JP2009260276A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光効率が高く、かつ低電圧駆動の有機電界発光素子の提供すること。
【解決手段】一対の電極間に有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、下記一般式(I)で表される化合物を有機化合物層に含有することを特徴とする有機電界発光素子。
一般式(I)中、A1〜A8はN原子またはC-R1を表し、X1はS原子またはO原子を表す。R1は水素原子または置換基を表す。複数のR1は同一でも異なっていてもよい。mは2以上の整数を表す。Lは単結合またはm価の連結基を表し、A1〜A8中のC原子と連結する。Lが芳香族炭化水素環または芳香族へテロ環である場合、環の大きさは5員環または6員環である。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光できる有機電界発光素子(以下、「有機EL素子」ともいう。)に関する。
有機電界発光素子は、低電圧駆動で高輝度の発光が得られることから、近年活発な研究開発が行われている。一般に有機EL素子は、一対の電極間に有機化合物層を有し、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔が発光層において再結合し、生成した励起子のエネルギーを発光に利用するものである。
近年、燐光発光材料を用いることにより、素子の高効率化が進んでいる。燐光発光材料としてはイリジウム錯体や白金錯体などが知られているが(例えば特許文献1および特許文献2参照)、高効率と高耐久性を両立する素子の開発には至っていない。
また、高耐久の材料を志向し、含硫黄ヘテロ環を有した化合物を材料に用いた有機EL素子して報告がなされている(例えば、特許文献3および4)。
米国特許第6303238号明細書 国際公開第00/57676号パンフレット 国際公開第07/015412号パンフレット 国際公開第06/114966号パンフレット
しかし、これらに使用される材料は、縮環を有していたり、共役系が長かったりと、分子の最低励起三重項(T準位)が低く、燐光を消光して発光効率が低くなってしまう。
本発明の目的は、発光効率が高く、かつ耐久性が高い有機電界発光素子の提供にある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、チアントレン構造又はフェノキサチイン構造を2量体以上有する化合物を有機化合物層に添加することにより、有機EL素子の効率が向上し、駆動電圧を低下させることを見出し、本発明に至った。すなわち、上記課題は下記の手段により解決することができた。
(1)一対の電極間に、発光層を含む有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、下記一般式(I)で表される化合物を有機化合物層に含有することを特徴とする有機電界発光素子。
Figure 2009260276
一般式(I)中、A1〜A8はN原子またはC-R1を表し、R1は水素原子または置換基を表す。複数のR1は同一でも異なっていてもよい。X1はS原子またはO原子を表す。mは2以上の整数を表す。Lは単結合またはm価の連結基を表し、A1〜A8中のC原子と連結する。Lが芳香族炭化水素環または芳香族へテロ環である場合、環の大きさは5員環または6員環である。)
(2)一般式(I)で表される化合物が下記一般式(II)で表されることを特徴とする(1)に記載の有機電界発光素子。
Figure 2009260276
(一般式(II)中、A1〜A8はN原子またはC-R1を表し、R1は水素原子または置換基を表す。複数のR1は同一でも異なっていてもよい。X1はS原子またはO原子を表す。R21は水素原子または置換基を表す。複数のR21は同一でも異なっていてもよい。m’は2〜4の整数を表す。ケイ素連結基は、A1〜A8中のC原子と連結する。)
(3)一般式(I)で表される化合物が下記一般式(III)で表されることを特徴とする(1)に記載の有機電界発光素子。
Figure 2009260276
(一般式(III)中、A1〜A8はN原子またはC-R1を表し、R1は水素原子または置換基を表す。複数のR1は同一でも異なっていてもよい。X1はS原子またはO原子を表す。Ar31は芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を表し、環の大きさは5員環または6員環である。Ar31はA1〜A8中のC原子と連結する。R31は水素原子または置換基を表す。複数のR31は同一でも異なっていてもよい。mは2以上の整数を表す。nは0以上の整数を表す。)
(4)前記一般式(I)〜(III)で表される化合物のガラス転移温度が130℃以上、450℃以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の有機電界発光素子。
(5)前記一般式(I)〜(III)で表される化合物の最低励起三重項エネルギー準位が60kcal/mol(272.35kJ/mol)以上、95kcal/mol(398.05kJ/mol)以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の有機電界発光素子。
(6)前記発光層に燐光発光材料を含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の有機電界発光素子。
(7)前記燐光発光材料がイリジウム錯体または白金錯体であることを特徴とする(6)に記載の有機電界発光素子。
(8)一般式(I)〜(III)で表される化合物を、発光層に含有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の有機電界発光素子。
(9)前記発光層と陽極の間に正孔輸送層を有し、一般式(I)〜(III)で表される化合物を、正孔輸送層に含有することを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の有機電界発光素子。
(10)前記発光層と陰極の間に電子輸送層を有し、一般式(I)〜(III)で表される化合物を、電子輸送層に含有することを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の有機電界発光素子。
本発明の有機電界発光素子は、一般式(I)〜(III)で表される化合物(本明細書において「本発明の化合物」と同義で用いる。)の少なくとも一種を有機化合物層に含有する。これにより、高い発光効率(例えば外部量子効率)を有し、駆動電圧の低い有機電界発光素子を提供できる。
本発明の有機EL素子は、一対の電極間に、発光層を含む有機化合物層を有する有機EL素子である。有機化合物層は、有機化合物のみからなる層であってもよいし、有機化合物に加えて無機化合物を含有する層であってもよい。
有機化合物層としては、発光層のほかに、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、励起子ブロック層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層、保護層等が含まれていてもよい。それぞれの層が他の層の機能を兼ね備えていても良い。また各層は複数の層から構成されていても良い。
本発明の有機EL素子は、励起一重項からの発光(蛍光)を利用するものでも励起三重項からの発光(燐光)を利用するものでもよいが、発光効率の観点から、燐光を利用するものの方が好ましい。
本発明の有機EL素子は、有機化合物層のうち任意の層に下記一般式(I)で表される化合物を含有する。
Figure 2009260276
(一般式(I)中、A1〜A8はN原子またはC-R1を表し、R1は水素原子または置換基を表す。複数のR1は同一でも異なっていてもよい。X1はS原子またはO原子を表す。mは2以上の整数を表す。Lは単結合またはm価の連結基を表し、A1〜A8中のC原子と連結する。Lが芳香族炭化水素環または芳香族へテロ環である場合、環の大きさは5員環または6員環である。)
A1〜A8は、N原子またはC-R1を表し、R1は水素原子または置換基を表す。A1〜A8の組合せとしては特に限定されないが、A1〜A8のうちN原子の数は0〜4個が好ましく、0〜2個がより好ましい。R1で表される置換基としては、下記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。
(置換基群A)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレノフェニル、テルロフェニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、ホスホリル基(例えばジフェニルホスホリル基、ジメチルホスホリル基などが挙げられる。)が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
複数のR1は同一でも異なっていてもよい。また、R1はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては、前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。また、R1同士が互いに連結して縮合環を形成していてもよく、形成される環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピリダジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、シロール環、ゲルモール環、ホスホール環等が挙げられる。
R1として好ましくは、水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素環基、フッ素基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、シアノ基、ヘテロ環基、シリル基、シリルオキシ基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素環基、フッ素基、シアノ基、シリル基、芳香族ヘテロ環基であり、特に好ましくは水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素環基である。
X1はS原子またはO原子を表し、好ましくはO原子である。mは、2以上の整数を表し、好ましくは2〜6であり、より好ましくは2〜4である。
Lは単結合またはm価の連結基を表す。m価の連結基としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、りん原子から選択される1種以上の原子から構成される連結基が好ましい。芳香族炭化水素環基または芳香族へテロ環基を連結基とする場合、環の大きさは5員環または6員環である。下記に連結基の具体例を示すが、本発明はこれに限定されることはない。
Figure 2009260276
Lとしてより好ましくは、単結合、置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、置換ケイ素原子、置換ゲルマニウム原子、酸素原子、硫黄原子、5員環または6員環の芳香族炭化水素環基、芳香族ヘテロ環基であり、さらに好ましくは単結合、置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、置換ケイ素原子、5員環または6員環の芳香族炭化水素環基、芳香族ヘテロ環基であり、特に好ましくは、置換ケイ素原子、5員環または6員環の芳香族炭化水素環基である。
これらの連結基は可能であればさらに置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、置換基群Aとして挙げたものが適用できる。
一般式(I)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(II)で表される化合物又は下記一般式(III)で表される化合物である。
Figure 2009260276
(一般式(II)中、A1〜A8はN原子またはC-R1を表し、X1はS原子またはO原子を表す。R1は水素原子または置換基を表す。複数のR1は同一でも異なっていてもよい。R21は水素原子または置換基を表す。複数のR21は同一でも異なっていてもよい。m’は2〜4の整数を表す。ケイ素連結基は、A1〜A8中のC原子と連結する。)
一般式(II)において、A1〜A8、R1、およびX1は一般式(I)におけるA1〜A8、R1、およびX1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。R21で表される置換基としては前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。
R21として好ましくは、水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、芳香族ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、シアノ基、芳香族ヘテロ環基、シリル基、シリルオキシ基であり、より好ましくは、アルキル基、芳香族炭化水素環基、アミノ基、シアノ基、芳香族ヘテロ環基であり、さらに好ましくはアルキル基、芳香族炭化水素環基、シアノ基、芳香族ヘテロ環基であり、特に好ましくはアルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)、芳香族炭化水素環基(好ましくはフェニル基)、芳香族ヘテロ環基である。複数のR21は同一でも異なっていてもよい。
mは2〜4の整数を表す。
Figure 2009260276
(一般式(III)中、A1〜A8はN原子またはC-R1を表し、X1はS原子またはO原子を表す。R1は水素原子または置換基を表す。複数のR1は同一でも異なっていてもよい。Ar31は芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を表し、環の大きさは5員環または6員環である。
Ar31はA1〜A8中のC原子と連結する。R31は水素原子または置換基を表す。複数のR31は同一でも異なっていてもよい。mは2以上の整数を表す。nは0以上の整数を表す。)
一般式(III)において、A1〜A8、R1、及びX1は一般式(I)におけるA1〜A8、R1、及びX1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
R31は水素原子または置換基を表す。R31で表される置換基としては前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。R31として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、フッ素基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、シアノ基、ヘテロ環基、シリル基、シリルオキシ基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、フッ素基、シアノ基、シリル基、ヘテロ環基であり、特に好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基である。複数のR31は同一でも異なっていてもよい。
Ar31は5員環または6員環の芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を表す。Ar31で表される5員環または6員環の芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環としては、6員環の芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環が好ましい。
Ar31で表される芳香族ヘテロ環に含まれるヘテロ原子は特に限定されないが、窒素、酸素、硫黄、セレン、珪素、ゲルマニウム、リンを含む芳香族ヘテロ環が好ましく、窒素、酸素、硫黄がより好ましく、窒素、酸素がさらに好ましく、窒素が特に好ましい。Ar31で表される芳香族ヘテロ環ひとつに含有されるヘテロ原子数は特に限定されないが、1〜3が好ましい。
Ar31で表される5員環または6員環の芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環の具体例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピリダジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、シロール環、ゲルモール環、ホスホール環等が挙げられる。
Ar31から形成される芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環は、置換基を有していてもよく、置換基としては、前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。
Ar31で表される5員環または6員環の芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環として好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、フラン環、チオフェン環であり、より好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、チオフェン環であり、さらに好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、チオフェン環であり、特に好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環であり、最も好ましくはベンゼン環である。
mは2以上の整数を表し、好ましくは2〜6であり、より好ましくは2〜4である。
nは0以上の整数を表し、好ましくは0〜4であり、より好ましくは2〜4である。
以下に一般式(I)〜(III)で表される化合物の具体例を記すが、本発明はこれらに限定されることはない。(なお、Phはフェニル基を表す)。
Figure 2009260276
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Figure 2009260276
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Figure 2009260276
Figure 2009260276
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Figure 2009260276
Figure 2009260276
Figure 2009260276
本発明の一般式(I)〜(III)で表される化合物は、種々の公知の合成法にて合成することが可能である。例えば、例示化合物53は下記スキームに従って合成できる。
Figure 2009260276
テトラヒドロフラン中0℃で、チアントレンに1.1等量のノルマルブチルリチウムを加え、30分反応させる。これに対して1.2当量のジクロロジフェニルシランを加え、室温下1時間程度反応させる。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で加水分解して例示化合物53を収率31%で得ることができる。
例えば、例示化合物55は下記スキームに従って合成できる。
Figure 2009260276
テトラヒドロフラン中0℃で、フェノキサチインに1.1等量のテトラメチルエチレンジアミンを加え、さらに1.1等量のノルマルブチルリチウムを滴下する。滴下後、1時間反応させる。これに対して1.2当量のジクロロジフェニルシランを加え、室温下1時間程度反応させる。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で加水分解して例示化合物55を収率28%で得ることができる。
例えば、例示化合物165は下記スキームに従って合成できる。
Figure 2009260276
m−ジブロモベンゼンと0.05等量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、10等量の炭酸ナトリウム、および2等量の1-ブロモフェノキサチインを1,2-ジメトキシエタン/純水 = 1:1 混合溶媒に溶解させ、還流温度にて12時間反応させた。反応混合物に酢酸エチルと水を加えて有機層を分離し、有機層を、水、飽和食塩水で洗浄した後減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶、昇華精製などにより精製、例示化合物165を収率60%で得た。
素子の耐久性を勘案すると、本発明の化合物のガラス転移温度(Tg)は、130℃以上、450℃以下であることが好ましく、より好ましくは135℃以上、450℃以下であり、さらに好ましくは140℃以上、450℃以下であり、特に好ましくは150℃以上、450℃以下であり、もっとも好ましくは160℃以上、450℃以下である。
ここで、Tgは示差走査熱量測定(DSC)、示差熱分析(DTA)などの熱測定や、X線回折(XRD)、偏光顕微鏡観察などにより確認できる。特に示差走査熱量測定(DSC)で測定するのが好ましい。
燐光を利用する有機EL素子である場合には、本発明の化合物の最低励起三重項エネルギー準位(T準位)は、60kcal/mol(272.35kJ/mol)以上、95kcal/mol(398.05kJ/mol)以下が好ましく、65kcal/mol(280.73kJ/mol)以上、95kcal/mol(398.05kJ/mol)以下がより好ましく、69kcal/mol(289.11kJ/mol)以上、95kcal/mol(398.05kJ/mol)以下がさらに好ましい。
本発明の化合物は、有機化合物層のうちいずれの層に含有されていてもよく、また複数の有機化合物層に含有されていても良いが、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、及び電子注入層に含有されていることが好ましく、発光層、正孔輸送層、及び電子輸送層に含有されていることがより好ましい。最も好ましい態様としては、本発明の化合物が発光層にホスト材料として含有される場合である。ここで、ホスト材料とは、発光層を構成する材料のうち、発光材料以外のものであり、発光材料を分散して層中に保持する機能、陽極や正孔輸送層等から正孔を受け取る機能、陰極や電子輸送層等から電子を受け取る機能、正孔及び/または電子を輸送する機能、正孔と電子の再結合の場を提供する機能、再結合により生成した励起子のエネルギーを発光材料に移動させる機能、及び正孔及び/または電子を発光材料に輸送する機能のうち少なくとも一種の機能を有する材料を意味する。
発光層にホスト材料として含有される場合、発光層における本発明の化合物の含有率は、10〜99.9質量%であることが好ましく、60〜99質量%であることがより好ましい。正孔ブロック層、正孔輸送層、正孔注入層、電子ブロック層、電子輸送層、電子注入層に含有される場合、各層における本発明の化合物の含有率は、70〜100質量%であることが好ましく、85〜100質量%であることがより好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
次に、本発明の有機EL素子を構成する各要素について説明する。
<基板>
基板は、有機化合物層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。その具体例としては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
例えば、基板としてガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
基板の形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、有機EL素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、基板の形状としては、板状であることが好ましい。基板の構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、また、単一部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよい。
基板は、無色透明であっても、有色透明であってもよいが、発光層から発せられる光を散乱又は減衰等させることがない点で、無色透明であることが好ましい。
基板には、その表面又は裏面に透湿防止層(ガスバリア層)を設けることができる。
透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に用いられる。透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
熱可塑性基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
<陽極>
陽極は、通常、有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機EL素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
陽極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物が好適に挙げられる。陽極材料の具体例としては、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。この中で好ましいのは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からはITOが好ましい。
陽極は、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、陽極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って、前記基板上に形成することができる。例えば、陽極の材料として、ITOを選択する場合には、陽極の形成は、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って行うことができる。
本発明の有機EL素子において、陽極の形成位置としては特に制限はなく、有機EL素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、前記基板上に形成されるのが好ましい。この場合、陽極は、基板における一方の表面の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
なお、陽極を形成する際のパターニングとしては、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陽極の厚みとしては、陽極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常、10nm〜50μm程度であり、50nm〜20μmが好ましい。
陽極の抵抗値としては、10Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。陽極が透明である場合は、無色透明であっても、有色透明であってもよい。透明陽極側から発光を取り出すためには、その透過率としては、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
なお、透明陽極については、沢田豊監修「透明導電膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、ここに記載される事項を本発明に適用することができる。耐熱性の低いプラスティック基材を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
<陰極>
陰極は、通常、有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機EL素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。具体例としてはアルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、陰極を構成する材料としては、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。
アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
なお、陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されており、これらの広報に記載の材料は、本発明においても適用することができる。
陰極の形成方法については、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。
例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、前記した陰極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。例えば、陰極の材料として、金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って行うことができる。
陰極を形成するに際してのパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陰極形成位置は特に制限はなく、有機化合物層上の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
また、陰極と前記有機化合物層との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
陰極の厚みは、陰極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μm程度であり、50nm〜1μmが好ましい。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚さに薄く成膜し、更にITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
<有機化合物層>
有機化合物層としては、前述したごとく、発光層のほかに、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
−発光層−
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
発光層は、発光材料のみで構成されていても良く、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でも良い。
発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であっても良いが、燐光発光材料であることがより好ましい。発光材料は1種であっても2種以上であっても良い。
ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であっても良く、例えば、電子輸送性のホスト材料と正孔輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいても良い。
また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
《蛍光発光材料》
蛍光発光材料としては、一般には、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ピラン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、縮合多環芳香族化合物(アントラセン、フェナントロリン、ピレン、ペリレン、ルブレン、またはペンタセンなど)、8−キノリノールの金属錯体、ピロメテン錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、およびこれらの誘導体などを挙げることができる。
《燐光発光材料》
燐光発光材料としては、一般に、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体を挙げることができる。
例えば、該遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、金、銀、銅、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金であり、更に好ましくはイリジウム、白金である。
ランタノイド原子としては、例えばランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、およびルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry, Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and
Photophysics of Coordination Compounds」
Springer−Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
具体的な配位子としては、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、芳香族炭素環配位子(例えば、好ましくは炭素数5〜30、より好ましくは炭素数6〜30、さらに好ましくは炭素数6〜20であり、特に好ましくは炭素数6〜12であり、シクロペンタジエニルアニオン、ベンゼンアニオン、またはナフチルアニオンなど)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、好ましくは炭素数5〜30、より好ましくは炭素数6〜30、さらに好ましくは炭素数6〜20であり、特に好ましくは炭素数6〜12であり、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、またはフェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、さらに好ましくは炭素数2〜16であり、酢酸配位子など)、アルコラト配位子(例えば、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、さらに好ましくは炭素数6〜20であり、フェノラト配位子など)、シリルオキシ配位子(例えば、好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、さらに好ましくは炭素数3〜20であり、例えば、トリメチルシリルオキシ配位子、ジメチル−tert−ブチルシリルオキシ配位子、トリフェニルシリルオキシ配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子、リン配位子(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、さらに好ましくは炭素数3〜20、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えば、トリフェニルフォスフィン配位子など)、チオラト配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、さらに好ましくは炭素数6〜20、例えば、フェニルチオラト配位子など)、フォスフィンオキシド配位子(好ましくは炭素数3〜30、より好ましくは炭素数8〜30、さらに好ましくは炭素数18〜30、例えば、トリフェニルフォスフィンオキシド配位子など)であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。
上記錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
これらの中でも、発光材料の具体例としては、例えば、US6303238B1、US6097147、WO00/57676、WO00/70655、WO01/08230、WO01/39234A2、WO01/41512A1、WO02/02714A2、WO02/15645A1、WO02/44189A1、WO05/19373A2、特開2001−247859号、特開2002−302671号、特開2002−117978号、特開2003−133074号、特開2002−235076号、特開2003−123982号、特開2002−170684号、EP1211257号、特開2002−226495号、特開2002−234894号、特開2001−247859号、特開2001−298470号、特開2002−173674号、特開2002−203678号、特開2002−203679号、特開2004−357791号、特開2006−256999号、特開2007−19462号、特開2007−84635号、特開2007−96259号等の特許文献に記載の燐光発光化合物などが挙げられ、中でも、更に好ましい発光材料としては、Ir錯体、Pt錯体、Cu錯体、Re錯体、W錯体、Rh錯体、Ru錯体、Pd錯体、Os錯体、Eu錯体、Tb錯体、Gd錯体、Dy錯体、およびCe錯体が挙げられる。特に好ましくは、Ir錯体、Pt錯体、またはRe錯体であり、中でも金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも一つの配位様式を含むIr錯体、Pt錯体、またはRe錯体が好ましい。更に、発光効率、駆動耐久性、色度等の観点で、3座以上の多座配位子を含むIr錯体、Pt錯体、またはRe錯体が特に好ましく、Ir錯体、またはPt錯体が最も好ましい。中でも4座配位子を有するPt錯体が特に好ましい。
発光材料としては、特に限定されないが、燐光発光材料を用いることが好ましく、イリジウム錯体燐光発光材料、もしくは、白金錯体燐光発光材料を用いることがより好ましく、4座配位子を有する白金錯体燐光発光材料を用いることが特に好ましいが、他の燐光発光材料を併用してもよい。
錯体燐光発光材料としては、Coordination Chemistry Reviews 250(2006)2093−2126に記載の化合物が挙げられる。
イリジウム錯体燐光発光材料としては、国際公開第00−70655号、国際公開第01−41512号、国際公開第02−5645号、特開2002−117978号、国際公開第04−085450号、国際公開第06−121811号、国際公開第05−019373号、国際公開第05−113704号、に記載の化合物が挙げられる。
白金錯体燐光発光材料としては、国際公開第00−57676号に記載の化合物が挙げられる。
4座配位子を有する白金錯体(燐光発光)材料として、より具体的には、米国特許第6,653,654号、国際公開第2004-099339号、国際公開第04−108857号、特開2005−310733号、特開2005−317516号、特開2006−261623号、特開2006−93542号、特開2006−256999号、国際公開第06−098505号、特開2007−19462号、特開2007−96255号、特開2007−96259号、国際公開第05−042444号、特開2006−232784号、米国特許第0134461号、国際公開第05−042550号、に記載の化合物が好ましい。
4座配位子を有する白金錯体(燐光発光)材料として、2-アリールピリジン誘導体、2−(1-ピラゾリル)ピリジン誘導体、1-アリールピラゾール誘導体を配位子の部分構造として含むものが好ましく、2-アリールピリジン誘導体、2−(1-ピラゾリル)ピリジン誘導体を配位子の部分構造として含むものがより好ましく、2−(1-ピラゾリル)ピリジン誘導体を配位子の部分構造として含むものが特に好ましい。
また、上記の配位子の部分構造(例えば、2-アリールピリジン誘導体、2−(1-ピラゾリル)ピリジン誘導体、1-アリールピラゾール誘導体など)は、適当な部位で連結されて、4座の配位子を構成する。
2-アリールピリジン誘導体を配位子の部分構造として含む場合には、ピリジン環の6位、もしくは、アリール基のピリジン環に対してメタ位で連結することが好ましく、ピリジン環の6位同士、もしくは、アリール基のピリジン環に対してメタ位同士で連結することがより好ましく、ピリジン環の6位同士で連結することが特に好ましい。
2−(1-ピラゾリル)ピリジン誘導体を配位子の部分構造として含む場合は、ピリジン環の6位、もしくは、1−ピラゾリル基の4位で連結することが好ましく、ピリジン環の6位同士、もしくは、1−ピラゾリル基の4位同士で連結することがより好ましく、ピリジン環の6位同士で連結することが特に好ましい。
1-アリールピラゾール誘導体を配位子の部分構造として含む場合には、ピラゾール環の3位、もしくは、アリール基のピラゾール環に対してメタ位で連結することが好ましく、ピラゾール環の3位同士、もしくは、アリール基のピラゾール環に対してメタ位同士で連結することがより好ましく、ピラゾール環の3位同士で連結することが特に好ましい。
上記の配位子の部分構造を連結する構造としては、単結合であっても、2価の連結基であっても良いが、2価の連結基であることが好ましく、2価の連結基としては、例えば、メチレン連結、エチレン連結、フェニレン連結、窒素原子連結、酸素原子連結、硫黄原子連結、ケイ素原子連結が好ましく、メチレン連結、窒素原子連結、ケイ素原子連結がより好ましく、メチレン連結が特に好ましい。メチレン連結基として具体的には、メチレン基(―CH―)、メチルメチレン基(―CHMe―)、フルオロメチルメチレン基(―CFMe―)、ジメチルメチレン基(―CMe―)、メチルフェニルメチレン基(―CMePh―)、ジフェニルメチレン基(―CPh―)、9,9−フルオレンジイル基、1,1−シクロペンタンジイル基、1,1−シクロヘキサンジイル基が挙げられ、ジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、9,9−フルオレンジイル基、1,1−シクロペンタンジイル基、1,1−シクロヘキサンジイル基が好ましく、ジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、1,1−シクロヘキサンジイル基がより好ましく、ジメチルメチレン基が特に好ましい。
また、4座配位子を有する白金錯体(燐光発光)材料として、より好ましいもののひとつは一般式(A)で表される白金錯体である。
Figure 2009260276
一般式(A)中、RA3、RA4は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、RA1、RA2は、それぞれ独立に、置換基を表す。RA1、RA2をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRA1、RA2は同じであっても異なってもよく、互いに連結して環を形成してもよい。nA1及びnA2はそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。YA1は連結基を表す。
A1、RA2、RA3、及びRA4が表す置換基としては、下記置換基群Aとして挙げた中から任意に選択することができる。
置換基群A:
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル基、エチル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシロキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ基、ピラジルオキシ基、ピリミジルオキシ基、キノリルオキシ基などが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、
アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ基、2−ベンズイミゾリルチオ基、2−ベンズオキサゾリルチオ基、2−ベンズチアゾリルチオ基などが挙げられる。)、
スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子であり、具体的にはイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基などが挙げられる。)、ホスホリル基(例えばジフェニルホスホリル基、ジメチルホスホリル基などが挙げられる。
A1が表す連結基としては、下記連結基群Aとして挙げた中から任意に選択することができる。
連結基群A:
アルキレン基(メチレン、エチレン、プロピレンなど)、アリーレン基(フェニレン、ナフタレンジイル)、ヘテロアリーレン基(ピリジンジイル、チオフェンジイルなど)、イミノ基(−NR−)(フェニルイミノ基など)、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、ホスフィニデン基(−PR−)(フェニルホスフィニデン基など)、シリレン基(−SiRR’−)(ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基など)、またはこれらを組み合わせたもの。これらの連結基は、さらに置換基を有していてもよい。
A1、RA2、RA3、及びRA4が表す置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、アリール基、ヘテロ環基がより好ましく、アリール基が特に好ましい。
A1が表す連結基としては、1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数1〜8のアルキレン基が好ましく、1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、炭素数1〜6のアルキレン基がより好ましく、フェニレン環が特に好ましい。
A3、及びRA4が表す置換基は、YA1が表す連結基と連結して環を形成してもよく、例えば、YA1が1,2位で連結したフェニレン環である場合には、RA3、及びRA4がそれぞれ3,6位で連結して、1,10−フェナントロリン環を形成していてもよく、更に置換基を有していてもよい。
4座配位子を有する白金錯体(燐光発光)材料として、より好ましいもののひとつは一般式(B)で表される白金錯体である。
Figure 2009260276
(一般式(B)中、AB1〜AB6はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。LB1は単結合または二価の連結基を表す。XはCまたはNを表す。Zは式中のX−Cと共に形成される5または6員の芳香環または芳香族ヘテロ環を表す。QB1はPtに結合するアニオン性の基を表す。)
一般式(B)について説明する。
B1〜AB6はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。Rで表される置換基としては、前記置換基群Aとして挙げたものと同義であり、好ましいものも同じである。
B1〜AB6として好ましくはC−Rであり、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。AB1〜AB6がC−Rである場合に、AB2、AB5のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基であり、特に好ましく水素原子、フッ素基であり、AB1、AB3、AB4、AB6のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基であり、特に好ましく水素原子である。
B1は単結合または二価の連結基を表す。
B1で表される二価の連結基としては、アルキレン基(メチレン、エチレン、プロピレンなど)、アリーレン基(フェニレン、ナフタレンジイル)、ヘテロアリーレン基(ピリジンジイル、チオフェンジイルなど)、イミノ基(−NR−)(フェニルイミノ基など)、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、ホスフィニデン基(−PR−)(フェニルホスフィニデン基など)、シリレン基(−SiRR’−)(ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基など)、またはこれらを組み合わせたものが挙げられる。これらの連結基は、さらに置換基を有していてもよい。
B1として好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、イミノ基、オキシ基、チオ基、シリレン基であり、より好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、イミノ基であり、さらに好ましくはアルキレン基であり、さらに好ましくはメチレン基であり、さらに好ましくはジ置換のメチレン基であり、さらに好ましくはジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジイソブチルメチレン基、ジベンジルメチレン基、エチルメチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、イソブチルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基、シクロペンタンジイル基、フルオレンジイル基、フルオロメチルメチレン基であり、特に好ましくはジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基である。
XはCまたはNを表す。Zは式中のX−Cと共に形成される5または6員の芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を表す。Zで表される芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環、フェナントレン環、ペリレン環、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、フェナントリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、シンノリン環、アクリジン環、フタラジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ナフチリジン環、プテリジン環、ピロール環、ピラゾール環、トリアゾール環、インドール環、カルバゾール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾピリジン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、フラン環、ベンゾフラン環、ホスホール環、ホスフィニン環、シロール環などが挙げられる。Zは置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。また、Zは他の環と縮合環を形成していても良い。
Zとして好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、インドール環、チオフェン環であり、より好ましくはベンゼン環、ピラゾール環、ピリジン環である。
B1はPtに結合するアニオン性の基を表す。QB1で表されるアニオン性の基としては、ビニル配位子、芳香族炭化水素環配位子(例えばベンゼン配位子、ナフタレン配位子、アントラセン配位子、フェナントラセン配位子など)、ヘテロ環配位子(例えばフラン配位子、チオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子および、それらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾチアゾール配位子など))が挙げられる。この時、QB1とPtの結合は、共有結合、イオン結合、配位結合などいずれであっても良い。QB1中のPtに結合する原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子が好ましく、QB1中のPtに結合する原子は炭素原子、酸素原子、窒素原子であることが好ましく、炭素原子であることがさらに好ましい。
B1で表される基として好ましくは炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子、窒素原子でPtに結合する含窒素芳香族ヘテロ環配位子、アシルオキシ配位子であり、より好ましくは炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子である。QB1で表される基としては特に一般式(B)中のC−Xと共に形成されるZ環と同一の基であることが好ましい。
一般式(B)で表される白金錯体のうち、より好ましい態様の一つは下記一般式(C)で表される白金錯体である。
Figure 2009260276
(一般式(C)中、AC1〜AC14はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。LC1は単結合または二価の連結基を表す。)
一般式(C)について説明する。
C1〜AC14はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。AC1〜AC6としては、前記一般式(B)におけるAB1〜AB6と同義であり、好ましい範囲も同様である。
C7〜AC14としては、AC7〜AC10とAC11〜AC14のそれぞれにおいて、N(窒素原子)を表すものの数は、0〜2が好ましく、0〜1がより好ましい。Nであるのは、AC8〜AC10とAC12〜AC14から選ばれるのが好ましく、AC8、AC9、AC12、AC13から選ばれるのがより好ましく、AC8、AC12から選ばれるのが特に好ましい。
C7〜AC14がC−Rを表す場合に、AC8、AC12のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、アルキル基、アリール基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましく水素原子、ポリフルオロアルキル基、シアノ基である。AC7、AC9、AC11、AC13の表すRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましく水素原子、フッ素基である。AC10、AC14の表すRとして好ましくは水素原子、フッ素基であり、より好ましくは水素原子である。AC7〜AC9、AC11〜AC13のいずれかがC−Rを表す場合に、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。
C1で表される連結基としては、前記一般式(B)におけるLB1が表す連結基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(B)で表される白金錯体のうち、より好ましい態様の一つは下記一般式(D)で表される白金錯体である。
Figure 2009260276
(一般式(D)中、AD1〜AD12はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。LD1は単結合または二価の連結基を表す。)
一般式(D)について説明する。
D1〜AD12はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。
D1〜AD6としては、前記一般式(B)におけるAB1〜AB6が表す置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
D7〜AD12としては、AD7〜AD9とAD10〜AC12のそれぞれにおいて、N(窒素原子)を表すものの数は、0〜2が好ましく、1〜2がより好ましく、1が特に好ましい。Nを表すものは、AD7〜AD9とAD10〜AC12から選ばれることが好ましく、AD7、AD9、AD10及びAD12から選ばれることがより好ましく、AD7及びAD10から選ばれることが特に好ましい。
D7〜AD12がC−Rである場合に、AD8、AD11のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、アルキル基、アリール基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましくポリフルオロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基やパーフルオロエチル基)、シアノ基である。AD7、AD9、AD10、AD12のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、フッ素基であり、特に好ましく水素原子である。AD7〜AD12のいずれかがD−Rを表す場合に、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。
D1で表される連結基としては、前記一般式(B)におけるLB1が表す連結基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
4座配位子を有する白金錯体(燐光発光)材料として、より好ましいもののひとつは一般式(E)で表される白金錯体である。
Figure 2009260276
(一般式(E)中、AE1〜AE14はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。LE1は単結合または二価の連結基を表す。)
一般式(E)について説明する。AE1〜AE12はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。AE1〜AE6としては、前記一般式(B)におけるAB1〜AB6と同義であり、好ましい範囲も同様である。AE7〜AE14としては、前記一般式(C)におけるAC7〜AC14と同義であり、好ましい範囲も同様である。
E1で表される連結基としては、前記一般式(B)におけるLB1が表す連結基と同義である。
E1として好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、イミノ基、オキシ基、チオ基、シリレン基であり、より好ましくはアルキレン基、イミノ基、オキシ基、チオ基、シリレン基であり、さらに好ましくはアルキレン基であり、さらに好ましくはメチレン基であり、さらに好ましくはジ置換のメチレン基であり、さらに好ましくはジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジイソブチルメチレン基、ジベンジルメチレン基、エチルメチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、イソブチルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基、シクロペンタンジイル基、フルオレンジイル基、フルオロメチルメチレン基であり、特に好ましくはジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基である。
4座配位子を有する白金錯体(燐光発光)材料として、より好ましいもののひとつは一般式(F)で表される白金錯体である。
Figure 2009260276
(一般式(F)中、AF1〜AF14はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。LF1は単結合または二価の連結基を表す。)
一般式(F)について説明する。
F1〜AF14はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。AF1〜AF5としては、前記一般式(B)におけるAB1〜AB5と同義である。AF1〜AF5として好ましくはC−Rであり、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。AF1〜AF5がC−Rである場合に、AF1〜AF5のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アリール基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましくは水素原子である。
F7〜AF14としては、前記一般式(C)におけるAC7〜AC14と同義であり、好ましい範囲も同様である。特に、AC7〜AC9、AC11〜AC13のいずれかがC−Rである場合に、R同士が互いに連結して形成する環構造としては、フラン環、ベンゾフラン環、ピロール環、ベンゾピロール環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、フルオレン環が好ましく、これらの環は更に置換基を有していてもよい。
F1で表される連結基としては、前記一般式(B)におけるLB1が表す連結基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
4座配位子を有する白金錯体(燐光発光)材料として、より好ましいもののひとつは下記一般式(G)で表される白金錯体である。
Figure 2009260276
(式中、AG1〜AG13は、それぞれ独立に、C−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。LG1は単結合または二価の連結基を表す。)
一般式(G)について説明する。LG1、AG1〜AG6は一般式(B)におけるLB1、AB1〜AB6と同義であり、好ましい範囲も同様である。
G7、AG8、AG9およびAG10は、それぞれ独立に、C−RまたはNを表し、AG7、AG8、AG9およびAG10の内少なくとも一つはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。Rで表される置換基としては、前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。AG7、AG8、AG9およびAG10がC−Rである場合に、Rとして好ましくは水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルオキシ基、シアノ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ジアルキルアミノ基、シアノ基、フッ素原子、更に好ましくは、アルキル基、トリフルオロメチル基、フッ素原子である。また可能な場合は置換基同士が連結して、縮環構造を形成してもよい。
G7、AG8、AG9およびAG10のうち、少なくとも一つはN原子を表し、N原子の数は1〜2が好ましく、1がさらに好ましい。
N原子の位置は、AG7、AG8、AG9およびAG10のいずれでもよいが、AG8またはAG9がN原子であることが好ましく、AG8がN原子であることがより好ましい。
2つの炭素原子と、AG7、AG8、AG9およびAG10とから形成される6員環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環が挙げられ、より好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環であり、特に好ましくはピリジン環である。前記6員環が、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環(特に好ましくはピリジン環)であることにより、ベンゼン環と比較して、金属−炭素結合を形成する位置に存在する水素原子の酸性度が向上する為、より金属錯体を形成しやすくなり有利である。
G11、AG12およびAG13は、それぞれ独立に、C−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。Rで表される置換基としては、前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。AG11、AG12およびAG13がC−Rである場合に、Rとして好ましくは水素原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルオキシ基、シアノ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ジアルキルアミノ基、シアノ基、フッ素原子、更に好ましくは、アルキル基、トリフルオロメチル基、フッ素原子である。また可能な場合は置換基同士が連結して、縮環構造を形成してもよい。
発光材料の具体例としては例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2009260276
Figure 2009260276
Figure 2009260276
また、4座配位子を有する白金錯体燐光発光材料としては、例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2009260276
Figure 2009260276
Figure 2009260276
発光材料は、一般的に発光層を形成する全化合物質量に対して、0.1質量%〜50質量%含有されることが好ましいが、耐久性、外部量子効率の観点から1質量%〜50質量%含有されることがより好ましく、2質量%〜40質量%含有されることがさらに好ましい。
≪ホスト材料≫
発光層に含有されるホスト材料としては、本発明の化合物の他、例えば、カルバゾール骨格を有するもの、アザカルバゾール骨格を有するもの、インドール骨格を有するもの、アザインドール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するもの及びアリールシラン骨格を有するものや、後述の正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層の項で例示されている材料が挙げられる。
ホスト材料の含有量は、特に限定はされないが、発光層に含まれる物質の総質量に対し50〜99質量%が好ましく、70〜95質量%がより好ましく、85〜90質量%が特に好ましい。
発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
−正孔注入層、正孔輸送層−
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、本発明の化合物の他、カルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体、インドール誘導体、アザインドール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、等を含有する層であることが好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、正孔注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.5nm〜100nmであるのがより好ましく、1nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
−電子注入層、電子輸送層−
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層、電子輸送層は、具体的には、本発明の化合物の他、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
電子注入層、電子輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.2nm〜100nmであるのがより好ましく、0.5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
−正孔ブロック層−
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、本発明の化合物の他、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
<保護層>
有機EL素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、SiNx、SiNxOy等の金属窒化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
<封止容器>
さらに、本発明の有機EL素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
また、封止容器と有機EL素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機EL素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
[比較例1−1]
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、銅フタロシアニンを10nm蒸着し、この上に、NPD[(N,N’−ジ−α−ナフチル−N,N’−ジフェニル)−ベンジジン]を40nm蒸着した。この上に、化合物B−1と化合物Aを12:88の比率(質量比)で20nm蒸着し(発光層)、この上に、BAlq[ビス−(2−メチル−8−キノリノレート)−4−(フェニルフェノレート)アルミニウム]を30nm蒸着し、この上に、Alq(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム錯体)を10nm蒸着した(電子輸送層)。この上に、フッ化リチウムを3nm蒸着した後、アルミニウム60nmを蒸着した。なお、蒸着速度は、0.2nm/秒とした。
また、膜厚は、ULVAC社製水晶振動子成膜コントローラーCRTM-9000により測定された蒸着速度と、Dektak型触針式膜厚計で測定した膜厚をもとに作成した検量線から算出した。
上記の積層体を、大気に触れさせること無く、アルゴンガスで置換したグローブボックス内に入れ、ステンレス製の封止缶及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止し、比較例1−1の有機EL素子を得た。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧を有機EL素子に印加して発光させた結果、化合物B−1に由来する燐光発光が得られた。
Figure 2009260276
[実施例1−1〜1−18、比較例1−2〜1−6]
発光層に用いた化合物を表1に記載のものに変更した以外は比較例1−1と同様に素子を作製し、評価した。用いた発光材料に由来するりん光発光が得られた。得られた結果を表1にまとめた。
Figure 2009260276
[有機EL素子の性能評価]
(a)外部量子効率
東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400を用いて、直流電流を各素子に印加し発光させる。その輝度をトプコン社製BM−8を用いて測定した。発光スペクトルと発光波長は浜松ホトニクス製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。これらを元に輝度が1000cd/m付近の外部量子効率を輝度換算法により算出した。
(b)駆動電圧
各素子を輝度が1000cd/mになるよう直流電圧を印加し、発光させる。このときの印加電圧を駆動電圧評価の指標とした。
以上の評価を行い、得られた結果を表1にまとめた。
Figure 2009260276
上記結果から明らかなように、本発明の有機EL素子は比較例の素子に比べ、外部量子効率が高く、かつ駆動電圧が低い。
[比較例2−1]
比較例1−1と同様に、洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、銅フタロシアニンを10nm蒸着し、この上に、NPD[N,N’−ジ−α−ナフチル−N,N’−ジフェニル]−ベンジジン]を40nm蒸着した。この上に、化合物B−3と化合物Aを12:88の比率(質量比)で15nmの蒸着した(発光層)。この上に、BAlq[ビス−(2−メチル−8−キノリノレート)−4−(フェニルフェノレート)アルミニウム]を40nm蒸着した(電子輸送層)。この上に、フッ化リチウムを3nm蒸着した後、アルミニウム60nmを蒸着し、素子を作製した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧を有機EL素子に印加して発光させた結果、化合物B−3に由来する燐光発光が得られた。
[実施例2−1〜2−5、比較例2−2、2−3]
発光層に用いた化合物を表2に記載のものに変更した以外は比較例2−1と同様に素子を作製し、評価した。用いた発光材料に由来するりん光発光が得られた。得られた結果を表2にまとめた。
Figure 2009260276
Figure 2009260276
上記結果から明らかなように、本発明の有機EL素子は比較例の素子に比べ、外部量子効率が高く、かつ駆動電圧が低い。
[比較例3−1]
比較例1−1と同様に、洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、銅フタロシアニンを10nm蒸着し、この上に、NPD[N,N’−ジ−α−ナフチル−N,N’−ジフェニル]−ベンジジン]を40nm蒸着した。この上に、化合物B−4と化合物Eを12:88の比率(質量比)で15nmの蒸着した(発光層)。この上に、BAlq[ビス−(2−メチル−8−キノリノレート)−4−(フェニルフェノレート)アルミニウム]を40nm蒸着した(電子輸送層)。この上に、フッ化リチウムを3nm蒸着した後、アルミニウム60nmを蒸着し、素子を作製した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧を有機EL素子に印加して発光させた結果、化合物B−4に由来する燐光発光が得られた。
[実施例3−1〜3−14、比較例3−2〜3−6]
発光層に用いた化合物を表3に記載のものに変更した以外は比較例3−1と同様に素子を作製し、評価した。用いた発光材料に由来するりん光発光が得られた。得られた結果を表3にまとめた。
Figure 2009260276
Figure 2009260276
上記結果から明らかなように、本発明の有機EL素子は比較例の素子に比べ、外部量子効率が高く、かつ駆動電圧が低い。
[比較例4−1]
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、銅フタロシアニンを10nm蒸着し、この上に、NPD[N,N’−ジ−α−ナフチル−N,N’−ジフェニル]−ベンジジン]を40nm蒸着した。この上に、ルブレンと化合物D−1を3:97の比率(質量比)で10nmの蒸着した(発光層)。この上に、この上に、BAlq[ビス−(2−メチル−8−キノリノレート)−4−(フェニルフェノレート)アルミニウム]を40nm蒸着した(電子輸送層)。この上に、フッ化リチウムを3nm蒸着した後、アルミニウム60nmを蒸着し、素子を作製した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧を有機EL素子に印加して発光させた結果、ルブレンに由来する発光が得られた。
[実施例4−1〜4−3]
発光層に用いた化合物を表4に記載のものに変更した以外は比較例4−1と同様に素子を作製し、評価した。用いたルブレンに由来する発光が得られた。得られた結果を表4にまとめた
Figure 2009260276
Figure 2009260276
上記結果から明らかなように、本発明の有機EL素子は比較素子に比べ、外部量子効率が高く、かつ駆動電圧が低い。
[比較例5−1]
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、銅フタロシアニンを10nm蒸着し、この上に、NPD[N,N’−ジ−α−ナフチル−N,N’−ジフェニル]−ベンジジン]を40nm蒸着した。この上に、化合物B−2と化合物Aを12:88の比率(質量比)で20nm蒸着した(発光層)。この上に、化合物D−2を10nm蒸着し(電子輸送層1)、さらにこの上に、Alq(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム錯体)を30nm蒸着した(電子輸送層2)。この上に、フッ化リチウムを3nm蒸着した後、アルミニウム60nmを蒸着し、素子を作製した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧を有機EL素子に印加して発光させた結果、化合物B−2に由来する燐光発光が得られた。
[実施例5−1〜5−3]
発光材料、電子輸送層1に用いた化合物を表5に記載のものに変更した以外は比較例5−1と同様に素子を作製し、評価した。用いた発光材料に由来するりん光発光が得られた。得られた結果を表5にまとめた。
Figure 2009260276
上記結果から明らかなように、本発明の有機EL素子は比較素子に比べ、外部量子効率が高く、かつ駆動電圧が低い。
[比較例6−1]
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、銅フタロシアニンを10nm蒸着し、この上に、NPD[N,N’−ジ−α−ナフチル−N,N’−ジフェニル]−ベンジジン]を40nm蒸着した。この上に、化合物B−4と化合物Eを12:88の比率(質量比)で20nm蒸着した(発光層)。この上に、化合物D−2を10nm蒸着し(電子輸送層1)、さらにこの上に、Alq(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム錯体)を30nm蒸着した(電子輸送層2)。この上に、フッ化リチウムを3nm蒸着した後、アルミニウム60nmを蒸着し、素子を作製した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧を有機EL素子に印加して発光させた結果、化合物B−4に由来する燐光発光が得られた。
[実施例6−1〜6−6、比較例6−2]
発光材料、電子輸送層1に用いた化合物を表6に記載のものに変更した以外は比較例6−1と同様に素子を作製し、評価した。用いた発光材料に由来するりん光発光が得られた。得られた結果を表6にまとめた。
Figure 2009260276
上記結果から明らかなように、本発明の有機EL素子は比較素子に比べ、外部量子効率が高く、かつ駆動電圧が低い。
[比較例7−1]
比較例1−1と同様に、洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、銅フタロシアニンを10nm蒸着し、この上に、NPD[N,N’−ジ−α−ナフチル−N,N’−ジフェニル)−ベンジジン]を40nm蒸着した。この上に、化合物B−2と化合物Eを12:88の比率(質量比)で20nm蒸着した(発光層)。この上に、BAlq[ビス−(2−メチル−8−キノリノレート)−4−(フェニルフェノレート)アルミニウム]を40nm蒸着した(電子輸送層)。この上に、フッ化リチウムを3nm蒸着した後、アルミニウム60nmを蒸着し、素子を作製した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧を有機EL素子に印加して発光させた結果、化合物B−2に由来する燐光発光が得られた。
[比較例7−2]
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、銅フタロシアニンを10nm蒸着し、この上に、NPD(N,N’−ジ−α−ナフチル−N,N’−ジフェニル)−ベンジジン)を30nm蒸着した(正孔輸送層1)。この上に、化合物D−2を10nm蒸着した(正孔輸送層2)。この上に、化合物B−2と化合物Eを12:88の比率(質量比)で20nm蒸着した(発光層)。この上に、BAlq[ビス−(2−メチル−8−キノリノレート)−4−(フェニルフェノレート)アルミニウム]を40nm蒸着した(電子輸送層)。この上に、フッ化リチウムを3nm蒸着した後、アルミニウム60nmを蒸着し、素子を作製した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧を有機EL素子に印加して発光させた結果、化合物B−2に由来する燐光発光が得られた。
[実施例7−1〜7−9、比較例7−3、7−4]
発光材料、正孔輸送層2に用いた化合物を表7に記載のものに変更した以外は比較例7−2と同様に素子を作製し、評価した。用いた発光材料に由来するりん光発光が得られた。得られた結果を表7にまとめた。
Figure 2009260276
上記実施例から明らかなように、本発明によれば、有機EL素子の外部量子効率を向上させ、駆動電圧を低電圧化できることがわかった。

Claims (10)

  1. 一対の電極間に、発光層を含む有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、下記一般式(I)で表される化合物を有機化合物層に含有することを特徴とする有機電界発光素子。
    Figure 2009260276
    (一般式(I)中、A1〜A8はN原子またはC-R1を表し、R1は水素原子または置換基を表す。複数のR1は同一でも異なっていてもよい。X1はS原子またはO原子を表す。mは2以上の整数を表す。Lは単結合またはm価の連結基を表し、A1〜A8中のC原子と連結する。Lが芳香族炭化水素環または芳香族へテロ環である場合、環の大きさは5員環または6員環である。)
  2. 一般式(I)で表される化合物が下記一般式(II)で表されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2009260276
    (一般式(II)中、A1〜A8はN原子またはC-R1を表し、R1は水素原子または置換基を表す。複数のR1は同一でも異なっていてもよい。X1はS原子またはO原子を表す。R21は水素原子または置換基を表す。複数のR21は同一でも異なっていてもよい。m’は2〜4の整数を表す。ケイ素連結基は、A1〜A8中のC原子と連結する。)
  3. 一般式(I)で表される化合物が下記一般式(III)で表されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2009260276
    (一般式(III)中、A1〜A8はN原子またはC-R1を表し、R1は水素原子または置換基を表す。複数のR1は同一でも異なっていてもよい。X1はS原子またはO原子を表す。Ar31は芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を表し、環の大きさは5員環または6員環である。Ar31はA1〜A8中のC原子と連結する。R31は水素原子または置換基を表す。複数のR31は同一でも異なっていてもよい。mは2以上の整数を表す。nは0以上の整数を表す。)
  4. 前記一般式(I)〜(III)で表される化合物のガラス転移温度が130℃以上、450℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  5. 前記一般式(I)〜(III)で表される化合物の最低励起三重項エネルギー準位が60kcal/mol(272.35kJ/mol)以上、95kcal/mol(398.05kJ/mol)以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  6. 前記発光層に燐光発光材料を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  7. 前記燐光発光材料がイリジウム錯体または白金錯体であることを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光素子。
  8. 前記一般式(I)〜(III)で表される化合物を、発光層に含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  9. 前記発光層と陽極の間に正孔輸送層を有し、前記一般式(I)〜(III)で表される化合物を、正孔輸送層に含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  10. 前記発光層と陰極の間に電子輸送層を有し、一般式(I)〜(III)で表される化合物を、電子輸送層に含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の有機電界発光素子。
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