JP2009257715A - 冷蔵庫及び真空断熱材 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷蔵庫において、部分的な損傷による真空断熱材の断熱性能の低下を抑制しつつ、設置場所に適した断熱性能を確保すること。
【解決手段】冷蔵庫は、外箱と内箱とによって形成される空間内に、芯材52、吸着剤5を外被材51に収納し内部を真空にした真空断熱材50を外箱または内箱に沿って設置すると共に、発泡断熱材を充填して断熱箱体を構成している。真空断熱材50は、外被材51を射出成形された樹脂外被材51a、51bを用いて形成すると共に、樹脂外被材51a、51bの内部空間を真空度の異なる複数の独立した空間に区画している。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷蔵庫及び真空断熱材に関する。
近年、地球温暖化防止の観点から省エネルギーが強く望まれており、家庭用電化製品についても省エネルギー化は緊急の課題となっている。特に、冷蔵庫では熱を効率的に利用するという観点から、優れた断熱性能を有する断熱箱体が求められている。
冷蔵庫の一般的な断熱箱体としては、外箱と内箱との間にポリウレタンフォームなどの発泡断熱材を充填した断熱箱体が広く用いられている。かかる断熱箱体において断熱能力を増大するために、発泡断熱材の厚さを増すことが考えられるが、冷蔵庫では省スペースや空間の有効利用が強く求められており、発泡断熱材を充填できる空間を増大することが困難であった。
そこで、高性能な断熱材である真空断熱材と発泡断熱材とを併用して断熱箱体とすることが提案されている。ここで用いられる真空断熱材は、スペーサの役割を持つ芯材を、ガスバリア性を有する外被材中に収納し、外被材の内部を真空にすると共に外被材の周縁部を封止した断熱材である。
最近の真空断熱材においては、その熱伝導率を大幅に低減すべく、繊維系を極細にしたグラスウール等の無機繊維集合体を用いることが主流となっている。例えば、特開平9−138058号公報(特許文献1)に開示された真空断熱材がある。この真空断熱材は、グラスウール等の無機繊維重合体を有機系バインダーで固め成形してなる芯材と、活性炭またはゼオライトからなる吸着剤と、芯材及び吸着剤を覆う金属箔の層を積層してなるラミネートフィルム(外被材)とを備え、このラミネートフィルムの内部を真空にすると共にラミネートフィルムの縁部を封止して構成したものである。
しかし、かかる特許文献1の真空断熱材では、有機系バインダーから発生するガスにより外被材内の真空度が落ちて行き、真空断熱材の断熱性能が経時的に劣化していくことが考えられる。
それに対応すべく、バインダーを用いずに無機繊維集合体を用いた真空断熱材も提案されている。例えば、特開2006−112438号公報(特許文献2)に開示された真空断熱材がある。この真空断熱材は、空気の流通がある芯材と、芯材の水分およびガス成分を吸着する吸着剤と、芯材と吸着剤とを収納する内袋と、この内袋を収納する外袋とから構成されている。そして、芯材の表面に設けられた切込み部内に吸着剤を充填し、該切込み開口部から吸着剤が出ないように内袋内を脱気すると共に、内袋と芯材を圧縮して切込み開口部入口を狭めるようにしている。これにより、長期信頼性にも優れた真空断熱材の提供が可能となったのである。
また、樹脂外殻材を用いた真空断熱材の製造方法として、特開平5−331924号公報(特許文献3)が挙げられる。この真空断熱材の製造方法では、予め凹状のキャビティーを有するインモールドインジェクション用の成形金型の底面に金属箔または金属箔複合プラスチックを配置し、加熱溶融した合成樹脂を金型内に注入しインモールド成形を行い、金属箔または金属箔複合プラスチックフィルムを表面材の外面に熱接着し、次いでこの表面材の凹部内に断熱材を充填した後、この表面材を覆う裏面材を供給し、この裏面材の外周縁部を真空下で表面材に熱接着して密封するようにしている。
しかし、上述した特許文献1〜3の真空断熱材は、外被材の内部が1つの空間で形成されているため、外被材の一部に傷付きや穴あき等の損傷が生ずると、内部全体の真空状態が破壊されることとなり、その熱伝導率が芯材の熱伝導率となってしまって大幅に悪化することになる。このため、真空断熱材の取り扱いが困難であるだけではなく、その適用箇所も限定せざるを得なかった。
そこで、例えば、特開2006−118633号公報(特許文献4)に示されているような、複数の芯材からなる真空断熱材が提案されている。この真空断熱材5は、製造時に複数の芯材を第1のフィルムとシート部材で挟み込み、複数の芯材の周囲で第1のフィルムとシート部材とを熱溶着した後、真空排気を行い、所定の真空度に到達したとき、第2のフィルムを覆い、第1のフィルム及び第2のフィルムのそれぞれの熱溶着層同士を熱溶着することで得られるものである。
特開平9−138058号公報 特開2006−112438号公報 特開平5−331924号公報 特開2006−118633号公報
しかし、特許文献1〜4では、真空断熱材における熱伝導率の分布に関して何らの配慮がなされていないため、冷蔵庫の断熱箱体の設置場所に適した断熱性能を確保することができなかった。例えば、冷蔵庫において、機械室の近傍はその運転の際に50℃近傍まで上昇し、それと接する庫内側の野菜室は保存温度4℃近傍であり、野菜室と機械室との温度差が50℃であるのに対し、冷却器室は−20℃近傍であり、冷却器室と機械室との温度差が70℃となる。従って、同一厚さの真空断熱材をこれらの部分にまたがって設置した場合、冷却器室から機械室への熱漏洩が野菜室から機械室への熱漏洩よりも大きくなってしまう。また、冷蔵庫の外部の温度が20℃の場合、冷却器室と冷蔵庫の外部との温度差が50℃となり、冷却器室と機械室との温度差70℃より小さく、同一厚さの真空断熱材をこれらの部分にまたがって設置した場合、冷却器室から機械室への熱漏洩が冷却器室から冷蔵庫外部への熱漏洩よりも大きくなってしまう。さらには、冷却器室(冷凍室)と冷蔵室との間においても同様の問題が生じていた。
本発明の目的は、部分的な損傷による真空断熱材の断熱性能の低下を抑制しつつ、設置場所に適した断熱性能を確保できる冷蔵庫及び真空断熱材を提供することにある。
前述の目的を達成するための本発明の第1の態様では、外箱と内箱とによって形成される空間内に、芯材、吸着剤を外被材に収納し内部を真空にした真空断熱材を前記外箱または前記内箱に沿って設置すると共に、発泡断熱材を充填して断熱箱体を構成した冷蔵庫において、前記外被材を射出成形された樹脂外被材を用いて形成すると共に、前記樹脂外被材の内部空間を真空度の異なる複数の独立した空間に区画したことにある。
係る本発明の第1の態様におけるより好ましい具体的構成例は次の通りである。
(1)射出成形された複数の樹脂外被材の立上周縁部を互いに熱溶着した密閉容器で前記樹脂外被材を構成し、この密閉容器の両側内面に形成した区画リブを互いに熱溶着して前記複数の独立した空間に区画したこと。
(2)前記外被材を前記外箱または前記内箱の複数の面に沿う立体形状に射出成形された樹脂外被材を用いて形成したこと。
(3)前記区画された各空間内に前記芯材及び前記吸着剤を収納したこと。
(4)前記複数の独立した空間の真空度を前記真空断熱材が設置される前記断熱箱体の内外温度差の分布に応じた真空度にしたこと。
また、本発明の第2の態様では、外箱と内箱とによって形成される空間内に、芯材、吸着剤を外被材に収納し内部を真空にした真空断熱材を前記外箱または前記内箱に沿って設置すると共に、発泡断熱材を充填して断熱箱体を構成した冷蔵庫において、前記外被材を射出成形された樹脂外被材を用いて形成すると共に、前記樹脂外被材の内部空間を熱伝導率が異なる複数の空間に区画したことにある。
また、本発明の第3の態様では、外箱と内箱とによって形成される空間内に発泡断熱材と共に前記外箱または前記内箱に沿うように設置されて断熱箱体の一部を構成するものであり、無機繊維集合体からなる芯材と、水分やガス成分などを吸着する吸着剤と、前記芯材及び前記吸着剤を収納して内部を減圧した外被材とを備える真空断熱材において、前記外被材を射出成形された樹脂外被材を用いて形成すると共に、前記樹脂外被材の内部空間を熱伝導率が異なる複数の空間に区画したことにある。
本発明によれば、部分的な損傷による真空断熱材の断熱性能の低下を抑制しつつ、設置場所に適した断熱性能を確保できる冷蔵庫及び真空断熱材を提供することができる。
以下、本発明の複数の実施形態について図を用いて説明する。各実施形態の図における同一符号は同一物または相当物を示す。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の冷蔵庫を図1及び図2を用いて説明する。
まず、第1実施形態の冷蔵庫1の全体構成に関して図1を参照しながら説明する。図1は第1実施形態の冷蔵庫の縦断面図である。
冷蔵庫1は、断熱箱体20、断熱扉6〜9、冷凍サイクルを主要構成要素として備えている。この断熱箱体20は、前面を開口した箱型形状をしており、冷蔵室2、上部冷凍室3(貯氷室及び切替え室)、下部冷凍室4、野菜室5を上からこの順に有している。
断熱扉6〜9は、各室2〜5の前面開口部を閉塞する扉である。各室2〜5に対応して冷蔵室扉6、上部冷凍室扉7(貯氷室扉及び切替え室扉)、上部冷凍室扉8、野菜室扉9が配置されている。冷蔵室扉6はヒンジを中心に回動する観音開き式扉であり、冷蔵室扉6以外の扉は全て引き出し式の扉である。これらの引き出し式扉7〜9を引き出すと、各室を構成する容器が扉と共に引き出されてくる。
断熱箱体20は、金属製の外箱21と合成樹脂製の内箱22とを備え、外箱21と内箱22とによって形成される空間に断熱部を設けて各貯蔵室と外部とを断熱している。この外箱21または内箱22の内側に沿って真空断熱材50を配置し、真空断熱材50以外の空間に硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填することにより断熱部が構成されている。
外箱21は、折り曲げられた鋼板または平坦な鋼板を溶接することにより、天面、底面、両側面及び背面からなる箱状に形成されている。内箱22は、合成樹脂板を成形することにより、天面、底面、両側面及び背面からなる箱状に形成されている。
冷蔵室2、上部冷凍室3、下部冷凍室4、野菜室5等の各室を所定の温度に冷却するために下部冷凍室4の背面側には冷却器28が備えられている。この冷却器28と圧縮機30と凝縮器31とキャピラリーチューブ(図示せず)とを接続し、冷凍サイクルを構成している。冷却器28の上方にはこの冷却器28にて冷却された冷気を冷蔵庫内に循環して所定の低温温度を保持する送風機27が配設されている。
断熱箱体20の底面の後部に機械室15が左右全幅にわたって形成されている。この機械室15には圧縮機30及び凝縮器31が配置されている。圧縮機30、凝縮器31は発熱量の大きい自己発熱部品である。そこで、この機械室15及び冷蔵庫1の外部から庫内への熱侵入を防止するため、1枚の立体形状の真空断熱材50が配置されている。この真空断熱材50は、外箱21の複数の面に沿う立体形状に設置され、具体的には、外箱21における機械室15を形成する2つの面と背面とにまたがって形成されている。なお、実際には、外箱21または内箱22の他の部分に沿うように、立体形状または平板形状の真空断熱材が別に複数設置されているが、図1ではそれらを省略してある。
次に、図2を参照しながら、真空断熱材50について具体的に説明する。図2は図1の真空断熱材50の一部を拡大して示す詳細図である。
真空断熱材50は、スペーサの役割を持つ芯材52と、水分やガス成分などを吸着する吸着剤53と、芯材52及び吸着剤53を収納して内部を真空にした外被材51とを備えている。芯材52は、繊維系を極細にしたグラスウール等の無機繊維集合体からなっており、バインダーなしで構成されている。従って、芯材52は、可撓性、柔軟性を有し、折り曲げ、圧縮可能である。吸着剤53は活性炭やゼオライト等で構成され、第1実施形態ではモレキュラーシーブ13xからなっている。
外被材51は、設置場所の複数の面に沿う立体形状に射出成形された2つの樹脂外被材51a、51bからなっている。この外被材51は、外箱21における機械室15を構成する2つの面とさらには背面とに沿う立体形状に射出成形されているが、外箱21の他の場所に沿うように射出成形されたものでよく、内箱22の複数の面に沿う立体形状に射出成形されたものでもよい。
なお、部品点数が増えても良い場合には、外被材51が3つ以上の樹脂外被材からなっていてもよい。また、金型としては、3次元的な形状の立体形状が成形可能な金型を用いる。また、真空断熱材50が平板形状またはL字形状の場合には、樹脂外被材51bを金属箔の層を積層してなるラミネートフィルムに代え、このラミネートフィルムの溶着層を樹脂外被材51aに溶着するようにしてもよい。この場合には、安価で、製作が容易となる。
上述のように設置場所の複数の面に沿う立体形状に射出成形された外被材51とすることにより、真空断熱材50の設置場所を拡大できると共に、大きな真空断熱材50を用いることができる。これによって、断熱箱体20における真空断熱材の占有面積を大きくでき、断熱箱体20の断熱性能の向上を図ることができる。また、この真空断熱材50は、折り曲げて立体形状としたものではないので、金属層を積層してなるラミネートフィルムの折り曲げによる金属層の破損による真空度の低下を招くことがない。
2つの樹脂外被材51a、51bは、その立上周縁部56が互いに熱溶着されて溶着部54を形成した密閉容器となっている。この密閉容器を構成する樹脂外被材51aの内面から複数の区画リブ57が突出するように形成されている。この区画リブ5は樹脂外被材51bに当接され、その当接部が熱溶着されて溶着部58を形成し、真空断熱材50の内部を複数の独立した空間に区画している。これによって、複数の独立した空間のうちの1つに対して損傷が仮に生じても、他の独立した空間の真空度が維持されるので、真空断熱材50の穴あきによる真空状態の破壊を最小限に止めて断熱性能の低下を抑制することができる。なお、複数の独立した空間のうちの適宜空間に吸着剤53が収納される。
真空断熱材50の内部は、真空度の異なる複数の独立した空間に区画されている。具体的には、2つの樹脂外被材51a、51bで形成された複数の空間の真空度は、真空断熱材50が設置される断熱箱体50の内外温度差の分布に応じた真空度となっている。その真空度の設定について、以下に説明する。
冷蔵庫1において、例えば、機械室15の近傍はその運転の際に50℃近傍まで上昇する。機械室15と接する庫内側の野菜室5は保存温度が4℃近傍である。従って、野菜室5と機械室15との温度差は50℃となる。また、冷却器28を収納した冷却器室32は、−20℃近傍であり、機械室15及び冷蔵庫背面外部と接している。従って、冷却器室32と機械室15との温度差は70℃となる。また、冷蔵庫背面外部の温度が20℃の場合、冷却器室32と冷蔵庫背面外部との温度差は50℃となる。従って、従来のように、全体が同一厚さで同一の真空度の真空断熱材をこれらの温度差の異なる部分にまたがって設置した場合、熱漏洩が特に大きい部分(即ち、冷却器室32から機械室15への熱漏洩部分)が発生し特に大きくなってしまう。真空断熱材の厚さを部分的に変えて冷蔵庫の断熱箱体に用いることは極めて困難である。
そこで、第1実施形態では、冷却器室32と機械室15との間に位置する空間の真空度を、野菜室5と機械室15との間に位置する空間または冷却器室32と冷蔵庫背面外部との間に位置する空間の真空度よりも高くしてある。これによって、真空断熱材50における冷却器室32と機械室15との間に位置する部分の熱伝導率を低くすることができ、冷却器室32から機械室15への熱漏洩を低減して断熱箱体20からの熱漏洩分布を均一にすることができ、有効に熱漏洩の大幅削減が可能となる。
第1実施形態によれば、外被材の穴あきによる真空状態の破壊を最小限に抑制しつつ、設置場所に適した断熱性能を確保できる冷蔵庫及び真空断熱材を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図3を用いて説明する。図3は本発明の第2実施形態の冷蔵庫に用いる真空断熱材の断面図である。この第2実施形態は、次に述べる点で第1実施形態と相違するものであり、その他の点については第1実施形態と基本的には同一であるので、重複する説明を省略する。
この第2実施形態では、真空断熱材50を平板形状としたものである。この真空断熱材50は、図1の図示していない真空断熱材であり、例えば、外箱21の裏側に上部冷凍室から冷蔵室にまたがって設置されている。この真空断熱材50の外被材51は、平板形状に射出成形された2つの樹脂外被材51a、51bからなっている。
各樹脂外被材51a、51bに立上周縁部56が形成されており、これらの立上周縁部56同士が熱溶着されて熱溶着部58を形成して密閉容器を構成している。また、各樹脂外被材51a、51bに複数の区画リブ57が形成されており、これらの区画リブ57同士が熱溶着されて熱溶着部58を形成して複数の独立した空間に区画している。複数の独立した空間のそれぞれに芯材52及び吸着剤53が収納されている。
かかる真空断熱材50は、射出成形により作製した樹脂外被材51aの立上周縁部56及び区画リブ57によって形成される空間に、無機繊維の積層体からなる芯材2と吸着剤3として任意の量のモレキュラーシーブ13xとを挿入し、射出成形により作製した樹脂外被材51bを被せて複数の独立した空間を形成し、複数の独立した空間のそれぞれに芯材52及び吸着剤53が収納された状態で所定の真空度まで真空排気した後、立上周縁部56同士及び区画リブ57同士の溶着部58を熱溶着することにより作製される。この時、それぞれの空間内の真空度を真空ポンプで調整できるようにしている。
この第2実施形態の真空断熱材50では、上部冷凍室側に位置する空間の真空度を冷蔵室側に位置する空間の真空度よりも高くしてある。これによって、上部冷凍室3から冷蔵庫外部への熱漏洩を低減することができ、断熱箱体20における上部冷凍室3及び冷蔵室からの熱漏洩分布を均一にすることができる。
また、第2実施形態の真空断熱材50を例えば冷蔵室2のみに対応して用いる場合には、真空断熱材50の両側に位置する独立した空間の真空度を高めるようにすることが好ましい。大型の真空断熱材50では、立上周縁部56でのヒートブリッジによって、真空断熱材中心部よりも真空断熱材周縁部の熱伝導率が悪化すると考えられためである。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図4を用いて説明する。図4は本発明の第3実施形態の冷蔵庫に用いる真空断熱材の断面図である。この第3実施形態は、次に述べる点で第2実施形態と相違するものであり、その他の点については第2実施形態と基本的には同一であるので、重複する説明を省略する。
この第3実施形態では、第2実施形態の区画リブ57の幾つかを補強リブ55としたものである。対向する補強リブ55の間には隙間を有している。これによって、独立した空間の数が少なくなり、芯材52及び吸着剤53の数を減らすことができると共に、真空吸引も容易にできる。また、補強リブ55によって、各樹脂外被材51a、51bの強度を確保することができる。
本発明の第1実施形態の冷蔵庫の縦断面図である。 図1の真空断熱材の一部を拡大して示す詳細図である。 本発明の第2実施形態の冷蔵庫に用いる真空断熱材の断面図である。 本発明の第3実施形態の冷蔵庫に用いる真空断熱材の断面図である。
符号の説明
1…冷蔵庫、2…冷蔵室、3…上部冷凍室、4…下部冷凍室、5…野菜室、6…冷蔵室扉、7…上部冷凍室扉、8…下部冷凍室扉、9…野菜室扉、15…機械室、20…断熱箱体、21…外箱、22…内箱、23…発泡断熱材、27…送風機、28…冷却器、30…圧縮機、31…凝縮器、32…冷却器室、50…真空断熱材、51…外被材、52…芯材、53…吸着剤、54…溶着部、55…補強リブ、56…立上周縁部、57…区画リブ、58…溶着部。

Claims (7)

  1. 外箱と内箱とによって形成される空間内に、芯材、吸着剤を外被材に収納し内部を真空にした真空断熱材を前記外箱または前記内箱に沿って設置すると共に、発泡断熱材を充填して断熱箱体を構成した冷蔵庫において、
    前記外被材を射出成形された樹脂外被材を用いて形成すると共に、前記樹脂外被材の内部空間を真空度の異なる複数の独立した空間に区画した
    ことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 請求項1において、射出成形された複数の樹脂外被材の立上周縁部を互いに熱溶着した密閉容器で前記樹脂外被材を構成し、この密閉容器の両側内面に形成した区画リブを互いに熱溶着して前記複数の独立した空間に区画したことを特徴とする冷蔵庫。
  3. 請求項1において、前記外被材を前記外箱または前記内箱の複数の面に沿う立体形状に射出成形された樹脂外被材を用いて形成したことを特徴とする冷蔵庫。
  4. 請求項1または2において、前記区画された各空間内に前記芯材及び前記吸着剤を収納したことを特徴とする冷蔵庫。
  5. 請求項2において、前記複数の独立した空間の真空度を前記真空断熱材が設置される前記断熱箱体の内外温度差の分布に応じた真空度にしたことを特徴とする冷蔵庫。
  6. 外箱と内箱とによって形成される空間内に、芯材、吸着剤を外被材に収納し内部を真空にした真空断熱材を前記外箱または前記内箱に沿って設置すると共に、発泡断熱材を充填して断熱箱体を構成した冷蔵庫において、
    前記外被材を射出成形された樹脂外被材を用いて形成すると共に、前記樹脂外被材の内部空間を熱伝導率が異なる複数の空間に区画した
    ことを特徴とする冷蔵庫。
  7. 外箱と内箱とによって形成される空間内に発泡断熱材と共に前記外箱または前記内箱に沿うように設置されて断熱箱体の一部を構成するものであり、
    無機繊維集合体からなる芯材と、水分やガス成分などを吸着する吸着剤と、前記芯材及び前記吸着剤を収納して内部を減圧した外被材とを備える真空断熱材において、
    前記外被材を射出成形された樹脂外被材を用いて形成すると共に、前記樹脂外被材の内部空間を熱伝導率が異なる複数の空間に区画した
    ことを特徴とする真空断熱材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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