JP2009266082A - 真正度の判断システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 対象商品の真正品に対する近似度(真正度)を数値等で量的に示すシステムの提供。
【解決手段】 真正品製造者からの直接購入等により真正であることが保証されている商品たる真正品を分析する1以上の分析手段3と、この分析手段3により分析された1以上のデータを格納する真正品データベース5と、真正度を判断する対象である対象商品7を分析する分析手段8とこの分析手段8の分析結果9を、真正品データベース5から引き出した真正品データとを比較手段10において比較し、中央処理部12においてこの比較結果から対象商品7の真正度を判断して表示手段13にこの結果を数値等により定量的に、或いはアルファベットによりランク付けで表示するよう構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は特定の商品が真正品の有する特徴を備えているか否かを判定するシステムに係り、特に当該商品の真正度を判定するシステムに関する。
近年、鞄、靴、時計、各種宝飾品等の身装品、陶磁器等多種多様な商品について、所謂ブランド商品として特定ブランドの商品が需要者の間で絶大な人気と信頼を得ていることは我々が日常良く知るところである。またこのようなブランド商品に対して比較的粗雑に模倣したものから非常に精巧に模倣して真贋の判定が極めて困難な商品まで多数の模造品が出回っていることも、残念ながら我々の良く知る所である。
上記の点に鑑み、下記特許文献に示されるように商品の真贋を判定する装置、システム等が少なからず提案されている。
特開2000−003532 特開2000−003124 特開2004−021558 特開2003−296515
上記特許文献のうち、特許文献1及び2記載の発明は真正商品の所定の位置に対して予めホログラムを形成し、このホログラムパターンを解析することにより対象商品の真贋を判定しようとするものでる。この方法はホログラムパターンを解析する光学装置があれば比較的容易に実施可能であるが、ホログラムパターン自体の精巧な模倣が可能となっている現在においては商品の真贋判定のシステムとしては高い信頼性を得ることはできなくなっている。
また特許文献3の発明は真正商品の所定部分に数字等の認証情報を記録した情報媒体(バーコードシール等)を商品購入者(消費者)の携帯電話等に設置されたセンサで読み込み、かつ真贋を判定するサーバーにアクセスして当該商品の真贋を携帯電話を介して商品購入者に知らせるシステムである。このシステムは商品購入者に直接真贋を知らせる点では利便性が高いものであるとも言えるが、携帯電話で読み取り可能な情報には限界があり高い精度の真贋判定は期待できない。また上記特許文献1及び2記載の発明と同様認証情報を記録した情報媒体自体が偽造される可能性も低いものではない。
特許文献4記載の発明は真正品に付与する識別子をチェックするサーバーを複数設置し、真贋判定の問い合わせの際に問い合わせ先を逐次切替えることにより複数のサーバーで相互に真贋判定をする。これにより識別子の偽造の有無も判定して真贋判定を行うシステムであって、真贋判定においては少なからず期待が持てるものであるといえる。しかし、複数のサーバーを設置する必要があるためシステム全体が複雑高価なものとなることは否めず、またこのようにサーバー相互で判定したとしても、前記各特許文献と同様識別子の偽造、情報漏れ等を完全に防止することはできず、このため真贋判定の信頼性を一定限度以上高めることは困難である。
即ち、上記特許文献記載の各発明は何れも真正品である商品に対してホログラム、バーコード等、当該商品が真正品であることを示す情報を有する媒体を設け、この媒体の情報を解析することにより当該媒体を有する商品を真正品であると判断するという共通の手段を有している。つまり、真正品自体の有する特徴に基づいて真贋が判断されるのではなく、真正品に設けられた真正品を証明する情報媒体の解析により真贋を間接的に判断する構成であるため、例えば同じ情報を有する情報媒体の偽造、情報の漏出等があると真贋判断の信頼性は大きく低下することになる。
翻って、従来から行われている人の感覚により判定する方法に関しては、判定する者の知識、経験等により判定の信憑性に大きな差が出てしまい、一般的な判定方法として安定性を欠くものと言わざるを得ない。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み構成されたものである。
本発明は真正品或いは、当該真正品を模倣した模倣商品の何れにもその商品独特の痕跡(情報)があることに着目し、この情報を基に所定の商品が真正品であるか或いは真正品であることが疑わしい商品であるか、更には模造品であると断定できるものであるか等を判断するシステムである。
上記の点を真正品を模倣して模造品を製造する者からみれば、その模造品は可能な限り真正品に近いものとし、真正品のブランド力にただ乗りして販路を広げようとするであろう。しかし、真正品を製造する企業は当然のことながらその製造に関する情報は高度な企業秘密として通常外部に表明することはない。このため、模造品を製造しようとする者は模造の対象となっている真正品に対して、例えば模造対象商品が鞄である場合には、構成素材としての皮革、布、金具等をできるだけ真正品に使用されている素材に近いものを集め、かつ所定の顔料の塗布や捺染、印刷を行い裁断、縫製等を行って模造品を製造することになる。
この場合、真正品が使用している皮革、布、顔料等が入手できない、或いは顔料であればその内容が特定できない、さらには縫製技術が真正品に及ばない等の技術的理由により或いは素材の購入費用や製造費用を一定限度に抑えたい(因みに模造品製造者は模造品を真正品と同じ材料により同じ工程で製造したならば製造コストが上昇し模造品を製造する意味がなくなると考えるであろう)等の理由により模造品には色彩の僅かな違い、使用金属の違い、加工技術の違い等に由来する真正品とは異なる特徴を有する製造痕跡(情報)があるはずであると言う点から本発明が構成されている。
即ち、上記従来技術が真正品を保証するデータを記録した媒体の情報を読み出して商品の真贋をこの読み出した情報に基づいて間接的に判断するのに対して、本発明は判断の対象となっている商品の素材、色彩等、当該商品の固有の情報を個々にかつ直接的に分析し、分析した個々の情報をこの情報に対応しかつ真正品から読み出しかつ蓄積してある真正品の個々の情報と比較して対象商品のいわば真正度を数値等により具体的かつ定量的に判断することを目的とするシステムである。
上記目的に対応して、本願発明は真正品の特徴を分析する分析手段と、この分析手段により分析された真正品の種類毎の個々の特徴を格納するデータベースと、商品の真正度の判断対象となる商品(以下実施例も含めて「対象商品」とする)の特徴を分析する手段と、この分析手段により得られた分析データの個々の特徴を、対応する真正品の個々のデータと比較して対象商品の真正度を判断する演算手段とを有する商品の真正度を判断するシステムである。
真正品自体の個々の特徴を分析しかつこの分析データを蓄積し、対象商品の個々の特徴を分析したデータと対応する真正品のデータとを直接比較し、ホログラム等真正品を間接的に証明する記録媒体を介することなく判断可能となるため、真正品を証明する媒体の偽造、付け替え等の危険がある従来技術に比較して判断の信頼性を高く保持することができる。
また、判断対象となる複数のデータを順次比較することにより、比較するデータの数に対応して判断の信頼性をより高いものとすることができる。
さらに、対象商品の真正度を判断する現場には対象商品の特徴を分析する手段だけを配置し、真正品自体の個々の特徴を分析しかつこの分析データを蓄積するのは特定の機関としてこの特定の機関にオンライン接続して真正度の判断はこの機関に行わせるようにしたり、或いは現場に演算手段としてのパーソナルコンピュータ(パソコン)を併設して、このパソコンに真正品自体の個々の特徴を分析しかつこの分析データを提供するよう構成すれば、本システムをブランド品販売店、質屋等の現場に安価に提供でき、販売商品や質入品の真正度を安価かつ簡単に評価することができる。
判断手段はパソコンとし、かつ特定の機関で真正品自体の個々の特徴を分析しかつこの分析データを蓄積し、この蓄積したデータを現場の個々のパソコンに提供し、現場で対象商品の特徴を分析し、この分析結果を提供された真正品の特徴データと比較判断することにより対象商品の真正度を判断するよう構成する。
図1は本発明のシステムの構成の一例を示す。
符号1は真正度の判断を行う演算部である。ここで「真正度」とは対象商品が真正品であるか否かの確率(指標)を数値表現或いは、ランクA、B、C・・・等これに類似したランク付け表現を言うこととする。より具体的には例えば真正度50パーセント以下は模造品である可能性がかなり高い、50パーセント以上80パーセントはグレーゾーンであるが、パーセンテージが高くなれば真正品の可能性が高い範囲、80パーセント以上から95パーセントの間はほぼ真正品であると考えられる範囲等と設定することを示す。
本システムは真正品データと対象商品のデータを直接比較するものであり、対象商品が真正品であっても保管状態により、或いは質入れ品であれば経年劣化、使用状態等により特徴が変化すること、一方真正品データの入力対象である真正品であっても例えば製造ロットの違い等により個々の商品については僅かな特徴の相違が生じることも考えられるため、データの基礎となった真正品についての真正品データは厳密に判断すれば唯一絶対の真正品データではないので、本システムとしては基本的には100パーセント真正品とする判断を行なわないよう構成する。
真正品2は分析手段Aである分析手段3において対象部分毎にその特徴が分析されこの分析データ4が真正品データベース5に格納される。この真正品データべース5には商品製造者6の各商品の種類毎に個々の特徴が格納されている。例えばA社のA´ブランドの婦人用バックの生地の色彩、金具の形状、金具の表面粗さ、縫製間隔、B社のB´ブランドの紳士靴の革の色彩、靴紐の表面形状、鳩目の金属の素材等のように各社の各商品の種類毎に個々の特徴が真正品データベース5に格納されている。
なお、システムの構成上、本システムにおける真正品データベース5の構築の対象となる真正品2は絶対的に真正品であることを保証されている必要がある。このためシステム構築者は分析対象となる真正品2をこの真正品を製造或いは販売している商品製造業者6から直接購入するか或いは借入するなどして真正品データの信頼性を保証しておく必要がある。
一方真正度の判断を必要とする対象商品7について別の分析手段Bである分析手段8により対象部分毎に分析され、複数の対象部分の分析結果のうち、個々の分析データ9を予め定められた部分の特徴と対応する真正品データと比較手段10において個別に比較判断する。判断方法としては分析データ9と真正品データベース5から引き出した真正品データの一致度を例えば0パーセントがら100パーセーントの指標で表現したり、またこの方法に変えてしきい値11を設定して両データの相違が予め設定されたしきい値内であればデータ一致とする等の方法で判断する。
中央処理部12はこのようにして比較手段10から出力された個々のデータの一致度合いを総合的に判断して最終的に対象商品7の真正度を表示手段13に表示する。
以上の説明においては、真正品2の分析及びデータの蓄積及び対象商品7の分析と個々のデータの比較判断を、一か所に配置した一つの演算手段により構成する状態を示している。
この構成は、真正品のデータベース5を構成しかつ所有している機関に対して対象商品7を直接持ち込んで判断する場合には有効であるが、販売店や質屋等直接商品を取り扱っている現場では事実上実施困難である。つまり、現場においては真正品データベース5の構築の対象である商品が絶対的に真正品であることの証明が困難であること、および所謂ブランド品は高価なものが多くデータ構築のためにその都度真正品を購入することは非現実的である。
従って、第1の方法として、符号1Aで示す範囲の分析手段3、分析データ4、真正品データベース5は真正品のデータを作成した特定の機関(以下「中心機関」とする)に配置し、販売店や質屋などの現場に設置されたパソコンによりインターネット等の通信手段を介して中心機関の真正品データベース5にアクセスして所定の真正品データを取得して現場のパソコンにおいて対象商品7の真正度を判断する方法が考えられる。
なお、この方法の変形例として真正品データベース5をCDやDVD等の媒体を介して中心機関が現場に配布し、このデータがインストールされた現場のパソコンにより真正度を前記中心機関を介さず現場で独立して判断するよう構成することも可能である。何れの方法も現場は真正品データ構築の負担を免れることができる。
第2の方法として、前記符号1Aの範囲の部分に加えて符号1Bで示す範囲に設置された比較手段10、中央処理部12、しきい値設定手段11も前記中心機関に設置し、現場は分析手段8により分析した対象商品7の分析結果を中心機関に出力し、当該中心機関において対象商品7の真正度を判断し、判断された真正度を現場の表示手段13に出力する方法もある。この方法は現場の負担を最も軽減させる方法である。
図2は上記構成における対象商品の真正度を判定する工程の一例を示す。
同図において、先ず対象商品7の個々の部分についてその特徴を分析する(S1)。このようにして分析した個々のデータのうちから先ず最初の分析対象のデータを選択する。例えば対象商品が鞄の場合は(1)鞄の生地を成す皮革或いは布の色彩の分析、(2)素材の有機物質の分析、(3)素材の無機物質の分析、(4)金具の表面形状の分析等の特徴を分析したとすれば、これらの分析結果を(1)から降番で例えば3個のデータを比較すると設定する(S2)。
次に対象商品7の最初のデータ(1)を選択出力し(S3)、このデータ(1)に対応する真正品のデータ、即ち「真正品の鞄の生地を成す皮革或いは布の色彩」のデータを前記真正品データベース5から出力し(S4)、この真正品データと前記データ(1)とを比較し(S5)、その一致度合いがしきい値内であるか否かを判断する(S6)。
前記設定では比較するデータは3個(比較判断3回)に設定されているので、その範囲内で先ず比較判断が行われる。ステップ5における第1の比較判断においてその一致度が敷居しきい値内であればステップ3に戻って新たに選択された(2)のデータとこのデータに対応する真正品データとを比較する(S5)。この手順を繰り返して設定された回数の比較が行われた否かを判断し(S7)、所定回数行った各比較判断がしきい値内である場合には当該対象商品の真正度を例えば真正度85パーセント等のように表示する(S8)。
一方前記ステップS6において、データの一致度がしきい値外となった場合にはステップS9のデータ選択回数のチェックをうけた後、ステップ3に戻り次のデータ「(2)素材の有機物質の分析結果データ」を真正品データベース5から引き出された「真正品の素材の有機物質の分析結果データ」と比較する。この作業を所定回数(予め設定した数+N回)繰り返して所定回数か否かの判断を行う(S9)。この場合、例えば前記データ(4)の分析結果を加えて3回プラス1回とし、4回しきいち値外であるとする結果となったときに真正品ではないという判断に近い「同定できず」の評価を行う(S10)。
一方このフローには示されていないがS9のステップを回った4回の比較作業で、S5のステップにおいて一つのデータの一致度が99パーセント等の高い値を示した場合には、ステップS10の「同定できず」に代えて、ステップS7を通過してステップ8に至り、例えば真正度75パーセント等と表示するよう構成してもよい。
図3は商品毎の分析手段、分析対象を具体的に示したものである。
対象商品14のうち符号14Bから14Eに示す商品のほぼ全ての商品14Aについて分析手段15として色差計15Aを用い、分析対象16のうち16Aとして顔料、印刷や染め付けの色の違い等を分析する。このようにして、各対象商品14B乃至14Eに対応して分析手段FT−IR(15B)、蛍光X線分析計(15C)、実態顕微鏡(15D)、熱処理雰囲気装置(15E)が用いられ、対象となった有機物質(16B)、無機物質(16C)、表面形状等(16D)、耐熱性(16E)が分析される。なお、対象商品14Aを含めて14Bから14Eの商品の少なからぬ部分が重複しているのは、各商品が複数の分析手段によりそれぞれ分析されることを示している。
次に本発明との関連において上記分析手段(分析装置)について構成・機能等の概略を説明する。
〔色差計(分光測色計)15A〕
(原理)
光源から出た光はその光源特有のエネルギー分布を有しており、この光が対象商品に当たる。対象商品の塗料、顔料等により当該対象商品において前記光の一部又は全部が吸収され、吸収を受けた光源の光が人の目に入り対象商品の色彩として知覚される。この対象商品において吸収された光はスリットを通過して回折格子へ入り分光され、その光が多段構成(20〜40)の受光器に入り光電流に変換され、電子回路内でデジタル化されて分光データ(数値)として出力される。
(色差)
予め設定された真正品の分光データと上記対象商品の分光データとを比較して色差を計算する。この色差が予め設定されているしきい値以内であるか否かを判断して対象商品の真正度を判断する。これにより対象商品と真正品の顔料、印刷や染め付けの相違(16A)の有無等を判断する。
〔FT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)15B〕
フーリエ変換(FT)の対象となるIRとはinfrared absorption spectrometry(赤外吸収分析)の略であって、対象商品に赤外線を当て、吸収された赤外吸収スペクトルを測定することによって定性を行う分析方法の一つてある。有機物質は全て赤外域に固有の吸収スペクトルを持っているので図3の16Bに示すように有機物質の測定に用いられている。
(測定原理)
有機物質における原子同士の結合(距離、角度)は硬く固定されいるわけではなく、バネでつながれているように柔らかい結合をしている。分子に赤外域のエネルギーを与え、このエネルギーが上記結合の振動エネルギーと一致すると振動は共鳴して増大する。このとき吸収された赤外エネルギー量を測定することによりその結合の種類(官能基)を知ることができる。この方法により対象商品の対象部分における有機物質の種類(16B)を分析することができる。
(使用する分光器/フーリエ変換分光器)
マイケルソン干渉計を用いて可動ミラーを一定速度で移動させると干渉波形が得られる。この波形は光源が白色で途中に対象商品を置いた場合には吸収スペクトルを含んだ複雑な波形が得られる(インターフェログラム)。これを波形解析手段であるフーリエ変換することにより吸収スペクトルを得ることができ、かつスリットを用いないため光源エネルギーを有効に用いることができ結果として高感度な有機物質の測定が可能となる。
〔蛍光X線分析計15C〕
対象商品に対してX線を照射すると、対象物質から原子特有のX線(特性X線)が発生する。この特性X線は蛍光X線と呼ばれ、この蛍光X線を調べることにより対象商品の所定部分に存在する元素の種類や量を求めることができる。このため無機物質の分析(16C)に適している。
〔実態顕微鏡15D〕
光学顕微鏡で対象商品の表面の形状、構造等を解析する。表面部分を拡大して観察することにより、対象商品の微細な表面形状(16D)の違いを検出することができる。
〔熱処理雰囲気装置15E〕
加熱手段を有し、対象商品を加熱することにより対象商品の変形や、割れの有無等を確認することより当該対象商品の耐熱性(16E)を真正品の耐熱データと比較分析する。従って対象商品はガラス器具、陶磁器、特定の金属製品等に限られる。
以上の構成において、例えば対象商品が鞄である場合には、分析手段として色差計15A、フーリエ変換赤外分光光度計15B、実態顕微鏡15Dを用いて、「顔料、印刷や染め付けの色の違い等」16A、「有機物質」16B、「表面形状等」16Dを分析し、かつ必要に応じて蛍光X線分析計15Cを用いて「無機物質」16Cを分析する。
以上の実施例では対象商品7を分析する分析手段8を商品販売店や質店等、商品を直接取り扱う現場に配置している構成を示したが、この分析手段8も前記中央機関に設置し、対象商品7を中央機関に持込み、この中央機関において対象商品7の分析を行い、分析結果を現場の表示手段13に表示するよう構成することも可能である。
上記の構成は対象商品7を現場から中央機関に送付する点において、時間と経費がかかるが、中央機関でのシステムの実行であれば対象商品7を分析する分析手段8もより高性能なものを設置可能であるため、真正度の判断の信頼性がより高いものとなる。例えば一つのロットの販売用の商品を複数仕入れて販売する場合において、同一ロットの商品のうちから特定の商品を無作為抽出して中央機関でこの対象商品の真正度の判断を行えば、仕入れた商品全体の真正度の判断が可能となる等である。
上記実施例には真正品に対する対象商品の真正度を判断するためのシステムとして本発明を説明したが、例えば上記の分析手段を用いて宝石の等級を鑑定したり、或いは微細な電子部品の表面形状(傷の有無等)を分析して不良品を排除する等、量産品の品質保持などにも利用可能である。
本発明に係るシステムを構成するブロック図である。 図1に示すシステム実行の一例を示すフロー図である。 商品の分析手段及び分析対象の関係を示すブロック図である。
符号の説明
1 演算部
2 真正品
3 分析手段A
4 (真正品の)分析データ
5 真正品データベース
6 (真正品の)商品製造者
7 対象商品
8 分析手段B
9 (対象商品の)分析データ
10 比較手段
11 しきい値設定手段
12 中央処理部
13 表示手段
14 対象商品
15 分析手段(分析装置)
16 分析対象

Claims (6)

  1. 対象商品の真正度を判断するシステムであって、真正であることが保証されている真正品を分析する1以上の分析手段と、この分析手段によりそれぞれ分析された1以上の分析データを真正品の種類毎に格納する真正品データベースと、対象商品を分析する1以上の分析手段と、この分析手段により分析された個々の対象商品分析データを当該対象商品と同じ種類の真正品データと比較する手段とを有し、対象商品分析データの1以上を対応する真正品データと比較することにより演算部において対象商品の真正度を判断するよう構成したことを特徴とする真正度の判断システム。
  2. 真正品データベースは真正であることが保証されている真正品を分析した中心機関に格納され、真正度を判断する演算部は販売店や質店等の対象商品取扱現場に配置され、当該演算部は中心機関と情報授受可能に接続され、現場の演算部は対象商品分析データに対応する真正品データを中心機関から取得して対象商品の真正度を判断するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の真正度の判断システム。
  3. 前記真正品データに加えて真正度を判断する演算部も中心機関に配置され、現場は対象商品分析データを中心機関に送信し、中心機関が判断した対象商品の真正度を現場の表示手段に表示するよう構成したことを特徴とする請求項2記載の真正度の判断システム。
  4. 前記真正品のデータはCD等の電子媒体に格納され、当該電子媒体を介して真正品のデータが現場の演算装置の記憶部に入力されるよう構成したことを特徴とする請求項2記載の真正度の判断システム。
  5. 真正品データベース、真正度を判断する演算部、対象商品を分析する分析手段の何れもが中心機関に配置され、現場から送付された対象商品の分析及び対象商品の真正度の全てを中心機関が判断し、この判断結果を商品を直接取り扱う現場に出力するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の真正度の判断システム。
  6. 商品を分析する手段は色差計、フーリエ変換赤外分光光度計、蛍光X線分析計、実態顕微鏡、熱処理雰囲気装置のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の真正度の判断システム。
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