JP2009266644A - 非水系電解液及びそれを備えたリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Mamoru Mizutani
守 水谷
Yoji Takeuchi
要二 竹内
Yoshio Ukyo
良雄 右京
Shozo Kaneko
勝三 金子
Shigeo Iida
茂雄 飯田
Kanzo Torii
寛三 鳥居
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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池の充放電サイクル特性を向上すると共に初期抵抗を低減する。
【解決手段】本発明のリチウムイオン二次電池は、放電時にリチウムイオンを吸蔵し充電時にリチウムイオンを放出する正極活物質を有する正極と、放電時にリチウムイオンを放出し充電時にリチウムイオンを吸蔵する負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在する非水系電解液と、を備えたものである。非水系電解液は、電解質塩として2種以上のリチウム塩を含み、そのうちの1種であるα−又はβ−ヒドロキシ酸を配位子とするホウ素錯体のリチウム塩が0.01mol/L以上1.0mol/Lとなるように溶解している。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水系電解液及びそれを備えたリチウムイオン二次電池に関する。
従来、リチウムイオン二次電池に用いられる非水系電解液としては、有機化合物のホウ素錯体のリチウム塩を電解液に添加することにより、充放電サイクル後の容量維持率が向上するものが提案されている。例えば、特許文献1には、こうした非水系電解液として、エチレンカーボネート50体積%とジエチルカーボネート50体積%とを混合した溶媒に、ジフルオロ[オギザレート−O,O’]ホウ酸リチウムを溶媒に対して1.0mol/kgの含有量で溶解させたものや、更に不飽和化合物の炭酸エステルとしてビニレンカーボネート又はビニルエチレンカーボネートを添加したものが開示されている。
特開2005−5115
しかしながら、特許文献1のホウ素錯体(ジフルオロ[オギザレート−O,O’]ホウ酸リチウム)を溶解させた非水系電解液を用いたリチウムイオン二次電池では、ホウ素錯体を溶解させていない非水系電解液を用いた場合に比べて、充放電サイクル特性は向上するものの、初期抵抗が増大するという問題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、充放電サイクル特性を向上すると共に初期抵抗を低減可能な非水系電解液及びそれを備えたリチウムイオン二次電池を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、リチウムイオン二次電池に用いられる非水系電解液に、乳酸を配位子とするホウ素錯体のリチウム塩を溶解させたところ、充放電サイクル特性が向上するばかりでなく、初期抵抗も低減することを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の非水系電解液は、リチウムイオン二次電池に用いられる非水系電解液であって、電解質塩として2種以上のリチウム塩を含み、そのうちの1種であるα−又はβ−ヒドロキシ酸を配位子とするホウ素錯体のリチウム塩が0.01mol/L以上1.0mol/Lとなるように溶解しているものである。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、放電時にリチウムイオンを吸蔵し充電時にリチウムイオンを放出する正極活物質を有する正極と、放電時にリチウムイオンを放出し充電時にリチウムイオンを吸蔵する負極活物質を有する負極と、前記正極と前記負極との間に介在する上述した本発明の非水系電解液と、を備えたものである。
本発明の非水系電解液及びそれを備えたリチウムイオン二次電池では、充放電の繰り返しにおけるサイクル特性を向上することができるばかりでなく、初期抵抗を低減することもできる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推測される。この種のホウ素錯体のリチウム塩は、初回の充電時に、負極活物質表面に皮膜を形成することによって反応抵抗を低減させ、電池出力を向上させるとともに、充放電サイクルに伴う負極活物質表面でのリチウムイオンの失活を抑制し、電池容量の低下を抑制することができるものと推測される。また、ホウ素にα−又はβ−ヒドロキシ酸が配位しているため、負極活物質表面に形成される皮膜と負極活物質表面との結合をより安定なものにし、充放電サイクルによる電池容量の低下をより抑制することができるものと推測される。
本発明の非水系電解液は、リチウムイオン二次電池に用いられる非水系電解液であって、電解質塩として2種以上のリチウム塩を含み、そのうちの1種であるα−又はβ−ヒドロキシ酸を配位子とするホウ素錯体のリチウム塩が0.01mol/L以上1.0mol/Lとなるように溶解しているものである。
本発明の非水系電解液において、2種以上のリチウム塩のうちの1種は、α−又はβ−ヒドロキシ酸を配位子とするホウ素錯体のリチウム塩である。ヒドロキシ酸とは、オキシ酸やヒドロキシカルボン酸、オキシカルボン酸、アルコール酸とも呼ばれる化合物であり、1分子中にカルボキシ基とアルコール性ヒドロキシ基とを持つ有機化合物の総称である。そして、カルボキシ基が結合している炭素を基準炭素としたときに、ヒドロキシ基がこの基準炭素に結合しているものをα−ヒドロキシ酸といい、ヒドロキシ基がこの基準炭素の隣の炭素に結合しているものをβ−ヒドロキシ酸という。α−ヒドロキシ酸としては、例えば、乳酸やグリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、マンデル酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸などが挙げられる。また、β−ヒドロキシ酸としては、例えば、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、サリチル酸、2,3−クレオソート酸、2,4−クレオソート酸、2,5−クレオソート酸などが挙げられる。ヒドロキシ酸としては、分子量が小さい方が好ましく、例えば、乳酸やグリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸が好ましい。
本発明の非水系電解液において、ホウ素錯体のリチウム塩は下記式(1)で示されるリチウム塩としてもよい。式(1)中、Rは、アルキル置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基又はフェニレン基であり、例えば、メチレン基(−CH2−)、メチルメチレン基(−CH(CH3)−)、エチルメチレン基(−CH(C25)−)、エチレン基(−CH2CH2−)、メチルエチレン基(−CH(CH3)CH2−)、エチルエチレン基(−CH(C25)CH2−)、1,2−フェニレン基などが挙げられる。
このようなホウ素錯体のリチウム塩は、0.01mol/L以上1.0mol/L以下、好ましくは0.03mol/L以上0.5mol/L以下となるように溶解している。この含有量が、0.01mol/L以上であれば、充放電を繰り返した際の電池容量の低下を十分抑制することができ、1.0mol/L以下では、電極に生成する皮膜による抵抗の増加を抑制することができる。この含有量が0.03mol/L以上0.5mol/L以下では、こうした効果がより顕著に得られる。
ホウ素錯体のリチウム塩以外のリチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiSbF6、LiSiF6、LiAlF4、LiSCN、LiClO4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlCl4などが挙げられる。このうち、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6などの無機塩、及びLiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23などの有機塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上の塩を組み合わせて用いることが電気特性の点から見て好ましい。
本発明の非水系電解液において、全電解質塩の配合量は、非水系電解液中の濃度が0.1mol/L以上3.0mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2.0mol/L以下であることがより好ましい。すべての電解質塩の濃度が0.1mol/L以上では、十分な電流密度を得ることができ、3.0mol/L以下では、電解液をより安定させることができる。
本発明の非水系電解液は、2種以上のリチウム塩を有機溶媒に溶解したものである。有機溶媒としては、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、スルホラン類及びジオキソラン類などを用いることができる。具体的には、カーボネート類としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル−n−ブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジ−i−プロピルカーボネート、t−ブチル−i−プロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート類が挙げられる。ラクトン類としては、γ−ブチルラクトン、γ−バレロラクトンなど、エーテル類としては、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタンなど、スルホラン類としては、スルホラン、テトラメチルスルホランなど、ジオキソラン類としては、1,3−ジオキソランなどが挙げられる。このうち、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組み合わせが好ましい。この組み合わせによると、充放電の繰り返しでの電池特性を表すサイクル特性に優れているばかりでなく、電解液の粘度、得られる電池の電気容量、電池出力などをバランスのとれたものとすることができる。なお、環状カーボネート類は、比誘電率が比較的高く、電解液の誘電率を高めていると考えられ、鎖状カーボネート類は、電解液の粘度を抑えていると考えられる。
本発明の非水系電解液は、二重結合を有するカーボネート類やシロキサン類などの電池特性を向上させるための添加剤を含んでいてもよい。この添加剤は、具体的には、二重結合を有するカーボネート類として、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートなどを、シロキサン類として、ジビニルテトラメチルジシロキサン、ジビニルテトラエチルジシロキサンなどを用いることができる。これらの添加剤の含有量は、全有機溶媒と全電解質塩との混合溶液を100重量部として、0.1重量部以上20重量部以下が好ましく、0.2重量部以上10重量部以下がより好ましい。これら添加剤の含有量が0.1重量部以上では、添加効果が十分に認められ、20重量部以下では、電解液の抵抗上昇などを抑制することができる。さらに、リン系、ハロゲン系などの難燃剤を添加してもよい。この難燃剤は、具体的には、リン系として、トリメチルホスフェートやトリエチルホスフェートなどのリン酸エステル類、ポリリン酸メラミン塩やポリリン酸アンモニウム塩、ポリリン酸エチレンジアミン塩、ポリリン酸ヘキサメチレンジアミン塩、ポリリン酸ピペラジン塩などのポリリン酸塩類などを用いることができる。この難燃剤の含有量は、非水系電解液を構成する全有機溶媒100重量部に対して5重量部以上100重量部以下が好ましく、10重量部以上50重量部以下がより好ましい。難燃剤の含有量が5重量部以上では、十分な難燃効果が得られ、100重量部以下では、電解液の抵抗上昇などをより抑制することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、放電時にリチウムイオンを吸蔵し充電時にリチウムイオンを放出する正極活物質を有する正極と、放電時にリチウムイオンを放出し充電時にリチウムイオンを吸蔵する負極活物質を有する負極と、前記正極と前記負極との間に介在する上述した本発明の非水系電解液と、を備えたものである。
本発明のリチウムイオン二次電池の正極は、例えば正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。正極活物質としては、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物や、リチウムと遷移金属とを含むリン酸化物などを用いることができる。具体的には、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、LixMnO2(0.5≦x≦1.5など、以下同じ)、LixMn24などのリチウムマンガン複合酸化物、LixCoO2などのリチウムコバルト複合酸化物、LixNiO2などのリチウムニッケル複合酸化物、LiV23などのリチウムバナジウム複合酸化物、LiFePO4などのリチウム鉄複合リン酸化物、V25などの遷移金属酸化物などを用いることができる。これらのうち、リチウムの遷移金属複合酸化物と、リチウムの遷移金属リン酸化物が好ましい。導電材は、正極の電気伝導性を確保するためのものであり、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、ニードルコークスなどの無定形炭素などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等を用いることができる。正極活物質、導電材、結着材を分散させる溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼などの箔を用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の負極は、例えば負極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵、放出できる炭素質材料を用いることができる。この炭素質材料は、特に限定されるものではないが、黒鉛、石油系コークス、石炭系コークス、石油系ピッチの炭化物、石炭系ピッチの炭化物、フェノール樹脂・結晶セルロースなどの樹脂の炭化物、及びこれらを一部炭化した炭素材、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維などが挙げられる。また、負極に用いられる導電材、結着材、溶剤などは、それぞれ正極に例示したものを用いることができる。また、導電材を用いなくてもよい。負極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼などの箔を用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池では、正極と負極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、例えば高分子化合物の微多孔フィルムなど、リチウムイオン二次電池の使用範囲に耐えうる材質であれば、特に限定されずに用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなどのポリエーテル類、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類、ポリ(メタ)アクリル酸及びその種々のエステル類等を主体とする高分子化合物やその誘導体、これらの共重合体や混合物からなるフィルムなどが挙げられる。また、これらは、単独で用いてもよいし、複数のフィルムを重ね合わせた複層フィルムとして用いてもよい。また、これらのフィルムには、例えばイオンの伝導性を高める添加剤や強度・耐食性を高めるような種々の添加剤を添加してもよい。この微多孔フィルムのうち、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホンなどが好ましく用いられる。このセパレータは、非水系電解液が浸透してイオンが透過しやすいように、微多孔化を施すのが好ましい。この微多孔化の方法としては、上記高分子化合物と溶剤の溶液をミクロ相分離させながら製膜し、この溶剤を抽出除去して多孔化する「相分離法」、溶融した高分子化合物を高ドラフトで押し出し製膜したのち熱処理し、結晶を一方向に配列させ、さらに延伸によって結晶間に間隙を形成して多孔化をはかる「延伸法」などが挙げられ、用いられる材質等により適宜選択される。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は、特に限定されないが、例えば、ボタン型、コイン型、シート型、積層型、円筒型、扁平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。図1は、本発明の一例である円筒型のリチウムイオン二次電池10の模式図である。このリチウムイオン二次電池10は、集電体11の表面に正極活物質12を形成した正極シート13と、集電体14の表面に負極活物質17を形成した負極シート18と、正極シート13と負極シート18との間に設けられたセパレータ19と、正極シート13と負極シート18の間を満たす非水系電解液20と、を備えたものである。このリチウムイオン二次電池10では、正極シート13と負極シート18との間にセパレータ19を挟み、これらを捲回して円筒ケース22に挿入し、正極シート13に接続された正極端子24と、負極シート18に接続された負極端子26とを配設して形成されている。この非水系電解液20は、リチウム含む電解質塩として、ホウ素に配位している分子の少なくとも1つが水酸基とカルボキシル基を含有する有機化合物であるホウ素錯体のリチウム塩を0.03mol/L以上1.0mol/L以下含有している。
なお、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
[比較例1]
正極活物質としてLiNiO2、導電材としてアセチレンブラック、結着材としてポリフッ化ビニリデンをそれぞれ重量比で85:10:5となるように混合し、分散剤としてN−メチル−2−ピロリドンを適量添加し、正極材スラリーとした。この正極材スラリーを20μm厚のアルミニウム箔集電体の両面に均一に塗布し、加熱乾燥して正極塗布シートを作製した。その後、この正極塗布シートをプレスし、所定サイズの矩形状に切り出し、電流取り出し用のリードタブ溶接部となる部分の正極材を剥ぎ取り、シート状の正極電極とした。一方、負極活物質として炭素材料粉末、結着材としてポリフッ化ビニリデンをそれぞれ重量比で95:5となるように混合し、正極と同様に負極材スラリーを作製し、この負極材スラリーを、10μm厚の銅箔集電体の両面に均一に塗布し、加熱乾燥して負極塗布シートを作製した。その後、この負極塗布シートをプレスし、所定サイズの矩形状に切り出し、電流取り出し用のリードタブ溶接部となる部分の負極材を剥ぎ取り、シート状の負極電極とした。こうして作製した正極電極と負極電極とを、25μm厚の微多孔性ポリエチレン製フィルムからなるセパレータを挟んで捲回し、ロール状の電極体とし、このロール状の電極体を18650型円筒ケースに挿入し、ケース内に保持させた。このとき、正極及び負極のリードタブ溶接部に接続した集電リードをケースに設けられた正極端子及び負極端子にそれぞれ接合した。その後、非水系電解液をケース内に注入し、密閉して円筒型リチウムイオン二次電池とした(図1参照)。ここでは、非水系電解液として、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)を体積比で1:1:1となるように混合した混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度となるように溶解したものを用いた。
[実施例1〜8,比較例2]
上述した比較例1で用いた非水系電解液に、乳酸のホウ素錯体リチウム塩をそれぞれ0.005mol/L、0.01mol/L、0.03mol/L、0.05mol/L、0.1mol/L、0.3mol/L、0.5mol/L、1.0mol/L、1.2mol/Lとなるように加えたものを用いて作製したリチウムイオン二次電池を、実施例1〜8、比較例2とした。乳酸のホウ素錯体リチウム塩は、例えば、ホウ酸と水酸化リチウムと乳酸とをモル比で1:1:2となるように混合し、その混合物を約100℃で約8時間撹拌することで生じる沈殿物を回収することにより得られる。詳しくは、Eberwein. M(2003):Die Synthese und elektrochemische Charakterisierung von neuen stabilen Lithiumsalzen mit Organischen Anionen und Untersuchungen an Polymer-Gelektrolyten, Dissertation, Regensburg)を参照。なお、乳酸のホウ素錯体リチウム塩は下記式(2)で表されると推定される。
[実施例9〜11]
上述した比較例1で用いた非水系電解液に、サリチル酸、グリコール酸及び2−ヒドロキシ酪酸のホウ素錯体リチウム塩をそれぞれ0.05mol/Lとなるように加えたものを用いて作製したリチウムイオン二次電池を、実施例9〜11とした。なお、サリチル酸、グリコール酸及び2−ヒドロキシ酪酸のホウ素錯体リチウム塩は、それぞれ下記式(3)〜(5)で表されると推定される。
[比較例3〜5]
上述した比較例1で用いた非水系電解液に、シュウ酸、マレイン酸及びo−フタル酸のホウ素錯体リチウム塩をそれぞれ0.05mol/Lとなるように加えたものを用いて作製したリチウムイオン二次電池を、比較例3〜5とした。シュウ酸、マレイン酸及びo−フタル酸は、いずれもヒドロキシ酸ではなくジカルボン酸である。
[初期放電容量]
作製した実施例1〜11及び比較例1〜5のリチウムイオン二次電池を用い、0.2mA/cm2で、4.1Vまで定電流充電したのち、0.2mA/cm2で、3.0Vまで定電流放電を行った。続いて、0.2mA/cm2で4.1Vまで定電流充電したのち、0.1mA/cm2で、3.0Vまで定電流放電を行い、このときの放電容量を初期放電容量V0とした。なお、測定は20℃の雰囲気で行った。
[高温サイクル特性試験、放電容量維持率]
実施例1〜11及び比較例1〜5のリチウムイオン二次電池を、雰囲気温度60℃の恒温槽に入れ、2.0mA/cm2で4.1Vまで定電流充電し、2.0mA/cm2で3.0Vまで定電流放電を行う充放電を1サイクルとし、このサイクルを合計500サイクル行う高温サイクル特性試験を行った。この高温サイクル特性試験ののち、雰囲気温度20℃とし、0.2mA/cm2で、4.1Vまで定電流充電し、0.2mA/cm2で、3.0Vまで定電流放電を行った。続いて、0.2mA/cm2で4.1Vまで定電流充電したのち、0.1mA/cm2で、3.0Vまで定電流放電を行い、このときの放電容量をサイクル後放電容量Vcとした。このサイクル後の放電容量Vcと初期放電容量V0とを用い、次式により放電容量維持率Vk(%)を求めた。
放電容量維持率Vk(%)=Vc/V0×100
[電池抵抗増加率]
実施例1〜11及び比較例1〜5のリチウムイオン二次電池を用い、高温サイクル特性試験での電池抵抗増加率Rinを求めた。電池抵抗は、20℃で、0.2mA/cm2で3.7Vまで定電流定電圧充電したのち、10mA/cm2で定電流放電を行い、10秒後の電圧を測定し、電圧降下より抵抗を算出した。上述した高温サイクル特性試験の前に測定した値を初期電池抵抗R0とし、高温サイクル特性試験の後に測定した値をサイクル後の電池抵抗Rcとした。このサイクル後の電池抵抗Rcと初期電池抵抗R0とを用い、次式により電池抵抗増加率Rin(%)を求めた。
電池抵抗増加率Rin(%)=(Rc−R0)/R0×100
[初期抵抗特性]
実施例1〜11及び比較例1〜5のリチウムイオン二次電池を用い、上述した高温サイクル特性試験を行う前の状態で、初期抵抗特性Rsを求めた。ここでは、初期抵抗特性Rsは、ホウ素錯体リチウム塩を添加していない比較例1の初期電池抵抗R01を基準(=100)とした相対値として次式を用いて求めた。
初期抵抗特性Rs=R0/R01×100
[測定結果]
実施例1〜11及び比較例1〜5の測定結果を表1に示し、比較例1,実施例1〜8及び比較例2の乳酸ホウ素錯体リチウム塩の添加量に対する放電容量維持率、初期抵抗特性及び電池抵抗増加率の関係をそれぞれ図2〜図4に示す。これらの測定結果から、乳酸ホウ素錯体リチウム塩の添加量は0.01mol/L〜1.0mol/L(実施例1〜8)において、乳酸ホウ素錯体リチウム塩を添加しなかった比較例1と比べて、初期抵抗特性が小さくなっていることから初期電池抵抗が低減され、放電容量維持率が向上すると共に電池抵抗増加率が低くなっていることからサイクル特性が向上することが明らかになった。また、実施例9〜11のように乳酸の代わりにヒドロキシ酸としてサリチル酸やグリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸を用いた場合にも、乳酸と同等の添加効果が得られることが明らかになった。一方、比較例3〜5のようにヒドロキシ酸ではなくジカルボン酸を用いた場合には、比較例1と比べて放電容量維持率や電池抵抗増加率は改善されたものの、初期電池抵抗が増加することが明らかになった。
リチウムイオン二次電池10の模式図である。 乳酸ホウ素錯体リチウム塩の添加量に対する放電容量維持率の関係を表すグラフである。 乳酸ホウ素錯体リチウム塩の添加量に対する初期抵抗特性の関係を表すグラフである。 乳酸ホウ素錯体リチウム塩の添加量に対する電池抵抗増加率の関係を表すグラフである。
符号の説明
10 リチウムイオン二次電池、11 集電体、12 正極活物質、13 正極シート、14 集電体、17 負極活物質、18 負極シート、19 セパレータ、20 非水系電解液、22 円筒ケース、24 正極端子、26 負極端子。

Claims (4)

  1. リチウムイオン二次電池に用いられる非水系電解液であって、
    電解質塩として2種以上のリチウム塩を含み、そのうちの1種であるα−又はβ−ヒドロキシ酸を配位子とするホウ素錯体のリチウム塩が0.01mol/L以上1.0mol/Lとなるように溶解している、
    非水系電解液。
  2. 前記ホウ素錯体のリチウム塩が、下記式(1)で示されるリチウム塩である、
    請求項1に記載の非水系電解液。
    (式中、Rは、アルキル置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基又は1,2−フェニレン基である)
  3. 前記α−又はβ−ヒドロキシ酸は、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、2,3−クレオソート酸、2,4−クレオソート酸、2,5−クレオソート酸、マンデル酸、ベンジル酸及びアトロラクチン酸からなる群より選ばれた1種以上である、
    請求項1に記載の非水系電解液。
  4. 放電時にリチウムイオンを吸蔵し充電時にリチウムイオンを放出する正極活物質を有する正極と、
    放電時にリチウムイオンを放出し充電時にリチウムイオンを吸蔵する負極活物質を有する負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在する請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系電解液と、
    を備えたリチウムイオン二次電池。
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