JP2009273593A - 内視鏡ライトガイド可撓管およびその外皮層の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性と操作性に優れ、簡易な製造方法により製造可能な内視鏡ライトガイド可撓管、およびその外皮層の製造方法を提供する。
【解決手段】マスキング処理により、第2コート層16を第1コート層14の中心部および両端部に選択的に積層させ、外皮層12を製造する。こうして製造された外皮層12においては、中心部12C、第1および第2端部12E、12Fが高剛性領域となる。高剛性領域は、他の領域よりも膜厚が厚くて剛性が高く、強度、耐久性に優れている。このような外皮層12を有するライトガイド可撓管は、外皮層12の高剛性領域により耐久性が向上しているとともに、低剛性領域により操作性にも優れている。
【選択図】図6
【解決手段】マスキング処理により、第2コート層16を第1コート層14の中心部および両端部に選択的に積層させ、外皮層12を製造する。こうして製造された外皮層12においては、中心部12C、第1および第2端部12E、12Fが高剛性領域となる。高剛性領域は、他の領域よりも膜厚が厚くて剛性が高く、強度、耐久性に優れている。このような外皮層12を有するライトガイド可撓管は、外皮層12の高剛性領域により耐久性が向上しているとともに、低剛性領域により操作性にも優れている。
【選択図】図6
Description
本発明は、内視鏡装置のプロセッサとスコープとを接続するライトガイド可撓管、およびその外皮層の製造方法に関する。
内視鏡装置においては、プロセッサとスコープとを接続するライトガイド可撓管が設けられている。ライトガイド可撓管により、プロセッサの光源から出射された照明光とその反射光、スコープで生成された画像信号等が伝達される。
ライトガイド可撓管の周囲を覆う外皮層は、一般に、均一な部材で形成されている。また、ライトガイド可撓管の屈曲を防止するためのカバー部材を設けることが知られている(例えば特許文献1)。
特開2000−229059号公報
ライトガイド可撓管の外皮層を硬くて均一な部材で形成すると、ライトガイド可撓管の操作性が低下し、ユーザが操作する手に疲労感を覚えるといった問題が生じ得る。また、均一かつ軟らかい外皮層を設けると、ライトガイド可撓管の耐久性が低下する。この場合、例えばライトガイド可撓管が吊り下げられた状態で保管されると、曲げ応力による屈曲変形、自重による伸びなどの問題を生じるおそれがある。従って、均一な部材による外皮層を含むライトガイド可撓管においては、操作性と耐久性との両立が困難である。
一方、外皮層において屈曲防止用のカバー部材を設けること等により、ライトガイド可撓管の部位に応じて必要な性能を向上させることが考えられる。しかしながら、この場合、ライトガイド可撓管の製造工程が複雑化する。
本発明は、耐久性と操作性に優れ、簡易な製造方法により製造可能な内視鏡ライトガイド可撓管、およびその外皮層の製造方法の提供を目的とする。
本発明のライトガイド可撓管は、内視鏡装置のプロセッサとスコープとを接続するライトガイド可撓管であり、外皮層の表面を覆うコート層において、他の領域よりも剛性の高い高剛性領域が形成されていることを特徴とする。高剛性領域は、コート層の他の領域よりも膜厚の厚いおよび/または硬度が高い硬質領域であることが好ましい。ライトガイド可撓管の長手方向における中心部と第1端部と第2端部の少なくともいずれかに設けられていることが好ましい。
また、外皮層は、第1コート層と、第1コート層に積層された第2コート層とを有し、第1コート層と第2コート層とが積層されている領域が高剛性領域であることが好ましい。この場合、例えば、第1および第2コート層が同一の材料部材により形成されている。また、例えば、第2コート層の硬度は第1コート層より高く、この場合、第1コート層と第2コート層とが、同一の成分を含むことが好ましい。
外皮層は、例えば、第1コート層と、第1コート層と隣接する第2コート層とを有し、第2コート層の硬度が、第1コート層よりも高い。外皮層は、例えば、熱硬化性樹脂もしくは光硬化性樹脂により形成されている。
本発明の製造方法は、内視鏡装置のプロセッサとスコープとを接続するライトガイド可撓管の外皮層の製造方法であって、第1コート層を形成する第1コート層形成工程と、第1コート層の一部に第2コート層を積層させる積層工程および/または第1コート層よりも硬度の高い第2コート層を形成する第2コート層形成工程とを備えている。そしてこの製造方法は、積層工程および/または第2コート層形成工程により、外皮層の表面を覆うコート層において、他の領域よりも膜厚の厚いおよび/または硬度が高い高剛性領域が形成されることを特徴とする。
第2コート層を位置選択的に設けるためのマスキング工程をさらに有することが好ましい。また、第1コート層もしくは第2コート層を形成するための硬化性部材を硬化させる硬化工程をさらに有することが好ましい。
積層工程においては、例えば、第1コート層と同一の材料部材により形成されている第2コート層を積層させる。また、積層工程においては、例えば、第1コート層よりも硬度が高い第2コート層を第1コート層に積層させる。この場合、第1コート層と第2コート層とが、同一の成分を含むことが好ましい。
積層工程においては、例えば交互積層法により第2コート層を第1コート層に積層させる。第2コート層形成工程においては、例えば、第2コート層を第1コート層に隣接させる。
本発明によれば、耐久性と操作性に優れ、簡易な製造方法により製造可能な内視鏡ライトガイド可撓管、およびその外皮層の製造方法を実現できる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態におけるライトガイド可撓管が使用されている状態を示す図である。図2は、本実施形態におけるライトガイド可撓管が保管されている状態を示す図である。
電子内視鏡装置30は、プロセッサ40とスコープ50とを含む。プロセッサ40とスコープ50とは、ライトガイド可撓管10により接続されている。プロセッサ40の光源(図示せず)から出射された照明光とその反射光、およびスコープ50で生成された画像信号等は、ライトガイド可撓管10により伝達される。電子内視鏡装置30の使用中、ユーザは、挿入部可撓管52を人体内に挿入させ、スコープ50の操作部54を操作する。これらの操作により、体腔内が観察、撮影され、必要に応じて患部が処置される。
一方、電子内視鏡装置30の未使用時には、スコープ50は、例えばスコープハンガ56に吊り下げられた状態で保管される(図2参照)。このとき、ライトガイド可撓管10のスコープ50側の第1端部10Eにおいては曲げ応力による屈曲変形が生じ得る。また、ライトガイド可撓管10の中心部10Cは、ライトガイド可撓管10の自重により徐々に伸びてしまうおそれがある。
ライトガイド可撓管10の第2端部10F、すなわち第1端部10Eとは反対側の端部には、コネクタ部42が接続されている。電子内視鏡装置30の使用時には、コネクタ部42がプロセッサ40に取り付けられる(図1参照)。このとき、第2端部10Fには、スコープ50を操作するユーザにより曲げ方向に力が加えられる場合がある。
以上のことから明らかであるように、ライトガイド可撓管10の長手方向における中心部10Cと、第1および第2端部10E、10Fにおいては、耐久性の向上が必要とされる。そこで本実施形態においては、ライトガイド可撓管10の外皮層12を以下のように製造することにより、これらの部位の強度を向上させている。
外皮層12は、ライトガイド可撓管10の表面に設けられており、金属性の螺旋管で形成されたライトガイド可撓管10の芯材(いずれも図示せず)の周囲を覆っている。そして、外皮層12は、芯材に接する基材層と、表面にあって基材層を覆うコート層(いずれも図示せず)とを含む。
次に、外皮層12の製造方法につき説明する。まず、基材層の材料である樹脂が、螺旋管の芯材を取り囲むように押し出され、基材層となる。この基材層の表面にコート層(いずれも図示せず)を設けることにより、外皮層12を形成する。
コート層は、第1コート層と第2コート層とを含む。外皮層12は、同一の材料部材により形成された第1コート層と第2コート層とを積層させる方法(以下、積層法という)と、第1および第2コート層を互いに異なる材料部材で形成する方法(以下、切替法という)により製造可能である。まず、積層法につき説明する。
図3は、第1コート層で基材層が覆われた状態の外皮層12の中間体を示す図である。図4は、第1コート層の一部がマスキングされた状態の外皮層12の中間体を示す図である。図5は、第1コート層の一部が第2コート層で覆われた状態の外皮層12の中間体を示す図であり、図6は、完成した外皮層12を示す図である。
積層法においては、まず、図3に示されるように、芯材18の側面に設けられた基材層(図示せず)の表面を覆う第1コート層14を形成する(第1コート層形成工程)。第1コート層形成工程においては、第1コート層14の材料である熱硬化性樹脂、例えば熱硬化型ポリウレタンを溶剤に溶かし、ディッピング、あるいはスプレーにより基材層の表面に塗布する。その後、塗布した樹脂を加熱し、硬化(硬化工程)させて第1コート層14を形成する。
次に、第1コート層14の一部に、第2コート層16を積層させる(積層工程)。外皮層12(図1、2参照)において、部分的に強度、耐久性を向上させるためである。この積層工程においては、まず、第1コート層14の中心部14C、第1端部14E、第2端部14Fを除く第1コート層14の表面に、マスキング剤を塗布し、マスキング膜20を形成する(図4参照・マスキング工程)。このマスキング処理は、第2コート層16を所定の位置にのみ選択的に設けるために施される。
さらに、第1コート層14と同じ材料である熱硬化性樹脂により、マスキングされていない第1コート層14の中心部14C、第1および第2端部14E、14Fに、第2コート層16を設ける(図5参照)。第2コート層16は、第1コート層14と同様に、すなわち、溶剤を含む熱硬化性樹脂を、マスキングされていない第1コート層14の表面に塗布し、硬化させることにより形成される。
その後、マスキング膜20を剥離、除去すると、第1コート層14の中心部14C、第1および第2端部14E、14Fに第2コート層16が積層された外皮層12が製造される(図6参照)。こうして製造された外皮層12においては、第1および第2コート層14、16が積層された領域である中心部12C、第1および第2端部12E、12Fは、第1コート層14のみで形成されたその他の領域よりも膜厚が厚いために剛性が高く、強度、耐久性が向上された高剛性領域となる。
次に、第1コート層14の形成後に、材料部材を切り替えて第2コート層16を形成する切替法につき説明する。図7は、基材層24の一部がマスキングされた状態の外皮層12の中間体を示す図である。図8は、基材層24の一部が第1コート層14で覆われた状態の外皮層12の中間体を示す図である。図9は、第1コート層14がマスキングされた状態の外皮層12の中間体を示す図であり、図10は、第1コート層14と第2コート層16で覆われた外皮層12を示す図である。
切替法においては、まず、図7に示されるように、材質および厚さが均一な基材層24の中心部と両端部にマスキング処理を施し、マスキング膜20を形成する。その後、基材層24の表面におけるマスキング膜20で被覆されていない領域に、積層法と同様に第1コート層14を形成する(図8参照・第1コート層形成工程)。
次に、第1コート層14を覆うようにマスキング処理を再度施し(マスキング工程)、予め形成されていたマスキング膜20を剥離、除去する。この結果、第1コート層14のみが選択的にマスキングされた外皮層12の中間体(図9参照)を得る。その後、マスキング処理が施されていない領域に、第1コート層14よりも硬度の高い第2コート層16を形成し(第2コート層形成工程)、さらに2回目のマスキング処理で形成されたマスキング膜(図示せず)を剥離すると、第1コート層14と第2コート層16とが隣接した外皮層12が完成する(図10参照)。
以上のことから明らかであるように、切替法における2回目のマスキング処理は、積層法におけるマスキング処理と同様に、第2コート層16を所望の位置に選択的に設けるために施される。
なお、図8の状態からマスキング膜20を除去し、第1コート層14にのみ再びマスキング処理を施すことによっても、図9の状態の外皮層12の中間体を得ることができる。しかしながら、この場合、第1コート層14のみを選択的にマスキングする処理が難しく、本来マスキングすべきではない領域、すなわち基材層24の表面における第1コート層14以外の領域にもマスキング液が塗布されてしまう可能性がある。このため、上述のように、2回目のマスキング処理により芯材側面の全域をマスキングした後に、最初の処理によるマスキング膜20(図8参照)を剥離、除去することが好ましい。
切替法により製造される外皮層12においては、第1コート層14よりも硬度が高く、第1コート層14に隣接する第2コート層16により、強度、耐久性に優れた高剛性領域が、中心部12C、第1および第2端部12E、12Fに形成される。第2コート層16の材料としては、例えば、熱硬化型アクリルウレタンが用いられる。
また、積層法と切替法とを組み合わせた方法(以下、積層切替法という)により、外皮層12を製造することもできる。積層切替法においては、まず、積層法と同様に基材層24の表面全域を覆う第1コート層14を形成し(図3参照・第1コート層形成工程)、さらにマスキング膜20を形成する(図4参照・マスキング工程)。
その後、材料部材を切替えて、第1コート層14よりも硬い第2コート層16を、マスキングされていない第1コート層14の中心部14C、第1端部14E、第2端部14F上に形成する(第2コート層形成工程)。そしてマスキング膜20(図4参照)を剥離することにより、外見上は切替法により形成された外皮層12(図10参照)と同じであって、中心部12C、第1および第2端部12E、12Fにおいて第2コート層16が第1コート層14に積層された外皮層12が製造される。
このように積層切替法においては、同じ材料部材を積層させる積層法、異なる材料部材も用いるものの積層させない切替法とは異なり、異なる材料部材の二層を積層させる。このため、互いに親和性の高い材料部材を第1および第2コート層14、16に用いることが好ましい。
そこで本実施形態では、例えば、第1コート層14の材料である熱硬化型ポリウレタンと第2コート層16の材料である熱硬化型アクリルウレタンのように、同系統の材料部材、すなわち同一の成分を含む材料部材を用いている。このような材料部材としては、例えば、共通の官能基を多く含む樹脂や、同一のモノマーから形成された分子量の異なるポリマー等が用いられる。
また、積層切替法においては、材料部材の異なる第1および第2コート層14、16を、静電引力による交互積層法により形成しても良い。
なお、上述の製造方法の説明から明らかであるように、本実施形態の高剛性領域は、コート層における膜厚が他の領域よりも厚い領域、他の領域よりも硬い材料部材が用いられた領域、もしくは膜厚が厚く、かつ硬い材料部材が用いられた硬質領域である。ただし、ライトガイド可撓管10の強度、耐久性を向上させることができる限り、高剛性領域は、例えば、他の領域よりも膜厚が薄いものの硬度がより高い領域であっても良い。
次に、外皮層12が異なる複数のライトガイド可撓管の実施例と比較例につき、説明する。まず、表1に示すように、外皮層12のみが異なる、実施例1〜5、および比較例1、2のライトガイド可撓管を製造した。
これらのライトガイド可撓管においては、共通の芯材18および基材層24の周囲を、様々な外皮層12が覆っている。実施例1〜5においては、表中に示されたように、外皮層12の中心部、第1端部、第2端部のうちの少なくともいずれかに高剛性領域が設けられている。ライトガイド可撓管の長さは、いずれの実施例、比較例とも2mであり、実施例1〜5における高剛性領域は、中心部、第1端部、第2端部のいずれも幅が10cmである。
これらの実施例1〜5の外皮層12は、上述の製造方法により製造されており、第1および第2コート層14、16の材料として、熱硬化型ポリウレタンおよび熱硬化型アクリルウレタンがそれぞれ用いられている。そして、実施例1〜5における第1コート層14および第2コート層16の硬度は、それぞれ80度、85度である。この第1および第2コート層14、16の硬度は、JIS K 6253に準拠したDuroタイプAの硬度計による、同一形状の板状部材についての測定値である。
実施例1〜3の外皮層12は、基材層24の表面を、厚さ60μmの高剛性領域、および厚さ30μmの低剛性領域(高剛性領域以外の領域)からなるコート層で被覆する積層法により製造されている。実施例4の外皮層12は、基材層24の表面の両端に第2コート層16による高剛性領域、それ以外の領域に第1コート層14による低剛性領域をいずれも厚さ30μmで設ける切替法により製造されている。そして実施例5は、基材層24の表面全域を厚さ30μmの第1コート層14で被覆し、さらに第1コート層14の両端に厚さ30μmの第2コート層16を積層させる積層切替法により製造されている。
一方、比較例1、2の外皮層12は、基材層24の表面に、厚さ60μm、および15μmの均一な第1コート層14をそれぞれ被覆する従来法により、製造されている。
これらの実施例および比較例の外皮層を有するライトガイド可撓管の評価につき、以下に説明する。図11は、ライトガイド可撓管の耐久性試験の概要を示す図である。図12は、ライトガイド可撓管の操作性試験の概要を示す図である。
耐久性の評価試験は、図示されたように、第1端部10Eを水平方向に伸びる孔21に嵌めて固定した状態のライトガイド可撓管10の第2端部10Fに、矢印Aの示す垂直方向に荷重を加えることにより行った。この荷重を徐々に増加させ、ライトガイド可撓管10に10%以上の永久歪みが生じ、もしくはライトガイド可撓管10が折れ曲がったときの荷重の大きさを基準値と比較した。
この結果が表1に示されており、耐久性試験の欄の○印は、実施例1〜5および比較例1のライトガイド可撓管が、基準値よりも大きい荷重に耐えることが可能であり、比較例2よりも良好な結果であったことを示す。
一方、操作性の評価試験は、第1端部10Eを水平方向に伸びる孔22に固定したライトガイド可撓管の第2端部10Fに、トルク荷重を加えることにより行った。第2端部10Fはパイプ23内にて摺動可能に保持されているため、矢印Bの示すようにトルク荷重を加えると(図12(a)参照)、ライトガイド可撓管の中心部10Cにおいて徐々にループが形成される(図12(b)参照)。最終的に、一重ループが形成されるまでトルク荷重を加え(図12(c)参照)、このときのトルク荷重を基準値と比べた。
この結果が表1に示されており、操作性試験の欄の○印は、実施例1〜5および比較例2のライトガイド可撓管においては、基準値よりも小さいトルク荷重でループが形成されたため、与えられたトルク荷重の大きかった比較例1よりも良好な結果であったことを示す。
これらの試験結果は、実施例1〜5のライトガイド可撓管、すなわち、中心部10C、第1端部10E、第2端部10Fの少なくともいずれか1つに高剛性領域を設けたライトガイド可撓管は、耐久性との操作性のいずれにも優れていることを示す。このため、高剛性領域を所定の位置に設けたことによる、ライトガイド可撓管の性能向上効果が認められたといえる。
以上のように本実施形態においては、高剛性領域を部分的に設けた外皮層12を形成することにより、耐久性に優れたライトガイド可撓管10を製造できる。さらに、高剛性領域よりも剛性の低い低剛性領域により、ライトガイド可撓管10は操作性にも優れている。そして、高剛性領域が設けられた本実施形態の外皮層12を用いたライトガイド可撓管10は、耐久性向上のみを目的とした専用の部材を取り付けたライトガイド可撓管よりも簡素な構造を有し、より簡易な製造工程により製造できる。
積層法においては、単一の材料部材でコート層が形成されるため、外皮層12の製造が特に容易である。また、切替法は、複数の材料部材が必要となるものの、コート層の膜厚を均一に保ちつつライトガイド可撓管10の耐久性を向上できるという利点がある。積層切替法においては、外皮層12の表面において、第1コート層14と第2コート層16との境界線がないことから、基材層22の表面を確実に被覆、保護しつつ高剛性領域を設けることができる。
第1および第2コート層14、16の材質は、本実施形態に限定されない。例えば、光硬化性樹脂、加熱すると部分的に架橋して適度に硬化する熱可塑性エラストマー、あるいはゴム等を用いても良い。第1、第2コート層14、16の硬度も、芯材18、基材層22等に応じて調整され、例えば、上述の硬度(段落[0043]参照)が70〜80程度のものが使用できる。また、基材層22は、親和性の観点から第1コート層14と同じ材質が用いられことが好ましいものの、適宜、調整可能である。また、基材層22の硬度は、例えばコート層と同じ基準で60〜90程度である。
高剛性領域は、外皮層12の中心部12C、第1端部12E、第2端部12Fの少なくともいずれかに設けられれば良い。また、基材層22の表面の一部のみをコート層で覆っても良い。
また、本実施形態の外皮層12の製造方法を、スコープ50の挿入部可撓管52(図1参照)の外皮層の製造に適用しても良い。この場合、挿入部可撓管52に硬剛性領域を位置選択的に設けることが容易となる。例えば、挿入部可撓管52の挿入動作を容易にすべく、操作部54側の領域のみを硬くした外皮層、および挿入部可撓管52を簡易な方法で製造できる。
10 ライトガイド可撓管
12C 中心部
12E 第1端部
12F 第2端部
12 外皮層
14 第1コート層
16 第2コート層
30 内視鏡装置
40 プロセッサ
50 スコープ
12C 中心部
12E 第1端部
12F 第2端部
12 外皮層
14 第1コート層
16 第2コート層
30 内視鏡装置
40 プロセッサ
50 スコープ
Claims (17)
- 内視鏡装置のプロセッサとスコープとを接続するライトガイド可撓管であって、
前記ライトガイド可撓管の外皮層の表面を覆うコート層において、他の領域よりも剛性の高い高剛性領域が形成されていることを特徴とする内視鏡ライトガイド可撓管。 - 前記高剛性領域が、前記コート層の他の領域よりも膜厚の厚いおよび/または硬度が高い硬質領域であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ライトガイド可撓管。
- 前記高剛性領域が、前記ライトガイド可撓管の長手方向における中心部と第1端部と第2端部の少なくともいずれかに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ライトガイド可撓管。
- 前記外皮層が、第1コート層と、前記第1コート層に積層された第2コート層とを有し、前記第1コート層と前記第2コート層とが積層されている領域が前記高剛性領域であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ライトガイド可撓管。
- 前記第1および第2コート層が、同一の材料部材により形成されていることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡ライトガイド可撓管。
- 前記第2コート層の硬度が、前記第1コート層より高いことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡ライトガイド可撓管。
- 前記第1コート層と前記第2コート層とが、同一の成分を含むことを特徴とする請求項6に記載の内視鏡ライトガイド可撓管。
- 前記外皮層が、第1コート層と、前記第1コート層と隣接する第2コート層とを有し、前記第2コート層の硬度が、前記第1コート層よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ライトガイド可撓管。
- 前記外皮層が、熱硬化性樹脂もしくは光硬化性樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ライトガイド可撓管。
- 内視鏡装置のプロセッサとスコープとを接続するライトガイド可撓管の外皮層の製造方法であって、
第1コート層を形成する第1コート層形成工程と、
前記第1コート層の一部に第2コート層を積層させる積層工程および/または前記第1コート層よりも硬度の高い第2コート層を形成する第2コート層形成工程とを備え、
前記積層工程および/または前記第2コート層形成工程により、前記外皮層の表面を覆うコート層において、他の領域よりも剛性の高い高剛性領域が形成されることを特徴とする内視鏡ライトガイド可撓管の外皮層の製造方法。 - 前記第2コート層を位置選択的に設けるためのマスキング工程をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の内視鏡ライトガイド可撓管の外皮層の製造方法。
- 前記第1コート層もしくは第2コート層を形成するための硬化性部材を硬化させる硬化工程をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の内視鏡ライトガイド可撓管の外皮層の製造方法。
- 前記積層工程において、前記第1コート層と同一の材料部材により形成されている前記第2コート層を積層させることを特徴とする請求項10に記載の内視鏡ライトガイド可撓管の外皮層の製造方法。
- 前記積層工程において、前記第1コート層よりも硬度が高い前記第2コート層を前記第1コート層に積層させることを特徴とする請求項10に記載の内視鏡ライトガイド可撓管の外皮層の製造方法。
- 前記第1コート層と前記第2コート層とが、同一の成分を含むことを特徴とする請求項14に記載の内視鏡ライトガイド可撓管の外皮層の製造方法。
- 前記積層工程において、交互積層法により前記第2コート層を前記第1コート層に積層させることを特徴とする請求項14に記載の内視鏡ライトガイド可撓管の外皮層の製造方法。
- 前記第2コート層形成工程において、前記第2コート層を前記第1コート層に隣接させることを特徴とする請求項10に記載の内視鏡ライトガイド可撓管の外皮層の製造方法。
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JP (1) | JP2009273593A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014192510A1 (ja) * | 2013-05-28 | 2014-12-04 | オリンパスメディカルシステムズ株式会社 | 内視鏡及び内視鏡製造方法 |
JP2016034353A (ja) * | 2014-08-01 | 2016-03-17 | 富士フイルム株式会社 | 内視鏡装置 |
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2008
- 2008-05-13 JP JP2008126443A patent/JP2009273593A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014192510A1 (ja) * | 2013-05-28 | 2014-12-04 | オリンパスメディカルシステムズ株式会社 | 内視鏡及び内視鏡製造方法 |
JPWO2014192510A1 (ja) * | 2013-05-28 | 2017-02-23 | オリンパス株式会社 | 内視鏡及び内視鏡製造方法 |
JP2016034353A (ja) * | 2014-08-01 | 2016-03-17 | 富士フイルム株式会社 | 内視鏡装置 |
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