JP2009267637A - 固体撮像素子及びその製造方法、カメラ - Google Patents

固体撮像素子及びその製造方法、カメラ Download PDF

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Abstract

【課題】オンチップフィルタを備えて、低いレベルの光に対して高い応答を得ることができる固体撮像素子を提供する。
【解決手段】カラー画素(R,G,B画素)において、シリコン基板1の上方に設けられ、屈折率の異なる複数の材料の層10A,10Bが積層されて成り、曲面形状のオンチップフィルタ10と、可視光領域及び赤外光領域を検出する全域画素(A画素)において、カラー画素(R,G,B画素)のオンチップフィルタ10に隣接して設けられ、オンチップフィルタ10の複数の材料とは屈折率が異なる材料が埋め込まれた、光導波路11とを含む固体撮像素子を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体撮像素子及びその製造方法、並びに、固体撮像素子を備えたカメラに係わる。
イメージセンサは、カメラやビデオのような多くの領域における応用を有するデバイスである。
これらのデバイスに使用されるイメージセンサは、多くの画素から構成されている。そして、画素の寸法や画素構造によって、デバイス全体の効率が決まる。
カラー用のデバイスでは、固体状態の、通常、有機材料を起源とする吸収カラーフィルタ材料を、各画素にそれぞれ設けることにより、画素のタイプが赤・緑・青の3色に分かれている。
画素内の効率を改善するために、画素サイズのレンズが通常用いられており、このことは入射光を画素の受光素子に焦点を結ぶように保って、画素に入射するできるだけ多くの光をその画素に捕捉させ、周囲の画素に拡散しないようにしている。
最近、いくつかの研究者らが、カラー画素に沿って、全ての可視光領域の光を受光するオープン画素を設けることを提案している(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照。)。
このオープン画素については、さらに、対象とする波長帯域が、可視光領域を超えていたり、赤外光領域にまで拡張されていたりする構成も、考えられている。
カラー画素に連結したオープン画素を使用することによって、非常に光強度レベルの低いカラー画像を生成することが可能になり、デバイスの応答性を改善する可能性を有している。
ところで、これまでは、色性能を改善するために、デバイスの外部に赤外カットフィルタを設けていた。
しかしながら、上述したスタイルのオープン画素を使用するデバイスにおいては、赤外カットフィルタは、赤外線のカットが必要とされるカラー画素だけにしか使用することができない。そのため、1画素単位でフィルタの有無の操作が可能なように、赤外カットフィルタがオンチップで作製される必要がある。
オンチップフィルタを使用することは、新しい考えではないが、実際の設計において実行することは難しい。
よく採用されているオンチップフィルタは、主として、屈折率が異なる材料を互い違いに多重に積層することによって、生成される必要な光の帯域を調整することを可能にする構成である(例えば、非特許文献1参照。)。
そのようなオンチップフィルタを用いるときには、エッチング技術を用いて、フィルタを必要とされる画素に独立して形成させる。
そして、今では原則として、可視光領域及び赤外光領域の任意の光帯域の光をオンチップで分離するオンチップフィルタを構成することが可能であり、従って、赤外又は白色光の画素を有するカラーイメージセンサが実用的であることを意味する。
これらの多層フィルタは、均一性と層の厚さの操作性を良くするために、通常は平面状の構造として堆積される(例えば、特許文献3及び特許文献4参照。)。
Inaba et al.,IEEE Electron Device Lett.,27,6,2006,pp.457 特開平6−205178号公報 米国特許第6211521号明細書 特開2005−174967号公報 特開2006−351801号公報
上述した構造のデバイスは、低いレベルの光に対して高い応答を約束するものであるが、工業的に製造可能とするためには、克服すべき2つの主要な欠点の代償を払うことになる。
それらの欠点とは、混色とripple(波のでこぼこ)の問題である。
以下に、これらの欠点について説明する。
デバイス構造の内部に、通常はオンチップレンズとフォトダイオードとの間に、オンチップフィルタを導入すると、デバイスの全体の光学的高さが増大するので、画素のアスペクト比も増大する。
このことを、図9A及び図9Bの断面図を参照して説明する。
図9Aは、オンチップフィルタを導入していない構成の固体撮像素子(イメージセンサ)の断面図を示している。図9Aは、2画素分の断面図を示しており、左の画素はカラー画素(R,G,B画素)であり、右の画素は、可視光領域全体の光を受光検出する、白色光の画素(W画素)である。カラー画素(R,G,B画素)にはカラーフィルタ56が形成されているが、白色光の画素(W画素)にはカラーフィルタ56は形成されていない。
一方、図9Bは、カラー画素(R,G,B画素)に、多層膜から成るオンチップフィルタ59を導入した構成の固体撮像素子(イメージセンサ)の断面図を示している。図9Bも、2画素分の断面図を示しており、左の画素はカラー画素(R,G,B画素)である。この場合、オンチップフィルタ59を設けることによって外部の赤外カットフィルタを省略するので、右の画素は、可視光領域全体に加えて、赤外光領域の光をも受光検出する画素であり、以下全域画素(A画素)と称することとする。
図9Bを図9Aと比較してわかるように、オンチップフィルタ59を導入することにより、同じ画素サイズにおいて、オンチップフィルタ59の分デバイス全体の光学的高さが増大し、画素のアスペクト比も増大する。
このように、画素のアスペクト比が増大することにより、混色が著しく増大し、言い換えれば、隣の画素へ漏れ入る光の量が増大する。
また、図9Bに示す構成において、白色光と赤外光とを受光検出する全域画素(A画素)では、得られる信号強度が隣のカラー画素と比べてずっと多くなる。これにより、全域画素(A画素)によって感度を向上して、低いレベルの光に対して高い応答を得ることができる。
しかしながら、混色が生じることによって全域画素から隣のカラー画素へ僅かな割合の光が漏れたとしても、隣のカラー画素信号の信号強度の変化が著しくなり、色を正確に再現することが難しくなる。
2番目の問題は、ripple(波のでこぼこ)に関する。
デバイスの波長スペクトルを詳細に見ることにより、このripple(波のでこぼこ)を確認することができる。
完全なデバイスとするためには、各カラー画素を通過する波長スペクトルが、赤の画素では赤といった、要求されている波長近辺を中心としたなめらかで広い帯域分布であるべきである。
しかし、デバイスの波長スペクトルを詳細に見たときに、ripple(波のでこぼこ)が存在していると、なめらかで広い帯域分布である本来のスペクトルに、余分なうねりが挿入された状態を示す。
この波長スペクトルのうねりは、同じ水平構造内にあって著しい反射性を有する、少なくとも2つの境界面に起因する。
図9Bに示す構成においては、多層構造のオンチップフィルタ59の最下層と絶縁層52との境界面と、絶縁層52とシリコン基板51との境界面とが、これら2つの境界面に該当する。また、多層構造のオンチップフィルタ59の最上層と絶縁層52との境界面と、絶縁層52と層内レンズ54との境界面とが、同様に、2つの境界面に該当する。
そして、これら2つの境界面の間に、光が瞬間的に捕捉されて、キャビティと呼ばれる構造の内部で循環する。
これにより、図9Bにおいて矢印で示すように、オンチップフィルタ59の下及び上にあるキャビティ構造で、それぞれ捕捉された光が循環することになる。
前述した2つの境界面の間隔によって、設定された距離内でのこの循環のために、その捕捉された光の波長がその設定された距離と合うかどうかに依存して、光の強度が変化して、結果として光出力が波長によって振動する。
この変化の期間が、構造内の層の厚さに密接に関連するので、これらの層の厚さのちょっとした変化が、うねりの波長依存性をシフトさせる。
従って、もし、製造プロセスの間に、いくつかの層が基板のシリコンウェハに沿って厚さの変化を有してしまうと、イメージセンサのチップが元のウェハのどこから取られたかによって、うねりのスペクトルが決まることになる。そして、この場合、元のウェハ内の位置によって、イメージセンサの波長スペクトルが異なることになる。
デバイスを安定して製造することが難しくなる。
うねりの発生は、さらに、赤・緑・青の画素の波長スペクトルを変形してしまうことから、色を再現する際に真の色の生成を行うことが難しくなるという問題になる。
このように、赤・緑・青のカラー画素及び全域画素から成るデバイスを構成するために、オンチップフィルタを導入する先行技術を使用すると、混色の問題を大きくし、また波長スペクトルのうねりの影響でスペクトルが変形してしまう、という結果になる。
このことが、これらのタイプのセンサを製品レベルにまで開発することが難しいことを証明している。
上述した問題の解決のために、本発明においては、オンチップフィルタを備えて、低いレベルの光に対して高い応答を得ることができる固体撮像素子及びその製造方法、並びに固体撮像素子を備えたカメラを提供するものである。
本発明の固体撮像素子は、可視光領域の特定の色の光を検出するカラー画素、並びに、可視光領域及び赤外光領域を検出する全域画素を含む画素を含む。
また、本発明の固体撮像素子は、画素毎に形成された受光部を有する基体を含む。
また、本発明の固体撮像素子は、カラー画素において、基体の上方に設けられ、屈折率の異なる複数の材料の層が積層されて成り、曲面形状のオンチップフィルタを含む。
また、本発明の固体撮像素子は、全域画素において、カラー画素のオンチップフィルタに隣接して設けられ、オンチップフィルタの複数の材料とは屈折率が異なる材料が埋め込まれた、光導波路を含む。
上述の本発明の固体撮像素子の構成によれば、カラー画素において、屈折率の異なる複数の材料の層が積層されて成るオンチップフィルタを設けているので、このオンチップフィルタによって波長領域(例えば、赤外光領域)の光をカットすることができる。これにより、外部赤外カットフィルタ等の、外部のフィルタを設ける必要がなくなる。
そして、可視光領域及び赤外光領域を検出する全域画素を設けていることにより、入射光が低いレベルであっても、全域画素で受光・検出することが可能になる。また、全域画素とカラー画素とを合わせて、入射光が低いレベルであっても、カラー画像を得ることが可能になる。
また、本発明の固体撮像素子の構成によれば、オンチップフィルタが曲面形状であるため、オンチップフィルタにレンズ作用を生じさせて、オンチップフィルタにおいても入射した光を集束させることができる。これにより、隣接する画素への光の漏れ、即ち混色を抑制することができる。さらに、シェーディング特性を改善することもできる。
しかも、オンチップフィルタが曲面形状であるため、2つの境界面の間に光が捕捉されても、境界面で反射するうちに発散してしまう。これにより、カラー画素で受光・検出される光の波長スペクトルにおいて、余分なうねりの発生が著しく抑制され、問題とならないレベルにまで低減される。
また、本発明の固体撮像素子の構成によれば、全域画素において、カラー画素のオンチップフィルタに隣接して、オンチップフィルタの複数の材料とは屈折率が異なる材料が埋め込まれた光導波路を設けている。
これにより、全域画素に入射した光を光導波路によって導くことができ、さらに、全域画素に斜めに入射した光を、光導波路の側壁面で反射させて、基体の受光部に入射させることが可能になる。そして、全域画素から隣接する画素への光漏れを著しく低減することが可能になる。
本発明の固体撮像素子の製造方法は、可視光領域の特定の色の光を検出するカラー画素、並びに、可視光領域及び赤外光領域を検出する全域画素を含む画素を含む固体撮像素子を製造する。
そして、基体に各画素の受光部を形成する工程と、基体上に形成された、上面が曲面形状の層の上に、屈折率の異なる複数の材料の層が積層されて成るオンチップフィルタを形成する工程とを有する。
さらに、全域画素のオンチップフィルタを選択的に除去して、穴を形成する工程と、この穴を埋めて、オンチップフィルタの複数の材料とは屈折率が異なる材料を埋め込んで、全域画素に光導波路を形成する工程とを有する。
さらに、カラー画素にカラーフィルタを形成する工程とを有する。
上述の本発明の固体撮像素子の製造方法によれば、屈折率の異なる複数の材料の層が積層されて成るオンチップフィルタを形成し、全域画素のオンチップフィルタを選択的に除去するので、カラー画素にオンチップフィルタが残る。このオンチップフィルタによって波長領域(例えば、赤外光領域)の光をカットすることができる。これにより、外部赤外カットフィルタ等の、外部のフィルタを設ける必要がなくなる。
また、本発明の固体撮像素子の製造方法によれば、基体上に形成された、上面が曲面形状の層の上に、屈折率の異なる複数の材料の層が積層されて成るオンチップフィルタを形成するので、オンチップフィルタが曲面形状に形成される。これにより、前述したように、オンチップフィルタにレンズ作用を生じさせて、オンチップフィルタにおいても入射した光を集束させることができる。
また、本発明の固体撮像素子の製造方法によれば、全域画素において、オンチップフィルタを選択的に除去して、穴を形成し、この穴を埋めて、オンチップフィルタの複数の材料とは屈折率が異なる材料を埋め込んで、光導波路を形成している。これにより、前述したように、全域画素から隣接する画素への光漏れを著しく低減することが可能になる。
本発明のカメラは、前記本発明の固体撮像素子を備えたものである。
本発明のカメラによれば、前記本発明の固体撮像素子を備えたことにより、入射光が低いレベルであっても、全域画素で受光・検出することが可能になる。また、入射光が低いレベルであっても、カラー画像を得ることが可能になる。また、混色を抑制することができ、シェーディング特性を改善することもできる。
上述の本発明によれば、入射光が低いレベルであっても、全域画素で受光・検出することが可能になり、また、全域画素とカラー画素とを合わせて、入射光が低いレベルであっても、カラー画像を得ることが可能になる。
従って、低いレベルの光に対して高い応答を得ることができる。
また、本発明によれば、混色を抑制することができる。
さらに、カラー画素における波長スペクトルの余分なうねりの発生を抑制することができるため、真の色を正しく再現することができる。
これにより、画質の良好な画像が得られる。
従って、本発明により、低いレベルの光に対して高い応答を得る固体撮像素子及びカメラを実現することができる。
本発明の固体撮像素子の第1の実施の形態の概略構成図(断面図)を、図1に示す。
本実施の形態は、本発明をCMOS型固体撮像素子(CMOSイメージセンサ)に適用した場合を示している。
この固体撮像素子は、シリコン基板1内に、図示しないが、フォトダイオードから成る受光部が画素毎に形成されて成る。
シリコン基板1には、さらに、図示しないが、画素内のMOSトランジスタ(電荷の転送トランジスタ、増幅トランジスタ、画素の選択トランジスタ等)や周辺回路のMOSトランジスタが形成されている。
シリコン基板1の上方には、絶縁層2中に、配線層3が形成されている。
これらの配線層3は、画素のフォトダイオードや図示しないトランジスタと、周辺回路や外部とを接続する、金属配線である。そして、これらの配線層3の間を光が通過して、シリコン基板1中の受光部(フォトダイオード)に入射する。
なお、絶縁層2は、1つの層として示しているが、材料や形成方法が異なる複数の絶縁層から成る場合もある。
最上部には、入射光を集束させるためのオンチップレンズ8が形成されている。
各画素のシリコン基板1とオンチップレンズ8との中間の高さに、層内レンズ4が設けられている。この層内レンズ4は、下面が平面であり、上面が上に凸な曲面となっている。また、各画素の周辺部及び画素間の部分では、平坦な形状となっている。
この層内レンズ4を設けたことにより、オンチップレンズ8で集束された光を、さらに集束させて、各画素のシリコン基板1の受光部に導くことができる。
図1は、2画素分の断面図を示しており、左の画素が可視光領域の特定の色を検出するためのカラー画素(R,G,B画素)であり、右の画素が可視光領域全体と赤外光領域とを受光検出する全域画素(A画素)である。
カラー画素(R,G,B画素)では、オンチップレンズ8の下に、その画素の所定の色のカラーフィルタ6が設けられている。
全域画素(A画素)では、オンチップレンズ8の下は、透明な絶縁層7であり、カラーフィルタ6は設けられていない。
カラー画素(R,G,B画素)と全域画素(A画素)とを有することにより、入射光が低いレベルであっても、両者の検出結果を合わせて、カラー画像を得ることが可能になる。
本実施の形態の固体撮像素子においては、特に、3色R,G,Bのカラー画素の層内レンズ4とカラーフィルタ6との間に、多層膜から成るオンチップフィルタ10を設けている。
そして、このオンチップフィルタ10は、互いに屈折率の異なる2種類の膜10A及び10Bが交互に積層されて成る。これら2種類の膜10A,10Bは、赤外光をカットしてシリコン基板1の受光部に赤外光を入射させないように、材料(屈折率)や厚さを選定する。
また、このオンチップフィルタ10を構成する2種類の膜10A,10Bは、層内レンズ4の上面(凸面)の曲面形状を反映して、上に凸の曲面形状となっている。
さらに、このオンチップフィルタ10は、画素の中央部を含む大部分では上に凸の曲面形状であり、画素の周辺部ではほぼ平坦になっている。
層内レンズ4とオンチップフィルタ10との間には、透明な埋め込み層5が設けられている。
オンチップフィルタ10の2種類の膜10A,10Bの材料としては、炭化シリコン、窒化シリコン、酸化シリコン、二酸化シリコン、ハフニウム酸化物、チタン酸化物、カルシウムフッ化物、マグネシウムフッ化物、ジルコン酸化物、ニオブ酸化物、アルミニウム酸化物、亜鉛酸化物、錫酸化物、インジウム錫酸化物から選ばれる、屈折率の異なる2つの材料の組み合わせとすることが可能である。
また、これらの膜10A,10Bの厚さは、カットする必要がある光の波長に対応して選定する。例えば、赤外光領域の光をカットするように、オンチップフィルタ10の2種類の膜10A,10Bの厚さを選定する。
オンチップフィルタ10を設けたことにより、外部赤外カットフィルタのような、外部フィルタを設ける必要がなくなる。この点は、図9Bに示した構成と同様である。
外部フィルタを省略することにより、固体撮像素子を備えたデバイス(例えば、カメラ装置やカメラ機能を有する携帯電話等のカメラ)において、小型化や軽量化を図ることが可能になる。
さらに、本実施の形態の固体撮像素子においては、カラー画素(R,G,B画素)に隣接する全域画素(A画素)において、カラー画素のオンチップフィルタ10と同じ高さ位置に、入射光を導く光導波路11が形成されている。
この光導波路11は、透明な埋め込み層5の上のオンチップフィルタ10の多層膜の部分を除去した穴の内部に、周囲のオンチップフィルタ10とは屈折率が異なる材料から成る埋め込み層12を埋め込んで成る。なお、この埋め込み層12は、光導波路11の穴を埋めてその上方に全面的に形成されており、カラー画素ではオンチップフィルタ10とカラーフィルタ6との間に埋め込まれている。
そして、光導波路11の側壁面は、光導波路11の下方が狭くなるような斜面となっている。
これにより、図中矢印で示すように、全域画素(A画素)に斜めに入射した光を、光導波路11の側壁面で反射させて、シリコン基板1の受光部に入射させることが可能になる。
従って、全域画素(A画素)で受光する光量を増やして、全域画素(A画素)の感度を向上することができる。
また、全域画素(A画素)では、オンチップフィルタ10の多層膜を除去しているので、可視光だけでなく、赤外光をも受光検出することが可能になる。
光導波路11を構成する埋め込み層12には、全域画素で検出する光を透過させると共に、埋め込む空間の壁部を形成している材料(オンチップフィルタ10の2種類の膜10A,10B)と屈折率が異なる材料を選定する。
埋め込み層12の材料としては、炭化シリコン、炭化シリコン、窒化シリコン、酸化シリコン、二酸化シリコン、ハフニウム酸化物、チタン酸化物、カルシウムフッ化物、マグネシウムフッ化物、ジルコン酸化物、ニオブ酸化物、アルミニウム酸化物、亜鉛酸化物、錫酸化物、インジウム錫酸化物等の無機材料を使用することが可能である。さらに、有機ポリマー材料の内部に高い屈折率の材料を分散させたポリマーバインダを使用することも可能である。
図1に示す本実施の形態の固体撮像素子は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、シリコン基板1、絶縁層2、配線層3、オンチップレンズ4の各層を、図9Aに示したオンチップフィルタを導入していない従来の構成と同様に形成する。
次に、オンチップレンズ4の上に、透明な埋め込み層5を形成する。このとき、透明な埋め込み層5の上面に、オンチップレンズ4の上面の曲面形状が反映されるように、埋め込み層5の厚さを選定する。
続いて、埋め込み層5の上に、オンチップフィルタ10の多層膜を形成する。即ち、2つの膜10A,10Bを交互に積層する。
その後、フォトリソグラフィ法により、カラー画素(R,G,B画素)を含む全域画素(A画素)以外の部分をマスクで覆って、全域画素(A画素)のオンチップフィルタ10を選択的にエッチングする。このエッチングは、標準的なドライエッチング技術又はウエットエッチング技術により、容易に行うことができる。このとき、エッチングの条件を選定することによって、全域画素(A画素)のオンチップフィルタ10を除去して形成される穴の側壁面を所望の傾斜角の斜面に形成することが可能である。
次に、全域画素(A画素)のオンチップフィルタ10を除去して形成された穴を埋めて、全面的に、周囲のオンチップフィルタ10とは屈折率が異なる適切な材料による埋め込み層12を形成する。
次に、この埋め込み層12の表面を平坦化する。その後、その平坦面上に、カラー画素(R,G,B画素)において、対応する色のカラーフィルタ6を形成する。また、全域画素(A画素)においては、カラーフィルタ6の代わりに、透明な絶縁層7を形成する。
次に、各画素に、オンチップレンズ8を形成する。
このようにして、図1に示した固体撮像素子を製造することができる。
上述の本実施の形態の固体撮像素子の構成によれば、多層膜10A,10Bから成り、赤外光をカットするオンチップフィルタ10が、中央部は上に凸の曲面形状であり、オンチップフィルタ10の周辺部は、ほぼ平坦になっている。
これにより、デバイス特性を向上する、以下の2つの効果を生じる。
第1の効果は、中央部の上に凸の曲面形状によってレンズ作用が生じるので、オンチップレンズ8、層内レンズ4に加えて、第3のレンズとして作用して、画素に入射する光をさらに集束させることである。これにより、オンチップフィルタ10を導入することによって、高さが増大しアスペクト比が大きくなっても、シリコン基板1の受光部に光を集束させることができる。
従って、図9Bに示した、平坦なオンチップフィルタ59を導入した構成と比較して、入射光をより集束させることができるため、隣接する画素への光の漏れ、即ち混色を抑制することができる。
第2の効果は、オンチップフィルタ10の多層膜が曲面形状であるため、図9Bに矢印で示したような、捕捉された光の循環が生じないことである。仮に2つの境界面の間に光が捕捉されても、少なくともオンチップフィルタ10側の境界面が曲面であるため、境界面で反射するうちに、発散してしまう。
これにより、カラー画素で受光・検出される光の波長スペクトルにおいて、余分なうねりの発生が著しく抑制され、問題とならないレベルにまで低減される。
従って、色を再現する際に真の色を正しく再現することができる。
また、波長スペクトルの余分なうねりが問題ないレベルにまで低減されるので、製造時の層の厚さのばらつきによる波長スペクトルへの影響をほとんどなくすことができる。これにより、製造歩留まりを向上し、安定して製造を行うことができる。
そして、混色を抑制すると共に、真の色を正しく再現することから、画質の良好な画像が得られる。
また、本実施の形態の固体撮像素子の構成によれば、全域画素(A画素)において、周囲の層よりも屈折率の高い材料の層12を埋め込んで成る光導波路11が形成されている。
さらに、この光導波路11の側壁面が、光導波路11の下方が狭くなるような斜面となっている。
これにより、全域画素(A画素)に斜めに入射した光を、光導波路11の側壁面で反射させて、シリコン基板1の受光部に入射させることが可能になる。そして、オンチップフィルタ10を導入することによって、高さが増大しアスペクト比が大きくなっても、シリコン基板1の受光部に光を集束させることができる。
従って、全域画素(A画素)で受光する光量を増やして、全域画素(A画素)の感度を向上することができる。
上述した、カラー画素(R,G,B画素)に形成された曲面形状のオンチップフィルタ10と、全域画素(A画素)に形成された側壁面を有する光導波路11とによって、オンチップフィルタ10の導入による高さの増大の問題を解決することが可能になる。
即ち、オンチップフィルタ10の導入によって高さが増大しているにもかかわらず、混色のレベルを少なくとも従来のオンチップフィルタのないデバイスと同じ程度に保つことを可能にする。
また、本実施の形態の固体撮像素子の構成によれば、上面が曲面形状の層内レンズ4の上に、埋め込み層5を介して、オンチップフィルタ10を形成しているため、層内レンズ4の上面の曲面形状をオンチップフィルタ10に反映させて、オンチップフィルタ10を容易に曲面形状とすることができる。
さらに、本実施の形態の固体撮像素子の構成によれば、上述したように、各画素において、オンチップフィルタ10や光導波路11の側壁面の作用によって、光を集束させて、シリコン基板1の受光部に入射させることができるので、混色を抑制すると共に、所謂シェーディング特性を改善することができる。
シェーディングは、応答の強度が、外部レンズが入射光を集束させるセンサ中心で最大であり、センサ角部で最少である、という特質である。
そのため、センサ中心から画素が離れるにつれて光の入射角度がより鋭角となり、補正されていない画像ではセンサ角部や端部の画像がセンサ中心部に比較して暗くなる。
もちろん、センサの中心部と角部との間の応答の違いが比較的小さい場合には、補正を行うことが可能であるが、応答の違いが大きくなると、明るさの違いが大きくなり補正を行うことが困難になる。
ここで、図1に示した上述の本発明の実施の形態の構成と、図9Bに示した従来のオンチップフィルタを導入した構成とで、それぞれシェーディングの発生状況を測定した。
測定結果を、図2に示す。図2において、横軸は、イメージセンサ(固体撮像素子)の矩形のセンサの対角線上の位置を表しており、中央がセンサの中心で、左右端がセンサの角部である。縦軸は、画素の応答(出力)を示しており、センサ中心で100となるように規格化されている。「本発明のフィルタ」は図1に示した本発明の実施の形態の構成の測定結果を示し、「従来のフィルタ」は図9Bに示した従来のオンチップフィルタを導入した構成の測定結果を示している。
図2より、従来のフィルタ(平坦面の積層膜のオンチップフィルタ59)では、センサ角部で応答が劇的に落ちているのがわかる。このレベルまで応答が落ちると、補正を実行することが難しくなる。
これに対して、本発明のフィルタ(図1の曲面形状のオンチップフィルタ10)では、シェーディングのレベルが従来のフィルタの1/3程度に低減されていて、シェーディングが、より容易に補正することが可能な程度内にまで低減されている。
さらにまた、上述の本実施の形態の固体撮像素子は、オンチップフィルタ10が画素の周辺部ではほぼ平坦になっていて、曲面形状の部分と連続していることにより、積層膜の間に捕捉された光が、迷光として画素の受光部に向わないようにすることができる、という利点を有している。
ここで、本実施の形態に対する比較対照として、オンチップフィルタを曲面形状の部分だけとした構成を、図3に示す。
図3に示す構成は、屈折率の異なる2種類の膜20A,20Bの積層膜からなるオンチップフィルタ20が、球面形状に形成されている。21はオンチップフィルタ20を通っていない光の通過を防ぐための遮光膜である。
実線で示す通常の光は、球面形状のオンチップフィルタ20のレンズ作用で集束されて、図示しない受光部を有するシリコン基板に入射する。ところが、積層膜20A,20Bの一方の膜、例えば第2の膜20Bに捕捉される光があり、このような光は、球面形状の第2の膜20Bに沿って移動し、図中一点鎖線で示すように、第2の膜20Bを出て散乱し、下方のシリコン基板1へ向かう。このような光(迷光)が受光部に入ると、通常の光に対してノイズになり、また隣の画素の受光部に入ると混色の原因ともなる。
一方、本実施の形態の構成の場合を、図4に示す。
図4に示すように、オンチップフィルタ10の積層膜10A,10Bの第2の膜10Bに捕捉された光は、横方向に移動していき、受光部のあるシリコン基板1には向わない。
なお、全域画素(A画素)にはオンチップフィルタ10がなく、埋め込み層12になっているが、この図4に示す横方向に移動した光が埋め込み層12に出ても、屈折や散乱してシリコン基板1に向う量はごくわずかである。
従って、本実施の形態の固体撮像素子では、オンチップフィルタ10が画素の周辺部ではほぼ平坦になっていて、曲面形状の部分と連続していることにより、積層膜10A,10Bの間に捕捉された光が、画素の受光部に向わないようにすることが可能になる。
続いて、本発明の固体撮像素子のその他の実施の形態を、以下にいくつか示す。
次に、本発明の固体撮像素子の第2の実施の形態の概略断面図を、図5に示す。
本実施の形態は、図1に示した先の実施の形態の構成と比較して、層内レンズ4とオンチップフィルタ10との上下関係を逆にして、層内レンズ4よりも下方にオンチップフィルタ10を設けた構成である。
オンチップフィルタ10(10A,10B)は、上面が曲面形状とされた絶縁層2の上に形成されている。
光導波路11を構成する埋め込み層12と、層内レンズ4との間には、屈折率を調整して、層内レンズ4と埋め込み層12とを光学的に結合させる、屈折率調整層13が設けられている。
また、層内レンズ4の上方のカラーフィルタ6の下には、層内レンズ4とカラーフィルタ6とを連絡させる相互連絡層14が設けられている。
その他の構成は、図1に示した先の実施の形態と同じであるので、重複説明を省略する。
この第2の実施の形態の場合、オンチップフィルタ10の曲面形状を形成するために、絶縁層2の上面を曲面形状とする必要があり、製造の際に、絶縁層2の上面を曲面形状とする工程を行うことになる。そのため、第1の実施の形態と比較すると、工程数が増えてやや手間がかかる。
本実施の形態の固体撮像素子の構成によれば、先の実施の形態と同様に、以下に挙げる効果が得られる。
即ち、混色を抑制することができる。そして、オンチップフィルタ10の導入によって高さが増大しているにもかかわらず、混色のレベルを少なくとも従来のオンチップフィルタのないデバイスと同じ程度に保つことを可能にする。
また、色を再現する際に真の色を正しく再現して、画質の良好な画像を得ることが可能になる。そして、製造時の層の厚さのばらつきによる波長スペクトルへの影響をほとんどなくして、製造歩留まりを向上し、安定して製造を行うことができる。
また、シェーディング特性を改善することができる。
また、オンチップフィルタ10の積層膜10A,10Bの間に捕捉された光が、画素の受光部に向わないようにすることが可能になる。
次に、本発明の固体撮像素子の第3の実施の形態の概略断面図を、図6に示す。
本実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態の構成と比較して、層内レンズ4がない構成である。
層内レンズ4がない分、全体の高さが低くなっている。
その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態と同じであるので、重複説明を省略する。
この第3の実施の形態の場合も、オンチップフィルタ10の曲面形状を形成するために、絶縁層2の上面を曲面形状とする必要があり、製造の際に、絶縁層2の上面を曲面形状とする工程を行うことになる。
本実施の形態の固体撮像素子の構成によれば、先の実施の形態と同様に、以下に挙げる効果が得られる。
即ち、混色を抑制することができる。そして、オンチップフィルタ10の導入によって高さが増大しているにもかかわらず、混色のレベルを少なくとも従来のオンチップフィルタのないデバイスと同じ程度に保つことを可能にする。
また、色を再現する際に真の色を正しく再現して、画質の良好な画像を得ることが可能になる。そして、製造時の層の厚さのばらつきによる波長スペクトルへの影響をほとんどなくして、製造歩留まりを向上し、安定して製造を行うことができる。
また、シェーディング特性を改善することができる。
また、オンチップフィルタ10の積層膜10A,10Bの間に捕捉された光が、画素の受光部に向わないようにすることが可能になる。
次に、本発明の固体撮像素子の第4の実施の形態の概略断面図を、図7に示す。
本実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態の構成に加えて、さらに、光導波路11の側壁面及び底面に、屈折率の高い材料から成る高屈折率層15を設けた構成である。
高屈折率層15は、光導波路11の内部や透明な埋め込み層5等、周囲の層の材料よりも屈折率の高い材料によって形成する。
この高屈折率層15は、光導波路11の穴を形成した後に、穴の表面(側壁面及び底面)に屈折率の高い材料を塗布することにより、形成することができる。
その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態と同じであるので、重複説明を省略する。
本実施の形態の固体撮像素子の構成によれば、先の実施の形態と同様に、以下に挙げる効果が得られる。
即ち、混色を抑制することができる。そして、オンチップフィルタ10の導入によって高さが増大しているにもかかわらず、混色のレベルを少なくとも従来のオンチップフィルタのないデバイスと同じ程度に保つことを可能にする。
また、色を再現する際に真の色を正しく再現して、画質の良好な画像を得ることが可能になる。そして、製造時の層の厚さのばらつきによる波長スペクトルへの影響をほとんどなくして、製造歩留まりを向上し、安定して製造を行うことができる。
また、シェーディング特性を改善することができる。
また、オンチップフィルタ10の積層膜10A,10Bの間に捕捉された光が、画素の受光部に向わないようにすることが可能になる。
さらに、本実施の形態の固体撮像素子の構成によれば、特に、光導波路11の側壁面及び底面に高屈折率層15を形成している。
これにより、光導波路11の側壁面に入射した光を、高屈折率層15とオンチップフィルタ10の積層膜10A,10Bとの境界面で反射させることができる。
従って、図1に示した第1の実施の形態の構成よりも、さらに、光導波路11の側壁面で反射する光量を増やして、シリコン基板1の受光部に向う光の量を増大させることが可能になる。
次に、本発明の固体撮像素子の第5の実施の形態の概略断面図を、図8に示す。
本実施の形態は、図5に示した第2の実施の形態の構成と比較して、オンチップフィルタ10(10A,10B)及び光導波路11の形状を、図5の上に凸な曲面形状から、いずれも下に凸な曲面形状に変えた構成である。
なお、図5に示した第2の実施の形態では、光導波路11の側壁面が直線状に傾斜していたが、本実施の形態では、光導波路11の側壁面が傾斜した曲面に形成されている。このような傾斜した曲面の側壁面は、例えば、ウエットエッチング技術によって、形成することが可能である。
その他の構成は、図5に示した第2の実施の形態と同じであるので、重複説明を省略する。
この第5の実施の形態の場合、オンチップフィルタ10の曲面形状を形成するために、絶縁層2の上面を凹曲面形状とする必要があり、製造の際に、絶縁層2の上面を曲面形状とする工程を行うことになる。
本実施の形態の固体撮像素子の構成によれば、先の実施の形態と同様に、以下に挙げる効果が得られる。
即ち、混色を抑制することができる。そして、オンチップフィルタ10の導入によって高さが増大しているにもかかわらず、混色のレベルを少なくとも従来のオンチップフィルタのないデバイスと同じ程度に保つことを可能にする。
また、色を再現する際に真の色を正しく再現して、画質の良好な画像を得ることが可能になる。そして、製造時の層の厚さのばらつきによる波長スペクトルへの影響をほとんどなくして、製造歩留まりを向上し、安定して製造を行うことができる。
また、シェーディング特性を改善することができる。
また、オンチップフィルタ10の積層膜10A,10Bの間に捕捉された光が、画素の受光部に向わないようにすることが可能になる。
上述の各実施の形態では、本発明をCMOS型固体撮像素子(CMOSイメージセンサ)に適用した場合であったが、本発明は、その他の構成の固体撮像素子にも適用することが可能である。例えば、CCD固体撮像素子(CCDイメージセンサ)にも、同様に、本発明を適用することができる。
上述の各実施の形態では、フォトダイオードから成る受光部がシリコン基板1に形成されている構成としていたが、本発明において、受光部が形成されている基体は、シリコン基板1に限定されるものではない。例えば、シリコン以外の半導体から成る半導体基体や、半導体基板上に半導体エピタキシャル層が形成された半導体基体等にも、本発明を適用することが可能である。
上述の各実施の形態では、いずれも、光を配線層3と同じ側からシリコン基板1の受光部に入射させる、所謂表面照射型構造であった。
これに対して、配線層を基板に対してオンチップレンズ及びオンチップフィルタとは反対の側に形成して、配線層とは反対の側から基板に光を入射させる、所謂裏面照射型構造を有する固体撮像素子にも、同様に本発明を適用することが可能である。
上述の各実施の形態では、光導波路11の側壁面は、光導波路11の下方が狭くなるような斜面となっていた。
本発明では、そのような構成に限定されるものではなく、光導波路の側壁面を基体の主面にほぼ垂直に形成した構成も含むものである。このような構成でも、光導波路の側壁面に入射した光を反射させることができる。
なお、光導波路の側壁面の傾斜の具合は、光導波路となる穴を形成する工程(エッチング工程等)の条件や、形成する穴の深さ等による。一般的に採用されているエッチングの条件では、少し傾斜した斜面となるのが普通である。
また、本発明において、オンチップフィルタを設ける位置は、上述した各実施の形態の位置に限定されるものではなく、例えば、オンチップレンズのさらに上にオンチップフィルタを設けることも可能である。
本発明の固体撮像素子を備えて、本発明のカメラを構成することができる。本発明のカメラを適用できるカメラとしては、カメラ装置やカメラ機能を有する携帯電話等が挙げられる。
本発明のカメラの一実施の形態として、カメラの構造を、図10に示す。
本実施形態に係るカメラは、動画撮影可能なビデオカメラである。
本実施形態に係るカメラは、半導体撮像装置100と、光学系110と、シャッタ装置111と、駆動回路112と、信号処理回路113とを有する。
光学系110は、被写体からの像光(入射光)を、半導体撮像装置100の撮像面上に結像させる。これにより、半導体撮像装置100内に一定期間当該像光による信号電荷が蓄積される。
シャッタ装置111は、半導体撮像装置100への光照射期間及び遮光期間を制御する。
駆動回路112は、半導体撮像装置100の転送動作及びシャッタ装置111のシャッタ動作を制御する駆動信号を供給する。駆動回路112から供給される駆動信号(タイミング信号)により、半導体撮像装置100の電圧検出又は電荷転送を行う。信号処理回路113は、各種の信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリ等の記憶媒体に記憶される、或いは、モニタに出力される。
そして、図10のカメラにおいては、本発明の固体撮像素子を用いて半導体撮像装置100を構成する。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
本発明の固体撮像素子の第1の実施の形態の概略構成図(断面図)である。 図1の固体撮像素子と図9Bの固体撮像素子の、シェーディングの発生状況の測定結果を示す図である。 オンチップフィルタを曲面形状の部分だけとした構成に生ずる光を示す図である。 図1の固体撮像素子において生ずる光を示す図である。 本発明の固体撮像素子の第2の実施の形態の概略構成図(断面図)である。 本発明の固体撮像素子の第3の実施の形態の概略構成図(断面図)である。 本発明の固体撮像素子の第4の実施の形態の概略構成図(断面図)である。 本発明の固体撮像素子の第5の実施の形態の概略構成図(断面図)である。 A オンチップフィルタを導入していない固体撮像素子の概略断面図である。 B 内部にオンチップフィルタを導入した固体撮像素子の概略断面図である。 本発明のカメラの一実施の形態のカメラの構造を示す図である。
符号の説明
1 シリコン基板、2 絶縁層、3 配線層、4 層内レンズ、5 埋め込み層、6 カラーフィルタ、8 オンチップレンズ、10 オンチップフィルタ、11 光導波路、12 埋め込み層、13 屈折率調整層、15 高屈折率層、100 半導体撮像装置、110 光学系、111 シャッタ装置、112 駆動回路、113 信号処理回路

Claims (7)

  1. 可視光領域の特定の色の光を検出するカラー画素、並びに、可視光領域及び赤外光領域を検出する全域画素を含む画素と、
    前記画素毎に形成された受光部を有する基体と、
    前記カラー画素において、前記基体の上方に設けられ、屈折率の異なる複数の材料の層が積層されて成り、曲面形状のオンチップフィルタと、
    前記全域画素において、前記カラー画素の前記オンチップフィルタに隣接して設けられ、前記オンチップフィルタの前記複数の材料とは屈折率が異なる材料が埋め込まれた、光導波路とを含む
    固体撮像素子。
  2. 前記オンチップフィルタは、前記画素の周辺部においては、平坦に形成されている
    請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 前記基体と前記オンチップレンズとの間において、さらに、上面が曲面形状である層内レンズを有し、
    前記オンチップフィルタの曲面形状が、前記層内レンズの上方に設けられており、前記層内レンズの前記上面の曲面形状を反映している
    請求項1に記載の固体撮像素子。
  4. 前記基体と前記オンチップレンズとの間において、さらに、層内レンズを有し、
    前記オンチップフィルタは、前記層内レンズの下方に設けられている
    請求項1に記載の固体撮像素子。
  5. 前記光導波路の側壁面に屈折率の高い材料の層が形成されている
    請求項1に記載の固体撮像素子。
  6. 可視光領域の特定の色の光を検出するカラー画素、並びに、可視光領域及び赤外光領域を検出する全域画素を含む画素を含む固体撮像素子を製造する方法であって、
    基体に各前記画素の受光部を形成する工程と、
    前記基体上に形成された、上面が曲面形状の層の上に、屈折率の異なる複数の材料の層が積層されて成るオンチップフィルタを形成する工程と、
    前記全域画素の前記オンチップフィルタを選択的に除去して、穴を形成する工程と、
    前記穴を埋めて、前記オンチップフィルタの前記複数の材料とは屈折率が異なる材料を埋め込んで、前記全域画素に光導波路を形成する工程と、
    前記カラー画素に、カラーフィルタを形成する工程とを有する
    固体撮像素子の製造方法。
  7. 可視光領域の特定の色の光を検出するカラー画素、並びに、可視光領域及び赤外光領域を検出する全域画素を含む画素と、
    前記画素毎に形成された受光部を有する基体と、
    前記カラー画素において、前記基体の上方に設けられ、屈折率の異なる複数の材料の層が積層されて成り、曲面形状のオンチップフィルタと、
    前記全域画素において、前記カラー画素の前記オンチップフィルタに隣接して設けられ、前記オンチップフィルタの前記複数の材料とは屈折率が異なる材料が埋め込まれた、光導波路とを含む固体撮像素子を備えた
    カメラ。
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