JP2009261172A - 制御装置及びモータ制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電流センサを用いずに、アシストモータに目標トルクを出力させるように駆動電圧を制御する。
【解決手段】モータに供給された駆動電流と目標駆動電流との偏差に基づいて、前記モータに前記目標駆動電流を供給するために印加する駆動電圧を決定する駆動電圧決定手段を有する制御装置は、前記モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記モータに印加された駆動電圧と前記回転速度とに基づいて、前記モータに供給された駆動電流を推定駆動電流として導出する駆動電流推定手段とを有するので、駆動電流を検知しなくてもアシストモータに目標駆動電流を供給するための駆動電圧を求めることができ、アシストモータに目標トルクを出力させることができる。よって、電流センサを省略できる。
【選択図】 図3
【解決手段】モータに供給された駆動電流と目標駆動電流との偏差に基づいて、前記モータに前記目標駆動電流を供給するために印加する駆動電圧を決定する駆動電圧決定手段を有する制御装置は、前記モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記モータに印加された駆動電圧と前記回転速度とに基づいて、前記モータに供給された駆動電流を推定駆動電流として導出する駆動電流推定手段とを有するので、駆動電流を検知しなくてもアシストモータに目標駆動電流を供給するための駆動電圧を求めることができ、アシストモータに目標トルクを出力させることができる。よって、電流センサを省略できる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、モータに印加する駆動電圧を制御する制御装置に関し、特に、モータに供給された駆動電流に基づいて前記駆動電圧を制御する技術に関する。
電動パワーステアリング(以下、EPSという)システムは、運転者がステアリングホイールを操作した際の操舵トルクを補う補助トルクを生成して操舵機構に伝達し、運転者の操舵を補助する。よって、EPSシステムは、操舵トルクを検知するトルクセンサと、補助トルクを出力するアシストモータとを有し、操舵トルクに見合った補助トルクを算出してその出力をアシストモータに指示するモータ制御装置を有する。特許文献1には、かかるモータ制御装置の例が記載されている。
図1は、従来のモータ制御装置の概略構成図を示す。アシストモータ8を制御するモータ制御装置2は、アシストモータ8に駆動電圧を印加するモータ駆動回路22と、操舵トルクに見合った駆動電圧をモータ駆動回路22に指示する制御部40とを有する。
アシストモータ8は、三相交流により駆動されるブラシレスモータであり、U−V−W座標系の三相の駆動電圧により供給される駆動電流に応じたモータトルクを出力する。よって、モータ制御装置2は、アシストモータ8に供給される駆動電流をパラメータとしてアシストモータ8に印加する駆動電圧を制御することで、アシストモータ8に所期の補助トルクを出力させる。
モータ制御装置2の制御部40はマイクロコンピュータで構成され、トルクセンサから入力される操舵トルクに見合った補助トルクを目標トルクとしてマップデータ演算により求める目標トルク算出手段42と、目標トルクを出力するためにアシストモータ8に供給されるべきD−Q座標系の二相の目標駆動電流を求める目標駆動電流算出手段44と、アシストモータ8に印加する電圧を目標駆動電流から算出する駆動電圧決定手段46とを有し、さらに、アシストモータ8の回転角センサ8aから回転子の位置(回転角度)を示す回転角度信号を取得して、回転角度を検出する回転角度検出手段59とを有する。
駆動電圧決定手段46は、D−Q座標系の二相の目標駆動電流からU−V−W座標系の三相の駆動電圧を導出するとともに、回転角度から電機子ごとの駆動電圧の位相を求める。そして、駆動電圧決定手段46は、駆動電圧に対応した交流電圧を直流電圧で形成するためのデューティ比を算出し、算出されたデューティ比を有するPWM(パルス幅変調)信号を指示信号としてモータ駆動回路22に出力する。
すると、モータ駆動回路22は、この指示信号に応答して、車載電源から供給される直流電圧をインバータにより反転させ、2π/3ずつ位相がずれた三相の交流電圧を生成してアシストモータ8の電機子に印加する。すると、電機子を流れる駆動電流により磁界が発生し、永久磁石で構成される回転子が吸引・反発されて回転することで、アシストモータ8は補助トルクを出力する。
モータ駆動回路22のU相、V相、W相それぞれの通電ラインには、アシストモータ8に供給された駆動電流を検知する電流センサ26が接続される。検知された駆動電流(以下、検知駆動電流という)は制御部40に取り込まれて電流座標変換手段58に渡され、電流座標変換手段58は、三相の電流値を二相の電流値に変換し、駆動電圧決定手段46に渡す。
そして、駆動電圧決定手段46は、目標駆動電流と検知駆動電流との偏差を比例積分し、比例積分量がゼロになるように駆動電圧をフィードバック制御する。
特開2006−290127号公報
ところで、上記構成のモータ制御装置においては、アシストモータ8に供給された駆動電流をパラメータとするため、電流センサ26を必要とする。しかし、そのことにより種々の問題が生じる。
第1に、電流センサ26による抵抗損失や発熱に起因して、アシストモータ8の出力が低下するという問題が生じる。具体的には、例えば電流センサ26としてシャント抵抗を用いる場合には、モータ駆動回路22の通電ラインとグランドの間にシャント抵抗を挿入し、シャント抵抗間の電位差を検知することでアシストモータ8に供給された駆動電流を検知するため、抵抗損失によりアシストモータ8に供給される駆動電流が低下する。また、抵抗損失により熱が発生したときに、モータ駆動回路22が過熱保護動作を実装している場合には、モータ駆動回路22がアシストモータ8への駆動電流を制限する。このように駆動電流が低下することにより、アシストモータ8の出力が低下する。
さらに、上記構成では、三相交流をパルス幅変調した直流により実現するので、検知された駆動電流をデジタルの電圧信号としてサンプリングして制御部40に取り込む際に、サンプリングのタイミングでは必ずすべての相の電圧をHiレベルに保つ必要がある。すると、サンプリングのタイミングによっては、トルクを最大化するようなデューティ比の駆動電流を供給できず、モータ出力の低下を招く。
第2に、電流センサ自体と、これに付随する部品点数の増加により装置の大型化とコスト高を招くという問題がある。具体的には、電流センサ26としてシャント抵抗を用いる場合には、シャント抵抗に加え、シャント抵抗が検知する微小駆動電流から高周波ノイズを除去するためのローパスフィルタが必要となる。また、検知した駆動電流をモータ制御装置2に取り込むためのAD変換器が必要となる。さらに、三相の駆動電流を二相に変換する際に、各相の駆動電流の同時性を確保するためのサンプルホールド回路が必要となる。あるいは、電流センサ26として、シャント抵抗の代わりにホールセンサをモータハーネスに直列接続して用いる場合には、さらにコスト高となる。
そこで、本発明の目的は、電流センサを用いなくても、アシストモータに目標トルクを出力させるように駆動電圧を制御する制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面における制御装置は、モータに供給された駆動電流と目標駆動電流との偏差に基づいて、前記モータに前記目標駆動電流を供給するために印加する駆動電圧を決定する駆動電圧決定手段と、前記モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記モータに印加された駆動電圧と前記回転速度とに基づいて、前記モータに供給された駆動電流を推定駆動電流として導出する駆動電流推定手段とを有することを特徴とする。
上記側面によれば、前記モータに印加された駆動電圧と回転速度とに基づいて、前記モータに供給された駆動電流を導出する駆動電流推定手段を有するので、駆動電流を検知しなくても、アシストモータに目標駆動電流を供給するための駆動電圧を求めることができ、アシストモータに目標トルクを出力させることができる。よって、電流センサを省略でき、電流センサを用いることに起因するアシストモータの出力低下、装置規模の大型化やコスト高を回避できる。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
図2は、本発明にかかるモータ制御装置が適用されるEPSシステムの構成を示す図である。このEPSシステムは、運転者がステアリングホイール1を操作した際の操舵トルクを補って操舵輪17の転舵を行い、運転者の操舵を補助する。
ステアリングホイール1は、ステアリング軸3の上端と固着される。ステアリング軸3の下端は、トルクセンサ4の上端と接続される。トルクセンサ4は、トーションバー4aを含んで構成される。
運転者がステアリングホイール1を操作してステアリング軸3が回転すると、トーションバー4aに捩れが生じるので、トルクセンサ4は、その捩れ度合及びトーションバー4aのばね定数からトーションバー4aに加えられた操舵トルクをトルク電圧として検出する。トルクセンサ4で検出されたトルク電圧を示す信号は、モータ制御装置2に出力される。
トルクセンサ4の下端は、減速ギヤ6を介してピニオン軸10の上端と接続される。減速ギヤ6は歯車等によって構成され、アシストモータ8に取り付けられる。
モータ制御装置2は、操舵トルクに応じた補助トルクをアシストモータ8に出力させるように、アシストモータ8に駆動電圧を印加する。その結果、アシストモータ8が出力するトルクが減速ギア6を介して所定の比率でピニオン軸10へ伝達される。
ピニオン軸10の下端はラックピニオン機構12に接続され、ラックピニオン機構12でピニオン軸10の回転がラック軸14の軸線方向の運動に変換される。また、ラック軸14はタイロッド15及びナックルアーム16を介して操舵輪17に接続されている。よって、ピニオン軸10が回転すると、ラック軸14が軸線方向に動き、それによって操舵輪17の転舵が行われる。
以下では、モータ制御装置2の実施形態について説明する。
[1]第1の実施形態
図3は、第1の実施形態におけるモータ制御装置の構成を示す図である。図1で示した構成と重複する箇所には同じ符号を付す。
図3は、第1の実施形態におけるモータ制御装置の構成を示す図である。図1で示した構成と重複する箇所には同じ符号を付す。
モータ制御装置2は、アシストモータ8に駆動電圧を印加するモータ駆動回路22と、モータ駆動回路に駆動電圧を指示する制御部40とを有する。なお、以下の説明では、モータ制御装置2が本発明における「制御装置」に対応するが、モータ駆動回路22がモータ制御装置22の外部にある場合のモータ制御装置2の構成も「制御装置」に対応する。
アシストモータ8は、三相交流により駆動されるブラシレスモータであり、供給されるU−V−W座標系の三相の駆動電流に応じたモータトルクを出力する。
モータ駆動回路22は、一例として6チャネルのMOSFETを能動素子とし、図示しない車載電源から供給される直流電圧をインバータで反転させるとともにパルス幅変調(PWM)することによりU−V−W座標系の三相の交流電圧を生成し、アシストモータ8の電機子に印加する。
制御部40は、一例として、CPU、ROM、RAMを有するマイクロコンピュータにより構成され、アシストモータ8に供給される三相の駆動電流をパラメータとしてアシストモータ8に印加する駆動電圧を制御する。そして、モータ駆動回路22に駆動電圧の印加を指示することで、アシストモータ8に所期の補助トルクを出力させる。なお、図3では、図1で示した目標トルク算出手段42、目標駆動電流算出手段44は図示を省略する。
駆動電圧決定手段46は、D−Q座標系の目標駆動電流が入力されると、これに基づき駆動電圧を決定する処理を次の各手段により細分化して実行する。電流偏差算出手段48は、後述のフィードバック制御においてD−Q座標系の目標駆動電流とアシストモータ8に供給された駆動電流との偏差を算出する。駆動電圧算出手段50は、駆動電流の偏差に基づき比例積分制御を実行してD−Q座標系の目標駆動電流から、D−Q座標系の駆動電圧を算出する。このとき、アシストモータ8の電機子抵抗、インダクタンス、鎖交磁束は設計により定まっているので、次の公知のモータ電圧方程式(式F1)により、駆動電圧が求められる。なお、式F1における電気角速度は、回転角度検出手段60が検出した回転角度の時間変化から求められる。また、時間tの単位量は、制御周期が適用される。
また、駆動電圧変換手段52は、回転角度検出手段60が検出した回転角度(θ)を用いてD−Q座標系の二相の駆動電圧をU−V−W座標系の三相の駆動電圧に変換する。このとき、次のような公知の変換式(式F2)をU−V−Wの三相について解くことにより、座標系の変換が行われる。
そして、PWM手段54は、U−V−Wの各相で2π/3ずつ位相がずれた交流電圧を形成するデューティ比を有するPWM信号を生成し、駆動電圧指示信号としてモータ駆動回路22に出力する。すると、モータ駆動回路22は、これらの指示信号に応答して、アシストモータ8の電機子に2π/3ずつ位相がずれた交流電圧を印加する。
モータ制御装置2は、アシストモータ8に供給される駆動電流をパラメータとして、目標駆動電流と供給された駆動電流の偏差がなくなるように駆動電圧を制御することで、アシストモータ8に目標トルクを安定して出力させる。このとき、第1の実施形態におけるモータ制御装置2は、アシストモータ8の回転速度を検出して回転速度と駆動電圧から、アシストモータ8に供給された駆動電流を推定し、推定した駆動電流(以下、推定駆動電流という)をパラメータとして駆動電圧のフィードバック制御を行うことを特徴とする。そうすることにより、駆動電流を直接検知することなく駆動電圧を制御できる。よって、電流センサを省略でき、電流センサを用いることに起因するアシストモータ8の出力低下や、装置規模の大型化、コスト高を回避できる。
具体的なフィードバック方法について説明する。
まず、回転速度検出手段60は、回転角度信号が示すアシストモータ8の回転角度の時間変化から、回転速度を算出する。そして、回転速度は、駆動電流推定手段62に入力され、電気角速度に変換される。
駆動電流推定手段62は、D軸・Q軸の駆動電圧の離散値について上述したモータ電圧方程式(式F1)を解く演算を実行し、D軸・Q軸の駆動電流の微分値を変化量とするD軸・Q軸の駆動電流の離散値の数列、id_sim(k)、iq_sim(k)を算出する。かかる数列は、次の式(式F3)に示される。
そして、フィードバックのタイミングに対応したD軸・Q軸の推定駆動電流を算出する。そして、算出された推定駆動電流は電流偏差算出手段48に渡される。
駆動電流偏差算出手段48は、目標駆動電流に対する偏差の比例積分を算出し、比例積分の値がゼロになるD軸・Q軸の駆動電流を算出する。そして、上記の式F1から、D軸・Q軸の駆動電圧を算出する。
図4は、第1の実施形態におけるモータ制御装置2の動作手順を示すフローチャート図である。このフローチャート図は、上述したアシストモータ8のフィードバック制御における、駆動電圧決定手段46に含まれる各手段、及びモータ駆動回路22の動作手順を示す。
まず、電流偏差算出手段48が、D軸・Q軸の目標駆動電流を取得する(S12)。そして、回転速度検出手段60が、回転角度を取得する(S14)。
次に、手順S14で、回転速度検出手段60が回転速度を算出して、駆動電流推定手段62がD軸、Q軸の駆動電流を推定する。そして、電流偏差算出手段48が、D軸、Q軸ごとの目標駆動電流と推定駆動電流との偏差を算出する(S16)。
次に、駆動電圧決定手段50が、比例積分制御により、D軸、Q軸の駆動電圧を算出する。そして、手順S20で、駆動電圧座標変換手段52が、D−Q座標系の駆動電圧をU−V−W座標系の駆動電圧に変換し、PWM手段がU−V−W座標系の駆動電圧に対応した三相のパルス幅変調信号を生成し、指示信号としてモータ駆動回路22に出力する。
そして、モータ駆動回路22が、指示信号に応答して三相のパルス幅変調信号をインバータに印加して、アシストモータ8に三相交流の駆動電圧を印加する(S22)。
上述の説明では、駆動電流推定手段62は、D軸・Q軸の駆動電圧を用いてD軸・Q軸の駆動電流を推定した。そうすることで、D−Q座標系で設定される目標駆動電流との偏差を算出する際に、U−V−W座標系からD−Q座標系への変換を必要とせず、最小限の処理でフィードバック制御を実行できる。しかしながら、第1の実施形態は、U−V−W座標系の駆動電圧、またはU−V−W座標系のパルス幅変調信号を用いてD−Q座標系の駆動電流を推定する場合にも適用できる。その場合においても、電流センサを用いずにアシストモータ8に供給された駆動電流を推定できるので、電流センサを省略することによる作用効果を奏することができる。かかる変形例を次に示す。
図5は、第1の実施形態における変形例の構成例を示す図である。図5の構成は、次の点において図3で示した構成と異なる。すなわち、制御部40は、駆動電圧座標変換手段52からU−V−W座標系の駆動電圧を取得して、これをD−Q座標系の駆動電圧に変換する電圧座標変換手段62aを有する。このとき、電圧座標変換手段62aは、上述した変換式(式F1)をD−Q座標について解くことにより、U−V−W座標系からD−Q座標系への変換を行う。そして、D−Q座標系に変換された駆動電圧が、駆動電流推定手段62に渡される。
そうすることで、駆動電流推定手段62は上述した手順によりD軸、Q軸の駆動電流を導出でき、駆動電圧決定手段46による上述のフィードバック制御を可能にする。
図6は、第1の実施形態における別の変形例の構成例を示す図である。図6の構成は、次の点において図5で示した構成と異なる。すなわち、制御部40は、PWM手段54からU−V−W座標系のPWM指示信号を取得して、これをU−V−W座標系の駆動電圧に変換するPWM信号変換手段62bを有する。このとき、PWM信号変換手段62bは、U−V−W各相に対応するインバータの駆動電圧に各相のデューティ比を乗算して、各相の駆動電圧を算出する。そして、U−V−W座標系の駆動電圧が、電圧座標変換手段62aに渡される。そして、電圧座標変換手段62aによりD−Q座標系に変換された駆動電圧が、駆動電流推定手段62に渡される。
そうすることで、駆動電流推定手段62は上述した手順によりD軸、Q軸の駆動電流を導出でき、駆動電圧決定手段46による上述のフィードバック制御を可能にする。
上述のとおり、第1の実施形態におけるモータ制御装置は、アシストモータに供給された駆動電流を推定することで、電流センサを省略することを可能にする。しかしながら、本発明の適用範囲は、電流センサを有さないモータ制御装置に限定されない。電流センサを用いて駆動電流検知を行うモータ制御装置において、電流センサに異常が生じた場合のフェールセーフのために推定駆動電流を用いることができる。かかる実施形態を次に示す。
[2]第2の実施形態
第2の実施形態では、モータ制御装置は、駆動電流検知手段により検知した駆動電流(以下、検知駆動電流という)が正常であるときには検知駆動電流を用いてフィードバック制御を行い、検知駆動電流に異常が生じたときには、推定駆動電流を用いてフィードバック制御を行う。
第2の実施形態では、モータ制御装置は、駆動電流検知手段により検知した駆動電流(以下、検知駆動電流という)が正常であるときには検知駆動電流を用いてフィードバック制御を行い、検知駆動電流に異常が生じたときには、推定駆動電流を用いてフィードバック制御を行う。
図7は、第2の実施形態におけるモータ制御装置の構成例を示す図である。図1、図3と重複する箇所には図1、図3と同じ符号が付してある。このモータ制御装置2は、駆動電流検知手段として電流センサ26を有し、電流センサ26が検知する駆動電流を制御部40に取り込む一方で、駆動電流推定手段62がアシストモータ8に供給した駆動電流を推定する。そして駆動電流監視手段70は、検知駆動電流を監視して正常・異常の判断を行う。例えば、想定される範囲で検知駆動電流が推移する場合には正常と判断し、検知駆動電流が一定値に固着した場合には異常と判断する。そして、異常と判断したときには、駆動電流切替手段72に切替要求信号を送る。
駆動電流切替手段72は、検知駆動電流が正常のときには、検知駆動電流を電流偏差算出手段48に渡し、検知駆動電流に異常が生じたときには、推定駆動電流を電流偏差算出手段48に渡す。このとき、駆動電流切替手段72は、検知駆動電流から推定駆動電流を漸近させることで、パラメータの連続性を保つ。また、検知駆動電流が正常復帰したことが検知されたときには、検知駆動電流を電流偏差算出手段48に渡す処理に切り替える。
図8は、第2の実施形態の変形例を示す図である。図8は、図7で示した駆動電流監視手段70と駆動電流切替手段72とが駆動電流監視・切替手段73として一体化された構成を示す。図8の構成では、駆動電流監視・切替手段73は、検知駆動電流と推定駆動電流とを比較し、差が一定未満のときは検知駆動電流が正常であると判断し、検知駆動電流を電流偏差算出手段48に渡す。そして、差が一定以上のときは検知駆動電流に異常が生じたと判断し、推定駆動電流を電流偏差算出手段48に渡す。
このような構成により、モータ制御装置2は、検知駆動電流が正常であるときには検知駆動電流に基づくフィードバック制御を行い、検知駆動電流に異常が生じたときには、推定駆動電流に基づくフィードバック制御を行うことで、電流センサに異常が生じたときのフェールセーフ性能を向上させることができる。
この構成によれば、モータ制御装置2は、電流センサ26の動作異常を検知駆動電流の異常として検出し、フェールセーフを実行することができる。しかし、モータ制御装置2の制御部40自体の動作異常を検出するためには、その動作を監視する制御部(マイクロコンピュータ)を別に設ける必要がある。次に、かかる実施形態について説明する。
[3]第3の実施形態
第3の実施形態では、モータ制御装置は1つの制御部で検知駆動電流を用いてフィードバック制御を行い、他の制御部が推定駆動電流に基づき制御動作を監視する。
第3の実施形態では、モータ制御装置は1つの制御部で検知駆動電流を用いてフィードバック制御を行い、他の制御部が推定駆動電流に基づき制御動作を監視する。
図9は、第3の実施形態におけるモータ制御装置の構成例を示す図である。第3の実施形態では、検知駆動電流を用いてフィードバック制御を行う制御部40の動作を監視する制御部40bが追加される。
制御部40bは、目標駆動電流算出手段44と、電流偏差算出手段48と、駆動電圧算出手段50と、回転角度検出手段60と、駆動電流推定手段62とを有する。そして、制御部40、40bは通信インターフェース80を介してデータ通信可能に構成される。
制御部40bは、さらに駆動電流監視手段70を有する。駆動電流監視手段70は、通信インターフェース80を介して制御部40から検知駆動電流を取得する。そして、駆動電流監視手段70は、検知駆動電流と推定駆動電流の差が一定未満のときは、制御部40の駆動電圧決定46により算出された結果が正常であると判断する。すなわち、制御部40は正常に動作している。一方、差が一定以上のときは、制御部40の駆動電圧決定46により算出された結果が異常であると判断する。この場合、制御部40が誤動作したことにより算出結果が誤っている可能性がある。
よって、かかる場合のフェールセーフ処理として、駆動電流監視手段70は、制御部40からモータ駆動回路22への指示信号ラインを開閉するスイッチSW1を開放する制御信号を出力して、制御部40からモータ駆動回路22への指示信号の入力を停止させる。そうすることで、モータ制御装置2がアシストモータ8を誤って制御することを防止できる。
上述の説明におけるモータ制御装置は、EPSだけでなく、モータの駆動電流をパラメータとしてモータに一定トルクを出力させるための駆動電圧を決定する制御装置に適用できる。
以上、説明したとおり、本発明によれば、駆動電流センサを用いずに、アシストモータに目標トルクを出力させるように駆動電圧を制御することができる。さらに、駆動電流センサを用いてモータを制御する制御装置のフェールセーフ性能を向上させることができる。
2:モータ制御装置、8:アシストモータ、40:制御部、22:モータ駆動回路、46:駆動電圧決定手段、62:駆動電流推定手段
Claims (7)
- モータに供給された駆動電流と目標駆動電流との偏差に基づいて、前記モータに前記目標駆動電流を供給するために印加する駆動電圧を決定する駆動電圧決定手段と、
前記モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
前記モータに印加された駆動電圧の時間変化と前記回転速度の時間変化とに基づいて、前記モータに供給された駆動電流を推定駆動電流として導出する駆動電流推定手段とを有する制御装置。 - 請求項1において、
前記駆動電圧決定手段は、第1の座標系における目標電流に基づき当該第1の座標系における駆動電圧を導出した後、当該第1の座標系における駆動電圧に対応する第2の座標系における駆動電圧を決定し、
前記駆動電流推定手段は、前記第1の座標系における駆動電圧に基づいて、当該第1の座標系における推定駆動電流を導出することを特徴とする制御装置。 - 請求項2において、
前記駆動電流推定手段は、モータ電圧方程式を用いて、前記第1の座標系における駆動電圧の離散値から当該第1の座標系における前記推定駆動電流の離散値を導出することを特徴とする制御装置。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記駆動電圧決定手段が決定した駆動電圧を前記モータに印加するモータ駆動回路を有することを特徴とする制御装置。 - 請求項1において、
前記モータの駆動電流を検知する駆動電流検知手段と、
前記検知された検知駆動電流が正常のときには、前記駆動電圧決定手段に前記検知駆動電流に基づいて前記駆動電圧を決定させ、前記検知駆動電流が異常のときには、前記駆動電圧決定手段に前記推定駆動電流に基づいて前記駆動電圧を決定させる駆動電流監視手段を有することを特徴とする制御装置。 - モータに供給された駆動電流を検知し、前記検知された検知駆動電流と目標駆動電流との偏差に基づいて、前記モータに目標駆動電流を供給するために印加する第1の駆動電圧を決定する第1の制御部と、
前記目標駆動電流から第2の駆動電圧を導出し、前記第2の駆動電圧と前記モータの回転速度とに基づいて前記モータに供給された駆動電流を推定し、前記推定された推定駆動電流と前記第1の制御部から取得した検知駆動電流との相違に基づいて前記検知駆動電流の異常を検出する第2の制御部とを有し、
前記第2の制御部は、前記検知駆動電流が異常のときには、前記第1の制御部から前記モータに対する前記第1の駆動電圧を指示する指示信号の出力を停止させることを特徴とする制御装置。 - モータに供給された駆動電流と目標駆動電流との偏差に基づいて、前記モータに前記目標駆動電流を供給するために印加する駆動電圧を決定する駆動電圧決定工程と、
前記モータの回転速度を検出する回転速度検出工程と、
前記モータに印加された駆動電圧と前記回転速度とに基づいて、前記駆動電流を導出する駆動電流推定工程とを有する前記モータの制御方法。
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