JP2009259708A - 表示装置及び前記表示装置に用いられる導光体 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源の光量を効率よく照明として用いて所望の領域を他の領域より発光照度を上げることを可能とする安価な導光体を使用することで、文字盤の発光輝度の斑の発生を抑制し、かつ特に高速領域を他の領域より発光照度を上げて高輝度発光にて視認性に優れた安価な表示装置を提供する。
【解決手段】文字盤3の裏面側に配置された導光体7における平面視円弧状の導光板5に光源9からの光を入射する。この入射した光は前記導光板5の中心位置から放射状に形成された複数の光反射用溝部21の反射面21Aにより文字盤3側に向けて反射する。このとき、導光体7は、前記導光板5を少なくとも2つ以上の領域23、25に設定し、前記各領域23、25の照度の高低差を設けるべく前記各領域23、25の光反射用溝部21が互いに異なる形態で構成される。この反射された光は文字盤3の目盛部15および数字部17を透過照明する。
【選択図】図1
【解決手段】文字盤3の裏面側に配置された導光体7における平面視円弧状の導光板5に光源9からの光を入射する。この入射した光は前記導光板5の中心位置から放射状に形成された複数の光反射用溝部21の反射面21Aにより文字盤3側に向けて反射する。このとき、導光体7は、前記導光板5を少なくとも2つ以上の領域23、25に設定し、前記各領域23、25の照度の高低差を設けるべく前記各領域23、25の光反射用溝部21が互いに異なる形態で構成される。この反射された光は文字盤3の目盛部15および数字部17を透過照明する。
【選択図】図1
Description
この発明は、表示装置及び前記表示装置に用いられる導光体に関し、特に速度計や回転計といったメータなどの車両用の表示装置、並びに前記表示装置に照明装置として適用される導光体に関する。
一般に、車両用の速度計などの計器に用いられる表示装置の目盛や数字等は、指針の回動運動に沿って文字盤の外周側に円弧上に配置されている。そして、目盛や数字等の直下に円弧状に配列された複数の光源により目盛や数字等を透過照明している。しかし、このような構成においては、文字盤の発光輝度の斑を小さくするためには多数の光源が必要となり、消費電力およびコストが増大する。
そこで、少数の光源により均一な明るさで透過照明するために、文字盤の裏側に透光性材料からなる導光板を配置し、光源からの光を導光板に入射させて、導光板により文字盤に導いて透過照明する技術が知られている。この場合、導光板の形状を調整することにより、文字盤の発光輝度の斑を小さくすることが可能となる。
例えば、特許文献1には、平面視円弧状の導光体の外周の側面に複数の光伝播用反射面を形成し、この複数の光伝播用反射面で導光体の両端に配置された2つの光源である発光ダイオードからの光を反射することで、導光体内での光の軌跡の通過範囲を拡大して導光体表面のほぼ全域を発光させ、文字盤の発光輝度の斑を低減する表示装置が開示されている。さらに、導光体の裏面(文字盤と反対側の面)に光を文字盤に向けて光の拡散を行うためのシボ面を設けている。
また、特許文献1では、導光体の外周の側面に光伝播用反射面が設けられており、発光ダイオードの光を前記光伝播用反射面で反射させることによって当該導光体を照射するものである。すなわち、導光体に外形加工(機械加工)を施すことによって反射面を作成するものである。
また、特許文献1には「発光照度の斑を低減する」ことが記載されている。これは当該箇所の照度バラツキを低減することと同じ意味であり、照度バラツキの小さい方が操作者は見やすいこと、すなわち視認性に優れていることを示したものである。
特開2007−139791号公報
ところで、自動車をはじめとする車両の場合では、渋滞などの状況を除き、一般的には一般道路と高速道路の走行速度が異なることが知られている。すべての速度域における安全性が重要であることは言うまでもないが、交通事故が発生したときの規模の大きさや人命に対する安全性等を考慮すると、高速走行の時ほど、特に安全な走行が望まれる。
従って、高速道路の走行時に使用される速度域での表示装置の視認性を上げることは、車両の安全性を確保する上で重要である。そこで、表示装置の視認性を上げる手法の一つとしては、当該箇所を明るくすること、すなわち高い照度とすることが知られている。
従来の特許文献1の表示装置は、前述したように、外周の側面に光伝播用反射面を有した平面祝円弧状の導光体を用いたものである。対象となる表示箇所に明るい箇所と暗い箇所が複数存在し、いわゆる斑のようになっていれば良好な視認性とは言いがたいので、当該文献に記載されている手法によって発光照度の斑を低減することが示されている。
しかし、特許文献1の表示装置では、高速度域の視認性を上げることは考慮していないし、所望の速度領域に限定して他の領域よりも発光照度を上げることは、構造的に難しいものであった。
この発明は、光源の光量を効率よく照明として用いて所望の領域を他の領域より発光照度を上げることを可能とする安価な導光体を提供し、この導光体を使用することで文字盤の発光輝度の斑の発生を抑制し、かつ特に高速領域を他の領域より発光照度を上げて高輝度発光にて視認性に優れた安価な表示装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明の表示装置は、透光性材料からなり、複数の目盛が円弧状に配列されてなる目盛部と、複数の数字が円弧状かつ前記目盛部と同心上に配列されてなる数字部とを有する文字盤と、
平面視円弧状の形状で、前記文字盤の裏面側に前記目盛部及び前記数字部を覆うように配置され、光を伝播する透光性材料からなる導光板と、この導光板の前記平面視円弧状の円周方向の一端に光を入射すべく設けた光入射面と、前記導光板の前記文字盤に対向する表面の反対側である裏面に前記平面視円弧の中心位置から放射状に複数形成されて前記伝播する光を前記導光板の前記表面側に反射する反射面を有する断面略三角形の光反射用溝部と、からなる導光体と、
前記導光板の前記光入射面に光を入射可能に配置された光源とを備え、
前記導光体は、前記導光板を少なくとも2つ以上の領域に設定し、前記各領域の照度の高低差を設けるべく前記各領域の光反射用溝部が互いに異なる形態で構成されていることを特徴とするものである。
平面視円弧状の形状で、前記文字盤の裏面側に前記目盛部及び前記数字部を覆うように配置され、光を伝播する透光性材料からなる導光板と、この導光板の前記平面視円弧状の円周方向の一端に光を入射すべく設けた光入射面と、前記導光板の前記文字盤に対向する表面の反対側である裏面に前記平面視円弧の中心位置から放射状に複数形成されて前記伝播する光を前記導光板の前記表面側に反射する反射面を有する断面略三角形の光反射用溝部と、からなる導光体と、
前記導光板の前記光入射面に光を入射可能に配置された光源とを備え、
前記導光体は、前記導光板を少なくとも2つ以上の領域に設定し、前記各領域の照度の高低差を設けるべく前記各領域の光反射用溝部が互いに異なる形態で構成されていることを特徴とするものである。
また、この発明の表示装置は、前記表示装置において、前記各領域の光反射用溝部の互いに異なる形態は、断面形状や寸法やピッチであることが好ましい。
また、この発明の表示装置は、前記表示装置において、前記各光反射用溝部の反射面は、前記導光板を幅方向に横断するように形成されていることが好ましい。
また、この発明の表示装置は、前記表示装置において、前記導光板の前記文字盤に対向する前記表面上に、前記導光板の前記表面から出射する光を拡散する光拡散部材を配置してなることが好ましい。
この発明の導光体は、平面視円弧状の形状で、かつ光を伝播する透光性材料からなる導光板と、
この導光板の前記平面視円弧状の円周方向の一端に光源の光を入射すべく設けた光入射面と、
前記導光板の表面の反対側である裏面に前記平面視円弧状の中心位置から放射状に複数設けられて前記伝播する光を前記導光板の前記表面側に反射する反射面を有する断面略三角形の光反射用溝部とを備え、
前記導光板を少なくとも2つ以上の領域に設定し、前記各領域の照度の高低差を設けるべく前記各領域の光反射用溝部が互いに異なる形態で構成されていることを特徴とするものである。
この導光板の前記平面視円弧状の円周方向の一端に光源の光を入射すべく設けた光入射面と、
前記導光板の表面の反対側である裏面に前記平面視円弧状の中心位置から放射状に複数設けられて前記伝播する光を前記導光板の前記表面側に反射する反射面を有する断面略三角形の光反射用溝部とを備え、
前記導光板を少なくとも2つ以上の領域に設定し、前記各領域の照度の高低差を設けるべく前記各領域の光反射用溝部が互いに異なる形態で構成されていることを特徴とするものである。
また、この発明の導光体は、前記導光体において、前記各領域の光反射用溝部の互いに異なる形態は、断面形状や寸法やピッチであることが好ましい。
また、この発明の導光体は、前記導光体において、前記各光反射用溝部の反射面は、前記導光板を幅方向に横断するように形成されていることが好ましい。
以上のごとき課題を解決するための手段から理解されるように、この発明の表示装置によれば、簡便な加工で製造することが可能であり、かつ文字盤の目盛部および数字部の発光輝度の斑の発生を抑制し、かつ少なくとも2つ以上の領域の照度の高低差を設けるべく前記各領域の光反射用溝部が互いに異なる形態で構成されているので、特に所望の領域を他の領域より発光照度を上げて高輝度発光にて視認性を向上することができる。すなわち、光反射用溝部は例えば切削加工などの簡単な方法で設けることができるので、安価で視認性に優れた車両用の表示装置を提供することができる。
また、この発明の導光体によれば、簡便な加工で製造することが可能であり、かつ少なくとも2つ以上の領域の照度の高低差を設けるべく前記各領域の光反射用溝部が互いに異なる形態で構成されているので、導光板の一端の光入射面から光源の光を入射すると、導光板の所望の領域を他の領域より発光照度を上げることを可能とする安価な導光体を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2を参照するに、この実施の形態に係る表示装置1は、文字盤3と、導光板5を有する導光体7と、光源9と、光拡散部材としての例えば光拡散フィルム11と、ケース13とが備えられている。なお、図1では、この実施の形態の表示装置1を自動車のスピードメータに適用した例が示されている。
文字盤3は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透光性材料の薄板で構成されている。図1に示されているように、文字盤3には、複数の目盛15Aが円孤状に配列されてなる目盛部15が形成され、さらに目盛部15の内周側には、複数の数字17Aが円弧状かつ目盛部15と同心上に配列されてなる数字部17が形成されている。
目盛部15および数字部17は、文字盤3の表面または裏面に、印刷あるいはホットスタンプ等を施すことにより形成されている。すなわち、目盛部15および数字部17以外の部分に不透光性を有する着色層を設けるとともに、目盛部15および数字部17が透明なままとされる、あるいは半透明着色層を設ける等の処置が施されている。
導光体7としては、その主要部をなす導光板5が、光を伝播する透光性のプラスチック材料からなり、その厚さtは、例えば約1mm〜約3mmの板状に形成されており、図1、図2に示されているように、その平面視形状が円弧状に形成され、文字盤3の裏面側に目盛部15および数字部17を覆うように配置されている。
また、導光板5の前記平面視円弧状の円周方向の一端には、光源9が発する光を入射するための光入射面19が設けられている。
一般に、プラスチック材料に光を照射すると、プラスチック材料を媒質として光が伝播するが、プラスチック材料の表面に傷や欠陥等があると、伝播された光がその箇所で散乱する(もしくは反射する)ことが知られている。特に透明度の高い材料、高屈折率の材料ほど、媒質内での光の散乱が少ないので効率よく光が伝播することが知られている。これを利用して、プラスチック材料の表面に機械加工を施して、伝播された光を散乱(もしくは反射)させることが可能である。
そこで、図3及び図4に示されているように、導光板5の文字盤3に対向する表面5Aの反対側の面である裏面5Bには、その円周方向のほぼ全域にわたって、複数の光反射用溝部21が所定の角度間隔で、導光板5の平面視円弧の中心位置から放射状に形成されている。前記光反射用溝部21は、断面略三角(もしくはV字)形状を有し、導光板5を幅方向に横断するように形成されている。
さらに、前記導光板5を少なくとも2つ以上の領域に設定し、前記各領域の照度の高低差を設けるべく前記各領域の光反射用溝部21が互いに異なる形態で構成されている。この実施の形態では、図3に示されているように前記導光板5が低照度領域23と高照度領域25に設定されている。なお、低照度領域23といっても、高照度領域25に比較して低照度であるという意味であって、本質的には高輝度発光である。
低照度領域23では、光反射用溝部21の角度間隔を、導光板5の平面視円弧の外周側における光反射用溝部21のピッチPが4mmとなるようにすることができる。一方、高照度領域25では、光反射用溝部21の角度間隔を、導光板5の平面視円弧の外周側における光反射用溝部21のピッチPが2mmとなるようにすることができる。
また、上記の低照度領域23と高照度領域25のいずれにおいても、前記光反射用溝部21の一面には、導光板5を幅方向に横断する反射面21Aが形成されている。この反射面21Aは、導光板5内を進行する光を表面5A側へ反射するためのものであって、図4に示されているように、裏面5Bに対して所定の傾斜角度αで傾斜するように構成されている。光反射用溝部21の反射面21Aが導光板5を幅方向に横断するように形成することで、文字盤3の発光輝度の斑の発生を低減することができる。
上記の各反射面21Aは、光源9からの光を導光板5の表面5A側へ反射するように形成されている。例えば、各光反射用溝部21は、図3において左側の光入射面19に配置される光源9の側を向いて光源9からの光を表面5A側へ反射するように形成されている。
反射面21Aの傾斜角度αは、小さすぎれば反射光の傾斜角度も大きくなり、表示装置1を正面から見たときの文字盤3の発光輝度が低下する。傾斜角度αが大きすぎれば、光の入射角度が臨界角を超え、反射面21Aを透過する光の割合が増加するため、光の反射効率が低下し、光の利用効率が低くなる。この光の利用効率の低下を抑制するためには、光源9への投入電力を大きくして発光輝度を増大させる手法が知られている。しかしながら、この手法は消費電力の増加や光源9の寿命の低下を招くため好ましくない。
このため、反射面21Aの傾斜角度αは特に制限を設ける必要はないが、45°以上で、60°以下が好ましく、50°以上で、55°以下がさらに好ましい。傾斜角度αを上記範囲とすることによって、光の反射効率を高くするとともに、文字盤3の発光輝度を高めることができる。なお、この実施の形態では前記反射面21Aの傾斜角度αは、例えば45°である。
なお、各反射面21Aの傾斜角度αが同一である場合、すべての光反射用溝部21の高さγ(図4参照)を同一とすると、光源9に近い光反射用溝部21における反射光に比べ、光源9から遠い位置にある光反射用溝部21における反射光の輝度が低くなる傾向がある。
この実施の形態では、図4に示されているように、光源9からの距離が大きい光反射用溝部21ほど高さγを大きくすることによって、各光反射用溝部21の反射光量を平準化し、輝度の均一化を図ることが可能である。要するに、光源9からの距離が遠くなると光量が減衰することと、高さγを光源9から遠くなるにしたがって段階的に大きくすることによって反射光の輝度を大きくすることとのバランスを取ることによって、当該の範囲の輝度の均一化を図ることができる。
以上のように、上記の少なくとも2つ以上の各領域、この実施の形態では低照度領域23と高照度領域25の各光反射用溝部21の形態としては、例えば断面形状や寸法やピッチPを互いに異ならせることで、各領域23、25の照度の高低差を設けることができる。
しかも、光源9から発光される光量の大きさ、光源9の光量が導光板5に挿入される際の効率、導光板5に入射された光がプラスチック材料を伝播していく際の減衰の程度、傾斜角度αによる反射光の大きさ、反射面21Aを通過する光量、光反射用溝部21の深さによる反射光の大きさや輝度などを考慮して、導光板5の切削加工を行うことになる。
また、光源9は、導光板5の光入射面19に光を入射可能に配置され、1つの発光ダイオード、レーザダイオード等を備えることができる。
光拡散フィルム11は、光を拡散させる樹脂もしくは当該樹脂がコーティングされたフィルムからなり、平面視環状もしくは平面視円弧状に形成されており、導光板5の表面5A上に配置され、表面5Aから出射する光を拡散する。
ケース13は、上述の各部品を収納、保持する。
なお、スピードメータには、文字盤3の目盛15Aを指し示す指針や、この指針を回動させるムーブメント等が備えられるが、これらの部分はこの発明に直接関係しないため、図示および説明を省略する。
次に、上述した導光体7の実施例について説明すると、導光体7は、図3に示されているように、厚さtが2mmの市販のポリメタクリル酸メチル(PMMA)からなる導光板5を用いた。また、前記導光板5の裏面5Bには、ダイヤモンドバイト切削法により複数の光反射用溝部21を形成した。前記各光反射用溝部21は、前述した図3に示されているものと同様に断面三角形状の溝部であり、傾斜角度αが45°と角度θが90°の切削角度で、切削深さγが0.1mmである。また、平面視円弧の外周を基準とした切削ピッチPは、低照度領域23では4mmで、高照度領域25では2mmとしている。なお、切削深さγについては、低照度領域23と高照度領域25においてそれぞれ光源9の光入射面19の側(導光板5の受光側)から反対側に向かって少しずつ深くなるように切削バイトの押し込み量を少しずつ大きくして、導光板5の平面視円弧の中心位置から放射状に切削した。
上記の実施例の試料に対して、光源9としては砲弾型LED(豊田合成株式会社製、型番;E1L33−AW0A−03、白色、サイズ;φ3)を用いて、導光体7の光入射面19(受光面)から光を入射した。照度計(コニカミノルタ株式会社製、T−10M)により、導光体7の照度分布を調査した。測定箇所は、低照度領域23と高照度領域25においてそれぞれ50箇所とした。
表1から分かるように、低照度領域23は、平均照度である2.80ルクスを基準とすると、マイナス4.3%からプラス5.0%の範囲のバラツキがある。一方、高照度領域25は同様に平均照度である4.41ルクスを基準としてマイナス4.5%からプラス4.3%のバラツキである。要するに、低照度領域23も高照度領域25も±5%程度の照度バラツキが存在する。しかしながら、照度計で4〜5%程度のバラツキは、肉眼では均一の状態に見えることが知られており、特に斑のように見えるわけではないので、運転者の視認性の点では問題がないと想到される。
また、低照度領域23と高照度領域25では平均照度を基準とすると、約1.6倍もの照度の違いがある。ここで、図1に示されているような文字盤3を用いた場合を想定すると、時速80kmまでが低照度領域23であり、時速80kmを越えた当たりから高照度領域25になる。運転者は、一般道路を走行する場合は低照度領域23を主に目視し、一方、高速道路や自動車専用道路を高速走行する場合は高照度領域25を主に目視しており、いずれの領域23、25の場合でも自動車の走行スピードの情報を得る。このとき、高照度領域25の方の照度が高いので、より視認性に優れることから、安全性を向上させることができる。
上記のように構成された表示装置1において、外部から電力が供給されて光源9が発光すると、光入射面19から導光板5に入射した光は、導光板5の表面5A、裏面5B、および側面で反射されながら導光板5内を進行する。そして、図4に示されているように、導光板5内を進行する光のうち、複数の各光反射用溝部21の反射面21Aに達した光のほとんどは、反射面21Aにより反射されて表面5A側から外部へと出射される。
このとき、導光板5が低照度領域23と高照度領域25に設定されており、低照度領域23では光反射用溝部21のピッチPを4mmとしていることで、照明効率に優れた高輝度発光にて反射面21Aにより反射される。しかし、高照度領域25では光反射用溝部21のピッチPを2mmとしていることで、前記低照度領域23の場合より一層高輝度発光にて反射面21Aにより反射され、視認性を向上することができる。以上のように、導光板5の領域は例えば切削加工などの簡単な方法で低照度領域23と高照度領域25に分けることができる。
しかも、低照度領域23と高照度領域25のいずれにおいても、複数の光反射用溝部21が各溝深さを前記光源9から遠くなるにつれて段階的に大きくされていることで、各反射面21Aの反射光の輝度の均一性が図られるので、導光板5の表面5Aには各領域23、25毎に均一性に優れた発光照度が生じることとなる。
さらに、各光反射用溝部21の反射面21Aにより反射され、導光板5の表面5Aから出射した光は、光拡散フィルム11により拡散される。この拡散された光は、当該箇所において均一化された輝度となっており、文字盤3の目盛部15および数字部17へ均一な明るさで透過照明されて発光表示される。したがって、文字盤3の目盛部15および数字部17の発光輝度の斑の発生を抑制し、かつ高輝度発光にて表示装置1の視認性を向上することができる。
以上のように、車両の表示装置1において表示箇所を低照度領域23と高照度領域25などのように少なくとも2つ以上の領域に分けることは、視認性に劣るものではないし、逆に、高速走行の安全性を向上させるための一つの方法となる。つまり、安価で視認性に優れた車両用の表示装置1を提供することが可能となる。
なお、この発明は、上記の実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
また、前述した実施の形態の表示装置1の効果をさらに上げるために、例えば、発光量の大きい発光ダイオードを光源9として用いて、照度の絶対値を増加させることができる。
また、前述した実施の形態では、導光体7の光反射用溝部21の切削加工を対象とする範囲を変えることで照度を2段階に分けているが、この手法を拡張して、例えば3段階、4段階にすることも可能である。さらに、連続的に照度を変化させる、所謂グラデーションをつけるような手法を取ることも可能であり、照度の高低差を設ける領域の数や範囲を特に制限するものではない。
また、前述した実施の形態では、導光板5は平面視円弧状の形状としているが、この実施の形態における平面視円弧状の定義について説明すると、導光板5はその一端側から光源9の光を入射するための光入射面19を設ける必要があるので、平面視環状の形状に対しては必ず切欠いて端面を設けて光入射面19を形成することになる。したがって、たとえ全体的には殆ど平面視環状であっても、厳密には平面視円弧の形状となる。
また、平面視の外周形状が円状でなく、多角形状となっていても、全体形状では平面視円弧状ということができる。したがって、平面視円弧状といっても、全体的にほぼ平面視環状であっても、平面視の外周形状が多角形状であっても、特に形状が規定されるものではない。つまり、車両用の表示装置1に適用できる形状であれば何ら問題はない。
1 表示装置
3 文字盤
5 導光板
5A 表面
5B 裏面
7 導光体
9 光源
11 光拡散フィルム(光拡散部材)
13 ケース
15 目盛部
15A 目盛
17 数字部
17A 数字
19 光入射面
21 光反射用溝部
21A 反射面
23 低照度領域
25 高照度領域
3 文字盤
5 導光板
5A 表面
5B 裏面
7 導光体
9 光源
11 光拡散フィルム(光拡散部材)
13 ケース
15 目盛部
15A 目盛
17 数字部
17A 数字
19 光入射面
21 光反射用溝部
21A 反射面
23 低照度領域
25 高照度領域
Claims (7)
- 透光性材料からなり、複数の目盛が円弧状に配列されてなる目盛部と、複数の数字が円弧状かつ前記目盛部と同心上に配列されてなる数字部とを有する文字盤と、
平面視円弧状の形状で、前記文字盤の裏面側に前記目盛部及び前記数字部を覆うように配置され、光を伝播する透光性材料からなる導光板と、この導光板の前記平面視円弧状の円周方向の一端に光を入射すべく設けた光入射面と、前記導光板の前記文字盤に対向する表面の反対側である裏面に前記平面視円弧の中心位置から放射状に複数形成されて前記伝播する光を前記導光板の前記表面側に反射する反射面を有する断面略三角形の光反射用溝部と、からなる導光体と、
前記導光板の前記光入射面に光を入射可能に配置された光源とを備え、
前記導光体は、前記導光板を少なくとも2つ以上の領域に設定し、前記各領域の照度の高低差を設けるべく前記各領域の光反射用溝部が互いに異なる形態で構成されていることを特徴とする表示装置。 - 前記各領域の光反射用溝部の互いに異なる形態は、断面形状や寸法やピッチであることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 前記各光反射用溝部の反射面は、前記導光板を幅方向に横断するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の表示装置。
- 前記導光板の前記文字盤に対向する前記表面上に、前記導光板の前記表面から出射する光を拡散する光拡散部材を配置してなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の表示装置。
- 平面視円弧状の形状で、かつ光を伝播する透光性材料からなる導光板と、
この導光板の前記平面視円弧状の円周方向の一端に光を入射すべく設けた光入射面と、
前記導光板の表面の反対側である裏面に前記平面視円弧状の中心位置から放射状に複数設けられて前記伝播する光を前記導光板の前記表面側に反射する反射面を有する断面略三角形の光反射用溝部とを備え、
前記導光板を少なくとも2つ以上の領域に設定し、前記各領域の照度の高低差を設けるべく前記各領域の光反射用溝部が互いに異なる形態で構成されていることを特徴とする導光体。 - 前記各領域の光反射用溝部の互いに異なる形態は、断面形状や寸法やピッチであることを特徴とする請求項5記載の導光体。
- 前記各光反射用溝部の反射面は、前記導光板を幅方向に横断するように形成されていることを特徴とする請求項5又は6記載の導光体。
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