以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部又は非優先始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部又は優先始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口33に対する下作動口34の有利性を高める上では、上作動口33に係る払出個数よりも下作動口34に係る払出個数を多く設定することが好ましい。また、各作動口33,34に対する可変入賞装置32の有利性を高める上では、各作動口33,34に係る払出個数よりも可変入賞装置32に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aの詳細について図5を用いて説明する。図5(a)は電動役物34aが閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)である場合を示し、図5(b)は電動役物34aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)である場合を示している。
上作動口33を構成する作動口ケース33aは、手前側に張り出すとともに正面から見て略台形状をなしており、上辺長<下辺長となっている。このとき、作動口ケース33aの上辺長(すなわち上作動口33の左右幅)は、遊技球の直径よりも僅かに大きい長さとされ、下辺長は、電動役物34aが閉鎖状態にある場合において左右の電動役物34a間の距離よりも大きい長さとされている。また、電動役物34aが閉鎖状態にある場合には作動口ケース33aと電動役物34aの上端部との間隔が遊技球の直径よりも僅かに短くなるよう両作動口33,34の設置間隔が調整されている。
上記構成によれば、電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放されることで下作動口34への入賞が可能となる。特にこのとき、電動役物34aが閉鎖状態から開放状態に移行する動作途中では、上記のとおり上作動口33の作動口ケース33aが略台形状をなしておりそれが障害となることから、電動役物34aが十分に開放されるまでは下作動口34への遊技球の入賞が不可能となり、電動役物34aのほぼ全開状態でのみ入賞が可能となっている。つまり、上方から落下してきた遊技球は作動口ケース33aの側面に当たって外側に弾かれ、下作動口34に直接入賞することはない。これにより、電動役物34aが極短時間で開放される場合には下作動口34への入賞が極めて困難となり、電動役物34aの開放状態が継続される場合にのみ下作動口34への入賞が容易となる。
なお、上作動口33の作動口ケース33aを上記の如く略台形状とする構成以外にも、上作動口33の作動口ケース33aを上部幅狭、下部幅広の2段構成としたり、上作動口33の左右両側に略ハ字状のガイド片を設けたり、作動口ケース33aの斜め下方に障害釘を植設したりしても良い。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選又は特別外れ当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。なお、装飾部材39の上面には、上述した複数の一般入賞口31の一部が上方に開放された状態で設置されている。
メイン表示部43について、図6を用いて詳細に説明する。図6(a)はメイン表示部43及びその前方側を含めた領域の縦断面図、図6(b)はメイン表示部43を構成するセグメント表示器101の正面図である。
図6(a)に示すように、メイン表示部43は、セグメント表示器101と、当該セグメント表示器101が搭載される表示器用基板102と、セグメント表示器101の前方に設けられたカバーパネル103と、を備えている。
セグメント表示器101は、図6(b)に示すように、その表示面において横並びに3つの表示領域RS,AS,BSが設けられている。これら3つの表示領域RS〜BSには、それぞれ8個の表示用セグメントR1〜R8,A1〜A8,B1〜B8が設けられている。各表示用セグメントR1〜R8,A1〜A8,B1〜B8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、各表示領域RS〜BSでは、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントR1〜R8,A1〜A8,B1〜B8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
3つの表示領域RS〜BSでは、同一の大きさ及び同一の形で所定の記号を表示することができるように各表示用セグメントR1〜R8,A1〜A8,B1〜B8が配置されている。一の表示領域RSについて具体的には、第1〜第7表示用セグメントR1〜R7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1〜第7表示用セグメントR1〜R7は、数字の「1」〜「9」及びアルファベットの「F」,「H」,「L」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントR8は、円形状の表示用セグメントであり、第1〜第7表示用セグメントR1〜R7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、表示領域RSでは、「1」〜「9」及び「F」,「H」,「L」と、「1.」〜「9.」及び「F.」,「H.」,「L.」と、を少なくとも表示することができる。
なお、3つの表示領域RS〜BSにおいて、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であって、同一の大きさ及び同一の形で所定の記号を表示することが可能であれば、各表示用セグメントR1〜R8,A1〜A8,B1〜B8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントR1〜R8,A1〜A8,B1〜B8において表示される色が同一であることは必須ではなく、表示領域RS〜BS毎に異なる色が表示される構成としてもよく、任意又は全ての表示領域RS〜BSでは各表示用セグメントR1〜R8,A1〜A8,B1〜B8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントR1〜R8,A1〜A8,B1〜B8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントR1〜R8,A1〜A8,B1〜B8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
3つの表示領域RS,AS,BSは、それぞれ異なる情報を遊技者や遊技ホールの管理者に対して明示(又は教示)する機能を有している。具体的には、左の表示領域RSは、大当たり当選となることで可変入賞装置32が開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変入賞装置32の大入賞口32aが開放される回数を明示するためのラウンド表示部RSである。
中間の表示領域ASは、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASである。この場合、第1結果表示部ASでは、上作動口33への入賞をトリガとして第1表示用セグメントA1〜第8表示用セグメントA8における点灯及び消灯を順次行うことによる絵柄の変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。なお、変動表示の態様は任意である。上作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。また、ラウンド表示部RSとの関係において、第1結果表示部ASは当該ラウンド表示部RSに隣接させて設けられていると言える。
右側の表示領域BSは、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSである。この場合、第2結果表示部BSでは、下作動口34への入賞をトリガとして第1表示用セグメントB1〜第8表示用セグメントB8における点灯及び消灯を順次行うことによる絵柄の変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。なお、変動表示の態様は任意である。下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
セグメント表示器101の前面には、ラウンド表示部RSの下方位置にラウンド表示を行う場所であることを明示するための記号として「R」が付されており、第1結果表示部ASの下方位置に上記上作動口33への入賞に基づく抽選の結果の表示を行う場所であることを明示するための記号として「1」の数字が付されており、第2結果表示部BSの下方位置に上記下作動口34への入賞に基づく抽選の結果の表示を行う場所であることを明示するための記号として「2」の数字が付されている。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにおいて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回として以下の説明を行う。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口33,34への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部において変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
上記構成のセグメント表示器101は、表示面とは反対側から表示器用基板102上に搭載されている。表示器用基板102は後述する主制御装置と電気配線を通じて電気的に接続されており、主制御装置から表示器用基板102に駆動信号が出力されることで、各表示用セグメントR1〜R8,A1〜A8,B1〜B8が点灯される。
セグメント表示器101が搭載された表示器用基板102は、装飾部材39に設けられた開口部39aを通じてセグメント表示器101の各表示部RS〜BSの全体が当該装飾部材39の前面において露出するように位置決めされて、装飾部材39の裏側から固定されている。
装飾部材39の開口部39aは、セグメント表示器101よりもパチンコ機10前方においてカバーパネル103によって塞がれている。カバーパネル103は、セグメント表示器101における各表示部RS〜BSの全体と対向しており、パチンコ機10前方から窓パネル62及びカバーパネル103を通じて上記各表示部RS〜BSにおける表示が視認可能となるように半透明に形成されている。具体的には、カバーパネル103は、合成樹脂製であり、黒色半透明に形成されている。このようにカバーパネル103を半透明とすることで、各表示部RS〜BSにおける表示を視認可能としながら、カバーパネル103を無色透明に形成する構成に比べ、各表示部RS〜BSにおける表示が目立たなくなる。これにより、各表示部RS〜BSにおける表示よりも後述する図柄表示装置41の表示などに遊技者の注意を引き付けることが可能となる。但し、これに限定されることはなく、カバーパネル103を無色透明に形成したり、当該カバーパネル103を不具備としてもよい。
役物用表示部44は、図示による詳細な説明は省略するが、メイン表示部43と同様にセグメント表示器を有しており、当該セグメント表示器には役物用結果表示部が設けられている。役物用結果表示部は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用結果表示部では、スルーゲート35への入賞をトリガとして、各表示用セグメントにおける点灯及び消灯を順次行うことによる絵柄の変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用結果表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。なお、役物用表示部44は、上記の構成に限定されることはなく、メイン表示部43にて例示した他の構成を適用してもよく、メイン表示部43とは異なる構成を適用してもよい。
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、第1結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われるとともに、第2結果表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45及び第2保留ランプ部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44の役物用結果表示部に対応した第3保留ランプ部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留ランプ部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45〜47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子板99が設けられている。外部出力端子99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図7のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置82には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43を構成するセグメント表示器101が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU202においてセグメント表示器101における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞装置32の開閉実行モードに際してはセグメント表示器101におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。
さらには、MPU202の出力側には、外部出力端子板99が接続されている。この場合、外部出力端子板99には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子(第1状態信号出力端子)99aと、大当たり及び特別外れ信号出力端子(第2状態信号出力端子)99bとが設けられている。
MPU202は、遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子99aを通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子99aからLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
また、本パチンコ機10では、後述するように上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たり当選でなかったとしても、可変入賞装置32が開閉実行モードに移行することとなる特別外れ結果(すなわち、小当たり)を遊技結果の1種として備えている。この場合に、MPU202は、遊技結果が大当たり結果となった場合又は遊技結果が特別外れ結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり及び特別外れ信号出力端子99bを通じて大当たり及び特別外れ信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり及び特別外れ信号出力端子99bからLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果又は特別外れ結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
停電監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の抽選を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図8に基づいて説明する。図8は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図8(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図8(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。また、後述する非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、共通用動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
表示画面Gの下部における左側には、第1保留表示領域Gaが設定されており、表示画面Gの下部における右側には、第2保留表示領域Gbが設定されている。
第1保留表示領域(非優先側保留表示領域)Gaは、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。当該第1保留表示領域Gaにおける表示内容は、後に詳細に説明する。
また、第2保留表示領域(優先側保留表示領域)Gbは、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1〜Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
例えば、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみにて保留用画像が表示され、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1〜第4単位保留表示領域Gb4の全てにおいて保留用画像が表示される。当該第2保留表示領域Gbにおける表示内容は、後に詳細に説明する。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図9に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BS並びに図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。RAM204には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア232が設けられている。そして、この保留球格納エリア232に、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図10を用いて説明する。図10に示すように、当否テーブルとしては、図10(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図10(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図10(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図10(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
また、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となるが、本パチンコ機10においては、外れ結果として、特別外れ結果と通常外れ結果との2種類が設定されている。これらの違いについては後に説明する。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
ここで、開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
この場合に、本パチンコ機10では、発射ハンドル54が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口32aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口32aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口32aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に1/2)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア222に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図11を用いて説明する。図11に示すように、振分テーブルとしては、図11(a)の第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図11(b)の第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、図11(a)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
非明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。換言すれば、非明示2R確変大当たり結果は、非明示2R確変大当たり状態(非明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が次に高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるとともにサポートモードでは低頻度サポートモードとなる非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特に、非明示2R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後において、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードが通常遊技状態と同様に低頻度サポートモードとなる。そうすると、遊技状態として、電動役物34aのサポートモードが低頻度サポートモードで共通しているにも関わらず、当否抽選モードが高確率モードとなる遊技状態を作り出すことができ、遊技者に対して当否抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図11(b)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
ここで、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、第1結果表示部用の振分テーブルでは、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、第2結果表示部用の振分テーブルでは、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。
但し、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
また、非明示2R確変大当たり結果では、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードは低頻度サポートモードへ移行することとなるため、15R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果と比較した場合に、電動役物34aが開放状態となりにくいことによりそれだけ遊技球の払出を受ける機会が減り、さらには第2結果表示部用の振分テーブルに基づいて振分抽選が行われる可能性が低くなる。
以上のとおり、上作動口33と下作動口34とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は上作動口33及び下作動口34のうち、下作動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、下作動口34への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
また、本パチンコ機10では、上記のとおり、当否抽選において外れ結果となった場合に、通常外れ結果又は特別外れ結果となる。この場合、外れ結果となった場合に比較的高確率で発生する通常外れ結果では、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
一方、外れ結果となった場合に比較的低確率で発生する特別外れ結果では、特別外れ状態となる。特別外れ状態では、当否抽選において外れ結果となった状況において開閉実行モードに移行することとなる。但し、移行先の開閉実行モードは、低頻度入賞モードである。したがって、特別外れ結果となったとしても、大入賞口32aへの遊技球の入賞は期待できない。また、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モード及びサポートモードの移行は発生しない。
上記のように特別外れ結果を設定することで、可変入賞装置32の大入賞口32aの開放を演出として用いることができる。ここで、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態下で、特別外れ結果となった場合、低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行するのみであり、その後には上記通常遊技状態に復帰する。これに対して、上記非明示2R確変大当たり結果が発生した場合には、低頻度入賞モードである開閉実行モードに移行し、その後にはサポートモードが低頻度サポートモードであるものの当否抽選モードが高確率モードとなる。そうすると、通常遊技状態下での特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、同一の低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行すること及びその後にサポートモードが低頻度サポートとなることで共通し、両者の差異は前者においては当否抽選モードが低確率モードとなるのに対して後者においては高確率モードとなることで相違する。つまり、通常遊技状態下での特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、可変入賞装置32の挙動及び下作動口34の電動役物34aの挙動といった各可動物の挙動が共通し、内部的な抽選状態のみが相違することとなる。これにより、通常遊技状態下において低頻度入賞モードである開閉実行モードが発生した場合には、その後に当否抽選モードが高確率モードに移行しているか否かを想像させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
なお、当否抽選モードが低確率モードである場合には、図10(a)に示すように、特別外れ結果となる乱数の値は大当たり当選となる乱数の値と同様に2個である。一方、当否抽選モードが高確率モードである場合には、図10(b)に示すように、特別外れ結果となる乱数の値は、大当たり当選となる乱数の値の数及び低確率モードで特別外れ結果となる乱数の値の数よりも少ない1個である。このように特別外れ結果となる乱数の値の数を、高確率モード下における大当たり当選となる乱数の値の数よりも少なくすることで、高確率モード下では特別外れ結果となる確率よりも大当たり当選となる確率を高くすることができる。また、特別外れ結果となる乱数の値の数を、低確率モード下よりも高確率モード下の方を少なく設定することで、高確率モード下では特別外れ結果となる確率を低確率モード下よりも低くすることができる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図8の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物34aを開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU202では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が用いられる。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203の停止結果テーブル記憶エリア224が用いられる。
<保留球格納エリア232の構成>
次に、保留球格納エリア232の構成を、図12を用いてより詳細に説明する。
第1結果表示部用保留エリアRaは、上作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。また、第2結果表示部用保留エリアRbは、下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。ここで、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbは、同一の構成となっているため、以下には、両保留エリアRa,Rbのうち第1結果表示部用保留エリアRaの構成について説明する。
第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアと、保留数記憶領域とより構成されている。各記憶エリアは、大当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのC1記憶領域と、大当たり種別カウンタC2の値を格納するためのC2記憶領域と、リーチ乱数カウンタC3の値を格納するためのC3記憶領域とより構成されている。この第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアにより、上作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
C1記憶領域は2バイトで構成されており、0〜599のいずれかの大当たりカウンタC1値が0〜9の下位10ビットを用いて格納されるようになっている。C1記憶領域のうち10〜15の上位6ビットは未使用領域となっている。
C2記憶領域は1バイトで構成されており、0〜29のいずれかの大当たり種別カウンタC2値が0〜4の下位5ビットを用いて格納されるようになっている。C2記憶領域のうち5〜7の上位2ビットは未使用領域となっている。
C3記憶領域は1バイトで構成されており、0〜238のいずれかのリーチ乱数カウンタC3値が0〜7の全8ビットを用いて格納されるようになっている。
保留数記憶領域は、記憶エリアの使用数、すなわち上作動口33に遊技球が入賞して保留された個数を記憶するための記憶領域である。保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜4のいずれかの値が0〜2の下位3ビットを用いて格納されるようになっている。保留数記憶領域のうち3〜7の上位5ビットは未使用領域となっている。
また、保留球格納エリア232には、第1結果表示部用保留エリアRaにおける保留数と第2結果表示部用保留エリアRbにおける保留数との和の数の情報を記憶するための総保留数記憶領域が設けられている。総保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜8のいずれかの値が0〜3の下位4ビットを用いて格納されるようになっている。総保留数記憶領域のうち4〜7の上位4ビットは未使用領域となっている。
図9に示す実行エリアAEは、各結果表示部AS,BSの変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。実行エリアAEは、各結果表示部用保留エリアRa,Rbの1つ分の記憶エリアと同一構成、すなわち、2バイト構成のC1記憶領域と、1バイト構成のC2記憶領域と、1バイト構成のC3記憶領域とにより構成されている。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS104にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
ステップS104における作動口用の入賞処理及びステップS105におけるスルー用の入賞処理について以下に説明する。
<作動口用の入賞処理>
先ず、作動口用の入賞処理について図14のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、遊技球が上作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを上作動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が上作動口33に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、上作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が上作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS206では、遊技球が下作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下作動口34に入賞したと判定すると、ステップS207にて払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS208では、下作動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS209では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS206が共にNOの場合、すなわち上作動口33,下作動口34のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202,S207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S501にて払出制御装置97に対して送信される。
ここで、ステップS205の情報取得処理を図15のフローチャートにより詳細に説明する。
先ずステップS301では、上述したステップS204又はステップS209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。
続くステップS305では、上作動口33又は下作動口34に遊技球が入賞したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報である作動入賞コマンド(始動入賞コマンド又は始動入賞情報)の選定処理を実行する。具体的には、始動保留記憶数Nとして第1始動保留記憶数RaN又は第2始動保留記憶数RbNのいずれがセットされているかにより、今回の情報取得処理の対象となった作動口が上作動口33又は下作動口34のいずれであるかを特定する。下作動口34である場合には、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回の作動入賞コマンドとして下作動口34への入賞が発生したことの情報を含む作動入賞コマンドを選定する。
一方、上作動口33である場合には、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回の作動入賞コマンドとして、上作動口33への入賞が発生したことの情報と、ステップS304にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納した大当たり乱数カウンタC1の値の情報及び大当たり種別カウンタC2の値の情報と、を含む作動入賞コマンドを選定する。つまり、この場合の作動入賞コマンドには、大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値がそのまま含まれている。
続くステップS306では、ステップS305にて選定した作動入賞コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定した後に、本情報取得処理を終了する。ステップS306にて設定された作動入賞コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した作動入賞コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留ランプ部45及び第2保留ランプ部46における表示や、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ga及び第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
なお、作動入賞コマンドに代えて、上作動口33への入賞が発生したことの情報を含む保留報知コマンドと、当該入賞に係る保留情報における当否抽選や振分抽選に対応した情報を含む内容コマンドとが音声ランプ制御装置82に送信される構成としてもよい。
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について図16のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS401では、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート35に入賞したと判定した場合には、ステップS402に進み、役物保留記憶数SNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。
遊技球がスルーゲート35に入賞し、且つ、役物保留記憶数SN<4であることを条件にステップS403に進み、役物保留記憶数SNを1インクリメントする。続く、ステップS404では、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM204の電役保留エリア233の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の第3保留ランプ部47を点灯させた後、本入賞処理を終了する。第3保留ランプ部47は左側から順次点灯されるようになっており、例えば役物保留記憶数SNが1であれば左端の第3保留ランプ部47が点灯され、役物保留記憶数SNが4であれば右端の第3保留ランプ部47が点灯されるようになっている。
一方、ステップS401でスルーゲート35に遊技球が入賞したと判定されなかった場合又はステップS402にて役物保留記憶数SNの値が上限値以上と判定された場合には電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図17のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S507の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS508,S509のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS502では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS503では、払出制御装置97より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS504では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の結果表示部AS,BSの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS504では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS506では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、役物用表示部44の表示制御などを行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。
続くステップS507では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS508,S509)。つまり、ステップS508では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS509では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS501〜S506の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS504の遊技回制御処理を図18〜図25のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS601にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204のその他フラグ格納エリア235における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS602以降の処理、すなわちステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理及びステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS602にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204のその他フラグ格納エリア235における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS603にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口33及び下作動口34のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS604にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS605にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS604のデータ設定処理及びステップS605の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS701にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS702〜ステップS707の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS708〜ステップS713の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS702にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS703では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS704では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS705にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS706では、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS707では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS707にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留ランプ部45における表示や、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS708にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS709では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS710では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS711にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS712では、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS713では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち下作動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS713にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第2保留ランプ部46における表示や、図柄表示装置41の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
次に、変動開始処理について、図20のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS801にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードでない場合には、ステップS802にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図10(a)に示すように低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS803にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図10(b)に示すように高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS802又はステップS803の処理の後は、ステップS804〜ステップS812にて、今回の遊技回の遊技結果を設定するための処理を実行するとともに、今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれかで実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。この場合に、停止結果を設定する場合には、ROM203における停止結果情報群記憶手段としての停止結果テーブル記憶エリア224に記憶されている各種停止結果テーブル(停止結果情報群)が参照される。
ここで、当該停止結果テーブルについて、図21を用いて説明する。図21(a)は明示2R確変用の停止結果テーブルであり、図21(b)は非明示2R確変用の停止結果テーブルであり、図21(c)は15R確変用の停止結果テーブルであり、図21(d)は通常大当たり用の停止結果テーブルであり、図21(e)は特別外れ用の停止結果テーブルであり、図21(f)は通常外れ用の停止結果テーブルである。
停止結果の情報は、ROM203において停止結果データとして予め記憶されている。各停止結果データは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける変動表示が終了する場合に表示させる停止結果の内容だけが設定されているのではなく、開閉実行モードに移行する場合にラウンド表示部RSに表示させるためのラウンド回数(大入賞口32aの開放回数)の内容も合わせて設定されている。つまり、各停止結果データには、結果表示部における停止結果の内容と、ラウンド表示部RSにおけるラウンド回数の内容とが一対となって設定されている。
停止結果データとしては、データ1〜データ12の複数のデータが記憶されている。そして、これらデータ1〜データ12のうち、データ1及びデータ2が明示2R確変用の停止結果データであり、データ3及びデータ4が非明示2R確変用の停止結果データであり、データ5及びデータ6が15R確変用の停止結果データであり、データ7及びデータ8が通常大当たり用の停止結果データであり、データ9及びデータ10が特別外れ用の停止結果データであり、データ11及びデータ12が通常外れ用の停止結果データである。つまり、各遊技結果に応じてそれぞれ複数の停止結果データが設定されている。
なお、1の遊技結果に対して2個の停止結果データが設定されていることは必須ではなく、遊技結果に対して設定されている停止結果データの数が各遊技結果毎に異なっていてもよく、所定の組み合わせで異なっていてもよい。
明示2R確変用の停止結果テーブル、非明示2R確変用の停止結果テーブル、15R確変用の停止結果テーブル及び通常大当たり用の停止結果テーブルのそれぞれには、大当たり種別カウンタC2の値と停止結果データとの対応関係が記憶されている。具体的には、大当たり種別カウンタC2の値に対して停止結果データのアドレスが対応付けて記憶されている。一方、特別外れ用の停止結果テーブル及び通常外れ用の停止結果テーブルのそれぞれには、大当たり乱数カウンタC1の値と停止結果データとの対応関係が記憶されている。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値に対して停止結果データのアドレスが対応付けて記憶されている。
各停止結果テーブルについて詳細には、明示2R確変用の停止結果テーブルには、図21(a)に示すように、明示2R確変大当たり結果に対応した大当たり種別カウンタC2の値として設定されている「15〜19」のうち、「15〜17」がデータ1の停止結果データに対応しており、「18〜19」がデータ2の停止結果データに対応している。この場合、データ1の停止結果データでは、ラウンド回数の内容が「2」となっており、結果表示の内容が「5」となっている。また、データ2の停止結果データでは、ラウンド回数の内容が「2」となっており、結果表示の内容が「7」となっている。
非明示2R確変用の停止結果テーブルには、図21(b)に示すように、非明示2R確変大当たり結果に対応した大当たり種別カウンタC2の値として設定されている「10〜14」のうち、「10〜12」がデータ3の停止結果データに対応しており、「13〜14」がデータ4の停止結果データに対応している。この場合、データ3の停止結果データでは、ラウンド回数の内容が「2」となっており、結果表示の内容が「5.」となっている。また、データ4の停止結果データでは、ラウンド回数の内容が「2」となっており、結果表示の内容が「7.」となっている。
ここで、既に説明したとおり、明示2R確変大当たり結果又は非明示2R確変大当たり結果が発生する場合とは、上作動口33に遊技球が入賞し、当否抽選において大当たり当選となった場合である。したがって、上記データ1〜データ4に対応した結果表示の内容は、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち第1結果表示部ASのみに設定される。
15R確変用の停止結果テーブルには、図21(c)に示すように、15R確変大当たり結果に対応した大当たり種別カウンタC2の値として設定されている「10〜29」のうち、「10〜19」がデータ5の停止結果データに対応しており、「20〜29」がデータ6の停止結果データに対応している。この場合、データ5の停止結果データでは、ラウンド回数の内容が「F」となっており、結果表示の内容が「L」となっている。また、データ6の停止結果データでは、ラウンド回数の内容が「F」となっており、結果表示の内容が「H」となっている。
ここで、既に説明したとおり、15R確変大当たり結果が発生する場合とは、上作動口33に遊技球が入賞し、当否抽選において大当たり当選となった場合と、下作動口34に遊技球が入賞し、当否抽選において大当たり当選となった場合とのいずれかである。このうち、後者においては、15R確変大当たり結果に振り分けられることとなる大当たり種別カウンタC2の値として「10〜29」が設定されているため、データ5の停止結果データ又はデータ6の停止結果データのいずれかが選択される。一方、前者においては、15R確変大当たり結果に振り分けられることとなる大当たり種別カウンタC2の値として「20〜29」が設定されているため、データ6の停止結果データのみが選択される。したがって、データ6に対応した結果表示の内容は、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうちいずれにも設定され得るのに対して、データ5に対応した結果表示の内容は、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち第2結果表示部BSのみに設定される。
通常大当たり用の停止結果テーブルには、図21(d)に示すように、通常大当たり結果に対応した大当たり種別カウンタC2の値として設定されている「0〜9」のうち、「0〜4」がデータ7の停止結果データに対応しており、「5〜9」がデータ8の停止結果データに対応している。この場合、データ7の停止結果データでは、ラウンド回数の内容が「F」となっており、結果表示の内容が「L.」となっている。また、データ8の停止結果データでは、ラウンド回数の内容が「F」となっており、結果表示の内容が「H.」となっている。
ここで、既に説明したとおり、通常大当たり結果が発生する場合は、上作動口33に遊技球が入賞し、当否抽選において大当たり当選となった場合と、下作動口34に遊技球が入賞し、当否抽選において大当たり当選となった場合とのいずれかである。したがって、上記データ7及び上記データ8に対応した結果表示の内容は、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのいずれにも設定され得る。
特別外れ用の停止結果テーブルには、図21(e)に示すように、特別外れ結果に対応した大当たり乱数カウンタC1の値として設定されている「157,457」のうち、「157」がデータ9の停止結果データに対応しており、「457」がデータ10の停止結果データに対応している。この場合、データ9の停止結果データでは、ラウンド回数の内容が設定されておらず(すなわち、消灯)、結果表示の内容が「2」となっている。また、データ10の停止結果データでは、ラウンド回数の内容が「.」となっており、結果表示の内容が「2.」となっている。
ここで、図10(a)及び図10(b)に示すように、特別外れ結果は、当否抽選モードが低確率モード及び高確率モードのいずれにおいても発生し得るように設定されている。このうち、前者においては、特別外れ結果となる大当たり乱数カウンタC1の値として「157,457」が設定されているため、データ9の停止結果データ又はデータ10の停止結果データのいずれかが選択される。一方、後者においては、特別外れ結果となる大当たり乱数カウンタC1の値として「157」が設定されているため、データ9の停止結果データのみが選択される。
また、特別外れ結果は、上作動口33への遊技球の入賞に基づく遊技回及び下作動口34への遊技球の入賞に基づく遊技回のいずれにおいても発生し得る。したがって、上記データ9及び上記データ10に対応した結果表示の内容は、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのいずれにも設定され得る。
通常外れ用の停止結果テーブルには、図21(f)に示すように、通常外れ結果に対応した大当たり乱数カウンタC1の値として設定されている値のうち、299以下の該当値がデータ11の停止結果データに対応しており、300以上の該当値がデータ12の停止結果データに対応している。この場合、データ11の停止結果データでは、ラウンド回数の内容が設定されておらず(すなわち、消灯)、結果表示の内容が「−」となっている。また、データ12の停止結果データでは、ラウンド回数の内容が設定されておらず(すなわち、消灯)、結果表示の内容が「−.」となっている。
ここで、図10(a)及び図10(b)に示すように通常外れ結果は、当否抽選モードが低確率モード及び高確率モードのいずれにおいても発生し得るように設定されており、両モードにおいて、データ11の停止結果データ又はデータ12の停止結果データのいずれかが選択される。また、通常外れ結果は、上作動口33への遊技球の入賞に基づく遊技回及び下作動口34への遊技球の入賞に基づく遊技回のいずれにおいても発生し得る。したがって、上記データ11及び上記データ12に対応した結果表示の内容は、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのいずれにも設定され得る。
以上のとおり、結果表示の内容は、大当たりが発生するか否かに関係なく、全ての遊技結果毎に異なる表示内容が設定されている。これにより、遊技ホールの管理者は、遊技回が終了する場合に、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、当該遊技回に係る変動表示が行われている結果表示部を見ることにより、その遊技回の遊技結果が何であるかを監視することができる。特に、メイン表示部43に設けられた第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSは、主制御装置81に直接表示制御される表示部であるため、サブの表示制御装置212が表示制御に際して介在することとなる表示部に比べ、表示の信頼性が高いものである。
一方、ラウンド回数の内容は、明示2R確変大当たり結果及び非明示2R確変大当たり結果では、可変入賞装置32の大入賞口32aが開放される回数の数である「2」で共通しており、15R確変大当たり結果及び通常大当たり結果では、「F」で共通している。これにより、遊技ホールの管理者は、遊技回が終了する場合に第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSに表示される停止結果の内容が大当たり結果に基づくものである場合には、ラウンド表示部RSの表示内容を見ることで、その後の可変入賞装置32の大入賞口32aの開放回数を監視することができる。特に、メイン表示部43に設けられたラウンド表示部RSは、主制御装置81に直接表示制御される表示部であるため、サブの表示制御装置212が表示制御に際して介在することとなる表示部に比べ、表示の信頼性が高いものである。
変動開始処理(図20)の説明に戻り、ステップS802又はステップS803の処理の後は、ステップS804にて、ステップS802又はステップS803における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS805〜ステップS811において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
ステップS805では、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS806にて第1結果表示部用の振分テーブル(図11(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、非明示2R確変大当たり結果の数値範囲、明示2R確変大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS807にて第2結果表示部用の振分テーブル(図11(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
ステップS806又はステップS807の処理の後は、ステップS808にて、ステップS806又はステップS807において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS809にて、確変大当たり結果が発生することとなる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。
確変大当たり用の停止結果設定処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS901にて、ステップS806又はステップS807において振り分けた遊技結果が15R確変大当たり結果であるか否かを判定する。ここで、既に説明したように、第1結果表示部用の振分テーブルには、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果の複数種類の遊技結果が設定されているが、第2結果表示部用の振分テーブルには、確変大当たり結果として、15R確変大当たり結果の1種類のみが設定されている。したがって、今回の遊技回が上作動口33への遊技球の入賞に基づくものであり、第1結果表示部用の振分テーブルにおいて遊技結果の振分が行われた遊技回である場合には、ステップS901にて否定判定をする場合もあれば、肯定判定をする場合もある。一方、今回の遊技回が下作動口34への遊技球の入賞に基づくものであり、第2結果表示部用の振分テーブルにおいて遊技結果の振分が行われた遊技回である場合には、ステップS901にて必ず肯定判定をする。
ステップS901にて、否定判定をした場合には、ステップS902にて、上記振り分けた遊技結果が明示2R確変大当たり結果であるか否かを判定する。明示2R確変大当たり結果である場合には、ステップS903にて、既に説明した明示2R確変用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、ステップS904にて、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS905にて、RAM204のその他フラグ格納エリア235における明示2R確変フラグ格納エリア(明示高確率対応情報記憶手段)に明示2R確変フラグ(明示高確率対応情報)を格納(記憶)した後に、本停止結果設定処理を終了する。
ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS906にて、既に説明した非明示2R確変用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、ステップS907にて、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS908にて、RAM204のその他フラグ格納エリア235における非明示2R確変フラグ格納エリア(非明示高確率対応情報記憶手段)に非明示2R確変フラグ(非明示高確率対応情報)を格納(記憶)した後に、本停止結果設定処理を終了する。
ステップS901にて肯定判定をした場合には、ステップS909にて、既に説明した15R確変用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、ステップS910にて、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS911にて、RAM204のその他フラグ格納エリア235における15R確変フラグ格納エリア(高確率対応特別情報記憶手段)に15R確変フラグ(高確率対応特別情報)を格納(記憶)した後に、本停止結果設定処理を終了する。
変動開始処理(図20)の説明に戻り、ステップS809の処理を実行した後は、ステップS813に進む。一方、ステップS806又はステップS807において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果でない場合には、ステップS808にて否定判定をし、ステップS810に進む。ステップS810では、既に説明した通常大当たり用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS811にて、RAM204のその他フラグ格納エリア235における通常大当たりフラグ格納エリア(低確率対応特別情報記憶手段)に通常大当たりフラグ(低確率対応特別情報)を格納(記憶)した後に、本停止結果設定処理を終了する。その後、ステップS813に進む。
また、ステップS802又はステップS803における抽選の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS804にて否定判定をし、ステップS812に進む。ステップS812では、外れ結果となる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
外れ時用の停止結果設定処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1001にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられた高確率モードフラグ格納エリアに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。高確率モードでない場合には、ステップS1002にて低確率モード用の当否テーブルを参照して、今回の遊技結果が特別外れ結果であるか否かの特別外れ判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図10(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて特別外れ結果として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS1003にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図10(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて特別外れ結果として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
その後、ステップS1004にて、ステップS1002又はステップS1003における抽選の結果が特別外れ結果であるか否かを判定する。特別外れ結果である場合には、ステップS1005〜ステップS1007において、特別外れ結果である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
ステップS1005では、既に説明した特別外れ用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、ステップS1006にて、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS1007にて、RAM204のその他フラグ格納エリア235における特別外れフラグ格納エリア(特別外れ対応情報記憶手段)に特別外れフラグ(特別外れ対応情報)を格納(記憶)した後に、本停止結果設定処理を終了する。
ステップS1004にて否定判定をした場合には、ステップS1008にて、既に説明した通常外れ用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、ステップS1009にて、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、本停止結果設定処理を終了する。
変動開始処理(図20)の説明に戻り、ステップS812の処理を実行した後はステップS813に進む。ステップS813では、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1101にて、RAM204の変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU202のレジスタに記憶させる。続くステップS1102では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ、特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示の発生として、ステップS1102にて肯定判定をする。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS1102にて肯定判定をする。
ステップS1102にて肯定判定をした場合には、ステップS1103に進む。ステップS1103では、今回の遊技回の遊技結果が非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果のいずれかとなるかを判定する。非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果のいずれかとなる場合には、ステップS1104にてROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されている共通変動表示時間テーブル(共通変動表示時間情報群)を参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS1105にて、その変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
ここで、既に説明したように、通常遊技状態下で特別外れ結果となる場合及び非明示2R確変大当たり結果となる場合は、可変入賞装置32の挙動及び下作動口34の電動役物34aの挙動といった各可動物の挙動が共通し、内部的な抽選状態のみが相違することとなる。この場合に、特別外れ結果となる場合及び非明示2R確変大当たり結果となる場合はいずれも、図柄表示装置41における図柄の変動表示においてリーチ表示が発生することとなり、さらには、その遊技回の変動表示時間の決定に際して共通変動表示時間テーブルを参照することで、結果表示部及び図柄表示装置41における絵柄の変動表示時間が共通のものとなる。
一方、今回の遊技回の遊技結果が非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果のいずれでもない場合には、ステップS1103にて否定判定をし、ステップS1106に進む。ステップS1106では、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているその他の変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS1107にて、その変動表示時間情報をRAM204の変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
ステップS1102にて否定判定をした場合には、ステップS1108に進む。ステップS1108では、共通保留数CRNを把握する。続くステップS1109では、高頻度サポートモードか否かを判定する。具体的には、RAM204のその他フラグ格納エリア235における高頻度サポートフラグ格納エリア(高頻度サポート情報記憶手段)に高頻度サポートフラグ(高頻度サポート情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該高頻度サポートフラグは、後述する遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に格納又は消去される。
高頻度サポートフラグが格納されていない場合には、ステップS1110にて、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されている低頻度サポート時用の変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値及び共通保留数CRNの数に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS1111にて、その変動表示時間情報をRAM204の変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。なお、共通保留数CRNの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。
一方、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、ステップS1112にて、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されている高頻度サポート時用の変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値及び共通保留数CRNの数に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS1113にて、その変動表示時間情報をRAM204の変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。なお、共通保留数CRNの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。
上記のように、リーチ表示が発生しない場合には、高頻度サポートモードであるか否かにより、参照する変動表示時間テーブルを変更することで、通常遊技状態下で、特別外れ結果となった場合及び非明示2R確変大当たり結果となった場合で、その後の遊技回における結果表示部及び図柄表示装置41における絵柄の変動表示時間が共通のものとなる。
変動開始処理(図20)の説明に戻り、ステップS813の後は、ステップS814にて、変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報、特別外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS814にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
その後、ステップS815にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図18)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS606にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図24)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図13)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS607にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該結果表示部を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)する。第1結果表示部ASについて、例示すると、第1表示用セグメントA1→第2表示用セグメントA2→・・・→第7表示用セグメントA7→第8表示用セグメントA8→第1表示用セグメントA1→・・・の順番で、各表示用セグメントA1〜A8が点滅することとなる。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS608にて変動終了処理を実行する。ここで、変動終了処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1201では、RAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。続くステップS1202では、ROM203に記憶されている停止結果データ群の中から、ステップS1201にて確認したアドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データから結果表示の内容を確認する。
続くステップS1203では、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS1204にて、ステップS1202において確認した結果表示の内容を、第1結果表示部ASに出力した後に、本変動終了処理を終了する。これにより、第1結果表示部ASでは上記出力に係る結果表示が停止表示された状態で絵柄の変動表示が終了される。
一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS1205にて、ステップS1202において確認した結果表示の内容を、第2結果表示部BSに出力した後に、本変動終了処理を終了する。これにより、第2結果表示部BSでは上記出力に係る結果表示が停止表示された状態で絵柄の変動表示が終了される。
ここで、上記ステップS1204にて第1結果表示部ASに停止表示された結果表示及び上記ステップS1205にて第2結果表示部BSに停止表示された結果表示は、次回の遊技回における遊技回制御処理にてステップS605の変動開始処理が実行されるまで維持される。つまり、MPU202は、1の遊技回が終了する場合に第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSに停止表示させた結果表示の内容が、次回の遊技回が開始されるまで維持されるように、各結果表示部AS,BSを表示制御する機能を有している。
なお、停止結果データにおける結果表示の内容には、8個設けられた表示用セグメントA1〜A8,B1〜B8において、点灯対象の表示用セグメントの情報が記憶されている。この場合に、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSが共に、8個の表示用セグメントA1〜A8,B1〜B8を用いて構成されていることにより、上記停止結果データを第1結果表示部ASと第2結果表示部BSとで個別に設定する必要はなく、共通なものとして設定することができる。
遊技回制御処理(図18)では、変動終了処理を実行した後に、ステップS609にて変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS609にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS505の遊技状態移行処理を図26〜図29のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1301では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1302に進み、1の遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS1303にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ又は特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1304にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置32の大入賞口32aの開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM203に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が短くなるように設定されている。例えば、高頻度入賞モードでは、待機時間が1secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されており、低頻度入賞モードでは、待機時間が0.2secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されている。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図13)が実行される度に1ディクリメントされる。
続くステップS1305では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、先ず、RAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、ROM203に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSに出力する。これにより、ラウンド表示部RSでは上記出力に係るラウンドの情報が表示される。なお、停止結果データにおけるラウンド回数の内容には、8個設けられた表示用セグメントR1〜R8において、点灯対象の表示用セグメントの情報が記憶されている。
続くステップS1306では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS1307にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「2」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS1308にて、第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「15」をセットする。
ステップS1307又はステップS1308の処理を実行した後は、ステップS1309にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
続くステップS1310では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、大当たり信号出力端子99aの信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。これにより、大当たり信号出力端子99aが遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
また、外部信号設定処理では、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ又は特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、大当たり及び特別外れ信号出力端子99bの信号出力状態を大当たり及び特別外れ信号出力状態とする。これにより、大当たり及び特別外れ信号出力端子99bが遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり及び特別外れ信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて開閉実行モードが発生したことを把握することができる。
一方、開閉実行モード中でない場合には、ステップS1301にて肯定判定をし、ステップS1311に進む。ステップS1311では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1312にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図27のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1401にて大入賞口32aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部32cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口32aを開放中でない場合には、ステップS1402にて第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定すると共に、ステップS1403にて第1タイマエリアT1の値が「0」か否かを判定する。
第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合又は第1タイマエリアT1の値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でなく且つ第1タイマエリアT1の値が「0」である場合には、ステップS1404に進み、大入賞口32aを開放すべく可変入賞駆動部32cを駆動状態とする。
続くステップS1405では、各ラウンド用の設定処理を実行する。各ラウンド用の設定処理について、図27のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1501では、高頻度入賞モードであるか否かを判定する。高頻度入賞モードである場合には、ステップS1502にて、大入賞口32aを開閉させる開閉タイミングを計るために、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第1タイマエリアT1に、「15000」(すなわち30sec)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理(図13)が起動される都度、すなわち2msec周期で1ディクリメントされる。続くステップS1503では、大入賞口32aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた入賞カウンタエリアPCに、「10」をセットする。その後、本設定処理を終了する。
高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS1504にて第1タイマエリアT1に、「100」(すなわち0.2sec)をセットし、続くステップS1505にて入賞カウンタエリアPCに、「6」をセットする。その後、本設定処理を終了する。
大入賞口開閉処理(図27)において各ラウンド用の設定処理を実行した後は、ステップS1406にて開放コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。この開放コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置82では、受信した開放コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
また、ステップS1401にて大入賞口が開放中である場合にはステップS1407に進み、第1タイマエリアT1の値が「0」か否かを判定する。第1タイマエリアT1の値が「0」でない場合、ステップS1408にて大入賞口32aに遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置32に対応した検知センサの検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS1409にて入賞カウンタエリアPCの値を1ディクリメントした後にステップS1410にて入賞カウンタエリアPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS1407にて第1タイマエリアT1の値が「0」の場合、又はステップS1410にて入賞カウンタエリアPCの値が「0」の場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS1411にて大入賞口32aを閉鎖すべく可変入賞駆動部32cを非駆動状態とする。
続くステップS1412では第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1ディクリメントし、ステップS1413にて第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合にはステップS1414にて高頻度入賞モードであるか否かを判定する。
高頻度入賞モードである場合には、第1タイマエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットし、低頻度入賞モードである場合には、第1タイマエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。つまり、低頻度入賞モードでは、ラウンド間において大入賞口32aが閉鎖されている時間が高頻度入賞モードよりも短く設定されている。その後、ステップS1417にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。この閉鎖コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置82では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS1413にて、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には、ステップS1418にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM203に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が短くなるように設定されている。例えば、高頻度入賞モードでは、待機時間が1secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されており、低頻度入賞モードでは、待機時間が0.2secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されている。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図13)が実行される度に1ディクリメントされる。
その後、ステップS1419にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。このエンディングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置82では、受信したエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
遊技状態移行処理(図26)の説明に戻り、ステップS1312にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS1313にて第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS1314にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1315にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について、図29のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS1601にて、RAM204に、15R確変フラグ又は明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、ステップS1602にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。続くステップS1603にて、高確率モードフラグを格納するとともに、ステップS1604にて高頻度サポートフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態(以下、当該遊技状態を特別有利状態ともいう)に移行する。
続くステップS1605では、遊技状態が特別有利状態に移行したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報である特別有利開始コマンド(特別有利状態開始情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。なお、当該特別有利開始コマンドは、ROM203のコマンド情報記憶エリア225に記憶されている。その後、本移行処理を終了する。
ステップS1605にて設定された特別有利開始コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した特別有利開始コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにおける表示を、特別有利遊技状態に対応したものとするための処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
ステップS1601にて、15R確変フラグ及び明示2R確変フラグの両方が格納されていないと判定した場合には、ステップS1606にて非明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。非明示2R確変フラグが格納されている場合には、ステップS1607にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS1608にて、高確率モードフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態に移行する。
続くステップS1609では、遊技状態が特別有利状態でないことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報である特別有利終了コマンド(特別有利状態終了情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。なお、当該特別有利終了コマンドは、ROM203のコマンド情報記憶エリア225に記憶されている。その後、本移行処理を終了する。
ステップS1609にて設定された特別有利終了コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した特別有利終了コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにおける表示を、特別有利遊技状態以外の遊技状態に対応したものとするための処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
ステップS1606にて非明示2R確変フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS1610にて通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。通常大当たりフラグが格納されている場合には、ステップS1611にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS1612にて、高頻度サポートフラグを格納するとともに、ステップS1613にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
続くステップS1614では、遊技状態が特別有利状態でないことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報である特別有利終了コマンド(特別有利状態終了情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。なお、当該特別有利終了コマンドは、ROM203のコマンド情報記憶エリア225に記憶されている。その後、本移行処理を終了する。
ステップS1614にて設定された特別有利終了コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した特別有利終了コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにおける表示を、特別有利遊技状態以外の遊技状態に対応したものとするための処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
ステップS1610にて通常大当たりフラグが格納されていないと判定した場合には、そのまま本移行処理を終了する。つまり、特別外れ結果となり、開閉実行モードに移行した場合には、その特別外れ結果となった遊技回の遊技状態が開閉実行モードの終了後において維持される。
遊技状態移行処理(図26)の説明に戻り、ステップS1315の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS1316にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSが消灯されるように当該ラウンド表示部RSの表示制御を終了する。つまり、ラウンド表示部RSにおけるラウンド表示は、開閉実行モードが開始される場合に開始され、開閉実行モードが終了される場合に終了される。この場合に、開閉実行モードが低頻度入賞モードである場合には高頻度入賞モードに比べ、大入賞口32aの開閉回数が少なく且つ大入賞口32aの開放時間及び閉鎖時間が短く設定されている。したがって、ラウンド表示部RSにラウンド回数の内容が表示されている期間は、高頻度入賞モードよりも短い。さらに言うと、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSに停止表示される結果表示は、遊技回が終了する場合に開始され、次の遊技回が開始されるまで継続される。したがって、開閉実行モードに移行する場合には、上記結果表示は、ラウンド表示部RSにラウンド回数の内容が表示される前から表示が開始され、当該ラウンド回数の内容の表示が終了された後まで継続される。つまり、結果表示は、ラウンド回数の内容の表示よりも長期間に亘って維持される。
その後、ステップS1317にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ、特別外れフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
<電役サポート用処理>
次に、ステップS506の電役サポート用処理を図30及び図31のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1701にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、下作動口34の電動役物34aを開放状態とする場合に格納され、閉鎖状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS1702に進み、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選において開放状態当選となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS1703に進み、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1704にて、役物用表示部44における絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS1705にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で役物用表示部44における絵柄の変動表示が終了される。
第2タイマエリアT2の値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS1706にて、役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS1707にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1708にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1709にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。なお、第2役物タイマエリアT2はタイマ割込み処理が起動される度に1ディクリメントされる。
続くステップS1710では、ステップS1709の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS1711の処理を実行することなくステップS1712に進み、サポート当選である場合には、ステップS1711にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットした後に、ステップS1712に進む。
ステップS1712では、当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS1712にて否定判定をした場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。ステップS1712にて肯定判定をした場合には、ステップS1713にて遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1ディクリメントされる。遊技回数カウンタエリアが「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。遊技回数カウンタエリアが「0」である場合には、ステップS1714にて高頻度サポートフラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1715にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。
続くステップS1716では、ステップS1715の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1717にてサポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート当選フラグが格納されている場合には、ステップS1702にて肯定判定をし、ステップS1718に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、役物用表示部44における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1719にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で役物用表示部44における絵柄の変動表示が終了される。続くステップS1720では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート中フラグが格納されている場合には、ステップS1721に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。電役開閉制御処理について、図31のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1801にて電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かで判定する。電動役物34aが開放されている場合にはステップS1802に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。
第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合にはステップS1803に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。
その後、ステップS1804では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1ディクリメントした後に、ステップS1805にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」か否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了し、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」である場合には、サポート中フラグを消去した後に、本電役開閉処理を終了する。
一方、電動役物34aが開放中である場合にはステップS1801にて肯定判定をし、ステップS1807に進む。ステップS1807では、第2タイマエリアT2が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2が「0」である場合には、ステップS1808にて、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。
その後、ステップS1809にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1810にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1811にて第2タイマエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1812にて第2タイマエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。
<音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について>
次に、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図32のブロック図を参照して以下に説明する。
音声ランプ制御装置82に設けられた音声ランプ制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、既に説明した、作動入賞コマンド、シフト時コマンド、特別有利開始コマンド、特別有利終了コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。
ROM243には、主制御装置81から受信した作動入賞コマンドに含まれた情報が保留報知に対応した情報であるか否かを判定する上で参照される保留報知用テーブル記憶エリア245と、表示制御装置212に出力するための各種コマンドが記憶されたコマンド情報記憶エリア246と、各遊技回における演出の内容を決定する上で参照される演出内容テーブル記憶エリア247とが設定されている。また、RAM244には、主制御装置81から受信したコマンドを一旦記憶しておくためのコマンド格納エリア248と、各保留ランプ部45〜47の発光制御を行う上で用いられる保留カウンタエリア249と、各種制御処理を実行する上で用いられるその他フラグ格納エリア250とが設定されている。なお、コマンド格納エリア248は、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化されたMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)254と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。
MPU252は、音声ランプ制御装置82から、保留表示制御を行うための保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)、図柄の変動表示を行うための遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)、開閉実行モード中の動画表示を行うための開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)などを受信する。そして、それら受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。プログラムROM253には、保留表示において所定の報知を実行するか否かを抽選する上で参照される報知発生抽選用テーブル記憶エリア261と、上記所定の報知の実行に際して報知内容を特定報知内容とするか否かを抽選する上で参照される個別報知抽選用テーブル記憶エリア262とが設定されている。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。ワークRAM254には、音声ランプ制御装置82から受信したコマンドを一旦記憶しておくためのコマンド格納エリア263と、MPU252において上作動口33の保留個数及び下作動口34の保留個数をカウントするための保留カウンタエリア264と、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ga及び第2保留表示領域Gb(図8(b)参照)の各単位保留表示領域Ga1〜Ga4,Gb1〜Gb4に表示させる画像をVDP255に指示するための情報を記憶するための保留表示情報設定用エリア265と、上記所定の報知を実行するか否かを抽選する上での抽選用取得情報を生成するための報知発生抽選用カウンタエリア266と、上記所定の報知の実行に際して報知内容を特定報知内容とするか否かを抽選する上での抽選用取得情報を生成するための個別報知抽選用カウンタエリア267と、各種制御処理を実行する上で用いられるその他フラグ格納エリア268とが設定されている。なお、コマンド格納エリア263は、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。キャラクタROM256には、上記データの一部として、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ga及び第2保留表示領域Gbに表示させるための画像データが格納された保留用画像データ記憶エリア269が設定されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。ビデオRAM257には、第1保留表示領域Gaに対応した第1保留表示用エリア271と、第2保留表示領域Gbに対応した第2保留表示用エリア281とが設定されている。
第1保留表示用エリア271には、第1保留表示領域Gaにおける第1〜第4単位保留表示領域Ga1〜Ga4と1対1で対応するように、第1単位エリア272、第2単位エリア273、第3単位エリア274、第4単位エリア275が設定されている。第1保留表示領域Gaの各単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、各単位エリア272〜275に書き込まれたデータに応じた画像が表示される。なお、データが設定されていない単位エリア272〜275に対応した単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、何ら画像が表示されない又は図柄表示装置41の表示画面における背景画像が表示される。
第2保留表示用エリア281には、第2保留表示領域Gbにおける第1〜第4単位保留表示領域Gb1〜Gb4と1対1で対応するように、第1単位エリア282、第2単位エリア283、第3単位エリア284、第4単位エリア285が設定されている。第1保留表示領域Gbの各単位保留表示領域Gb1〜Gb4では、各単位エリア282〜285に書き込まれたデータに応じた画像が表示される。なお、データが設定されていない単位エリア282〜285に対応した単位保留表示領域Gb1〜Gb4では、何ら画像が表示されない又は図柄表示装置41の表示画面における背景画像が表示される。
<音声ランプ制御装置82にて実行されるコマンド対応処理について>
次に、音声ランプ制御装置82のMPU242にて実行されるコマンド対応処理を、図33のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、主制御装置81から受信したコマンドは、コマンドを受信した際に起動されるコマンド格納処理によりRAM244のコマンド格納エリア248に格納される。コマンド対応処理はMPU242において定期的に(例えば、2msec周期で)起動され、コマンド格納エリア248に格納されているコマンドに対応した各種制御を実行するための処理である。
コマンド対応処理では、先ずステップS1901にて、コマンド格納エリア248に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドが作動入賞コマンドであるか否かを判定し、作動入賞コマンドである場合にはステップS1902にて、その格納されている作動入賞コマンドに対応した処理を実行するための第1対応処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
ここで、第1対応処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。
第1対応処理では、先ずステップS2001にて、今回受信した作動入賞コマンドに上作動口33への遊技球の入賞に対応した情報が含まれているか否かを判定する。つまり、今回受信した作動入賞コマンドが、上作動口33への遊技球の入賞を契機として主制御装置81から送信されたコマンドであるか否かを判定する。上作動口33への遊技球の入賞を契機として送信されたコマンドである場合には、ステップS2002〜ステップS2010の第1保留増加時用処理を実行する。一方、下作動口34への遊技球の入賞を契機として送信されたコマンドである場合には、ステップS2011〜ステップS2012の第2保留増加時用処理を実行する。
第1保留増加時用処理では、先ずステップS2002にて、RAM244の保留カウンタエリア249に保留記憶されている音声側第1保留記憶数IaN1を1インクリメントする。当該音声側第1保留記憶数IaN1は第1保留ランプ部45に対応しており、音声側第1保留記憶数IaN1に応じて第1保留ランプ部45が点灯制御される。第1保留ランプ部45は、左側から順次点灯されるようになっており、例えば音声側第1保留記憶数IaN1が1であれば左端の第1保留ランプ部45が点灯され、音声側第1保留記憶数IaN1が4であれば右端までの第1保留ランプ部45が点灯されるようになっている。
続くステップS2003では、今回受信した作動入賞コマンドに含まれている情報に基づいて、当該作動入賞コマンドに係る主制御装置81における保留情報が報知対象の大当たり結果に対応したものであるか否か及びその報知対象の大当たり結果の種別を特定するための保留報知用の特定処理を実行する。つまり、先ず作動入賞コマンドに含まれている大当たり乱数カウンタC1の値の情報と、大当たり種別カウンタC2の値の情報とを把握する。その後、ROM243の保留報知用テーブル記憶エリア245を参照して、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値の情報及び大当たり種別カウンタC2の値の情報が、報知対象の大当たり結果に対応しているか否かを特定するとともに、対応している場合にはその報知対象の大当たり結果の種別を特定する。そして、その特定結果を、MPU242のレジスタに一時記憶させる。
この点、MPU242は、保留報知特定用情報を把握するための把握処理実行機能と、その把握した保留報知特定用情報が報知対象の大当たり結果に対応した情報と一致しているか否かを特定するための大当たり結果対応特定機能と、報知対象の大当たり結果に対応していると特定した場合に報知対象の大当たり結果の種別を特定するための種別特定機能と、その報知対象の大当たり結果の種別を記憶するための種別記憶機能とを備えている。
ステップS2003の具体的な処理内容について、概略を説明する。上記のとおり、大当たり結果対応特定及び種別特定を行う上では、ROM243の保留報知用テーブル記憶エリア245が参照される。ここで、保留報知用テーブル記憶エリア245について、図35を用いて説明する。
保留報知用テーブル記憶エリア245は、図35(a)に示す第1テーブルと、図35(b)に示す第2テーブルとを備えている。第1テーブルでは、大当たり乱数カウンタC1の値と、第1特定結果とが対応付けられている。そして、大当たり乱数カウンタC1の値が、主制御装置81における当否抽選において低確率モード及び高確率モードのいずれにおいても大当たり当選となる値である場合には、第1特定結果が共通大当たり結果となるように設定されており、大当たり乱数カウンタC1の値が、主制御装置81における当否抽選において高確率モードにおいてのみ当選となる値である場合には、第1特定結果が確変時専用大当たり結果(すなわち、高確率時専用大当たり結果)となるように設定されており、大当たり乱数カウンタC1の値が上記以外の値である場合には、第1特定結果が報知対象外結果となるように設定されている。
また、第2テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の値と、第2特定結果とが対応付けられている。そして、大当たり種別カウンタC2の値が、主制御装置81における第1結果表示部用の振分テーブル(上作動口33に対応した振分テーブル)において通常大当たり結果となる値である場合には、第2特定結果が通常大当たり結果となるように設定されており、大当たり種別カウンタC2の値が、主制御装置81における第1結果表示部用の振分テーブル(上作動口33に対応した振分テーブル)において15R確変大当たり結果となる値である場合には、第2特定結果が15R確変大当たり結果となるように設定されており、大当たり種別カウンタC2の値が上記以外の値である場合には、第2特定結果が報知対象外結果となるように設定されている。
つまり、報知対象の大当たり結果としては、通常大当たり結果と15R確変大当たり結果とが設定されているとともに、報知対象の大当たり結果の種別としては、通常大当たり結果、通常大当たり結果の場合の共通大当たり結果、通常大当たり結果の場合の確変時専用大当たり結果、15R確変大当たり結果、15R確変大当たり結果の場合の共通大当たり結果、15R確変大当たり結果の場合の確変時専用大当たり結果を設定し得る。但し、本パチンコ機10では、上記のうち、通常大当たり結果、15R確変大当たり結果、15R確変大当たり結果の場合の共通大当たり結果、及び15R確変大当たり結果の場合の確変時専用大当たり結果の4種類が報知対象の大当たり結果として設定されている。
ステップS2003では、上記第1テーブルを参照して、今回受信した作動入賞コマンドに含まれている情報のうち、大当たり乱数カウンタC1の値の情報がいずれの第1特定結果に対応しているかを特定するとともに、上記第2テーブルを参照して、今回受信した作動入賞コマンドに含まれている情報のうち、大当たり種別カウンタC2の値の情報がいずれの第2特定結果に対応しているかを特定する。そして、各々特定した第1特定結果の情報及び第2特定結果の情報をMPU242のレジスタに記憶する。なお、特定した情報がその後の処理において参照できるのであれば、当該情報をMPU242のレジスタに記憶するか否かは任意であり、例えばRAM244に記憶するようにしてもよい。
ここで、保留報知用の特定処理について、図36のフローチャートを参照してより詳細に説明する。
保留報知用の特定処理では、先ずステップS2101にて、今回の作動入賞コマンドに含まれている大当たり乱数カウンタC1の値の情報を把握する。続くステップS2102では、ROM243の保留報知用テーブル記憶エリア245に記憶されている保留報知用テーブルのうち第1テーブルを参照して、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、報知対象の大当たり結果として設定されている共通大当たり結果又は確変時専用大当たり結果のいずれかに対応しているか否かを特定する。
続くステップS2103では、ステップS2102にて第1テーブルを参照した結果が、共通大当たり結果であるか否かを判定する。共通大当たり結果である場合には、ステップS2104にて、MPU242のレジスタに共通大当たり情報を一時記憶させる。その後、ステップS2107に進む。
また、共通大当たり結果でない場合には、ステップS2105に進み、ステップS2102にて第1テーブルを参照した結果が、確変時専用大当たり結果であるか否かを判定する。確変時専用大当たり結果でない場合には、そのまま本特定処理を終了する。確変時専用大当たり結果である場合には、ステップS2106にて、MPU242のレジスタに確変時専用大当たり情報を一時記憶させる。その後、ステップS2107に進む。
ステップS2107では、今回の作動入賞コマンドに含まれている大当たり種別カウンタC2の値の情報を把握する。続くステップS2108では、ROM243の保留報知用テーブル記憶エリア245に記憶されている保留報知用テーブルのうち第2テーブルを参照して、今回把握した大当たり種別カウンタC2の値の情報が、報知対象の大当たり結果として設定されている通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果のいずれかに対応しているか否かを判定する。
続くステップS2109では、ステップS2108にて第2テーブルを参照した結果が、通常大当たり結果であるか否かを判定する。通常大当たり結果である場合には、ステップS2110にて、MPU242のレジスタに通常大当たり情報を一時記憶させる。その後、本特定処理を終了する。
また、通常大当たり結果でない場合には、ステップS2111に進み、ステップS2108にて第2テーブルを参照した結果が、15R確変大当たり結果であるか否かを判定する。15R確変大当たり結果でない場合には、そのまま本特定処理を終了する。15R確変大当たり結果である場合には、ステップS2112にて、MPU242のレジスタに15R確変大当たり情報を一時記憶させる。その後、本特定処理を終了する。
第1対応処理(図34)の説明に戻り、ステップS2003にて保留報知用の特定処理を実行した後は、ステップS2004以降の処理を実行する。この場合、ステップS2004では、MPU242のレジスタに記憶されている第1特定結果の情報及び第2特定結果の情報に基づいて、報知対象の大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、共通大当たり情報又は確変時専用大当たり情報のいずれかが記憶されているか否かを判定するとともに、いずれかの情報が記憶されている場合には通常大当たり情報又は15R確変大当たり情報のいずれかが記憶されているか否かを判定する。また、ステップS2005では、MPU242のレジスタに記憶されている第2特定結果の情報に基づいて、15R確変大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、15R確変大当たり情報が記憶されているか否かを判定する。また、ステップS2006では、MPU242のレジスタに記憶されている第1特定結果の情報に基づいて、確変時専用大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、通常大当たり情報又は15R確変大当たり情報のいずれかが記憶されているか否かを判定するとともに、いずれかの情報が記憶されている場合には確変時専用大当たり情報が記憶されているか否かを判定する。
その結果、15R確変大当たり結果であって、確変時専用大当たり結果である場合には、ステップS2004〜ステップS2006の全てにおいて肯定判定をし、ステップS2007に進む。ステップS2007では、ROM243のコマンド情報記憶エリア246に記憶されている各種コマンドの中から第1保留増加コマンドを選定し、当該第1保留増加コマンドを表示制御装置212に送信する。その後、本第1対応処理を終了する。
また、15R確変大当たり結果であって、確変時専用大当たり結果でない場合には、ステップS2004及びステップS2005において肯定判定をするとともに、ステップS2006において否定判定をし、ステップS2008に進む。ステップS2008では、ROM243のコマンド情報記憶エリア246に記憶されている各種コマンドの中から第2保留増加コマンドを選定し、当該第2保留増加コマンドを表示制御装置212に送信する。その後、本第1対応処理を終了する。
また、通常大当たり結果である場合には、ステップS2004において肯定判定をするとともに、ステップS2005において否定判定をし、ステップS2009に進む。ステップS2009では、ROM243のコマンド情報記憶エリア246に記憶されている各種コマンドの中から第3保留増加コマンドを選定し、当該第3保留増加コマンドを表示制御装置212に送信する。その後、本第1対応処理を終了する。
また、報知対象外結果である場合には、ステップS2004において否定判定をし、ステップS2010に進む。ステップS2010では、ROM243のコマンド情報記憶エリア246に記憶されている各種コマンドの中から第4保留増加コマンドを選定し、当該第4保留増加コマンドを表示制御装置212に送信する。その後、本第1対応処理を終了する。
また、第2保留増加時用処理では、先ずステップS2011にて、RAM244の保留カウンタエリア249に保留記憶されている音声側第2保留記憶数IbN1を1インクリメントする。当該音声側第2保留記憶数IbN1は第2保留ランプ部46に対応しており、音声側第2保留記憶数IbN1に応じて第2保留ランプ部46が点灯制御される。第2保留ランプ部46は、左側から順次点灯されるようになっており、例えば音声側第2保留記憶数IbN1が1であれば左端の第2保留ランプ部46が点灯され、音声側第2保留記憶数IbN1が4であれば右端までの第2保留ランプ部46が点灯されるようになっている。
続くステップS2012では、ROM243のコマンド情報記憶エリア246に記憶されている各種コマンドの中から下側保留増加コマンドを選定し、当該下側保留増加コマンドを表示制御装置212に送信する。その後、本第1対応処理を終了する。
コマンド対応処理(図33)の説明に戻り、コマンド格納エリア248に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドが作動入賞コマンドでない場合には、ステップS1901にて否定判定をし、ステップS1903に進む。ステップS1903では、今回の読み出し対象のコマンドがシフト時コマンドであるか否かを判定し、シフト時コマンドである場合にはステップS1904にて、その格納されているシフト時コマンドに対応した処理を実行するための第2対応処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
ここで、第2対応処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。
第2対応処理では、先ずステップS2201にて、今回受信したシフト時コマンドに上作動口33に対応していることの情報が含まれているか否かを判定する。つまり、今回受信したシフト時コマンドが、主制御装置81において上作動口33に対応した第1結果表示部用保留エリアRaに対するデータのシフトを契機として送信されたコマンドであるか否かを判定する。上作動口33に対応した第1結果表示部用保留エリアRaに対するデータのシフトを契機として送信されたコマンドである場合には、ステップS2202〜ステップS2203の第1保留減少時用処理を実行する。一方、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに対するデータのシフトを契機として送信されたコマンドである場合には、ステップS2204〜ステップS2205の第2保留減少用処理を実行する。
第1保留減少用処理では、先ずステップS2202にて、RAM244の保留カウンタエリア249に保留記憶されている音声側第1保留記憶数IaN1を1ディクリメントする。この場合、音声側第1保留記憶数IaN1に応じて第1保留ランプ部45が消灯制御される。この消灯制御では、上記点灯制御とは逆に、第1保留ランプ部45が右側から順に消灯されるようになっている。
続くステップS2203では、ROM243のコマンド情報記憶エリア246に記憶されている各種コマンドの中から上側保留減少コマンドを選定し、当該上側保留減少コマンドを表示制御装置212に送信する。その後、本第2対応処理を終了する。
第2保留減少用処理では、先ずステップS2204にて、RAM244の保留カウンタエリア249に保留記憶されている音声側第2保留記憶数IbN1を1ディクリメントする。この場合、音声側第2保留記憶数IbN1に応じて第2保留ランプ部46が消灯制御される。この消灯制御では、上記点灯制御とは逆に、第2保留ランプ部46が右側から順に消灯されるようになっている。
続くステップS2205では、ROM243のコマンド情報記憶エリア246に記憶されている各種コマンドの中から下側保留減少コマンドを選定し、当該下側保留減少コマンドを表示制御装置212に送信する。その後、本第2対応処理を終了する。
コマンド対応処理(図33)の説明に戻り、コマンド格納エリア248に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドがシフト時コマンドでない場合には、ステップS1903にて否定判定をし、ステップS1905に進む。ステップS1905では、今回の読み出し対象のコマンドが特別有利開始コマンド又は特別有利終了コマンドのいずれかであるか否かを判定し、特別有利開始コマンド又は特別終了コマンドである場合にはステップS1906にて、その格納されているコマンドに対応した処理を実行するための第3対応処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
第3対応処理では、特別有利開始コマンドを受信している場合には、遊技状態が特別有利遊技状態であることをMPU242において特定し、特別有利終了コマンドを受信している場合には、遊技状態が特別有利遊技状態でないことをMPU242において特定する。また、特別有利開始コマンドを受信している場合には、そのままの情報形態を維持したコマンド、すなわち特別有利開始コマンドを表示制御装置212に送信する。また、特別有利終了コマンドを受信している場合には、そのままの情報形態を維持したコマンド、すなわち特別有利終了コマンドを表示制御装置212に送信する。
コマンド対応処理(図33)の説明に戻り、コマンド格納エリア248に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドが特別有利系コマンドでない場合には、ステップS1905にて否定判定をし、ステップS1907に進む。ステップS1907では、今回の読み出し対象のコマンドが他に存在しているか否かを判定する。読み出し対象のコマンドが存在していない場合には、そのまま本コマンド対応処理を終了する。読み出し対象のコマンドが存在している場合には、ステップS1908にて、その格納されているコマンドに対応した処理を実行するための第4対応処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
ここで、第4対応処理について、図38のフローチャートを参照しながら説明する。
第4対応処理では、先ず、ステップS2301にて、変動開始コマンド及び種別コマンドを主制御装置81から受信したか否かを判定する。変動開始コマンド及び種別コマンドを受信している場合には、ステップS2302にて、受信した種別コマンドに非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果のいずれかが発生する旨の情報が含まれているか否かを判定する。非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果のいずれかが発生する場合には、ステップS2303にて、ROM243の演出内容テーブル記憶エリア247に記憶されている共通演出内容テーブルを参照して、変動開始コマンドに含まれている変動表示時間の情報などに対応した演出内容を決定し、ステップS2304にてその演出内容を設定する。その後、本第4対応処理を終了する。
この場合に、演出内容には、表示ランプ部63の発光態様及びスピーカ部64の出力態様が含まれるとともに、図柄表示装置41での図柄の変動態様が含まれている。図柄の変動態様としては、図柄の変動表示時間、リーチ表示の発生の有無、リーチ表示の開始タイミング、リーチ演出の種類、最終停止図柄の組み合わせの情報などが含まれる。ステップS2304にて設定された演出内容に応じて各遊技回の演出が実行される。このうち、図柄表示装置41での図柄の変動態様は、表示内容コマンドとして表示制御装置212に送信される。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
ここで、上記のとおり特別外れ結果となる場合及び非明示2R確変大当たり結果となる場合で、共通演出内容テーブルを参照することで、両遊技結果となる場合における図柄表示装置41での図柄の変動表示態様を共通化させることが可能となる。具体的には、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間、リーチ演出の態様、最終的に停止表示される図柄の組み合わせ等を共通化させることが可能となる。ちなみに、本パチンコ機10では、特別外れ結果となる場合及び非明示2R確変大当たり結果となる場合には、同一の番号が付された図柄の組み合わせが停止表示されるのではなく、異なる番号が付された図柄の組み合わせが停止表示される。この場合に、その図柄の組み合わせは、通常外れ結果となる場合においても停止表示され得る図柄の組み合わせとなっている。但し、これに限定されることはなく、通常外れ結果となる場合においては停止表示されない、共通表示用の図柄の組み合わせとしてもよい。
上記のように図柄の変動表示態様を共通化させることで、通常遊技状態下で非明示2R確変大当たり結果となる場合及び特別外れ結果となる場合は、可変入賞装置32の挙動及び下作動口34の電動役物34aの挙動といった各可動物の挙動が共通化するだけでなく、演出用の表示における挙動も共通化することとなる。これにより、通常遊技状態下において低頻度入賞モードである開閉実行モードが発生した場合には、その後に当否抽選モードが高確率モードに移行しているか否かを遊技者に想像させることが可能となる。
なお、既に説明したとおり、15R確変大当たり結果となる場合には、同一の奇数の番号が付された図柄の組み合わせが停止表示され、通常大当たり結果となる場合には、同一の偶数の番号が付された図柄の組み合わせが停止表示される。但し、前者において、一旦、同一の偶数の番号が付された図柄の組み合わせを停止表示した後に、その遊技回において又はその後の開閉実行モード中において同一の奇数の番号が付された図柄の組み合わせに停止表示の内容を切り換える演出が発生し得る構成としてもよい。さらにまた、明示2R確変大当たり結果となる場合には、特別外れ結果となる場合及び非明示2R確変大当たり結果となる場合とは異なる態様で、異なる番号が付された図柄の組み合わせが停止表示される。
一方、今回の遊技回の遊技結果が非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果のいずれでもない場合には、ステップS2302にて否定判定をし、ステップS2305に進む。ステップS2305では、ROM243の演出内容テーブル記憶エリア247に記憶されているその他の演出内容テーブルを参照して、変動開始コマンドに含まれている変動表示時間の情報などに対応した演出内容を決定し、ステップS2306にてその演出内容を設定する。その後、本第4対応処理を終了する。
なお、上記その他の演出内容テーブルは、各遊技結果毎に異なるものとしてもよく、一部又は全部が共通しているものとしてもよい。また、下作動口34に設けられた電動役物34aのサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かにより、参照する演出内容テーブルを変更してもよい。この場合、通常遊技状態下で、非明示2R確変大当たり結果となった場合及び特別外れ結果となった場合で、その後の遊技回における図柄表示装置41での図柄の変動表示態様を共通化させることが可能となる。また、当否抽選モードが高確率モードであるか否かにより、参照する演出内容テーブルを変更してもよい。この場合、例えば、低確率モードと高確率モードとで、選択され易いリーチ表示の内容を異ならせることで、通常遊技状態下で、非明示2R確変大当たり結果となった場合及び特別外れ結果となった場合で、その後の遊技回における図柄表示装置41での図柄の変動表示態様を若干異ならせることが可能となり、図柄表示装置41にて発生するリーチ表示の内容から高確率モードであるか否かを遊技者に予測させることが可能となる。但し、この場合であっても、非明示2R確変大当たり結果となった場合及び特別外れ結果となった場合で変動表示時間を同一としてもよい。
変動開始コマンド及び種別コマンドを受信していない場合には、ステップS2307にてオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。オープニングコマンドを受信している場合には、ステップS2308にてオープニング演出を設定した後に、本第4対応処理を終了する。当該オープニング演出の設定に際しては、高頻度入賞モードである場合と低頻度入賞モードである場合とで設定される演出内容が異なっている。
具体的には、高頻度入賞モードである場合には、開閉実行モードのオープニング用の演出内容を設定する。この場合、図柄表示装置41の表示内容としてはオープニング動画の設定が行われる。また、低頻度入賞モードである場合には、低頻度入賞モードにおける開閉実行モード用の演出内容を設定する。この場合、図柄表示装置41の表示内容としては、開閉実行モードの開始から終了に至るまでの一連の動画の設定が行われる。なお、当該動画の設定は、少なくとも非明示2R確変大当たり結果の場合と特別外れ結果の場合とで共通していればよく、明示2R確変大当たり結果の場合には、異なる動画の設定が行われてもよい。
オープニングコマンドを受信していない場合には、ステップS2309にてエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドを受信している場合には、ステップS2310にてエンディング演出を設定した後に、本第4対応処理を終了する。当該エンディング演出の設定は、高頻度入賞モードである場合のみ行われる。この場合、図柄表示装置41の表示内容としてはエンディング動画の設定が行われる。
エンディングコマンドを受信していない場合には、ステップS2311にてその他の設定処理を実行した後に本第4対応処理を終了する。その他の設定処理では、例えば、高頻度入賞モードであることを条件として、開放コマンドに対応した演出内容の設定及び閉鎖コマンドに対応した演出内容の設定を行う。また、変動終了コマンドを受信している場合には、図柄表示装置41において既に停止表示されている停止結果が確定表示されるように、表示制御装置212に対してコマンドを送信する。
<表示制御装置212にて実行される保留報知制御処理について>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される保留報知制御処理を、図39のフローチャートを参照しながら説明する。保留報知制御処理は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうちの一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。そして、当該保留報知制御処理では、コマンド格納エリア263に格納されているコマンドのうち保留表示制御用コマンドに対応した処理を実行する。なお、音声ランプ制御装置82から受信したコマンドは、コマンドを受信した際に起動されるコマンド格納処理によりワークRAM254のコマンド格納エリア263に格納される。
保留報知制御処理では、先ずステップS2401にて、コマンド格納エリア263に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドが保留増加コマンドであるか否かを判定し、保留増加コマンドである場合にはステップS2402〜ステップS2410にて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ga及び第2保留表示領域Gb(図8(b)参照)の各単位保留表示領域Ga1〜Ga4,Gb1〜Gb4に表示させる画像をVDP255に指示するための情報を設定する保留増加時用設定処理を実行する。
当該保留増加時用設定処理では、ワークRAM254の保留表示情報設定用エリア265に対する保留表示情報の設定を行う。ここで、当該保留表示情報設定用エリア265について、図40を用いて説明する。
図40に示すように、保留表示情報設定用エリア265は、第1保留表示領域Gaに対応した第1保留表示情報設定用エリア291と、第2保留表示領域Gbに対応した第2保留表示情報設定用エリア294とを備えている。
第1保留表示情報設定用エリア291に設定された保留表示情報は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうちの一部の処理である内部コマンド(内部指示情報)の出力処理においてVDP255に出力され、当該VDP255では当該内部コマンドに対応した画像データをキャラクタROM256の保留用画像データ記憶エリア269から選定し、ビデオRAM257の第1保留表示用エリア271に対して設定する。これにより、第1保留表示領域Gaの各単位保留表示領域Ga1〜Ga4において保留用画像が表示される。なお、内部コマンドの出力処理については、後に詳細に説明する。
第1保留表示情報設定用エリア291には、第1単位設定エリア〜第4単位設定エリアの組み合わせが2組設けられている。つまり、第1保留表示情報設定用エリア291は、保留報知許容用エリア292と、保留報知不可用エリア293とを備えており、それぞれに対して1組の第1単位設定エリア〜第4単位設定エリア292a〜292d,293a〜293dが設けられている。
ここで、上作動口33に対応した第1保留表示領域Gaにおける保留表示の状態として、本パチンコ機10では、主制御装置81に記憶されている保留情報が報知対象の大当たり結果に対応した情報である場合にそれを報知し得る保留報知許容状態と、上記報知が不可となる保留報知不可状態とが設定されている。
保留報知許容用エリア292には、上記保留報知許容状態においてビデオRAM257の第1保留表示用エリア271に設定する画像データを特定するための保留表示情報が設定される。そして、保留報知許容状態では、後述する内部コマンドの出力処理において保留報知許容用エリア292に設定されている保留表示情報がVDP255に出力される。そして、第1単位設定エリア292aに設定された保留表示情報に対応した画像データが第1単位エリア272に設定され、第2単位設定エリア292bに設定された保留表示情報に対応した画像データが第2単位エリア273に設定され、第3単位設定エリア292cに設定された保留表示情報に対応した画像データが第3単位エリア274に設定され、第4単位設定エリア292dに設定された保留表示情報に対応した画像データが第4単位エリア275に設定される。
保留報知不可用エリア293には、上記保留報知不可状態においてビデオRAM257の第1保留表示用エリア271に設定する画像データを特定するための保留表示情報が設定される。そして、保留報知不可状態では、後述する内部コマンドの出力処理において保留報知不可用エリア293に設定されている保留表示情報がVDP255に出力される。そして、第1単位設定エリア293aに設定された保留表示情報に対応した画像データが第1単位エリア272に設定され、第2単位設定エリア293bに設定された保留表示情報に対応した画像データが第2単位エリア273に設定され、第3単位設定エリア293cに設定された保留表示情報に対応した画像データが第3単位エリア274に設定され、第4単位設定エリア293dに設定された保留表示情報に対応した画像データが第4単位エリア275に設定される。
また、第2保留表示情報設定用エリア294に設定された保留表示情報は、後述する内部コマンドの出力処理においてVDP255に出力され、当該VDP255では当該内部コマンドに対応した画像データをキャラクタROM256の保留用画像データ記憶エリア269から選定し、ビデオRAM257の第2保留表示用エリア281に対して設定する。これにより、第2保留表示領域Gbの各単位保留表示領域Gb1〜Gb4において保留用画像が表示される。
第2保留表示情報設定用エリア294には、ビデオRAM257の第2保留表示用エリア281における第1単位エリア282〜第4単位エリア285に1対1で対応するように1組の第1単位設定エリア294a〜第4単位設定エリア294dが設けられている。この場合、第1単位設定エリア294aに設定された保留表示情報に対応した画像データが第1単位エリア282に設定され、第2単位設定エリア294bに設定された保留表示情報に対応した画像データが第2単位エリア283に設定され、第3単位設定エリア294cに設定された保留表示情報に対応した画像データが第3単位エリア284に設定され、第4単位設定エリア294dに設定された保留表示情報に対応した画像データが第4単位エリア285に設定される。
さて、保留増加時用設定処理では、先ずステップS2402にて、今回受信した保留増加コマンドに上作動口33への遊技球の入賞に対応した情報が含まれているか否かを判定する。具体的には、今回受信した保留増加コマンドが、第1保留増加コマンド、第2保留増加コマンド、第3保留増加コマンド、第4保留増加コマンドのいずれかであるか否かを判定する。第1〜第4保留増加コマンドのいずれかである場合には、ステップS2402にて肯定判定をし、ステップS2403に進む。
ステップS2403では、ワークRAM254の保留カウンタエリア264に保留記憶されている表示側第1保留記憶数IaN2を1インクリメントする。当該表示側第1保留記憶数IaN2は、保留表示情報設定用エリア265の第1保留表示情報設定用エリア291に対応しており、保留増加コマンドの受信に対して保留表示情報の設定を行う場合には、第1保留表示情報設定用エリア291における表示側第1保留記憶数IaN2に対応した単位設定エリア292a〜292d,293a〜293dに対して保留表示情報の設定が行われる。
続くステップS2404では、報知不可用の保留表示情報設定処理を実行する。具体的には、第1保留表示情報設定用エリア291の保留報知不可用エリア293における第1単位設定エリア293a〜第4単位設定エリア293dのうち、上記ステップS2403にて1インクリメントした表示側第1保留記憶数IaN2に対応した単位設定エリア293a〜293dに対して通常保留表示情報の設定を行う。例えば、表示側第1保留記憶数IaN2が1であれば、第1単位設定エリア293aに対して通常保留表示情報の設定を行い、表示側第1保留記憶数IaN2が4であれば、第4単位設定エリア293dに対して通常保留表示情報の設定を行う。後述する内部コマンドの出力処理において、当該通常保留表示情報がVDP255に出力されることにより、通常保留画像データが対応する単位エリア272〜275に設定され、第1保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「●」の画像が表示される。
その後、ステップS2405〜ステップS2408では、報知許容用の保留表示情報設定処理を実行する。つまり、ステップS2405では、報知発生抽選処理を実行する。報知発生抽選処理では、先ず、ワークRAM254の報知発生抽選用カウンタエリア266から報知発生抽選用のカウンタ値を読み出す。ここで、報知発生抽選用カウンタエリア266は「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、保留報知制御処理が起動される度に、すなわち約2msec周期で1インクリメントされる構成となっているとともに、最大値に達した後0に初期化される構成となっている。そして、報知発生抽選処理では、プログラムROM253の報知発生抽選用テーブル記憶エリア261に記憶されている報知発生抽選用テーブルを参照して、上記読み出した報知発生抽選用のカウンタ値が報知発生当選に対応しているか否かを判定する。報知発生当選となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、9/10の確率で報知発生当選となるように報知発生抽選用テーブルが設定されている。
続くステップS2406では、上記ステップS2405における抽選処理の結果が、報知発生当選か否かを判定する。報知発生当選である場合には、ステップS2407にて、当選時の保留表示情報設定処理を実行する。
当選時の保留表示情報設定処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、当選時の保留表示情報設定処理では、第1保留表示情報設定用エリア291の保留報知許容用エリア292における第1単位設定エリア292a〜第4単位設定エリア292dのうち、上記ステップS2403にて1インクリメントした表示側第1保留記憶数IaN2に対応した単位設定エリア292a〜292dに対して、今回受信した保留増加コマンドの種類に対応した保留表示情報の設定を行う。例えば、表示側第1保留記憶数IaN2が1であれば、第1単位設定エリア292aに対して保留表示情報の設定を行い、表示側第1保留記憶数IaN2が4であれば、第4単位設定エリア292dに対して保留表示情報の設定を行う。
さて、当選時の保留表示情報設定処理では、先ずステップS2501にて、今回受信している保留増加コマンドが第1保留増加コマンドか否かを判定する。第1保留増加コマンドである場合には、ステップS2502にて個別報知抽選処理を実行する。
個別報知抽選処理では、先ず、ワークRAM254の個別報知抽選用カウンタエリア267から個別報知抽選用のカウンタ値を読み出す。ここで、個別報知抽選用カウンタエリア267は「0〜199」のカウンタ値を格納可能に構成されており、保留報知制御処理が起動される度に、すなわち約2msec周期で1インクリメントされる構成となっているとともに、最大値に達した後0に初期化される構成となっている。そして、個別報知抽選処理では、プログラムROM253の個別報知抽選用テーブル記憶エリア262に記憶されている個別報知抽選用テーブルを参照して、上記読み出した個別報知抽選用のカウンタ値が個別報知当選に対応しているか否かを判定する。個別報知当選となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、1/2の確率で個別報知当選となるように個別報知抽選用テーブルが設定されている。
続くステップS2503では、上記ステップS2502における抽選処理の結果が、個別報知当選か否かを判定する。個別報知当選でない場合には、ステップS2504にて、上記ステップS2403において1インクリメントした表示側第1保留記憶数IaN2に対応した単位設定エリア292a〜292dに対して、第1報知情報を設定する。当該第1報知情報が、後述する内部コマンドの出力処理においてVDP255に出力されることにより、第1報知画像データが対応する単位エリア272〜275に設定され、第1保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「確」の画像が表示される。
一方、個別報知当選である場合には、ステップS2505にて、上記ステップS2403において1インクリメントした表示側第1保留記憶数IaN2に対応した単位設定エリア292a〜292dに対して、第2報知情報を設定する。当該第2報知情報が、後述する内部コマンドの出力処理においてVDP255に出力されることにより、第2報知画像データが対応する単位エリア272〜275に設定され、第1保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「確専用」の画像が表示される。
ここで、第1保留増加コマンドは、既に説明したように、上作動口33への遊技球の入賞に基づいて、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRaに新たに格納された保留情報が、15R確変大当たり結果であって、確変時専用大当たり結果である場合に、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信されるコマンドである。この場合に、個別報知抽選処理にて個別報知当選となる場合とは、上記保留情報が、15R確変大当たり結果であって、確変時専用大当たり結果であることを報知する場合である。一方、個別報知抽選処理にて個別報知当選とならない場合とは、上記保留情報が、15R確変大当たり結果であることのみを報知する場合である。そして、「確専用」の画像は前者の報知に対応しており、「確」の画像は後者の報知に対応している。
今回受信している保留増加コマンドが第1保留増加コマンドでない場合には、ステップS2501にて否定判定をし、ステップS2506にて、今回受信している保留増加コマンドが第2保留増加コマンドであるか否かを判定する。第2保留増加コマンドである場合には、ステップS2507にて個別報知抽選処理を実行する。当該個別報知抽選処理の内容は、上記ステップS2502と同様である。
続くステップS2508では、上記ステップS2507における抽選処理の結果が、個別報知当選か否かを判定する。個別報知当選でない場合には、ステップS2509にて、上記ステップS2403において1インクリメントした表示側第1保留記憶数IaN2に対応した単位設定エリア292a〜292dに対して、上記第1報知情報を設定する。
一方、個別報知当選である場合には、ステップS2510にて、上記ステップS2403において1インクリメントした表示側第1保留記憶数IaN2に対応した単位設定エリア292a〜292dに対して、第3報知情報を設定する。当該第3報知情報が、後述する内部コマンドの出力処理においてVDP255に出力されることにより、第3報知画像データが対応する単位エリア272〜275に設定され、第1保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「確共通」の画像が表示される。
ここで、第2保留増加コマンドは、既に説明したように、上作動口33への遊技球の入賞に基づいて、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRaに新たに格納された保留情報が、15R確変大当たり結果であって、確変時専用大当たり結果でない場合に、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信されるコマンドである。この場合に、個別報知抽選処理にて個別報知当選となる場合とは、上記保留情報が、15R確変大当たり結果であって、確変時専用大当たり結果でないことを報知する場合である。一方、個別報知抽選処理にて個別報知当選とならない場合とは、上記保留情報が、15R確変大当たり結果であることのみを報知する場合である。そして、「確共通」の画像は前者の報知に対応しており、「確」の画像は後者の報知に対応している。
今回受信している保留増加コマンドが第2保留増加コマンドでない場合には、ステップS2506にて否定判定をし、ステップS2511にて、今回受信している保留増加コマンドが第3保留増加コマンドであるか否かを判定する。第3保留増加コマンドである場合には、ステップS2512にて、上記ステップS2403において1インクリメントした表示側第1保留記憶数IaN2に対応した単位設定エリア292a〜292dに対して、第4報知情報を設定した後に、本当選時の保留表示情報設定処理を終了する。当該第4報知情報が、後述する内部コマンドの出力処理においてVDP255に出力されることにより、第4報知画像データが対応する単位エリア272〜275に設定され、第1保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「通」の画像が表示される。
ここで、第3保留増加コマンドは、既に説明したように、上作動口33への遊技球の入賞に基づいて、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRaに新たに格納された保留情報が、通常大当たり結果である場合に、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信されるコマンドである。したがって、第3保留増加コマンドを受信している場合とは、上記保留情報が、通常大当たり結果であることを報知する場合である。そして、「通」の画像はこの報知に対応している。
今回受信している保留増加コマンドが第3保留増加コマンドでない場合には、今回受信している保留増加コマンドが第4保留増加コマンドであることを意味する。したがって、ステップS2511にて否定判定をし、ステップS2513にて、上記ステップS2403において1インクリメントした表示側第1保留記憶数IaN2に対応した単位設定エリア292a〜292dに対して、通常保留表示情報を設定した後に、本当選時の保留表示情報設定処理を終了する。当該通常保留表示情報が、後述する内部コマンドの出力処理においてVDP255に出力されることにより、通常保留画像データが対応する単位エリア272〜275に設定され、第1保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「●」の画像が表示される。
保留報知制御処理(図39)の説明に戻り、上記ステップS2405における抽選処理の結果が、報知発生当選でない場合には、ステップS2408にて、外れ時の保留表示情報設定処理を実行する。当該外れ時の保留表示情報設定処理では、上記ステップS2403において1インクリメントした表示側第1保留記憶数IaN2に対応した単位設定エリア292a〜292dに対して、通常保留表示情報を設定した後に、本当選時の保留表示情報設定処理を終了する。当該通常保留表示情報が、後述する内部コマンドの出力処理においてVDP255に出力されることにより、通常保留画像データが対応する単位エリア272〜275に設定され、第1保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「●」の画像が表示される。
また、今回受信した保留増加コマンドに上作動口33への遊技球の入賞に対応した情報が含まれていない場合には、ステップS2402にて否定判定をし、ステップS2409に進む。
ステップS2409では、ワークRAM254の保留カウンタエリア264に保留記憶されている表示側第2保留記憶数IbN2を1インクリメントする。当該表示側第2保留記憶数IbN2は、保留表示情報設定用エリア265の第2保留表示情報設定用エリア294に対応しており、保留増加コマンドの受信に対して保留表示情報の設定を行う場合には、第2保留表示情報設定用エリア294における表示側第2保留記憶数IbN2に対応した単位設定エリア294a〜294dに対して保留表示情報の設定が行われる。
続くステップS2410では、下作動口用の保留表示情報設定処理を実行する。具体的には、第2保留表示情報設定用エリア294における第1単位設定エリア294a〜第4単位設定エリア294dのうち、上記ステップS2409にて1インクリメントした表示側第2保留記憶数IbN2に対応した単位設定エリア294a〜294dに対して通常保留表示情報の設定を行う。例えば、表示側第2保留記憶数IbN2が1であれば、第1単位設定エリア294aに対して通常保留表示情報の設定を行い、表示側第2保留記憶数IbN2が4であれば、第4単位設定エリア294dに対して通常保留表示情報の設定を行う。後述する内部コマンドの出力処理において、当該通常保留表示情報がVDP255に出力されることにより、通常保留画像データが対応する単位エリア282〜285に設定され、第2保留表示領域Gbの対応する単位保留表示領域Gb1〜Gb4において「●」の画像が表示される。
コマンド格納エリア263に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドが保留増加コマンドでない場合には、ステップS2401にて否定判定をし、ステップS2411に進む。ステップS2411では、今回の読み出し対象のコマンドが保留減少コマンドであるか否かを判定する。保留減少コマンドである場合にはステップS2412〜ステップS2415にて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ga及び第2保留表示領域Gb(図8(b)参照)の各単位保留表示領域Ga1〜Ga4,Gb1〜Gb4に表示されている画像を、保留情報の減少に合わせてシフトさせるための保留減少時用設定処理を実行する。
保留減少時用設定処理では、先ずステップS2412にて、今回受信した保留減少コマンドに上作動口33に対応した情報が含まれているか否かを判定する。上作動口33に対応した情報が含まれている場合には、ステップS2413にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア264に保留記憶されている表示側第1保留記憶数IaN2を1ディクリメントする。
続くステップS2414では、第1シフト処理を実行する。当該第1シフト処理は、第1保留表示情報設定用エリア291における保留報知許容用エリア292の第1単位設定エリア292a〜第4単位設定エリア292dに設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせるとともに、第1保留表示情報設定用エリア291における保留報知不可用エリア293の第1単位設定エリア293a〜第4単位設定エリア293dに設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせる処理である。
具体的には、各第1単位設定エリア292a,293aの保留表示情報をクリアするとともに、各第2単位設定エリア292b,293b→各第1単位設定エリア292a,293a、各第3単位設定エリア292c,293c→各第2単位設定エリア292b,293b、各第4単位設定エリア292d,293d→各第3単位設定エリア292c,293cといった具合に各単位設定エリア292a〜292d,293a〜293d内の保留表示情報がシフトされる。
第1シフト処理後における後述する内部コマンドの出力処理において、保留報知許容用エリア292又は保留報知不可用エリア293の各保留表示情報がVDP255に出力されることにより、ビデオRAM257の第1保留表示用エリア271の各単位エリア272〜275の画像データが更新される。これにより、第1保留表示領域Gaの各単位保留表示領域Ga1〜Ga4に表示されている画像も下位側にシフトされる。
一方、今回受信した保留減少コマンドに上作動口33に対応した情報が含まれていない場合には、ステップS2412にて否定判定をし、ステップS2415に進む。ステップS2415では、ワークRAM254の保留カウンタエリア264に保留記憶されている表示側第2保留記憶数IbN2を1ディクリメントする。
続くステップS2416では、第2シフト処理を実行する。当該第2シフト処理は、第2保留表示情報設定用エリア294の第1単位設定エリア294a〜第4単位設定エリア294dに設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせる処理である。
具体的には、第1単位設定エリア294aの保留表示情報をクリアするとともに、第2単位設定エリア294b→第1単位設定エリア294a、第3単位設定エリア294c→第2単位設定エリア294b、第4単位設定エリア294d→第3単位設定エリア294cといった具合に各単位設定エリア294a〜294d内の保留表示情報がシフトされる。
第2シフト処理後における後述する内部コマンドの出力処理において、第2保留表示情報設定用エリア294の各保留表示情報がVDP255に出力されることにより、ビデオRAM257の第2保留表示用エリア281の各単位エリア282〜285の画像データが更新される。これにより、第2保留表示領域Gbの各単位保留表示領域Gb1〜Gb4に表示されている画像も下位側にシフトされる。
コマンド格納エリア263に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドが保留減少コマンドでない場合には、ステップS2411にて否定判定をし、ステップS2417に進む。ステップS2417では、今回の読み出し対象のコマンドが特別有利開始コマンドであるか否かを判定する。
特別有利開始コマンドである場合には、ステップS2418にて、ワークRAM254のその他フラグ格納エリア268に設けられた保留報知許容フラグ格納エリア(保留報知許容情報記憶手段)に保留報知許容フラグ(保留報知許容情報)を格納する又は既に格納されている場合にはその状態を維持した後に、本保留報知制御処理を終了する。保留報知許容フラグが格納された状態、すなわち、遊技状態が特別有利状態である状況又は特別有利状態である遊技回において開閉実行モードに移行した場合にはその開閉実行モードである状況が、上述した保留報知許容状態であり、この場合、後述する内部コマンドの出力処理では、第1保留表示情報設定用エリア291に関して、保留報知許容用エリア292に設定されている各保留表示情報がVDP255に出力される。よって、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaでは、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRaに格納されている保留情報の数を明示するための報知が行われるとともに、それら保留情報の内容に応じた保留報知が行われる。換言すれば、保留情報の内容に応じた保留報知が、当否判定の順番が明示された状態で行われる。
一方、特別有利開始コマンドでない場合には、ステップS2419にて、今回の読み出し対象のコマンドが特別有利終了コマンドであるか否かを判定する。特別有利終了コマンドでない場合には、そのまま本保留報知制御処理を終了する。
特別有利終了コマンドである場合には、ステップS2420にて、ワークRAM254のその他フラグ格納エリア268に設けられた保留報知許容フラグ格納エリアから保留報知許容フラグを消去する又は既に格納されていない場合にはその状態を維持した後に、本保留報知制御処理を終了する。保留報知許容フラグが格納されていない状態、すなわち、遊技状態が特別有利状態でない状況及び特別有利状態である遊技回において開閉実行モードに移行した場合でない状況が、上述した保留報知不可状態であり、この場合、後述する内部コマンドの出力処理では、第1保留表示情報設定用エリア291に関して、保留報知不可用エリア293に設定されている各保留表示情報がVDP255に出力される。よって、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaでは、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRaに格納されている保留情報の数を明示するための報知が行われるものの、それら保留情報の内容に応じた保留報知は行われない。
<表示制御装置212にて実行される内部コマンドの出力処理について>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される内部コマンドの出力処理を、図42のフローチャートを参照しながら説明する。内部コマンドの出力処理は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうちの一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。そして、当該内部コマンドの出力処理では、ワークRAM254の保留表示情報設定用エリア265における第1保留表示情報設定用エリア291の保留報知許容用エリア292、第1保留表示情報設定用エリア291の保留報知不可用エリア293、第2保留表示情報設定用エリア294の中から、内部コマンドの出力対象とするエリアを特定し、その特定したエリアの第1〜第4単位設定エリアに設定されている各保留表示情報の内容を含む内部コマンドをVDP255に出力するための処理を実行する。
具体的には、先ずステップS2601にて、ワークRAM254に保留報知許容フラグが格納されているか否かを判定する。保留報知許容フラグが格納されている場合、すなわち保留報知許容状態である場合には、ステップS2602にて、内部コマンドの出力対象のエリアが、第1保留表示情報設定用エリア291の保留報知許容用エリア292であると特定する。そして、当該保留報知許容用エリア292の第1〜第4単位設定エリア292a〜292dにその時点で設定されている各保留表示情報の内容を含む内部コマンドをVDP255に出力する。VDP255では、MPU252から入力した内部コマンドに含まれる各保留表示情報に対応した表示データを、ビデオRAM271の第1保留表示用エリア271における各単位エリア272〜275に設定する。これにより、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaでは、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRaに格納されている保留情報の数を明示するための報知が行われるとともに、それら保留情報の内容に応じた保留報知が行われる。換言すれば、保留情報の内容に応じた保留報知が、当否判定の順番が明示された状態で行われる。
ここで、主制御装置81では、上作動口33への遊技球の入賞が発生した場合には、その入賞の発生を特定した場合に作動入賞コマンドを音声ランプ制御装置82に送信する。そして、音声ランプ制御装置82では、2msec周期といった比較的短い周期で上述したコマンド対応処理(図33)を実行しており、作動入賞コマンドを受信した場合には即座にそれに対応した保留増加コマンドが表示制御装置212に送信される。また、表示制御装置212では、上記のとおり、保留報知制御処理及び内部コマンドの出力処理が2msec周期といった比較的短い周期で実行されている。したがって、図柄表示装置41において所定の遊技回における図柄の変動表示が行われている状況で上作動口33に遊技球が入賞した場合には、その図柄の変動表示中に保留報知を開始することが可能である。
一方、保留報知許容フラグが格納されていない場合、すなわち保留報知不可状態である場合には、ステップS2603に進む。ステップS2603では、内部コマンドの出力対象のエリアが、第1保留表示情報設定用エリア291の保留報知不可用エリア293であると特定する。そして、当該保留報知不可用エリア293の第1〜第4単位設定エリア293a〜293dにその時点で設定されている各保留表示情報の内容を含む内部コマンドをVDP255に出力する。VDP255では、MPU252から入力した内部コマンドに含まれる各保留表示情報に対応した表示データを、ビデオRAM271の第1保留表示用エリア271における各単位エリア272〜275に設定する。これにより、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaでは、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRaに格納されている保留情報の数を明示するための報知が行われる。但し、それら保留情報の内容に応じた保留報知は行われない。
ステップS2602又はステップS2603の処理を実行した後は、ステップS2604に進む。ステップS2604では、内部コマンドの出力対象のエリアが、第2保留表示情報設定用エリア294であると特定する。そして、当該第2保留表示情報設定用エリア294の第1〜第4単位設定エリア294a〜294dにその時点で設定されている各保留表示情報の内容を含む内部コマンドをVDP255に出力する。VDP255では、MPU252から入力した内部コマンドに含まれる各保留表示情報に対応した表示データを、ビデオRAM271の第2保留表示用エリア281における各単位エリア282〜285に設定する。これにより、図柄表示装置41の第2保留表示領域Gbでは、主制御装置81の第2結果表示部用保留エリアRbに格納されている保留情報の数を明示するための報知が行われる。但し、保留情報の内容に応じた保留報知は行われない。その後、本内部コマンドの出力処理を終了する。
<図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにて行われる保留報知の様子について>
次に、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにて行われる保留報知の様子について、図43を用いて説明する。なお、既に説明したように、保留報知は保留報知許容状態の場合に行われ、保留報知許容状態とは、遊技状態が特別有利状態である状況又は特別有利状態である遊技回において開閉実行モードに移行した場合の状況である。以下の説明では、遊技状態が特別有利状態、すなわち、主制御装置81における当否抽選モードが高確率モードであって、下作動口34の電動役物34aのサポートモードが高頻度サポートモードである状況を前提として説明を行う。
図43(a)は、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRaに格納されている保留情報が、15R確変大当たり結果であって確変時専用大当たり結果でないこと(共通大当たり結果であること)を保留報知している様子を示す。この場合、上記15R確変大当たり結果であって確変時専用大当たり結果でない保留情報は、上作動口33における2個目の保留情報であるため、第1保留表示領域Gaの第2単位保留表示領域Ga2に「確共通」という保留報知の画像が表示されている。
かかる保留報知の画像が表示されると、遊技者は、当該保留情報に対応した遊技回となった場合には、当否抽選モードが高確率モードであるか低確率モードであるかに関係なく、15R確変大当たり結果が発生することを認識することができる。この場合に、現状の遊技状態は下作動口34の電動役物34aによるサポートモードが高頻度サポートモードであるため、下作動口34への遊技球の入賞が比較的高頻度で発生するとともに、遊技回の開始契機となる保留情報は上作動口33への遊技球の入賞に係る保留情報よりも下作動口34への遊技球の入賞に係る保留情報が優先される。さらにまた、現状の遊技状態は当否抽選モードが高確率モードであるため、下作動口34への遊技球の入賞に係る遊技回が何らかの大当たり結果、具体的には通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果となる確率は比較的高い。
そうすると、遊技者は、上記保留報知に係る保留情報に対応した遊技回となる前に下作動口34への遊技球の入賞に係る遊技回で大当たり結果が発生することを期待しながら、下作動口34への遊技球の入賞を狙って発射ハンドル54を操作するものと考えられる。下作動口34への遊技球の入賞に係る遊技回で大当たり結果が発生すれば、遊技者にとっては1回の特別有利状態で2回の大当たり結果を確保したような状態となるからである。
図43(b)は、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRaに格納されている保留情報が、15R確変大当たり結果であって確変時専用大当たり結果であることを保留報知している様子を示す。この場合、上記15R確変大当たり結果であって確変時専用大当たり結果である保留情報は、上作動口33における4個目の保留情報であるため、第1保留表示領域Gaの第4単位保留表示領域Ga4に「確専用」という保留報知の画像が表示されている。
かかる保留報知の画像が表示されると、遊技者は、当該保留情報に対応した遊技回となった場合には、その際の当否抽選モードが高確率モードであれば、15R確変大当たり結果が発生することとなるが、当否抽選モードが低確率モードであれば、大当たり結果が発生しないことを認識することができる。つまり、現状の特別有利状態において上記保留報知に係る保留情報に対応した遊技回となれば、15R確変大当たり結果が確実に発生する一方、下作動口34への遊技球の入賞に係る遊技回において通常大当たり結果が発生した後に上記保留報知に係る保留情報に対応した遊技回となれば、得られる機会があった15R確変大当たり結果が得られないことを認識することができる。
そうすると、遊技者は、上記保留報知に係る保留情報に対応した遊技回となる前に他の大当たり結果が発生してしまわないようにすべく、下作動口34への新たな遊技球の入賞が発生しないように発射ハンドル54の操作を中止するものと考えられる。
図43(c)は、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRaに格納されている保留情報が、15R確変大当たり結果であることを保留報知している様子を示す。この場合、上記15R確変大当たり結果である保留情報は、上作動口33における3個目の保留情報であるため、第1保留表示領域Gaの第3単位保留表示領域Ga3に「確」という保留報知の画像が表示されている。
かかる保留報知の画像が表示されると、遊技者は、現状の特別有利状態において上記保留報知に係る保留情報に対応した遊技回となれば、15R確変大当たり結果が確実に発生するが、下作動口34への遊技球の入賞に係る遊技回において通常大当たり結果が発生した後に上記保留報知に係る保留情報に対応した遊技回となれば、15R確変大当たり結果が発生するかどうかが不明であると認識することができる。
そうすると、上記保留情報が15R確変大当たり結果であって確変時専用大当たり結果でないと予測した遊技者は、図43(a)の場合のように、下作動口34への遊技球の入賞を狙って発射ハンドル54を操作するものと考えられ、上記保留情報が15R確変大当たり結果であって確変時専用大当たり結果であると予測した遊技者は、図43(b)の場合のように、発射ハンドル54の操作を中止するものと考えられる。つまり、遊技者の予測に応じた発射ハンドル54の操作が行われることとなり、保留報知を通じた遊技の多様化が図られる。
図43(d)は、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRaに格納されている保留情報が、通常大当たり結果であることを保留報知している様子を示す。この場合、上記通常大当たり結果である保留情報は、上作動口33における4個目の保留情報であるため、第1保留表示領域Gaの第4単位保留表示領域Ga4に「通」という保留報知の画像が表示されている。
かかる保留報知の画像が表示されると、遊技者は、少なくとも現状の特別有利状態において上記保留情報に対応した遊技回となった場合には、通常大当たり結果が発生することを判断することができる。特別有利状態において通常大当たり結果が発生すると、高頻度入賞モードの開閉実行モードに移行することとなるものの、当否抽選モードは高確率モードから低確率モードに転落してしまうこととなる。これに対して、下作動口34への遊技球の入賞に基づいて大当たり結果が発生する場合、それは通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果のいずれかとなる。つまり、下作動口34への遊技球の入賞に基づいて大当たり結果が発生すれば、上記保留報知に係る保留情報と同等以上の価値を遊技者は得られることとなる。
そうすると、遊技者は上記保留報知に係る保留情報に対応した遊技回となる前に下作動口34への遊技球の入賞に係る遊技回で大当たり結果が発生することを期待しながら、下作動口34への遊技球の入賞を狙って発射ハンドル54を操作するものと考えられる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が上作動口33に対応した第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報よりも優先して当否抽選が行われる構成において、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報に応じた保留報知が、当該保留情報の当否抽選となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。かかる保留報知が行われた場合には、遊技者には、保留報知の対象となった保留情報に対して当否抽選が行われるように下作動口34への遊技球の入賞が発生することを期待しながら発射ハンドル54を手動操作する、又は保留報知の対象となった保留情報に対して当否抽選が行われないように下作動口34への遊技球の入賞が発生することを期待しながら発射ハンドル54を手動操作するといった保留報知の内容に応じた意識の変化が生じうる。そして、例えば、発射ハンドル54の操作を中止したり、発射ハンドル54の操作量を若干弱める又は若干強めるといったように、保留報知の内容に応じて発射ハンドル54の操作態様が変更されることがある。これにより、発射ハンドル54を手動操作するという能動的な遊技と、当否抽選の結果を確認するという受動的な遊技とが相互に関連した斬新な遊技を提供することが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特別有利状態において保留報知を行うことで、当該保留報知は下作動口34の電動役物34aのサポートモードが高頻度サポートモードである状況において行われる。これにより、例えば、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された上記保留報知に係る保留情報に対して当否抽選が行われてほしくないと考えた場合には、下作動口34への遊技球の入賞が発生し易い態様で発射ハンドル54を手動操作することで、当否抽選が優先されることとなる第2結果表示部用保留エリアRbに保留情報が記憶された状態を継続させ、上記保留報知に係る保留情報に対して当否抽選が行われないようにすることが可能となる。
表示制御装置212のワークRAM254における保留表示情報設定用エリア265には、第1保留表示情報設定用エリア291として、保留報知許容用エリア292と保留報知不可用エリア293とを設け、第1結果表示部用保留エリアRaに新たな保留情報が格納された場合には、当該保留情報に対して当否抽選が行われた場合の当否結果に対応した保留表示情報を保留報知許容用エリア292の対応する単位設定エリア292a〜292dに設定するとともに、保留報知不可用エリア293の対応する単位設定エリア293a〜293dに保留情報の数を明示するための保留表示情報を設定するようにした。また、第1結果表示部用保留エリアRaに格納されている保留情報のシフト処理が実行された場合には、それに合わせて保留報知許容用エリア292及び保留報知不可用エリア293に対して情報のシフト処理を実行するようにした。そして、保留報知許容状態では保留報知許容用エリア292に記憶されている保留表示情報をVDP255に対して出力し、保留報知不可状態では保留報知不可用エリア293に記憶されている保留表示情報をVDP255に対して出力するようにした。これにより、保留報知不可状態から保留報知許容状態に切り換えられた場合には、そのタイミングにおいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について即座に保留報知を行うことが可能となる。
保留報知の対象となっている保留情報よりも先に当否判定の対象となった保留情報について主制御装置81において各結果表示部AS,BSの絵柄の変動表示時間(すなわち、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間)を決定する場合、上記保留報知に係る保留情報の内容を参照することなく上記変動表示時間を決定するようにした。すなわち、変動表示時間を決定する処理(具体的には、ステップS813の処理)において、当該変動表示時間の決定に係る保留情報よりも後に当否抽選の対象となる保留情報に大当たり当選となる情報が含まれているかを参照しないようにした(判定しないようにした)。
例えば、保留報知に係る保留情報が報知対象の大当たり結果に対応した情報である場合には、当該保留情報よりも先に当否判定の対象となる保留情報について、通常よりも長い変動表示時間が選択される構成とすると、保留報知が行われている状況では各遊技回を消化するのに要する時間が長くなってしまい、遊技が間延びしてしまうことが懸念される。その一方、例えば、保留報知に係る保留情報が報知対象の大当たり結果に対応した情報である場合には、当該保留情報よりも先に当否判定の対象となる保留情報について、通常よりも短い変動表示時間が選択される構成とすると、保留報知が行われている状況では各遊技回を消化するのに要する時間が短くなってしまい、パチンコ機10の稼働率が極端に高くなってしまうことが懸念される。これに対して、上記のように保留報知に係る保留情報の内容が参照されることなく上記変動表示時間が決定されるため、保留報知を行う上での構成を良好なものとすることができる。
<他の実施の形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記実施の形態に対して適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、第1結果表示部用保留エリアRaに保留情報が新たに格納された場合には、その格納された保留情報の大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を含んだ作動入賞コマンドが主制御装置81から音声ランプ制御装置82に送信される構成としたが、当該情報の送信の仕方を以下のように変更してもよい。主制御装置81において、大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値から、係る保留情報が当否抽選の対象となった場合の当否結果や大当たり当選の場合には振分結果を特定し、その特定した情報を作動入賞コマンドとしてサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に送信する構成としてもよい。
つまり、移行判定としての当否抽選を行う機能が主制御装置81に設けられているとともに、特別報知としての保留報知が所定の報知手段としての図柄表示装置41の表示画面において行われるように当該図柄表示装置41を制御する機能がサブ側の制御装置に設けられ、第1取得情報記憶手段としての第1結果表示部用保留エリアRaに保留情報が新たに格納された場合に主制御装置81からサブ側の制御装置に対して、両者を接続する信号線を介して保留情報信号が送信される構成においては、送信に係る保留情報に対して当否抽選処理が実行された場合における当否結果や移行先の遊技状態を主制御装置81において特定し、その特定結果を保留情報信号としてサブ側の制御装置に送信する構成としてもよい。
上記実施の形態のように、作動入賞コマンドに大当たり乱数カウンタC1の値の情報や大当たり種別カウンタC2の値の情報が含まれている構成においては、主制御装置81と音声ランプ制御装置82とを電気的に接続する信号線(具体的には、複数の信号線の両端に共通のコネクタが設けられたコネクタユニット)を不正に外し、主制御装置81における現状の大当たり乱数カウンタC1の値や大当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が行われることが想定される。このように、大当たり乱数カウンタC1の値や大当たり種別カウンタC2の値が取得されてしまうと、大当たり当選や15R確変大当たり結果となるタイミングで不正に始動入賞させる不正行為が行われてしまい、遊技ホールに多大な不利益を及ぼしてしまうことが懸念される。これに対して、上記のように、大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値をそのまま送信するのではなく、主制御装置81において特定した結果の情報を送信する構成とすることで、上記不正行為の発生を阻止することが可能となる。
なお、上記のように主制御装置81において特定した結果の情報を音声ランプ制御装置82に送信する構成では、第1結果表示部用保留エリアRaに保留情報が格納されたタイミングで当否抽選や振分抽選を実行するとともに、その実行結果を記憶し、その記憶した情報に基づいて保留情報に係る遊技回のメイン表示部43における絵柄の変動表示時間や最終停止結果を決定する構成としてもよい。
(2)主制御装置81から音声ランプ制御装置82に送信される情報は、大当たり当選か否かを判定するための情報や大当たり結果の振分先を特定するための情報だけに限定されることはなく、リーチ発生の有無の情報が含まれる構成としてもよい。この場合、保留報知として、大当たり結果の内容だけでなく、リーチ発生の有無やリーチ発生の期待度などを表示する構成としてもよい。
また、上記実施の形態では、上作動口33の入賞に係る保留情報についてのみ保留報知を行う構成としたが、これに加えて、下作動口34の入賞に係る保留情報についても保留報知を行う構成としてもよい。この場合、下作動口34の入賞に係る保留情報が第2結果表示部用保留エリアRbに新たに格納された場合には、その保留情報の大当たり乱数カウンタC1の値の情報及び大当たり種別カウンタC2の情報を含めて作動入賞コマンドを送信する構成としてもよく、上記(1)のように主制御装置81において特定した結果の情報を含めて作動入賞コマンドを送信する構成としてもよい。
(3)上記実施の形態では、特別有利状態となることで保留報知が行われ得る保留報知許容状態に設定される構成としたが、これに限定されることはなく、例えば、保留報知許容状態とするか否かの保留報知許容抽選を実行し、当該保留報知許容抽選において当選となった場合に、保留報知許容状態に設定され、保留報知不可条件が成立した場合に保留報知不可状態に設定される構成としてもよい。この場合、保留報知許容状態となるタイミングが不規則なものとなり、遊技の多様化が図られる。
上記構成について具体的には、保留報知許容抽選の抽選契機としては、所定の大当たり結果となる遊技回が終了した場合、開閉実行モードが開始される場合、開閉実行モードが終了される場合、各遊技回が開始される場合などが考えられる。また、保留報知許容抽選を行う主体は、主制御装置81、音声ランプ制御装置82又は表示制御装置212などが考えられる。この場合に、音声ランプ制御装置82が保留報知抽選を行う主体である構成においては、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンド、開放コマンド又は閉鎖コマンドを受信したことを抽選契機とする構成が考えられる。
また、保留報知不可条件としては、保留報知許容状態となった後に、開閉実行モードに1回若しくは複数回移行すること、大当たり結果が1回発生すること若しくは複数回発生すること、予め定められた制限遊技回数が経過すること又は保留報知不可抽選にて保留報知不可当選となることとしてもよい。
(4)上記(3)について、保留報知許容抽選により当選となった場合に保留報知許容状態に設定される構成に代えて、大当たり結果が発生しない状況又は開閉実行モードが発生しない状況が予め定められた報知開始遊技回数継続した場合に保留報知許容状態に設定される構成としてもよい。この場合、報知開始遊技回数を、大当たり結果となる確率に比して多数の遊技回数に設定することで、大当たり結果の利益を継続して得られない遊技者への救済措置として保留報知許容状態の設定が行われることとなる。また、報知開始遊技回数が経過する毎に周期的に保留報知許容状態に設定される構成としてもよい。この場合、継続して行われる遊技に変化を与えることができ、遊技への注目度を良好に維持させることが可能となる。
また、大当たり結果とならない状態が報知開始遊技回数以上の遊技回が継続した後に、当否抽選モードが高確率モードとなり且つサポートモードが高頻度サポートモードとなった場合に、保留報知許容状態に設定される構成としてもよい。また、大当たり結果とならない状態が報知開始遊技回数以上の遊技回が継続した後に、サポートモードが高頻度サポートモードとなった場合に、保留報知許容状態に設定される構成としてもよい。これらの場合、保留報知不可状態に設定される条件としては、上記例示したものが考えられる。
(5)保留報知許容状態となることの遊技者にとっての有利性が上記実施の形態などの構成よりも低減されることとなるが、いずれの遊技状態であっても保留報知が行われ得る構成としてもよく、通常遊技状態においてのみ保留報知が行われ得る構成としてもよい。
この場合に、通常遊技状態において保留報知が行われ得る構成であったとしても、保留報知の対象となっている保留情報よりも先に当否判定の対象となった保留情報について主制御装置81において各結果表示部AS,BSの絵柄の変動表示時間を決定する場合、上記保留報知に係る保留情報の内容が参照されることなく上記変動表示時間を決定する構成とすることが好ましい。
例えば、保留報知に係る保留情報が報知対象の大当たり結果に対応した情報である場合には、保留報知に係る保留情報よりも先に当否判定の対象となる保留情報について、通常よりも長い変動表示時間が選択される構成又は通常よりも短い変動表示時間が選択される構成とすると、上記保留報知が行われている状況では各遊技回を消化するのに要する時間が長くなる又は短くなる。そうすると、遊技領域に設けられた釘の角度及び向きの調整の仕方に応じて、上作動口33への遊技球の入賞が比較的発生し易くなっている遊技ホールと、上作動口33への遊技球の入賞が比較的発生しづらくなっている遊技ホールとで、単位時間当たりの遊技回の消化率に差異が生じてしまうおそれがある。つまり、前者の遊技ホールでは、既に複数の保留情報が記憶されている状況において上記のような保留報知の対象となる保留情報が記憶される機会が多く、一方、後者の遊技ホールでは当該機会は少ない。この場合、通常よりも長い変動表示時間が選択されるとすると、前者の遊技ホールにおける単位時間当たりの遊技回の消化率は後者の遊技ホールよりも低下し、通常よりも短い変動表示時間が選択されるとすると、前者の遊技ホールにおける単位時間当たりの遊技回の消化率は後者の遊技ホールよりも向上してしまう。これに対して、保留報知に係る保留情報の内容が参照されることなく上記変動表示時間が決定されるようにすることで、単位時間当たりの遊技回の消化率に影響を与えることなく、保留報知を行うようにしたことによる効果を得ることができる。
(6)上記実施の形態では、保留報知として、15R確変大当たり結果であって確変時専用大当たり結果でないこと、15R確変大当たり結果であって確変時専用大当たり結果であること、15R確変大当たり結果であること、通常大当たり結果であることを報知する構成としたが、これに限定されることはなく、他の大当たり結果であることを報知する構成としてもよい。例えば、通常大当たり結果であって確変時専用大当たり結果でないこと、通常大当たり結果であって確変時専用大当たり結果であること、明示2R確変大当たり結果であること、非明示2R確変大当たり結果であること等を報知する構成としてもよい。
(7)上記実施の形態では、保留報知許容状態に設定された状況であっても、報知発生抽選処理において当選とならないと保留報知が行われない構成としたが、保留報知許容状態では全ての保留情報について保留報知が行われる構成としてもよい。この場合、保留報知許容状態に設定されることの遊技者にとっての有利性が上記実施の形態よりも高められる。また、上作動口33への遊技球の入賞に係る当否抽選及び振分抽選において発生し得る大当たり結果の全てを、保留報知対象としてもよい。この場合、保留報知から遊技者が得られる情報量を増やすことができ、保留報知許容状態の遊技者にとっての有利性が上記実施の形態よりも高められる。
(8)上記実施の形態において、保留報知が実行される場合、当該保留報知に係る保留情報が15R確変大当たり結果であって確変時専用大当たり結果である保留情報である場合には、ステップS2402の個別報知抽選処理にて個別報知当選となった場合に、15R確変大当たり結果であって確変時専用大当たり結果であることを示す保留報知の画像が表示される構成としたが、これに代えて、個別報知抽選処理が実行されることはなく、保留報知に係る保留情報が15R確変大当たり結果であって確変時専用大当たり結果である保留情報である場合には、15R確変大当たり結果であって確変時専用大当たり結果であることを示す保留報知の画像が表示される構成としてもよい。
(9)上記実施の形態において、保留報知が実行される場合、当該保留報知に係る保留情報が15R確変大当たり結果であって確変時専用大当たり結果でない保留情報である場合には、ステップS2407の個別報知抽選処理にて個別報知当選となった場合に、15R確変大当たり結果であって確変時専用大当たり結果でないことを示す保留報知の画像が表示される構成としたが、これに代えて、個別報知抽選処理が実行されることはなく、保留報知に係る保留情報が15R確変大当たり結果であって確変時専用大当たり結果でない保留情報である場合には、15R確変大当たり結果であって確変時専用大当たり結果でないことを示す保留報知の画像が表示される構成としてもよい。
(10)上記実施の形態のようにステップS2402の個別報知抽選処理が実行される構成においては、当該抽選処理にて個別報知当選とならなかった場合における保留報知の画像は、保留情報が15R確変大当たり結果であることを示す情報とするとともに、それに合わせて当該情報が確変時専用大当たり結果に対応している可能性があることを示す情報としてもよい。具体的には、「確?」といった画像が保留報知として表示される構成としてもよい。また、この場合、ステップS2407の個別報知抽選処理において個別報知当選とならなかった場合における保留報知の画像は、所定の確率(例えば、1対1)で、確変時専用大当たり結果に対応している可能性があることを示す情報又は確変時専用大当たり結果でないことを示す情報が保留報知として表示される構成としてもよい。具体的には、所定の確率で、「確?」又は「確」のいずれかの画像が保留報知として表示される構成としてもよい。
(11)保留報知画像の表示内容は、上記実施の形態におけるものに限定されることはなく、任意である。例えば、「発射ハンドル54の操作を中止しろ」又は「発射ハンドル54の操作を継続しろ」といった具体的な指示情報が表示される構成としてもよい。
また、保留報知に係る保留情報の当否抽選の順番を明示しながら保留報知を行う構成に限定されない。例えば、保留報知に係る保留情報よりも前のタイミングの遊技回において、所定の報知画像(例えば、報知用キャラクタ、報知用リーチ演出又は報知用背景)を図柄の変動表示画像と共に表示することで、保留報知を実行する構成としてもよい。また、所定の報知画像に代えて、所定の音や音声をスピーカ部64から出力する構成としてもよい。
ここで、上記実施の形態では、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングで、主制御装置81から音声ランプ制御装置82に作動入賞コマンドが送信され、当該作動入賞コマンドに応じた保留報知が行われる構成である。したがって、図柄表示装置41において所定の遊技回における図柄の変動表示が行われている状況で上作動口33に遊技球が入賞した場合には、その図柄の変動表示中に作動入賞コマンドが主制御装置81から送信される。この場合に、保留報知として上記のように所定の報知画像を表示する場合、その図柄の変動表示中に当該所定の報知画像を表示する構成としてもよい。
(12)保留報知を行うための所定の報知手段は、図柄表示装置41における第1保留表示領域Gaに限定されることはなく、専用の表示装置において保留報知を行う構成としてもよく、さらには表示画面を有する表示装置ではなく、発光部、可動式の装飾部材又はスピーカ部などにより保留報知を行う構成としてもよい。
(13)上作動口33に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類と下作動口34に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類とが完全に同一となる構成としてもよく、完全に異なる構成としてもよい。また、大当たり結果として、開閉実行モードが発生しないまま高確率モードや高頻度サポートモードに移行することとなる大当たり結果を設定してもよい。また、通常遊技状態よりも不利な遊技状態を設定するとともに、当否抽選による当否結果として上記不利な遊技状態となる当否結果を設定してもよい。
(14)上記実施の形態では、第1始動入球部として上作動口33を設けるとともに、第2始動入球部として下作動口34を設け、これら第1始動入球部と第2始動入球部とを上下に並設したが、左右に並設する構成としてもよく、斜めに並設する構成としてもよい。つまり、第1始動入球部と第2始動入球部とを並設する方向は上下方向に限定されない。
また、上記実施の形態では、第1始動入球部と第2始動入球部とを同一態様(同一の回動量)で発射ハンドル54を操作した場合に、第1始動入球部及び第2始動入球部のそれぞれに遊技球が入賞し得るようにこれら第1始動入球部及び第2始動入球部を並設したが、これに限定されることはなく、同一態様で発射ハンドル54を操作したとしても、第1始動入球部及び第2始動入球部のそれぞれに遊技球が入賞しづらいように、第1始動入球部と第2始動入球部との位置関係を設定してもよい。この場合、第1始動入球部への遊技球の入賞を狙った第1発射操作と、第2始動入球部への遊技球の入賞を狙った第2発射操作とが個別に設定され、遊技者にとっては第1始動入球部への遊技球の入賞を狙って発射ハンドル54を操作することができるとともに、第2始動入球部への遊技球の入賞を狙って発射ハンドル54を操作することができる。本構成とすることで、保留報知に応じた発射ハンドル54の操作を良好に行うことができる。具体的な構成としては、例えば、遊技球の複数個分以上、第1始動入球部と第2始動入球部とを左右方向に離間させて設置する構成が考えられる。
(15)保留個数は、第1結果表示部用保留エリアRaが4個であり、第2結果表示部用保留エリアRbが4個である構成に限定されることはなく、各3個又は各5個以上であってもよく、両保留個数が異なる構成としてもよい。
(16)上記実施の形態における各時間の計測の方法は任意であり、またカウンタエリアを用いた所定の値のカウントの仕方は加算式であっても減算式であってもよい。また、主制御装置81などにおける停電の監視の仕方も任意である。また、各開閉実行モードにおけるラウンド数も任意である。
また、可変入賞装置32などへの遊技球の入賞に対する遊技球の付与の構成は、遊技球を直接払い出す構成に限定されることはなく、仮想遊技媒体を記憶する機能を有する構成においては、当該仮想遊技媒体を付与する構成としてもよい。
また、図柄表示装置41が不具備であり、当否抽選などの抽選結果が可動式の装飾部材により教示される構成としてもよい。
また、下作動口34に設けられた電動役物34aのサポートモードとして、低頻度サポートモードの代わりに、電動役物34aが開放状態とならないサポート不可モードを設定してもよい。また、電動役物34aが閉鎖状態である状況であっても下作動口34への遊技球の入賞が発生し得る構成としてもよい。
また、メイン表示部43の結果表示部ASにおける結果表示の内容を、所定の大当たり結果や特別外れ結果について、大当たり乱数カウンタC1の値や大当たり種別カウンタC2の値と1対1で対応させて設定してもよい。
(17)上記実施の形態では、主制御装置81のRAM204に設けられた保留球格納エリア232には、上作動口33用の保留エリアとして第1結果表示部用保留エリアRaと、下作動口34用の保留エリアとして第2結果表示部用保留エリアRbとが設けられていたが、これに代えて、保留情報を格納可能なエリアを上作動口33と下作動口34との総保留個数分備えるとともに、各エリアには、上作動口33及び下作動口34のいずれに対応しているかの情報を格納可能な部分エリアが設定された共通保留エリアを備える構成としてもよい。当該共通保留エリアの各エリアとしては、例えば、各エリアを1バイトなどの記憶領域として構成し、当該記憶領域の所定のビット部分を上作動口33及び下作動口34のいずれに対応しているかの情報を格納可能な部分エリアとして設定する構成が考えられる。この場合であっても、本パチンコ機10は、第1取得情報記憶手段と第2取得情報記憶手段を備えた構成となる。
(18)上記実施の形態では、非明示2R確変大当たり結果となったことに対応した開閉実行モードと、特別外れ結果となったことに対応した開閉実行モードとで、同一の態様である低頻度入賞モードに係る開閉実行モードが実行される構成としたが、これに限定されない。例えば、両者の開閉実行モードで、1回の大入賞口32aの開放制限期間が異なる構成としてもよい。具体的には、前者の開閉実行モードにおける開放制限期間を0.20secとするとともに、後者の開閉実行モードにおける開放制限期間を0.19secとする構成としてもよい。また、例えば、両者の開閉実行モードで、1回の大入賞口32aの開放制限個数が異なる構成としてもよい。具体的には、前者の開閉実行モードにおける開放制限個数を10個とするとともに、後者の開閉実行モードにおける開放制限個数を6個とする構成としてもよい。なお、本構成を、上記第1の実施の形態だけでなく、上記第2の実施の形態といった他の実施の形態に対して適用してもよい。
(19)上記実施の形態では、主制御装置81における大当たり乱数カウンタC1を用いた当否抽選において、抽選用に取得された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり当選とならない値のうちの所定値となった場合に特別外れ結果となる構成としたが、これに限定されることはない。例えば、特別外れ結果とするか否かの抽選を行うための特別外れ発生抽選手段として、特別外れ抽選用カウンタと特別外れ抽選用テーブルとを設け、当否抽選用に所得された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり当選とならない値であると判定された場合に取得された特別外れ抽選用カウンタの値が特別外れ抽選用テーブルにおいて特別外れ当選となる値として設定されている値の場合に、特別外れ結果となる構成としてもよい。
(20)上記実施の形態では、上作動口33への遊技球の入賞に係る保留情報と下作動口34への遊技球の入賞に係る保留情報とで、大当たり乱数カウンタや大当たり種別カウンタについてそれぞれ異なるカウンタを用いる構成としてもよい。
(21)上記実施の形態では、下作動口34には電動役物34aが設けられており、当該電動役物34aの状態に応じて、上作動口33と下作動口34とで遊技球の入賞のし易さに差異が生じる構成としたが、これを変更してもよい。例えば、下作動口34の電動役物34aを不具備として、上作動口33と下作動口34とで遊技球の入賞のし易さに差異が生じない構成としてもよい。但し、下作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態を積極的に設ける上では、下作動口34に電動役物34aなどを設けることが好ましい。
また、下作動口34を開放状態と閉鎖状態とで切り換える構成としては、電動役物34aによるものに限定されることはなく、下作動口34を遊技盤24から遊技領域に対して出没可能に設け、遊技領域に突出した状態では下作動口34に遊技球が入賞可能となり、遊技領域から没した状態では下作動口34への遊技球の入賞が困難となる構成としてもよい。
(22)上記実施の形態において、図柄表示装置41において図柄の変動表示が行われている場合に、その図柄の変動表示が、上作動口33への遊技球の入賞に係るものか、下作動口34への遊技球の入賞に係るものかを表示するための始動対応表示領域が図柄表示装置41の表示画面において設定される構成としてもよい。この場合、当該始動対応表示領域は、上作動口33及び下作動口34のそれぞれに1対1で対応させて設定されていてもよく、上作動口33及び下作動口34に対して共通の領域を設定し、当該領域における表示内容により、いずれの作動口への入賞に係るものかを表示する構成としてもよい。
(23)上記実施の形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置82により表示制御装置212が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置212が音声ランプ制御装置82を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82と表示制御装置212とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,212が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、主制御装置81から音声ランプ制御装置82に出力されるコマンドの構成も任意である。
(24)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
(25)上記実施の形態では、電動役物34aのサポートモードが高頻度サポートモードである状況において、主制御装置81における当否抽選及び振分抽選の結果が、非明示2R確変大当たり結果である場合には、当否抽選モードが高確率モードとなるものの、電動役物34aのサポートモードが高頻度サポートモードとなる構成としたが、これを変更してもよい。例えば、高頻度サポートモードである状況において非明示2R確変大当たり結果となった場合には、サポートモードを高頻度サポートモードに維持させる構成としてもよい。
具体的には、開閉実行モード終了時の移行処理(図29)においてステップS1606にて肯定判定をした場合には、ステップS1607の処理を実行する前に、高頻度サポートフラグがRAM204に記憶されているか否かを判定する。高頻度サポートフラグが記憶されていない場合には、ステップS1607の処理及びステップS1608の処理を実行するようにする。一方、高頻度サポートフラグがRAM204に記憶されている場合には、ステップS1607に対応したフラグ消去処理を実行した後に、高確率モードフラグ及び高頻度サポートフラグの両方をセットする構成とするとよい。
(26)上記実施の形態において、非明示2R確変大当たり結果となったことに基づいて大入賞口32aが開放される回数は2回に限定されることはなく、特別外れ結果となったことに基づいて大入賞口32aが開放される回数と同一であれば任意である。また、その他、明示2R確変大当たり結果となったことに基づいて大入賞口32aが開放される回数や、15R特別大当たり結果及び通常大当たり結果となったことに基づいて大入賞口32aが開放される回数も任意である。
また、特別外れ結果に対応した遊技回や非明示2R確変大当たり結果に対応した遊技回において、リーチ表示が発生することは必須の構成ではなく、リーチ表示が発生しない構成としてもよい。
また、特別外れ結果に対応した開閉実行モード及び非明示2R確変大当たり結果に対応した開閉実行モードにおいて開閉される可変入賞装置と、15R確変大当たり結果に対応した開閉実行モード及び通常大当たり結果に対応した開閉実行モードにおいて開閉される可変入賞装置とを個別に設ける構成としてもよい。
また、上作動口33への遊技球の入賞に係る当否抽選において特別外れ結果となる確率と、下作動口34への遊技球の入賞に係る当否抽選において特別外れ結果となる確率とを異ならせてもよい。
また、当否抽選モードが高確率モードである場合と低確率モードである場合とで、当否抽選で大当たり当選となった場合に振り分けられる大当たり結果の種別を異ならせてもよい。
(27)上記実施の形態では、当否抽選モードが低確率モードである状況において当否抽選で大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において当否抽選で大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれる構成としたが、これに代えて、両者の値が重複しない構成としてもよい。
この場合、特別有利状態において、上作動口33への遊技球の入賞に係る保留情報として低確率モードである場合に大当たり当選となる保留情報が格納され、さらに当該保留情報について保留報知が実行された場合には、当該保留報知に係る保留情報が当否抽選の対象となるまでに当否抽選モードが低確率モードとならないと上記大当たり当選が発生しないこととなる。そうすると、遊技者は、その保留報知に係る保留情報が当否抽選の対象となるまでに、下作動口34への遊技球の入賞に係る保留情報により通常大当たり結果が発生することを期待しながら、発射ハンドル54を操作することとなる。
その一方、特別有利状態において、上作動口33への遊技球の入賞に係る保留情報として高確率モードである場合に大当たり当選となる保留情報が格納され、さらに当該保留情報について保留報知が実行された場合には、当該保留報知に係る保留情報が当否抽選の対象となるまでに当否抽選モードが低確率モードとなってしまうと上記大当たり当選が発生しないこととなる。そうすると、遊技者は、その保留報知に係る保留情報が当否抽選の対象とさせるべく、それ以上の下作動口34への遊技球の入賞が発生しないように、発射ハンドル54の操作を中止することとなる。
以上の構成においても、発射ハンドル54を手動操作するという能動的な遊技と、当否抽選の結果を確認するという受動的な遊技とが相互に関連した斬新な遊技を提供することが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
<上記実施の形態から抽出される技術的思想について>
上記実施の形態から抽出される技術的思想であって、課題を解決するための手段欄に示されていない技術的思想としては、少なくとも以下のものが挙げられる。
すなわち、従来のパチンコ遊技機では、始動入球部に遊技球が入球したことを契機として絵柄の変動表示が行われる。そして、例えば、大当たり状態が発生する遊技回や、大当たり状態が発生しない遊技回であってもリーチ発生当選となった遊技回においては、絵柄の変動表示の途中でリーチ表示が行われる。このように、リーチ表示を行うことで、絵柄の変動表示への遊技者の注目度を高めることが可能となる。但し、このようにリーチ表示が行われる構成であっても、十分に遊技者の注目度が高められているとは言えず、未だ改良の余地がある。
これに対して、保留情報の内容を参照して、その参照結果に応じた保留報知を行う構成が考えられる。但し、当該保留報知を行うことに伴って、必要以上に長時間の演出が行われるとすると遊技の間延びが生じてしまうおそれが懸念され、その一方、予め設定されている演出が一切行われなくなるとするとその設定された演出の効果が低減されてしまう。
かかる課題を解決する手段としては以下の構成が考えられる。
遊技球が流下する遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33、下作動口34)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa、第2結果表示部用保留エリアRb)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている一の特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記移行判定を順次行う移行判定手段(主制御装置81のMPU202における変動開始処理を実行する機能)と、
絵柄の変動表示を行う絵柄表示手段(メイン表示部43)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報に対して前記移行判定手段により前記移行判定が行われること又は行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該移行判定の判定結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の変動表示が終了されることを遊技回の1回として、各遊技回において前記移行判定の対象となる特別情報に応じて各遊技回の絵柄の変動表示が行われるように前記絵柄表示手段を表示制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となった場合において、当該特別情報に係る遊技回が終了することに基づいて、遊技状態を予め定められた所定遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記取得情報記憶手段に記憶される所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する特別報知が、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記絵柄表示手段又はそれとは異なる所定の報知手段(図柄表示装置41における第1保留表示領域Ga)にて実行されるように、当該所定の報知手段を制御する報知制御手段(音声ランプ制御装置82のMPU242、表示制御装置212のMPU252)を備え、
さらに、前記遊技回制御手段は、各遊技回において前記絵柄の変動表示が行われる場合における変動表示時間を決定する変動表示時間決定手段(主制御装置81のMPU202における変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、各遊技回の前記絵柄の変動表示が行われる場合、前記変動表示時間決定手段が決定した変動表示時間が経過することで当該絵柄の変動表示が最終停止される構成であり、
前記変動表示時間決定手段は、前記所定の報知手段にて前記特別報知が実行されている状況において当該特別報知の対象となっている特別情報とは異なる特別情報に対応した遊技回の前記変動表示時間を決定する場合に、当該特別報知の対象となっている特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映することなく前記変動表示時間を決定するものであることを特徴とする遊技機。
本構成を備える遊技機では、特別情報の内容に応じて特別報知が行われることがあり、これにより遊技への注目度を高めることが可能となる。この場合に、特別報知に係る特別情報が移行判定の対象となった場合における判定結果が反映されることなく各遊技回における変動表示時間が決定されるため、特別報知が行われ得るようにした構成において特別報知に係る特別情報の内容に応じて各遊技回を消化するのに要する時間が変動してしまうことが抑えられる。
なお、「所定遊技状態」は1種類の遊技状態に限定されることはなく、所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成も含まれる。所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成においては、「移行情報」も複数種類設定するとともに、「移行判定手段」は所定遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させるか否かの移行判定を行う構成とする。
10…パチンコ機、32…可変入賞装置、33…第1始動入球部としての上作動口、34…第2始動入球部としての下作動口、41…図柄表示装置、43…メイン表示部、54…発射ハンドル、81…主制御装置、82…音声ランプ制御装置、96…払出装置、97…払出制御装置、202…MPU、203…ROM、212…表示制御装置、222…振分テーブル記憶エリア、242…MPU、252…MPU、254…ワークRAM、255…VDP、265…保留表示情報設定用エリア、292…保留報知許容用エリア、293…保留報知不可用エリア、Ga…第1保留表示領域、Ra…第1取得情報記憶手段としての第1結果表示部用保留エリア、Rb…第2取得情報記憶手段としての第2結果表示部用保留エリア。