによりブラッシング装置が構成され、高圧水スプレーノズル11と第1洗浄水アーチ12と第1洗剤アーチ15と第2洗浄水アーチ16と第1ワックスアーチ17と高発泡洗剤アーチ19と撥水コートアーチ20と第2洗剤アーチ21と第2ワックスアーチ22とによりスプレー装置が構成されている。
また前部本体1Aの前端部に、前方に突出させて、起動、停止指令や洗車モードなどを入力する操作スイッチなどが配列された操作ボックス23が設けられ、さらに車両2の運転者に車両2の進入および停止を報知する手段として、緑色ランプからなる進入信号灯24と赤色ランプからなる停止信号灯25が設けられている。
また後部本体1B内には、車両2の乾燥手段の一例として、上下方向に移動自在で被洗浄車両2の上面を乾燥するトップノズル27と、左右方向に出退自在で車両2の両側面を乾燥する左右一対のサイドノズル28が設けられ、さらに両ノズル27,28に同時に連通して風を供給する左右一対のブロワ装置29が設けられている。
そして図7に示すように、前記レール5の先端前方に、車両2の洗車位置への進入をコントロールする遮断機31と、車両2を検出するとともに車高が洗車機本体1の制限高さ以下の車両2であるかどうかを検出する進入センサ32が設けられ、またレール5の後端後方には車両2の運転者へ洗車終了による退場(洗車位置からの脱出)を促す出口信号灯33が設けられている。
図1、図2に示すように、洗車機本体1のホームポジションHPの後方位置には、その下部を支点として、起立姿勢と前方傾倒姿勢との間で揺動自在な床側ブーム41が設けられている。すなわち、床面4上には保持枠体43が設けられ、この保持枠体43側に前記床側ブーム41の下部が横軸体(支点)44を介して連結されることで、床側ブーム41は揺動自在に構成される。その際に床側ブーム41は、起立姿勢の位置がストッパ機構43Aにより規制されている。また床側ブーム41は、引張りコイルバネなどの付勢手段45によって起立姿勢の方向に付勢されている。そして床側ブーム41の上端には、配線・配管体47の反転案内部42が設けられている。
ここで配線・配管体47は、給電用の配線と給水用の配管(ホース)などを束ねることで可撓状に形成されている。そして配線・配管体47は、その後半露出部分48が反転案内部42に上方から掛けられ、このとき床側ブーム41の上端、すなわち反転案内部42から前方への部分が非拘束状態であり、また反転案内部42から後方への部分が床側ブーム41の後面側に沿って拘束状態で配設されている。この配線・配管体47の後半露出部分48における非拘束の前方部分48aは後部本体1Bの後端上部に達している。また拘束された後方部分48bの基端側は分岐され、その配線の基端は一次側電源ボックス(図示せず。)に接続され、そして配管の基端はポンプを介して水タンク(いずれも図示せず。)内に位置されている。なお配線・配管体47は、後部本体1Bの部分などにおいて配線が分岐され、この分岐配線は、後部本体1B側の走行制御部や乾燥制御部などに接続されて給電を行うことになる。
図1〜図3に示すように、後部本体1Bの前端側上部には、その下部を支点として、起立姿勢と前方傾倒姿勢との間で揺動自在な本体側ブーム(ブームの一例)51が設けられている。すなわち、後部本体1B内の上部には保持部材53が設けられ、この保持部材53側に前記本体側ブーム51の下部が横軸体(支点)54を介して連結されることで、本体側ブーム51は、後部本体1Bから上方へ突出した起立姿勢と、前部本体1A側へ傾倒した前方傾倒姿勢との間で揺動自在に構成される。その際に本体側ブーム51は、起立姿勢の位置がストッパ機構53Aにより規制され、また引張りコイルバネなどの付勢手段55によって起立姿勢の方向に付勢されている。そして本体側ブーム51の遊端には、前部本体1Aと後部本体1Bとに亘って設けた配線・配管体47における前半露出部分49の中間部を支持自在な支持案内部(上部の一例)52が設けられている。
ここで配線・配管体47は、その前半露出部分49が支持案内部52に上方から掛けられ、このとき本体側ブーム51の上端、すなわち支持案内部52から前方への部分が非拘束状態であり、また支持案内部52から後方への部分が本体側ブーム51の後面側に沿って拘束状態で配設されている。この前半露出部分49における非拘束状の前方部分49aは前部本体1Aの後端上部に達し、また拘束状とされた後方部分49bは後部本体1Bの前端上部に達している。これにより配線・配管体47は、その配線が前部本体1A側の走行制御部や洗浄制御部などに接続されて給電を行い、そして配管により給水を行うことになる。
その際に、起立姿勢における本体側ブーム51における支持案内部52の、後部本体1Bの上面から上方への突出高さ(突出長さ)Hは、前部本体1Aと後部本体1Bとを別個に走行させての洗車が円滑に行えるように設定されている。すなわち図1に示すように、前部本体1Aと後部本体1Bとを接近動させて本体側ブーム51を起立姿勢としたときに、垂れ下がり状の前方部分49aの下端部分が床面4側に対して上方へ好適に離間され、また図5、図6に示すように、前部本体1Aと後部本体1Bとを十分(好適)に離間動させて、前部本体1Aの洗浄手段からの水しぶきが後部本体1Bの乾燥手段に飛散し難い離間距離Lとしたときに、本体側ブーム51は前方傾倒姿勢となって、前方部分49aが緩やかな垂れ下がり状となるように設定されている。
以下に、上記した実施の形態1における作用、すなわち、制御手段のシーケンス制御部による前部本体1Aと後部本体1Bとブラシ13,14,18と乾燥用の両ノズル27,28などの動作を説明する。なお、前部本体1Aと後部本体1BはホームポジションHPに停止し、図1の仮想線に示すように、開放された遮断機31を通って車両2が進入してきているものとする。
まず、車両検出センサ7により車両2が洗車位置まで進入してきたことを確認すると、停止信号灯25を点灯し、進入信号灯24を消灯して車両2の停止を報知する。続いて操作ボックス23により洗車に必要な洗車モードが設定され、洗車モードを確認すると、遮断機31へ閉指令を出力し、次に洗浄制御部へブラシ13,14,18の回転指令信号を出力し、続いてロッカーブラシ13による洗車指令信号を出力し、走行制御部へ前部本体1Aの前進指令を出力する。これにより、洗浄制御部によって、回転指令信号に応答してブラシ13,14,18が回転駆動され、遮断機31が閉じられて次の車両2の進入が阻止され、走行制御部により前部本体1Aの前進が開始され、洗浄制御部によりロッカーブラシ13による車両2のタイヤと側面下部の洗浄が実行される。
続いて、サイドブラシ18が閉じた状態で、車両2の前面に接触して傾いたことにより動作する車体検出センサの検出信号を入力すると、走行制御部へ出力している前進指令をオフとし、すなわち前部本体1Aの停止指令を出力し、続いて前部本体1Aへ後進指令を出力して後進させ、サイドブラシ18が車両2の前面に対し適した面圧で接触した状態となって車体検出センサの信号がオフとなると、前部本体1Aの後進指令をオフとし、すなわち前部本体1Aの停止指令を出力して停止させたのち、洗浄制御部へサイドブラシ18の開指令を出力して、図4に示すように、サイドブラシ18により車両2の前面を洗浄する。
続いてトップブラシ14が車両2の先端に位置するように、走行制御部へ前部本体1Aの後進指令を出力し、洗浄制御部へトップブラシ14の下降指令を出力する。これにより、前部本体1Aが後進し、トップブラシ14が車両2に向けて下降する。そして前部本体1Aの走行距離により車両2の先端位置にトップブラシ14が位置したことを確認すると、走行制御部へ前部本体1Aの停止指令を出力する。これにより、前部本体1Aが、トップブラシ14を車両2の先端に位置させた状態で停止する。このときサイドブラシ18は開状態にあり、前部本体1Aと後部本体1Bとの距離は前部本体1Aが後進した距離だけ縮まっている。
続いて、洗浄制御部へトップブラシ14とサイドブラシ18の洗車指令信号を出力し、走行制御部へ前部本体1Aの前進指令を出力する。これにより、トップブラシ14とサイドブラシ18により車両2の上面および両側面の洗浄を実行しながら前部本体1Aは前進を開始する。さらに、前部本体1Aが前進して離間し、走行制御部より離間距離検出信号を入力すると、走行制御部へ後部本体1Bの前進指令を出力する。これにより図5に示すように、前部本体1Aと後部本体1Bが、離間された状態でともに前進を開始する。
続いて乾燥制御部へ、ブロワ装置29の送風指令を出力するとともに両ノズル27,28の駆動指令を出力する。これにより、トップノズル27は車両2の先端まで下降し、両ノズル27,28による車両2の上面と両側面の乾燥が開始される。このとき、ブラシ13,14,18による車両2の洗浄が実行されている。続いて、サイドブラシ18が車両2の背面まで移動し、背面へ回って車両2の背面の洗浄が終了すると、走行制御部へ前部本体1Aの停止指令を出力し、洗浄制御部へ各ブラシ13,14,18へ駆動停止指令を出力する。これにより、サイドブラシ18が車両2の背面に位置する状態で前部本体1Aが停止し、各ブラシ13,14,18の駆動が停止される。また、両ノズル27,28による車両2の乾燥が実行されながら、後部本体1Bは前進を続ける。そして図6に示すように、後部本体1Bが前部本体1Aへ接近すると、走行制御部へ前部本体1Aの前進指令を出力し、これにより、前部本体1Aと後部本体1Bはともに前進を続ける。
そして、前部本体1Aがエンドポジション(走行終了位置)に到達したことを確認すると、走行制御部へ出力していた前部本体1Aの前進指令をオフとし、すなわち停止指令を出力し、さらに後部本体1Bがエンドポジションに到達したことを確認すると、走行制御部へ出力していた後部本体1Bの前進指令をオフとし、すなわち停止指令を出力し、これにより、図7に示すように、前部本体1Aと後部本体1Bがともにエンドポジションへ停止し、さらに乾燥制御部へ両ノズル27,28およびブロワ装置29の駆動停止指令を出力して駆動を停止させる。
続いて出口信号灯33へ点灯指令を出力して点灯させ、以て車両2の運転者は車両2を退出(退場)させる。この車両2の退出を確認すると、出口信号灯33へ消灯指令を出力し、走行制御部へ前部本体1Aおよび後部本体1Bの後進指令を出力して後進させる。そして、前部本体1AがホームポジションHPに到達したことを確認すると、走行制御部へ出力していた前部本体1Aの後進指令をオフとして停止指令を出力し、また後部本体1BがホームポジションHPに到達したことを確認すると、走行制御部へ出力していた後部本体1Bの後進指令をオフとして停止指令を出力する。これにより図1、図2に示すように、前部本体1Aと後部本体1BがともにホームポジションHPに位置している最初の状態に戻すことができる。
続いて、進入センサ32により遮断機31の前に車両2が停止しており、その車高が洗車機本体1(前部本体1A,後部本体1B)へ進入可能な許容高さ以下であることを確認し、遮断機31へ開指令を出力し、進入表示灯24を点灯し、次の洗車に備える。これにより、遮断機31が開かれ、次の車両2の進入が許可される。
このように、前部本体1Aと後部本体1Bをそれぞれ別個に走行駆動して、前部本体1Aに設けた洗浄手段による車両2の洗浄と、後部本体1Bに設けた乾燥手段による車両2の乾燥とを実行できる。その際に配線・配管体47によって、前部本体1Aに対する給電と給水を行うことができるとともに、後部本体1Bに対する給電を行うことができる。
すなわち図1、図2に示すように、前部本体1Aと後部本体1BがともにホームポジションHPに位置しているとき、床側ブーム41は、付勢手段45の付勢力によって起立姿勢にあり、そして本体側ブーム51は、付勢手段55の付勢力によって起立姿勢にある。このとき、反転案内部42と後部本体1Bとの間の前方部分48aは、床側ブーム41の高さ内で垂れ下がり状となり、そして支持案内部52と前部本体1Aとの間の前方部分49aは、後部本体1Bの高さと本体側ブーム51の突出高さとの高さ範囲内で、十分な長さの垂れ下がり状となっている。
この状態から、上述したように前部本体1Aが前進して後部本体1Bから離間すると、前半露出部分49における前方部分49aの引っ張り力(垂れ下がり荷重など)によって、本体側ブーム51の前方傾倒が自動的に行われる。すなわち本体側ブーム51の前方傾倒(揺動)は、支持案内部52と前部本体1Aとの間における前方部分49aの引っ張り力によって、付勢手段55による付勢力に抗して横軸体54の回りに所定角度まで自動的に行うことができ、これにより図5、図6に示すように、支持案内部52と前部本体1Aとの間の前方部分49aを前方へ振り出して,十分な長さの垂れ下がり量の配線・配管体47を、他方へ振り出した穏やかな垂れ下がり状にできる。また、前部本体1Aと後部本体1Bを接近させると、接近するにつれて前方部分49aの引っ張り力が低減(減少)し、これにより図1、図7に示すように、本体側ブーム51を、付勢手段55の付勢力によって横軸体54の回りに起立方向に揺動させ、そしてストッパ機構53Aに当接する起立姿勢へと自動的に揺動させることができる。
このように、前部本体1Aの上部に設けた本体側ブーム51の支持案内部52により配線・配管体47の中間部を支持することによって、この配線・配管体47を、後部本体1Bとの高さと本体側ブーム51の突出高さとの高さ範囲内で、十分な長さの垂れ下がり状にでき、これにより前部本体1Aと後部本体1Bとの離間動距離を十分に取れて、前部本体1Aの洗浄手段からの水しぶきが後部本体1Bの乾燥手段に飛散し難い離間距離Lに容易に設定でき、以て前部本体1Aと後部本体1Bとを別個に走行させての洗車を常に円滑に行うことができる。しかも本体側ブーム51は、後部本体1Bの上部から上方へ起立状に突出させたことによって、強度をさほど必要とせず、その構造を簡単かつ安価に提供できる。
また後部本体1Bを、図1に示すように、ホームポジションHPに位置している状態から前進させると、後半露出部分48における前方部分48aの引っ張り力(垂れ下がり荷重など)によって、床側ブーム41の前方傾倒が自動的に行われる。すなわち床側ブーム41の前方傾倒は、反転案内部42と後部本体1Bとの間における前方部分48aの引っ張り力によって、付勢手段45による付勢力に抗して横軸体44の回りに所定角度まで自動的に行うことができ、これにより図7に示すように、反転案内部42と後部本体1Bとの間の前方部分46aを前方へ振り出すことができる。また、後部本体1BをホームポジションHPに向けて後進させると、後部本体1Bが床側ブーム41に接近するにつれて、前方部分46aの引っ張り力が低減(減少)し、これによりブーム41を、付勢手段45の付勢力によって横軸体44の回りに起立方向に揺動させ、そしてストッパ機構53Aに当接する起立姿勢へと自動的に揺動させることができる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2を、図8に基づいて説明する。
この実施の形態2においては、前部本体1Aの後端側上部と後部本体1Bの前端側上部とのそれぞれに、その下部を支点として、起立姿勢と後方または前方への傾倒姿勢との間で揺動自在な本体側ブーム(ブームの一例)51が設けられている。すなわち、前部本体1A内や後部本体1B内の上部には保持部材53が設けられ、これら保持部材53側にそれぞれ本体側ブーム51の下部が横軸体(支点)54を介して連結されることで、本体側ブーム51は、前部本体1Aや後部本体1Bから上方へ突出した起立姿勢と、後部本体1B側や前部本体1A側へ傾倒した傾倒姿勢との間で揺動自在に構成される。その際に本体側ブーム51は、起立姿勢の位置がストッパ機構53Aにより規制され、また引張りコイルバネなどの付勢手段55によって起立姿勢の方向に付勢されている。そして両本体側ブーム51の遊端には、前部本体1Aと後部本体1Bとに亘って設けた配線・配管体47における前半露出部分49の中間部を支持自在な支持案内部(上部の一例)52が設けられている。
ここで配線・配管体47は、その前半露出部分49が両支持案内部52に上方から掛けられ、このとき本体側ブーム51の上端、すなわち両支持案内部52間の部分が非拘束状態であり、また前の支持案内部52から前方への部分が本体側ブーム51の前面側に沿って拘束状態で配設されるとともに、後の支持案内部52から後方への部分が本体側ブーム51の後面側に沿って拘束状態で配設されている。この前半露出部分49における拘束状とされた前方部分49aは前部本体1Aの後端上部に達し、また拘束状とされた後方部分49bは後部本体1Bの前端上部に達している。これにより配線・配管体47は、その配線が前部本体1A側の走行制御部や洗浄制御部などに接続されて給電を行い、そして配管により給水を行うことになる。
その際に、起立姿勢における本体側ブーム51における支持案内部52の、前部本体1Aや後部本体1Bの上面から上方への突出高さ(突出長さ)hは、前部本体1Aと後部本体1Bとを別個に走行させての洗車が円滑に行えるように設定されている。すなわち図8の仮想線に示すように、前部本体1Aと後部本体1Bとを接近動させて本体側ブーム51を起立姿勢としたときに、垂れ下がり状の中央部分49cの下端部分が床面4側に対して上方へ好適に離間され、また図8の実線に示すように、前部本体1Aと後部本体1Bとを十分(好適)に離間動させて、前部本体1Aの洗浄手段からの水しぶきが後部本体1Bの乾燥手段に飛散し難い離間距離Lとしたときに、前の本体側ブーム51は後方傾倒姿勢となるとともに、後の本体側ブーム51は前方傾倒姿勢となって、中央部分49cが緩やかな垂れ下がり状となるように設定されている。
上記した実施の形態1では、後部本体1Bの上部にのみ、上方へ突出した起立姿勢と前部本体1A側への傾倒姿勢との間で揺動自在な本体側ブーム51を設けた形式が示されているが、これは前部本体1Aの上部にのみ、上方へ突出した起立姿勢と後部本体1B側への傾倒姿勢との間で揺動自在な本体側ブーム51を設けた形式などであってもよい。
上記した実施の形態1や実施の形態2では、本体側ブーム51を、上方へ突出した起立姿勢と他方側への傾倒姿勢との間で揺動自在とした形式が示されているが、これは本体側ブームが、前部本体1Aと後部本体1Bとの少なくとも一方から起立固定された形式などであってもよい。
上記した実施の形態1や実施の形態2では、本体側ブーム51を起立姿勢に付勢する付勢手段55として、引張りコイルバネを使用した形式が示されているが、これは圧縮コイルバネを使用した形式やウエイト形式などであってもよい。
本発明の実施の形態1を示し、洗車機のホームポジションにおける側面から見たときの機器配置図である。 同洗車機のホームポジションにおける平面から見たときの機器配置図である。 同洗車機の正面図である。 同洗車機の前部本体の前進中における概略側面図である。 同洗車機における後部本体の前進開始時の概略側面図である。 同洗車機の前部本体と後部本体との前進中における概略側面図である。 同洗車機の洗車終了時の概略側面図である。 本発明の実施の形態2を示し、洗車機における後部本体の前進開始時の概略側面図である。
符号の説明
1 洗車機本体
1A 前部本体
1B 後部本体
2 車両(被洗浄車両)
6 パネル
11 高圧水スプレーノズル
12 第1洗浄水アーチ
13 ロッカーブラシ
14 トップブラシ
15 第1洗剤アーチ
16 第2洗浄水アーチ
17 第1ワックスアーチ
18 サイドブラシ
19 高発泡洗剤アーチ
20 撥水コートアーチ
21 第2洗剤アーチ
22 第2ワックスアーチ
23 操作ボックス
27 トップノズル
28 サイドノズル
29 ブロワ装置
41 床側ブーム
42 反転案内部
47 配線・配管体
48 後半露出部分
48a 前方部分
48b 後方部分
49 前半露出部分
49a 前方部分
49b 後方部分
49c 中央部分
51 本体側ブーム(ブーム)
52 支持案内部(上部)
53 保持部材
53A ストッパ機構
54 横軸体(支点)
55 付勢手段
HP ホームポジション
H 突出高さ(突出長さ)
h 突出高さ(突出長さ)
L 離間距離

Claims (3)

  1. 被洗浄車両に対して洗車機本体を移動させながら洗車を行う洗車機であって、洗車機本体を、被洗浄車両の洗浄を行う洗浄手段を備えた前部本体と、被洗浄車両の乾燥を行う乾燥手段を備えた後部本体に分離するとともに、前部本体と後部本体をそれぞれ別個に走行可能とし、前部本体と後部本体の少なくとも一方の上部に、上方へ起立状に突出したブームを設け、このブームの上部によって、前部本体と後部本体とに亘って設けた配線・配管体の中間部を支持したことを特徴とする洗車機。
  2. ブームを、上方へ突出した起立姿勢と他方側への傾倒姿勢との間で揺動自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の洗車機。
  3. ブームを起立姿勢に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項2記載の洗車機。
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