JP2009261596A - 隔離病棟などの出入口や通路用の殺菌システムユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】既設の隔離病棟と一般病棟の間を繋ぐ通路や出入口などに、プレハブ式で組立て分解自在にユニット化した殺菌システムを設置し、前記病棟間で病原菌などが往来して人に感染したり外部へ飛散することを殺菌して防ぐユニットタイプの殺菌システムを提供する。
【解決手段】建物の通路1や出入口に設置されて人が通行できる大きさの断面略口状をなす通路空間Rを形成する壁面体6〜9と、前記通路空間Rの前後開口部に配置される開閉扉やエアカーテンなどによる内外遮蔽体と、前記空間R内に次亜塩素酸ナトリウムなどの人畜無害の殺菌用薬液を噴霧する手段10とを備え、病棟などを連結する通路1に、前記壁面体6〜9と内外遮蔽体を組立てた通路空間Rを殺菌空間として形成し、当該殺菌空間Rに前記殺菌水を噴霧するため前記噴霧手段10を配備して適宜のタイミングで作動させて、人などに付着して存在する各種の菌を殺菌処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、病院の隔離病棟における出入口や一般病棟との連絡通路、或は、集中治療室や無菌室の出入口などのように、外部から内部に、又は、その逆、或は、前記内部や外部の種々の菌やウイルスなどが他の場所へ散逸したり侵入するのを、その場所に出入りする人や物に付着している菌やウイルスを殺菌したり滅菌する処理(以下、単に「殺菌」という)できるようにした殺菌システムのユニットに関する。
従来から、例えば塩素系の溶液を殺菌有効成分とする「殺菌水」と呼ばれる液体(以下、本明細書では「殺菌水」という)は、レストラン等の厨房内や厨房器具の殺菌処理、野菜や食肉などを始めとする加工食品の加工工程での殺菌、或は、病院等を始めとする各種施設での殺菌など、各方面での殺菌処理に利用されている。
一方、法定伝染病など伝染性の高い疾病の罹患者は総合病院などの隔離病棟に隔離して治療が施されるが、隔離病棟と一般病棟を連結する廊下や通路は、開閉できる一般的な扉や気密扉などで仕切られているだけであるため、前記扉の開閉時に、病原菌やその他の細菌などの病原菌や汚染物質などが一般病棟と隔離病棟の間で往来してしまい、単に不衛生であるに止まらず、病原菌が拡散してしまうという問題を孕んでいる。
そこで本発明では、例えば既設の隔離病棟と一般病棟の間を繋ぐ通路や出入口などに、一例としてプレハブ式で組立て分解自在にユニット化した殺菌システムを設置することにより、前記病棟間で病原菌などが往来して人に感染することや外部へ飛散することを殺菌して防ぐようにしたユニットタイプの殺菌システムを提供することを、課題とする。
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明システムユニットの構成は、建物の通路や出入口に設置されて人が通行できる大きさの断面略口状をなす通路空間を形成する壁面体と、前記通路空間の前後開口部に配置される開閉できる扉やエアカーテンなどによる内外遮蔽体と、前記空間内に次亜塩素酸ナトリウムなどの少なくとも殺菌有効成分を含む人畜無害の殺菌用薬液(以下、単に「殺菌水」という)を噴霧する殺菌水の噴霧手段とを備え、病棟などを連結する通路に、前記壁面体と内外遮蔽体を組立てた通路空間を殺菌空間として形成し、当該殺菌空間に前記殺菌水を噴霧するため前記噴霧手段を配備して適宜のタイミングで作動させることにより、当該殺菌空間内に人などに付着して存在する各種の菌を殺菌乃至滅菌処理するようにしたことを特徴とするものである。
本発明システムユニットでは、殺菌水噴霧手段は、殺菌水供給源とエアコンプレッサと噴霧口とこれらを接続する流路を備え、通路空間の側壁又は通路空間の天井を形成する壁面体の外側に配備する。また、噴霧口は、前記殺菌空間の少なくとも天壁と側壁の壁面体に配置する。このとき、フレキシブルホースを介して噴霧口を通路空間内に配備し、通行する者がそのホースに付いた噴霧口を手に取って自分を消毒するような殺菌態様をとることができる。
本発明では、殺菌空間の床面に形成する壁面体を、少なくとも表面に殺菌水を含有できるマット状の踏面体により形成し、その空間内を歩行する人の靴底などに付着している菌を殺菌するようにすることが望ましい。
また、前記通路空間の内部は、外部に対し陰圧に形成しておき、当該空間への出入りの際に、その空間内の塵埃や菌などが通路外へ流出したり飛散されにくくすることが望ましい。
本発明システムユニットは、建物の通路や出入口に設置されて人が通行できる大きさの断面略口状をなす通路空間を形成する壁面体と、前記通路空間の前後開口部に配置される開閉できる扉やエアカーテンなどによる内外遮蔽体と、前記空間内に次亜塩素酸ナトリウムなどの少なくとも殺菌有効成分を含む人畜無害の殺菌用薬液(以下、単に「殺菌水」という)を噴霧する殺菌水噴霧手段とを備え、病棟などを連結する通路に、前記壁面体と内外遮蔽体を組立てた通路空間を殺菌空間として形成し、当該殺菌空間に前記殺菌水を噴霧するため前記噴霧手段を配備して適宜のタイミングで作動させることにより、当該殺菌空間内に人などに付着して存在する各種の菌を殺菌乃至滅菌処理することができるようにしたので、例えば病院においては連絡通路を介して一方の病棟から他方の病棟に雑菌を始めとする諸々の病原菌やウィルスなどの有害物質が侵入したり外部に飛散することを防止することができる。
次に、本発明殺菌システムユニットの実施形態例について、図を参照して説明する。
図1は本発明殺菌システムユニットの一例を模式的に示した正断面図、図2は図1のシステムユニットの模式的な側断面図、図3は図1,図2の殺菌システムユニットの床面の構造例を説明するための断面図である。
図において、1は病院における隔離病棟と一般病棟の間を繋ぐための連絡通路で、一例として床2、左右両側の壁3,4、天井5を有して形成されている。この通路1の左右の壁3,4には、通常窓や換気窓などが適宜に設けられているが、ここでは図示を省略している。
本発明殺菌システムユニットは、合板などの木製,アルミなどの金属製,軽量プラスチック製などのパネル体によって、本発明システムユニットにおける天井6、左右の側壁7,8、床9を構成する壁面体が形成されている(以下、本明細書では、天井5を形成する壁面体を天井壁面体6、左右側壁7,8の壁面体は側壁面体7,8、床9の壁面体は床壁面9ともいう)。なお、上記の各壁面体6〜9の接合部(正断面の四隅)内面には、図示しないが、斜め(例えば45°)の傾斜接合面を形成することもある。また、天井や床の壁面体6,9には、噴霧されて凝結した液滴を流下させるための傾斜を付けることもある。
上記の各壁面体6〜9は、建物の前記通路1の内側に収まると共に、その内部を悠に人が歩いて通行できる幅と高さを有する通路空間Rに形成される。
前記の各壁面体6〜9により形成する通路空間Rは、各壁面体6〜9の長さ方向の縁部同士を、連結用縁部材や連結部材を介して又は介することなく、プレハブ方式でいわゆる現場組立てを行い、各壁面体6〜9を気密乃至ほぼ気密に接合することにより、断面が略口状をなす通路Rに形成される。この通路Rは、一例として、左右幅が少なくとも1300mm前後、高さが少なくとも2000〜2200mm程度、長さが3000〜5000mm程度の規模に形成されているが、この通路Rの大きさは前記数値に限られるものではなく、プレハブ式で組立,分解が可能な任意の大きさに設計することができる。なお、この通路空間Rとこの空間Rが設置される建物の連絡通路1の隙間に形成される隙間空間14は、この空間14に後述する殺菌水供給設備を構成する機器類や器材が配置されると共に、塞ぎパネルと21によってこの空間14が通路空間Rの前後に関して気密的に遮断されている。
上記のように組立てられる通路空間Rには、天井壁面体6と側壁面体7,8に、殺菌水の噴霧ノズル10が、各面とも複数個、例えば、10〜20個程度をほぼ均等な分布となるように、設けられている。一方、床壁面体9には、例えば人口芝や土落しマットのような踏面体11を敷設し、この踏面体11に前記ノズル10が埋設態様で設けられている。
従って、踏面体11のノズル10から噴霧される殺菌水は、ミスト状で前記芝やマットに浸潤し、この状態で靴底などに踏まれる。なお、11aは踏面体11を踏んで濡れた靴底の薬液分を拭うマット部である。このマット部11aには図示しないが、ドライエアを吹出す構成を付加してもよい。
前記通路空間Rの出入口には、ヒンジ式扉や引戸式扉などによる自動扉12、或は、エアカーテン吹出口13によるエアカーテン13aが、通路Rの内外遮蔽体の例として設けられている。ここで、前記扉12とエアカーテン吹出口13のエアカーテン13aは、図示した例のように組合せて用いても、いずれか一方のみで内外遮蔽体を構成してもよい。また、設置する扉12はこの通路Rの出入口に対し気密的乃至準気密的に設けることが望ましい。さらに、扉12は人を感知して自動的に開閉動作する自動扉である方が望ましいが、手動開閉式の扉であってもよい。12aは扉の開閉駆動源である。
14は、前記建物の通路1に設置される本発明の通路空間Rの側壁面体6と当該通路1の間に形成される隙間空間である。本発明ではこの隙間空間14に、殺菌水のタンクや生成機器などによる殺菌水供給源15、エアコンプレッサ16、前記の各のノズル10を前記供給源15やコンプレッサ16に接続する流路配管17などにより構成される殺菌水供給設備が配設される。なお、18はコンプレッサ16と配管17の間に挿入したアキュームレータで、噴霧ノズル10の壁面体上での位置の違いにより噴霧状態に差異が生じないようにするためのものである。上記の殺菌水供給設備は、例えば、各壁面体の噴霧ノズル群単位で1組ごと別に設けるようにしてもよい。
図示した例では、流路配管17が、他方の側壁面体7、天井壁面体6にも配備されている。これらの壁面体6や7にも噴霧ノズル10が配設されているからである。また、隙間空間14には、エアカーテン吹出口13が通路Rの出口又は入口に設けられた場合、この吹出口13に接続されるエアカーテン機構19が設置される。19aは吹出口13とエアカーテン機構19を繋ぐ配管である。
以上に述べた天井壁面体6からエアカーテン機構19までの構成により、本発明によるプレハブ式で組立て分解自在の通路用殺菌システムユニットの一例を形成するので、次に、その作動例について説明する。
図2においては、通路Rのエアカーテン13aが形成されている側が隔離病棟側、自動扉12が設けられている側が一般病棟側であるとする。勿論、逆の配置態様もある。
いま、人Mが図2の通路1の右側から本発明ユニットに歩いて来ると、その人Mが扉12の開閉駆動源12aの近傍に設けたセンサー12bにより検出される。この検出信号をトリガーとしてそれまで閉じていた扉12が、その駆動源12aが起動されることにより開けられ人Mが通路Rの中へ踏込むことが許容される。
前記センサー12bの検出信号は、コンプレッサ16の起動にも利用される。従って、扉12が開き人Mが通路Rに踏込んだときには、通路R内に配置した各ノズル10から殺菌水が噴霧されている。この通路Rに人Mが入ってしまうと側壁面体8に設けたセンサー20がそれを検出して、この信号が扉12の駆動源12aの閉扉トリガーとして利用され、扉12を閉じる。エアカーテン吹出口13から吹出し形成されるエアカーテン13aも、一例として前記扉12の開扉又は閉扉動作に同期してエアカーテン機構19が起動するように設定しておくことにより、この通路Rの出口側を塞ぐように形成されている。図示しないが、この通路Rの壁面には、噴霧による内部圧を排出するため一方向タイプの吹出孔(図示せず)を設けることがある。
通路Rが上記の状態にあるとき、当該通路R内を歩行する人Mは、そのほぼ全身が天井壁面体6、側壁面体7,8、床9の踏面体11に設けた各ノズル10から噴霧される殺菌水ミストに瀑されるので、当該人Mの着衣,頭部,靴などに付着している雑菌を始めその他の菌はここで殺菌されると共に、この通路Rの空中に浮遊している様々な菌も殺菌されてしまう。
通路Rを歩いて通抜ける人Mが、出口のエアカーテン13aをくぐって当該通路Rの外に出ると、それがエアカーテン吹出口13の近傍に設けたセンサー13bに検出されて、その検出信号が少なくとも噴霧用の前記コンプレッサ16を停止させるトリガー信号として利用される。このとき、エアカーテン機構19も一緒に停止させるかどうかは、任意であるが、エアカーテン機構19は常時動作態勢にあることが望ましい。離隔病棟側(図2の左方)と一般病棟(図2の右方)とを、常時、エア遮断しておくためである。
通路Rの中の人Mの歩行において、その人の靴底に対して噴霧されたり湿潤マットを踏むことにより殺菌水で濡れた靴底は、床壁面体9の後半側の払拭マット材11aによって拭われる。
なお、本発明殺菌システムユニットでは、その通路Rにエアカーテン13aの側から人Mが入り、扉12の側に通り抜ける場合があることは勿論である。この場合のため、本発明では、センサー13bが初めに人Mを検出したら、コンプレッサ16を起動させ、その人Mが通路Rを抜けるときセンサー20がその人Mを検出して扉12を開けさせ、センサー12bが前記の人Mを検出したら、扉12を閉じて、コンプレッサ16の動作を停止させるように、各センサー12b,13b,20と扉12の駆動源12a,コンプレッサ16との制御シーケンスが設定されている。また、踏面体11とマット材11aもこの通路Rにおける幅方向の略半分は図2の例とは逆パターンで配置されているものとする。
本発明殺菌システムのユニットは、上述のように簡潔な構成であり、しかもユニット化されたプレハブ式であるから、既設病院などであっても、本発明殺菌システムのユニットを分解した状態で持込み、既存の建物や通路に何らの改造,改変を加えることなく設置することができるという、画期的な効果が得られる。
本発明は以上の通りであって、建物の通路や出入口に設置されて人が通行できる大きさの断面略口状をなす通路空間を形成する壁面体と、前記通路空間の前後開口部に配置される開閉できる扉やエアカーテンなどによる内外遮蔽体と、前記空間内に次亜塩素酸ナトリウムなどの少なくとも殺菌有効成分を含む人畜無害の殺菌用薬液を噴霧する殺菌水噴霧手段とを備え、病棟を連結する通路などに、前記壁面体と内外遮蔽体を組立てた通路空間を殺菌空間として形成し、当該殺菌空間に前記殺菌水を噴霧するため前記噴霧手段を配備して適宜のタイミングで作動させることができる通路用殺菌システムユニットを構成したから、例えば既設の隔離病棟と一般病棟の間を繋ぐ通路や出入口などに、一例としてプレハブ式で組立て分解自在にユニット化した殺菌システムを容易かつ迅速に設置することができ、病棟間での病原菌などが往来して人に感染することや外部へ飛散することを殺菌して防ぐことができる。
また、本発明殺菌システムユニットは、プレハブ式であるから、病院や学校、或は、各種ホール,劇場などの建物の通路や出入口に分解して持込み、そこで組立てて容易に設置できることは勿論、例えば、鳥インフルエンザや新型インフルエンザの発症地などに設置される現場対策本部のような臨時設備に持込んで、そこに付帯する殺菌設備としても活用することが可能である。
よって、目下、地球規模での大流行が懸念されている新型インフルエンザの拡散を効果的に抑制乃至阻止できる設備としてきわめて有効である。
本発明殺菌システムユニットの一例を模式的に示した正断面図。 図1のシステムユニットの模式的な側断面図。 図1,図2の殺菌システムユニットにおける床面の構造例を説明するための断面図。
符号の説明
1 連絡通路
2 床
3,4 壁
5 天井
R 通路空間(殺菌空間)
6 天井壁面体
7,8 側壁面体
9 床壁面体
10 噴霧ノズル
11 踏面体
12 扉
13 エアカーテン吹出口
14 隙間空間
15 殺菌水供給源
16 エアコンプレッサ
17 配管
18 アキュームレータ
19 エアカーテン機構
12b,13b、20 人検出センサー
21 塞ぎパネル

Claims (7)

  1. 建物の通路や出入口に設置されて人が通行できる大きさの断面略口状をなす通路空間を形成する壁面体と、前記通路空間の前後開口部に配置される開閉できる扉やエアカーテンなどによる内外遮蔽体と、前記空間内に次亜塩素酸ナトリウムなどの少なくとも殺菌有効成分を含む人畜無害の殺菌用薬液を噴霧する殺菌水噴霧手段とを備え、病棟を連結する通路などに、前記壁面体と内外遮蔽体を組立てた通路空間を殺菌空間として形成し、当該殺菌空間に前記殺菌水を噴霧するため前記噴霧手段を配備して適宜のタイミングで作動させることにより、当該殺菌空間内に人などに付着して存在する各種の菌を殺菌乃至滅菌処理することを特徴とする通路用殺菌システムユニット。
  2. 殺菌水噴霧手段は、少なくとも殺菌水供給源とエアコンプレッサと噴霧口とこれらを接続する流路を備え、通路空間の側壁又は通路空間の天井を形成する壁面体の外側に配備した請求項1の殺菌システムユニット。
  3. 殺菌水供給源は、殺菌水タンクか又は殺菌水生成装置である請求項2の殺菌システムユニット。
  4. 殺菌水噴霧手段の噴霧口は、前記殺菌空間の少なくとも天井と側壁の壁面体に配置された請求項1〜3のいずれかのシステムユニット。
  5. 殺菌空間の歩行面を形成する壁面体を、少なくとも表面に殺菌水を含有するマット状の踏面体により形成し、当該空間内を歩行する人の靴底などに付着している菌を殺菌するようにした請求項1〜4のいずれかの殺菌システムユニット。
  6. 殺菌空間の内部は、外部に対し陰圧に形成しておき、当該空間への出入りの際に、その空間内の塵埃や菌などが外部へ流出しないようにした請求項1〜5のいずれかのシステムユニット。
  7. 噴霧口の少なくとも1つは、前記噴霧手段のコンプレッサに接続されたフレキシブルホースの先端部に設け、前記噴霧口を手に持って噴霧方向を自在に変更できるようにした請求項1〜6のいずれかのシステムユニット。
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