JP2009274542A - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヘッドアップディスプレイの表示像の情報部のちらつきを抑えて視認性を高める。
【解決手段】 撮像手段が自車の前方の画像を撮像すると、色検出手段が前記画像における表示像18の近傍に存在する前走車17の色を検出し、第1色設定手段が前走車17の色に基づいて表示像18の背景部18aの色を設定するので、自車の動揺、あるいは自車および前走車17の相対位置の変化に伴って表示像18の情報部18bに前走車17が出入りしても、情報部18bのちらつきを抑えて視認性を確保することができる。路面16が黒で前走車17が赤の場合は、表示像18の背景部18aの色を赤の補色である緑青に設定すると、背景部18aに重なる前走車17の色は路面16と同じ黒になり、両者のコントラストが弱くなって情報部18bのちらつきが抑えられる。更に、第2色設定手段が表示像18の情報部18bの色を、背景部18aの色の緑青の補色の赤に設定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自車のフロントウインドシールドに、背景部と、該背景部の内部に位置する情報部とよりなる表示像を表示する透過型のヘッドアップディスプレイ装置に関する。
自動車のフロントウインドシールドに向けて自動調光装置から表示光を発することで種々の情報を表示像として表示するヘッドアップディスプレイ装置において、スポット型光センサにより前記表示像の前方の路面の照度を検知し、その照度に基づいて前記自動調光装置の表示光の輝度を自動的に制御するものが、下記特許文献1により公知である。
またヘッドアップディスプレイ装置において、車外の明るさに応じて、表示像の焦点距離、大きさ、表示範囲、輝度、色およびデータ内容を変更するものが、下記特許文献2により公知である。
実開平6−50953号公報 実用新案登録第2553029号公報
ヘッドアップディスプレイ装置によりフロントウインドシールドに表示される表示像は、フロントウインドシールドを通して見える自車前方の視界と重なるため、その視界の状態によって表示像の視認性が低下する可能性がある。特に、自車前方に他車が走行している場合、自車および他車の相対位置が変化するとフロントウインドシールドを通して見える他車の位置が変化し、他車がヘッドアップディスプレイ装置の表示像とが重なったり分離したりするため、表示像がちらついて視認性が低下する問題がある。
上記特許文献1、2に記載されたものは、他車が表示像と重なるか否かに応じて表示像の視認性を高める制御を行っておらず、仮に、他車が表示像と重なるか否かに応じて表示像の視認性を高める制御を行ったとしても、フロントウインドシールドを通して見える他車の位置が変化する度に表示像の色や輝度が短い周期で変化するために、運転者にかえって違和感を与える可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ヘッドアップディスプレイの表示像のちらつきを抑えて視認性を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、自車のフロントウインドシールドに、背景部と、該背景部の内部に位置する情報部とよりなる表示像を表示する透過型のヘッドアップディスプレイ装置において、自車の前方の画像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した画像における前記表示像の近傍に存在する他車の色を検出する色検出手段と、色検出手段で検出した他車の色に基づいて前記表示像の背景部の色を設定する第1色設定手段とを備えることを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記他車は自車の直前を走行する前走車であることを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記色検出手段は前記前走車に色に加えて自車の直前の路面の色を検出するものであり、前記第1色設定手段は前記背景部を透過した前記前走車の色および前記背景部を透過した前記路面の色のコントラストが弱まるように、前記背景部の色を設定することを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記表示像の情報部の色を設定する第2色設定手段を備え、前記第2色設定手段は前記情報部の色を、前記第1色設定手段により設定された前記背景部の色の補色に設定することを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置が提案される。
請求項1の構成によれば、撮像手段が自車の前方の画像を撮像すると、色検出手段が前記画像における表示像の近傍に存在する他車の色を検出し、第1色設定手段が前記他車の色に基づいて表示像の背景部の色を設定するので、自車の動揺、あるいは自車および他車の相対位置の変化に伴って表示像の情報部に他車が出入りしても、情報部のちらつきを抑えて視認性を確保することができる。
また請求項2の構成によれば、色検出手段で自車の直前を走行する前走車の色を検出するので、表示像と重なる確率が最も高い前走車の色に基づいて表示像の背景部の色を設定することが可能になり、表示像の情報部の視認性を効果的に高めることができる。
また請求項3の構成によれば、色検出手段が自車の前方の路面の色を検出すると、第1色設定手段が背景部を透過した前走車の色と路面の色とのコントラストが弱まるように該背景部の色を設定するので、自車の動揺に伴って情報部が前走車と重なっても路面と重なっても、その視認性を確保することができる。
また請求項4の構成によれば、表示像の情報部の色を設定する第2色設定手段が、情報部の色を、第1色設定手段により設定された背景部の色の補色に設定するので、背景部の色が変化しても、その背景部の色に対する情報部の色のコントラストを強め、情報部の視認性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
図1〜図5は本発明の第1の実施の形態を示すもので、図1はヘッドアップディスプレイ装置の構造を示す図、図2は運転者がフロントウインドシールドを通して見た景色を示す図、図3は色相環を示す図、図4はヘッドアップディスプレイの映像出力手段の制御系を示す図、図5は路面、前走車、背景部および情報部の色を示す図である。
図1に示すように、自動車に搭載されたヘッドアップディスプレイ装置11は、インストルメントパネル12の内部に配置された映像出力手段13と反射鏡14とを備えており、映像出力手段13が出力した映像が反射鏡14に反射した後に、フロントウインドシールド15のハーフミラー部に反射することで、運転者は情報を表示する表示像をフロントウインドシールド15の前方にある虚像として視認することができる。
図2は運転者がフロントウインドシールド15を通して見た自車前方の景色であり、自車が走行する路面16の前方を走行する前走車17に重なるように表示されたヘッドアップディスプレイ装置11の表示像18は、前記ハーフミラー部に対応する四角枠状の背景部18aと、その背景部18aの内側に表示された情報部18bとで構成される。本実施の形態では、情報部18bは車速を示す数字および文字で構成される。
図5に示すように、本実施の形態では、路面16の色はアスファルトの黒であり、前走車17の色は赤である。また表示像18のうち、背景部18aの色は前走車17の色である赤の補色の緑青であり、情報部18bの色は背景部18aの色である緑青の補色の赤である。
図3は色相環を示すもので、そこに示される12の色相のうちの対角位置にある二つの色相(例えば、赤と緑青)が、相互に補色を構成する。
図4に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置11は、例えばテレビカメラよりなる撮像手段19と、撮像手段19で撮像した画像における表示像18の近傍に存在する前走車17の色および路面16の色を検出する色検出手段M1と、前走車17の色および路面16の色に基づいて表示像18の背景部18aの色を設定する第1色設定手段M2と、表示像18の背景部18aの色に基づいて表示像18の情報部18bの色を設定する第2色設定手段M3を備える。そして第1色設定手段M2および第2色設定手段M3が前記映像出力手段13に接続される。
撮像手段19が撮像した自車先方の画像が入力された色検出手段M1は、画像中の路面16および他車、特に前走車17を判別するとともに、路面16の色および前走車17の色を判別する。図5に示すように、本実施の形態では路面16の色は黒であり、前走車17の色は赤である。
自車の動揺、あるいは自車および前走車17の相対位置の変化により、フロントウインドシ−ルド15の表示像18の内部の情報部18bが前走車17の内に入ったり外に出たりすると、路面16の色(黒)と前走車17の色(赤)とのコントラストが強すぎるために情報部18bがちらついて視認性が低下する問題がある。
そこで路面16の色と前走車17の色とのコントラストを弱めるべく、図5に示すように、第1色設定手段M2が表示像18の背景部18aの色を、前走車17の色の赤の補色である緑青に設定する。その結果、図2に示すように、背景部18aに重なる前走車17の色は相互に補色である赤および緑青を混合した黒になる。一方、元々黒である路面16の色は緑青と混合しても黒のままであるため、前走車17の色および路面16の色は共に黒になり、両者のコントラストが弱くなる。
更に、図5に示すように、第2色設定手段M3が表示像18の情報部18bの色を、背景部18aの色である緑青の補色の赤に設定する。このとき、路面16および前走車17に対する情報部18bのコントラストを更に強めるべく、路面16および前走車17の輝度に対して情報部18bの輝度の差を大きくすることが望ましい。具体的には、路面16および前走車17の色の黒が暗いため、情報部18bの色は明るい赤にする。
以上のようにして表示像18の背景部18aの色を設定することで、路面16の色と前走車17の色とを同じにしてコントラストを弱め、表示像18が路面16と重なっても前走車17と重なっても、表示像18の情報部18bのちらつきを抑えて視認性を高めることができる。更に、表示像18の情報部18の色を背景部18aの補色にすることで、情報部18bの視認性を一層高めることができる。
特に、前走車17が入れ代わらない限り表示像18の色が変化することがないため、表示像18の色が短い時間間隔で変化して運転者に違和感を与えることがない。
次に、図6および図7に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
図2に示す第1の実施の形態では、路面16の色がアスファルトの黒であり、前走車17の色が赤であるのに対し、第2の実施の形態では、路面16の色が雪路の白であり、前走車17の色が赤である。
この場合、路面16の色と前走車17の色とのコントラストを弱めるべく、第1色設定手段M2が表示像18の背景部18aの色を、前走車17の色である赤に設定する。その結果、背景部18aに重なる路面16の色は、雪道の色である白から背景部18aの色である赤に変化する。一方、元々赤である前走車17の色は赤と混合しても赤のままであるため、前走車17の色および路面16の色は共に赤になり、両者のコントラストが弱くなる。そして第2色設定手段M3が表示像18の情報部18bの色を、背景部18aの色である赤の補色の緑青に設定する。
この第2の実施の形態によっても、表示像18の背景部18aの色を所定の色に設定することで、路面16の色と前走車17の色とを同じにしてコントラストを弱め、表示像18の情報部18bのちらつきを抑えて視認性を高めることができ、かつ表示像18の情報部18の色を背景部18aの補色にすることで、情報部18bの視認性を一層高めることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計設定を行うことが可能である。
例えば、実施の形態ではヘッドアップディスプレイ装置11により表示する情報は車速であるが、車速以外の任意の情報を表示することができる。
第1の実施の形態のヘッドアップディスプレイ装置の構造を示す図 運転者がフロントウインドシールドを通して見た景色を示す図 色相環を示す図 ヘッドアップディスプレイの映像出力手段の制御系を示す図 路面、前走車、背景部および情報部の色を示す図 第2の実施の形態に係る、前記図2に対応する図 路面、前走車、背景部および情報部の色を示す図
符号の説明
15 フロントウインドシールド
16 路面
17 前走車(他車)
18 表示像
18a 背景部
18b 情報部
19 撮像手段
M1 色検出手段
M2 第1色設定手段
M3 第2色設定手段

Claims (4)

  1. 自車のフロントウインドシールド(15)に、背景部(18a)と、該背景部(18a)の内部に位置する情報部(18b)とよりなる表示像(18)を表示する透過型のヘッドアップディスプレイ装置において、
    自車の前方の画像を撮像する撮像手段(19)と、
    前記撮像手段(19)で撮像した画像における前記表示像(18)の近傍に存在する他車(17)の色を検出する色検出手段(M1)と、
    色検出手段(M1)で検出した他車(17)の色に基づいて前記表示像(18)の背景部(18a)の色を設定する第1色設定手段(M2)と、
    を備えることを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 前記他車は自車の直前を走行する前走車(17)であることを特徴とする、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 前記色検出手段(M1)は前記前走車(17)に色に加えて自車の直前の路面(16)の色を検出するものであり、前記第1色設定手段(M2)は前記背景部(18a)を透過した前記前走車(17)の色および前記背景部(18a)を透過した前記路面(16)の色のコントラストが弱まるように、前記背景部(18a)の色を設定することを特徴とする、請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  4. 前記表示像(18)の情報部(18b)の色を設定する第2色設定手段(M3)を備え、前記第2色設定手段(M3)は前記情報部(18b)の色を、前記第1色設定手段(M2)により設定された前記背景部(18a)の色の補色に設定することを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
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