JP2009260405A - 低雑音増幅器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】低雑音増幅器は、増幅回路201と、バイパス回路202と、広帯域化用並列回路104とに大別されて構成されてなり、高周波信号入力端子1と入力インピーダンス整合回路2の相互の接続点とグランドとの間に接続された広帯域化用並列回路104は、キャパシタ102とインダクタ103とが並列接続されてなり、その共振周波数が低雑音増幅器の所望の周波数帯域の中心周波数付近となる一方、共振周波数より高い周波数、及び、共振周波数より低い周波数においては、それぞれ所望のリアクタンスとなるよう、キャパシタ102及びインダクタ103の回路定数が設定されて、インピーダンス整合の広帯域化が図られたものとなっている。
【選択図】図3
Description
従来、この種の増幅器として、増幅作用を行う半導体増幅回路を迂回する経路を備えることで、入力信号の減衰を行うようにして利得可変可能に構成されたものが公知・周知となっている(例えば、特許文献1等参照)。
この利得可変型増幅器は、高周波信号を増幅する増幅回路201Aと、入力信号に対して増幅回路201Aのバイパスを行うバイパス回路202Aとに大別されて構成されたものとなっている。
増幅回路201Aは、カスコード接続されたエンハンスメント型の第1及び第2の電界効果トランジスタ(以下「FET」と称する)8A,9Aを中心に構成されており、入力インピーダンス整合回路2Aを介して第1のFET8AのゲートG1に印加された高周波信号が増幅されて第2のFET9AのドレインD2に得られるようになっている。
さらに、この増幅回路201Aにおいては、第1のFET8AのドレインD1とグランドとの間でON、OFF可能にエンハンスメント型の第4のFET23Aが設けられている。
かかる構成において、第1のゲート電圧供給端子5Aと第2のゲート電圧供給端子6Aには、同相のゲート電圧がそれぞれ印加される一方、第1の制御電圧供給端子22Aと第2の制御電圧供給端子24Aには、第1のゲート電圧供給端子5Aと逆相のゲート電圧がそれぞれ印加されて、次述するような回路動作が得られるものとなっている。
一般に、広い周波数帯域に亘って良好なインピーダンス整合を得ることは容易ではない。広い周波数帯域に亘って良好なインピーダンス整合を得る手段としては、帰還回路を用いる方法や、入力インピーダンス整合回路及び出力インピーダンス整合回路の一部に抵抗器を用いる方法などが一般的である。
半導体増幅回路を用いてなる低雑音増幅器であって、
前記半導体増幅回路は、その入力段に入力整合回路が設けられ当該入力整合回路を介して高周波信号が前記半導体増幅回路を構成する半導体素子へ入力可能とされると共に、前記入力整合回路の入力端とグランドとの間に、キャパシタとインダクタとが並列接続されてなり、その共振周波数が所望の周波数帯域の中心周波数付近となる一方、当該共振周波数より高い周波数、及び、当該共振周波数より低い周波数においては、それぞれ所望のリアクタンスとなるよう、前記キャパシタ及びインダクタの回路定数が設定されてなる並列回路が設けられてなるものである。
かかる構成において、前記半導体増幅回路の利得を可変せしめる手段を有してなるものとしても好適である。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における低雑音増幅器の基本構成例について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
まず、図1に示された低雑音増幅器は、利得可変型増幅回路105を中心に構成されたものであるのに対して、図2に示された低雑音増幅器は、利得固定型の増幅回路107を中心に構成されたものである点が異なるが、いずも、その入力端子101とグランドとの間に、広帯域化用並列回路104が設けられた構成である点で共通しているものである。
この低雑音増幅器は、第1、第2及び第4の電界効果トランジスタ(以下「FET」と称する)8、9、23を主たる構成要素としてなる増幅回路201と、第3のFET18を主たる構成要素としてなるバイパス回路202と、広帯域化用並列回路104とを有して構成されてなるものである。なお、本発明の実施の形態において、第1乃至第4のFET8、9、18、23は、エンハンスメント型シングルゲート電界効果トランジスタが用いられたものとなっている。
また、第1のFET8のソースS1は、ソースインダクタンス10を介して接地されている。
一方、第1のFET8のドレインD1は、第2のFET9のソースS2に接続されて、第1及び第2のFET8,9はカスコードアンプをなすものとなっている。また、第1のFET8のドレインD1と第2のFET9のソースS2は、共に第4のFET23のドレインD4に接続されており、この第4のFET23のソースS4は、グランドに接続される一方、ゲートG4は、第2の制御電圧供給端子24に接続されている。
また、第2のFET9のゲートG2は、バイパスキャパシタ7を介して接地されると共に、第2のゲート電圧供給端子6を介して外部からゲート電圧が供給されるようになっている。さらに、先の出力インピーダンス整合回路11と第2のDCカットキャパシタ14との相互の接続点には、チョークインダクタンス12を介して電源供給端子13が接続されて外部からの電源電圧の供給が行われるようになっている。
なお、上記構成における回路は、半導体集積回路化したものが好適であるが、勿論、いわゆるディスクリートに構成しても良いものである。
まず、前提条件として、第1及び第2のゲート電圧供給端子5,6には同相のゲート電圧が印加される一方、第1及び第2の制御電圧供給端子22,24には、第1及び第2のゲート電圧供給端子5,6に印加されるゲート電圧に対し、逆相でそれぞれ制御電圧が印加されるものとする。
また、広帯域化用並列回路104は、所望の周波数帯域の中心付近に並列共振周波数が設定されているものとする。ここで、「所望の周波数帯域」とは、本発明の低雑音増幅器で増幅させたい周波数範囲の所望の周波数の意味である。
広帯域化用並列回路104は、その並列共振周波数が上述のように所望の周波数帯域の中心付近に設定されているため、並列共振周波数付近の周波数においては、当該広帯域化用並列回路104のインピーダンスが高くなり、低雑音増幅器の入力インピーダンス整合に寄与することはない。
本発明の実施の形態における広帯域化用並列回路104は、キャパシタ102とインダクタ103の並列回路であるため、共振周波数よりも高い周波数においては、キャパシタンス成分となり、入力インピーダンスは等アドミッタンス円上を容量性に向かって移動することとなる。
このように、広帯域化用並列回路104は、高周波入力信号が、共振周波数より高い周波数、及び、共振周波数より低い周波数において、それぞれ所望のリアクタンスに設定することで、所望の周波数帯域内の入力インピーダンスをスミスチャートの中心に移動させることができ、広い周波数範囲において良好な入力インピーダンス整合を取ることが可能となる。
最初に、図4及び図5は、いずれも50Ωで正規化されたスミスチャートである。
また、図4及び図5に示された特性は、”所望の周波数帯域”を500MHz〜750MHzに設定した場合のものとし、その周波数帯における中心周波数は650MHzであるとする。
さらに、広帯域化用並列回路104のキャパシタ102は5pFに、インダクタ103は10nHに、それぞれ設定されているものとする。
同図によれば、共振周波数よりも高い周波数における広帯域化用並列回路104の合成インピーダンスは、スミスチャートの容量性の領域となり、帯域の上限の750MHzにおいては約0.5pFとなる(図4の符号m3が付された箇所参照)。一方、共振周波数よりも低い周波数においては、合成インピーダンスは、誘導性となり、帯域の下限の500MHzでは約20nHとなる(図4の符号m2が付された箇所参照)。
最初に、従来回路(図14参照)において増幅回路201Aが動作状態にある場合における反射係数S11の特性について見ると、S11が−10dB以下となる周波数帯域は155MHzである(図16参照)。
これに対して、本発明の実施の形態における低雑音増幅器の増幅回路201が動作状態にある場合の反射係数S11の特性は、S11が−10dB以下となる周波数帯域として290MHzが得られており(図7参照)、インピーダンス整合が良好な周波数帯域が、従来回路よりも135MHzも拡大されており、本発明が従来回路に比して十分な効果を発揮するものであることが確認できる。
なお、図17において、符号「m9」が付された箇所は、周波数625MHz、S21=17.83dBとなる箇所である。また、符号「m10」が付された箇所は、周波数500MHz、S21=17.83dBとなる箇所である。さらに、符号「m11」が付された箇所は、周波数750MHz、S21=15.90dBとなる箇所である。
ここで、図9において、符号「m12」が付された箇所は、周波数625MHz、S22=−17.49dBとなる箇所である。また、符号「m13」が付された箇所は、周波数500MHz、S22=−14.76dBとなる箇所である。さらに、符号「m14」が付された箇所は、周波数750MHz、S22=−24.03dBとなる箇所である。
なお、図10において、符号「m17」が付された箇所は、周波数625MHz、NF=1.07dBとなる箇所である。また、符号「m18」が付された箇所は、周波数500MHz、NF=1.23dBとなる箇所である。さらに、符号「m19」が付された箇所は、周波数750MHz、NF=1.33dBとなる箇所である。
最初に、バイパス回路202Aが動作状態にある場合における従来回路の反射係数S11の特性について見ると、S11が−10dB以下となる周波数帯域は265MHzである(図21参照)。
なお、図21において、符号「m4」が付された箇所は、周波数625MHz、S11=−12.91dBとなる箇所である。また、符号「m5」が付された箇所は、周波数500MHz、S11=−7.50dBとなる箇所である。さらに、符号「m6」が付された箇所は、周波数750MHz、S11=−15.56dBとなる箇所である。
なお、図22において、符号「m21」が付された箇所は、周波数625MHz、S21=−1.98dBとなる箇所である。また、符号「m22」が付された箇所は、周波数500MHz、S21=−2.68dBとなる箇所である。さらに、符号「m23」が付された箇所は、周波数750MHz、S21=−1.85dBとなる箇所である。
ここで、図13において、符号「m12」が付された箇所は、周波数625MHz、S22=−26.79dBとなる箇所である。また、符号「m13」が付された箇所は、周波数500MHz、S22=−15.50dBとなる箇所である。さらに、符号「m14」が付された箇所は、周波数750MHz、S22=−19.24dBとなる箇所である。
なお、図3に示された構成例においては、バイパス回路202が設けられたものとしたが、バイパス回路202は必ずしも必須ではなく、増幅回路201のみの構成において広帯域化用並列回路104を設けた構成としても良いことは勿論である。
9…第2の電界効果トランジスタ
18…第3の電界効果トランジスタ
24…第4の電界効果トランジスタ
102…キャパシタ
103…インダクタ
104…広帯域化用並列回路
201…増幅回路
202…バイパス回路
Claims (2)
- 半導体増幅回路を用いてなる低雑音増幅器であって、
前記半導体増幅回路は、その入力段に入力整合回路が設けられ当該入力整合回路を介して高周波信号が前記半導体増幅回路を構成する半導体素子へ入力可能とされると共に、前記入力整合回路の入力端とグランドとの間に、キャパシタとインダクタとが並列接続されてなり、その共振周波数が所望の周波数帯域の中心周波数付近となる一方、当該共振周波数より高い周波数、及び、当該共振周波数より低い周波数においては、それぞれ所望のリアクタンスとなるよう、前記キャパシタ及びインダクタの回路定数が設定されてなる並列回路が設けられていることを特徴とする低雑音増幅器。 - 前記半導体増幅回路の利得を可変せしめる手段を有してなることを特徴とする請求項1記載の低雑音増幅器。
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JP2017506043A (ja) * | 2014-02-14 | 2017-02-23 | クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated | 電流効率が高い低雑音増幅器(lna) |
CN115085677A (zh) * | 2022-05-16 | 2022-09-20 | 电子科技大学 | 一种多谐振频率点的宽带型低噪声放大器 |
Citations (2)
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JP2002252526A (ja) * | 2001-02-23 | 2002-09-06 | Nec Corp | アナログ増幅回路 |
JP2006050074A (ja) * | 2004-08-02 | 2006-02-16 | New Japan Radio Co Ltd | 利得可変型増幅器 |
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2008
- 2008-04-11 JP JP2008103594A patent/JP2009260405A/ja active Pending
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