JP2009260835A - 過電流保護回路及びd級アンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、D級アンプの破壊を防止する。
【解決手段】本発明は、PWM信号S22A及び当該PWM信号S22Aの波形が反転したPWM信号S22Bと、パルス信号S31とをそれぞれ合成することによりPWM出力信号S24A及びS24Bを生成し、電流検出部132によってD級アンプIC105へ流れる電流を電圧として検出し、また出力段112から出力されるPWM出力信号S25Aの電圧、及び出力段113から出力されるPWM出力信号S25Bの電圧を検出することにより、過電流が信号処理部111又はアンプ制御部114へ流れているか否かを検出し、過電流を検出するとバッテリ2から信号処理部111及びアンプ制御部114と出力段112及び出力段113とへ流れる電流を遮断することにより、D級アンプIC105の破壊を未然に防止することができる。
【選択図】図2
【解決手段】本発明は、PWM信号S22A及び当該PWM信号S22Aの波形が反転したPWM信号S22Bと、パルス信号S31とをそれぞれ合成することによりPWM出力信号S24A及びS24Bを生成し、電流検出部132によってD級アンプIC105へ流れる電流を電圧として検出し、また出力段112から出力されるPWM出力信号S25Aの電圧、及び出力段113から出力されるPWM出力信号S25Bの電圧を検出することにより、過電流が信号処理部111又はアンプ制御部114へ流れているか否かを検出し、過電流を検出するとバッテリ2から信号処理部111及びアンプ制御部114と出力段112及び出力段113とへ流れる電流を遮断することにより、D級アンプIC105の破壊を未然に防止することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、過電流保護回路及びD級アンプに関し、例えばパルス幅変調(以下、これをPWM(Pulse Width Modulation)と呼ぶ。)方式のD級アンプを搭載したカーオーディオ装置に適用して好適なものである。
従来、D級アンプにおいては、所定の外部機器から供給された音声信号をPWM方式に変換し、その結果得られたPWM信号をスイッチング素子により増幅し、その増幅されたPWM信号をローパスフィルタを介してスピーカへ出力することにより、当該スピーカからPWM信号に基づく音声を出力するようになされている。
このようなD級アンプのなかには、例えばユーザによるスピーカケーブルの誤接続やスピーカの破壊等によりスピーカがショートした場合に発生する過電流からD級アンプのスイッチング素子を保護するため、電源からスイッチング素子へ流れる電流と、スピーカに印加される電圧とを検出するようになされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
このD級アンプでは、電源からスイッチング素子へ流れる電流が所定の閾値より大きく、かつスピーカに印加される電圧が低い場合、当該スピーカへ過電流が流れているものと判断してスイッチング素子に流れる電流を低減することにより、当該スイッチング素子の破壊を防止することができる。
特開2007-74119公報
ところで上述したD級アンプでは、スイッチング素子を介して電源からスピーカへ大きな電流を流すことにより、PWM信号を増幅するようになされており、通常スピーカへ供給する電流値より大きな値の閾値が設定されている。
そのためD級アンプでは、例えば静電破壊等によって当該D級アンプ内に設けられたスイッチング素子以外の構成部品へ閾値より小さな過電流が流れた場合、その過電流を検出することができないため、その過電流による当該D級アンプの破壊を防止することができないという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、D級アンプの破壊を確実に防止し得る過電流保護回路及びD級アンプを提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、所定のパルス信号と所定の第1パルス幅変調信号とを合成することにより第1合成信号を生成し、また第1パルス幅変調信号とは逆位相の第2パルス幅変調信号とパルス信号とを合成することにより第2合成信号を生成する信号処理部と、第1合成信号に基づいてスイッチング動作し、第1合成信号を所定レベルの第1出力信号に増幅する第1出力段と、当該第1出力段とBTL接続され、第2合成信号に基づいてスイッチング動作し、第2合成信号を所定レベルの第2出力信号に増幅する第2出力段とを具えるアンプ部に対して、所定の電源からアンプ電流が供給されていることを検出する電流検出部と、アンプ電流が供給されていないことを示す第1出力信号及び第2出力信号が第1出力段及び第2出力段から出力されたことを検出したときであって、かつ電流検出部により所定の電流値以上の基準アンプ電流が供給されていることを検出したとき、アンプ部における信号処理部へ過電流が流れた異常であると判断する異常判断部と、電源とアンプ部との間に設けられ、異常判断部により異常であると判断された場合、電源とアンプ部とを電気的に遮断するスイッチ部とを設けるようにした。
これにより、電源から信号処理部へ所定の電流値より大きな過電流が流れ、かつ第1出力段及び第2出力段へ電流が流れていないとき、第1出力段及び第2出力段以外の構成部品に過電流が流れた異常状態であるものとして、アンプ部に供給される電力を遮断することにより、アンプ部へ過電流が流れることを防止することができる。
さらに本発明においては、所定のパルス信号と所定の第1パルス幅変調信号とを合成することにより第1合成信号を生成し、また第1パルス幅変調信号とは逆位相の第2パルス幅変調信号とパルス信号とを合成することにより第2合成信号を生成する信号処理部と、第1合成信号に基づいてスイッチング動作し、第1合成信号を所定レベルの第1出力信号に増幅する第1出力段と、当該第1出力段とBTL接続され、第2合成信号に基づいてスイッチング動作し、第2合成信号を所定レベルの第2出力信号に増幅する第2出力段とを具えるアンプ部と、アンプ部に対して所定の電源からアンプ電流が供給されていることを検出する電流検出部と、アンプ電流が供給されていないことを示す第1出力信号及び第2出力信号が第1出力段及び第2出力段から出力されたことを検出したときであって、かつ電流検出部により所定の電流値以上の基準アンプ電流が供給されていることを検出したとき、アンプ部における信号処理部へ過電流が流れた異常であると判断する異常判断部と、電源とアンプ部との間に設けられ、異常判断部により異常であると判断された場合、電源とアンプ部とを電気的に遮断するスイッチ部とを具える過電流保護回路とを設けるようにした。
これにより、電源から信号処理部へ所定の電流値より大きな過電流が流れ、かつ第1出力段及び第2出力段へ電流が流れていないとき、第1出力段及び第2出力段以外の構成部品に過電流が流れた異常状態であるものとして、アンプ部に供給される電力を遮断することにより、アンプ部へ過電流が流れることを防止することができる。
さらに本発明については、第1パルス幅変調信号、及び第1パルス幅変調信号に対して逆位相の第2パルス幅変調信号を生成する信号処理部と、第1パルス幅変調信号に基づいてスイッチング動作し、第1パルス幅変調信号を所定レベルの第1出力信号に増幅する第1出力段と、第1出力段とBTL接続され、第2パルス幅変調信号に基づいてスイッチング動作し、第2パルス幅変調信号を所定レベルの第2出力信号に増幅する第2出力段とを具えるアンプ部に対して、所定の電源からのアンプ電流が供給されていることを検出する電流検出部と、アンプ電流が供給されていないことを示す第1出力信号及び第2出力信号を第1出力段及び第2出力段から出力されたことを検出したときであって、かつ電流検出部により所定の電流値以上のアンプ電流が供給されていることを検出したとき、アンプ部における信号処理部へ過電流が流れた異常であると判断する異常判断部と、電源とアンプ部との間に設けられ、異常判断部により異常であると判断された場合、電源とアンプ部とを電気的に遮断するスイッチ部とを設けるようにした。
これにより、電源から信号処理部へ所定の電流値より大きな過電流が流れ、かつ第1出力段及び第2出力段へ電流が流れていないとき、第1出力段及び第2出力段以外の構成部品に過電流が流れた異常状態であるものとして、アンプ部に供給される電力を遮断することにより、アンプ部へ過電流が流れることを防止することができる。
本発明によれば、電源から信号処理部へ所定の電流値より大きな過電流が流れ、かつ第1出力段及び第2出力段へ電流が流れていないとき、第1出力段及び第2出力段以外の構成部品に過電流が流れた異常状態であるものとして、アンプ部に供給される電力を遮断することにより、アンプ部へ過電流が流れることを防止することができ、かくしてD級アンプの破壊を防止し得る過電流保護回路及びD級アンプを実現できる。
以下に、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)カーオーディオ装置の構成
図1に示すように、カーオーディオ装置100は、図示しない車両に取り付けられており、バッテリ2から電源電力の供給を受けて動作し、CPU(Central Processing Unit)構成でなるマイクロコンピュータ4が全体を統括制御するようになされている。
図1に示すように、カーオーディオ装置100は、図示しない車両に取り付けられており、バッテリ2から電源電力の供給を受けて動作し、CPU(Central Processing Unit)構成でなるマイクロコンピュータ4が全体を統括制御するようになされている。
このカーオーディオ装置100は、バッテリ2から電源電力の供給を受けて動作し、CPU構成でなるマイクロコンピュータ4が全体を統括制御するようになされている。
カーオーディオ装置100では、CD(Compact Disc)プレーヤ6によるCDメディアの再生や、ラジオチューナ7によるラジオ放送の受信等によって得られた音声信号S1をD級アンプIC(Integrated Circuit)105へ送出する。
D級アンプIC105では、いわゆるBTL(Bridge Effect Transistor)回路が形成されており、CDプレーヤ6及びラジオチューナ7から供給された音声信号S1をPWM方式に変換した後に増幅し、その結果得られたPWM出力信号S25Aをローパスフィルタ8へ送出すると共に、当該PWM出力信号S25Aの波形が反転したPWM出力信号S25Bをローパスフィルタ9へ送出する。
そしてカーオーディオ装置100では、ローパスフィルタ8によりD級アンプIC105から供給されたPWM出力信号S25Aの高周波成分を除去し、ローパスフィルタ9によりD級アンプIC105から供給されたPWM出力信号S25Bの高周波成分を除去し、その結果得られる音声信号S26A及びS26Bの電位差に応じた音声をスピーカ3から出力する。
このようにしてカーオーディオ装置100は、CD再生出力、ラジオ放送の受信出力等を行うようになされており、CDやラジオ等の音声をユーザに聴取させ得るようになされている。
(2)D級アンプICの回路構成
図2に示すように、D級アンプIC105は、電源入力端子105Aを介してバッテリ2から電源電力の供給を受け動作するようになされており、CDプレーヤ6及びラジオチューナ7から音声信号S1が音声入力端子105Fを介して供給されると、当該音声信号S1を信号処理部111のプリアンプ121へ入力する。
図2に示すように、D級アンプIC105は、電源入力端子105Aを介してバッテリ2から電源電力の供給を受け動作するようになされており、CDプレーヤ6及びラジオチューナ7から音声信号S1が音声入力端子105Fを介して供給されると、当該音声信号S1を信号処理部111のプリアンプ121へ入力する。
プリアンプ121は、CDプレーヤ6及びラジオチューナ7から供給された音声信号S1を増幅し、その増幅した音声信号S21をPWM生成回路122へ送出する。
PWM生成回路122は、プリアンプ121から供給された音声信号S21と、三角波発生器123により生成され、音声信号S21よりも十分に周波数の高い例えば100[kHz]の三角波とを比較することにより図3(A)に示すようなPWM信号S22Aを生成し、当該PWM信号S22AをOR回路126A及び論理否定回路125へ送出する。
論理否定回路125は、図3(B)に示すように、PWM生成回路122から供給されたPWM信号S22Aの波形を反転させ、その結果得られるPWM信号S22BをOR回路126Bに送出する。
ところでパルス発生器130(図2)は、図3(C)に示すように、例えばPWM周期の2周期毎に当該PWM周期の20%に相当する時間(20[μs])だけ「High」レベルとなるパルス信号S31を生成し、当該パルス信号S31をOR回路126A及び126Bへ送出する。
OR回路126Aは、PWM生成回路122から供給されたPWM信号S22A(図3(A))と、パルス発生器130から供給されたパルス信号S31(図3(C))との論理和をとり、その結果得られる図3(D)に示すようなPWM信号S23Aをゲートドライバ124に送出する。
またOR回路126Bは、論理否定回路125から供給されたPWM信号S22B(図3(B))と、パルス発生器130から供給されたパルス信号S31(図3(C))との論理和をとり、その結果得られる図3(E)に示すようなPWM信号S23Bをゲートドライバ124に送出する。
ゲートドライバ124(図2)は、OR回路126Aから供給されたPWM信号S23Aを、出力段112を動作させるために必要な電圧レベルに増幅し、その増幅したPWM信号S24A(図3(D))を出力段112へ送出すると共に、OR回路126Bから供給されたPWM信号S23Bを、出力段113を動作させるために必要な電圧レベルに増幅し、その増幅したPWM信号S24B(図3(E))を出力段113へ送出する。
出力段112は、スイッチング素子であるPチャンネルMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)112A及びNチャンネルMOS−FET112Bによって構成されており、PチャンネルMOS−FET112A及びNチャンネルMOS−FET112Bがそれぞれ交互にスイッチング動作することにより、ゲートドライバ124から供給されたPWM信号S24Aを増幅し、その増幅したPWM出力信号S25AをPWM出力端子105Nを介してローパスフィルタ8へ出力する。
また出力段113は、出力段112と同様に、スイッチング素子であるPチャンネルMOS−FET113A及びNチャンネルMOS−FET113Bによって構成されており、PチャンネルMOS−FET113A及びNチャンネルMOS−FET113Bがそれぞれ交互にスイッチング動作することにより、ゲートドライバ124から供給されたPWM信号S24Bを増幅し、その増幅したPWM出力信号S25BをPWM出力端子105Lを介してローパスフィルタ9へ出力する。
ところでアンプ制御部114の自己診断回路127は、D級アンプIC105の温度等を検出するようになされており、例えばD級アンプIC105が所定温度以上の高温になったことを検出すると、インタフェース129及び入出力端子105Hを介してマイクロコンピュータ4へ温度検出信号を出力すると共に、保護回路128へ当該温度検出信号を送出する。
保護回路128は、自己診断回路127から温度検出信号が供給された場合、或いはマイクロコンピュータ4から制御命令が供給された場合、当該温度検出信号及び制御命令に応じて、信号処理部111を停止させたり、信号処理部111のゲインを落とすことにより、D級アンプIC105の温度上昇を抑制し得るようになされている。
(3)過電流保護回路の構成
かかる構成に加えてD級アンプIC105は、過電流保護回路131を有している。この過電流保護回路131は、信号処理部111、出力段112、出力段113及びアンプ制御部114へ供給される電流を電圧として検出するための導線抵抗部141、抵抗142、抵抗143及びコンパレータ144でなる電流検出部132と、信号処理部111及びアンプ制御部114への過電流を検出するための異常検出部133と、異常検出部133により過電流が検出された際、信号処理部111、出力段112、出力段113及びアンプ制御部114へ流れる電流を遮断するためのスイッチ134と、過電流の誤検出を防止するためのスパイク防止回路135とにより構成されている。
かかる構成に加えてD級アンプIC105は、過電流保護回路131を有している。この過電流保護回路131は、信号処理部111、出力段112、出力段113及びアンプ制御部114へ供給される電流を電圧として検出するための導線抵抗部141、抵抗142、抵抗143及びコンパレータ144でなる電流検出部132と、信号処理部111及びアンプ制御部114への過電流を検出するための異常検出部133と、異常検出部133により過電流が検出された際、信号処理部111、出力段112、出力段113及びアンプ制御部114へ流れる電流を遮断するためのスイッチ134と、過電流の誤検出を防止するためのスパイク防止回路135とにより構成されている。
実際上、過電流保護回路131の電流検出部132は、リードフレームでなる電源入力端子105A、電源入力端子105Aのリードフレーム及び導線による導線抵抗を利用した導線抵抗部141(約10[mΩ])がバッテリ2とスイッチ134との間に設けられている。
また電流検出部132では、バッテリ2に対して電源入力端子105Aと並列接続された電源入力端子105Bを介して抵抗142及び抵抗143が直列接続されており、抵抗142及び抵抗143をそれぞれ抵抗値10[Ω]及び抵抗値12[kΩ]に設定するようになされている。
これにより電流検出部132では、バッテリ2の電圧が12[V]であるため、抵抗142及び抵抗143に対して約1[mA]の電流が流れ、抵抗142と抵抗143との接続点P12に接続されたコンパレータ144の反転入力端子に対して、過電流を検出するための11.99[V]の基準電圧を印加するようになされている。
コンパレータ144は、非反転入力端子が導線抵抗部141とスイッチ134との接続点P11に接続され、反転入力端子が抵抗142と抵抗143との接続点P12に接続されている。
このコンパレータ144は、接続点P11の電圧が接続点P12の電圧(11.99[V])より大きい場合、すなわち導線抵抗部141に1[A]未満の電流しか流れておらず、当該導線抵抗部141の両端に0.01[V]より小さい電位差しか生じないとき、出力端子から「High」レベルの出力信号S41を出力する。
またコンパレータ144は、接続点P11の電圧が接続点P12の電圧(11.99[V])より小さい場合、すなわち導線抵抗部141に1[A]より大きな電流が流れ、当該導線抵抗部141の両端に0.01[V]より大きな電位差が生じたとき、出力端子から「Low」レベルの出力信号S41を出力する。
異常検出部133は、コンパレータ144から出力された出力信号S41と、出力段112から出力されたPWM出力信号S25Aと、出力段113から出力されたPWM出力信号S25Bとをそれぞれ反転した後、当該反転した出力信号S41とPWM出力信号S25AとPWM出力信号S25Bとの論理積をとり、その結果得られる「Low」レベル又は「High」レベルの検出信号S42をスパイク防止回路135経由の検出信号S43としてスイッチ134へ出力する。
スイッチ134は、異常検出部133及びスパイク防止回路135を介して「Low」レベルの検出信号S43が供給されていると、過電流等の異常が発生していない正常状態であるものとして、当該スイッチ134をオンし続け、バッテリ2から信号処理部111及びアンプ制御部114と出力段112及び出力段113とへ電流を流すようになされている。
一方スイッチ134は、異常検出部133及びスパイク防止回路135を介して「High」レベルの異常検出信号S43が供給されると、過電流等が発生した異常状態であるものとして、当該スイッチ134をオフし、バッテリ2から信号処理部111及びアンプ制御部114と出力段112及び出力段113とへの電力供給を遮断するようになされている。
因みにD級アンプIC105では、導線抵抗部141(約10[mΩ])を介して信号処理部111及びアンプ制御部114に約1[mA]程度の電流が流れたとき、当該信号処理部111及びアンプ制御部114が動作するようになされているが、この電流は無視できるほど小さいため0[A]とみなすことができ、またこの電流による導線抵抗部141の両端に生じる電位差は無視できるほど小さい10[μV]であるため、0[V]とみなすことができる。
ところで図3に示したように、D級アンプIC105では、ゲートドライバ124から出力段112に入力される「High」レベル又は「Low」レベルのPWM信号S24Aと、出力段113に入力される「High」レベル又は「Low」レベルのPWM信号S24Bとの組み合わせが全部で3種類ある。以下、過電流等の異常が発生していない正常状態におけるそれぞれの場合について説明する。
まずD級アンプIC105では、ゲートドライバ124から出力段112へ供給されるPWM信号S24A(図3(D))が「High」レベルでかつ出力段13へ供給されるPWM信号S24B(図3(E))が「Low」レベルのとき、出力段112のPチャンネルMOS−FET112Aがオフするので当該出力段112へ電流が流れない一方、出力段113のPチャンネルMOS−FET113Aがオンするので導線抵抗部141及びスイッチ134を介して当該出力段113へ10[A]の電流が流れる。
このとき電流検出部132は、図4(A)に示すように、バッテリ2の電圧(12[V])から導線抵抗部141の両端に生じる0.1[V]の電位差分だけ降圧した11.9[V]の電圧が接続点P11に印加することになる。
従ってコンパレータ144は、図4(B)に示すように、接続点P11の電圧(11.9[V])が接続点P12の基準電圧(11.99[A])より小さくなるので、「Low」レベルの出力信号S41を出力することになる。
また出力段112は、図4(C)に示すように、PチャンネルMOS−FET112Aがオフし、かつNチャンネルMOS−FET112Bがオンしているため、当該出力段112の出力側がグランド端子105Iを介して接地するので、「Low」レベルのPWM出力信号S25Aを出力する。
さらに出力段113は、図4(D)に示すように、PチャンネルMOS−FET113Aがオンし、かつNチャンネルMOS−FET113Bがオフしているため、接続点P11と同じ電圧の「High」レベルのPWM出力信号S25Bを出力する。
そして図4(E)に示すように、異常検出部133は、コンパレータ144から「Low」レベルの出力信号S41、出力段112から「Low」レベルのPWM出力信号S25A、及び出力段113から「High」レベルのPWM出力信号S25Bを受け取ると、正常状態であるものとして「Low」レベルの異常検出信号S42を出力する。
次にD級アンプIC105では、ゲートドライバ124から出力段112へ供給されるPWM信号S24A(図3(D))が「Low」レベルでかつ出力段113へ供給されるPWM信号S24B(図3(E))が「High」レベルのとき、出力段112のPチャンネルMOS−FET112Aがオンするので導線抵抗部141及びスイッチ134を介して当該出力段112へ10[A]の電流が流れる一方、出力段113のPチャンネルMOS−FET113Aがオフするので当該出力段113へ電流が流れない。
このとき電流検出部132は、導線抵抗部141に10[A]の電流が流れるので、バッテリ2の電圧(12[V])から導線抵抗部141の両端に生じる0.1[V]の電位差分だけ降圧した11.9[V]の電圧が接続点P11に印加することになる。
従ってコンパレータ144は、接続点P11の電圧(11.9[V])が接続点P12の基準電圧(11.99[A])より小さくなるので、「Low」レベルの出力信号S41(図4(B))を出力することになる。
また出力段112は、PチャンネルMOS−FET112Aがオンし、かつNチャンネルMOS−FET112Bがオフしているため、接続点P11と同じ電圧の「High」レベルのPWM出力信号S25A(図4(C))を出力する。
さらに出力段113は、PチャンネルMOS−FET113Aがオフし、かつNチャンネルMOS−FET113Bがオンしているため、当該出力段113の出力側がグランド端子105Iを介して接地するので、「Low」レベルのPWM出力信号S25B(図4(D))を出力する。
そして異常検出部133は、コンパレータ144から「Low」レベルの出力信号S41、出力段112から「High」レベルのPWM出力信号S25A、及び出力段113から「High」レベルのPWM出力信号S25Bを受け取ると、正常状態であるものとして「Low」レベルの異常検出信号S42(図4(E))を出力する。
次にD級アンプIC105では、パルス発生器130により生成されたパルス信号S31(図3(C))をパルス信号S22A(図3(A))及びS22B(図3(B))に合成したことにより、ゲートドライバ124から出力段112へ入力されるPWM信号S24A(図3(D))、及び出力段113へ供給されるPMW信号S24B(図3(E))が共に「High」レベルとなるのとき、出力段112のPチャンネルMOS−FET112Aがオフし、かつ出力段113のPチャンネルMOS−FET113Aもオフするので、出力段112及び出力段113へ電流が流れない。
このとき電流検出部132は、導線抵抗部141に電流が流れないため、接続点P11に対してバッテリ2の電圧(12[V])がそのまま印加することになる。
従ってコンパレータ144は、接続点P11の電圧(12[V])が接続点P12の基準電圧(11.99[A])より大きくなるので、「High」レベルの出力信号S41(図4(B))を出力することになる。
また出力段112は、PチャンネルMOS−FET112Aがオフし、かつNチャンネルMOS−FET112Bがオンしているため、当該出力段112の出力側がグランド端子105Iを介して接地するので、「Low」レベルのPWM出力信号S25A(図4(C))を出力する。
さらに出力段113は、PチャンネルMOS−FET113Aがオフし、かつNチャンネルMOS−FET113Bがオンしているため、当該出力段113の出力側がグランド端子105Iを介して接地するので、「Low」レベルのPWM出力信号S25B(図4(D))を出力する。
そして異常検出部133は、コンパレータ144から「High」レベルの出力信号S41、出力段112から「Low」レベルのPWM出力信号S25A、及び出力段113から「Low」レベルのPWM出力信号S25Bを受け取ると、正常状態であるものとして「Low」レベルの異常検出信号S42(図4(E))を出力する。
このようにD級アンプIC105では、パルス発生器130により生成されたパルス信号S31(図3(C))と、パルス信号S22A(図3(A))及びS22B(図3(B))とをOR回路126A及び126Bによって合成したことにより、出力段112及び出力段113のPチャンネルMOS−FET112A及び113Aが共にオフし、出力段112から出力されたPWM出力信号S25A、及び出力段113から出力されたPWM出力信号S25Bが共に「Low」レベルとなるタイミングを生成することができ、そのとき導線抵抗部141に電流が流れず、コンパレータ144から「High」レベルの出力信号S41を出力することになる。
以上のように異常検出部133は、出力段112及び出力段113の一方に導線抵抗部141及びスイッチ134を介して10[A]の電流が流れたとき、又は出力段112及び出力段113に電流が流れておらず、かつ導線抵抗部141にも電流が流れていないとき、正常状態であるものとして、常に「Low」レベルの異常検出信号S42を出力する。
そしてスイッチ134は、異常検出部133及びスパイク防止回路135を介して「Low」レベルの検出信号S43が供給されていると、当該スイッチ134をオンし続け、バッテリ2から信号処理部111及びアンプ制御部114と出力段112及び出力段113とへ電流を流すようになされている。
ところでD級アンプIC1055では、ローパスフィルタ8及び9の影響により出力段112及び出力段113の出力側の電圧の立ち上り及び立ち下がりの応答が遅れたり、当該電圧の立ち上り及び立ち下がり勾配が急峻でない場合がある。
この場合、D級アンプIC105では、出力段112のPチャンネルMOS−FET112Aのオンオフ動作、及び出力段113のPチャンネルMOS−FET113Aのオンオフ動作と、導線抵抗部141を流れる電流のタイミングとに僅かな時間ずれが生じる場合がある。
このとき図5(A)に示すように、D級アンプIC105では、異常検出部133により「High」レベルの出力信号S41が出力された後、図5(B)に示すように、僅かな時間を経てPWM出力信号S25Aが「Low」レベルになる。
またD級アンプIC105では、異常検出部133により「Low」レベルの出力信号S41が出力された後、僅かな時間を経てPWM出力信号S25Aが「High」レベルになる。
このD級アンプIC105では、出力段112のPチャンネルMOS−FET112Aのオンオフ動作と、出力段113のPチャンネルMOS−FET113Aのオンオフ動作との時間ずれはないものとし、そのため、当該出力段112から出力されるPWM出力信号S25A(図5(B))と、出力段113から出力されるPWM出力信号S25B(図5(C))との位相のずれはないものとする。
従って図5(D)に示すように、スイッチ134は、スパイク防止回路135が設けられていない場合、異常検出部133により出力されたスパイク状の「High」レベルの検出信号S42を取得するため、当該「High」レベルの検出信号S42に基づいてオフしてしまう。
この場合、D級アンプIC105では、スイッチ134がオフしたことによって信号処理部111及びアンプ制御部114と出力段112及び出力段113とへの電力供給が遮断してしまうことになる。このときカーオーディオ装置100では、異常検出部133の誤検出に応じてスイッチ134がオフするため、CDプレーヤ6の再生音声出力やラジオチューナ7の放送音声出力等を完全に停止することになる。
スパイク防止回路135(図2)は、抵抗151及びコンデンサ152によるローパスフィルタとして構成されており、図5(E)に示すように、PWM出力信号S25A及びPWM出力信号S25Bと出力信号S41とに僅かな時間ずれが生じた場合に発生するスパイク状の「High」レベルの検出信号S42が所定の閾値より小さくなった検出信号S43を生成することによって、検出信号S43が閾値を下回るのでスイッチ134をオフしなくて済む。
このように過電流保護回路121では、スパイク防止回路135が設けられたことにより、PWM出力信号S25A及びPWM出力信号S25Bと出力信号S41とに僅かな時間ずれが生じた場合に発生するスパイク状の「High」レベルの検出信号S42によるスイッチ134の誤動作を防止することができる。
(4)過電流検出の様子
図6(A)に示すように、電流検出部132は、時点t3において例えば信号処理部111又はアンプ制御部114に規定の1[mA]よりも大きな1[A]以上の過電流が流れてしまった場合、導線抵抗部141を流れる電流が増加するため、当該導線抵抗部141の両端に生じる電位差が大きくなり、11.9[V]と比して一段と接続点P11の電圧が低くなる。
図6(A)に示すように、電流検出部132は、時点t3において例えば信号処理部111又はアンプ制御部114に規定の1[mA]よりも大きな1[A]以上の過電流が流れてしまった場合、導線抵抗部141を流れる電流が増加するため、当該導線抵抗部141の両端に生じる電位差が大きくなり、11.9[V]と比して一段と接続点P11の電圧が低くなる。
また電流検出部132では、ゲートドライバ124から出力段112へ入力されるPWM信号S24A(図3(D))及び出力段113へ入力されるPWM信号S42B(図3(E))が共に「High」レベルであり、出力段112及び出力段113へ電流が流れていないときでも、接続点P11の電圧が接続点P12へ印加する基準電圧(11.99[V])より確実に低くなる。
従って電流検出部132では、時点t3以降において接続点P11の電圧が接続点P12へ印加する基準電圧(11.99[V])より常に低くなる。このため図6(B)に示すようにコンパレータ144は、時点t3以降において常に「Low」レベルの出力信号S41を出力するようになる。
一方、図6(C)及び(D)に示すように出力段112及び出力段113は、時点t3以降においても常時10[A]の電流の供給を受けているため、ゲートドライバ124から入力されるPWM信号S24A及びPWM信号S24Bにそれぞれ応じて正常状態と同様にPWM出力信号S25A及びPWM出力信号S25Bを出力し続ける。
そのため図6(E)に示すように、異常検出部133は、時点t3以降においてPWM出力信号S25A(図6(C))が初めて「Low」レベルになった時点t4の瞬間、すなわち出力信号S41(図6(B))、PWM出力信号S25A(図6(C))及びPWM出力信号S25B(図6(D))の全てが「Low」レベルになった瞬間に、「High」レベルの検出信号S42を出力する。
これによりスイッチ134は、異常検出部133からスパイク防止回路135を介して「High」レベルの検出信号S43を受け取った時点で、当該スイッチ134をオフすることにより、信号処理部111及びアンプ制御部114と出力段112及び出力段113とに対するバッテリ2からの電力供給を遮断する。
このように過電流保護回路131は、コンパレータ144から出力された出力信号S41が「Low」レベル、出力段112から出力されたPWM出力信号S25Aが「Low」レベル、及び出力段113から出力されたPWM出力信号S25Bが「Low」レベルのとき、すなわち本来1[mA]しか電流を必要としないところ、何らかの原因で信号処理部111又はアンプ制御部114へ1[A]以上の過電流が流れている異常状態が発生した場合、異常検出部133及びスパイク防止回路135を介して「High」レベルの検出信号S43をスイッチ134へ出力する。
このときスイッチ134は、「High」レベルの検出信号S43に基づいてオフすることにより、バッテリ2から信号処理部111及びアンプ制御部114と出力段112及び出力段113とへの電力供給を遮断することにより、D級アンプIC105の破壊を防止することができる。
(5)動作及び効果
以上の構成において、D級アンプIC105の過電流保護回路131では、導線抵抗部141を流れる電流を電圧として検出する電流検出部132から出力された出力信号S41と、出力段112から出力されるPWM出力信号S25Aと、出力段113から出力されるPWM出力信号S25Bとに基づいて、異常検出部133によって過電流等の異常状態を検出する。
以上の構成において、D級アンプIC105の過電流保護回路131では、導線抵抗部141を流れる電流を電圧として検出する電流検出部132から出力された出力信号S41と、出力段112から出力されるPWM出力信号S25Aと、出力段113から出力されるPWM出力信号S25Bとに基づいて、異常検出部133によって過電流等の異常状態を検出する。
このとき信号処理部111は、OR回路126A及び126BによってPWM信号S22A及び当該PWM信号S22Aの波形が反転したPWM信号S22Bと、パルス発生器130により生成されたパルス信号S31とをそれぞれ合成することにより、PWM信号S24A及びS24Bが共に「High」レベルとなるタイミングを生成することができる。
従ってD級アンプIC105では、出力段112及び出力段113からPWM出力信号S25A及びS25Bが共に「Low」レベルとなる出力するタイミングを生成することができる。
そこでD級アンプIC105は、ゲートドライバ124から出力段112へ供給されるPWM信号S24A、及び出力段113へ供給されるPWM信号S24Bのどちらか一方が「Low」レベルでもう一方が「High」レベルのとき、導線抵抗部141及びスイッチ134を介して出力段112及び出力段113の一方へ10[A]の電流が流れる。
このとき過電流保護回路131は、出力段112から出力されるPWM出力信号S25A及び出力段113から出力されるPWM出力信号S25Bの一方が「High」レベルでもう一方が「Low」レベルとなり、かつ電流検出部132から出力される出力信号S41が「Low」レベルとなり、異常検出部133により「Low」レベルの検出信号S42を出力する。
このように過電流保護回路131は、異常検出部133により「Low」レベルの検出信号S42が出力された場合、正常状態であるものとしてスイッチ134をオンし続け、信号処理部111及びアンプ制御部114と出力段112及び出力段113とへの電力供給を継続し続ける。
これに対してD級アンプIC105は、ゲートドライバ124から出力段112へ供給されるPWM信号S24A、及び出力段113へ供給されるPWM信号S24Bが共に「High」レベルで、当該出力段112及び出力段113へ電流が流れていないときに、導線抵抗部141に1[A]より大きな過電流が流れた場合、電流検出部132により出力される出力信号S41が「Low」レベルとなり、異常検出部133により「High」レベルの検出信号S42が出力され、信号処理部111又はアンプ制御部114へ1[A]より大きな過電流が流れた異常状態であるものとしてスイッチ134をオフする。
すなわち過電流保護回路131は、出力段112及び出力段113に電流が流れていない状態であるにもかかわらず、導線抵抗部141に1[A]より大きな電流が流れ、接続点P11の電圧が接続点P12の電圧より低いとき、信号処理部111又はアンプ制御部114へ1[A]より大きな過電流が流れた異常状態であるものと判断する。
このとき過電流保護回路131は、スイッチ134をオフすることにより、バッテリ2と、信号処理部111、出力段112、出力段113及びアンプ制御部114とを電気的に遮断し、当該信号処理部111及びアンプ制御部114と出力段112及び出力段113とへ電流を流さないようにするので、D級アンプIC105の破壊を防止することができると共に、当該D級アンプIC105に起因するカーオーディオ装置100の破壊を防止することができる。
また過電流保護回路131は、PWM周期の例えば2周期毎にPWM出力信号S25A及びPWM出力信号S25Bが共に「Low」レベルとなるタイミングを生成することができるため、出力段112及び出力段113へ電流が供給されていない状態で、信号処理部111又はアンプ制御部114へ1[A]より大きな過電流が流れたか否かを検出することができるので、PWM周期の2周期毎に信号処理部111又はアンプ制御部114へ過電流が発生したか否かを検出することができる。
すなわち過電流保護回路131は、過電流が発生した時点からPWM周期の2周期分以内という僅かな時間内に過電流を検出し得、信号処理部111及びアンプ制御部114と出力段112及び出力段113とへの電力供給を遮断することができる。
さらに過電流保護回路131は、AB級アンプのように所定レベルの電流を常に出力段へ流している場合、わざわざ出力段への電流供給を停止させてから過電流を検出しなくてはならないが、PWM周期の2周期毎にPWM出力信号S25A及びPWM出力信号S25Bが共に「Low」レベルとなり、出力段112及び出力段113へ電流が流れていないタイミングがあるため、スピーカ3から音声を出力しながらでも常に過電流を検出することができる。
また過電流保護回路131は、スパイク防止回路135が設けられたことにより、コンパレータ144から出力される出力信号S41と、出力段112から出力されるPWM出力信号S25A、及び出力段113から出力されるPWM出力信号S25Bとに僅かな時間ずれが生じた場合に発生するスパイク状の「High」レベルの検出信号S42を所定の閾値以下の検出信号S43として生成することができ、当該時間ずれにより発生するスパイク状の「High」レベルの検出信号S42によりスイッチ134がオフされるという誤動作を防止することができる。
さらに過電流保護回路131は、抵抗142及び抵抗143の抵抗値が適切に設定されたことにより、接続点P12へ印加する基準電圧が決定されるため、例えば1[A]以上の過電流が信号処理部111又はアンプ制御部114へ流れたことを検出することができ、1[A]の時点で直ちに検出することができるので、信号処理部111、出力段112、出力段113及びアンプ制御部114の破壊を未然に防止することができる。
またD級アンプIC105では、当該D級アンプIC105内部に過電流保護回路131を設けることにより、当該当該D級アンプIC105内部で発生する過電流を検出することができる。
以上の構成によれば、D級アンプIC105の過電流保護回路131では、電流検出部132によってD級アンプIC105へ流れる電流を電圧として検出し、また出力段112から出力されるPWM出力信号S25Aの電圧、及び出力段113から出力されるPWM出力信号S25Bの電圧を検出することにより、過電流が信号処理部111又はアンプ制御部114へ流れているか否かを検出し、その検出結果に応じてスイッチ134のオンオフ動作を切り換えることができる。これにより過電流保護回路131は、過電流を検出するとバッテリ2から信号処理部111及びアンプ制御部114と出力段112及び出力段113とへ流れる電流を遮断し、D級アンプIC105の破壊を未然に防止することができる。
(6)他の実施の形態
なお上述した実施の形態においては、導線抵抗部141に電源入力端子105A、リードフレーム及び導線の導線抵抗を利用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、導線抵抗部141に例えば約10[mΩ]の抵抗が設けられるようにしても良い。
なお上述した実施の形態においては、導線抵抗部141に電源入力端子105A、リードフレーム及び導線の導線抵抗を利用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、導線抵抗部141に例えば約10[mΩ]の抵抗が設けられるようにしても良い。
また上述した実施の形態においては、D級アンプIC105がD級アンプの構成部品を半導体集積回路内に集積するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、D級アンプの構成部品をそれぞれ個々に設けるようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、パルス発生器130によりPWM周期の2周期毎に当該PWM周期の20%に相当する時間だけ「High」レベルとなるパルス信号S31を生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば1秒に1回だけPWM周期の30%に相当する時間「High」レベルとなるパルス信号を生成するようにしても良く、要するに、D級アンプIC105に過電流が発生した場合に、当該D級アンプIC105が破壊させないタイミングでバッテリ2からの電力供給を遮断することができるのであれば、その間隔及びパルス幅はいくらでもよい。
さらに上述した実施の形態においては、OR回路126Aが、PWM生成回路122から供給されたPWM信号S22Aと、パルス発生器130から供給されたパルス信号S31との論理和をとることによりPWM信号S23Aを生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばOR回路126Aの代わりにPWM生成回路122及びパルス発生器130とゲートドライバ124との接続を切り換えるようなスイッチを用い、パルス信号S31が「High」レベルのときだけパルス発生器130とゲートドライバ124とを接続し、それ以外のときはPWM生成回路122とゲートドライバ124とを接続するようにして、PWM信号S23Aを生成するようにしても良い。なおOR回路126Bについても同様である。
さらに上述した実施の形態においては、異常検出部133が、コンパレータ144から出力された出力信号S41、出力段112から出力されたPWM出力信号S25A、及び出力段113から出力されたPWM出力信号S25Bをそれぞれ反転させた後に論理積をとるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば出力信号S41、PWM出力信号S25A及びPWM出力信号S25Bの論理和をとった後、その結果を反転するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、電流検出部132が、バッテリ2から信号処理部111、出力段112、出力段113及びアンプ制御部114へ供給される電流を電圧として検出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、バッテリ2から信号処理部111、出力段112、出力段113及びアンプ制御部114へ供給される電流を電流値として検出するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、バッテリ2の電源電圧を12[V]とし、導線抵抗部141を10[mΩ]、抵抗142を10[Ω]、抵抗143を12[kΩ]とすることにより、基準電圧を11.99[V]に設定し、1[A]以上の過電流を検出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、所定の過電流を検出できるように、バッテリ2の電源電圧、導線抵抗部141、抵抗142、抵抗143を適宜変更するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、電流検出部として電流検出部132、異常判断部として異常検出部133、スイッチ部としてスイッチ134によって本発明の過電流保護回路としての過電流保護回路131を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成でなる電流検出部、異常検出部、スイッチ部によって過電流保護回路を構成するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、信号処理部として信号処理部111、第1出力段として出力段112、第2出力段として出力段113、電流検出部として電流検出部132、異常判断部として異常検出部133、スイッチ部としてスイッチ134によって本発明のD級アンプとしてのD級アンプIC105を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成でなる信号処理部、第1出力段、第2出力段、電流検出部、異常判断部、スイッチ部によってD級アンプを構成するようにしても良い。
本発明の過電流保護回路及びD級アンプは、例えば据置型のD級アンプ等のその他種々に実装されたD級アンプに適用することができる。
100……カーオーディオ装置、2……バッテリ、3……スピーカ、4……マイクロコンピュータ、105……D級アンプIC、6……CDプレーヤ、7……ラジオチューナ、8、9……ローパスフィルタ、111……信号処理部、112、113……出力段、112A……PチャンネルMOS−FET、112B……NチャンネルMOS−FET、114……アンプ制御部、121……プリアンプ、122……PWM生成回路、123……三角波発生器、124……ゲートドライバ、125……論理否定回路、127……自己診断回路、128……保護回路、129……インタフェース、131……過電流保護回路、132……電流検出部、133……異常検出部、134……スイッチ、135……スパイク防止回路、141……導線抵抗部、142、143、151……抵抗、144……コンパレータ、152……コンデンサ、126A、126B……OR回路。
Claims (7)
- 所定のパルス信号と所定の第1パルス幅変調信号とを合成することにより第1合成信号を生成し、また上記第1パルス幅変調信号とは逆位相の第2パルス幅変調信号と上記パルス信号とを合成することにより第2合成信号を生成する信号処理部と、上記第1合成信号に基づいてスイッチング動作し、上記第1合成信号を所定レベルの第1出力信号に増幅する第1出力段と、当該第1出力段とBTL(Bridged Transformer Less)接続され、上記第2合成信号に基づいてスイッチング動作し、上記第2合成信号を所定レベルの第2出力信号に増幅する第2出力段とを具えるアンプ部に対して、所定の電源からアンプ電流が供給されていることを検出する電流検出部と、
上記アンプ電流が供給されていないことを示す上記第1出力信号及び上記第2出力信号が上記第1出力段及び上記第2出力段から出力されたことを検出したときであって、かつ上記電流検出部により所定の電流値以上の基準アンプ電流が供給されていることを検出したとき、上記アンプ部における上記信号処理部へ過電流が流れた異常であると判断する異常判断部と、
上記電源と上記アンプ部との間に設けられ、上記異常判断部により異常であると判断された場合、上記電源と上記アンプ部とを電気的に遮断するスイッチ部と
を有する過電流保護回路。 - 上記電流検出部は、
上記電源と上記スイッチ部との間に設けられた第1抵抗と、
上記電源に対して上記第1抵抗と並列接続された第2抵抗と、
一端が上記第2抵抗と直列接続され、他端が接地された第3抵抗と、
上記第1抵抗と上記スイッチ部との間の電圧と、上記第2抵抗と上記第3抵抗との間の基準電圧とを比較することにより、上記基準アンプ電流が供給されていることを検出するコンパレータと
を有する請求項1に記載の過電流保護回路。 - 上記過電流保護回路は、
上記アンプ部と共に半導体集積回路の内部に設けられている
請求項2に記載の過電流保護回路。 - 上記第1抵抗は、
上記電源と接続された上記半導体集積回路における入出力端子の端子抵抗、及び当該入出力端子と上記スイッチ部とを接続するための導線の導線抵抗である
請求項3に記載の過電流保護回路。 - 上記過電流保護回路は、
上記第1抵抗を流れる上記基準アンプ電流と、上記第1出力段及び上記第2出力段へ供給される当該基準アンプ電流との間に時間ずれが発生したときに生じる上記スイッチ部の誤動作を防止するスパイク防止回路と
を有する請求項4に記載の過電流保護回路。 - 所定のパルス信号と所定の第1パルス幅変調信号とを合成することにより第1合成信号を生成し、また上記第1パルス幅変調信号とは逆位相の第2パルス幅変調信号と上記パルス信号とを合成することにより第2合成信号を生成する信号処理部と、上記第1合成信号に基づいてスイッチング動作し、上記第1合成信号を所定レベルの第1出力信号に増幅する第1出力段と、当該第1出力段とBTL接続され、上記第2合成信号に基づいてスイッチング動作し、上記第2合成信号を所定レベルの第2出力信号に増幅する第2出力段とを具えるアンプ部と、
上記アンプ部に対して所定の電源からアンプ電流が供給されていることを検出する電流検出部と、上記アンプ電流が供給されていないことを示す上記第1出力信号及び上記第2出力信号が上記第1出力段及び上記第2出力段から出力されたことを検出したときであって、かつ上記電流検出部により所定の電流値以上の基準アンプ電流が供給されていることを検出したとき、上記アンプ部における上記信号処理部へ過電流が流れた異常であると判断する異常判断部と、上記電源と上記アンプ部との間に設けられ、上記異常判断部により異常であると判断された場合、上記電源と上記アンプ部とを電気的に遮断するスイッチ部とを具える過電流保護回路と
を有するD級アンプ。 - 第1パルス幅変調信号、及び上記第1パルス幅変調信号に対して逆位相の第2パルス幅変調信号を生成する信号処理部と、上記第1パルス幅変調信号に基づいてスイッチング動作し、上記第1パルス幅変調信号を所定レベルの第1出力信号に増幅する第1出力段と、上記第1出力段とBTL接続され、上記第2パルス幅変調信号に基づいてスイッチング動作し、上記第2パルス幅変調信号を所定レベルの第2出力信号に増幅する第2出力段とを具えるアンプ部に対して、所定の電源からのアンプ電流が供給されていることを検出する電流検出部と、
上記アンプ電流が供給されていないことを示す上記第1出力信号及び上記第2出力信号を上記第1出力段及び上記第2出力段から出力されたことを検出したときであって、かつ上記電流検出部により所定の電流値以上の上記アンプ電流が供給されていることを検出したとき、上記アンプ部における上記信号処理部へ過電流が流れた異常であると判断する異常判断部と、
上記電源と上記アンプ部との間に設けられ、上記異常判断部により異常であると判断された場合、上記電源と上記アンプ部とを電気的に遮断するスイッチ部と
を有する過電流保護回路。
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CN102843109A (zh) * | 2012-09-25 | 2012-12-26 | 上海贝岭股份有限公司 | 一种d类功放芯片 |
CN102843106A (zh) * | 2012-09-25 | 2012-12-26 | 上海贝岭股份有限公司 | 一种用于d类功放芯片的过流保护方法 |
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