JP2009260418A - 音響機器 - Google Patents

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幸生 多田
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Abstract

【課題】マイクアレイの幅が可変でありながらもユーザが容易に携帯することができる音響機器を提供する。
【解決手段】筐体3、筐体5、および筐体7は、それぞれ円筒形状であり、筐体3の径が最も大きく、筐体7の径が最も小さい。また、筐体3の内径は筐体5の外径よりわずかに大きく、筐体5の内径は筐体7の外径よりわずかに大きい。筐体3の外側面には、マイク11およびマイク12が設けられている。同様に、筐体5の外側面には、マイク13、マイク14、およびマイク15が設けられ、筐体7の外側面には、マイク16およびマイク17が設けられている。ユーザは、収音装置1を持ち運びする場合は全筐体を内部に収納しておき、収音装置1を使用する場合、全筐体を引き出し、マイクアレイの幅を大きくする。
【選択図】図1

Description

この発明は、複数のマイクまたはスピーカを備えた携帯用の音響機器に関する。
従来、テレビ上部に設置する収音装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の収音装置におけるマイク(マイクアレイ)は、水平方向に伸縮自在のアームに設置されており、テレビのサイズに依らずユーザの発話音声を適切に収音することができるものである。
特開2007−243888号公報
しかし、特許文献1の収音装置では、伸縮機構が複雑であり、アームの幅を検出する機構も複雑となっていた。そのため、筐体も大きくなり、ユーザが携帯することが困難なものであった。
そこで、この発明は、マイクアレイの幅が可変でありながらもユーザが容易に携帯することができる音響機器を提供することを目的とする。
この発明の収音装置は、径が異なる複数の円筒形状の筐体からなる収音装置であって、筐体の外側面に複数の振動板を設け、複数の筐体がそれぞれ、径の大きい隣接する筐体の円筒内部に伸縮自在に収納されることを特徴とする。
この場合、複数の筐体を収納することで、コンパクトで持ち運びし易くなる。筐体の外側面には複数の振動板が設けられており、筐体を最大に伸ばした時には全ての振動板が筐体外側面に並列される。振動板をマイクとして用いれば、マイクアレイを構成することができ、振動板をスピーカとして用いれば、スピーカアレイを構成することができる。ユーザは、音響機器を持ち運びする場合は全筐体を内部に収納しておき、使用するときには全筐体を引き出し、アレイの幅を大きくする。
また、この発明は、複数の筐体の伸縮を検出する検出部と、検出部で検出した各筐体の伸縮に応じて複数の振動板の間隔を求め、各振動板に対応する音声信号の遅延量を計算する計算部と、を備えていてもよい。
この場合、筐体の伸縮具合に応じて各振動板の間隔を求め、各振動板に対応する音声信号(振動板がマイクであれば各マイクで収音した音声信号、スピーカであれば各スピーカに供給する音声信号)の遅延量を計算する。マイクアレイであれば、収音指向性を制御することができ、スピーカアレイであれば、放音指向性を制御することができる。検出部は例えば筐体内部に設けられた単純なスイッチ機構であり、筐体を最大に伸ばしたときの状態を検出する。計算部では、予め筐体を最大に伸ばしたときの各振動板の間隔を記憶しておき、上記スイッチで筐体を最大に伸ばしたと判断したときに、記憶しておいた各振動板の間隔を読み出す。
なお、計算部は音響機器に内蔵していてもよいし、外部(例えばPC)でソフトウェアにより実現してもよい。
また、この発明は、筐体の長軸方向の端部に脚部を設けるようにしてもよい。長軸方向の端部に脚部を設けることで、音響機器を縦置きにすることができる。
この発明によれば、マイクアレイまたはスピーカアレイの幅が可変でありながらもユーザが容易に携帯することができる。
以下、本発明の実施形態に係る収音装置について説明する。図1は、本実施形態の収音装置の外観を示す図である。図2は、収音装置の構成を示すブロック図である。図3は、収音装置の一部断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る収音装置1は、外観上、3つの筐体3、筐体5、および筐体7と、脚部18A、脚部18B、および脚部18Cと、クリップ21と、摘まみ31と、マイク11〜マイク17と、を備えている。
筐体3、筐体5、および筐体7は、それぞれ円筒形状であり、筐体3の径(円筒の内径および外径)が最も大きく、筐体7の径が最も小さい。また、筐体3の内径は筐体5の外径よりわずかに大きく、筐体5の内径は筐体7の外径よりわずかに大きい。そのため、筐体3の内部に筐体5を伸縮自在に収納できるようになっており、筐体5の内部に筐体7を伸縮自在に収納できるようになっている。いずれの筐体も径よりも長軸方向の長さが長く、細長い円筒形状となっている(ペン型の形状である)。
ユーザは、筐体7の端部に設けられた摘まみ31を引っ張ることで、筐体3から筐体5を引き出し、筐体5から筐体7を引き出すことができる。収音装置1は、全筐体を内部に収納すると、長軸方向の長さが15cm程度のコンパクトな大きさとなり、全筐体を引き出して筐体を最大に伸ばすと、長軸方向の長さが40cm程度の幅広の装置となる。なお、筐体3には、クリップ21が設けられており、このクリップ21を衣服のポケット等に引っかけることで、ペンのように持ち運びすることができるようになっている。
筐体3の外側面には、マイク11およびマイク12が設けられている。同様に、筐体5の外側面には、マイク13、マイク14、およびマイク15が設けられ、筐体7の外側面には、マイク16およびマイク17が設けられている。各マイクには、例えばシリコンマイクを用いる。
マイク11は、筐体3の一方の端部(同図(B)の紙面左側)に設けられ、マイク12は、筐体3の他方の端部(同図(B)の紙面右側)に設けられている。マイク13は、筐体5の一方の端部に設けられ、マイク15は、筐体5の他方の端部に設けられている。また、マイク14は、筐体5の中央部に設けられている。マイク16は、筐体7の一方の端部に設けられ、マイク17は、筐体7の他方の端部に設けられている。収音装置1は、これら複数のマイクが一直線上に設けられることにより、マイクアレイを構成する。
また、図2に示すように、収音装置1は、マイク11〜マイク17が収音した音声信号を増幅するフロントエンドのアンプ61〜67、増幅されたアナログ音声信号をそれぞれデジタル変換するA/Dコンバータ71〜77、USBチップ81、スイッチ51、およびスイッチ52を備えている。
マイク11〜マイク17が収音した音声信号は、デジタル音声信号としてUSBチップ81から出力される。USBチップ81は、USBインタフェースを介して例えばPCに接続されており、このPCに上記デジタル音声信号を送信する。なお、図1の外観図では、USBチップ(USB端子)の表示を省略している。PCは、入力された音声信号の処理を行う(ソフトウェア処理)。すなわち、PCでは、マイク11〜マイク17が収音した音声信号を遅延処理した後に合成し、マイクアレイの指向性を制御する。全てのマイクが収音した音声信号を同位相で合成すると、マイクアレイの正面に指向性が設定される。また、一方の端部に設置されたマイクから他方の端部に設置されたマイクまで順に遅延処理を行うと、一方の端部に向かって指向性が傾くこととなる。なお、同時に複数の方向に指向性を設定することも可能である。
遅延時間は、各マイクの設置位置(マイク間の距離)に応じて計算される。ここで、収音装置1は、図3に示すように、筐体内部にスイッチ51およびスイッチ52を内蔵しており、このスイッチのオン、オフ情報も上記USBチップ81を介して送信される。PCでは、各スイッチのオン、オフ情報を基にマイク間の距離を判断し、遅延時間を計算する。スイッチ51は、筐体5に設けられており、筐体5が筐体3から引き出され、各筐体が内部で接触するとオンされるようになっている。同様に、スイッチ52は、筐体7に設けられており、筐体7が筐体5から引き出され、各筐体が内部で接触するとオンされるようになっている。したがって、スイッチ51がオンされている場合、筐体3から筐体5が引き出され、スイッチ52がオンされている場合、筐体5から筐体7が引き出されていると判断することができる。PCでは、図1(B)のように全筐体が引き出されているときの全てのマイク間の距離を記憶しておき、記憶しておいたマイク間距離に応じて遅延時間を計算することができる。
なお、検出機構は上記スイッチ51やスイッチ52に限るものではないが、簡略なものであることが望ましい。また、収音装置1にDSP等の処理部を内蔵しておき、収音装置1側で音声信号処理を行ってからPCに出力するようにしてもよい。
以上のように、ユーザが全筐体を引き出し、各マイクで収音した音声信号をPC等の情報処理装置に出力することで、指向性制御を行うことができる。
ここで、図1(B)に示すように、全筐体を引き出すと、マイクアレイの幅は、マイク11とマイク17の距離(筐体3の一方の端部から筐体7の他方の端部までの距離)に等しくなる。マイクアレイの幅が大きくなると指向性が鋭くなる。そのため、ユーザは、収音装置を持ち運びする場合は全筐体を内部に収納しておき、収音装置1を使用する場合、全筐体を引き出し、マイクアレイの幅を大きくする。このように、収音装置1は、幅の大きいマイクアレイを構成しながらもユーザが容易に携帯することができる。
ただし、マイク間の距離が大きいと、空間的折り返し現象により、目的とする方向以外にも別の指向性(サイドローブ)が生じるため、マイクの間隔を小さくしなければならない。そのため、収音装置1では、筐体5の中央部にマイク14を設け、マイクアレイの中央部でマイクが密となるようにしている。
なお、全筐体を内部に収納した状態から、筐体5のみ引き出す態様や、筐体5から筐体7を引き出し、筐体5を筐体3に収納したままとする態様も可能である。筐体5のみ引き出した状態では、マイク11、マイク12、マイク13、マイク14、およびマイク15が露出するようになる。筐体7のみ引き出した状態では、マイク11、マイク12、マイク16、およびマイク17が露出するようになる。そのため、複数のマイクにより構成されるマイクアレイの幅を変更することができる。
すわなち、全筐体を内部に収納した状態では、マイク11とマイク12によりマイクアレイが構成される。この場合、マイクアレイの幅は、マイク11とマイク12の距離(筐体3の一方の端部から他方の端部までの距離)に等しくなる。筐体3から筐体5を引き出した状態では、マイク11、マイク12、マイク13、マイク14、およびマイク15によりマイクアレイが構成される。この場合、マイクアレイの幅は、マイク11とマイク15の距離(筐体3の一方の端部から筐体5の他方の端部までの距離)に等しくなる。
このように、収音装置1は、マイクアレイの幅が可変でありながらもユーザが容易に携帯することができるようになっている。
また、同図(C)に示すように、収音装置1は、3つに分割される円柱形状の脚部(脚部18A、脚部18B、および脚部18C)を備えており、これらが筐体3の一方の端部を支点として回動展開することによって縦置きが可能となる。縦置きした場合、上下方向に指向性を制御することができる。なお、縦置きであるか、横置きであるかを検出する姿勢センサを備えていてもよい。姿勢センサを備えている場合、この姿勢センサの出力信号をUSBチップ81からPCに出力する。PCでは、姿勢センサの出力信号を参照し、指向性制御を行う。例えば、横置き時にはマイクアレイの正面、左右方向(筐体の一方の端部側および他方の端部側)に指向性を設定し、縦置き時には下方向(筐体の他方の端部側)が机上であるため、マイクアレイの正面および上方向(筐体の一方の端部側)に指向性を設定する。
なお、収音装置は、以下のような応用例が可能である。図4は、収音装置の応用例を示す外観図である。同図(A)は、全筐体を収納した状態、同図(B)は、筐体5から筐体7を引き出し、筐体5を筐体3に収納したままの状態、同図(C)は、全筐体を引き出した状態を示す図である。
この収音装置2は、収音装置1と同様に、3つの筐体3、筐体5、および筐体7と、脚部18A、脚部18B、および脚部18Cと、クリップ21と、摘まみ31と、マイク11〜マイク17と、を備えている。また、内部構成も収音装置1と同様に、アンプ61〜67、A/Dコンバータ71〜77、USBチップ81、スイッチ51、およびスイッチ52を備えている。そのため、各構成の機能に関する詳細な説明は省略する。
収音装置2において、マイク11は、筐体3の一方の端部に設けられているが、マイク12は、筐体3の他方の端部より中央寄りに設けられている。マイク13は、筐体5の一方の端部に設けられているが、マイク15は、筐体5の他方の端部より中央寄りに設けられている。マイク14は、筐体5の中央部よりも一方の端部寄りに設けられている。また、マイク17は、筐体7の他方の端部に設けられているが、マイク16は、筐体7の一方の端部よりも中央寄りに設けられている。
この場合、マイク11とマイク12との距離と、マイク16とマイク17との距離が等しくなる(距離X1)。また、同図(B)に示すように、筐体5から筐体7を引き出した場合、マイク12とマイク16との距離も等しくなる(距離X1)。そのため、収音装置1(同図(D)を参照)と比較して、筐体5から筐体7を引き出した場合に各マイク間の距離が等しくなり、指向性の制御が容易となる。
また、収音装置2では、同図(C)に示すように、全筐体を引き出した場合、マイク12とマイク13との距離と、マイク15とマイク16との距離が等しくなる(距離X2)。また、マイク13とマイク14との距離と、マイク14とマイク15との距離が等しくなる(距離X3)。そのため、収音装置1と比較して、全筐体を引き出した場合に各マイクがアレイ中央部から両端部にかけて対称配置となり、かつマイクアレイの中央部のマイク間距離が最も密な配置となるため、低域から高域まで指向性の制御が容易となる(中央部で高周波数帯域の指向性の制御が容易となる)。
次に、図5は、収音装置の他の例を示す外観図である。この収音装置4は、3つの筐体3、筐体5、および筐体7と、脚部19A、脚部19B、およびUSB端子19Cと、クリップ21と、摘まみ31と、マイク11〜マイク17と、を備えている。内部構成は収音装置1と同様に、アンプ61〜67、A/Dコンバータ71〜77、USBチップ81、スイッチ51、およびスイッチ52を備えている。収音装置4は、脚部19A、脚部19B、およびUSB端子19C以外の構成が上記収音装置1(または収音装置2)と共通する。そのため、各構成の機能に関する詳細な説明は省略する。
収音装置4は、収音装置1(または収音装置2)の脚部18CをUSB端子19Cに置き換えた形状であり、このUSB端子19CをPC6のUSBポート25に接続する。USB端子19CをUSBポート25に接続した状態において、残る脚部19Aと脚部19Bを机上に接触させ、3点支持することにより縦置きが可能となる。
なお、本実施形態では、複数のマイクを備えた収音装置について説明したが、各マイクをスピーカに置き換えることで本発明の音響機器を放音装置としても適用可能である。
収音装置の外観を示す図である。 収音装置の構成を示すブロック図である。 筐体の内部断面図である。 収音装置の応用例を示す外観図である。 収音装置の他の例を示す外観図である。
符号の説明
1−収音装置
3,5,7−筐体
11〜17−マイク
18A,18B,18C−脚部
21−クリップ

Claims (3)

  1. 径が異なる複数の円筒形状の筐体からなる収音装置であって、
    前記筐体の外側面に複数の振動板を設け、
    前記複数の筐体がそれぞれ、径の大きい隣接する筐体の円筒内部に伸縮自在に収納されることを特徴とする音響機器。
  2. 前記複数の筐体の伸縮を検出する検出部と、
    前記検出部で検出した各筐体の伸縮に応じて前記複数の振動板の間隔を求め、各振動板に対応する音声信号の遅延量を計算する計算部と、を備えた請求項1に記載の音響機器。
  3. 前記筐体の長軸方向の端部に脚部を設けたことを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の音響機器。
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