JP2009263477A - 硬化性組成物及びその架橋ゴム - Google Patents

硬化性組成物及びその架橋ゴム Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、硬化により振動、衝撃吸収性能の高い架橋ゴムを与える成形性に優れた硬化性組成物を提供することにある。さらに詳しくは、動的粘弾性装置により20℃、100Hzの条件下で測定される損失正接(tanδ)の値が0.3を超える架橋ゴムを与える成形性に優れた硬化性組成物を提供することが目的である。
【解決手段】 (A)1分子中に少なくとも平均1個を超え、3個以下のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体、(B)1分子中に平均3個を超えるヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒を必須成分とする硬化性組成物であり、[(B)成分中のヒドロシリル基の総量]/[(A)成分中のアルケニル基の総量]が0.5以上0.8以下であることを特徴とする硬化性組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化反応により高い振動減衰性を有する架橋ゴムを形成する硬化性組成物、及びその架橋ゴムに関する。さらに詳しくは、硬化後のゴムにおいて、動的粘弾性装置により20℃、100Hzの条件下で測定される損失正接(tanδ)の値が0.3を超える硬化性組成物、及びその架橋ゴムに関する。本発明の硬化性組成物から得られる架橋ゴムは、成形性に優れるとともに、高い振動減衰性を有するゴム弾性体であり、低温ゴム弾性、低圧縮永久歪などの優れた特徴を有することから、電気・電子、自動車、エネルギー、医療などの様々な分野において、振動吸収性、衝撃吸収性などが求められる幅広い用途に利用できる。
従来より、(A)1分子中に少なくとも平均1個を超えるアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体と、(B)1分子中に平均3個以上のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒からなるポリオキシアルキレン系硬化性組成物が知られている。このような組成物は、付加反応を利用していることから、比較的低温で硬化させることが可能であるほか、硬化速度が速く、硬化時の収縮が小さいこと、さらに硬化前は流動性を有していることから、幅広い成形方法に適用できるなど、硬化材料として優れた特徴を有しており、成形体、接着剤・粘着剤、塗料、塗膜防止剤、シーリング剤、発泡体シーリング剤、電気・電子用ポッティング剤、フィルム、化粧品、医療用成形品、歯科用印象剤など、種々の用途に有用であるとされている(特許文献1)。
中でも、前記組成物にシリカ微粉末、貯蔵安定性改良剤を必須成分とする組成物は、充分な機械的特性を有するゴム成形体の提供が可能であり、硬化前は高い流動性を有していることから、複雑形状や肉薄の成形にも適している。さらに、成形ゴムとしては低温とされる120℃程度の成形温度でも十分に硬化させることが可能であり、熱可塑性樹脂との複合成形などにも適用できる、優れた成形用材料であることが示されている。
このような成形ゴムとしては、従来より液状シリコーンゴムが知られており、幅広い分野において様々な用途に使用されている。
一方、近年、音、振動を抑制したいとの要求は益々高まり、その要求内容も幅を広げている。特に光・磁気ディスクなどの回転体を内蔵する精密電子部品、すなわちパーソナルコンピューターやポータブルオーディオ、携帯電話などの携帯化が進んでおり、その耐久性、信頼性に対する要求が高まっている。また、自動車など振動する車両に搭載する機会も増えている。これらの電子機器は、そのもの自体の振動を抑える工夫とともに、外的な衝撃や振動から防御するといった工夫も必要となる。
このような振動抑制、振動絶縁、衝撃吸収などの対策の多くには通常ゴムが使用されている。中でも、動的粘弾性装置により測定される損失正接(tanδ)が高いゴムは、振動減衰性能が優れることから、振動吸収、衝撃吸収を目的に使用されており、その代表的なものとして、ブチルゴムなどが知られている。しかし、ブチルゴムなど従来のゴムは、硬化前は流動性の乏しい固形ゴムであるほか、硫黄や樹脂加硫といった架橋方式から、高い成形温度を要するとされている。
一方、前記ポリオキシアルキレン系硬化性組成物や液状シリコーンゴムは、成形性に優れるものの、その損失正接(tanδ)は必ずしも高くはない。前者に関しては、シリカ微粉末を配合した架橋ゴムが制振性に優れ、機械的強度に優れた制振遮音材料として適用
できると示されているが、常温下で測定された損失正接(tanδ)は0.2〜0.3の範囲に過ぎない(特許文献2)。また、後者に関してもタイプAデュロメーター硬度40°のシリコーンゴムの値は0.2程度に留まる。
特許第3472340号公報 特開平06−256640号公報
近年、様々な分野において、振動吸収、衝撃吸収の要求が高まる中、前記ポリオキシアルキレン系硬化性組成物から得られる架橋ゴムや液状シリコーンゴムなど、成形性に優れる架橋ゴムの振動、衝撃吸収性能を高めることは、振動吸収、衝撃吸収材料の新たな応用展開にあたって有意義である。
本発明の目的は、硬化により振動、衝撃吸収性能の高い架橋ゴムを与える成形性に優れた硬化性組成物を提供することにある。さらに詳しくは、動的粘弾性装置により20℃、100Hzの条件下で測定される損失正接(tanδ)の値が0.3を超える架橋ゴムを与える成形性に優れた硬化性組成物を提供することにある。
本発明者は種々の検討を行った結果、(A)1分子中に少なくとも平均1個を超え、3個以下のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン重合体、(B)1分子中に平均3個以上のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒を必須成分としてなる硬化性組成物を硬化させて得られる架橋ゴムとして、動的粘弾性装置により20℃、100Hzの条件下で測定される損失正接(tanδ)の値が0.3を超える、振動吸収、衝撃吸収性能が高い架橋ゴムを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明は、
1).
(A)1分子中に少なくとも平均1個を超え、3個以下のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体
(B)1分子中に平均3個を超えるヒドロシリル基を有する化合物
(C)ヒドロシリル化触媒
を必須成分とする硬化性組成物であり、[(B)成分中のヒドロシリル基の総量]/[(A)成分中のアルケニル基の総量]が0.5以上0.8以下であることを特徴とする硬化性組成物、
2).硬化性組成物を硬化させて得られたゴムの、JIS K 6394に規定される動的性質試験方法に基づき、動的粘弾性装置により20℃、100Hzの条件下で測定される損失正接(tanδ)の値が0.3を超えることを特徴とする1)に記載の硬化性組成物、
3).硬化性組成物を硬化させて得られたゴムの、JIS K 6262に規定される、圧縮率25%、試験温度70℃、試験時間22時間の圧縮永久ひずみが20%以下であることを特徴とする1)または2)に記載の硬化性組成物、
4).前記(A)成分であるアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体の数平均分子量が5,000から30,000である1)〜3)のいずれか1項に記載の硬化性組成物、
5).前記(B)成分であるヒドロシリル基を有する化合物が、オルガノハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする1)〜4)のいずれか1項に記載の硬化性組成物、
6).(D)成分として、可塑剤及び/または粘着性付与樹脂を含有する1)〜5)のいずれか1項に記載の硬化性組成物、
7).1)〜6)のいずれか1項に記載の硬化性組成物を、加熱成形することにより得られる架橋ゴム、
8).1)〜6)のいずれか1項に記載の硬化性組成物を、液状射出成形機により成形することにより得られる架橋ゴム、
に関する。
本発明の硬化性組成物は、成形性に優れるとともに、硬化により振動、衝撃吸収性能の高い架橋ゴムを与えるものである。さらに詳しくは、複雑形状や肉薄の成形が容易であり、熱可塑性樹脂との複合成形などにも適用できる優れた成形性を有しており、硬化後は、動的粘弾性装置により20℃、100Hzの条件下で測定される損失正接(tanδ)の値が0.3を超える架橋ゴムを与える硬化性組成物である。
本発明の(A)成分である、1分子中に少なくとも1個を超え、3個以下のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体としては特に制限はなく、各種のものを用いることができる。具体的には、重合体の主鎖が、一般式(1)で示される繰り返し単位を有するものがあげられる。一般式(1):
−R−O− (1)
(式中、Rは2価のアルキレン基)
一般式(1)におけるRは、炭素数1から14の、さらには2から4の、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基が好ましい。一般式(1)で示される繰り返し単位の具体例としては、−CHO −、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCH (C)O−、−CHC(CHO−、−CHCHCHCHO−等が挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。特に、入手性、作業性の点から、−CHCH(CH)O−を主な繰り返し単位とする重合体が好ましい。また、重合体の主鎖にはオキシアルキレン基以外の繰り返し単位が含まれていてもよい。この場合、重合体中のオキシアルキレン単位の総和は、80重量%以上、特には90重量%以上が好ましい。
(A)成分の重合体の構造は、直鎖状の重合体でも分岐を有する重合体でもよく、また、その混合物でもよいが、良好な粘着性を得るため、直鎖状の重合体を50重量%以上含有することが好ましい。
(A)成分の重合体の分子量は、数平均分子量で1,000 〜70,000が好ましく、3,000 〜50,000がさらに好ましく、5,000〜30,000が特に好ましい。数平均分子量が1,000未満のものでは、得られる架橋ゴムの振動、衝撃吸収性能は乏しくなるとともに、硬く脆い傾向にあり良好なゴムとしての弾性に欠ける。逆に数平均分子量が70,000を超えると高粘度になりすぎて組成物の取り扱いが著しく低下するため好ましくない。数平均分子量は、各種の方法で測定可能であるが、通常、ポリオキシアルキレン系重合体の末端基分析からの換算や、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法での測定が一般的である。本発明の(A)成分の分子量は特に断らない限りGPC法により測定したポリスチレン換算値を記すこととする。
(A)成分の重合体のMw/Mnは1.6以下であることが好ましい。1.6を超えるものでは粘度が高くなりすぎ取り扱いが困難となるため好ましくない。1.5以下であることが好ましく、更に1.4以下であることが作業性確保の点から特に好ましい。
(A)成分中のアルケニル基としては特に制限はないが、下記の一般式(2)で示され
るアルケニル基が好適に用いられる。一般式(2):
C =C(R)− (2)
(式中、Rは水素又はメチル基である)
アルケニル基のポリオキシアルキレン系重合体への結合様式としては特に制限はないが、たとえば、アルケニル基の直接結合、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、ウレア結合等が挙げられる。
(A)成分の重合体の具体例としては一般式(3):
[HC =C(R)−R−O] (3)
(式中、Rは水素又はメチル基、Rは炭素数1 〜20の2価の炭化水素基であって、1個以上のエーテル基が含まれていてもよい、Rはポリオキシアルキレン系重合体残基であり、aは正の整数である。)で示される重合体が挙げられる。Rは具体的には、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CHCHCHCH−,−CHCHOCHCH −、または−CHCHOCHCHCH−などを挙げることができる。合成上の容易さからは−CH −が好ましい。
(A)成分の重合体の他の具体例としては一般式(4):
[HC=C(R)−R−OC(=O)] (4)
(式中、R ,R,R 及びa は上記と同じ)で示されるエステル結合を有する重合体が挙げられる。
また、次の一般式(5):
[HC =C(R)] (5)
(式中、R、R及びa は上記と同じ)で示される重合体も挙げられる。さらに、次の一般式(6):
[HC =C(R)−R−OC(=O)O] (6)
(式中、R、R、R及びaは上記と同じ)で示されるカーボネート結合を有する重合体も挙げられる。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)の重合方法は、特開昭50−13496号等に開示されるオキシアルキレンの通常の重合法(苛性アルカリを用いるアニオン重合法)、特開昭50−149797号等に開示されるこの重合体を原料とした鎖延長反応方法による重合法、特開平7−179597号等に開示されるセシウム金属触媒を用いる重合法、特開昭61−197631号、特開昭61−215622号、特開昭61−215623号、特開昭61−218632号に開示されるポルフィリン/アルミ錯体触媒を用いる重合法、特公昭46−27250号及び特公昭59−15336号等に開示される複合金属シアン化物錯体触媒を用いる重合法、特開平10−273512号等に開示されるポリフォスファゼン塩からなる触媒を用いる重合法等により得ることができる。
実用上、触媒の入手性、重合の安定性の点から、複合金属シアン化物錯体触媒を用いる方法が好ましい。複合金属シアン化物錯体触媒の製法は、公知の方法が利用可能である。例えば、米国特許第3278457号、同3278459号、同5891818号、同5767323号、同5767323号、同5536883号、同5482908号、同5158922号、同4472560号、同6063897号、同5891818号、同5627122号、同5482908号、同5470813号、同5158922号等に記載の方法が好ましい。
1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)の合成方法は、ポリオキシアルキレン系重合体を製造するための通常の重合法(苛性ア
ルカリを用いるアニオン重合法)や、この重合体を原料とした鎖延長反応方法のほか、特開昭61−197631号、特開昭61−215622号、特開昭61−215623号、特開昭61−218632号、特公昭46−27250号及び特公昭59−15336号などに記載された方法により得ることができる。
ポリオキシアルキレン系重合体にアルケニル基を導入する方法については、種々の方法を用いることができる。たとえば、アリルグリシジルエーテルのようなアルケニル基を有するモノマーとオキシアルキレンモノマーとの共重合によって導入することができる。また、主鎖あるいは側鎖に水酸基、アルコキシド基等の官能基を有するオキシアルキレン重合体に、これらの官能基に対して反応性を有する官能基及びアルケニル基を有する有機化合物を反応させることによって、アルケニル基を主鎖あるいは側鎖に導入することができる。特にアルケニル基が重合体の主鎖末端に存在する場合には、硬化物における有効網目鎖長が大きくなり、機械的特性に優れた硬化物を得ることができる点から好ましい。
上記の水酸基、アルコキシド基等の官能基に対して反応性を有する官能基及びアルケニル基を有する有機化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸クロライド若しくはアクリル酸ブロマイド等の炭素数3〜20の不飽和脂肪酸の酸ハライド、酸無水物、アリルクロロホルメート、アリルクロライド、アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリル(クロロメトキシ)ベンゼン、1 −ブテニル(クロロメチル)エーテル,1 −ヘキセニル(クロロメトキシ)ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼン等が挙げられる。
アルケニル基は、重合体(A)1分子中に平均1個を超える、平均3個以下存在するのがよく、平均1.2個以上、2.8個以下がさらに好ましい。重合体(A)1分子中に含まれるアルケニル基の数が平均1個以下になると、硬化性が不充分になるほか、得られる網目構造が不完全なものとなり、良好な成形体が得られない。また、1分子中に含まれるアルケニル基が3個を超えると網目構造があまりに密となるため、得られる成形体の損失正接を高めることが難しく、また硬く脆くなり好ましくない。
本発明における(B)成分である1分子中に平均3個を超えるヒドロシリル基を有する化合物としては、ヒドロシリル基を有するものであれば特に限定されず、このなかでも原材料の入手が容易なこと、(A)成分への相溶性が良好なことなどから、有機基で変性されたオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。(B)成分のヒドロシリル基の個数は平均で3個を超えていればよく、ヒドロシリル基を1個しか有しない化合物を含んでいても全体を平均して3個を超えていればよい。ヒドロシリル基の個数は平均して3.2個以上10個以下がより好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、公知の鎖状または環状オルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができ、(A)成分との相溶性の観点からは、芳香族環含有鎖状または環状オルガノハイドロジェンシロキサンが好適である。
前記のヒドロシリル基を有する化合物(B)の数平均分子量としては、400〜3,000のが好ましく、500〜1,000がより好ましい。数平均分子量が400未満の(B)成分の化合物を使用した硬化性組成物は、加熱硬化時に(B)成分が揮発して十分な硬化物が得られなくなる傾向があり、数平均分子量が3,000を超える(B)成分の化合物を使用した硬化性組成物は、十分な硬化速度が得られなくなる傾向がある。
また、これら(B)成分の化合物は、(A)成分の重合体との相溶性が良好なものが好ましい。特に硬化性組成物の粘度が低い場合には、(B)成分に相溶性の低いものを使用
すると、貯蔵中などに相分離が起こり硬化不良を引き起こす傾向がある。
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては特に限定されず、たとえば、下記の構造式等で示される鎖状又は環状の化合物があげられる。
Figure 2009263477
(式中、1<b+c≦40、1<b≦20、0<c≦38である。Rは、主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基である。なお、Rは炭化水素基中に1個以上のフェニル基を有していてもよい。)、
Figure 2009263477
(式中、0≦d+e≦40、0≦d≦20、0<e≦38である。Rは、主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基である。なお、Rは炭化水素基中に1個以上のフェニル基を有してもよい。)、又は、
Figure 2009263477
(式中、3≦f+g≦20、1<f≦20、0<g≦18である。Rは、主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基である。なお、Rは炭化水素基中に1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
(A)成分及び(C)成分との相溶性、又は、分散安定性および硬化速度が比較的良好
な(B)成分としては、とくに限定されず、たとえば、下記の構造式で示される化合物があげられる。
Figure 2009263477
(式中、1<k+l≦20、1<k≦19、0<l≦18であり、Rは炭素数8以上の炭化水素基である。)
好ましい(B)成分の化合物の具体的例としては、(A)成分との相溶性確保と、ヒドロシリル基量の調整を目的に、メチルハイドロジェンポリシロキサンを、α−オレフィン、スチレン、α−メチルスチレン、アリルアルキルエーテル、アリルアルキルエステル、アリルフェニルエーテル、アリルフェニルエステル等により変性した化合物があげられ、一例として、以下の構造式で示される化合物があげられる。
Figure 2009263477
(式中、1<p+q≦20、1<p≦19、0<q≦18である。)
また、分子中に2個以上のアルケニル基を有する低分子化合物でヒドロシリル基の一部が置換された鎖状または環状オルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することもできる。具体的には、過剰量の上記ヒドロシリル基含有化合物に対し、後述するヒドロシリル化触媒の存在下、分子中に2個以上のアルケニル基を有する低分子化合物をゆっくり滴下することにより得られる変性ヒドロシリル基含有化合物をヒドロシリル基含有化合物(B)として使用できる。分子中に2個以上のアルケニル基を有する低分子化合物としては、脂肪族炭化水素系化合物、エーテル系化合物、エステル系化合物、カーボネート系化合物、イソシアヌレート系化合物や芳香族炭化水素系化合物等が挙げられ、具体的には特開2006−291073号公報 段落[0094]記載の化合物を使用できる。
このような変性ヒドロシリル基含有化合物のうち、原料の入手容易性、過剰に用いたヒドロシリル基含有化合物の除去のしやすさ、さらには(A)への相溶性を考慮して、下記
のものが好ましく挙げられる。
Figure 2009263477
本発明における(B)成分であるヒドロシリル基含有化合物の使用量は、本発明の硬化性組成物から得られる架橋ゴムにおいて、高い振動、衝撃吸収性能と良好なゴム物性を両立させるために極めて重要な要件となる。 [(B)成分中のヒドロシリル基の総量]/[(A)成分中のアルケニル基の総量]の比率が低過ぎると、得られる架橋ゴムの動的粘弾性装置により測定される損失正接(tanδ)の値は大きく、振動、衝撃吸収性能は高くなるが、架橋密度が低いため、塑性変形し易く、圧縮永久歪は大きいゴムとなる。また、機械物性も乏しく、粘着性が高いため取り扱いも難しくなる。一方、該比率が高過ぎると、得られる架橋ゴムは架橋密度が高く、圧縮永久歪は小さく、機械物性も良好となるが、損失正接は低く、振動、衝撃吸収性能は乏しいものとなる。このように、高い振動、衝撃吸収性能と良好なゴム物性を両立させる目的から、本発明における[(B)成分中のヒドロシリル基の総量]/[(A)成分中のアルケニル基の総量]の比率は0.5以上0.80以下が好ましい。さらに好ましくは0.55以上0.75以下である。本発明では(B)成分中のヒドロシリル基の総量とは、(B)成分のヒドロシリル基を有する化合物のヒドロシリル基含有量(mol/g)に配合量(g)を乗じた量を表すものとする。また(A)成分中のアルケニル基の総量とは、(A)成分のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体のアルケニル基含有量(mol/g)に配合量(g)を乗じた量を表すものとする。
該比率が0.5を下回ると、前記したように、得られる架橋ゴムのtanδの値は大きくなるが、塑性変形し易く、成形時の脱型において成形体が変形する問題が生じる。また
、圧縮永久歪は大きくなり、機械物性も乏しく、ゴムとしての実用性に欠ける。また粘着性が高く、取り扱いも難しくなる。一方、該比率が0.80を上回ると、圧縮永久歪や機械特性などのゴム物性は優れるものの、tanδの値は小さくなる。使用目的に応じて、使用する(A)成分に応じて(B)成分の使用量を調整し、振動、衝撃吸収性能とゴム物性を両立させることが望ましい。
また、本発明の硬化性組成物においては、上記ヒドロシリル基を有する化合物を1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
本発明の(C)成分であるヒドロシリル化触媒としては特に限定されず、任意のものを使用できる。具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Pt(ViMeSiOSiMeVi)、Pt〔(MeViSiO)};白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh 、Pt(PBu};白金−ホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh) 、Pt〔P(OBu)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、x、y、zは整数を表す)、Pt(acac) (ただし、acacは、アセチルアセトナトを表す)、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号に記載された白金アルコラート触媒も挙げられる。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh、RhCl、Rh/Al 、RuCl 、IrCl、FeCl 、AlCl 、PdCl・2HO、NiCl、TiCl 等が挙げられる。
これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)等が好ましい。触媒使用量としては特に制限はないが、(A)成分中のアルケニル基1molに対して10−8〜10−1molの範囲で用いるのがよい。好ましくは10−6〜10−2molの範囲で用いるのがよい。10−8mol未満では、硬化速度が遅く、また硬化性が不安定になる可能性が高い。逆に10−1molを越える場合は、ポットライフの確保が困難であるため好ましくない。
また、本発明の(A)〜(C)成分からなる硬化性組成物には、保存安定性を改良する目的で、保存安定性改良剤を使用することができる。この保存安定性改良剤としては、本発明の(B)成分の保存安定剤として知られている通常の安定剤であって所期の目的を達成するものであればよく、特に限定されるものではない。具体的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等を好適に用いることができる。具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキシレート、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE、2−(4−モルフォジニルジチオ)ベンゾチアゾール、3,5−ジメチル−1−ヒキシン−3−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、3−メチル−1−ブテン−3−オール、3−メチル−1−ブチル−3−オール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、ジメチルマレエート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中では3,5−ジメチル−1−ヒキシン−3−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、3−
メチル−1−ブチル−3−オール、ジメチルマレエートなどが、保存安定性と硬化性のバランスから好ましい。
また、このような保存安定剤の使用量は、用いる保存安定剤の分子量や、本発明(C)成分であるヒドロシリル化触媒の使用量にも依るが、本発明の(A)成分100重量部に対し、0.005〜0.5重量部が好ましい。保存安定剤がこれより少ないと、十分な保存安定性が得られず、保存中に硬化する問題が生じる。また、保存安定剤がこれより多いと、硬化阻害が大きく、硬化性が低下する問題が生じる。
本発明の(D)成分である可塑剤、粘着性付与樹脂は、本発明の硬化性組成物から得られる架橋ゴムの振動、衝撃吸収性能をさらに高める目的で使用するものである。
このような可塑剤、粘着性付与樹脂としては、特に限定されるものではないが、本発明の(A)成分との相溶性が良好であり、かつ本発明の(A)〜(C)成分からなる硬化性組成物の硬化性を阻害しないものが好ましい。
このような可塑剤の具体例としては、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアクリル系の可塑剤が挙げられる。これらは単独で使用しても、2個以上使用してもよい。
このような可塑剤の使用量としては、本発明の(A)成分100重量部に対し、1〜100重量部であることが好ましい。1重量部に満たない場合は、振動、衝撃吸収性能を高める効果は小さく、また100重量部を超えると、硬化させて得られる架橋ゴムにおいて、強度が不足する、表面タックが大きいなどの問題が生じる。
また、このような粘着付与樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレン−フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、フェノール変性石油樹脂、ロジンエステル樹脂などが挙げられる。これらは単独で使用しても、2個以上使用してもよい。
このような粘着付与樹脂の使用量としては、本発明の(A)成分100重量部に対し、1〜100重量部であることが好ましい。1重量部に満たない場合は、振動、衝撃吸収性能を高める効果は小さく、また100重量部を超えると、硬化させて得られる架橋ゴムにおいて、強度が不足する、粘着力が大きく離型が難しく、取り扱い難いなどの問題が生じる。
また、本発明の硬化性組成物には、各種充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、界面活性剤、溶剤、シリコン化合物を適宜添加してもよい。上記充填剤の具体例としては、シリカ微粉末、炭酸カルシウム、カーボンブラック、クレー、タルク、酸化チタン、亜鉛華、ケイソウ土、硫酸バリウム等が挙げられる。充填剤の使用量としては、本発明の(A)成分100重量部に対し、1〜300重量部であることが好ましい。1重量部に満たない場合は、充填剤を使用する効果は小さく、また300重量部を超えると、硬化前組成物の粘度が高くなり過ぎ、取り扱いが困難となる。
本発明の硬化性組成物を得る方法としては、特に限定されず、たとえば、(A)〜(C)成分、あるいは(A)〜(D)成分、さらに必要に応じて使用する各種添加剤や充填剤をプラネタリーミキサーや2軸ディスパなどの回転式ミキサーや、ニーダー、バンパリーミキサー、ロールなどの装置を使用し、混合する方法が挙げられる。ここで、(A)成分中に(B)成分を均一に分散、安定化させること、及び硬化性組成物中に含まれる水分をなるべく除去することが望ましい。(A)成分中への(B)成分の分散が不均一、不安定であれば、貯蔵中に硬化性組成物の性状が経時で大きく変化する傾向がある。また、硬化
性組成物中に水分が多い場合には、硬化反応時に(B)成分と水分が反応することにより発泡し、架橋ゴム中にボイドを生じる傾向がある。
また、本発明の硬化性組成物からポリオキシアルキレン系架橋ゴムを得る方法としては特に限定されず、一般的に使用されている加熱硬化型の液状ゴムと同様の方法をとることができる。塗布や注入、スクリーン印刷などのような接着剤やポッティング剤などと同様の取り扱いや、プレス成形、射出成形、トランスファー成形、押出成形など、ゴム成形体を得る方法を適用できる。
本発明の硬化性組成物からポリオキシアルキレン系架橋ゴムを得るには、室温〜200℃の幅広い温度条件を適用できる。但し、室温下など、低温で硬化させる場合には、硬化性組成物の保存安定性を確保するための工夫が必要になる。従って、通常は加熱による硬化、成形することが好ましく、成形温度としては80〜200℃が好ましい。成形温度が80℃以下の場合には、前述したように硬化性組成物の保存安定性と硬化性のバランスを取るのが困難であり、一方、200℃以上では、硬化性組成物が熱劣化する可能性がある。これらの観点から、成形条件としては、100〜180℃がさらに好ましい。
また、常温で流動性を有する加熱硬化タイプの硬化性組成物から、生産性高くゴム成形体を得る方法として、液状シリコーンゴムなどで知られている液状射出成形が知られているが、本発明の硬化性組成物はこの液状射出成形にも適用可能である。
また、これら各種の取り扱い方法において、本発明の硬化性組成物は、全ての成分を含む1液形態として扱うことも、(B)成分と(C)成分とが混合しないように全成分を2液に配分した2液形態として扱うことも可能である。前者の場合、室温下でも徐々に反応は進行し得るため、低温下での保管が必要となるが、成形に際して2液を混合するなどの手間が省略できる。また、後者の場合には、成形する際に2液を混合し、泡を含まない状態で塗布、充填、射出できるように工夫が必要となるが、硬化性組成物の長期保管には有利である。このような2液形態の液状硬化性組成物の取り扱いには、液状シリコーン向けに開発された液状射出成形システムに使用されている2液混合吐出装置や、2液形態のウレタン樹脂、エポキシ樹脂に使用されている2液混合吐出装置が使用できる。
本発明の硬化性組成物から得られる架橋ゴムは、成形性に優れるとともに、高い振動減衰性を有するゴム弾性体であり、低温ゴム弾性、低圧縮永久歪などの優れた特徴を有することから、電気・電子、自動車、エネルギー、医療などの様々な分野において、振動吸収性、衝撃吸収性、衝撃緩和性、振動絶縁性などが求められる幅広い用途に利用できる。
次に実施例により本発明の複合成形体を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(製造例1)
数平均分子量2,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤として、複合金属シアン化物錯体触媒を用いて、プロピレンオキシドを重合することにより数平均分子量が約10,000(末端の水酸基とアリル基の分析による計算)のポリオキシプロピレンジオールを得た。該ポリオキシプロピレンジオールの水酸基に対して1.2当量のナトリウムメチラートの28%メタノール溶液を加えた後、130℃でメタノールが回収されなくなるまで減圧脱揮を行った。ついで、アリルクロライドを加え反応させた後、未反応のアリルクロライドを減圧脱揮により除去した。その後、ヘキサンと水により精製し、1分子中に概ね2個のアリル末端を有するポリオキシアルキレン系重合体(A−1)を得た。この重合体(A−1)は、粘度が5Pa・sの淡黄色液体であり、JIS K 0070記載
のヨウ素価試験より求めたアリル含有量は、0.22mmol/gであった。
(製造例2)
製造例1と同様の方法において、開始剤として数分子量約3,000のポリオキシプロピレントリオールを使用し、数平均分子量が約12,000(末端の水酸基とアリル基の分析による計算)のポリプロピレンオキシドトリオールを得た。続いて、製造例1と同様に方法により、この水酸基末端ポリプロピレンオキシドの水酸基をアリル基に変換1分子中に概ね2個のアリル末端を有するポリオキシアルキレン系重合体(A−2)を得た。この重合体(A−2)は、粘度が6Pa・sの淡黄色液体であり、ヨウ素価数より求めたアリル含有量は、0.25mmol/gであった。
(製造例3)
(−Si−O−)繰り返しユニットを平均して7.5個もつメチルハイドロジェンシリコーンに白金触媒存在下全ヒドロシリル基量の0.2当量のα−メチルスチレンを添加し、1分子中に平均6個のヒドロシリル基を有する化合物(B−1)を得た。この化合物のヒドロシリル基含有量は8.1mmol/gであった。ここで、ヒドロシリル基含有量は、上記化合物(B−1)のNaOH水溶液による加水分解反応により発生する水素量から算出した。
(製造例4)
(−Si−O−)繰り返しユニットを平均して10個もつメチルハイドロジェンシリコーンに白金触媒存在下全ヒドロシリル基量の0.5当量のα−メチルスチレンを添加し、1分子中に平均5個のヒドロシリル基を有する化合物(B−2)を得た。この化合物のヒドロシリル基含有量は製造例3と同様の方法で測定した結果3.8mmol/gであることが分かった。
(実施例1)
表1に示す配合量に従い、製造例1で得たアリル基末端ポリオキシアルキレン系重合体(A−1)と、(B)成分としてヒドロシリル化合物(B−1)、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、及び白金ビニルシロキサン(3%白金キシレン溶液、ユミコアジャパン(株)製:PT−VTSC−3.0X)、アセチレンアルコールを混合した。
このようにして得られた液状組成物を、それぞれ脱泡した後、2mm厚のスペーサーを用い、プレス成形により150℃、90秒間で10cm角×2mm厚のシートを成形した。また、同様にしてJIS K 6262に規定される圧縮永久歪試験サンプル用の金型を用いて、直径29mm×厚さ12.5mmの試験片を成形した。これらの成形体をさらに熱風乾燥器により150℃、1時間加熱養生し、評価用架橋ゴム(1−1〜3)を得た。
(実施例2)
表1に示す配合量に従い、製造例1で得たアリル基末端ポリオキシアルキレン系重合体(A−1)とヒンダードフェノール系酸化防止剤、湿式シリカ(嵩比重70g/l、比表面積200m/g)を混合し、加熱脱水した。続いて、表2に示す配合量に従い(B)成分としてヒドロシリル化合物(B−1、2)、及び白金ビニルシロキサン(3%白金キシレン溶液)、アセチレンアルコールを混合した。
このようにして得られた液状組成物を実施例1記載と同様の方法により成形、加熱養生し、評価用架橋ゴム(2−1〜3)を得た。
(実施例3)
実施例2において、アリル基末端ポリオキシアルキレン系重合体(A−1)の代わりに、製造例2で得たアリル基末端ポリオキシアルキレン系重合体(A−2)を、また、(B)成分としてヒドロシリル化合物(B−2)を用いた以外は、実施例2記載と同様の方法により、表1に示す配合量に従い液状組成物を得て、成形、加熱養生し、評価用架橋ゴム(3−1、2)を得た。
(比較例1)
表2に示す配合量に従い、実施例1と同様の方法により、評価用架橋ゴム(1−4、5)を得た。
(比較例2)
表2に示す配合量に従い、実施例2と同様の方法により、評価用架橋ゴム(2−4、5)を得た。
(比較例3)
表2に示す配合量に従い、実施例3と同様の方法により、評価用架橋ゴム(3−3、4)を得た。
Figure 2009263477
Figure 2009263477
上記実施例1〜3、及び比較例1〜3において得られた各評価用サンプルを用いて、下記方法に従い、損失正接(tanδ)、圧縮永久歪、成形性を評価した。

<動的粘弾性測定による損失正接(tanδ)の測定>:前記各実施例、比較例において得られた架橋ゴムシートから6mm×5mm×2mmの試験片を切り出し、JIS K 6394に規定される動的性質試験方法に基づき、アイティー計測制御株式会社製 動的粘弾性測定装置DVA−200にて、周波数100Hzのせん断モードにて20℃下における損失正接(tanδ)を測定した。
<圧縮永久歪>:JIS K 6262に規定される、圧縮率25%、試験温度70℃、試験時間22時間の圧縮永久ひずみを測定した。
<成形性>:前記各実施例、比較例において得られた硬化性液状組成物の流動性を評価するため、市販のコーキングガン用カートリッジに充填し、容易に押し出すこができるか確認した。手動により大きな負荷なく液状組成物を押し出せた場合を“○”と評価した。また、硬化性として、前記各実施例、比較例において、150℃、90秒間の加熱プレス成形後にサンプルを取り出し、硬化度合いを指触により確認した。特に大きな塑性変形も見られず、型枠から容易に取り出せたものを“○”、大きな塑性変形は見られないが、粘着性が大きく取り扱いがやや難しかったものを“△”、型枠から取り出す際に顕著な塑性変形が見られたものを“×”とした。
これらの表に示されるように、本発明のポリオキシアルキレン系硬化組成物は、良好な成形性を有するとともに、硬化により、20℃、100Hzの条件下で測定される損失正接(tanδ)の値が0.3を超え、振動、衝撃吸収性能が優れる架橋ゴムを与える。

Claims (8)

  1. (A)1分子中に少なくとも平均1個を超え、3個以下のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体
    (B)1分子中に平均3個を超えるヒドロシリル基を有する化合物
    (C)ヒドロシリル化触媒
    を必須成分とする硬化性組成物であり、[(B)成分中のヒドロシリル基の総量]/[(A)成分中のアルケニル基の総量]が0.5以上0.8以下であることを特徴とする硬化性組成物。
  2. 硬化性組成物を硬化させて得られたゴムの、JIS K 6394に規定される動的性質試験方法に基づき、動的粘弾性装置により20℃、100Hzの条件下で測定される損失正接(tanδ)の値が0.3を超えることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 硬化性組成物を硬化させて得られたゴムの、JIS K 6262に規定される、圧縮率25%、試験温度70℃、試験時間22時間の圧縮永久ひずみが20%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記(A)成分であるアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体の数平均分子量が5,000から30,000である請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記(B)成分であるヒドロシリル基を有する化合物が、オルガノハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. (D)成分として、可塑剤及び/または粘着性付与樹脂を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物を、加熱成形することにより得られる架橋ゴム。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物を、液状射出成形機により成形することにより得られる架橋ゴム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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