JP2009270144A - 配列した金属微粒子を含有する無機酸化物膜およびその製造方法 - Google Patents

配列した金属微粒子を含有する無機酸化物膜およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、無機酸化物膜中に金属微粒子が層状に配列された新規な配列膜を、簡便な方法により製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】反射基板上に、無機酸化物ゾル−ゲル成分と金属成分とを含有する薄膜を製膜する工程(A)と、前記反射基板上の薄膜に、特定の波長の光を照射する工程(B)とを含むことを特徴とする、配列した金属微粒子を含有する無機酸化物膜の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属微粒子を秩序立てて配列する方法に関し、詳しくは無機酸化物膜中に金属微粒子を膜と平行方向に層状に配列させる方法に関する。
光学薄膜は、液晶表示素子などの表示装置、光通信用の光学部品、光ディスクなどをはじめ、建築用窓ガラス、自動車用ウインドシールドなどの各種製品に数多く利用されている。このような薄膜は、単層あるいは多層で形成されているが、多層膜は、単層膜と比較して波長特性に応じた光学設計の自由度が高く、光学フィルタとしては、光学多層膜が広く用いられている。
従来、このような光学多層膜では、高い屈折率を有する透明薄膜と低い屈折率を有する透明薄膜、あるいはそれらの中間の屈折率を有する透明薄膜を極めて多くの層(例えば100層程度)を積層して組み合わせることにより、光学干渉効果を利用し、目的の光学特性を発現している。具体的な高屈折率を有する材料としては、TiO、Ta、SnO、ZnO、Nb、ZrO、HfOなど、低屈折率材料としては、MgF、SiO、Alなど、中間の屈折率材料としてはSi、WO、MgOなどの無機材料が広く利用されている(例えば特許文献1〜4参照)。
無機材料からなる光学多層膜を形成する成膜方法としては、従来から真空蒸着法や、スパッタリングによる方法が良く知られている。これらの方法は、薄膜の膜厚の制御が容易である反面、真空環境が必要である。また、薄膜の形成毎に蒸着源を交換するために、製造工程が煩雑であり、さらに、装置が大型化する等の問題がある。
一方、本発明者らは、金属微粒子配列ポリマー膜を、一般性の高い、簡便な方法により製造する方法を提供することを目的として、光の干渉現象を利用してポリマー中に金属微粒子を規則的に配列する手法について研究を進めてきた(例えば非特許文献5)。しかし、配列した金属微粒子を含有する無機材料膜は、未だ知られていなかった。
特開平7−27907号公報 特開2006−171645号公報 特開2006−99049号公報 特開2007−47530号公報 Optical Interference Coatings(OIC) Topical Meeting and Tabletop Exhibit (2007年)予稿集 No.MC3 「A Facile,Novel Methodology for Preparation of Multilayer Metal/Polymer Composite Films」
本発明は、無機酸化物膜中に金属微粒子が層状に配列された新規な配列膜を、簡便な方法により製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明の異なる態様の目的は、新規な金属微粒子が配列した無機酸化物膜を提供することである。
本発明は以下の事項に関する。
1. 反射基板上に、無機酸化物ゾル−ゲル成分と金属成分とを含有する薄膜を製膜する工程(A)と、
前記反射基板上の薄膜に、特定の波長の光を照射する工程(B)と
を含むことを特徴とする、配列した金属微粒子を含有する無機酸化物膜の製造方法。
2. 前記配列した金属微粒子を含有する無機酸化物膜の構造が、金属微粒子が密集した層が無機酸化物膜の膜厚方向に周期的に多層として存在する構造である上記1記載の製造方法。
3. 前記工程(A)が、(1)無機アルコキシドから無機酸化物ゾルを調製するサブ工程、(2)前記ゾルと、金属成分を含む塗布溶液を調製するサブ工程、(3)前記塗布溶液を反射基板上に塗布し、塗布膜を形成するサブ工程、及び(4)前記塗布膜を乾燥するサブ工程を含むことを特徴とする上記1または2に記載の製造方法。
4. 前記無機アルコキシドが、Si、Ti、Al、Zr、Li、Na、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Ga、Y、Ge、Pb、P、Sb、V、Ta、W、La、Nd、Inの元素群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする上記3記載の製造方法。
5. 前記無機アルコキシドが、以下の一般式(I)で表されることを特徴とする上記4記載の製造方法。
MR (ORm−x ・・・(I)
(式中、MはSi、Ti、Al、Zr、B、Ta、P、Li、Na、Ga、Ge、SbおよびVからなる群より選ばれる元素を示し、Rは置換基を有しても良いアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基またはアシル基を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示し、mは元素Mの価数、xは0〜(m−1)の整数を示す。但し、RおよびRは、それぞれ式中に2つ以上存在するときは、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。)
6. 前記無機アルコキシドが、テトラエトキシシランおよびメチルトリエトキシシランから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする上記5記載の製造方法。
7. 前記無機アルコキシドから無機酸化物ゾルを調製するサブ工程において、触媒を含む水溶液中で、無機アルコキシドを加水分解重合して無機酸化物ゾルを調製することを特徴とする上記3〜6のいずれかに記載の製造方法。
8. 前記金属成分が、前記特定の波長の光によって還元されて金属微粒子を生成する金属化合物を含むことを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の製造方法。
9. 前記金属成分が、金属微粒子を含むことを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載の製造方法。
10. 前記金属化合物が、塩化金酸であることを特徴とする上記8記載の製造方法。
11. 前記工程(B)の後に、さらに焼成工程を含むことを特徴とする上記1〜10のいずれかに記載の製造方法。
12. 前記工程(B)において、照射する光の波長を変えることにより、前記無機酸化物膜中の金属微粒子層の繰り返し距離を調節することを特徴とする上記1〜11のいずれかに記載の製造方法。
13. 前記工程(B)において、前記反射基板に対する照射する光の角度を変えることにより、前記無機酸化物膜中の金属微粒子層の繰り返し距離を調節することを特徴とする上記1〜11のいずれかに記載の製造方法。
14. 無機酸化物膜中に、金属微粒子が密集した層が、膜厚方向に周期的に多層として存在している構造を有する金属微粒子が配列した無機酸化物膜。
15. 膜厚が100nm以上10μm以下であることを特徴とする上記14記載の無機酸化物膜。
本発明によれば、金属微粒子の層が周期的に多層積層された構造を有する新規な金属微粒子配列無機酸化物膜を非常に簡便な方法で作製することができる。得られる金属微粒子配列無機酸化物膜は、従来の光学多層膜と同様に、種々の光学素子、光学部品等に広く応用することができる。
本発明者らは、光の干渉現象を利用してポリマー中に金属微粒子を規則的に配列する手法を無機材料に適用すべく、鋭意検討を行った。無機材料を硬化・成形するためには、一般に高温条件が必要であるため、仮に硬化・成形前に無機材料の内部に規則構造が形成できたとしても、加熱操作によって膜内部で生じる拡散や対流現象の影響でその規則構造を維持することが極めて難しいと考えられる。一方、硬化・成形後の構造体に配列操作を行うことも考えられるが、加熱後の硬化・成形体は一般に非常に緻密な結晶構造を形成しているため、膜内部での金属の移動が極めて制限され、規則構造を形成することは困難であると考えられた。
一方、ゾル−ゲル法は、無機酸化物薄膜を低温で合成できる方法として知られているが、ゾル−ゲル法においても、無機元素−酸素の3次元ネットワークを形成するための無機アルコキシドの加水分解反応や膜の緻密化を図るための加熱操作は必要であり、このような工程の中で、一度構築した規則構造の乱れが予想された。しかし、本発明によれば、驚くべきことに、規則的な配列構造を有する金属微粒子を含有する無機酸化物膜を簡便な方法で得られることが見いだされた。
本発明の製造方法では、無機酸化物ゾル−ゲル成分と金属成分を含有する薄膜を反射基板に製膜した後、特定の波長λの光を照射する。そしてその後、必要に応じて、得られた反射基板上の薄膜を硬化する。以下、本発明を詳細に説明する。
本出願において、用語「無機酸化物」は、無機(原子)−酸素の3次元ネットワークが完全に形成された酸化物に加え、無機(原子)−酸素のネットワークが不完全で流動性のあるゾル、さらにネットワーク構造が進んだゲル、およびこれらの中間状態のすべてを意味するものとして使用する。従って、完全な「酸化物」だけでなく、部分的にOH基、アルコキシ基等を有していてもよい。具体的な状態は、その製造過程の段階により明らかである。また、用語「無機酸化物ゾル−ゲル成分」は、ゾルからゲルまでのすべての状態の無機酸化物成分を意味する。用語「無機酸化物ゾル」は、無機酸化物が、コロイド粒子状のゾル状態にあることを意味し、それ自体が液状または分散溶媒中に分散している状態、加えて、濃縮ゾルおよび乾燥ゾルを含む。用語「無機酸化物ゲル」は、無機(原子)−酸素のネットワークが少なくとも部分的に構築され、無機酸化物が、流動性のないゲル状態にあることを意味し、湿潤ゲル、乾燥ゲルを含む。
<無機酸化物ゾルの調製>
「無機酸化物ゾル−ゲル成分」のために、まず最初に「無機酸化物ゾル」を調製する。これは、公知のゾル−ゲル法を用いて合成できる。ゾル−ゲル法は、一般的に、ガラスや無機酸化物の製造方法として知られている。この方法では、まず、無機アルコキシドを加水分解させ、さらにこれを重合させることにより、「無機酸化物ゾル」を調製する。そして、この反応をさらに進めることで無機酸化物ゾルをゲル化させ、できた多孔質のゲルを加熱して、ガラスや無機酸化物を作る〔参考文献:例えば、作花済夫「ゾル−ゲル法の科学」(株)アグネ承風社(刊)(1988年)〕。このゾル−ゲル法の特徴の1つは、低温合成が可能な点であり、特にSiのアルコキシドを用いたシリカガラスの低温合成は、プラスチック等の表面のハードコート膜として広く実用化されている。
「無機酸化物ゾル」は、好ましくは、ゾル−ゲル法を用いて、無機アルコキシドの加水分解および重縮合によって合成できるものであり、反射基板上に塗布する前においては、少なくとも固化(ゲル化)していない状態である。
無機アルコキシドは、Si、Ti、Al、Zr、Li、Na、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Ga、Y、Ge、Pb、P、Sb、V、Ta、W、La、Nd、Inの元素群から選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいるものが好ましく、2種類以上の元素を含んでいてもよい。さらに、使用する無機アルコキシドは、単独または2種以上組み合わせてもよい。この中でも、種々の置換基を持つアルコキシドが知られており、かつ、市販されており入手しやすいことから、当該元素としてSi、Ti、Al、Zr、B、Ta、P,Li、Na、Ga、Ge、Sb、Vを含む各種の無機アルコキシドが好適に用いられる。
当該元素としてSi、Ti、Al、Zr、B、Ta、P、Li、Na、Ga、Ge、Sb、Vを含む各種の無機アルコキシドについては、特にこれらに限定されるわけではないが、以下の一般式(I)で表される化合物であることが望ましい。
MR (ORm−x ・・・(I)
式中、MはSi、Ti、Al、Zr、B、Ta、P、Li、Na、Ga、Ge、SbおよびVからなる群より選ばれる元素を示し、Rは置換基を有しても良いアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基またはアシル基を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示し、mは元素Mの価数、xは0〜(m−1)の整数を示す。但し、RおよびRは、それぞれ式中に2つ以上存在するときは、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
Mは、好ましくは、Si、Ti、Al、Zr、B、Taである。
前記一般式(I)において、Rは置換基を有しても良い非加水分解性基である。アルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、また、アルケニル基およびアルキニル基は、炭素数2〜20のものが好ましい。アリール基としては、炭素数6〜20、アラルキル基は、炭素数7〜20のものが好ましい。さらに、アシル基としては、炭素数2〜20の脂肪族アシル基や、炭素数7〜20の芳香族アシル基(アロイル基)を好ましく挙げることができる。
置換基としては、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン、3,4−エポキシシクロヘキシル基、グリシジルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、アミノ基、アミノアルキル基、メルカプト基、アニリノ、ウレイド基等が挙げられる。
一方、ORは加水分解性基である。Rで示される炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビニル基などが挙げられる。
式(I)において、OR基は、少なくとも1つ以上存在し、好ましくは2つ以上存在する。従って、xは、0〜(m−1)の整数であり、好ましくは、負にならないことを条件として0〜(m−2)である。
式(I)の無機アルコキシドは、2種類以上を併用してもよい。その際、Mが異なる無機アルコキシドを組み合わせてよいし、またMが同じでも、Rおよび/またはRおよび/またはxが異なるアルコキシドを組み合わせてよいし、これらの両方を組み合わせてもよい。
前記一般式(I)において、M=Siである、具体的なシリカアルコキシドとしては、特にこれらに限定されるわけではないが、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、ジビニロキシジメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピル−n−プロポキシシラン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロポキシシラン、アクリロイルオキシジメトキシエチルシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−ブロモプロピルトリメトキシシラン、γ−ブロモプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、などを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(I)において、M=Tiである、具体的なチタンアルコキシドとしては、特にこれらに限定されるわけではないが、チタンn−ブトキシド、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンn−プロポキシド、チタンイソプロポキシド、チタンt−ブトキシド、チタンn−ノニルオキシド、チタンi−ブトキシド、チタンメトキシプロポキシド、チタンジn−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタジオネート)、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−ペンタジオネート)、チタンジイソプロポキシドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタンジイソプロポキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタン2−エチルヘキシオキシド、チタンオキシドビス(ペンタジオネート)、チタンオキシビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、テトラキス(トリメチルシロキシ)チタン、チタンアリルアセトアセテートトリイソプロポキシド、チタンビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキシド、チタンメタクリレートトリイソプロポキシド、(2−メタクリルオキシエトキシ)トリイソプロポキシチタネート、チタンメタクリルオキシエチルアセトアセテートトリイソプロキシド、チタンメチルフェノキシドを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(I)において、M=Alである、具体的なアルミニウムアルコキシドとしては、特にこれらに限定されるわけではないが、アルミニウム(III)n−ブトキシド、アルミニウム(III)s−ブトキシド、アルミニウム(III)t−ブトキシド、アルミニウム(III)エトキシド、アルミニウム(III)イソプロポキシド、アルミニウム(III)s−ブトキシドビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム(III)ジ−s−ブトキシドエチルアセトアセテート、アルミニウム(III)ジイソプポキシドエチルアセトアセテート、アルミニウム(III)エトキシエトキシエトキシド、アルミニウムヘキサフルオロペンタジオネート、アルミニウム(III)3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロネート、アルミニウム(III)9−オクタデセニルアセトアセテートジイソプロポキシド、アルミニウム(III)2,4−ペンタンジオネート、アルミニウム(III)フェノキシド、アルミニウム(III)2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネートを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(I)において、M=Zrである、具体的なジルコニウムアルコキシドとしては、特にこれらに限定されるわけではないが、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、ジルコニウムn−プロポキシド、ジルコニウムn−ブトキシド、ジルコニウムt−ブトキシド、ジルコニウム2−エチルヘキシルオキシド、ジルコニウム2−メチル−2−ブトキシド、テトラキス(トリメチルシロキシ)ジルコニウム、ジルコニウムジn−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムジイソプロポキシドビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、ジルコニウムジメタクリレートジブトキシド、ジルコニウムヘキサフルオロペンタンジオネート、ジルコニウムメタクリルオキシエチルアセトアセテートトリn−プロポキシド、ジルコニウム2,4−ペンタンジオネート、ジルコニウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、ジルコニウムトリフルオロペンタンジオネートを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(I)において、M=Bである、具体的なボロンアルコキシドとしては、特にこれらに限定されるわけではないが、ホウ素メトキシド、ホウ素エトキシド、ホウ素イソプロポキシド、ホウ素n−ブトキシド、ホウ素t−ブトキシド、ホウ素アリルオキシドを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(I)において、M=Taである、具体的なタンタルアルコキシドとしては、特にこれらに限定されるわけではないが、タンタル(IV)メトキシド、タンタル(IV)エトキシド、タンタル(IV)イソプロポキシド、タンタル(IV)n−プロポキシド、タンタル(IV)n−ブトキシド、タンタル(IV)t−ブトキシド、タンタルナトリウムメトキシド、タンタル(V)トリフルオロエトキシド、タンタル(V)テトラエトキシドペンタンジオネートを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(I)において、M=Pである、具体的なリンアルコキシドとしては、特にこれらに限定されるわけではないが、トリメトキシリン、トリエトキシリンを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(I)において、M=Liである、具体的なリチウムアルコキシドとしては、特にこれらに限定されるわけではないが、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウムt−ブトキシド、リチウム2,4−ペンタンジオネート、リチウムテトラメチルヘプタンジオネートを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(I)において、M=Naである、具体的なナトリウムアルコキシドとしては、特にこれらに限定されるわけではないが、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(I)において、M=Gaである、具体的なガリウムアルコキシドとしては、特にこれらに限定されるわけではないが、ガリウムトリエトキシド、ガリウム(III)2,4−ペンタンジオネート、ガリウム(III)2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネートを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(I)において、M=Geである、具体的なゲルマニウムアルコキシドとしては、特にこれらに限定されるわけではないが、ゲルマニウムメトキシド、ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムイソプロポキシド、ゲルマニウムn−ブトキシド、ゲルマニウムt−ブトキシドを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(I)において、M=Sbである、具体的なアンチモンアルコキシドとしては、特にこれらに限定されるわけではないが、アンチモントリメトキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモントリn−ブトキシド、アンチモントリt−ブトキシドを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(I)において、M=Vである、具体的なバナジウムアルコキシドとしては、特にこれらに限定されるわけではないが、バナジウムトリイソプロポキシドオキシド、バナジウムトリイソブトキサイドオキシド、バナジウム(III)2,4−ペンタンジオネート、バナジウム(IV)オキシドビス(2,4−ペンタンジオネート)、バナジウム(IV)オキシビス(ベンゾイルアセトネート)を挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの無機アルコキシドの中でも特に、得られる薄膜の厚膜化が可能であることから、テトラエトキシシランとメチルトリエトキシシランとの併用が特に好適に用いられる。
以上のような無機アルコキシドを、加水分解・縮合反応させて、無機酸化物ゾルを得ることができる。例えばテトラアルコキシシランを例にとると、
加水分解反応は、例えば
Si(OR) + HO → Si(OR)(OH) + ROH
Si(OR)(OH) + HO → Si(OR)(OH) + ROH
等の反応で進行し、重縮合反応は、例えば
2Si(OR)(OH) → (OR)Si−O−Si(OR) + H
Si(OR)(OH) + Si(OR)→ (OR)Si−O−Si(OR) + ROH
等の反応で進行する。縮合反応が高度に進行し、Si−O−Siの3次元ネットワークが形成されるとゲル化して固形化する。反射基板に塗布前の無機酸化物ゾルは、ゲル化する以前の流動性のある状態、コロイド粒子の状態である。
無機アルコキシドの加水分解・縮合反応は、無溶媒でも、溶媒中でも行うことができる。反応が問題なく進行する場合には、製造コストが安くなることから、無溶媒が好適に選択される。一方、成分を均一に混合するために有機溶媒を用いる場合、例えばアルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などが好適である。溶媒は無機アルコキシドと触媒を溶解させるものが好ましい。また、溶媒を塗布液あるいは塗布液の一部として用いることが工程上好ましい。一部のアルコキシドを加水分解せずに塗布溶液に添加することも可能であるが、塗布したときにハジキやスジむらを生ずるなど一般的に塗布状態に悪影響を及ぼすことが多く、加水分解を進めた状態で使用することが好ましい。
溶媒として使用可能なアルコール類としては、例えば1価アルコールまたは2価アルコールを挙げることができ、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜8の飽和脂肪族アルコールが好ましい。これらのアルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどを挙げることができる。
また、芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを挙げることができる。
これらの有機溶媒は、1種単独であるいは2種以上を混合して使用することもできる。該反応における溶媒の割合は特に限定されるものではないが通常全質量の10質量%〜99質量%の範囲であり、好ましくは30質量%〜80質量%の範囲である。
前記無機アルコキシドの加水分解および縮合反応は、触媒の存在下で行われることが好ましい。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類;トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類等が挙げられる。ここで、金属アルコキシドは、反応原料の無機アルコキシドよりも強塩基性が選ばれる。ゾル液の製造安定性やゾル液の保存安定性の点から、酸触媒(無機酸類、有機酸類)が好ましい。そのなかでも安価で入手しやすいことから塩酸、硫酸、硝酸が好ましく、特に塩酸が好ましい。
加水分解および縮合反応は、通常、無機アルコキシドの加水分解性基1モルに対して0.3〜2モル、好ましくは0.5〜1モルの水を添加し、上記溶媒の存在下あるいは非存在下に、そして好ましくは触媒の存在下に、25〜100℃で、撹拌することにより行われる。加水分解に必要な水は、溶媒中の水分、空気中の水分で充分なことがあり、アルコールを溶媒に用いた場合、もしくは触媒を水溶液として添加した場合には、実質的に水を添加しないことも好適である。
触媒の使用量は、触媒が無機酸の場合には加水分解性基に対して通常0.0005〜10モル% 、好ましくは0.001〜1モル%である。触媒をあまり多量に添加すると反応が急激に進行してゲル化してしまい、後工程で均一な塗布膜を形成することが難しくなる恐れがあり、少なすぎると反応が遅く完全な加水分解が行われない。
反応は通常25〜100℃で撹拌することにより行われるが、無機アルコキシドの反応性により適宜調節されることが好ましい。
このようにして得られる無機酸化物ゾルは、それ自体が液状であるか、溶媒中に分散された分散液として得られ(以下、これらを合わせてゾル溶液ということもある)、次の工程で金属成分が混合される。
<反射基板>
本発明で使用できる「反射基板」は、基板の表面が、特定の波長λの光を反射できるものであれば特に限定されない。例えば、基板の表面に、アルミニウム、銀等の種々の金属および金属酸化物等から選ばれる材料を用いて、単層膜または多層膜を形成した反射鏡(ミラー)が挙げられる。その中でもガラス基板上にアルミニウム、シリカを順に製膜したものが好適である。これは、アルミニウムが紫外から可視領域において安定して高い反射率を持つ膜を形成できるためである。シリカ層はアルミニウムが酸化するのを防止する効果がある。
反射基板中のアルミニウムの厚み(膜厚)は、例えば、100〜2000nm、好ましくは150〜1000nm、さらに好ましくは200〜800nm程度である。また、シリカの厚み(膜厚)はアルミニウムの反射特性を低下させないため薄い方が良く、例えば、5〜100nm、好ましくは10〜50nm、さらに好ましくは10〜30nm程度である。
<金属成分>
「金属成分」を構成する金属元素の種類は1種類であっても2種類以上であっても良い。金属成分は、好ましくは金属化合物(錯体および塩を含む。以下同じ。)および金属微粒子の少なくとも一方を含むことが好ましい。一般には、金属化合物および/または金属微粒子を含むゾル溶液を反射基板に塗布する方法が好ましく、特に、金属化合物が溶解したゾル溶液を反射基板に塗布する方法が好ましい。
本発明で用いられる金属化合物は、特定の波長λの照射によって金属微粒子を生成するものである。このような材料としては、光のエネルギーを吸収し、還元によって金属微粒子(または金属微粒子を構成する金属)を生成する化合物(すなわち、金属原子の酸化数が正である金属化合物)が知られており、通常、金属塩である場合が多い。
このような金属化合物としては、例えば、金属酸化物、金属水酸化物、金属ハロゲン化物(金属塩化物など)、金属酸塩[金属無機酸塩(硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、塩酸塩などのオキソ酸塩など)、金属有機酸塩(酢酸塩など)など]が挙げられる。金属塩の形態は、単塩、複塩、または錯塩(電解質錯体または非電解質錯体、通常、電解質錯体)であっても、多量体(例えば、2量体)などであってもよい。また、金属化合物(金属塩)は、例えば、酸成分[塩化水素(HCl)など]、塩基成分(アンモニアなど)、水(HO)などを含有する化合物(例えば、含ハロゲン化水素化合物、含水物、水和物など)であってもよい。金属化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせてもよい。
また、金属化合物を構成する金属元素も特に限定されない。金属化合物を構成する金属元素としては、周期表第8〜11族金属(すなわち、鉄、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金など)が好ましく、特定の実施形態においては、貴金属(銀、金、白金、ロジウムなど)が特に好ましい。金属化合物は、これらの金属元素を単独でまたは2種以上含んでいてもよい。
具体的な金属化合物としては、周期表第8〜11族金属化合物(金属塩を含む)が挙げられる。例えば、周期表第8〜11族金属酸塩として、無機酸塩[例えば、過塩素酸銀(AgClO)、硝酸銀(AgNO)などの貴金属無機酸塩]、および有機酸塩[例えば、酢酸パラジウム(Pd(CHCOなど)、酢酸ロジウム([Rh(CHCOなど)などの貴金属酢酸塩などの貴金属有機酸塩]などが挙げられる。また、周期第8〜11族金属ハロゲン化物として、貴金属ハロゲン化物[例えば、塩化銀(AgCl)、塩化金(AuCl)、塩化白金(PtCl、PtClなど)、塩化パラジウム(PdClなど)などの貴金属塩化物など]、酸成分含有金属ハロゲン化物[例えば、塩化金酸(HAuClなど)、塩化白金酸(HPtClなど)などの塩化貴金属酸などの塩化水素含有貴金属ハロゲン化物]、およびこれらの水和物などが挙げられる。
以下に、周期表第11族金属のうち、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウムについて、代表的な金属化合物を例示する。
金化合物としては、金ハロゲン化物(AuCl、AuCl、AuBr、AuI、AuI、AuCl(PPh),AuCl(SC)など)、ハロゲン化金酸またはその塩(HAuCl、HAuCl・4HO、NaAuCl・4HO、KAuCl・4HOなど)、水酸化金(AuOH)、シアン化金(AuCN)、酸化金(Auなど)、硫化金(AuS、Au(III)など)などの無機塩、又は、トリメチル金(III)(Au(CH)、メチル(トリフェニルホスフィン)金(I)(AuCH(PPh))、4−エチルベンゼンチオラト金(I)(Au{S(C)C})、{μ−1,8−ビス(ジフェニルホスフィノ)−3,6−ジオキサオクタン}ビス{クロロ金(I)}((AuCl)(μ−{PhP(CHO(CHO(CHPPh})、(ペンタフルオロフェニル)(テトラヒドロチオフェン)金(I)([Au(C)(SC)])、トリス(ペンタフルオロフェニル)(テトラヒドロチオフェン)金(III)([Au(C(SC)])などが挙げられる。
銀化合物としては、無機塩[例えば、AgF、AgCl、AgI、AgBrなどの銀ハロゲン化物、AgOなどの酸化銀、AgSO、AgS、AgCN、AgClO、AgPO、AgSCN、AgNO、AgSO、AgCO、AgCrO、AgSe、AgReO、AgBF、AgW16、AgAsO、AgSbF、AgPF、AgHF、AgIO、AgBrO、AgOCN、AgMnO、AgVOなどの無機酸塩など]、有機塩(または錯体)[例えば、CCOAg、C11(CHCOAg、CHCH(OH)COAg、トリフルオロ酢酸銀(CFCOAg)、CCOAg、CCOAg、AgOCCHC(OH)(COAg)CHCOAgなどのカルボン酸塩、p−トルエンスルホン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀(CFSOAg)などのスルホン酸塩、(CHC(O)CHC(O)CH)Ag、(CNCSAg、フェニル銀(I)、テトラメシチル四銀(I)、ブチルアセチリド銀(I)、クロロ(イソシアノシクロヘキサン)銀、(シクロペンタジエニル)トリフェニルホスフィン銀(I)、ビスピリジン銀(I)過塩素酸塩、(η−1、5−シクロオクタジエン)(1、1、1、5、5、5−ヘキサフルオロ−2、4−ペンタンジオナト)銀(I)、ブロモ(トリ−n−ブチルホスフィン)銀(I)、ビスイミダゾール銀(I)硝酸塩、ビス(1,10−フェナントロリン)銀(I)過塩素酸塩および硝酸塩、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン銀(II)過塩素酸塩、(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)(N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン)銀(I)]などが挙げられる。
銅化合物としては、無機塩[例えば、CuO、CuO、Cu(OH)、CuF、CuCl、CuCl、CuBr、CuBr、CuIなどの銅ハロゲン化物、CuCO、CuCN、Cu(NO、Cu(ClO、Cu、CuSe、CuSe、CuSeO、CuSO、CuS、CuS、Cu(BF、CuHgI、CuSCN、(CFCOCu、(CFSOCu、CuWO、Cu(OH)POなどの無機酸塩など]、有機塩(または錯体)[例えば、酢酸銅(I)、酢酸銅(II)、[C11(CHCOCu、[CH(CHCH(C)COCu、(HCOCu、[HOCH[CH(OH)]COCuなどのカルボン酸塩、(CHC(O)CHC(O)CHCu、CH(CHSCu、(CHO)Cu]などが挙げられる。
白金化合物としては、無機塩[例えば、PtO、PtCl、PtCl、PtBr、PtBr、PtI、PtIなどの白金ハロゲン化物、HPtCl・2HOなどのハロゲン化白金酸、PtS、Pt(CN)など]、有機塩(または錯体)[例えば、(CHC(O)CHC(O)CHPt、(CCN)PtCl、(CHCN)PtCl]などが挙げられる。
パラジウム化合物としては、無機塩[例えば、PdO、PdCl、PdBr、PdI、などのハロゲン化パラジウム、PdCN、Pd(NO、PdS、PdSO、KPd(S・HO、塩化パラジウム酸など]、有機塩(または錯体)[例えば、Pd(CHCO)、プロピオン酸パラジウム(II)、(CFCOPdなどのカルボン酸塩、(CHC(O)CHC(O)CHPd、(CCN)PdCl、(CHCN)PdCl]などが例示できる。
ロジウム化合物としては、無機塩[例えば、Rh、RhO、RhCl、RhBr、RhIなどのロジウムハロゲン化物、RhPO、RhSOなど]、有機塩(または錯体)[例えば、[Rh(CHCO、(CFCORh、{[CH(CHCORh}、[(CFCFCFCORh]、{[(CHCCORh}などのカルボン酸塩、(CHC(O)CHC(O)CHRh]などが挙げられる。
これらの金属化合物のうち、特に、光によって還元されやすい金属化合物である塩化金酸が好適に用いられる。
また、金属微粒子(ここでは、無機酸化物ゾル−ゲル成分と金属成分を含有する薄膜を反射基板に製膜する工程の時点で薄膜に含まれる金属微粒子を意味する。)としては、特定の波長λの照射によって膜中を移動できるようなものが好ましく、特にコロイド状粒子などの、10nm程度以下、特に好ましくは2nm以下の金属粒子が好ましい。例えば上記の金属化合物から金属微粒子が析出したものが挙げられる。例えば、銀や金の微粒子が好ましい。また、金属化合物と金属微粒子の混合物であってもよい。
<無機酸化物ゾル−ゲル成分と金属成分とを含有する薄膜の製膜>
反射基板上に、無機酸化物ゾル−ゲル成分と金属成分とを含有する薄膜を製膜するために、前述のように調製された無機酸化物ゾル(ゾル溶液)と金属成分を含む塗布溶液を調製する。
上記の金属成分、または金属成分を含む溶液を前述したゾル溶液に溶解または均一に混合・分散し、塗布溶液を調製する。ゾル溶液中に含有させる金属成分の割合は、ゾルの種類などにもよるが、出発原料である無機アルコキシド100重量部に対して、例えば、0.2〜500重量部、好ましくは0.5〜400重量部、さらに好ましくは1〜200重量部程度である。
塗布溶液の反射基板への製膜法は、膜形成が可能であれば特に限定されず、慣用の塗布法、例えば、スピンコーティング法(回転塗布法)、ロールコーティング法、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、キャスト法などが利用できる。塗布装置としては、上記塗布方法に対応する装置、例えば、スピンコーター、スリットコーター、ロールコーター、バーコーターなどを使用できる。
次に、製膜した塗布膜を乾燥する。この乾燥工程では、ゾル溶液中に含まれていた溶媒、水、アルコキシドから脱離したアルコール、金属成分溶液中の溶媒等を蒸発させる。乾燥方法も特に限定されず、慣用の溶媒留去法、例えば、加熱による蒸発や各種エバポレーターによる真空乾燥が挙げられる。乾燥後、金属成分を含有する無機酸化物ゾル−ゲル成分の固形膜が得られる。尚、「乾燥」は、蒸発成分の少なくとも一部を除くことを意味し、固形膜は、溶媒、水、アルコキシドを含んでいてもよい。
塗布溶液の塗布から乾燥工程中に、通常の条件では、ゲル化により固形化して「無機酸化物ゲル」となっている。また、一部の無機(原子)−酸素のネットワークで構成されるゲル中にゾルが含有されていてもよい(本発明では、この状態も「無機酸化物ゲル」に含まれる。)。本発明では、乾燥工程後に無機酸化物ゲルになっていることが好ましいと考えられるが、可能であれば無機酸化物ゾルのまま(濃縮ゾル、乾燥ゾル)で存在してもよい。
反射基板上に製膜された金属成分を含有する薄膜の厚さは、特に限定されず、用途に応じて適宜設定することができるが、本発明で製造される金属微粒子が配列した無機酸化物膜を得るためには、当該膜厚が少なくとも金属微粒子の配列間隔よりも大きいことが必要である。さらに、ゾル−ゲル法を用いて1回の製膜操作でサブミクロン以上の厚さを持つ膜を作製しようとすると、焼成過程で膜の面方向に発生する応力のため、膜に亀裂が発生することが、ゾル−ゲル法の問題点として広く知られている。厚膜化を実現するため、複数回の製膜操作を行うことも可能であるが、界面が生じて後述する光照射の操作の際に光の膜中の均一な透過に悪影響を及ぼすため、本発明においては、1回の製膜操作が好ましい。このため、反射基板上に製膜された金属成分を含有する薄膜の厚さは、例えば、50nm〜100μm、好ましくは70nm〜50μm、さらに好ましくは100nm〜10μm程度である。
<光照射>
本発明の製造方法では、次に、反射基板上に製膜された金属成分を含有する無機酸化物ゾル−ゲル成分の膜に、特定の波長λの光を照射する。波長λは、所望の波長を選ぶことができるが、前述の金属成分がこの波長の光を受けたときに、金属微粒子の生成、金属の移動、および金属粒子の成長のいずれかが起こりうるような波長領域の中から設定する。通常、金属化合物を励起して金属微粒子へ還元するのに十分なエネルギーを有する波長領域から選ばれ、紫外から可視光領域が好ましい。具体的には、200〜600nm、好ましくは300〜500nm、より好ましくは350〜500nmの波長領域から1波長が選ばれることが好ましい。このような波長範囲では、各種金属化合物を効率良く金属微粒子へ光還元することができる。
照射する光源としては、例えば、ハロゲンランプ、水銀ランプ(低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプなど)、重水素ランプ、UVランプ、レーザ(例えば、ヘリウム−カドミウムレーザー、エキシマーレーザーなど)等が使用できる。一実施形態においては、超高圧水銀ランプが好適である。また、なるべく半値幅の狭い1波長を照射することが好ましい。照射波長の半値幅は、好ましくは50nm、より好ましくは30nm以下、特に好ましくは20nm以下、最も好ましくは10nm以下である。半値幅を狭くするためには、市販の狭帯域バンドパスフィルターを組み合わせるのが好ましい。
光照射時間は、照射光源の能力(照射強度)に大きく依存するが、反応速度と共に金属成分の移動を考慮し、生成する金属粒子の径等も考慮して決めることが好ましい。限定はされないが、1例として、500Wの高圧水銀ランプ(照射強度;165W/cm以上)を用いる場合、照射時間は20分〜24時間、好ましくは3時間〜15時間、特に好ましくは5時間〜10時間である。
<配列した金属微粒子を含有する無機酸化物膜>
前記光照射工程により、金属成分を含有する薄膜中で、金属化合物から金属微粒子が生成し、あるいは金属微粒子が移動し、密集して膜面に平行な層を形成し、さらにこの層が、周期的な多層構造となる。即ち、膜の断面方向で見ると、金属が密集した金属微粒子層と、金属酸化物のみの層とが交互に積層された多層構造となっている。
これは、入射光と反射光が干渉して、周期的な光強度を持つ分布を持つ定在波が生じることにより、金属化合物が移動し、その結果、多層構造が形成されたものと推定される。一方、金属微粒子を含有した薄膜内においても、定在的な電場の強度分布が生じ、同様な機構により、金属微粒子が移動し、多層構造が形成されたものと推定される。
また、本発明の製造方法では、金属微粒子層の繰り返し距離(ピッチ)を任意に調節することができる。上記の理論に従い、無機酸化物膜の厚み方向に生じる光強度の周期を変化させるように調節することで、金属微粒子層の繰り返し距離(ピッチ)が変化する。代表的には、照射光の波長λを変えることにより調節することができる。例えば、照射光の波長を長波長とすることで金属微粒子層の繰り返し距離を長くすることができる。さら、照射光の角度を変化させることでも、金属微粒子層の繰り返し距離(ピッチ)を調節することができる。例えば、照射光の入射角を、大きくすることで金属微粒子層の繰り返し距離を長くすることができる。入射角の変化は、基板を傾ける、もしくは照射光をある角度で入射させるだけで実現できることから、非常に簡便な方法である。さらにこの方法では、金属微粒子層の繰り返し距離を、照射光の波長から独立して調節することができるので、製造時にあっては、所望の繰り返し距離(ピッチ)を得るために適した波長の光を選択することができる。そのため、照射光の波長とは異なる波長の光を選択的に反射する膜を作製することも容易である。本発明の金属微粒子が配列した無機酸化物膜では、このようにして任意制御によって、金属微粒子層の配列を決定することができる。尚、光照射後の処理等により、膜厚の収縮または増加が生じることがあり、その場合には、金属微粒子層の繰り返し距離(ピッチ)も変化することがある。
金属微粒子層中の金属微粒子は、その生成時においては、極めて小さいものであるが、金属微粒子において通常に観察される凝集・固結により、その粒径が大きくなり、また、実質的に金属膜と見なせる態様を取ることもある。一方、金属微粒子を含有した薄膜においても、光強度を大きくすることにより、定在波として生じる電場の強度の大きい部分と小さい部分の差が大きくなり、これにより、移動できる金属微粒子の大きさは大きくなる。
このように条件にも依存するが、通常2〜100nmである。特定の態様においては、微粒子の大部分(例えば80%以上)が50nm以下のナノレベルの粒子径を有している。
このようにして得られた反射基板上の金属微粒子が配列した無機酸化物膜は、そのまま使用してもよいし、また剥離した後適当な基材に貼付して使用することも出来る。例えば基材として透明または不透明のフィルムまたはシート、特に樹脂製(ポリマー製)フィルムまたはシートを使用し、これに金属微粒子が配列した無機酸化物膜を貼付または積層すると、本発明の金属微粒子が配列した無機酸化物膜に機械的柔軟性および軽量性を付与することができ、取り扱い性が向上するために、種々の用途に使用できる。
<無機酸化物膜の焼成>
光照射後、無機酸化物膜は、反射基板と一緒にまたは反射基板から剥離してから、加熱または焼成してもよい。加熱、焼成により、さらに重縮合反応等が進行し、膜を硬化し、緻密にすることができる。条件によってはガラス化することが可能である。硬化の方法としては、条件により種々の方法を選択することが可能であるが、加熱、又は紫外光を照射した状態での加熱等の方法が好ましく用いられる。特に、焼成炉を用いた加熱が簡便なので好ましい。この時の加熱温度については、無機マトリックスの種類に大きく依存するが、例えば100℃以上1000℃以下程度、好ましくは300℃以上900℃以下程度、より好ましくは、400℃以上800℃以下程度である。
本発明で製造される金属微粒子が配列した無機酸化物膜は、従来の、無機物や無機酸化物よりなる光学多層膜の代わりに使用することができる。そのため、光学材料として光学部品等への幅広い応用が可能である。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
(参考例1)
ソーダライムガラス上に、直流スパッタ法により200nmのアルミニウムを成膜し、さらに、13.56MHzの交流スパッタ法により10nmのシリカを成膜し、反射基板を作製した。
(実施例1)
テトラエトキシシラン3.05gとメチルトリエトキシシラン4.20gの混合溶液に0.1M塩酸水溶液1.14gを加え、40℃で4時間加熱攪拌した。得られた溶液を30分静置した後、17wt%塩化金酸希塩酸溶液1.03gを滴下し、1時間攪拌した。得られた溶液を参考例1で作製した反射基板上にスピンコート(1000rpm、10秒間)した後、室温で真空乾燥した。その後、反射基板上の薄膜に対して、超高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製、「マルチライト」)と狭帯域バンドパスフィルターを用いて、365nmの波長の紫外光を垂直に8時間照射した。その後、反射基板上の薄膜を焼成炉を用いて500℃で30分間加熱焼成した。
得られた反射基板上の薄膜断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図1に示す。シリカ中に金微粒子がおよそ100nm(幾何学的距離)の間隔で基板と平行方向に層状に配列していることを確認した。また、金粒子の多くは10nm以下の粒径を持つことが観察された。
さらに、得られた反射基板上の薄膜断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を画像解析ソフト(NIH Image(ImageJ))で処理し、図1中のA面からの距離とその位置に存在する金属粒子の個数との関係をB面(A面からの距離;1000nm)に至るまで、表したグラフを図2に示す。グラフは一定の周期で極大値を示しており、シリカ中に金微粒子が基板と平行方向に層状に配列していることが確認された。
(比較例1)
テトラエトキシシラン3.02gとメチルトリエトキシシラン4.23gの混合溶液に0.1M塩酸水溶液1.07gを加え、40℃で4時間加熱攪拌した。得られた溶液を30分静置した後、17wt%塩化金酸希塩酸溶液1.09gを滴下し、1時間攪拌した。得られた溶液を反射金属層のない、ガラス基板上にスピンコート(1000rpm、10秒間)した後、室温で真空乾燥した。その後、ガラス基板上の薄膜に対して、超高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製、「マルチライト」)と狭帯域バンドパスフィルターを用いて、365nmの波長の紫外光を垂直に8時間照射した。その後、ガラス基板上の薄膜を焼成炉を用いて500℃で30分間加熱焼成した。
得られたガラス基板上の薄膜断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図3に示す。実施例1で作製した構造体と比較してシリカ中の金微粒子の分布には規則性が存在せず、金微粒子がほぼ均一にシリカ膜中に分散していることが観察された。
さらに、得られた反射基板上の薄膜断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を画像解析ソフト(NIH Image(ImageJ))で処理し、図3中のA面からの距離とその位置に存在する金属粒子の個数との関係をB面(A面からの距離;1000nm)に至るまで、表したグラフを図4に示す。グラフは実施例1で解析したものと比較して明確な規則性を示しておらず、シリカ中に金微粒子がほぼ均一に分散していることが確認された。
実施例1で作製された金属微粒子配列無機酸化物膜のTEM写真である。 実施例1のTEM写真を画像解析し、A面からの距離とその位置に存在する金属粒子の個数との関係をB面(A面からの距離;100nm)に至るまで、表したグラフである。 比較例1で作製された金属微粒子配列無機酸化物膜のTEM写真である。 比較例1のTEM写真を画像解析し、A面からの距離とその位置に存在する金属粒子の個数との関係をB面(A面からの距離;100nm)に至るまで、表したグラフである。

Claims (15)

  1. 反射基板上に、無機酸化物ゾル−ゲル成分と金属成分とを含有する薄膜を製膜する工程(A)と、
    前記反射基板上の薄膜に、特定の波長の光を照射する工程(B)と
    を含むことを特徴とする、配列した金属微粒子を含有する無機酸化物膜の製造方法。
  2. 前記配列した金属微粒子を含有する無機酸化物膜の構造が、金属微粒子が密集した層が無機酸化物膜の膜厚方向に周期的に多層として存在する構造である請求項1記載の製造方法。
  3. 前記工程(A)が、(1)無機アルコキシドから無機酸化物ゾルを調製するサブ工程、(2)前記ゾルと、金属成分を含む塗布溶液を調製するサブ工程、(3)前記塗布溶液を反射基板上に塗布し、塗布膜を形成するサブ工程、及び(4)前記塗布膜を乾燥するサブ工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記無機アルコキシドが、Si、Ti、Al、Zr、Li、Na、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Ga、Y、Ge、Pb、P、Sb、V、Ta、W、La、Nd、Inの元素群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする請求項3記載の製造方法。
  5. 前記無機アルコキシドが、以下の一般式(I)で表されることを特徴とする請求項4記載の製造方法。
    MR (ORm−x ・・・(I)
    (式中、MはSi、Ti、Al、Zr、B、Ta、P、Li、Na、Ga、Ge、SbおよびVからなる群より選ばれる元素を示し、Rは置換基を有しても良いアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基またはアシル基を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示し、mは元素Mの価数、xは0〜(m−1)の整数を示す。但し、RおよびRは、それぞれ式中に2つ以上存在するときは、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。)
  6. 前記無機アルコキシドが、テトラエトキシシランおよびメチルトリエトキシシランから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項5記載の製造方法。
  7. 前記無機アルコキシドから無機酸化物ゾルを調製するサブ工程において、触媒を含む水溶液中で、無機アルコキシドを加水分解重合して無機酸化物ゾルを調製することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記金属成分が、前記特定の波長の光によって還元されて金属微粒子を生成する金属化合物を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記金属成分が、金属微粒子を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記金属化合物が、塩化金酸であることを特徴とする請求項8記載の製造方法。
  11. 前記工程(B)の後に、さらに焼成工程を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 前記工程(B)において、照射する光の波長を変えることにより、前記無機酸化物膜中の金属微粒子層の繰り返し距離を調節することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 前記工程(B)において、前記反射基板に対する照射する光の角度を変えることにより、前記無機酸化物膜中の金属微粒子層の繰り返し距離を調節することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
  14. 無機酸化物膜中に、金属微粒子が密集した層が、膜厚方向に周期的に多層として存在している構造を有する金属微粒子が配列した無機酸化物膜。
  15. 膜厚が100nm以上10μm以下であることを特徴とする請求項14記載の無機酸化物膜。
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