JP2009262421A - インクジェットヘッドおよびインクジェット式記録装置 - Google Patents

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剛 角田
Shintaro Hara
慎太郎 原
Yuji Toyomura
祐士 豊村
Kazumi Sadamatsu
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Abstract

【課題】圧電体素子を収納する封止ケース内の雰囲気を長期間にわたり低湿度環境に保ち、水分による圧電体素子のリーク電流の発生を抑え、圧電体素子の絶縁破壊を防ぎ、長期にわたって安定的に駆動が可能なインクジェットヘッド、およびこのインクジェットヘッドを用いたインクジェット式記録装置を提供することを目的とする。
【解決手段】インクを吐出する圧力を生成する圧電体素子と、この圧電体素子を収納する封止ケース21と、この封止ケース21と連結され、封止ケース21内を乾燥させる着脱可能な乾燥ユニット24とを有し、封止ケース21と乾燥ユニット24を連結した際に、封止ケース21および乾燥ユニット24の内部圧力が大気圧よりも低くなるように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気機械変換機能を呈する圧電体素子を用いたインクジェットヘッド、およびこのインクジェットヘッドを印字手段として備えたインクジェット式記録装置に関する。
一般に圧電体素子は2つの電極間に層状に形成された圧電体を備えている。ここで、圧電体を構成する圧電体材料は、機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換し、あるいは電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する材料である。
圧電体材料にはジルコン酸チタン酸鉛(PZT)等の圧電性セラミックが用いられる。PZTに代表される鉛系の圧電性セラミックは高い圧電定数を示す等の種々の優れた特性を有し、圧電アクチュエータや焦電型赤外線検出素子、不揮発性メモリー素子などの様々な電子部品に応用ができる。
また素子の小型化、高密度化のために圧電体素子を構成する圧電体はスパッタ法、CVD法、ゾルゲル法を用いて薄膜化が行われ、フォトリソグラフィーやドライエッチングによる微細加工が適用されるようになってきている。ところが圧電体素子を、湿度の高い雰囲気に長時間さらした状態で高電圧を印加すると、圧電体の電気的な絶縁性が低下して絶縁破壊が起こることがある。このような現象は圧電体素子の信頼性を確保する点で大きな課題の1つとされてきた。
PZTに代表される鉛系の圧電性セラミックは鉛(Pb)が焼成、焼結、またはスパッタ法等の成膜時にPbOの形で抜けやすく、化学量論的組成に制御することが困難である。Pbが化学量論的組成から少ない場合、結晶配向特性や圧電特性、強誘電体特性、焦電特性の低下を招く。従って、例えば(特許文献1)に開示されるように、化学量論的組成よりPbが若干過剰に添加される場合が多い。例えばPZT等の鉛化合物を含む圧電体は高温で合成される。これは薄膜の形態(圧電体薄膜)であっても同様であり、高温時の鉛の蒸気圧が高いため、作製時の安定性などから、例えばスパッタリングターゲットを化学量論的組成のPZT(化学量論的組成はPb(Zr1-XTiX)O3(0<x<1)であり、化学量論的組成比のPb:(Zr+Ti):O=1:1:3である)よりも幾分、鉛過剰の組成にすることが通常になっている。その結果、製造されたPZTも、通常は鉛過剰の状態となる。
上記のごとく、結果的に鉛過剰となった圧電体(特に圧電体薄膜)を用いた圧電体素子において、高湿度の環境下で高電圧を印加したときに絶縁破壊が起こる原因は、以下のメカニズムだと考えられる。
即ち、例えばスパッタ法で作製された圧電体薄膜は、厚み方向において一方の側から他方の側に成長した複数の柱状結晶粒子によって構成された集合体から成る場合が多く、それらの柱状結晶粒子同士の境界部分には結晶粒界が存在する。また、柱状結晶粒子の集合体の形態を示さない場合であっても、多くの結晶粒界を有している。更に、薄膜形成時に存在する異物などの影響により、厚み方向に小さな空孔などが発生する。そして、この圧電体の結晶粒界や空孔表面には、過剰の鉛が酸化物の形態で析出する。更にこの結晶粒界に存在する鉛化合物が、湿気と反応して吸収された水分と電気化学的な反応を起こして変質する。
圧電体薄膜を応用した圧電体素子において、絶縁破壊が発生する原因の1つとして、水分が電極に生じたピンホール等を通って圧電体薄膜の結晶粒界に浸入して、その結晶粒界に存在している酸化鉛が、その水分により水酸化鉛を経て、導電性を有する二酸化鉛に変質することが考えられる。
上述したように、絶縁抵抗の低下の原因は、水分が直接的に圧電体材料に作用することによるものである。
この低下を防止する方法として、例えば、(特許文献2)に開示されているように、内部に乾燥剤を入れた金属容器に圧電体素子全体を収納して、容器を完全に密閉するようにすれば、圧電体が絶縁劣化しないことが実証されている。
更に、例えば(特許文献3)に開示されているように、キャップ部材等により圧電体素子を密封し、密閉空間に乾燥流体や不活性ガス、水の蒸気圧が低下した流体等を封入する構成が提案されている。
また、例えば(特許文献4)に開示されているように、圧電体素子の近傍を低湿度環境に保つために、乾燥気体を一定の流量で導入し、湿度環境を所定湿度以下に保つ方法についても提案されている。
また、例えば(特許文献5)に開示されているように、空気中の水蒸気や結露した水成分等の浸入を防ぐためにSiN膜などの無機材料あるいはガスバリア性の高いといわれるポリパラキシリレンあるいはその誘導体からなる樹脂被膜をコートするような対策も提案されている。
特開2005−244174号公報 特開平04−349675号公報 特開平10−305578号公報 特開2004−322605号公報 特開平10−242539号公報
しかしながら、例えば(特許文献2)および(特許文献3)に開示されている技術のように圧電体素子を密閉容器等に封入する場合、初期の乾燥雰囲気を低くするために封入作業は水分の極めて少ない低湿度環境で行なう必要があるが、グローブボックス等を用いた作業における作業性が悪く、封入後の湿度雰囲気のばらつきが生じやすい。更に封入後に接着材の界面等から、外部の水分が浸入してくるため、封入内部の湿度が経時的に上昇していく。また、例えば上述のような過程を経て、圧電体を封入した容器の内部環境が高湿度化してしまった場合に、内部の水分を除去するのは困難なため、駆動中の圧電体素子の絶縁破壊を引き起こすことになる。更に一度封入した内部の湿度上昇は外部の湿度環境にも影響されるので、圧電体素子の信頼性、即ち絶縁破壊を引き起こすまでの素子寿命の保証が困難であった。即ち製品としての保証期限が設定できない課題が生じる。
また、(特許文献4)のように外部から乾燥気体を導入し、圧電体素子近傍の湿度環境を制御する方法は、上記で示したような封止による湿度環境のばらつきや、経時的に湿度環境が変化する場合の対策としては有効な手段であり、安定した湿度環境を提供できる。しかしながら湿度環境を維持するために、エアフィルターやオイルミストフィルター等の付帯設備が必要になるため装置が大がかりになり、更に付帯設備にエアーや電力等のエネルギーを供給する必要があるため設置場所の制約を受ける。
また、(特許文献5)のように空気中の水蒸気や結露した水分等の浸入をふせぐためにガスバリア性の高い保護膜等を形成する方法では、圧電体素子の機械的変位を阻害しないような膜厚(例えば数十ナノメートル)で保護膜等を形成する必要があり、そのような膜厚では圧電体素子表面の欠陥(ピンホール等)の発生を完全に排除することは難しい。特にインクジェットヘッドのように圧電体素子が複数個並列で形成される素子においては各素子が独立に制御される必要があるため、各圧電体素子の電極(上部電極)上に形成される保護膜は電気的絶縁性の高い膜が必要になる。一般的には樹脂や無機材料が選択されることになるが、これらはガスバリア性を保つためにはある程度の膜厚が必要になる。また高湿度環境では圧電体素子と保護膜との界面から水分の浸入が起こり、経時的に劣化、剥離が進行する。従って圧電体素子と保護膜の密着性を保つ等、他の課題も発生する。
本発明は、係る点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水分による圧電体素子の絶縁破壊を長期間にわたり、安定的に防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のインクジェットヘッドは、インクを吐出する圧力を生成する圧電体素子と、この圧電体素子を収納する封止ケースと、この封止ケースと連結され、封止ケース内を乾燥させる着脱可能な乾燥ユニットとを有し、封止ケースと乾燥ユニットを連結した際に、封止ケースおよび乾燥ユニットの内部圧力が大気圧よりも低くなるように構成したものである。
本発明によるインクジェットヘッドによれば、圧電体素子を収納する封止ケース内の雰囲気が長期間にわたり低湿度環境に保たれていることにより、水分による圧電体素子のリーク電流発生が抑えられ、圧電体素子が絶縁破壊することなく、長期に安定的に駆動を行なうことにより高い信頼性を有すインクジェットヘッドを実現することが可能になる。
本発明のインクジェットヘッドは、インクを吐出する圧力を生成する圧電体素子と、この圧電体素子を収納する封止ケースと、この封止ケースと連結され、封止ケース内を乾燥させる着脱可能な乾燥ユニットとを有し、封止ケースと乾燥ユニットを連結した際に、封止ケースおよび乾燥ユニットの内部圧力が大気圧よりも低くなるように構成したものである。
これによって、封止ケースと乾燥ユニットは大気圧によって互いに密に連結され、封止ケース内の環境が低湿度で長期間保たれる。更に、乾燥ユニットは封止ケースに着脱可能に構成されており、仮に封止ケース内に水分が浸入する事態となっても、乾燥ユニットを交換することで、ただちに封止ケース内を低湿度状態に復帰させることができるため、圧電体素子の破壊を長期にわたって防止することが可能となる。
また本発明は、封止ケースと乾燥ユニットを連通する連通部と、この連通部に封止ケースから乾燥ユニットを着脱する着脱部を備えたものである。
これによって、簡易な構成にて乾燥ユニットを速やかに交換することが可能となる。
また本発明のインクジェットヘッドは、上部電極と下部電極との間に圧電体薄膜を設けた圧電体素子と、この圧電体素子の振動を阻害しない程度の空間を有し、この空間を外部の湿度環境から遮断する封止部材によって密閉された封止ケースと、この封止ケースの内部を低湿度に保つ乾燥部材を備えた乾燥ユニットと、封止ケースと乾燥ユニットを連通する連通部と、この連通部の中間で前記封止ケースから前記乾燥ユニットを着脱する着脱部とを備え、この着脱部において、封止ケースと乾燥ユニットを連結した際に、封止ケースおよび乾燥ユニットの内部圧力が大気圧より低くなるように構成したものである。
これによって、封止ケースと乾燥ユニットは大気圧の圧力によって互いに強固に連結され、封止ケース内の環境が低湿度で長期間保たれ、圧電体素子の破壊を長期にわたって防止することが可能となる。更に、簡易な構成にて乾燥ユニットを速やかに交換することが可能となる。また、圧電体素子の小型化に対応した封止ケース内の環境が常に低湿度で保たれるとともに、乾燥ユニット交換時に封止ケース内の環境が速やかに低湿度環境へと移行する。
また本発明は、封止ケースと乾燥ユニットを連通する複数の連通部を備え、封止ケースと乾燥ユニットの連結を複数の連通部で行なうとともに、乾燥ユニットを前記複数の連通部にて着脱可能に構成したものである。
これによって、簡易な構成で、連通部を複数有する乾燥ユニットであっても、速やかに交換することが可能となる。
また本発明は、複数の連通部の少なくとも1つが乾燥ユニットから封止ケースに気体を導入し、複数の連通部の少なくとも他の1つが封止ケースから乾燥ユニットに気体を導出するように、乾燥ユニットと封止ケースの間で気体を循環させる気体循環装置を備えたものである。
これによって、減圧下において乾燥ユニットで乾燥された乾燥気体を強制的に封止ケースに循環させ、圧電体素子の雰囲気湿度を低下せしめて圧電体素子の破壊を長期にわたって防止することが可能となる。
また本発明は、気体循環装置を、複数の連通部の少なくとも一方に設けられたポンプで構成したものである。
これによって、乾燥ユニットで乾燥された乾燥気体を強制的に封止ケースに循環させることが可能となる。
また本発明は、封止ケースの内部、あるいは連通部に湿度を検出する湿度検出部を備えたものである。
これによって、封止ケース内の環境が把握でき、乾燥ユニットの交換時期を適切に知ることができ、交換サイクルの管理が可能となる。
また本発明は、湿度検出部によって封止ケース内部の湿度が所定湿度以上になったことを検出した場合、気体循環装置の気体循環量を増加させる制御手段を備えたものである。
これによって、乾燥ユニットによる気体の乾燥が促進され、低湿度環境を維持することが可能となる。ただし、この場合であっても、乾燥ユニットの気体乾燥能力が低下しているため、ユーザには乾燥ユニットの交換を喚起することが望ましい。
また本発明は、乾燥ユニットは、乾燥剤を封入した乾燥部材を複数有し、この複数の乾燥部材を、気体循環装置によって乾燥ユニット内を流れる気体の流路に沿って配置したものである。
これによって、封止ケースに導入される気体を効率的に乾燥することが可能となる。
また本発明は、連通部に、乾燥ユニットと封止ケースとの間の気体の移動を遮断する遮断機構部を設けたものである。
これによって、乾燥ユニットを交換する際に連通部における気体の移動は遮断され、封止ケースの減圧状態を維持することが可能となる。なお、後述するように、乾燥ユニットには、操作者の操作によって外気と連通する大気連通口が設けられており、乾燥ユニット内部を大気圧とすることで交換を容易にしている。
また本発明は、遮断機構部を、乾燥ユニットを交換する際に外部の湿度環境から封止ケースを遮断するように構成したものである。
これによって、乾燥ユニットを交換する際に、封止ケースに高湿度の外気が流入することを効率よく防止できる。
また本発明は、着脱部を、乾燥ユニットと遮断機構部の間に設けたものである。
これによって、遮断機構部から封止ケースの間は外気と遮断され、乾燥ユニットを交換する際に、封止ケースに高湿度の外気が流入することを効率よく防止できる。
また本発明は、乾燥ユニットを、封止ケースに連結されるまでは外部環境と遮断され、内部が減圧雰囲気に保たれるように構成したものである。
これによって、乾燥ユニットを何度交換しても、乾燥ユニットと封止ケース全体の内部圧力は上昇せず、封止ケース内部の低湿度環境を長期間にわたって維持することが可能となる。
また本発明は、乾燥ユニットは内部に乾燥部材を備え、この乾燥部材を、水分子を物理的な吸着により保持し再放出しない乾燥剤で構成したものである。
これによって、温度変化等による外乱で封止ケース内の湿度雰囲気が変動することなく低湿度環境を維持することが可能となる。また、化学的に水分子を吸着するタイプの乾燥剤では、吸湿によって液化するものがあるが、物理的作用で水分子を吸着するものは体積が変化することはあっても液化しない。これによって、乾燥ユニットの交換(メンテナンス)を簡易化することが可能となる。
また本発明は、封止ケースの内部容積を乾燥ユニットの内部容積より小さく構成したものである。
これによって、インクジェットヘッドの小型化と乾燥ユニット交換時に封止ケース内の環境が速やかに低湿度環境へと移行することが可能となる。また、乾燥ユニットの内部圧力を大気圧よりも低くしておけば、乾燥ユニットを何度交換しても、封止ケース内部は常に大気圧よりも低い内部圧力を維持することが可能となる。
また本発明は、乾燥ユニットを、乾燥剤と密閉された空間内の気体を攪拌する攪拌装置とで構成したものである。
これによって、乾燥ユニットにおける水分除去性能を向上させ、乾燥ユニット内およびこれと連通する封止ケース内の空間を均一な低湿度環境で維持することが可能となる。
また本発明は、封止ケースを複数有し、この複数の封止ケースと乾燥ユニットを連通する連通部を備え、乾燥ユニットを、着脱部によって複数の封止ケースと連通したものである。
これによって、乾燥ユニットの個数は封止ケースの個数より少ないものとなり、インクジェットヘッドおよびインクジェットシステムの小型化が可能となる。
また本発明は、乾燥ユニットを複数有し、この複数の乾燥ユニットと封止ケースを連通する連通部を備え、封止ケースを、着脱部によって複数の乾燥ユニットと連通したものである。
これによって、乾燥ユニットの取付個数を任意に選択することが可能となり、必要とされる乾燥能力を柔軟に提供することが可能となる。
また本発明は、複数の乾燥ユニットのそれぞれに対応した着脱部を備え、複数の乾燥ユニットのそれぞれを、独立して連通部に着脱可能に構成したものである。
これによって、乾燥ユニットの取付個数を任意に選択することが可能となり、必要とされる乾燥能力を柔軟に提供することが可能となる。
また本発明のインクジェット式記録装置は、上述したインクジェットヘッドと、このインクジェットヘッドと記録媒体とを相対移動させる相対移動手段とを備え、この相対移動手段によりインクジェットヘッドが記録媒体に対して相対移動しているときに、インクジェットヘッドにおいて圧力室に連通するように設けたノズル孔から圧力室のインクを記録媒体に吐出させて記録を行なうように構成したものである。
本発明のインクジェットヘッドは、長期にわたって安定したインク吐出能力を維持できることから、このインクジェットヘッドを用いたインクジェット記録装置もまた、設置環境の影響を受けず長期にわたって安定した画質で画像を形成でき、印字動作が信頼性の高いものとなる。
また本発明のインクジェットヘッドは、封止ケースと乾燥ユニットを空間的に連通する複数の連通部を備え、この複数の連通部は第1の連通部と第2の連通部で構成され、封止ケースにおいて、第1の連通部の開口部を第2の連通部の開口部より上方に配置したものである。
これによって、封止ケース内に浸入した水分は、乾燥気体との比重の差によって上方に移動するから、封止ケースと乾燥ユニットの間で気体の自然循環が発生し、効率よく乾燥を促進することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの乾燥ユニット24および封止ケース21を示す斜視図である。図1は以降の説明を容易にするため、一部を透視した状態で描かれている。
図示するように、封止ケース21はケース部材151とヘッドベース25とで構成されている。ケース部材151は図1における上下方向の中間部分に開口としての導入口22が設けられた仕切り部150を備える。
10はインクジェットヘッド基板であり、インクジェットヘッドを構成する部材である圧電体素子や圧力室基板、流路基板やノズル板等の積層物等(図示せず)を含み、インクジェットヘッド基板10の外周部は、接着剤等によりヘッドベース25に固定されている。ヘッドベース25において、インクジェットヘッド基板10の内周部に対応する部分は開口部をなしており(図示せず)、この開口部からインクがDR1方向に吐出される。
なお、信号線155は仕切り部150に設けられた信号線155を通すスリット(図示せず)を介して外部に引き出される。仕切り部150に設けられたスリットと信号線155の隙間は耐透水性の高い接着剤により封止固定される。このように信号線155をヘッドベース25に対してケース部材151の内壁(ヘッドベース25に対してほぼ垂直に形成されている)に沿って、上方に引き出す構造としたことで、複数の封止ユニット21を配置して、いわゆるライン型のインクジェットヘッドを構成した場合に、信号線151の引き回しを容易にするとともに、各封止ユニット21と信号線151が互いに干渉することを防止でき、高解像度のライン型インクジェットヘッドを容易に構成できる。
図示しない圧電体素子は、上述の圧力室に作用してインクを吐出する圧力を生成するものであり、信号線155を介して外部から供給される駆動信号に基づいてインクジェットヘッド基板10に形成された圧電体素子を駆動することで、図示しない吐出ノズルからDR1方向にインク滴が吐出される。
ヘッドベース25はケース部材151と接着された状態で、インクジェットヘッド基板10に形成された圧電体素子の動作を阻害しない容積の空間152を形成する。
上述のように、封止ケース21(仕切り部150)には乾燥ユニット24と連通する導入口22が形成されており、導入口22と乾燥ユニット24の間には、分配チューブ29および乾燥ユニット24を着脱可能に支持する、着脱部としての着脱機構部23が設けられている。
乾燥ユニット24は内部に乾燥剤ケース170を備え、この乾燥剤ケース170の内部には乾燥剤が封入されている。後に説明するように乾燥ユニット24は単体として外気と遮断される構造を有し、その内部は製造時点で減圧されている。その結果、封止ケース21と乾燥ユニット24が連通された状態において、両者の内部空間は減圧雰囲気となっており、大気圧より低い圧力が保たれている。
図1に示す構成では、乾燥ユニット24で生成された乾燥気体は、強制的に封止ケース21に送り込まれるものではない。従って乾燥を速やかに行なうためには、封止ケース21と乾燥ユニット24を接続する分配チューブ29は、できる限り短く構成することが望ましい。また高湿度気体と低湿度気体の比重は高湿度気体の方が小さいことから、封止ケース21に対して乾燥ユニット24は上方に配置すべきである。
ここで、封止ケース21の内部容積(空間152)は、乾燥ユニット24の内部容積より十分に小さく、圧電体素子の動きを阻害しない範囲でなるべく小さく設定される。着脱機構部23は乾燥ユニット24を交換する際に、乾燥ユニット24を外した時に封止ケース21と外部環境を遮断する機能を有し、乾燥ユニット24を装着した時点で封止ケース21と乾燥ユニット24が再び連通されるような機構を有している(外部環境を遮断する機能、再び連通する機能については、後に詳細に説明する)。これにより乾燥機能が低下した乾燥ユニット24を取り外し、再度新品を装着するまでに封止ケース21内は外部環境から遮断され、内部を減圧雰囲気により維持することができる。
インクジェットヘッドの構成や設置スペース等の制約から、着脱機構部23が設けられない場合(即ち、乾燥ユニット24を直接的に分配チューブ29から抜き差しするような着脱機構)もあるが、その場合は封止ケース21内の湿度の上昇を抑えるために、速やかに乾燥ユニット24を装着する必要がある。このような場合であっても、実施の形態1に示すように、封止ケース21の実質的な容積を乾燥ユニット24の容積よりも十分に小さくすることで、新品の乾燥ユニット24が装着された時点で、封止ケース21と乾燥ユニット24の内部は速やかに減圧環境となり、封止ケース21内の乾燥が促進されることとなる。
さて、交換に用いられる乾燥ユニット24は、金属やセラミックス等の無機材料、透水率が極めて低い樹脂材料(例えばLCP:液晶ポリマー)等を用いた容器の内部に、乾燥剤等の乾燥手段を備える乾燥剤ケース170を封入してから、容器内部を減圧状態にして封入したものである。乾燥ユニット24は連通口153を備え、この連通口153から供給された乾燥気体が封止ケース21まで導かれる。乾燥手段としては、乾燥剤を単独で使用するか、もしくは乾燥剤とともに窒素やアルゴンの乾燥流体を封入してもよい。更に封止ケース21内の乾燥をより促進する観点から、封止ケース21内に所望の発熱体(例えば電熱線)を入れて、インクジェットヘッド基板10に形成された圧電体に水分が吸収するのを防止するようにしてもよい。
封入した内部環境を減圧状態で維持するには、物理的な吸着(例えば、多孔質の空孔に水分子を吸着することで乾燥雰囲気を得るものを指す)により水分を保持し、再放出せず、形状(体積)変化も小さいモレキュラーシーブ等の乾燥剤が望ましい。もちろん、乾燥ユニット24の形状等を工夫して液漏れを防止することで、雰囲気を乾燥させると同時に潮解するような材料を用いた、いわゆる化学的作用に基づく乾燥剤を用いてもよく、物理的作用を呈する乾燥剤と化学的な作用を呈する乾燥剤を併用してもよい。更に好ましくは温度変動により吸水率が変動しない乾燥剤(上述したモレキュラーシーブの他に、例えば、塩化マグネシウムと塩化カルシウムの混合乾燥剤等)を用いるとよい。また、吸湿力の強さに着目すると、塩化マグネシウム系(例えばOZO)の乾燥剤を選択してもよい。
もちろん、乾燥ユニット24を製造する際には、乾燥剤を乾燥剤ケース170に封入する際、および乾燥剤ケース170を乾燥ユニット24に封入する際の作業環境も低湿度環境下で行い、初期の吸着水分をなるべく少なくすべきである。
乾燥剤封入後の乾燥ユニット24は、交換を行なうまでの期間、金属箔等により真空パックされ、外部環境から遮断した状態で保管される。これにより乾燥ユニット24は製造時の内部雰囲気を維持することができる。
乾燥ユニット24を交換する際は、着脱機構部23がある場合はそれを介して封止ケース21と連通させ、着脱機構部23がない場合は、例えば導入口22に分配チューブ29を直接的に連結する。
なお、乾燥機能が低下した使用済みの乾燥ユニット24を取り外す際、ユーザは着脱機構部23を遮断状態とし(後述する)、その後に乾燥ユニット24の大気連通口154に設けられた樹脂膜を外部から破る。これによって乾燥ユニット24の内部は大気と連通する。これによって気圧差によって乾燥ユニット24の取り外しが容易に行なわれる。一方、新たな乾燥ユニット24を装着する際、ユーザは着脱機構部23に乾燥ユニット24を挿入し、その後着脱機構部23を遮断状態から連通状態とする(遮断状態、連通状態については後述する)。
さて、上述したように乾燥ユニット24は減圧雰囲気であり、封止ケース21の内容積に比べて十分大きな容積のため、両者の連通後は速やかに全体が減圧雰囲気となるが、特に着脱機構部23を設けた場合、交換前の封止ケース21内は減圧雰囲気であり、交換後より速やかに乾燥雰囲気に移行が可能である。
このように、実施の形態1においては、乾燥ユニット24が乾燥させるべき封止ケース21と別体となっており、乾燥剤ケース170に封入する乾燥剤の量を調整して、乾燥能力を適宜調整することができるため、インクジェットヘッドあるいはインクジェット式記録装置の設置環境に応じて適切なコストで乾燥した環境を提供できる。更に本質的な機能として、長期間にわたって封止ケース21内を低湿度環境を維持できるとともに、経時的に湿度上昇が起こった場合も、乾燥ユニット24を交換することで速やかに初期の低湿度環境へと戻るため、封止ケース21内の湿度環境変動が少なく、湿度に対するマージンが大きくなり、圧電体素子を安定して長期間駆動できる。
以上述べてきたように、実施の形態1のインクジェットヘッドは、インクを吐出する圧力を生成する圧電体素子(インクジェットヘッド基板10に形成されている。図示せず)と、この圧電体素子を収納する封止ケース21と、この封止ケース21と連結され、封止ケース21内を乾燥させる着脱可能な乾燥ユニット24とを有し、封止ケース21と乾燥ユニット24を連結した際に、封止ケース21および乾燥ユニット24の内部圧力が大気圧よりも低くなるように構成している。
また、実施の形態1のインクジェットヘッドは、封止ケース21と乾燥ユニット24を連通する連通部としての分配チューブ29を備え、この分配チューブ29に封止ケースから乾燥ユニット24を着脱する着脱部としての着脱機構部23を備えている。
図2は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドにおける乾燥ユニット24の構成を示す斜視図である。
以降、乾燥ユニット24の構成について図2を用いて説明する。
既に説明したように、乾燥ユニット24の内部には、乾燥剤が封入された乾燥剤ケース170が固定されている。
乾燥ユニット24において、157は係合部であり、この係合部157が着脱機構部23(図1参照)に連結、支持される。係合部157の先端には弾粘性体で作られた封止膜50が設けられており、封止膜50は、針状の物体で突き刺さされると破断するが、膜の全面に作用する静的な圧力変化には破断することなく、柔軟に対応する変形、収縮する性能を有する膜体である。実施の形態1では、耐透水性が高く、針状のもので突くと容易に破れる等の要求特性を考慮して、封止膜50としてアルミの金属箔シートを接着剤固定したが、同じ材料を溶着固定するようにしてもよい。
51は着脱機構部23に乾燥ユニット24が接続されたとき、着脱機構部23と乾燥ユニット24間の隙間から乾燥流体が漏洩するのを防止する目的で乾燥ユニット24に取り付けられた、例えばゴムリング等の弾性体で構成されたパッキンである。
次に乾燥ユニット24の製造工程について図1を併用して説明する。
乾燥ユニット24の筐体内に乾燥剤ケース170を収納した後、乾燥ユニット24の一面に設けられた収入口(図示せず)を封入板171で閉じ、封入板171をゴム等のパッキン部材(図示せず)を介してビス172によって乾燥ユニット24に固定する。
その後、減圧環境の下で封止膜50を乾燥ユニット24の穴形状部に接着し、乾燥ユニット24全体を封止固定する。その後、乾燥ユニット24を大気圧の環境に戻すと、乾燥ユニット24の内部は負圧となっているため、封止膜50は乾燥ユニット24に吸引されるように柔軟に変形するが、封止膜50全体に及ぶ負圧によって封止膜50が破断することはない。このように、乾燥ユニット24は、封止ケース21に連結されるまでは外部環境と遮断され、内部が減圧雰囲気に保たれている。
図3は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドにおける着脱機構部23の構成を示す斜視図である。
以降、図3に図2を併用して実施の形態1の着脱機構部23の構成について説明する。
着脱機構部23において、乾燥ユニット24と接合する部分には針形状をなす接合先端部40が設けられている。この接合先端部40の周囲には支持枠156が設けられ、乾燥ユニット24の係合部157を支持する。なお、図3においては、接合先端部40の全体形状を明確に示すために、支持枠156の一部を除去して描いているが、実際の支持枠156は接合先端部40の周囲全体に設けられている。
この支持枠156に沿って、ユーザは乾燥ユニット24を着脱機構部23に連結する。この際、着脱機構部23の接合先端部40は、乾燥ユニット24の係合部157の先端部において封止膜50を突き刺すように装着され、接合先端部40が、乾燥ユニット24の封止膜50を破断する。
図4は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドにおいて、着脱機構部23で乾燥ユニット24と封止ケース21の空間的な連通を遮断した状態を示す要部拡大図である。
以降、図4に図3と図1を併用して連通遮断時の状態を説明する。
図4および図3において、41は着脱機構部23内の流体の流れ量を調整し、更に遮断機構部としての機能を有するコックである。
コック41は、着脱機構部23に対して回転可能に取り付けられ、回転可能なコック41に設けられた貫通穴158の方向により、着脱機構部23内に流れる流体の量を変化させることができる。図3、図4に示す着脱機構部23とコック41の位置関係では、着脱機構部23とコック41に設けられた流路となる貫通穴158の方向が直角の関係にあるために、流体は着脱機構部23内を図面上下方向(DR2方向)に移動することができない(遮断状態)。
即ち、実施の形態1のインクジェットヘッドにおいて、連通部としての分配チューブ29および着脱機構部23には、乾燥ユニット24と封止ケース21との間の気体の移動を遮断する遮断機構部(コック41)が設けられている。そして、図3と図1の対応関係から明確なように、着脱部(着脱機構部23)は、乾燥ユニット24と遮断機構部(コック41)の間に設けられている。
図5は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドにおいて、着脱機構部23で乾燥ユニット24と封止ケース21の空間的な連通を確保した状態を示す要部拡大図である。
以降、図5に図4を併用して連通を確保した際の状態を説明する。
図4において、着脱機構部23に回転可能に支持されたコック41をDR3方向に回転させることで、コック41は図5に示す状態となる。
図5に示す着脱機構部23とコック41の位置関係では、着脱機構部23とコック41に設けられた流路となる貫通穴158の方向が平行の関係にあるために、流体は着脱機構部23内を図面上下方向(DR3方向)に移動することができる(連通状態)。
以降、図1乃至図5を用いて、乾燥ユニット24内部を負圧に保った状態で、着脱機構部23を介して封止ケース21を接続する過程について説明する。
乾燥ユニット24を交換するにあたり、着脱機構部23において、コック41を図4に示す方向(遮断状態)とすることにより、着脱機構部23に設けられた流路となる貫通穴158が閉じられ、封止ケース21は外界と遮断される。この状態で、ユーザは樹脂膜で構成された大気連通口154(図1参照)を破り、乾燥ユニット24内部を大気に連通させる。これによって着脱機構部23から乾燥ユニット24を容易に取り外せるようになる。
次に予め真空パックされた交換用の乾燥ユニット24を取出し、乾燥ユニット24の係合部157(図2参照)を、着脱機構部23の支持枠156(図3参照)に沿って挿入する。これによって、乾燥ユニット24に設けられた封止膜50(図2参照)に対して、着脱機構部23の先端に設けられた接合先端部40が突き刺され、封止膜50が破断する。
このようにして乾燥ユニット24を着脱機構部23に連結させた後、図4に示した状態からコック41をDR3方向に回転させ、図5に示す着脱機構部23とコック41の位置関係とすることで、乾燥ユニット24と封止ケース21が着脱機構部23を介して連通させる。
これによって、封止ケース21内部と乾燥ユニット24内部は常時大気圧より低い状態に維持され、両者の結合は密に保たれる。そして、乾燥ユニット24内の乾燥気体は、水分を含む気体と比較して比重が大きいため、徐々に封止ケース21内の気体と置換され、封止ケース21内の湿度は常に低く保たれる。
図6は、本発明の実施の形態1に係るインクジェット装置におけるインクジェットヘッド基板10の構成を示す断面図である。
以降、図6を用いて実施の形態1におけるインクジェットヘッド基板10の構成について詳細に説明する。
なお、図6は図1のP−P断面を図示したものである。
図6において、Aは圧力室部材、Bは圧電体素子部、Cはインク流路部材、Dはノズル板である。
圧力室部材Aには、その厚み方向に(上下方向に)貫通する圧力発生室2の開口部1aおよび開口部1bが形成されている。
開口部1a側では、上部電極6、圧電体薄膜5、下部電極4で構成される圧電体素子部Bに対して、振動板3が圧力発生室2の開口部1aを覆うように配置され、一方、開口部1bを覆うようにインク流路部材Cが配置されている。このように、実質的に圧力室部材Aによって規定される圧力発生室2の開口部1aおよび開口部1bは、その上下にそれぞれ位置する振動板3およびインク流路部材Cにより閉塞されることで圧力発生室2とされている。
インク流路部材Cは、インク供給方向(図6の紙面に対して垂直な方向、図1に示す方向I)に並ぶ圧力発生室2で共用する共通液室105と、この共通液室105のインクを圧力発生室2に供給するための供給口106と、圧力発生室2のインクを吐出させるためのインク流路107とを有している。
ノズル板Dには、インク流路107に連通するノズル孔108が形成されている。
図7は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの圧電体素子部Bと圧力発生室2の配列および平面位置関係を示す平面図である。
図8は、本発明の実施の形態1に係る圧電体素子部B、振動板3、圧力室部材A等の構成および配列を示す要部断面図である。図8は図7のQ−Q断面に相当する。また図6は図7のP−P断面(即ち、図1のP−P断面)に相当する。
以下、図7と図8を用いて、実施の形態1に係るインクジェットヘッド基板10上に形成された圧電体素子について詳細に説明する。
図7において上部電極6で覆われた領域は、図8に示すように圧電体薄膜5、下部電極4とオーバーラップされた領域となり、上部電極6と下部電極4間に電圧を印加することで圧電体薄膜5が実質的に駆動される圧電体能動部9の領域を形成する。
実施の形態1における圧電体薄膜5は、例えばスパッタ法で成膜したものであり3μm程度の厚みを有する。圧電体薄膜5の膜厚は、0.5〜10.0μmの範囲であればよい。好ましくは1.0〜5.0μmがよく、この範囲とすることで圧電アクチュエータとして十分な変位量が得られる。
この構成により圧電体薄膜5の変位を圧力発生室2に充填されたインクに均一に効率よく伝えることができ、高くて安定した吐出性能が発揮できる。更に圧電体素子部Bを高密度に配列することができ、インクジェットヘッドの高密度化が図れる。
また上部電極6はリード配線7と接続され、リード配線7の他端のパッド部(図示せず)において、例えばFPC等の信号線155(図1参照)の実装配線が施され、インクジェットヘッド基板10の外部に設けた電源部(図示せず)からの給電を行なう。リード配線7は上部電極6を形成するプロセスにおいて、上部電極6から延設して形成されてもよいが、より導電性の高いAu等の配線を別のプロセスで形成し、上部電極6と接続する方法をとってもよい。またリード配線7と下部電極4がオーバーラップする場合は、その間にSiO2等の酸化物やポリイミド等の有機絶縁材料を形成して絶縁体層11を形成する。絶縁体層11は上下部電極のいずれかと圧電体薄膜5の間に形成され、圧電体能動部9の領域より外側の領域に形成される。
圧力発生室2は幅方向(方向I)に所定の間隔をあけて並設されていて、各圧力発生室2に挟まれた圧力室隔壁8(図6に示す圧力室部材Aの一部をなし、圧力室部材Aと一体に形成されている。以降、特に指定せずに「圧力室部材A」と呼称する場合は、「圧力室部材A」には「圧力室隔壁8」が含まれるものとする)により独立して形成されている。この圧力室隔壁8の幅方向(方向I)の断面形状は、振動板3と接している方(開口部1a側)が広く、開口部1bに向かって狭くなる台形形状をなしている。これにより圧電体薄膜5の変位によりインクを吐出する場合に、インクのスムーズな流体の流れが確保できる。また図7のP−P断面である図6において、圧力室部材Aの形状も、上述のように開口部1a側を広く、開口部1b側が狭くすることが望ましい。
振動板3は圧力室部材A(図6参照)の開口部1aを覆うように形成され、圧力室隔壁8とともに、圧力発生室2を形成している。振動板3は上部電極6、圧電体薄膜5、下部電極4で構成される圧電体素子部Bに発生した機械的な変位エネルギーを有効に圧力発生室2に伝達する役割を有している。
実施の形態1では、圧力発生室2の形状の制御性や圧力室部材Aの剛性を確保しやすいといった観点から、電気メッキ法により圧力室部材Aを形成した。圧力発生室2と接する第2の振動板3bを、スパッタ法を用いてNiで形成することで、電気メッキ法を行なう上でのシード層として活用し、Ni電気メッキにより圧力室部材Aを形成した。Ni以外にも振動板3を構成する材料に合わせて、CrやCuおよびそれらの合金を用いることも可能である。圧力室部材Aの物性を考慮して選択することが可能である。主として用いられるのは、Niを主成分とした電気メッキが物性値として好適である。
圧力室部材の硬度(Hv)は400〜600の範囲が適当で、これより低いと部材の剛性不足となり吐出特性に影響を与える。またこれより大きいとメッキ後の研削加工を行なう場合に加工性が悪くなり、開口部1a、開口部1bの形状が乱れたり、加工応力により圧電体素子部Bにダメージを与える場合がある。また硬度(Hv)の制御や加工性の確保のため、Ni電鋳を行なう場合に少量の添加物を入れる場合がある。これらの添加物としてはCo、Mo、Ru等が適当で、メッキ後に部材に微量が含まれることになる。
圧力発生室2の形状は電気メッキを行なう前のレジスト材料や形成条件、電気メッキの形成条件によって制御が可能で、実施の形態1では振動板3側の方の幅が狭く、開口部1bに向けて幅広になる台形形状となっている。また上記の形状を形成する作製条件では通常、長手方向(方向II(図7参照)、および図6に示す圧力室部材Aの形状を参照)の断面においても同様に振動板3側の方の幅が狭く、開口部1bに向けて幅広になる台形形状となっている。圧電体素子部Bの変位からインクに伝えるエネルギーを大きくするためには、図7で示すような細長い圧力発生室2の形状を採用することが多く、圧力発生室2の短手方向(方向I)の断面形状がより吐出時の気泡発生に寄与しやすい。このため短手方向(方向I)の形状を制御することが重要である。長手方向(方向II)も短手方向(方向I)と同様の形状がより望ましい。
圧力室部材Aは開口部1b側でインク流路部材Cと接着されるが、接着時の接着強度や均一性を確保する必要がある。このとき接着面の表面状態が重要であり、圧力室部材Aの加工後の表面粗さ等を面全体で把握することが重要である。表面粗さや表面の状況を総合的に判断する方法として、グラスメーターによる反射率を測定すると、反射率が60%以上の表面状態では接着後の剥離や樹脂のはみ出し量のばらつきが少なく、安定した接着状態となっていた。従って反射率測定と管理により圧力室部材Aの接着品質を安定させることができる。
以上説明したように、実施の形態1のインクジェットヘッド基板10上には、例えば厚みが3μm程度の圧電体薄膜が形成されている。背景技術にて説明したように、圧電体薄膜は湿度に対する耐性の点で課題があるが、本発明を適用することで、圧電体薄膜の周囲環境は低湿度に保たれることから、信頼性に優れたインクジェットヘッドを提供することが可能となる。
このように、実施の形態1のインクジェットヘッドは、上部電極6と下部電極4との間に圧電体薄膜5を設けた圧電体素子部Bと、この圧電体素子部Bの振動を阻害しない程度の空間を確保し(図1に示す、空間152)、この空間を外部の湿度環境から遮断する封止部材によって密閉された封止ケース21と、この封止ケース21の内部を低湿度に保つ乾燥部材(乾燥剤を収納した乾燥剤ケース170)を備えた乾燥ユニット24と、封止ケース21と乾燥ユニット24を連通する連通部(連通口153、分配チューブ29、導入口22等)と、この連通部の中間で封止ケース21から乾燥ユニット24を着脱する着脱部(着脱機構部23)を備え、この着脱部において、封止ケース21と乾燥ユニット24を連結した際に、封止ケース21および乾燥ユニット24の内部圧力が大気圧より低くなるように構成している。
図9は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成図である。
図9に示すインクジェットヘッド241は、封止ケース21を複数有し、この複数の封止ケース21と乾燥ユニット24を連通する連通部(分配チューブ29)を備え、乾燥ユニット24を、着脱部(着脱機構部23)によって複数の封止ケース21と連通する構成となっている。個々の封止ケース21と導入口22は図1等を用いて説明したものと同様の構成であり、それらが分配チューブ29に接続されている。
分配チューブ29は着脱機構部23の手前で1系統に統合され、着脱機構部23を介して1つの乾燥ユニット24と接続されている。各々の分配チューブ29はチューブ径や引き回しの長さを略同一とすることにより、各封止ケース21内の湿度環境は同じように保たれる。
乾燥ユニット24は内部にファン等で構成した攪拌装置26を備える。即ち、乾燥ユニット24は、乾燥剤(乾燥剤を内部に備えた乾燥剤ケース170)、と密閉された空間内の気体を攪拌する攪拌装置26とで構成される。攪拌装置26は、乾燥ユニット24内の流体を攪拌し、乾燥ユニット24内の湿度不均衡を抑制し、常時、均一な湿度の流体で、封止ケース21内部の湿度を低減させるものである(図9では、攪拌装置26は乾燥ユニット24の外部に設けられているように描かれているが、単に説明を容易にするためのものである)。
また、攪拌装置26は、乾燥ユニット24の空間内の気体を攪拌することで、気体が乾燥剤ケース170と接触する機会を増大させ、湿度環境を一定に保つ。乾燥ユニット24の他の構成要素は図2を用いて説明したものと同様であるが、乾燥ユニット24内に収納する乾燥剤の質量、あるいは乾燥剤ケースの数量は、乾燥ユニット24に接続される封止ケース21の数の増加に伴って増やすことが望ましい。
こうすることで、接続される封止ケース21の数量に応じて乾燥ユニット24の乾燥能力を柔軟に対応させることができ、必要とされる低湿度環境を低廉なコストで維持できる。
なお、既に説明した、1つの封止ケース21に対して1つの乾燥ユニット24を対応させた構成(図1参照)においても攪拌装置26を設けることが望ましい。
また、実施の形態1に係るインクジェットヘッド241においては、複数の封止ケース21の少なくとも1つについて、その封止空間内に湿度を計測する湿度検出部27が設けられている。
湿度検出部27の配置場所としては乾燥流体の流れのない領域(よどみ発生領域、即ち図9に示すように、封止ケース21の外周寄りの位置)に配置するのが望ましい。この際、可能な限りインクジェットヘッド基板10の近傍(即ち、PZTの近傍)に配置することが望ましい。
もちろん、湿度検出部27を連通部としての分配チューブ29内に設けてもよい。
実施の形態1では湿度検出部27として、相対湿度を計測する静電容量型の湿度センサを用いている。静電容量型の湿度センサは、セルロース系の親水性高分子等の乾湿材料が吸着する水分の量に応じて、静電容量が変化する性質を利用しており、高速な応答が可能であり、計測レンジが広く(0〜100%RH)、相対湿度に対して直線的な出力が得られ、後の処理との整合性が取りやすい。この相対湿度の計測には、いわゆるセラミックセンサを用いてもよい。
湿度検出部27は図示しない制御部に接続されており、この制御部によって封止ケース21内の湿度が上昇傾向、あるいは所定の湿度範囲を逸脱したと判断されたときは、図示しない表示部によって、ユーザに乾燥ユニット24の交換時期が到来したことが通知される。
このように、実施の形態1においては特にライン型インクジェットヘッド等の複数のヘッドを搭載するシステムに対して、乾燥ユニット24を1つ搭載することで、装置の小型化やメンテナンス性が飛躍的に向上する構成を提供できる。更に封止された内部環境を均一に保ち、湿度検出部27を設けることで乾燥システムが適切な湿度範囲を維持していることの保証を行なうことが可能となる。このように実施の形態1によれば、封止ケース21内の環境変動が少なく、湿度に対するマージンが大きいため、インクジェットヘッド基板10に設けられた圧電体素子を安定して長期間駆動することができる。
図10は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッド241を応用したインクジェット式記録装置12の概要を示す説明図である。
以降、図10に図9を併用して説明を続ける。
インクジェット式記録装置12に搭載されたインクジェットヘッド241は、既に説明したように、インクジェットヘッド基板10を備えた複数の封止ケース21の集合体および、図9を用いて説明した湿度維持のための構成要素を全て内蔵した、いわゆるライン型のインクジェットヘッドである。
実施の形態1に係るインクジェット式記録装置12は、上述のインクジェットヘッド241と記録媒体242とを相対移動させる相対移動手段(ローラ245)を備え、この相対移動手段によりインクジェットヘッド241が記録媒体242に対して相対移動しているときに、インクジェットヘッド241において圧力室(圧力発生室2、図6参照)に連通するように設けたノズル孔108(図6参照)から圧力室のインクを記録媒体242に吐出させて記録を行なうように構成されている。
図10に示すように、インクジェット式記録装置12は単一のインクジェットヘッド241を備え、モノクロ印字が可能に構成されており、インクジェットヘッド241からブラックのインク滴を紙等の記録媒体242に着弾させて記録媒体242に記録を行なう。もちろん、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各インクが吐出されるインクジェットヘッド241を搭載する構成とすれば、容易にカラー印字に対応することができる。
このインクジェット式記録装置12は、既に詳細に説明した湿度維持のための構成を備えるため、高湿度環境に設置されたとしても、長期間にわたって良好な印字性能を示し、耐久性、信頼性の点で優れたものとなる。
(実施の形態2)
図11は、本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘッドの乾燥ユニット24および封止ケース21を示す斜視図である。
実施の形態1に対して、実施の形態2では乾燥ユニット24と封止ケース21を接続する連通部としての分配チューブ29と着脱機構部23が複数(2組)設けられていることが異なっているが、乾燥ユニット24の係合部157(図12参照)、着脱機構部23、封止ケース21の構成等、個々の要素の構成は実施の形態1と同様である。
このように、実施の形態2のインクジェットヘッドは、封止ケース21と乾燥ユニット24を連通する複数の連通部(分配チューブ29、着脱機構部23)を備え、封止ケース21と乾燥ユニット24の連結を複数の連通部で行なうとともに、乾燥ユニット24を複数の連通部(着脱機構部23)にて着脱可能に構成している。
実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、封止ケース21と乾燥ユニット24を連結した際に、封止ケース21および乾燥ユニット24の内部圧力が大気圧よりも低くなるように構成している。従って、着脱機構部23を介して乾燥ユニット24を交換する際の手順については、分配チューブ29の数の増加に起因する違い(即ち、2ヶ所で連結される点)を除けば、実施の形態1と全く同様に行なうことができる。
図12は、本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘッドにおける乾燥ユニット24の構成を示す斜視図である。
以降、実施の形態2における乾燥ユニット24の構成について図12を用いて説明する。
実施の形態1で説明したのと同様に、乾燥ユニット24の内部には、乾燥剤が封入された乾燥剤ケース170が固定されている。
乾燥ユニット24において157は係合部であり、実施の形態2では複数の係合部157が設けられている。これらの係合部157がそれぞれ対応する着脱機構部23(図11参照)に連結、支持される。それぞれの係合部157の先端には弾粘性体で作られた封止膜50が設けられており、封止膜50は、針状の物体で突き刺さされると破断するが、膜の全面に作用する静的な圧力変化には破断することなく、柔軟に対応する変形、収縮する性能を有する膜体である。実施の形態2では、耐透水性が高く、針状のもので突くと容易に破れる等の要求特性を考慮して、封止膜50としてアルミの金属箔シートを接着剤固定したが、同じ材料を溶着固定するようにしてもよい。
51は着脱機構部23に乾燥ユニット24が接続されたとき、着脱機構部23と乾燥ユニット24間の隙間から乾燥流体が漏洩するのを防止する目的で乾燥ユニット24に取り付けられた、例えばゴムリング等の弾性体で構成されたパッキンである。
乾燥ユニット24の組立については実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
また、実施の形態2においても乾燥ユニット24の内部は予め負圧の状態となっており、乾燥ユニット24の2つの係合部157を、それぞれ対応する着脱機構部23に連結し、コック41(図11参照)を回転することで、遮断状態と連通状態が切り替わる点、乾燥ユニット24の交換等についても同様であるので説明は省略する。
実施の形態2では、このように乾燥ユニット24と封止ケース21の接合経路である着脱機構部23と分配チューブ29を複数設けることにより、乾燥ユニット24と封止ケース21間の乾燥流体の循環路を排出側、吸引側とし、乾燥流体の循環量を増加させ、封止ケース21内の乾燥度を向上させている。また、このとき、乾燥ユニット24は封止ケース21と着脱機構部23により接合させることにより、乾燥ユニット取替え時の操作性は実施の形態1で示した構成と変わることなく良好なものとなる。
図13(a)は、本発明の実施の形態2の係るインクジェットヘッドの乾燥ユニット24および封止ケース21の接続形態を示す模式図であり、図13(b)は、本発明の実施の形態2の係るインクジェットヘッドの乾燥ユニット24および封止ケース21の接続形態の変形例1を示す模式図である。
図13(a)は、図11を用いて説明した構成を模式的に表したものであり、分配チューブ29は左右対称に構成されている。
これに対し図13(b)で示す変形例1では、封止ケース21において分配チューブ29aは仕切り部150の近傍であるPo3にて開口させ、分配チューブ29bは仕切り部150から空間152内に浸入してPo2にて開口させている(即ち、封止ケース21において、各分配チューブ29a、29bの開口高さが異なる)。更に、乾燥ユニット24において分配チューブ29aは乾燥ユニット24の上部まで引き回されPo1にて開口され、分配チューブ29bは乾燥ユニット24の底面にて開口されている(乾燥ユニット24においても、各分配チューブ29a、29bの開口高さが異なる)。
この構成は、下方に配置された封止ケース21において開口位置を高くした分配チューブ29aは、上方に配置された乾燥ユニット24においても開口位置を高く設定する、と言い換えることができる。
図13(a)の構成では、分配チューブ29の配置は左右対称となっており、乾燥ユニット24と封止ケース21の間で気流が発生しにくいが、図13(b)のように左右非対称の構成とすれば、例えば封止ケース21内に水分が浸入すると、水分を含有する気体は単位体積あたりの質量が乾燥気体より小さい(軽い)ため、比重差によって、より高い方向(重力が作用する方向とは逆の方向)に移動する。従って封止ケース21内への水分の浸入によって、乾燥ユニット24と封止ケース21の間には気体の比重差による対流が発生し乾燥気体が循環する(図13(b)に示した矢印を参照)。もちろん、乾燥気体と水分を含む気体の比重の差は微小であるから、気体の交換は緩慢に行なわれるが、このような構成とすれば、分配チューブ29の配置を変更するだけで無動力にて気体循環を行なうことができる、即ち低廉なコストで実施できるというメリットがある。
更に、実際の印字動作によってインクジェットヘッド基板10に形成された圧電体素子(図示せず)を駆動することで熱が発生し、熱によって膨張した空間152内の空気は上方に移動するため、これによっても気体循環が促進される。更に、気体の循環は循環経路における流体抵抗にも影響されるが、実施の形態1で詳細に説明したように、封止ケース21と乾燥ユニット24の内部を負圧とすることで、循環系全体の流体抵抗が減少し、より乾燥効果を高めることが可能となる。
図20は、本発明の実施の形態2の係るインクジェットヘッドの乾燥ユニット24および封止ケース21の接続形態の変形例2を示す模式図である。
図20に示す変形例2では、仕切り部150に傾斜を設け、水分を多く含みまたは加熱された空気が、傾斜に沿って容易に上方に移動するように構成したものである。
封止ケース21と乾燥ユニット24の間で気体循環を促進するためにインクジェットヘッド基板10の発熱を有効に利用するためには、変形例1、変形例2のいずれの場合においても乾燥ユニット24に放熱フィン173などの冷却手段を設けることも効果的である。もちろん、冷却手段は放熱フィン173に限らずヒートパイプなどを用いてもよいし、またはペルチェ素子などを用いて、より積極的に冷却を行ない、気体の循環を促進するようにしてもよい。また、他方の封止ユニット21の内部に熱源を備えるようにしても構わない。
このように実施の形態2の変形例1、変形例2においては、図13(b)、図20に例示するように、封止ケース21と乾燥ユニット24を空間的に連通する複数の連通部(分配チューブ29a、29b)を備え、この複数の連通部は第1の連通部(分配チューブ29a)と第2の連通部(分配チューブ29b)で構成され、封止ケース21において、第1の連通部の開口部(Po3)を第2の連通部の開口部(Po2)より上方に配置している。これによって、たとえ封止ケース21内に水分が浸入したとしても、水分は乾燥気体との比重の差によって上方(即ち、重力とは反対の方向)に移動するから、封止ケース21と乾燥ユニット24の間で分配チューブ29a、29bを介して気体の自然循環が発生し、効率よく乾燥を促進することができる。
(実施の形態3)
図14は、本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッドの乾燥ユニット24および封止ケース21を示す斜視図である。
図14において、60は乾燥ユニット24と封止ケース21を連結する分配チューブ29の途中に配置され、乾燥気体を強制的に循環させる気体循環装置としてのポンプである。
実施の形態3は、このポンプ60によって乾燥ユニット24と封止ケース21の間で乾燥気体を強制的に循環させる点が、実施の形態2と異なっている。
このように、封止ケース21と乾燥ユニット24を連結する場合、効率的に乾燥流体を封止ケース内に循環させるために、インとアウトの口、2つの導入口22を設けることが望ましい。即ち、実施の形態3では、複数の連通部(分配チューブ29)の少なくとも1つが乾燥ユニット24から封止ケース21に気体(乾燥気体)を導入し、複数の連通部の少なくとも他の1つが封止ケース21から乾燥ユニット24に気体を導出するように、乾燥ユニット24と封止ケース21の間で気体を循環させる気体循環装置(ポンプ60)を備えたところに特徴がある。
更に封止ケース21の全体を低湿度状態に維持させるためには、インとアウトの導入口22の位置は、封止ケース21の両端に近い位置とすることが望ましい。
なお、乾燥ユニット24、封止ケース21、着脱機構部23の構成、乾燥ユニット24の交換手順等については、実施の形態1または実施の形態2で詳細に説明したので、説明を省略する。
なお、実施の形態3においても、実施の形態1と同様に、封止ケース21と乾燥ユニット24を連結した際に、封止ケース21および乾燥ユニット24の内部圧力が大気圧よりも低くなるように構成しているが、実施の形態3では乾燥気体の循環という、乾燥を促進する構成を備えており、「封止ケース21と乾燥ユニット24を連結した際に、封止ケース21および乾燥ユニット24の内部圧力を大気圧よりも低くする」点は必須ではない。極論すれば、大気圧と同等、あるいは大気圧より高くしても、目的とする効果を奏することができる。
図15は、本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッド241の概略構成図である。
図15に示すインクジェットヘッド241は、複数の封止ケース21が分配チューブ29を介して、単一の乾燥ユニット24と連通している構成となっている。個々の封止ケース21と導入口22は図11等に示すものと同様の構成であり、それらが分配チューブ29に接続され、乾燥ユニット24で生成された乾燥気体は、ポンプ60によって強制的に各封止ケース21に送り込まれる。ポンプ60として、あらゆるタイプのものが採用可能だが、インクジェットヘッド241を小型化するためには、例えばマイクロポンプを採用するとよい。
図15において、27は封止ケース21内の湿度を計測する湿度検出部であり、61は湿度検出部27で検出された湿度の計測値を表示する湿度表示装置である。なお、湿度検出部27については、既に実施の形態1において、図9を用いて詳細に説明したので説明は省略する。
ここで、湿度検出部27は封止ケース21、乾燥ユニット24内のいずれかに配置すればよく、図15に示すように複数の封止ケース21と乾燥ユニット24が接続されている場合、各封止ケース21の湿度環境はほぼ同一となるので、湿度検出部27は1個配置するだけで、実質的に複数の封止ケース21内の湿度を計測する。
また、湿度検出部27の出力は、インクジェットヘッド241の外部に設けた湿度表示装置61により表示される。より具体的には、図示しない制御部(湿度検出部27と湿度表示装置61の間に配置される)によって、封止ケース21内の湿度が所定の閾値を超えた場合、あるいは計測された湿度の単位時間当たりの上昇率が所定の範囲を超えた場合等に、乾燥ユニット24の交換時期あるいは乾燥ユニット24、封止ケース21で構成されたシステムに、異常が発生した(例えば、分配チューブ29に亀裂が入った場合等)旨が使用者に示される。
図16は、本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッド241の他の構成例1を示す概略構成図である。
図16において、62はポンプ60を駆動する駆動装置、63は湿度検出部27の出力を処理する制御部である。制御部63には湿度表示装置61、駆動装置62が接続されており、制御部63に入力される湿度検出部27の検出結果に基づいて、制御部63は、気体循環装置としてのポンプ60の気体循環量を制御する。
なお、制御部63、駆動装置62は、インクジェットヘッド241の外部に設けてもよいが、インクジェットヘッド241のスペースが許せば内部に搭載する形態であってもよい。
ここで、制御部63は、湿度検出部27の検出結果が所定の湿度以上になった場合、駆動装置62によりポンプ60に対して、循環気体量が増加するように制御信号を出力し、封止ケース21内の湿度を低減させる。また、湿度の上昇と所定値での飽和傾向を検出した場合等は、制御部63は、湿度表示装置61に乾燥ユニット24の交換時期であることを表示する。
また、図16によれば、湿度検出部27(入力部)、制御部63(演算部)、駆動装置62、ポンプ60(出力部)は、乾燥ユニット24、分配チューブ29、封止ケース21を流れる低圧環境での乾燥空気流を介してフィードバックループを構成するから、制御部63にて、いわゆるフィードバック制御を行なうことが可能である。この場合、制御部63は、湿度検出部27によって検出される湿度が所定の目標値と一致するように、ポンプ60による乾燥気体の流量が制御される。即ち、湿度が高いときはポンプ60の流量は増大し、湿度が低いときはポンプ60の流量は減少するように制御される。
図17は、本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッド241の他の構成例2を示す概略構成図である。
実施の形態3の他の構成例2において、乾燥ユニット24の内部には複数の乾燥剤ケース170が収納されており、気体循環装置としてのポンプ60により発生した気体流路と略平行となるように、乾燥剤ケース70は乾燥ユニット24内に配置される。これにより、乾燥ユニット24内を循環する気体と乾燥剤ケース170内の乾燥剤との接触面積を大きくすることができ、循環する気体に含有する水分の吸着量を増大させることができ、その結果、封止ケース21内の湿度を更に低く維持することが可能となる。
このように他の構成例2では、乾燥ユニット24は、乾燥剤を封入した乾燥部材(乾燥剤ケース170)を複数有し、この複数の乾燥部材を、気体循環装置(ポンプ60)によって乾燥ユニット24内を流れる気体の流路に沿って配置している。
また、図17によれば、乾燥ユニット24の数量は封止ケース21の数量よりも少なく構成されている。このとき、乾燥ユニット24の容積を増大させ、乾燥ユニット24内に乾燥剤ケース170の収納量を増大させることが望ましい。この構成により、乾燥ユニット24内の湿度を長期間、低湿維持でき、更に連結された複数の封止ケース21内の湿度を均一化させることができる。更に、この構成によれば、乾燥ユニット24は例えば1つであるから、ユーザは乾燥ユニット24を交換する際の手間を省くことができる。
図18は、本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッド241の他の構成例3を示す概略構成図である。
他の構成例3においては、封止ケース21の数量よりも、乾燥ユニット24の数量を多く構成している。これによって、各乾燥ユニット24の乾燥能力のバラつきを緩和し、封止ケース21内の湿度を安定させることができる。
このように、実施の形態3の他の構成例3では、乾燥ユニット24を複数有し、この複数の乾燥ユニット24と封止ケース21を連通する連通部(分配チューブ29)を備え、封止ケース21を、着脱部(着脱機構部23)によって複数の乾燥ユニット24と連通する構成を備える。
図19は、本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッド241の他の構成例4を示す概略構成図である。
図19において、24a、24b、24c、24dは乾燥ユニットであり、23aは乾燥ユニット24aに対応して設けられた着脱機構部、23bは乾燥ユニット24bに接合対応して設けられた着脱機構部、23cは乾燥ユニット24cに対応して設けられた着脱機構部、23dは乾燥ユニット24dに対応して設けられた着脱機構部である。
このように、実施の形態3の他の構成例4では、複数の乾燥ユニット24a〜24dのそれぞれに対応した着脱部(着脱機構部23a〜23d)を備え、複数の乾燥ユニット24a〜24dのそれぞれを、独立して連通部(分配チューブ29)に着脱可能に構成している。
ここで、着脱機構部23aに設けられたコック41(図19には図示せず、図14参照)を操作し、着脱機構部23a内の流体の流れを遮断することにより、乾燥ユニット24aを取り外し、単独で交換することが可能となる。
乾燥ユニット24b〜24dについても、乾燥ユニット24aと同じ手順により、個々の乾燥ユニット24b〜24dのそれぞれに対応した着脱機構部23b〜23dを遮断状態とすることにより、それぞれの乾燥ユニット24a、24b、24c、24dが独立して交換可能となっている。
更に、他の構成例4の場合は、要求される乾燥性能に応じて乾燥ユニット24の個数を適宜増減することが可能である。これによって例えば比較的インクジェット式記録装置の設置環境が高湿度になりがちな夏場と、低湿度になる冬場とで、乾燥ユニット24の個数を変更する等、ユーザの要求に応じた柔軟な対応が可能となる。
以上、本発明の実施の形態1〜3について詳細に説明したが、実施の形態2、実施の形態3で示した構成の場合であっても、例えば実施の形態1において図9を用いて説明したように、乾燥ユニット24内に内部の気体を攪拌する攪拌装置26(図9参照)を設けるように構成してもよい。
また、実施の形態3で示した他の構成例2乃至4においても、他の構成例1(図16参照)で示したように、制御部63、湿度表示装置61、駆動装置62を備えるように構成してもよい。
また、実施の形態3で示した様々な構成例において、実施の形態2で示したように、一つの封止ケース21に対する分配チューブ29の配置(開口の高さ)を非対称とする(図13(b)参照)ように構成しても構わない。
なお、上述の実施の形態1〜3においては、本発明の具体的な応用例として、記録紙等の上にインク画像を形成するインクジェットヘッド、インクジェット式記録装置について詳細に説明したが、本発明はこのようなイメージング(印刷)分野のみに適用されるものでない。例えばELディスプレイの製造におけるEL(エレクトロルミネッセンス)材料、電荷注入材料、電荷輸送材料、封止材料等の塗付、液晶ディスプレイの製造におけるRGBフィルタの形成、プラズマディスプレイの製造における蛍光体の塗付、回路基板製造における微小導電性粒子を含有する液体の塗付等、いわゆる産業機器分野において、液体吐出装置として好適に応用できることはいうまでもない。
以上説明したように、本発明はインクジェットヘッドおよびインクジェット式記録装置に好適に応用することが可能である。また、本発明は特に薄膜で構成された圧電体素子を長期間にわたって安定駆動させることができるから、圧電体薄膜で構成される角速度センサや、一般的な圧電アクチュエータ等に好適に応用することができる。また、上述したようにディスプレイや回路基板の製造等、いわゆる産業機器分野についても応用することができる。
本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの乾燥ユニットおよび封止ケースを示す斜視図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドにおける乾燥ユニットの構成を示す斜視図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドにおける着脱機構部の構成を示す斜視図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドにおいて、着脱機構部で乾燥ユニットと封止ケースの空間的な連通を遮断した状態を示す要部拡大図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドにおいて、着脱機構部で乾燥ユニットと封止ケースの空間的な連通を確保した状態を示す要部拡大図 本発明の実施の形態1に係るインクジェット装置におけるインクジェットヘッド基板の構成を示す断面図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの圧電体素子部と圧力発生室の配列および平面位置関係を示す平面図 本発明の実施の形態1に係る圧電体素子部、振動板、圧力室部材等の構成および配列を示す要部断面図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドを応用したインクジェット式記録装置の概要を示す説明図 本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘッドの乾燥ユニットおよび封止ケースを示す斜視図 本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘッドにおける乾燥ユニットの構成を示す斜視図 (a)本発明の実施の形態2の係るインクジェットヘッドの乾燥ユニットおよび封止ケースの接続形態を示す模式図、(b)本発明の実施の形態2の係るインクジェットヘッドの乾燥ユニットおよび封止ケースの接続形態の変形例1を示す模式図 本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッドの乾燥ユニットおよび封止ケースを示す斜視図 本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッドの概略構成図 本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッドの他の構成例1を示す概略構成図 本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッドの他の構成例2を示す概略構成図 本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッドの他の構成例3を示す概略構成図 本発明の実施の形態3に係るインクジェットヘッドの他の構成例4を示す概略構成図 本発明の実施の形態2の係るインクジェットヘッドの乾燥ユニットおよび封止ケースの接続形態の変形例2を示す模式図
符号の説明
1a,1b 開口部
2 圧力発生室
3 振動板
4 下部電極
5 圧電体薄膜
6 上部電極
7 リード配線
8 圧力室隔壁
9 圧電体能動部
10 インクジェットヘッド基板
11 絶縁体層
12 インクジェット式記録装置
21 封止ケース
22 導入口
23 着脱機構部
23a、23b、23c、23d 着脱機構部
24 乾燥ユニット
24a、24b、24c、24d 乾燥ユニット
25 ヘッドベース
26 攪拌装置
27 湿度検出部
28 インクジェットヘッド
29、29a、29b 分配チューブ
31 キャリッジ(相対移動手段)
32 ローラ
33 記録媒体
34 キャリッジ軸
35 インクジェット記録装置
40 接合先端部
41 コック
50 封止膜
51 パッキン
60 ポンプ
61 湿度表示装置
62 駆動装置
63 制御部
105 共通液室
106 供給口
107 インク流路
108 ノズル孔
150 仕切り部
151 ケース部材
152 空間
153 連通口
154 大気連通口
155 信号線
156 支持枠
157 係合部
158 貫通穴
170 乾燥剤ケース
171 封入板
172 ビス
173 放熱フィン
241 インクジェットヘッド
242 記録媒体
245 ローラ
A 圧力室部材
B 圧電体素子部
C インク流路部材
D ノズル板

Claims (21)

  1. インクを吐出する圧力を生成する圧電体素子と、
    この圧電体素子を収納する封止ケースと、
    この封止ケースと連結され、前記封止ケース内を乾燥させる着脱可能な乾燥ユニットと、を有し、
    前記封止ケースと前記乾燥ユニットを連結した際に、前記封止ケースおよび前記乾燥ユニットの内部圧力が大気圧よりも低くなるように構成したインクジェットヘッド。
  2. 請求項1記載のインクジェットヘッドであって、
    前記封止ケースと前記乾燥ユニットを連通する連通部と、
    この連通部に前記封止ケースから前記乾燥ユニットを着脱する着脱部を備えたインクジェットヘッド。
  3. 上部電極と下部電極との間に圧電体薄膜を設けた圧電体素子と、
    この圧電体素子の振動を阻害しない程度の空間を有し、この空間を外部の湿度環境から遮断する封止部材によって密閉された封止ケースと、
    この封止ケースの内部を低湿度に保つ乾燥部材を備えた乾燥ユニットと、
    前記封止ケースと前記乾燥ユニットを連通する連通部と、
    この連通部の中間で前記封止ケースから前記乾燥ユニットを着脱する着脱部と、を備え、
    この着脱部において、前記封止ケースと乾燥ユニットを連結した際に、前記封止ケースおよび前記乾燥ユニットの内部圧力が大気圧より低くなるように構成したインクジェットヘッド。
  4. 請求項1または請求項3記載のインクジェットヘッドであって、
    前記封止ケースと前記乾燥ユニットを連通する複数の連通部を備え、
    前記封止ケースと前記乾燥ユニットの連結を前記複数の連通部で行なうとともに、前記乾燥ユニットを前記複数の連通部にて着脱可能に構成したインクジェットヘッド。
  5. 請求項4記載のインクジェットヘッドであって、
    前記複数の連通部の少なくとも1つが前記乾燥ユニットから前記封止ケースに気体を導入し、
    前記複数の連通部の少なくとも他の1つが前記封止ケースから前記乾燥ユニットに気体を導出するように、
    前記乾燥ユニットと前記封止ケースの間で気体を循環させる気体循環装置を備えたインクジェットヘッド。
  6. 請求項5記載のインクジェットヘッドであって、
    前記気体循環装置を、前記複数の連通部の少なくとも一方に設けられたポンプで構成したインクジェットヘッド。
  7. 請求項1または請求項3記載のインクジェットヘッドであって、
    前記封止ケースの内部、あるいは前記連通部に湿度を検出する湿度検出部を備えたインクジェットヘッド。
  8. 請求項7記載のインクジェットヘッドであって、
    前記湿度検出部によって、前記封止ケース内部の湿度が所定湿度以上になったことを検出した場合、
    前記気体循環装置の気体循環量を増加させる制御手段を備えたインクジェットヘッド。
  9. 請求項5記載のインクジェットヘッドであって、
    前記乾燥ユニットは、乾燥剤を封入した乾燥部材を複数有し、
    この複数の乾燥部材を、前記気体循環装置によって前記乾燥ユニット内を流れる気体の流路に沿って配置したインクジェットヘッド。
  10. 請求項2または請求項3記載のインクジェットヘッドであって、
    前記連通部に、前記乾燥ユニットと前記封止ケースとの間の気体の移動を遮断する遮断機構部を設けたインクジェットヘッド。
  11. 請求項10記載のインクジェットヘッドであって、
    前記遮断機構部を、乾燥ユニットを交換する際に外部の湿度環境から封止ケースを遮断するように構成したインクジェットヘッド。
  12. 請求項10記載のインクジェットヘッドであって、
    前記着脱部を、前記乾燥ユニットと前記遮断機構部の間に設けたインクジェットヘッド。
  13. 請求項2または請求項3記載のインクジェットヘッドであって、
    前記乾燥ユニットを、前記封止ケースに連結されるまでは外部環境と遮断され、内部が減圧雰囲気に保たれるように構成したインクジェットヘッド。
  14. 請求項1または請求項3記載のインクジェットヘッドであって、
    前記乾燥ユニットは内部に乾燥部材を備え、
    この乾燥部材を、水分子を物理的な吸着により保持し再放出しない乾燥剤で構成したインクジェットヘッド。
  15. 請求項1または請求項3記載のインクジェットヘッドであって、
    前記封止ケースの内部容積を前記乾燥ユニットの内部容積より小さく構成したインクジェットヘッド。
  16. 請求項1または請求項3記載のインクジェットヘッドであって、
    前記乾燥ユニットを、乾燥剤と密閉された空間内の気体を攪拌する攪拌装置とで構成したインクジェットヘッド。
  17. 請求項2または請求項3記載のインクジェットヘッドであって、
    前記封止ケースを複数有し、この複数の封止ケースと前記乾燥ユニットを連通する連通部を備え、
    前記乾燥ユニットを、前記着脱部によって前記複数の封止ケースと連通したインクジェットヘッド。
  18. 請求項2または3に記載のインクジェットヘッドであって、
    前記乾燥ユニットを複数有し、
    この複数の乾燥ユニットと前記封止ケースを連通する連通部を備え、
    前記封止ケースを、前記着脱部によって前記複数の乾燥ユニットと連通したインクジェットヘッド。
  19. 請求項18記載のインクジェットヘッドであって、
    前記複数の乾燥ユニットのそれぞれに対応した着脱部を備え、
    前記複数の乾燥ユニットのそれぞれを、独立して前記連通部に着脱可能に構成したインクジェットヘッド。
  20. 請求項1〜12記載のインクジェットヘッドと、
    このインクジェットヘッドと記録媒体とを相対移動させる相対移動手段と、
    を備え、
    この相対移動手段によりインクジェットヘッドが記録媒体に対して相対移動しているときに、前記インクジェットヘッドにおいて圧力室に連通するように設けたノズル孔から前記圧力室のインクを記録媒体に吐出させて記録を行なうように構成したインクジェット式記録装置。
  21. 請求項4記載のインクジェットヘッドであって、
    前記複数の連通部は第1の連通部と第2の連通部を備え、
    前記封止ケースにおいて、
    前記第1の連通部の開口部を前記第2の連通部の開口部より上方に配置したインクジェット記録装置。
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