JP2009265647A - 反射防止膜形成材料、およびこれを用いたレジストパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レジスト膜上に設けられる反射防止膜形成用組成物であって、(a)酢酸ビニル構成単位を有する水溶性樹脂及び(b)下記式で表される構成単位を有する化合物を含む反射防止膜形成用組成物による。
[式中、R1及びR2は直接結合又はメチレン鎖、R3及びR4は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は−(CH2)n−O−R5−R6基であって、R3及びR4の少なくとも1つは−(CH2)n−O−R5−R6基であり、R5は直接結合又は−O−で中断されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン鎖、R6は一部又は全ての水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基、nは0〜10の整数を表す。]
【選択図】なし
Description
本発明の反射防止膜形成用組成物は、(a)酢酸ビニル構成単位を有する水溶性樹脂(以下、「(a)水溶性樹脂」ともいう。)及び後述する所定のフッ素化合物(以下、「(b)フッ素化合物」ともいう。)を含む。さらに、本発明の反射防止膜形成用組成物は、界面活性剤、含窒素化合物及び酸化合物を含有してもよい。
本発明の反射防止膜形成用組成物は、酢酸ビニル構成単位を有する水溶性樹脂を含む。酢酸ビニル構成単位を有する水溶性樹脂を後述するフッ素化合物と組み合わせることにより、反射防止膜形成用組成物が優れた保存安定性を有することができる。また、形成される反射防止膜は、PFOSと同等の光学特性を有することができる。さらに、この水溶性樹脂は、照射光に対して透過性を有し、i)スピン塗布法等慣用的な塗布手段により均一な塗膜を形成することができること、ii)レジスト膜上に塗布しても、レジスト膜との間に変質層を形成しないこと、iii)活性光線を十分に透過することができること、iv)吸収係数の小さい透明性の高い反射防止膜を形成できること等の特性を有する。このような特性は、(a)水溶性樹脂がさらにビニル系構成単位及びアクリル酸系構成単位から選ばれる少なくとも1種の構成単位を含むことにより向上させることも可能である。なお、本明細書で「構成単位」とは、重合体を構成する単位であって、主としてモノマーから誘導されるものを表す。
(フッ素化合物の構造)
本発明の反射防止膜形成用組成物は、(b)下記一般式(1)で表される構成単位を有するフッ素化合物を含む。
また、(a)酢酸ビニル構成単位を有する水溶性樹脂は、(b)フッ素化合物1質量部に対して、0.1〜1質量部であることが好ましく、0.2〜0.75質量部であることが好ましい。この範囲内にすることにより、屈折率を好ましい範囲にすることができる。
(b)フッ素化合物は、下記、一般式(2)で表される環状エーテルを一の単量体として、従来公知の不活性化溶媒中において、重合反応を行うことにより得られるものである。当該不活性化溶媒としては、炭素数1〜6の炭化水素又はハロゲン化炭化水素を挙げることができ、具体的には、塩化メチレン、四塩化炭素、トリクロロメタン、クロロベンゼン及びジクロロエタン等を挙げることができる。重合反応は、BF3・エテレート、BF3・THF及びBF3・THPYRAN等のホウ素トリフルオライドの錯体;ホスホラスペンタフルオライド;アンチモンペンタフルオライド;塩化亜鉛;並びに臭化アルミニウム等のルイス触媒の存在下において行われ、好ましくはBF3・THFの存在下において行われる。開始剤としては、C−F結合、C−H結合又はその両者を含み、炭素数2〜5の1価又は2価のアルコールを用いることができる。当該アルコールとしては、具体的には、エチレングリコール、ブタン−1,4−ジオール、プロピレングリコール、イソブタン−1,3−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン及びメタノール等を挙げることができる。
本発明の反射防止膜形成用組成物は、通常、溶液の形で使用される。主に使用される溶媒は水であるが、アルコール系有機溶媒を添加することもできる。アルコール系有機溶媒を添加することにより、上記フッ素系界面活性剤の溶解性が向上して塗膜の均一性が改善される。このようなアルコール系有機溶媒の例として、イソプロピルアルコール、トリフルオロアルコール等が挙げられる。このアルコール系有機溶媒の添加量は、反射防止膜形成用組成物に添加する溶媒の全量に対して、15質量%以下の範囲で選択することが好ましい。
本発明の反射防止膜形成用組成物は、さらに、含窒素化合物を含有してもよい。含窒素化合物を含有することにより、pHを調整することができるとともに、保存安定性、レジスト膜とのマッチング性を良好にすることができる。本発明の反射防止膜形成用組成物においては、好ましいpHは、1〜7であり、pHをこの範囲内とすることにより、反射防止膜形成用組成物の保存安定性を良好に保つことができるとともに、反射防止膜とレジスト膜とのマッチング性を良好に保つことができる。上記pHは1〜5であることが更に好ましく、1〜3であることが特に好ましい。好適な含窒素化合物としては、例えば、第4級アンモニウム水酸化物、アルカノールアミン化合物及びアミノ酸誘導体を挙げることができる。
本発明の反射防止膜形成用組成物は、さらに、酸化合物を含有してもよい。酸化合物を含有することにより、前述の含窒素化合物の場合と同様にpHを調整することができる。好適な酸化合物としては、例えば、カルボン酸系化合物及びスルホン酸系化合物を挙げることができる。
本発明の反射防止膜形成用組成物は、さらに、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤を含有することにより、塗布性を高めることができる。界面活性剤として、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤を含有することにより、塗布性及び形成される反射防止膜の光学特性を更に向上することができる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、一般式(3)で表されるノニオン系界面活性剤を挙げることができる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、一般式(4)で表されるアニオン系界面活性剤を挙げることができる。
さらに、本発明の反射防止膜形成材料は、形成される反射防止膜の光学特性を更に向上させるために、フッ素系界面活性剤を含有してもよい。フッ素系界面活性剤は、下記一般式(5)から(8)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種である。
本発明のレジストパターン形成方法は、基板上にレジスト膜を形成し、当該レジスト膜の上に、本発明の反射防止膜形成用組成物を用いて反射防止膜を形成し、当該反射防止膜を介して当該レジスト膜に選択的に光を照射し、必要に応じて加熱処理を行い、照射後の当該レジスト膜を現像処理する前又は現像処理する際に、当該反射防止膜を除去し、レジストパターンを得るレジストパターン形成方法である。
本発明のレジストパターン形成方法において用いることのできるレジスト組成物としては、特に限定されるものではなく、通常使用されているものの中から任意に選ぶことができる。ポジ型、ネガ型のいずれのものも任意に使用することができるが、特に、感光性物質と被膜形成物質とからなるものであって、アルカリ水溶液に現像しやすいものが好適に用いられる。
レジスト膜及び反射防止膜の形成にあたっては、まず、Si、Cu及びAu等の基板上にレジスト組成物をスピンナー法により塗布し、加熱処理を行って溶媒を揮発させる。次いで、このレジスト膜上に、スピンナー法により本発明の反射防止膜形成用組成物を塗布し、加熱処理を行ってレジスト膜上に反射防止膜を形成させる。なお、反射防止膜形成の際の加熱処理は必ずしも必要でなく、塗布のみで均一性に優れた良好な塗膜が得られる場合は加熱しなくてよい。
反射防止膜を形成させた後は、紫外線及び遠紫外線(エキシマレーザーを含む)等の活性光線を、反射防止膜を介してレジスト膜に選択的に照射した後、必要に応じて加熱処理を行い、次いで現像処理し、基板上にレジストパターンを形成する。
純水97.2質量部に、(a)水溶性樹脂としてビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体(ビニルピロリドン構成単位:酢酸ビニル構成単位=7:3(モル比)、質量平均分子量10000)を0.84質量部、(b)フッ素化合物として、上記化学式(1d’)で表される化合物(m=6、オムノバ・ソリューションズ社製)1.68質量部、ノニオン系界面活性剤として、「サーフィノール420」(エアプロダクツ社製)0.05質量部を添加した。この混合液に3−アミノ−1,2−プロパンジオールを添加してpH2.0に調整し、反射防止膜形成用組成物を得た。
3−アミノ−1,2−プロパンジオールに代えて、モノエタノールアミンを使用したほかは実施例1と同様に、反射防止膜形成用組成物を得た。
(a)水溶性樹脂をビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体(ビニルアルコール構成単位:酢酸ビニル構成単位=7:3(モル比)、質量平均分子量30000)に代えたほかは実施例1と同様に、反射防止膜形成用組成物を得た。
(a)水溶性樹脂をビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体(ビニルピロリドン構成単位:酢酸ビニル構成単位=8:2(モル比)、質量平均分子量80000)に代えたほかは実施例1と同様に、反射防止膜形成材料を得た。
溶媒を5質量%イソプロピルアルコール水溶液に代えたほかは実施例1と同様に、反射防止膜形成用組成物を得た。
テトラフルオロフタル酸0.2質量部をさらに加えた後、3−アミノ−1,2−プロパンジオールでpHを2.0に調整したほかは実施例1と同様に、反射防止膜形成用組成物を得た。
フッ素化合物を上記化学式(1c’)で表される化合物(m=6、オムノバ・ソリューションズ社製)に代えたほかは実施例1と同様に、反射防止膜形成用組成物を得た。
3−アミノ−1,2−プロパンジオールに代えて、ジエタノールアミンを使用したほかは実施例1と同様に、反射防止膜形成用組成物を得た。
3−アミノ−1,2−プロパンジオールに代えて、トリエタノールアミンを使用したほかは実施例1と同様に、反射防止膜形成用組成物を得た。
(a)水溶性樹脂に代えてポリヒドロキシエチルアクリレート(質量平均分子量200000)を0.84質量部用いたほかは実施例1と同様に、反射防止膜形成用組成物を得た。
(a)水溶性樹脂に代えてポリビニルピロリドン(質量平均分子量40000)を0.84質量部用いたほかは実施例1と同様に、反射防止膜形成用組成物を得た。
8インチのシリコンウエハにポジ型レジスト組成物として、「TDUR−P3435(商品名)」(東京応化工業社製)を、スピンナーを用いて塗布した後、90℃で60秒間加熱処理し、膜厚310nmのレジスト膜を得た。このレジスト膜上に、スピンナーを用いて、実施例1〜5のいずれか又は比較例1、若しくは2で得られた反射防止膜形成用組成物を塗布し、60℃で60秒間加熱処理を行った。反射防止膜の膜厚は44nmとした。
実施例1〜10並びに比較例1及び2により調製した反射防止膜形成用組成物について、リキッド・パーティクル・カウンター(Rion 社製、製品名:パーティクルセンサー KS−41)を用いて、反射防止膜形成用組成物形成後と、室温で1ヶ月保存した後との反射防止膜形成用組成物中の粒子粒径分布を測定した。結果を表2に示す。
Claims (10)
- レジスト膜上に設けられる反射防止膜を形成するための反射防止膜形成用組成物であって、
(a)酢酸ビニル構成単位を有する水溶性樹脂及び(b)下記一般式(1)で表される構成単位を有する化合物を含む反射防止膜形成用組成物。
- 前記(a)水溶性樹脂がさらにビニル系構成単位及びアクリル酸系構成単位から選ばれる少なくとも1種の構成単位を含む、請求項1に記載の反射防止膜形成用組成物。
- 前記ビニル系構成単位がビニルピロリドン構成単位である、請求項2に記載の反射防止膜形成用組成物。
- 前記(a)水溶性樹脂が0.1質量%〜10質量%含まれる、請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止膜形成用組成物。
- 前記(a)水溶性樹脂の質量平均分子量が3000〜500000である、請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止膜形成用組成物。
- 前記(b)成分が0.1質量%〜10質量%含まれる、請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止膜形成用組成物。
- 水を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止膜形成用組成物。
- さらに、含窒素化合物を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の反射防止膜形成用組成物。
- 前記含窒素化合物は、第4級アンモニウム水酸化物、アルカノールアミン化合物及びアミノ酸誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項8に記載の反射防止膜形成用組成物。
- 基板上にレジスト膜を形成し、
前記レジスト膜の上に、請求項1〜9のいずれかに記載の反射防止膜形成用組成物を用いて反射防止膜を形成し、
前記反射防止膜を介して前記レジスト膜に選択的に光を照射し、必要に応じて加熱処理を行い、
照射後の前記レジスト膜を現像処理する前又は現像処理する際に、前記反射防止膜を除去し、レジストパターンを得るレジストパターン形成方法。
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