JP2015153296A - 商品の二次流通市場における商品の買い取り可否判定システム及び同システムに用いる真正度の判定システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 ブランド品の二次流通市場におけるブランド品の真正度を客観的に示すシステムの提供。
【解決手段】 ブランド品(商品)の売却希望者SAが商品を買い取り業者SBに持ち込んだ場合、買い取り業者SBは店内に保有する分析計(蛍光X線分析器)SB1により持ち込み商品を分析し、この分析データを判定センターSCにデータ送信する。判定センターSCは自己の有する真正品のデータを蓄積したデータベースSC1と送信された分析データを比較し、当該商品の真正度を判定する。判定結果は買い取り業者SBに送信され、買い取り業者SBはこの判定結果に基づいて商品の買い取りの可否を決め、買い取り可能と判断した場合には買い取り価格を売却希望者SAに提示する。また商品が革製品等、分析計SB1 では対応できないときは商品を判定センターSCに直接送付して、判定センターSCで各種機器及び専門職の感覚を含めてより詳細に真正度を判定する。
【選択図】 図1
【解決手段】 ブランド品(商品)の売却希望者SAが商品を買い取り業者SBに持ち込んだ場合、買い取り業者SBは店内に保有する分析計(蛍光X線分析器)SB1により持ち込み商品を分析し、この分析データを判定センターSCにデータ送信する。判定センターSCは自己の有する真正品のデータを蓄積したデータベースSC1と送信された分析データを比較し、当該商品の真正度を判定する。判定結果は買い取り業者SBに送信され、買い取り業者SBはこの判定結果に基づいて商品の買い取りの可否を決め、買い取り可能と判断した場合には買い取り価格を売却希望者SAに提示する。また商品が革製品等、分析計SB1 では対応できないときは商品を判定センターSCに直接送付して、判定センターSCで各種機器及び専門職の感覚を含めてより詳細に真正度を判定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は特定の商品が真正品の有する特徴を備えているか否かを判定するシステムに係り、特にブランド品として需要者や商品の取引者間で認知されている商品の真正度を判定するシステム及びその判定方法に関する。
近年、鞄、靴、時計、各種宝飾品等の身装品、陶磁器等多種多様な商品について、その商品や製造元が需要者や商品の取引者間で高い信用を得ている所謂ブランド商品として特定ブランドの商品が需要者の間で絶大な人気と信頼を得ていることは我々が日常良く知るところである。またこのようなブランド商品に対して比較的粗雑に模倣したものから非常に精巧に模倣して真贋の判定が極めて困難な商品まで多数の模造品が出回っていることも、残念ながら我々の良く知る所である。
このようなブランド品の流通する市場において、海外の本社と契約している総輸入元又はこの総輸入元と契約を交わしている販売店などの所謂正規輸入代理店が所定のブランド品の新品を取り扱う場合には、商品の真正が保証されている。このことは国内の本社と契約を交わしている国産品の正規代理人についても同様のことがいえる。
しかし、ブランド品の流通はこのような新品の真正品のみでなく、中古品や並行輸入品が流通する市場(以下「二次流通市場」とする)が存在し、この二次流通市場においては商品の真正性を保証するシステムや、商品の真贋を判断するシステムや機関も存在せず、いわば事実上野放し状態であり、詐欺行為、商標権や意匠権の侵害行為が少なからず発生しているのが実情である。
上記の点に鑑み、下記特許文献に示されるように商品の真贋を判定する装置、システム等が幾つか提案されている。
特開2000−003532
特開2000−003124
特開2004−021558
特開2003−296515
上記特許文献のうち、特許文献1及び2記載の発明は真正商品の所定の位置に対して予めホログラムを形成し、このホログラムパターンを解析することにより対象商品の真贋を判定しようとするものでる。この方法はホログラムパターンを解析する光学装置があれば比較的容易に実施可能であるが、ホログラムパターン自体の精巧な模倣が可能となっている現在においては商品の真贋判定のシステムとしては高い信頼性を得ることはできなくなっている。
また特許文献3の発明は真正商品の所定部分に数字等の認証情報を記録した情報媒体(バーコードシール等)を商品購入者(消費者)の携帯電話等に設置されたセンサで読み込み、かつ真贋を判定するサーバーにアクセスして当該商品の真贋を携帯電話を介して商品購入者に知らせるシステムである。このシステムは商品購入者に直接真贋を知らせる点では利便性が高いものであるとも言えるが、携帯電話で読み取り可能な情報には限界があり高い精度の真贋判定は期待できない。また上記特許文献1及び2記載の発明と同様認証情報を記録した情報媒体自体が偽造される可能性も低いものではない。
特許文献4記載の発明は真正品に付与する識別子をチェックするサーバーを複数設置し、真贋判定の問い合わせの際に問い合わせ先を逐次切替えることにより複数のサーバーで相互に真贋判定をする。これにより識別子の偽造の有無も判定して真贋判定を行うシステムであって、真贋判定においては少なからず期待が持てるものであるといえる。しかし、複数のサーバーを設置する必要があるためシステム全体が複雑高価なものとなることは否めず、またこのようにサーバー相互で判定したとしても、前記各特許文献と同様識別子の偽造、情報漏れ等を完全に防止することはできず、このため真贋判定の信頼性を一定限度以上高めることは困難である。
即ち、上記特許文献記載の各発明は何れも真正品である商品に対してホログラム、バーコード等、当該商品が真正品であることを示す情報を有する媒体を設け、この媒体の情報を解析することにより当該媒体を有する商品を真正品であると判断するという共通の手段を有している。つまり、真正品自体の有する特徴に基づいて真贋が判断されるのではなく、真正品に設けられた真正品を証明する情報媒体の解析により真贋を間接的に判断する構成であるため、例えば同じ情報を有する情報媒体の偽造、情報の漏出等があると真贋判断の信頼性は大きく低下することになる。
翻って、従来から行われている人の感覚により判定する方法に関しては、判定する者の知識、経験等により判定の信憑性に大きな差が出てしまい、一般的な判定方法として安定性を欠くものと言わざるを得ない。
また上記各システムや装置は商品の真贋を判断するためには一定の効果があるものの、前述したブランド品の二次流通市場において、これらの技術をどのように応用可能かの示唆は全く示されていない。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み構成されたものである。
先ず本発明の第一の構成は、並行輸入品や中古品のブランド品(以下特に断らない場合は単に「商品」とする)の二次流通市場において、商品の売却希望者と、その商品の買い取り業者と、その商品の真正度を判断する機関、企業(以下「判定センター」とする)の間で成立し、かつ判定センターは後述する真正度判定システム・装置を用いることを特徴とするシステムである。
先ず本発明の第一の構成は、並行輸入品や中古品のブランド品(以下特に断らない場合は単に「商品」とする)の二次流通市場において、商品の売却希望者と、その商品の買い取り業者と、その商品の真正度を判断する機関、企業(以下「判定センター」とする)の間で成立し、かつ判定センターは後述する真正度判定システム・装置を用いることを特徴とするシステムである。
本発明の第二の構成は前記判定センターで用いられる商品の真正度を判定するシステムであって、具体的には以下のとおりである。
即ち、真正品或いは、当該真正品を模倣した模倣商品の何れにもその商品独特の痕跡(情報)があることに着目し、この情報を基に所定の商品が真正品であるか或いは真正品であることが疑わしい商品であるか、更には模造品であると断定できるものであるか等を判断するシステムである。
即ち、真正品或いは、当該真正品を模倣した模倣商品の何れにもその商品独特の痕跡(情報)があることに着目し、この情報を基に所定の商品が真正品であるか或いは真正品であることが疑わしい商品であるか、更には模造品であると断定できるものであるか等を判断するシステムである。
上記の点を真正品を模倣して模造品を製造する者からみれば、その模造品は可能な限り真正品に近いものとし、真正品のブランド力にただ乗りして販路を広げようとするであろう。しかし、真正品を製造する企業は当然のことながらその製造に関する情報は高度な企業秘密として通常外部に表明することはない。このため、模造品を製造しようとする者は模造の対象となっている真正品に対して、例えば模造対象商品が鞄である場合には、構成素材としての皮革、布、金具等をできるだけ真正品に使用されている素材に近いものを集め、かつ所定の顔料の塗布や捺染、印刷を行い裁断、縫製等を行って模造品を製造することになる。
この場合、真正品が使用している皮革、布、顔料等が入手できない、或いは顔料であればその内容が特定できない、さらには縫製技術が真正品に及ばない等の技術的理由により或いは素材の購入費用や製造費用を一定限度に抑えたい(因みに模造品製造者は模造品を真正品と同じ材料により同じ工程で製造したならば製造コストが上昇し模造品を製造する意味がなくなると考えるであろう)等の理由により模造品には色彩の僅かな違い、使用金属の違い、加工技術の違い等に由来する真正品とは異なる特徴を有する製造痕跡(情報)があるはずであると言う点から本発明が構成されている。
即ち、上記従来技術が真正品を保証するデータを記録した媒体の情報を読み出して商品の真贋をこの読み出した情報に基づいて間接的に判断するのに対して、本発明の第2の構成は、判断の対象となっている商品の素材、色彩等、当該商品の固有の情報を個々にかつ直接的に分析し、分析した個々の情報をこの情報に対応しかつ真正品から読み出しかつ蓄積してある真正品の個々の情報と比較して対象商品のいわば真正度を数値等により具体的かつ定量的に判断することを目的とするシステムである。
上記目的に対応して、本願発明の第一の構成は商品の二次流通市場において、直接的には商品の買い取り業者等の商品の真正度を知りたい者に対して商品の真正度を判定連絡する者との間に成立する商品の判定したデータ通信システムであり、かつ本発明の第二の構成は真正品の特徴を分析する分析手段と、この分析手段により分析された真正品の種類毎の個々の特徴を格納するデータベースと、商品の真正度の判定対象となる商品(以下実施例も含めて「対象商品」とする)の特徴を分析する手段と、この分析手段により得られた分析データの個々の特徴を、対応する真正品の個々のデータと比較して対象商品の真正度を判定する演算手段とを有する商品の真正度を判定するシステムである。
商品の真正度を客観的に判定する機会がほぼ絶無であった商品の二次流通市場において商品の真正度の情報を高い信頼性をもって提供できるので、偽ブランドの売却のような詐欺的行為の防止、商標権、意匠権等の工業所有権の侵害防止などにより二次流市場の信頼性を向上させることができる。
真正度判定システムにおいては、真正品自体の個々の特徴を分析しかつこの分析データを蓄積し、対象商品の個々の特徴を分析したデータと対応する真正品のデータとを直接比較し、ホログラム等真正品を間接的に証明する記録媒体を介することなく判断可能となるため、真正品を証明する媒体の偽造、付け替え等の危険がある従来技術に比較して判定の信頼性を高く保持することができる。
また、対象となる複数のデータを順次比較することにより、比較するデータの数に対応して真正度判定の信頼性をより高いものとすることができる。
さらに本発明の主として第一の構成において、対象商品の真正度を判断して買い取りや質入れなどの可否を決める現場(買い取り業者店舗や質店等)には対象商品の特徴を分析する手段だけを配置し、真正品自体の個々の特徴を分析しかつこの分析データを蓄積するのは特定の機関(判定センター等)としてこの特定の機関にオンライン接続して真正度の判断はこの機関に行わせるようにしたり、或いは現場に演算手段としてのパーソナルコンピュータ(パソコン)を併設して、このパソコンに真正品自体の個々の特徴を分析しかつこの分析データを提供するよう構成すれば、本システムをブランド品販売店、質屋等の現場に安価に提供でき、販売商品や質入品の真正度を安価かつ簡単に評価することができる。
1 演算部
2 真正品
3 分析手段A
4 (真正品の)分析データ
5 真正品データベース
6 (真正品の)商品製造者
7 対象商品
8 分析手段B
9 (対象商品の)分析データ
10 比較手段
11 しきい値設定手段
12 中央処理部
13 表示手段
14 対象商品
15 分析手段(分析装置)
16 分析対象
SA 売却希望者
SB 買い取り業者
SB1 分析計(蛍光X線分析計)
SC 判定センタ
SC1 照合用データベース
2 真正品
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12 中央処理部
13 表示手段
14 対象商品
15 分析手段(分析装置)
16 分析対象
SA 売却希望者
SB 買い取り業者
SB1 分析計(蛍光X線分析計)
SC 判定センタ
SC1 照合用データベース
判定センターにおける判断手段はパソコンとし、かつ判定センターで真正品自体の個々の特徴を分析しかつこの分析データを蓄積し、この蓄積したデータを現場の個々のパソコンに提供し、現場で対象商品の特徴を分析し、この分析結果を提供された真正品の特徴データと比較判断することにより対象商品の真正度を判断するよう構成する。
図1及び図2は本発明の第一の実施例を示す。より具体的には並行輸入品や中古品が流通する商品の二次流通市場における本システムの構成を示す。なお「二次流通市場」の語は商品を直接売買流通させる市場の外、商品を質草として金員の貸借を行う質市場も含める語として使用する。
図1において、先ず商品の売却希望者SAが売却したい商品を買い取り業者SBに持ち込む。買い取り業者SBは店内にある分析器SB1により持ち込まれた商品を分析し、この分析データを判定センターSCに送信する。判定センターSCは送信されたデータと自己が蓄積した照合用のデータベースSC1の真正データと比較判断して当該商品の真正度をたとえば、真正度90パーセント以上、真正度80パーセント、偽物等と解析し、その解析結果を前記買い取り業者SBに送信する。この解析は、例えば有名ブランドの腕時計であれば極めて短時間に行われる。解析データをほぼリアルタイムで受け取った買い取り業者SBは、この解析結果に基づいて、商品の買い取り又は買い取り拒否を判断し、買い取り場合には買い取り価格を売却希望者SAに提示する。なお質市場においても商品(質草)の真正度判定の必要度は同じである。以下「買い取り業者」の語は別途断りが無い限り「質店」を含むものとし、同様の理由により「売却希望者」の語は「質入れ希望者」を含むものとする。
前記買い取り業者SBの分析器SB1について説明すると、本システムで利用可能な機器としては蛍光X線分析計が好適である。この蛍光X線分析計によって対象商品の真正度に関して約9割が分析可能である。但し判定対象は無機物のみであり、例えば皮革、布のような有機物は判定対象外となり、この場合は図2に示すように判定センターSCに商品を持ち込み、後述する色差計、顕微鏡、フーリエ変換赤外線分光光度計、雰囲気熱処理装置等の各種機器の使用、或いは専門職による肌触り、風合い等の人間の五感による判断を行う。
図2は、上記買い取り業者が分析器SB1を持たない場合、又は分析器SB1では持ち込み商品の分析データが取得できない場合のシステムの構成を示す。基本的には図1に示すシステムと同じであるが、買い取り業者SBが売却希望者SAの商品を一時的に預かり、この預かり商品自体を判定センターSCに配送し、判定センターSCは商品の現物についてその真正度を判定する。このシステムは、前述したように、買い取り業者SBが分析器SB1を持たない場合や商品が革製品、布製品等の分析器SB1では対処できない場合の外、分析器SB1は保有するが、買い取り業者SB側で、商品の真正度をより詳細に判定する必要性を感じた場合などに効果的なシステムである。
商品を受け取った判定センターSCは、前述のとおり商品を色差計、顕微鏡、フーリエ変換赤外線分光光度計、雰囲気熱処理装置等の各種機器の使用、或いは肌触り、風合い等の人間の五感による判断を行う。
真正度の判定結果は、インターネット、直通ラインによって買い取り業者SBにデータ通信しても良いが、判定センターSCの押印、判定者責任者のサイン等を付した判定書を買い取り業者SBに対して商品の返却と共に、或いは郵送などで別途送付する。買い取り業者SBは判定センターSCの判定結果に基づいて預かった商品の買い取り(質入れ)の可否、買い取り(質入れ)の場合は買い取り価格(貸出金額)を決めて、売却希望者(質入れ希望者)に提示する。また、買い取り(質入れ)拒否を決めたときは場合によっては判定センターSCからの判定書を売却希望者(質入れ希望者)に提示しても良い。
以下は、商品の真正度を判定するシステムであって、図1、図2に示される商品の二次流通市場に設置されるものである。
図3は商品の真正度を判定するシステムの構成の一例を示す。
符号1は真正度の判断を行う演算部である。ここで、前記記述を含めて「真正度」とは対象商品が真正品であるか否かの確率(指標)を数値表現或いは、ランクA、B、C・・・等これに類似したランク付けを言うこととする。より具体的には例えば真正度50パーセント以下は模造品である可能性がかなり高い、50パーセント以上80パーセントはグレーゾーンであるが、パーセンテージが高くなれば真正品の可能性が高い範囲、80パーセント以上から95パーセントの間はほぼ真正品であると考えられる範囲等と設定することを示す。
図3は商品の真正度を判定するシステムの構成の一例を示す。
符号1は真正度の判断を行う演算部である。ここで、前記記述を含めて「真正度」とは対象商品が真正品であるか否かの確率(指標)を数値表現或いは、ランクA、B、C・・・等これに類似したランク付けを言うこととする。より具体的には例えば真正度50パーセント以下は模造品である可能性がかなり高い、50パーセント以上80パーセントはグレーゾーンであるが、パーセンテージが高くなれば真正品の可能性が高い範囲、80パーセント以上から95パーセントの間はほぼ真正品であると考えられる範囲等と設定することを示す。
本システムは真正品データと対象商品のデータを直接比較するものであり、対象商品が真正品であっても保管状態により、或いは質入れ品であれば経年劣化、使用状態等により特徴が変化すること、一方真正品データの入力対象である真正品であっても例えば製造ロットの違い等により個々の商品については僅かな特徴の相違が生じることも考えられるため、データの基礎となった真正品についての真正品データは厳密に判断すれば唯一絶対の真正品データではないので、本システムとしては基本的には100パーセント真正品とする判断を行なわないよう構成する。
真正品2は分析手段Aである分析手段3において対象部分毎にその特徴が分析されこの分析データ4が真正品データベース5に格納される。この真正品データベース5には商品製造者6の各商品の種類毎に個々の特徴が格納されている。例えばA社のA´ブランドの婦人用バックの生地の色彩、金具の形状、金具の表面粗さ、縫製間隔、B社のB´ブランドの紳士靴の革の色彩、靴紐の表面形状、鳩目の金属の素材等のように各社の各商品の種類毎に個々の特徴が真正品データベース5に格納されている。
なお、システムの構成上、本システムにおける真正品データベース5の構築の対象となる真正品2は絶対的に真正品であることを保証されている必要がある。このためシステム構築者は分析対象となる真正品2をこの真正品を製造或いは販売している商品製造業者6から直接購入するか或いは借入するなどして真正品データの信頼性を保証しておく必要がある。
一方真正度の判断を必要とする対象商品7について別の分析手段Bである分析手段8により対象部分毎に分析され、複数の対象部分の分析結果のうち、個々の分析データ9を予め定められた部分の特徴と対応する真正品データと比較手段10において個別に比較判断する。判断方法としては分析データ9と真正品データベース5から引き出した真正品データの一致度を例えば0パーセントから100パーセーントの指標で表現したり、またこの方法に変えてしきい値11を設定して両データの相違が予め設定されたしきい値内であればデータ一致とする等の方法で判断する。
中央処理部12はこのようにして比較手段10から出力された個々のデータの一致度合いを総合的に判断して最終的に対象商品7の真正度を表示手段13に表示する。
以上の説明においては、真正品2の分析及びデータの蓄積及び対象商品7の分析と個々のデータの比較判断を、一か所に配置した一つの演算手段により構成する状態を示している。
この構成は、真正品のデータベース5を構成しかつ所有している機関(判定センター)に対して対象商品7を直接持ち込んで判断する場合には有効であるが、買い取り店や質屋等直接商品を取り扱っている現場では事実上実施困難である。つまり、現場においては真正品データベース5の構築の対象である商品が絶対的に真正品であることの証明が困難であること、および所謂ブランド品は高価なものが多くデータ構築のためにその都度真正品を購入することは非現実的である。
従って、第1の方法として、符号1Aで示す範囲の分析手段3、分析データ4、真正品データベース5は真正品のデータを作成した特定の機関(判定センター)に配置し、販売店や質屋などの現場に設置されたパソコンによりインターネット等の通信手段を介して判定センターの真正品データベース5にアクセスして所定の真正品データを取得して現場のパソコンにおいて対象商品7の真正度を判断する方法が考えられる。
なお、この方法の変形例として真正品データベース5をCDやDVD等の媒体を介して判定センターが現場に配布し、このデータがインストールされた現場のパソコンにより真正度を、判定センターを介さず現場で独立して判断するよう構成することも可能である。何れの方法も現場は真正品データ構築の負担を免れることができる。
第2の方法として、前記符号1Aの範囲の部分に加えて符号1Bで示す範囲に設置された比較手段10、中央処理部12、しきい値設定手段11も判定センターに設置し、現場は分析手段8により分析した対象商品7の分析結果を判定センターに出力し、当該判定センターにおいて対象商品7の真正度を判断し、判断された真正度を現場の表示手段13に出力する方法もある。この方法は現場の負担を最も軽減させる方法である。
図4は上記構成における対象商品の真正度を判定する工程の一例を示す。
同図において、先ず対象商品7の個々の部分についてその特徴を分析する(S1)。このようにして分析した個々のデータのうちから先ず最初の分析対象のデータを選択する。例えば対象商品が鞄の場合は(1)鞄の生地を成す皮革或いは布の色彩の分析、(2)素材の有機物質の分析、(3)素材の無機物質の分析、(4)金具の表面形状の分析等の特徴を分析したとすれば、これらの分析結果を(1)から降番で例えば3個のデータを比較すると設定する(S2)。
同図において、先ず対象商品7の個々の部分についてその特徴を分析する(S1)。このようにして分析した個々のデータのうちから先ず最初の分析対象のデータを選択する。例えば対象商品が鞄の場合は(1)鞄の生地を成す皮革或いは布の色彩の分析、(2)素材の有機物質の分析、(3)素材の無機物質の分析、(4)金具の表面形状の分析等の特徴を分析したとすれば、これらの分析結果を(1)から降番で例えば3個のデータを比較すると設定する(S2)。
次に対象商品7の最初のデータ(1)を選択出力し(S3)、このデータ(1)に対応する真正品のデータ、即ち「真正品の鞄の生地を成す皮革或いは布の色彩」のデータを前記真正品データベース5から出力し(S4)、この真正品データと前記データ(1)とを比較し(S5)、その一致度合いがしきい値内であるか否かを判断する(S6)。
前記設定では比較するデータは3個(比較判断3回)に設定されているので、その範囲内で先ず比較判断が行われる。ステップ5における第1の比較判断においてその一致度がしきい値内であればステップ3に戻って新たに選択された(2)のデータとこのデータに対応する真正品データとを比較する(S5)。この手順を繰り返して設定された回数の比較が行われた否かを判断し(S7)、所定回数行った各比較判断がしきい値内である場合には当該対象商品の真正度を例えば真正度85パーセント等のように表示する(S8)。
一方前記ステップS6において、データの一致度がしきい値外となった場合にはステップS9のデータ選択回数のチェックをうけた後、ステップ3に戻り次のデータ「(2)素材の有機物質の分析結果データ」を真正品データベース5から引き出された「真正品の素材の有機物質の分析結果データ」と比較する。この作業を所定回数(予め設定した数+N回)繰り返して所定回数か否かの判断を行う(S9)。この場合、例えば前記データ(4)の分析結果を加えて3回プラス1回とし、4回しきいち値外であるとする結果となったときに真正品ではないという判断に近い「同定できず」の評価を行う(S10)。
一方このフローには示されていないがS9のステップを回った4回の比S5のステップにおいて一つのデータの一致度が99パーセント等の高い値た場合には、ステップS10の「同定できず」に代えて、ステップS7を通過してステップ8に至り、例えば真正度75パーセント等と表示するよう構成してもよい。
図5は商品毎の分析手段、分析対象を具体的に示したものである。
対象商品14のうち符号14Bから14Eに示す商品のほぼ全ての商品14Aについて分析手段15として色差計15Aを用い、分析対象16のうち16Aとして顔料、印刷や染め付けの色の違い等を分析する。このようにして、各対象商品14B乃至14Eに対応して分析手段FT−IR(15B)、蛍光X線分析計(15C)、実態顕微鏡(15D)、熱処理雰囲気装置(15E)が用いられ、対象となった有機物質(16B)、無機物質(16C)、表面形状等(16D)、耐熱性(16E)が分析される。なお、対象商品14Aを含めて14Bから14Eの商品の少なからぬ部分が重複しているのは、各商品が複数の分析手段によりそれぞれ分析されることを示している。
対象商品14のうち符号14Bから14Eに示す商品のほぼ全ての商品14Aについて分析手段15として色差計15Aを用い、分析対象16のうち16Aとして顔料、印刷や染め付けの色の違い等を分析する。このようにして、各対象商品14B乃至14Eに対応して分析手段FT−IR(15B)、蛍光X線分析計(15C)、実態顕微鏡(15D)、熱処理雰囲気装置(15E)が用いられ、対象となった有機物質(16B)、無機物質(16C)、表面形状等(16D)、耐熱性(16E)が分析される。なお、対象商品14Aを含めて14Bから14Eの商品の少なからぬ部分が重複しているのは、各商品が複数の分析手段によりそれぞれ分析されることを示している。
次に本発明との関連において上記分析手段(分析装置)について構成・機能等の概略を説明する。
〔色差計(分光測色計)15A〕
(原理)
光源から出た光はその光源特有のエネルギー分布を有しており、この光が対象商品に当たる。対象商品の塗料、顔料等により当該対象商品において前記光の一部又は全部が吸収され、吸収を受けた光源の光が人の目に入り対象商品の色彩として知覚される。この対象商品において吸収された光はスリットを通過して回折格子へ入り分光され、その光が多段構成(20〜40)の受光器に入り光電流に変換され、電子回路内でデジタル化されて分光データ(数値)として出力される。
(色差)
予め設定された真正品の分光データと上記対象商品の分光データとを比較して色差を計算する。この色差が予め設定されているしきい値以内であるか否かを判断して対象商品の真正度を判断する。これにより対象商品と真正品の顔料、印刷や染め付けの相違(16A)の有無等を判断する。
(原理)
光源から出た光はその光源特有のエネルギー分布を有しており、この光が対象商品に当たる。対象商品の塗料、顔料等により当該対象商品において前記光の一部又は全部が吸収され、吸収を受けた光源の光が人の目に入り対象商品の色彩として知覚される。この対象商品において吸収された光はスリットを通過して回折格子へ入り分光され、その光が多段構成(20〜40)の受光器に入り光電流に変換され、電子回路内でデジタル化されて分光データ(数値)として出力される。
(色差)
予め設定された真正品の分光データと上記対象商品の分光データとを比較して色差を計算する。この色差が予め設定されているしきい値以内であるか否かを判断して対象商品の真正度を判断する。これにより対象商品と真正品の顔料、印刷や染め付けの相違(16A)の有無等を判断する。
〔FT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)15B〕
フーリエ変換(FT)の対象となるIRとはinfrared absorption spectrometry(赤外吸収分析)の略であって、対象商品に赤外線を当て、吸収された赤外吸収スペクトルを測定することによって定性を行う分析方法の一つてある。有機物質は全て赤外域に固有の吸収スペクトルを持っているので図5の16Bに示すように有機物質の測定に用いられている。
(測定原理)
有機物質における原子同士の結合(距離、角度)は硬く固定されているわけではなく、バネでつながれているように柔らかい結合をしている。分子に赤外域のエネルギーを与え、このエネルギーが上記結合の振動エネルギーと一致すると振動は共鳴して増大する。このとき吸収された赤外エネルギー量を測定することによりその結合の種類(官能基)を知ることができる。この方法により対象商品の対象部分における有機物質の種類(16B)を分析することができる。
(使用する分光器/フーリエ変換分光器)
マイケルソン干渉計を用いて可動ミラーを一定速度で移動させると干渉波形が得られる。この波形は光源が白色で途中に対象商品を置いた場合には吸収スペクトルを含んだ複雑な波形が得られる(インターフェログラム)。これを波形解析手段であるフーリエ変換することにより吸収スペクトルを得ることができ、かつスリットを用いないため光源エネルギーを有効に用いることができ結果として高感度な有機物質の測定が可能となる。
フーリエ変換(FT)の対象となるIRとはinfrared absorption spectrometry(赤外吸収分析)の略であって、対象商品に赤外線を当て、吸収された赤外吸収スペクトルを測定することによって定性を行う分析方法の一つてある。有機物質は全て赤外域に固有の吸収スペクトルを持っているので図5の16Bに示すように有機物質の測定に用いられている。
(測定原理)
有機物質における原子同士の結合(距離、角度)は硬く固定されているわけではなく、バネでつながれているように柔らかい結合をしている。分子に赤外域のエネルギーを与え、このエネルギーが上記結合の振動エネルギーと一致すると振動は共鳴して増大する。このとき吸収された赤外エネルギー量を測定することによりその結合の種類(官能基)を知ることができる。この方法により対象商品の対象部分における有機物質の種類(16B)を分析することができる。
(使用する分光器/フーリエ変換分光器)
マイケルソン干渉計を用いて可動ミラーを一定速度で移動させると干渉波形が得られる。この波形は光源が白色で途中に対象商品を置いた場合には吸収スペクトルを含んだ複雑な波形が得られる(インターフェログラム)。これを波形解析手段であるフーリエ変換することにより吸収スペクトルを得ることができ、かつスリットを用いないため光源エネルギーを有効に用いることができ結果として高感度な有機物質の測定が可能となる。
〔蛍光X線分析計15C〕
対象商品に対してX線を照射すると、対象物質から原子特有のX線(特性X線)が発生する。この特性X線は蛍光X線と呼ばれ、この蛍光X線を調べることにより対象商品の所定部分に存在する元素の種類や量を求めることができる。このため無機物質の分析(16C)に適している。
対象商品に対してX線を照射すると、対象物質から原子特有のX線(特性X線)が発生する。この特性X線は蛍光X線と呼ばれ、この蛍光X線を調べることにより対象商品の所定部分に存在する元素の種類や量を求めることができる。このため無機物質の分析(16C)に適している。
〔実態顕微鏡15D〕
光学顕微鏡で対象商品の表面の形状、構造等を解析する。表面部分を拡大して観察することにより、対象商品の微細な表面形状(16D)の違いを検出することができる。
光学顕微鏡で対象商品の表面の形状、構造等を解析する。表面部分を拡大して観察することにより、対象商品の微細な表面形状(16D)の違いを検出することができる。
〔熱処理雰囲気装置15E〕
加熱手段を有し、対象商品を加熱することにより対象商品の変形や、割れの有無等を確認することより当該対象商品の耐熱性(16E)を真正品の耐熱データと比較分析する。従って対象商品はガラス器具、陶磁器、特定の金属製品等に限られる。
加熱手段を有し、対象商品を加熱することにより対象商品の変形や、割れの有無等を確認することより当該対象商品の耐熱性(16E)を真正品の耐熱データと比較分析する。従って対象商品はガラス器具、陶磁器、特定の金属製品等に限られる。
以上の構成において、例えば対象商品が鞄である場合には、分析手段として色差計15A、フーリエ変換赤外分光光度計15B、実態顕微鏡15Dを用いて、「顔料、印刷や染め付けの色の違い等」16A、「有機物質」16B、「表面形状等」16Dを分析し、かつ必要に応じて蛍光X線分析計15Cを用いて「無機物質」16Cを分析する。
以上の実施例では対象商品7を分析する分析手段8を商品販売店や質店等、商品を直接取り扱う現場に配置している構成を示したが、この分析手段8も前記中央機関に設置し、対象商品7を判定センターに持込み、この判定センターにおいて対象商品7の分析を行い、分析結果を買い取り業者の店舗や質店等の現場の表示手段13に表示するよう構成することも可能である。
上記の構成は対象商品7を現場から判定センターに送付する点において、時間と経費がかかるが、判定センターでのシステムの実行であれば対象商品7を分析する分析手段8もより高性能なものを設置可能であるため、真正度の判断の信頼性がより高いものとなる。例えば一つのロットの販売用の商品を複数仕入れて販売する場合において、同一ロットの商品のうちから特定の商品を無作為抽出して判定センターでこの対象商品の真正度の判断を行えば、商品全体の真正度の判断が可能となる等である。
上記実施例には真正品に対する対象商品の真正度を判断するためのシステムとして本発明を説明したが、例えば上記の分析手段を用いて宝石の等級を鑑定したり、或いは微細な電子部品の表面形状(傷の有無等)を分析して不良品を排除する等、量産品の品質保持などにも利用可能である。
Claims (5)
- 商品の二次流通市場における商品の売却希望者と、商品の買い取り業者と、商品の真正度を判断する機関である判定センターとの間に成立するシステムであって、判定センターはデータ通信システムを介して買い取り業者から送信される対象商品の分析データ、又は輸送手段を介して送付された当該対象商品の現物により、対象商品の真正度を判定し、この判定結果を買い取り業者にデータ通信システムにより送信し、或いは判定結果を記載した判定書を送付し、買い取り業者はこの真正度の判定結果に基づいて商品の買い取りの可否及び買い取り価格を決めることができることを特徴とする商品の二次流通市場における商品の買い取り可否判定システム。
- 前記システムを構成する者のうち買い取り業者は質屋であり、商品の買い取り希望者は商品の質入れを希望する者であることを特徴とする請求項1記載の商品の二次流通市場における商品の買い取り可否判定システム。
- 前記買い取りの可否を判断する前提となる商品の真正度を判断するシステムであって、真正であることが保証されている真正品を分析する1以上の分析手段と、この分析手段によりそれぞれ分析された1以上の分析データを真正品の種類毎に格納する真正品データベースと、対象商品を分析する1以上の分析手段と、この分析手段により分析された個々の対象商品分析データを当該対象商品と同じ種類の真正品データと比較する手段とを有し、対象商品分析データの1以上を対応する真正品データと比較することにより対象商品の真正度を判断するよう構成したことを特徴とする真正度の判定システム。
- 真正であることが保証されている真正品を分析したデータが真正品データとして判定センターに格納され、対象商品を分析する手段は買い取り業者に配置され、当該分析手段は判定センターと情報授受可能に構成したことを特徴とする請求項3記載の真正度の判定システム。
- 判定センターにおける商品を分析する手段は色差計、フーリエ変換赤外分光光度計、蛍光X線分析計、実態顕微鏡、熱処理雰囲気装置のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の真正度の判定システム。
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KR20190119314A (ko) * | 2018-04-12 | 2019-10-22 | 안동현 | 리셀 상품의 온라인 거래 방법 및 시스템 |
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-
2014
- 2014-02-18 JP JP2014028422A patent/JP2015153296A/ja active Pending
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