JP2009262671A - 船舶電気推進システムの制御方式 - Google Patents

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Abstract

【課題】充電走行中の発電機出力容量を超えるような充電電流変更操作や、推進電動機の回転速度変更操作をしても制御異常が発生しないようにして操作員の労力を軽減し、新型電池を搭載したときの発電機容量UPに伴う大型化、コストUPを抑制する。
【解決手段】電池優先モードと電動機優先の2つの運転モードを選択できるようにし、「電池優先モード」において合計電力が発電機Gの出力上限PGSに達する領域では、充電電力増加分を充当するための電力を、推進電動機回転速度Niを下げて得るようにし、また、「電動機優先モード」において合計電力が発電機出力上限PGSに達する領域では、推進電動機回転速度の上昇による推進電動機電力増加分を充当するための電力を、充電電力を下げて得るようシステム制御装置29により制御し、発電機出力を効果的に利用可能として操作員の労力軽減を図る。
【選択図】図1

Description

この発明は、蓄電池(以後、電池とも言う)と、この電池を充電する発電機とを備えたハイブリッド電源から、船舶を推進するプロペラを回転させる推進電動機および補機に電力を供給して船舶の運行を行なうようにした船舶電気推進システムの運転制御方式に関する。
電池と、この電池を充電する発電機とを備えたハイブリッド電源から、船舶を推進するプロペラを回転させる推進電動機および補機に電力を供給して船舶の運行を行なうようにした船舶電気推進システムにおいては、電力供給に関する運転モードとして、発電機が電池に充電電力を供給するとともに推進電動機および補機へも電力を供給する運転モード、発電機および電池の両方から推進電動機および補機に電力を供給する運転モード、発電機を停止して電池のみから推進電動機および補機に電力を供給する運転モードなどがある。
そして、発電機が電池に充電電力を供給するとともに推進電動機および補機へも電力を供給しながら船舶を運行させる電池充電走行(以後、充電走行とも言う)を行なう場合、電池充電電力、推進電動機電力および補機電力の合計電力が発電機出力容量(発電機出力制限値)、すなわち発電機出力上限を超えないよう操作することが必要となる。
この場合、充電電力を増加させるときは合計電力が発電機出力上限を超えないよう推進電動機の回転速度を低下さげるように操作するとともに、推進電動機の回転速度を増加させるときは合計電力が発電機出力上限を超えないよう電池の充電電力を低下させるように操作しなければならない。
その理由は、発電機出力上限を超えるような操作を行なった場合、例えば、定電流充電方式で充電走行中に、充電電力を増加させて合計電力が発電機出力上限値に達した場合には、発電機出力が制限機能により制限されて所定の充電電流を流すことができなくなるので、電流設定値と実充電電流の突合せによる定電流フィードバック制御におけるフィードバック信号不一致により、定電流制御回路の暴走が発生する。このため、制御暴走が発生しないよう、操作員は慎重な監視・操作を行なわなければならない。
また、電池の高性能化に伴い従来型電池の例えば鉛蓄電池の代わりに、高性能電池としての例えばリチウムイオン電池を搭載した電気推進システムの検討の一例として、例えば特許文献1に示すものがある。
鉛蓄電池の充電は、充電初期は大電流で充電し、充電中期から充電終期では電解液の電気分解に伴う水素ガス、酸素ガスの発生を抑制するため、および充電電力損失の低減などの配慮から小電流で充電することから、充電には長時間が必要となる。
これに対してリチウムイオン電池はガス発生がなく充電効率が良いことから、充電初期から充電終期までの全充電領域において大充電電流で充電することが可能であるので、鉛蓄電池に比べて充電時間の短縮が可能であるが、船舶電気推進システムに搭載するハイブリッド電源における電池としてリチウムイオン電池を採用し、電池の全充電領域において大充電電流を流すようにして充電時間の短縮化を図る場合、ハイブリッド電源における発電機の容量アップ、および、これに伴う発電機の大型化,コストアップが問題点となる。
特開2005−080318号公報
以上のことから、この発明の解決しようとする課題は、蓄電池と、この蓄電池を充電するための発電機とを備えたハイブリッド電源を搭載した船舶電気推進システムの充電走行中に、発電機出力容量(発電機出力制限値)を超えるような蓄電池の充電電流変更操作、または推進電動機の回転速度変更操作を行なっても制御異常が発生しないようにして操作員の労力を軽減するとともに、ハイブリッド電源における蓄電池としてリチウムイオン電池を採用して充電時間の短縮化を図る場合における発電機の容量アップに伴う大型化,コストアップを抑制することにある。
上記のような課題を解決するために、この発明は、船舶電気推進システムの制御方式を、蓄電池と、この蓄電池を充電するための発電機とを備えたハイブリッド電源から、船舶を推進するプロペラを回転させる推進電動機および補機に給電して船舶を運行させるようにした船舶電気推進システムにおいて、発電機が蓄電池に充電電力を供給するとともに推進電動機および補機にも電力を供給しながら船舶を運行させる電池充電走行を行なうに当たり、発電機出力制限値内において蓄電池への充電電力の供給を優先させるように発電機からの電力供給を制御する電池優先モードと発電機出力制限値内において推進電動機への電力の供給を優先させるように発電機からの電力供給を制御する電動機優先モードとの切替え手段を設け、その切替えに応じていずれかのモードを実行する構成とする(請求項1の発明)。
上記請求項1の発明によれば、電池充電走行において、充電電力,推進電動機電力,補機電力の合計電力が発電機出力制限値を超えることになるような、蓄電池の充電電流変更操作、または、推進電動機の回転速度変更操作を行なった場合でも、合計電力が発電機出力制限値を超えないように制御されるので、制御暴走が発生しないようにすることができるとともに、電池充電走行中における操作員の労力を軽減することもできる。
また、上記請求項1の発明によれば、電池充電走行において、例えば蓄電池の充電状態,船舶の運行条件などに基づき、電池優先モードと電動機優先モードとのいずれかを選択して、必要に応じた最適なモードでの運転、すなわち、蓄電池の最適な充電、または、推進電動機の最適な運転を、発電機出力制限値内で行なうことができる。
また、電池充電走行において、充電時間の短縮化を図るためにその時の運転状態において供給可能な最大限の充電電力(充電電流)で蓄電池を充電するようにした場合でも、常に充電電力,推進電動機電力,補機電力の合計電力が発電機出力制限値を超えないように制御されるため、制御暴走が発生することのない安定した運転を確実に行なうことができるので、ハイブリッド電源における蓄電池としてリチウムイオン電池を採用して大電流での充電により充電時間の短縮化を図る場合においても、必要となる発電機容量を小さく抑えることができ、発電機の容量アップ,大型化,コストアップ等が生じないようにすることができる。
次に、上記請求項1に記載の船舶電気推進システムの制御方式において、電池充電走行中の発電機からの電力供給制御のより具体的な構成として、前記電池優先モードを選択した場合に、充電電力が増加して充電電力,推進電動機電力,補機電力の合計電力が発電機出力制限値を超えるときは、推進電動機回転速度を低下させて推進電動機電力を減少させることにより得られた余剰分の電力を増加分の充電電力に充当するように制御するとともに、前記電動機優先モードを選択した場合に、推進電動機回転速度の上昇により推進電動機電力が増加して前記合計電力が発電機出力制限値を超えるときは、充電電力を減少させることにより得られた余剰分の電力を増加分の推進電動機電力に充当するように制御する制御手段を設け、この制御手段により、前記電池優先モードおよび前記電動機優先モードのいずれにおいても前記合計電力が発電機出力制限値を超えないように制御する構成とすることができる(請求項2の発明)。
さらに、上記請求項2に記載の船舶電気推進システムの制御方式において、前記制御手段は、前記電池優先モードを選択した場合に、充電電力が増加して推進電動機電力が零になっている状態で補機電力が増加したときは充電電力を低下させるとともに、前記電動機優先モードを選択した場合に、推進電動機電力が増加して充電電力が零になっている状態で補機電力が増加したときは推進電動機電力を低下させる構成とすることができる(請求項3の発明)。
船舶がどのような運行状態にある場合でも船舶電気推進システムの運転のために補機の機能を維持しておくことが必要であるが、上記請求項3の発明によれば、電池充電走行において補機が必要とする電力の供給を確実に維持することができるので、船舶電気推進システムを安定して運転することができるようになり、船舶電気推進システムの信頼性を向上させることができる。
また、上記請求項1ないし3のいずれかの項に記載の船舶電気推進システムの制御方式において、前記蓄電池がリチウムイオン電池である構成とするとよい(請求項4の発明)。
鉛蓄電池では、電解液の電気分解に伴う水素ガス、酸素ガスの発生の防止などの理由により、充電初期から充電終期までの全充電工程のうち充電終期では充電電流を小さくする必要があるなど充電電流の大きさには制約があるが、リチウムイオン電池では、充電初期から充電終期までの全充電工程にわたって大電流で充電することが可能であり、全充電工程のうちのどの工程(充電状態)においても、大電流から小電流まで充電電流の大きさを任意に選定することが可能である。このため、上記請求項4の発明によれば、ハイブリッド電源を構成する蓄電池としてリチウムイオン電池を用いることにより、その時の蓄電池の充電工程が充電初期から充電終期までのいずれであっても、発電機出力制限値内で、推進電動機および補機の運転状態との関連で供給可能な最大限の充電電力(充電電流)で蓄電池を充電することができることから、鉛蓄電池などの従来型電池を用いた構成に比べて、電池充電走行における蓄電池の充電時間をより短縮することができる。
なお、上記請求項4の発明において、電池優先モードを選択している場合には、蓄電池への充電電力の供給が優先されるが、その時の蓄電池の充電工程が充電初期から充電終期までのいずれであっても、発電機出力制限値内で補機電力を差し引いた余剰電力として供給可能な最大限の充電電力(充電電流)で蓄電池を充電することができ、これにより、充電時間の短縮化を図ることができる。
また、上記請求項4の発明において、電動機優先モードを選択している場合には、推進電動機への電力の供給が優先されるが、船舶の運行状態により推進電動機が低回転速度状態になり、推進電動機電力が低レベル状態になる度に、その時の蓄電池の充電工程が充電初期から充電終期までのいずれであっても、発電機出力制限値内で推進電動機電力および補機電力を差し引いた余剰電力として供給可能な最大限の充電電力(充電電流)で蓄電池を充電することができ、これにより、充電時間の短縮化を図ることができる。
この発明によれば、発電機が蓄電池に充電電力を供給するとともに推進電動機および補機にも電力を供給しながら船舶を運行させる電池充電走行において、発電機出力制限値内において蓄電池への充電電力の供給を優先させるように発電機からの電力供給を制御する「電池優先モード」と、発電機出力制限値内において推進電動機への電力の供給を優先させるように発電機からの電力供給を制御する「電動機優先モード」との2つの運転モードを選択できるようにしたことにより、合計電力が発電機出力制限値を超えることになるような、蓄電池の充電電流変更操作、または、推進電動機の回転速度変更操作を行なった場合でも、合計電力が発電機出力制限値を超えないように制御されるので、制御暴走が発生しないようにすることができるとともに操作員の労力を軽減することもできる。
また、電池充電走行において、例えば蓄電池の充電状態,船舶の運行条件などに基づき、電池優先モードと電動機優先モードとのいずれかを選択して、蓄電池の最適な充電、または、推進電動機の最適な運転を、発電機出力制限値内で行なうことができる。
また、電池充電走行において、充電時間の短縮化を図るためにその時の運転状態において供給可能な最大限の充電電力(充電電流)で蓄電池を充電するようにした場合でも、常に充電電力,推進電動機電力,補機電力の合計電力が発電機出力制限値を超えないように制御されるため、制御暴走が発生することのない安定した運転を確実に行なうことができるので、ハイブリッド電源における蓄電池としてリチウムイオン電池を採用して大電流での充電により充電時間の短縮化を図る場合においても、必要となる発電機容量を小さく抑えることができ、発電機の容量アップ,大型化,コストアップ等が生じないようにすることができる。
図1に、この発明の実施の形態としての船舶電気推進システムの構成例を示す。
図1において、原動機7(DE)で駆動される交流発電機8(G)(以下、発電機とも言う)および整流器10(REC)からなる発電装置と、この発電装置によって充電される電池1(B)とによりハイブリッド電源装置が構成されている。発電装置における整流器10(REC)の直流出力側と電池1(B)とが直流給電母線101に接続されており、交流発電機8(G)の交流出力電力は整流器10(REC)により直流に変換され、発電装置の出力電力として直流給電母線101に供給される。なお、図1における9は、交流発電機8(G)の励磁コイルである。
船舶電気推進システムにおける電力供給に関する運転モードのうち、「充電走行」の運転モードでは、発電装置の出力電力は、直流給電母線101に介して、電池1(B)に充電電力として給電されるとともに、推進電動機13(M)および補機類4にも給電される。推進電動機13(M)は電力変換装置15(INV)を介して直流給電母線101に接続されている。電力変換装置15(INV)は、インバータで構成されており、発電装置からの直流電力を交流に変換して、交流電動機で構成された推進電動機13(M)に交流電力を供給する。
さらに、図1に示されるように、船舶電気推進システムには、船舶電気推進システムを制御するためのシステム制御装置29が設けられている。そして、このシステム制御装置29には、スイッチ18(COSB),21(CSG),23(COSC),27(CSM)、設定器19(VRVA),20(VRIB),22(VRPG),設定器28(VRNM)、表示灯24(PLGL),25(PLBL),26(PLML)、電圧検出器2(VDB),5(VDAX),11(VDG),16(VDM)、電流検出器3(SHB),6(SHAX),12(SHG),電流検出器17(SHM)、および速度検出器14(TD)が設けられている。
また、図2は、船舶電気推進システムの制御ブロック図であり、この図2に示されるように、システム制御装置29には、さらに、電圧制御回路52、電流制御回路55、速度制御回路62、発電機制御回路65、および演算部29A〜29E,57,58,60,63が設けられている。
原動機7で駆動される発電機8は図3に示すような定出力制限特性を備えており、負荷が増大したときには発電機出力が制限値を超えないように制御される。また、電池電圧は電池充電状態で変動するので、発電機出力電圧を変動する電池電圧に追従して制御するときは、電池電圧VBにほぼ等しい発電機電圧VGから、発電機電圧VG×発電機電流IGで算出される量である発電機出力PGが発電機出力上限PGSを超えないように、発電機電流上限値IGL(=PGS÷VG)で出力電流IGを制限するようにする。また、プロペラを駆動する推進電動機13の所要電力PMは図4に示すように、回転速度Nの3乗(PM∝N3)に比例して変化し、補機電力PAXは略一定の固定負荷である。
一方、電池の充電は一定の充電電流で充電する「定電流充電方式」と、一定の電圧で充電する「定電圧充電方式」とがあるが、いずれの充電方式も充電電源である発電機の電圧で行なうから、発電機電圧により充電電流を調整して充電電力を調整する。また、推進電動機電力PMは回転速度Nの3乗に比例するから、回転速度Nによって推進電動機電力PMを調整するようにしている。これらのことを基本として、以下に説明する。
1)電池優先モード
電池優先モードでは、図1および図2に示す制御切替スイッチ23(COSC)を電池優先側に切替える。
いま、電池充電電流を増加させると、充電電力PBi=VBi×(+)IBi((+)を充電、(−)を放電とする)が増加し、負荷電力の合計電力PΣ(=PBi+PAXi+PMi)は増加するので、発電機出力PGiは増加する。
電池充電電流(+)IB(+IBを充電電流、−IBを放電電流とする)は、次式で示される。
(+)IB=(VG−VB)÷RΣ=[VG−(EB+(+)IB×RB)]÷RΣ
ここで、 VG:発電機電圧
VB:電池端子電圧
(+)IB:充電電流
EB:電池内部起電圧
RB:電池内部抵抗
PB:電池充電電力=VB×IB
RΣ:充電回路抵抗の総和
すなわち、発電機電圧VGを低下させれば、電池充電電流IBは減少するので、充電電力PB=VB×IBも減少する。
一方、図1に示す回路において発電機電圧VGを低下させると、推進電動機13側の受電端電圧も低下するが、回転速度制御される推進電動機13の推進電力PMは、図4に示すように回転速度Nの3乗(PM∝N3)に比例して変化するものであるため、推進電動機13の回転速度が一定値に制御されている状態では、推進電力PMは変化しない。
したがって、上記受電端電圧が低下しても推進電動機電力PMは変化しないから、推進電動機入力電流IMは増加することになる。
図1,図2の充電電圧設定器19(VRVB)、または充電電流設定器20(VRIB)を操作して、充電電圧設定値VBSまたは充電電流設定値IBSを増加させれば、充電電力PBiは増加する。
ここで、「電池優先モード」の基本動作について説明する。
図1,図2に示す電池充電電力PBi、推進電動機電力PMi、補機電力PAXi、および発電機出力PGiの各電力は、各回路に設けた各電圧検出器、各電流検出器で検出した電圧と電流から、演算部57(PBi=VBi×IBi)、演算部63(PMi=VMi×IMi)、演算部58(PAXi=VAXi×IAXi)、および演算部60(PGi=VGi×IGi)により算出される。
前述のように、充電走行は発電機が電池に充電電力(充電電流)を供給しながら推進電動機、補機へ電力を供給する運転であるから、通常の運転状態では、図2の演算部29Aの(1)式に示す合計値PΣ(=PBi+PAXi+PMi)が、図1および図2に示す発電機出力上限設定器22(VRPG)の設定出力PGSを上限値とする範囲内となるよう、PGS≧PGi=PΣの状態で運転される。
この発電機出力上限値PGSは図1,図2に示す発電機出力上限設定器22(VRPG)により、図3(a)に示すPGS1,PGS2,PGS3,PGS4…のように設定し、電池電圧VBiの変動により変化する発電機電圧VGiから、図3(b)に示す発電機電流IGL1,IGL2,IGL3,IGL4…を図2の演算部29Aの(4)式「IGL=PGS÷VGi」で求め、この値を発電機上限電流値IGLとして発電機制御回路65に与え、発電機出力電流IGiを制限して発電機出力制限動作を行なう。
なお、発電機出力上限値PGSについては、例えば、その時の発電機駆動用原動機の運転状態に応じて適合したレベルに設定するように運用することが考えられる。すなわち、発電装置における原動機7(DE)は、燃焼系、ガバナー系などの状態の変化に対応して出力を制限した状態で運転する場合もある。そして、原動機7の動作が不調であっても、その時の原動機7の運転状態に応じたレベルに発電機出力上限値PGSを設定することにより、可能な範囲で発電機8(G)から電池充電電力を供給することができる状態を確実に維持することができるようになり、船舶電気推進システムの運転をより安定したものとすることができる。
図5Aは、電池優先モードの動作パターンの例(電池優先モードその1)を説明する動作説明図であって、主に、充電走行中に充電電力(充電電流)が一定である場合の動作を示すものである。図5Aの動作において、時刻t0以前は推進電動機13が停止しており、推進電動機電力PMiは零(=点03の電力レベル)であるから、発電機電力PGiで電池充電電力PBiと補機電力PAXiを供給している。
時刻t0から推進電動機13の回転速度を徐々に上昇させると、推進電動機電力PMiは徐々に増加し、合計電力PΣ=PBi+PMi+PAXiは徐々に増加する。
また、時刻t0〜t1間は発電機出力上限PGS>発電機出力PGi=合計電力PΣの期間であるから、発電機は電池、推進電動機および補機へ所定の電力を供給している。
なお、上記のように推進電動機13の回転速度を徐々に上昇させる場合の具体的な操作としては、例えば次のような操作方法とすることができる。
(a)回転速度設定器28(VRNM)の設定値NS自体を時刻t0から徐々に上昇させる設定操作を行い、これに対応して回転速度指令値NSCも徐々に上昇し、この回転速度指令値NSCを設定値とした回転速度フィードバック制御により、回転速度Niが回転速度指令値NSCに追従して徐々に上昇する。
(b)回転速度設定器28(VRNM)の設定値NS自体は時刻t0時点でステップ指令操作として最終目標の回転速度値に設定しておき、それに対して、システム制御装置29内のソフトスタート機能により、回転速度指令値NSCを徐々に上昇させるように制御し、この回転速度指令値NSCを設定値とした回転速度フィードバック制御により、回転速度Niが回転速度指令値NSCに追従して徐々に上昇する。ここで、上記のソフトスタート機能は、システム制御装置29に設けられた、図示されていない回転速度指令調整手段によるものであり、この回転速度指令調整手段は、回転速度設定器28(VRNM)で設定された回転速度設定値NSに基づいて、加速制御および減速制御の各制御モードに対応してそれぞれ設定された傾斜で時間的に変化する回転速度指令信号NSCを形成するものである。
さらに、推進電動機回転速度を上昇させると推進電動機電力PMiが増加し、時刻t1に到達すると、合計電力PΣは発電機出力上限PGSと一致する点11となる。このとき、電池充電電力PBiは点12、推進電動機電力PMiは点13、補機電力PAXiは点14で運転されている。この時刻t1での運転状態は、図2の演算部29Aの(2)式「PGi−PΣ=0」、3)式「PGS=PGi」の運転状態であり、(2)式および(3)式を条件として、点12の電池充電電力PBiをPBmとして記憶し、同様に点13の推進電動機電力PMiをPMmとして記憶するとともに、発電機出力PGiが制限値(上限値PGS)に到達したことを表示灯24(PLGL)で表示する。また、この時刻t1において推進電動機13の回転速度フィードバック制御系のm1点に与えられている回転速度指令値NSCをNSCmとして記憶する。この記憶値NSCmは、推進電動機電力の記憶値PMmに対応する回転速度値である。
図5Aの時刻t1以降の実線パターンは充電電力一定の動作を示しており、充電電力PBiが時刻t1以降も時刻t1の充電電力PBmと同じであるため、図2の演算部29Bの(5)式よりPBi−PBm=ΔPBi=0、推進電動機電力は同じく(6)式よりPMi=PMm−ΔPBi=PMm、推進電動機回転速度指令値は図2の演算部29Dの(7)式より、
NSC=NSCm×(PMi÷PMm)1/3=NSCm×(PMm÷PMm)=NSCmである。従って、時刻t1以降も、時刻t1での推進電動機回転速度指令値NSCmと同じ回転速度指令値NSC(=NSCm)を設定値としてシステム制御装置29から出力し、図2に示すm1点で回転速度検出信号Niと突合せて回転速度フィードバック制御を行なうことにより、発電機出力制限制御を実現する。
ここで、図5Aの時刻t1以降の点線パターンのように充電電流が記憶した充電電力PBmよりΔPBiだけ増加したときに、増加分のΔPBiを推進電動機電力の減少分で充当しようとする場合は、推進電動機回転速度を下げて推進電動機電力を減少させればよい。この場合、推進電動機回転速度と推進電動機電力の関係は図4に示すようにP∝N3で示されるから、記憶した推進電動機電力PMmと推進電動機回転速度指令値NSCmとを基に図2の演算部29Bの(6)式および演算部29Dの(7)式から、充電電力の増加分ΔPBiに充当するための電力分だけ減少させた推進電動機電力値PMi(=PMm−ΔPBi)に対応する推進電動機回転速度値を、
NSC=NSCm×(PMi÷PMm)1/3の計算をして求め、この回転速度値を指令値NSCとして推進電動機回転速度を下げて運転すれば、推進電動機電力が低減することによる余剰分の電力で増加分の充電電力ΔPBiを充当することができる。
また、図5Aの実線パターンでは、時刻t1以後の充電電力PBiは一定であるから、図2の演算部29Bの(5)式、(6)式、および演算部29Dの(7)式よりそれぞれ
PBi−PBm=ΔPBi=0、PMi=PMm、NSC=NSCm×(PMi÷PMm)1/3=NSCmであることより、回転速度指令値NSC(=推進電動機の回転速度Ni)は変化しないので、推進電動機電力PMiは、点13の電力値のまま一定に維持されることになる。
時刻t1以後で、電池を定電流充電しながら走行する場合、充電が進行すると電池電圧が次第に上昇し、電池充電電力PBi=電池電圧VBi×充電電流IBiが図5Aの点線で示すように増加し、充電電力PBiがΔPB=ΔVB×IBi(ここで、電池電圧VBiの上昇分をΔVBとする)だけ増加することになる。
しかし、既に時刻t1で発電機出力は上限値PGSに達しているから、充電電力の増加分ΔPBiを充当するために、図2の演算部29Bの(6)式および演算部29Dの(7)式より充電電力の増加分ΔPBiに充当するための電力分だけ減少させた推進電動機電力値に対応する推進電動機回転速度指令値NSCを算出し、これにより推進電動機を運転する。
また、この運転状態の過程で補機電力PAXが増加したときは、「電池優先」の条件(充電電力PBiは変化させない条件)の下で、図2の演算部29Aの(1)式におけるPGS=PGi=PΣ=PBi+PAXi+PMiの関係が変化しないよう、図2の演算部29Bの(12)式により、補機電力PAXiの増加分ΔPAXiに対応して、ΔPAXiだけ減少させた推進電動機電力値PMX=PMi−ΔPAXiを求めるとともに、図2の演算部29Dの(7)式においてPMi=PMXとして、NSC=NSCm×(PMX÷PMm)1/3から推進電動機電力値PMXに対応する推進電動機回転速度指令値NSCを算出し、この指令値NSCにて推進電動機を運転し、推進電動機電力の減少分を補機電力の増加分ΔPAXiに充当する。
図5Bは、電池優先モードの動作パターンの異なる例(電池優先モードその2)を説明する動作説明図であって、主に、充電走行中に充電電力(充電電流)を増加させた場合の動作を示すものである。その基本動作は前述の図5Aと同じなので、相違する動作について以下に説明する。
船舶電気推進システムは、時刻t0以前は、点02の充電電力PBi、点03の推進電動機電力PMi、点04の補機電力PAX、点01の合計電力PΣで運転されている。
時刻t0から充電電圧設定器19(VRVB)、または充電電流設定器20(VRIB)の設定操作により、充電電力PBiは徐々に増加して時刻t1には点12の電力値に到達する。
そして、時刻t1において、合計電力PΣは発電機出力上限PGSと一致する点11となる。このとき、電池充電電力PBiは点12、推進電動機電力PMiは点13、補機電力PAXiは点14で運転されている。この時刻t1での運転状態は、図2の演算部29Aの(2)式「PGi−PΣ=0」、(3)式「PGS=PGi」の運転状態であり、(2)式および(3)式を条件として、点12の電池充電電力PBiをPBmとして記憶し、同様に点13の推進電動機電力PMiをPMmとして記憶するとともに、発電機出力PGiが制限値(上限値PGS)に到達したことを表示灯24(PLGL)で表示する。また、この時刻t1において推進電動機13の回転速度フィードバック制御系のm1点に与えられている回転速度指令値NSCをNSCmとして記憶する。この記憶値NSCmは、推進電動機電力の記憶値PMmに対応する回転速度値である。
さらに設定器19または20を操作して充電電力を増加させると、図2の演算部29Bの(5)式「PBi−PBm=ΔPBi」が0より大きくなり、また、図2の演算部29Bの(6)式「PMi=PMm−ΔPBi≧0」から充電電力の増加分ΔPBiに充当するための電力分だけ減少させた推進電動機電力値PMiが求められ、図2の演算部29Dの(7)式「NSC=NSCm×(PMi÷PMm)1/3」から算出した推進電動機回転速度指令値NSCをシステム制御装置29から出力し、充電電力の増加分ΔPBiに充当するための電力分に対応する分だけ低下させた回転速度で推進電動機を運転する。
充電電力PBiは、時刻t1の点12からさらに増加して時刻t2の充電電力上限の点22に到達するが、推進電動機電力PMi(推進電動機回転速度)は時刻t1の点13から徐々に減少(低下)し、時刻t2の点23で推進電動機電力PMi=0(推進電動機回転速度=0)になる。
すなわち、既に出力上限に達している発電機は、時刻t2で、電池充電電力PBiと補機電力PAXiとを供給するのみで、推進電動機には電力を供給することができない状態になる。つまり、このとき、図2の演算部29Aの(1)式においてPMi=0であって、PGi=PBi+PAXiの状態になっている。このように、充電電力が点22の上限に到達したこと、および推進電動機電力PMi=0になったことを条件として、充電電圧指令値VBSC、または充電電流指令値IBSCを増加できないよう制限するとともに、充電電力が上限に到達したことを表示灯25(PLBL)で表示する。
時刻t2以降、電池を定電流充電方式で充電する過程において、充電が進行して充電電圧が上昇すると充電電力が増加するが、発電機出力が既に出力上限PGSに達している状態では、図3(a),(b)で説明した発電機出力制限動作により、図2の演算部29Aの(4)式「IGL=PGS÷VGi」から求めた電流制限値IGLが発電機制御回路65に与えられて発電機出力電流が制限されるので、充電電力を増加させることはできない。
無論、時刻t2以降、回転速度指令NSCは0に保持されるので、推進電動機回転速度は0に保持される。このときの発電機は電池と補機へのみ電力を供給している運転状態にあり、この状態から補機電力PAXが増加した場合は、「電池優先」を条件として図2の演算部29Aの(1)式に基づくPGS=PGi=PΣ=PAXi+PBiの関係においてPΣが変化しないよう、図2の演算部29Bの(13)式より、補機電力PAXiの増加分ΔPAXiに対応して、ΔPAXiだけ減少させた充電電力値PBX=PBi−ΔPAXiを算出し、定電圧充電の場合は図2の演算部29Eの(10)式「VBSC=PBi÷IBi」でPBi=PBXとして電圧指令値VBSCを算出し、また定電流充電の場合は図2の演算部29Eの(11)式「IBSC=PBi÷VBi」でPBi=PBXとして電流指令値IBSCを算出し、これらをシステム制御装置29より出力して図2のb1点またはb2点に与え、補機電力の増加分ΔPAXiに充当させるための余剰分の電力が得られるように充電電力を低減させる。
時刻t3の点32から充電電力PBiを減少させると、図2の演算部29Bの(5)式で求められる充電電力の減少による余剰分の電力ΔPBi(=PBm−PBi)が推進電動機に供給されて推進電動機の運転が再開される。
充電電力PBiがさらに減少して時刻t4の点42を通過すると、合計電力PΣが発電機出力上限値PGSより小さくなるので、記憶されたPBm,PMm,NSCmをリセットして通常運転に復帰する。
2)電動機優先モード
電動機優先モードは、図1および図2に示す制御切替スイッチ23(COSC)を電動機優先側に切替えた場合における動作モードである。
推進電動機回転速度を上昇させると、推進電動機電力が増加して合計電力PΣが発電機出力制限値PGSに達する。さらに推進電動機電力が増加したときにこの増加分を充当するための充電電力減少動作について図1,図2,図6Aおよび図6Bを用いて説明する。
図6Aは、電動機優先モードの動作パターンの例(電動機優先モードその1)を説明する動作説明図である。図6A の動作において、時刻t0以前で推進電動機は停止(点03の電力レベル)、発電機は電池と補機に電力を供給している。
時刻t0から回転速度設定器28(VRNM)を操作して回転速度設定値NSを上昇させると、推進電動機は運転を開始して回転速度が上昇する。
時刻t0〜t1の期間は発電機出力上限PGS>発電機出力PGi=合計電力PΣであるから、システム制御装置29は回転速度設定値NSと同値の指令値NSCを出力し、m1点で実回転速度検出信号Niとの突合せによる回転速度フィードバック制御を行なう。
さらに、回転速度設定値NSを上昇させると、推進電動機回転速度は上昇して推進電動機電力PMiは点13に達し、点13の推進電動機電力PMiと点12の電池充電電力PBiと点14の補機電力PAXiとの合計電力PΣ(点11)が発電機出力上限PGSと一致する。
合計電力PΣが発電機出力上限PGSと一致する点11(PGS=PΣ)に達すると、図2の演算部29Aの(2)式および(3)式を条件として、点12の電池充電電力PBiをPBmとして記憶し、点13の推進電動機電力PMiをPMmとして記憶する。また、この時刻t1において推進電動機13の回転速度フィードバック制御系のm1点に与えられている回転速度指令値NSCをNSCmとして記憶する。この記憶値NSCmは、推進電動機電力の記憶値PMmに対応する回転速度値である。
時刻t1以前は電池を一定電力で充電する動作であるから、図2の演算部29Cの(8)式よりPMi−PMm=ΔPMiを算出し、(9)式よりPBi=PBm−ΔPMiを算出する。
点13よりさらに回転速度設定値NSを上昇させると、回転速度が上昇して推進電動機電力PMiが増加し、図2の演算部29Cの(8)式から増加分ΔPMiが求められ、(9)式より推進電動機電力の増加分ΔPMiに充当するための電力分だけ減少させた充電電力値PBi=PBm−ΔPMiが算出される。
電池を「定電圧充電」で充電している場合、または「定電流充電」で充電している場合の何れかに応じて、「定電圧充電」では図2の演算部29Eの(10)式で電圧指令値VBSC(=PBi÷IBi)を求め、また、「定電流充電」では図2の演算部29Eの(11)式で電流指令値IBSC(=PBi÷VBi)を求め、求めた指令値により電池を充電する。
このときの電池充電電流(+)IB(+IBを充電電流、−IBを放電電流とする)は、先にも説明したように次式で示される。
(+)IB=(VG−VB)÷RΣ=[VG−(EB+(+)IB×RB)]÷RΣ
ここで、VG:発電機電圧
VB:電池端子電圧
(+)IB:充電電流
EB:電池内部起電圧
RB:電池内部抵抗
RΣ:充電回路抵抗の総和
したがって、発電機電圧VG(≒電池電圧VB)を変化させて充電電流を調整すれば、充電電力PBを調整できることになる。
2−1)定電圧充電動作の場合
時刻t1の点13よりさらに回転速度を上昇させて、推進電動機電力PMiがPMmよりΔPMi増加したときは、推進電動機電力の増加分ΔPMiに充当させるための電力分だけ減少させた充電電力値PBi=PBm−ΔPMiとするために、図2の演算部29Eの(10)式「VBSC=PBi÷IBi」で求めた電圧指令値VBSCをb1点に与え、電圧検出値VBiとの突合せによる電圧フィードバック制御を行なう。
すなわち、推進電動機電力の増加分ΔPMiに充当すべき電力分は、図2の演算部29Eの(10)式より電圧指令値VBSCを求めて突合せ点b1に与え、充電電力PBi=電圧VBi×充電電流IBiを制御して得るようにする。
回転速度が上昇し、推進電動機電力PMiが時刻t1の点13より徐々に増加して時刻t2の点23に到達すると、充電電力は点12より徐々に減少して点22で0になるから、時刻t2において発電機は推進電動機と補機のみに電力を供給することになる。つまり、図2の演算部29Aの(1)式においてPGS=PGi=PΣ=PAXi+PMi(PBi=0)になるので、推進電動機電力の増加分を充電電力の減少分で充当することができなくなる。
システム制御装置29では、時刻t2において、発電機出力PGi(=合計電力PΣ)が上限値PGSに到達して制限されているとともに充電電力PBiが零である状態、すなわち「PGi=PGS」かつ「PBi=0」の状態になったことを検出し、時刻t2以降における回転速度指令値NSCを、時刻t2での回転速度指令値NSC(t2)を上限として制限する。これにより、時刻t2以降において、回転速度設定器28(VRNM)の設定操作によって回転速度設定値NSを時刻t2での回転速度設定値NS(t2)よりも高いレベルに上昇させた場合でも、回転速度フィードバック制御系(m1点)に与えられる回転速度指令値NSCは時刻t2での回転速度指令値NSC(t2)のレベルに制限されるので、推進電動機の実際の回転速度Niも、時刻t2での回転速度値Ni(t2)(≒NSC(t2))のレベルに制限される。
このように、「PGi=PGS」かつ「PBi=0」の状態になったことが検出された時点(時刻t2)で回転速度指令値NSC自体を上記検出時点(時刻t2)でのレベルを上限として制限する機能をシステム制御装置29に設けておくことにより、(時刻t2以降における)推進電動機への供給可能な電力が制限されている状態で回転速度設定値NSをより高いレベルに上昇させるような設定操作を行なった場合でも、回転速度フィードバック制御系の制御出力の飽和など、制御異常が発生することなしに、推進電動機回転速度の制限制御を行なうことができる。
また、この運転状態において補機電力PAXiがΔPAXi増加したとき、既に電池充電電力は0であるから、補機電力の増加分ΔPAXiを捻出することができない。
そこで、ΔPAXiを得るために、「電動機優先」を条件として図2の演算部29Aの(1)式におけるPGS=PGi=PΣ=PAXi+PMiの関係においてPΣが変化しないように、図2の演算部29Bの(15)式より、補機電力PAXiの増加分ΔPAXiに対応して、ΔPAXiだけ減少させた推進電動機電力値PMX=PMi−ΔPAXiを算出し、図2の演算部29Dの(7)式においてPMi=PMXとして、
NSC=NSCm×(PMX÷PMm)1/3で算出した回転速度指令値NSCをシステム制御装置29が出力して、推進電動機の回転速度を低下させて、これによる推進電動機電力の減少分を補機電力の増加分ΔPAXiに充当させるようにする。
推進電動機回転速度設定値NSを時刻t3から時刻t5の零速度に向けて下げれば、推進電動機電力PMiが時刻t3の点33から時刻t5の点53に向かって減少して、この推進電動機電力PMiの減少分を電池の充電電力として供給することができるようになるので、電池への充電が再開される。そして、時刻t4において、充電電力PBiは点42の電力値で一定となるので、上限値PGSによる発電機出力制限が解除され、時刻t1での記憶値PMm,PBm,NSCmがリセットされて通常の運転状態に復帰する。
2−2)定電流充電動作の場合
基本動作は、前述の「定電圧充電」の動作と同じであるので、相違する動作について以下に説明する。
図6Aの時刻t1の点12の充電電力PBiをPBm、点13の推進電動機電力PMiをPMmとして記憶、さらに時刻t1における回転速度指令値NSCをNSCmとして記憶する動作は、前述と同じである。
点13より、さらに回転速度を上昇させて推進電動機電力が増加すると、図2の演算部29Cの(8)式より増加分ΔPMi=PMi−PMmが求められ、図2の演算部29Cの(9)式より推進電動機電力の増加分ΔPMiに充当するための電力分だけ減少させた充電電力値PBi=PBm−ΔPMiが求められ、図2の演算部29Eの(11)式より充電電力を上記充電電力値PBi(=PBm−ΔPMi)とするための電流指令値IBSC(=PBi÷VBi)が求められ、この電流指令値IBSCをb2点の突合せ点に与え、実充電電流IBiとの電流フィードバック制御を行なう。
推進電動機電力PMiが時刻t1の点13からさらに増加して時刻t2の点23に到達すると、充電電力PBiは点12より徐々に低下して、時刻t2の点22で充電電力PBi=0になる。また、推進電動機電力PMiが時刻t2の点23の制限値に到達したことを表示灯26(PLML)で表示する。
時刻t2において、発電機は推進電動機と補機のみに電力を供給する運転状態であるから、図2の演算部29Aの(1)式においてPGS=PGi=PΣ=PAXi+PMi(PBi=0)となり、推進電動機電力PMiの増加分をもはや充電電力の減少分で捻出することはできない。
時刻t2に到達すると充電電力PBi=0(充電電流IBi=0)を条件として、推進電動機回転速度指令NSCが増加できないよう制限して、推進電動機電力PMiを点23の電力値に制限するとともに、発電機は図2の演算部29Aの(4)式で求めた電流制限値IGL(=PGS÷VGi)で出力が制限される。
この運転状態で補機電力PAXiが増加した場合の動作は前述と同じである。
その後、推進電動機回転速度設定値NSを時刻t3から時刻t5の零速度に向けて下げれば、推進電動機電力PMiが時刻t3の点33から時刻t5の点53に向かって減少して、この推進電動機電力PMiの減少分を電池の充電電力として供給することができるようになるので、電池への充電が再開される。そして、時刻t4において、充電電力PBiは点42の電力値で一定となるので、上限値PGSによる発電機出力制限が解除され、時刻t1での記憶値PMm,PBm,NSCmがリセットされて通常の運転状態に復帰する。
図6Bは、電池優先モードの動作パターンの異なる例(電池優先モードその2)を説明する動作説明図である。図6Bの基本動作は、前述の図6Aの動作と同じである。相違するのは、時刻t0において推進電動機は点03の運転状態、電池は点02の充電動作にあり、推進電動機回転速度設定値NSを時刻t0の点03の電力値に対応する回転速度値から増加させた動作を示している。
推進電動機電力PMiが増加して時刻t1の点13に至ると、点13の推進電動機電力PMiをPMmとして記憶し、点12の電池充電電力PBiをPBmとして記憶、さらに時刻t1における回転速度指令値NSCをNSCmとして記憶する動作は、前述の場合と同じである。
時刻t1より、さらに推進電動機回転速度設定値NSを増加させるときは、図2の演算部29Cの(8)式より推進電動機電力の増加分ΔPMi=PMi−PMmを求め、図2の演算部29Cの(9)式より推進電動機電力の増加分ΔPMiに充当するための電力分だけ減少させた充電電力値PBi=PBm−ΔPMiが求められ、図2の演算部29Eの(11)式より充電電力を上記充電電力値PBi(=PBm−ΔPMi)とするための電流指令値IBSC=PBi÷VBiが求められ、この電流指令値IBSCと実充電電流IBiをb2点で突合せて電流フィードバック制御が行なわれる。
また、推進電動機電力PMiが時刻t1の点13からさらに増加して時刻t2の点23に到達すると、充電電流は点12より徐々に低下してt2時刻の点22で充電電流IBi=0になる。
時刻t2において、発電機は推進電動機と補機へのみ電力を供給する運転状態であるから、図2の演算部29Aの(1)式においてPGS=PGi=PΣ=PAXi+PMi(PBi=0)となり、推進電動機電力の増加分をもはや充電電力の減少分で捻出することはできない。
また、時刻t2に至ると充電電力PBi=0(充電電流IBi=0)を条件として、推進電動機回転速度指令NSCが増加できないよう制限して、推進電動機電力PMiを点23の電力値に制限するとともに、発電機は図2の演算部29Aの(4)式で求めた電流制限値IGL=PGS÷VGiで出力が制限される。なお、この運転状態において補機電力PAXiが増加した場合の動作は前述の説明と同一である。
その後、推進電動機回転速度設定値NSを時刻t3から下げれば、推進電動機電力PMiが時刻t3の点33から時刻t5の点53に向かって減少して、この推進電動機電力PMiの減少分を電池の充電電力として供給することができるようになるので、電池への充電が再開される。そして、時刻t4において、充電電力PBiは点42の電力値で一定となるので、上限値PGSによる発電機出力制限が解除され、時刻t1での記憶値PMm,PBm,NSCmがリセットされて通常の運転状態に復帰する。
3)上記1)項および2)項により、この発明の実施の形態による充電走行時の動作モードとして「電池優先モード」および「電動機優先モード」について説明したが、「電池優先モード」では、発電機出力制限値内において電池の充電状態と推進電動機および補機の運転状態を勘案して充電することにより、充電時間の短縮された効率的な充電を行なうことが可能となる。これにより、ハイブリッド電源における原動機駆動発電機(エンジン駆動発電機)の運転時間短縮、そして、原動機(エンジン)用燃料の消費量低減がもたらされることから、大きな経済的効果が得られる。
また、「電動機優先モード」では、発電機出力制限値内において推進電動機の高速運転を行なうことができるとともに、さらに電池を浮動動作とすれば、より多くの電力を推進電動機に供給することができることから、より高速な運転が可能になる。
ここで、上記の浮動動作は、図1におけるハイブリッド電源を構成する電池1(B)として、図9に示すような、リチウムイオン電池などの単電池が複数セル直列接続された電池群B1〜Bn(図9では各1セルのみを代表的に示す)が、半導体スイッチQ1〜Qnと放電用のダイオードD1〜Dnとが逆並列接続されたスイッチ回路を介して直流給電母線101に並列接続されてなる構成の電池電源装置1を適用した船舶電気推進システムにおいて、半導体スイッチQ1〜QnをOFFとするとともに、発電機電圧VGを、例えば各電池群の電池電圧VB1〜VBnの中で最も高い電圧電圧よりも若干高めの電圧(=電池電圧+ダイオード沿層電圧+α電圧)に制御することによって、逆バイアス状態のダイオードD1〜Dnにより発電機電圧VGをブロックさせて、発電機8(G)の負荷変動による外乱の影響を受けることなく、充放電電流を0Aとした(充電電流および放電電流のいずれも流れない)浮動充電運転を行なう動作である。発電機8(G)を停止すれば発電機電圧VGは低下するから、電池群B1〜Bnは各ダイオードD1〜Dnを介して放電を開始し、負荷への電力供給が開始されるため、無瞬断の給電が可能となる。なお、上記α電圧は、負荷変動外乱による発電機8(G)の制御応答に伴う電圧変動値を加味して決定するのが望ましい。また、図9において、電池電源装置1は、電流検出器SH1〜SHn、電圧検出器VD1〜VDnを備えており、半導体スイッチQ1〜Qnに対するON−OFF指令Q1dv〜Qndvがシステム制御装置29から与えられる。各電池群ごとに設けられるスイッチ回路は図9の構成に限定されるものではない。
以上のように、電池と、この電池を充電するための発電機とを備えたハイブリッド電源から、船舶を推進するプロペラを回転させる推進電動機および補機に給電して船舶を運行させるようにした船舶電気推進システムにおいて、発電機が電池に充電電力を供給するとともに推進電動機および補機にも電力を供給しながら船舶を運行させる充電走行を行なうに当たり、「電池優先モード」と「電動機優先モード」とを適宜使い分けることにより、船舶電気推進システムの効率的,効果的,かつ柔軟な運転を行なうことができる。
4)次に、従来型電池、例えば鉛蓄電池と、新型電池、例えばリチウムイオン電池の充電特性、および充電方法について図7を参照して説明する。
図7は電池充電特性の例を示す説明図である。先に述べたように、鉛蓄電池は、電解液の電気分解に伴う水素ガス、酸素ガスの発生の防止、および充電電力損失の低減などの理由により、図7に示すステップ1(大定電流:PBC1)、ステップ2(定電圧/中電流:PBC2)、ステップ3(小定電流:PBC3)のように充電電流を変化させて充電するため、充電には長時間を必要とする。
これに対して、リチウムイオン電池は、充電初期から充電終期までの全充電工程(全充電領域)にわたって大定電流で充電することが可能であるから、図7のように、充電可能最大電流LBCmで充電すれば時刻t1(Cm(FULL))で充電完了し、充電電流LBC1であればt2時刻、充電電流LBC2であればt3時刻で充電が完了する。リチウムイオン電池は、全充電工程のうちのどの工程(充電状態)にあるかに関わらず、大電流から小電流まで充電電流の大きさを任意に選定して充電することが可能であるから、図1における電池1(B)としてリチウムイオン電池を用いた構成の船舶電気推進システムを充電走行させる場合、その時の電池1の充電工程が充電初期から充電終期までのいずれであっても、発電機出力制限値内で推進電動機および補機の運転状態との関連で供給可能な最大限の充電電力(充電電流)で電池1を充電する充電方式とすることができるので、鉛蓄電池などの従来型電池を用いた構成に比べて大幅な充電時間の短縮化が可能となる。
また、例えば鉛蓄電池のような従来型電池では、特にステップ2の後半からステップ3の満充電領域における充電には長時間を必要としているが、リチウムイオン電池では、図7において、例えばC11・C12・C13・C14で示されるように、充電量に関係ない一定の電流LBC1で充電を行なうことにより、充電時間をより短縮することができる。ここで、図7におけるC11、C12、C13、C14は、電池の充電量の状態を表す符号であり、例えば、C11:20%、C12:40%、C13:60%、C14:80%、C1:100%(FULL充電状態)となる。なお、リチウムイオン電池を充電量に関係ない一定の電流LBC1で充電する場合、その充電量は電池電圧LBVで判定することができる。
また、図7に示す点線IGが発電機出力電流の上限であるとし、電池を充電電流LBC1で充電するときは、(IG−LBC1)の大きさの電流に対応する電力を推進電動機および補機へ供給でき、また、充電電流LBC2であれば、(IG−LBC2)の大きさの電流に対応する電力を推進電動機および補機に供給できるから、充電電流をLBC1からLBC2にすれば、推進電動機および補機へより大きな電力を供給することができる。
そして、ハイブリッド電源を構成する電池としてリチウムイオン電池を用いた船舶電気推進システムにおいて、「電池優先モード」を選択している場合には、電池への充電電力の供給が優先されるが、その時の電池の充電工程が充電初期から充電終期までのいずれであっても、発電機出力制限値内で補機電力を差し引いた余剰電力として供給可能な最大限の充電電力(充電電流)で電池を充電することができ、これにより、充電時間の短縮化を図ることができる。
一方、ハイブリッド電源を構成する電池としてリチウムイオン電池を用いた船舶電気推進システムにおいて、「電動機優先モード」を選択している場合には、推進電動機への電力の供給が優先されるが、船舶の運行状態により推進電動機が低回転速度状態になり、推進電動機電力が低レベル状態になる度に、その時の電池の充電工程が充電初期から充電終期までのいずれであっても、発電機出力制限値内で推進電動機電力および補機電力を差し引いた余剰電力として供給可能な最大限の充電電力(充電電流)で電池を充電することができ、これにより、充電時間の短縮化を図ることができる。
以上のように、リチウムイオン電池を用いた場合には、リチウムイオン電池の特性を最大限に生かした「電池優先モード」と「電動機優先モード」の動作が可能であるので、先の図5A〜6Bの説明と部分的に重複するが、図8を参照して一連の動作を説明する。
図8は電池優先モードおよび電動機優先モードの動作例を説明する動作説明図である。まず、「電池優先モード」とし、時刻t0の点02から時刻t2の点22に向けて充電電力を増加させると、合計電力PΣは点01から点21に向けて増加する。
また、点22〜点32間の充電電力は変更しないとすれば、合計電力PΣ=発電機出力PGi<発電機出力上限PGSであるから、発電機は推進電動機と補機へ所定の電力を供給している。
時刻t3の点32から時刻t5の点52へ向けて充電電力を増加させると、時刻t4の点41で合計電力PΣが発電機出力上限PGSと一致し、点42の充電電力PBiをPBmとして記憶し、点43の推進電動機電力PMiをPMmとして記憶し、さらに時刻t4における回転速度指令値NSCをNSCmとして記憶する。
さらに、点42から充電電力が増加すると前述の説明と同様に、点43から推進電動機電力(回転速度)は減少(低下)する。
充電電力が点52に到達した時刻t5において、合計電力PΣ=PBi+PMi+PAXiは発電機出力上限PGSの点51であり、推進電動機電力は点43より減少した点53の電力値となっている。そして、t5時刻の点52からt6時刻の点62までの期間、充電電力が点52の電力値で一定である場合、推進電動機は点53の電力値(回転速度)で運転継続される。なお、図8において、時刻t5から時刻t6までの期間、推進電動機電力PMiのパターンと補機電力PAXiのパターンとが同じ電力レベルとして描かれているが、これは、推進電動機電力PMiが補機電力PAXiと同程度まで低下して運転される状態を模式的に示しているものであり、この期間における実際の動作パターンは、両者が全く同じ電力値になる構成に限定されるものではない。
さらに、時刻t6の点62から時刻t7の点72へ向けて充電電力が増加すると、推進電動機電力(回転速度)をさらに減少(低下)させて、余剰分の電力を充電電力の増加分ΔPBiに充当し、時刻t7の点73で推進電動機電力(回転速度)は0になる。
この時刻t7において、発電機は点72の電池充電電力および点74の補機電力だけを供給する状態となっているから、時刻t7以後に充電電力を点72の電力値よりさらに増加させようとしても、もはや、推進電動機電力(回転速度)の減少(低下)操作により充電電力の増加分に充当するための電力を捻出することができないので、点72より充電電力を増加させることはできない。
このため、点72における充電電流指令値IBSC(t7)、または、充電電圧指令値VBSC(t7)を、充電電流指令または充電電圧指令の上限値として充電電力を制限する。
時刻t8の点82から時刻t9の点92に充電電力を減少させると、推進電動機電力(回転速度)は点83から点93に向けて増加(上昇)し、時刻t9以後、充電電力が点92の電力値で一定である場合、推進電動機は点93の電力値(回転速度)で運転される。
時刻t10で制御切替スイッチ23(COSC)を「電池優先モード」から「電動機優先モード」に切替えると、推進電動機電力(回転速度)は点03〜点43と同じ電力(回転速度)である点103の電力(回転速度)に復帰し、電池充電電力を点102の電力に減少させて、余剰分の電力を推進電動機電力の増加分へ充当する。
時刻t11の点113から時刻t12の点123に向けて推進電動機電力(回転速度)を増加(上昇)させると、推進電動機電力の増加分を充当するために必要な充電電力の減少分を算出して充電電力を減少させる。そして、充電電力は時刻t12の点122で0になる。
この時刻t12において、発電機は点123の推進電動機電力および点124の補機動力だけを供給する状態となっているから、時刻t12以後に推進電動機電力を点123の電力よりさらに増加させようとしても、もはや、充電電力の減少操作により推進電動機電力の増加分に充当するための電力を捻出することができないので、点123における推進電動機回転速度指令値NSC(t12)を推進電動機回転速度指令の上限として推進電動機回転速度を制限し、これにより推進電動機電力を制限する。
推進電動機電力(回転速度)を時刻t13の点133から時刻t14の点143に向けて減少(低下)させると電池充電電力は点132から点142に向けて増加する。
時刻t15で制御切替スイッチ23(COSC)を「電動機優先モード」から「電池優先モード」へ切替えると「電池優先」動作になるから、点152の充電状態は時刻t9の点92と同じ状態に復帰し、推進電動機の運転状態は点93と同じ電力での運転に制限される。
時刻t16において充電電力を点162から時刻t18の点182に向けて減少させるように操作すると、推進電動機電力(回転速度)は点163より増加(上昇)し、時刻t17で点03〜点43と同じ点173の電力(回転速度)に復帰し、また、上限値PGSによる発電機出力制限は点171で解除される。
時刻t18の点182で充電電力が0になると、この時刻t18において、発電機は点183の推進電動機電力および点184の補機電力だけを供給することになる。
時刻t20で発電機を停止すると点203の推進電動機電力、点204の補機電力は点201Bの電池放電電力により供給されることになる。
なお、時刻t4〜t17間は発電機出力上限値PGSに制限された動作状態であるから、「電池優先モード」の時刻t5〜t10間は電池充電を優先させて推進電動機電力を抑制し、「電動機優先モード」の時刻t10〜t15間は推進電動機運転を優先させて電池充電電力を抑制する動作を行なうので、状況に応じた最適な運転が可能になる。
この発明の実施の形態としての船舶電気推進システムを示す構成図 船舶電気推進システムの制御ブロック図 発電機出力の制限制御特性図 推進電動機の回転速度と推進電力との関係を示す特性図 電池優先モードその1を説明する動作説明図 電池優先モードその2を説明する動作説明図 電動機優先モードその1を説明する動作説明図 電動機優先モードその2を説明する動作説明図 電池充電特性の説明図 電池優先モードおよび電動機優先モードを説明する動作説明図 電池電源装置の構成例を示す回路図
符号の説明
1…電池(B)、2,5,11,16…電圧検出器、3,6,12,17…電流検出器、4…補機、7…原動機(DE)、8…発電機(G)、9…励磁コイル、10…整流器(REC)、13…推進電動機(M)、14…速度検出器(TD)、15…インバータ(INV)、18,21,23,27…スイッチ、19,20,22,28…設定器、24〜26…表示灯、29…システム制御装置、29A〜29E,57,58,60,63…演算部、52…電圧制御回路、55…電流制御回路、62…速度制御回路、65…発電機制御回路、101…直流給電母線。

Claims (4)

  1. 蓄電池と、この蓄電池を充電するための発電機とを備えたハイブリッド電源から、船舶を推進するプロペラを回転させる推進電動機および補機に給電して船舶を運行させるようにした船舶電気推進システムにおいて、発電機が蓄電池に充電電力を供給するとともに推進電動機および補機にも電力を供給しながら船舶を運行させる電池充電走行を行なうに当たり、
    発電機出力制限値内において蓄電池への充電電力の供給を優先させるように発電機からの電力供給を制御する電池優先モードと発電機出力制限値内において推進電動機への電力の供給を優先させるように発電機からの電力供給を制御する電動機優先モードとの切替え手段を設け、その切替えに応じていずれかのモードを実行することを特徴とする船舶電気推進システムの制御方式。
  2. 前記電池優先モードを選択した場合に、充電電力が増加して充電電力,推進電動機電力,補機電力の合計電力が発電機出力制限値を超えるときは、推進電動機回転速度を低下させて推進電動機電力を減少させることにより得られた余剰分の電力を増加分の充電電力に充当するように制御するとともに、前記電動機優先モードを選択した場合に、推進電動機回転速度の上昇により推進電動機電力が増加して前記合計電力が発電機出力制限値を超えるときは、充電電力を減少させることにより得られた余剰分の電力を増加分の推進電動機電力に充当するように制御する制御手段を設け、
    この制御手段により、前記電池優先モードおよび前記電動機優先モードのいずれにおいても前記合計電力が発電機出力制限値を超えないように制御することを特徴とする請求項1に記載の船舶電気推進システムの制御方式。
  3. 前記制御手段は、前記電池優先モードを選択した場合に、充電電力が増加して推進電動機電力が零になっている状態で補機電力が増加したときは充電電力を低下させるとともに、前記電動機優先モードを選択した場合に、推進電動機電力が増加して充電電力が零になっている状態で補機電力が増加したときは推進電動機電力を低下させることを特徴とする請求項2に記載の船舶電気推進システムの制御方式。
  4. 前記蓄電池がリチウムイオン電池であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つの項に記載の船舶電気推進システムの制御方式。
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