JP2009256531A - ウレタン樹脂用原料の保存方法 - Google Patents

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拓史 野村
Shigeo Hamaguchi
滋生 濱口
Yoshinori Akamatsu
佳則 赤松
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Abstract

【課題】 ウレタン樹脂の合成において用いられるポリオールを含有するウレタン樹脂用原料にイソシアネート化合物を加え、透明性基材上に薄膜とし成膜し防曇性被膜とした際に、白化することなく防曇性能に優れた防曇性被膜を提供することを目的とする。
【解決手段】 イソシアネート化合物と反応させてウレタン樹脂とし透明基材上にウレタン樹脂からなる防曇性被膜を形成するための疎水性ポリオールおよび親水性ポリオールを含有するウレタン樹脂用原料を、疎水性ポリオールと親水性ポリオールを混合後冷却し凝固させた状態で保存することを特徴とするウレタン樹脂用原料の保存方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、イソシアネート化合物と反応させてウレタン樹脂とし透明基材上にウレタン樹脂製の防曇性被膜を形成する際のポリオールを含有するウレタン樹脂用原料の保存方法に関する。また、当該ウレタン樹脂用原料をイソシアネート化合物溶液と混合し防曇性被膜形成用塗布液を調整する際の防曇性被膜形成用塗布液の調整方法に関する。
該ウレタン樹脂用原料をイソシアネート化合物と反応させて合成したウレタン樹脂は、建築物用窓ガラス又は車両用ガラス等の防曇性被膜として使用され、防曇ガラスを与える。例えば、自動車の車内側曇り止めの防曇ガラス、また、冷凍庫や冷蔵庫のドアを開けた際の、覗き窓の曇り止めに使用される。
ガラス等の透明基材は、建築物用窓ガラス、車両用窓ガラス等に使用されている。
ガラスを高湿の場所に置いた際、または温度差、湿度差のある場所間で移動させた際、露点以上になると表面が結露し曇る。例えば、湿度の高い梅雨時、温度の低い冬季または複数の人が乗車した状態で車両を走行させた場合、窓が曇りやすく、曇りを取り視界を確保するためエアーコンデショナーによる乾燥した風を窓に当てることが通常行われる。また、大型の冷凍庫のドアを開けた際、冷凍庫内外の温度差のためにドアに設けた除き窓のガラスの内側が結露して曇り、視界が確保されないことがある。
自動車においては、窓の視界確保のため、曇り除去に使用されるエアーコンデショナー作動の負荷は大きく、例えば、車の燃費向上の足枷になっていた。特に、室内外の温度差が激しくなる冬季に、特に寒冷地ではエアーコンデショナー作動の負荷は大きい。これら問題を低減できる窓ガラス等の防曇性物品を提供することは、燃費改善のためには不可欠である。モーターとエンジンを併用するハイブリッド自動車、燃料電池使用の電気自動車等には、今後ますます防曇ガラスの必要性が高まるものと予想される。
また、大型の冷凍庫のドアを開けた際、ドアに設けた除き窓のガラスが結露して視界が確保されないことに対し、ガラスに取り付けられたヒーターの熱により曇りの除去を行うと庫内温度の上昇や電気代コストの増加につながる。よって、優れた防曇ガラスの開発が待たれている。
尚、防曇ガラスとは、透明基材としてのガラスに親水性および吸水性の薄膜を形成して防曇性能を与えたものであり、該薄膜を防曇性被膜と呼ぶ。
車両用の防曇ガラスとして、特許文献1には、紫外線低透過ガラスに有機系防曇性材料を含む組成物が塗布されてなる車両用防曇ガラスが開示されている。また、特許文献2には、室内面にアルミナを含有する水との接触角が30°以下の親水層が設けられた車両用ウィンドウガラスが開示されている。
例えば、特許文献1には、吸水性による防曇性を発現させるものとして、シリカ微粒子系の多孔質膜、吸水性樹脂の使用が開示されているが、これら吸水性の膜の吸水能力は十分でなく、吸水性による防曇性の発現には、さらなる改良が必要であった。加えて、氷点下環境での防曇性発現の観点からの設計がなされていないので、吸水した水が凍結することによる透光性の低下、膜の破壊等の不具合が起こりうることも予想される。
こうした背景の下、本出願人は、本出願人に係る特許文献3および特許文献4において、氷点下の寒冷地でも窓の視界を確保する車両用窓用の防曇ガラスを提案している。
特許文献3において、該防曇ガラスでは、親水性および吸水性を有するウレタン樹脂による被膜が使用されている。そして、その防曇性は、被膜の吸水により先ず防曇性を発現し、吸水飽和後には被膜の親水性によって防曇性を継続させるように設計されている。また、ウレタン樹脂固有の弾性により耐擦傷性も優れたものとなっている。
また、特許文献4には、透明基材上に形成される防曇性被膜であって、該被膜は吸水率が20〜40重量%のウレタン樹脂よりなり、該ウレタン樹脂は、平均分子量1000〜4000のアクリルポリオール、および平均分子量400〜5000のポリオキシアルキレン系ポリオールより誘導されてなるものであり、且つ該被膜は、被膜の吸水飽和後に強制的に被膜から脱水させる機構を有する室内環境で使用されるものであり、防曇性発現時に水膜を形成しないことを特徴とする防曇性被膜が開示される。
イソシアネート化合物と反応させてウレタン樹脂とし透明基材上にウレタン樹脂からなる防曇性被膜を形成するための防曇性被膜を形成する際、ポリオールからなるウレタン樹脂用原料を使用する。この際、親水性ポリオールと疎水性ポリオールを用いたウレタン樹脂用原料を用い、イソシアネート化合物と反応させることでウレタン樹脂からなる防曇性被膜は防曇性能を発現する。
詳しくは、親水性ポリオールであるポリオキシアルキレン系ポリオールと疎水性ポリオールであるアクリルポリオールまたポリエステルポリオールを含有するウレタン樹脂用原料に、イソシアネート化合物溶液を加え防曇性被膜形成用塗布液とし、透明基材上に塗布後加熱して薄膜を形成し防曇性被膜とする。
特開2000−239045号公報 特開2003−321251号公報 特開2005−187276号公報 特開2007−076999号公報
防曇性被膜を形成するのに適した分子量のポリエチレングリコールは、通常、常温(約20℃)では固体であるために、加熱溶解させた後に液体であるアクリルポリオールまたはポリエステルポリオールを加えウレタン樹脂用原料とする。しかしながら、混合後の温度の高い状態で、ウレタン樹脂用原料にイソシアネート化合物を加え防曇性被膜形成用塗布液を調製すると、イソシアネート化合物とポリオールが透明性基材に塗布被覆する前の塗布液中で反応し固形物となり、防曇性被膜が白化するまたは所望の防曇性能が得られないという問題があった。防曇性被膜は、防曇性被膜形成用塗布液を透明性基材に塗布被覆した後で加熱し、イソシアネート化合物とポリオールを反応させてウレタン樹脂とし防曇性能を発現させる。
詳しくは、親水性ポリオールであるポリオキシアルキレン系ポリオール、例えば、ポリエチレングリコールは、その分子量およびOH価によって凝固点が異なる。例えば、防曇性被膜を形成するに適した数平均分子量400以上、2000以下のポリエチレングリコールの凝固点は常温(約20℃)付近であり、恒温室内等で温調をしない状態では、夏場は溶解した状態、即ち液体、冬場は凝固した状態、即ち固体となる。よって、疎水性ポリオールを混合しウレタン樹脂用原料とする際、冬場は、ポリエチレングリコールを加熱して溶解させた後、疎水性ポリオールを加えることとなる。しかしながら、混合した直後の温度の高い状態で、イソシアネート化合物溶液を加え防曇性被膜用塗布液を調製すると、イソシアネート化合物とポリオールが透明性基材に塗布被覆する前の塗布液中で反応し固形物となり、そのことが原因で防曇性被膜が白化するまたは所望の防曇性能が得られないという問題があった。
このように、親水性ポリオールであるポリエチレングリコールの温調をしないで、凝固または溶解しているかわからない状態で、疎水性ポリオールであるアクリルポリオール、ポリエステルポリオールを加えることは、ウレタン樹脂用原料の調製作業が煩雑であり、当該混合液であるウレタン樹脂用原料を温調しないで、イソシアネート化合物を加えて防曇性被膜用塗布液を調製し、透明基材に塗布被覆すると、防曇性被膜が白化するまたは防曇性被膜に所望の防曇性能が得られない等の不具合が生じる。
本発明は、イソシアネート化合物溶液と混合し防曇性被膜形成用塗布液を調製後、透明基材上に塗布加熱し防曇性被膜を形成するに適し、防曇性被膜が白化することなく所望の防曇性能を与えるための、前述の親水性ポリオールと疎水性ポリオールを含有するウレタン樹脂用原料の保存方法を提供することを目的とする。加えて、防曇性被膜形成用塗布液の調製方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、疎水性ポリオールと親水性ポリオールを含有するウレタン樹脂用原料を最適な保存方法で保存し、イソシアネート化合物溶液と混合し防曇性被膜形成用塗布液を調製する際、最適な調製方法で調整することで、イソシアネート化合物溶液と反応させ合成したウレタン樹脂からなる防曇性被膜を、ガラス等の透明基材の表面に形成する作業を効率よく行い、例えば、自動車等の車両の防曇ガラス、また、冷凍庫や冷凍庫のドアを開けた際に曇りにくい覗き窓を好適に提供することを目的とする。
イソシアネート化合物と反応させてウレタン樹脂とし透明基材上にウレタン樹脂からなる防曇性被膜を形成するためのウレタン樹脂用原料としてのポリオール、例えば、特許文献4に記載の親水性ポリオールであるポリオキシアルキレン系ポリオール、および疎水性ポリオールであるアクリルポリオールを含有するウレタン樹脂用原料を保存するには、上記原料を凝固点以下に冷却して凝固させた状態で保存することが好ましく、その後、イソシアネート化合物を加え防曇性被膜形成用塗布液の調整作業が簡便となる。尚、優れた防曇性能を有する防曇性被膜を形成するためのウレタン樹脂の原料は、親水性ポリオールおよび疎水性ポリオールを共存させたものであることが好ましい。
即ち、本発明は、イソシアネート化合物と反応させてウレタン樹脂とし透明基材上にウレタン樹脂からなる防曇性被膜を形成するための疎水性ポリオールおよび親水性ポリオールを含有するウレタン樹脂用原料を、疎水性ポリオールと親水性ポリオールを混合後冷却し凝固させた状態で保存することを特徴とするウレタン樹脂用原料の保存方法である。
その際、親水性ポリオールにはポリオキシアルキレン系ポリオールを用い、特に数平均分子量が400以上、5000以下のポリエチレングリコールを用い、疎水性ポリオールには数平均分子量が500以上、5000以下のアクリルポリオール、又は数平均分子量が500以上、5000以下且つ水酸基価が10mgKOH/g以上、200mgKOH/g以下のポリエステルポリオールを用いることが好ましい。
また、本発明は、親水性ポリオールがポリオキシアルキレン系ポリオールであることを特徴とする上記のウレタン樹脂用原料の保存方法である。
さらに、本発明は、親水性ポリオールがポリオキシアルキレン系ポリオールであり、数平均分子量400以上、2000以下のポリエチレングリコールであることを特徴とする上記のウレタン樹脂用原料の保存方法である。
さらに、本発明は、疎水性ポリオールが数平均分子量500以上、5000以下のアクリルポリオールまたは数平均分子量500以上、5000以下且つ水酸基価が10mgKOH/g以上、200mgKOH/g以下のポリエステルポリオールから選ばれることを特徴とする上記のウレタン樹脂用原料の保存方法である。
防曇性被膜を形成するに適した数平均分子量400以上、2000以下のポリエチレングリコールの凝固点は常温(約20℃)付近であり、恒温室等で温調をしない状態では、夏場は液体、冬場は固体となる。よって、疎水性ポリオールを混合しウレタン樹脂用原料とする際、冬場は、ポリエチレングリコールを加熱して溶解させた後、疎水性ポリオールを加えウレタン樹脂用原料とする。しかしながら、混合した直後の温度の高い状態で、イソシアネート化合物溶液を加え防曇性被膜用塗布液を調製すると、イソシアネート化合物とポリオールが透明性基材に塗布被覆する前の塗布液中で反応し固形物となる。
よって、凝固した状態のウレタン樹脂用原料の温度が凝固点を基準として高温側に5℃以上、15℃以下となるように加熱し溶解させた後、イソシアネート化合物を加えることで、防曇性被膜形成用塗布液を調製する際にイソシアネート化合物とポリオールの反応を極力抑制することが好ましい。
ウレタン樹脂用原料の温度が凝固点を基準として、高温側に5℃より低いと、粘度が高く扱い難くともに再凝固の可能性がある。高温側に15℃より高いとイソシアネート化合物とポリオールの反応が促進され、イソシアネート化合物とポリオールが透明性基材に塗布被覆する前の塗布液中で反応し固形物となり、防曇性被膜が白化するまたは所望の防曇性能が得られないという問題が生じる。好ましくは、10℃以下である。尚、防曇性被膜は、防曇性被膜形成用塗布液を透明性基材に塗布被覆した後で加熱し、イソシアネート化合物とポリオールを反応させてウレタン樹脂とし防曇性能を発現させる。
さらに、本発明は、上記のウレタン樹脂用原料の保存方法により保存され凝固した状態のウレタン樹脂用原料の温度が凝固点を基準として高温側に5℃以上、15℃以下となるように加熱し溶解させた後、イソシアネート化合物を加えることを特徴とする防曇性被膜形成用塗布液の調整方法である。
尚、本発明のウレタン樹脂用原料の保存方法において、ウレタン樹脂用原料は、透明基材上にウレタン樹脂からなる防曇性被膜を形成するためのものであり、イソシアネート化合物と反応しウレタン樹脂を得るためのイソシアネート化合物を含まない活性水素化合物であるポリオールを含有するものを言う。故に、イソシアネート化合物を含まない。
本発明のウレタン樹脂用原料の保存方法において、イソシアネート化合物と反応させてウレタン樹脂とし透明基材上にウレタン樹脂からなる防曇性被膜を形成するためのポリオールを含有するウレタン樹脂用原料を、凝固点以下に冷却して凝固させ、凝固した状態で保存するので、イソシアネート化合物を加え防曇性被膜形成用塗布液の調製する作業が煩雑でなくなる。
また、本発明の防曇性被膜形成用塗布液の調製方法において、上記ウレタン樹脂の保存方法により保存され凝固した状態のウレタン樹脂の温度が凝固点を基準として高温側に高温側に5℃以下、15℃以上となるように加熱し溶解させた後、イソシアネート化合物を加え防曇性被膜形成用塗布液を調製するので、イソシアネート化合物とポリオールが透明性基材に塗布被覆する前の防曇性被膜形成用塗布液中で反応し固形物となることが抑制され、透明性基材上に成形した防曇性被膜が白化するまたは所望の防曇性能が得られないという虞が減少した。
本発明のウレタン樹脂用原料の保存方法は、イソシアネート化合物と反応し、ガラス等の透明基材上に防曇性被膜を形成する疎水性ポリオールと親水性ポリオールを共存させたウレタン樹脂用原料の保存に対して有効である。また、防曇性被膜形成用塗布液の調整方法、ウレタン樹脂用原料にイソシアネート化合物を加え防曇性被膜形成用塗布液の調整方法として有効である。
本発明のウレタン樹脂用原料の保存方法およびに防曇性被膜形成用塗布液の調整方法により、ポリオールを含有するウレタン樹脂用原料をイソシアネート化合物と反応させ合成したウレタン樹脂からなる防曇性被膜を、ガラス等の透明基材上に形成する作業が効率よく行え、自動車等の車両の防曇ガラス、また、冷凍庫や冷蔵庫のドアを開けた際の防曇覗き窓が好適に提供された。
以下、本発明の内容を詳細に説明する。
本発明は、イソシアネート化合物と反応させてウレタン樹脂とし透明基材上にウレタン樹脂からなる防曇性被膜を形成するための疎水性ポリオールおよび親水性ポリオールを含有するウレタン樹脂用原料を、疎水性ポリオールと親水性ポリオールを混合後冷却し凝固させた状態で保存することを特徴とするウレタン樹脂用原料の保存方法である。
本発明のウレタン樹脂用原料の保存方法において、イソシアネート化合物と反応させてウレタン樹脂とし透明基材上にウレタン樹脂からなる防曇性被膜を形成するためのポリオールを含有するウレタン樹脂用原料を、凝固点以下に冷却して凝固させ、凝固した状態で保存するので、イソシアネート化合物を加え防曇性被膜形成用塗布液の調製する作業が煩雑でなくなる。
また、本発明の防曇性被膜形成用塗布液の調製方法において、上記ウレタン樹脂の保存方法により保存され凝固した状態のウレタン樹脂の温度が凝固点を基準として高温側に高温側に5℃以下、15℃以上となるように加熱し溶解させた後、イソシアネート化合物を加え防曇性被膜形成用塗布液を調製するので、イソシアネート化合物とポリオールが透明性基材に塗布被覆する前の防曇性被膜形成用塗布液中で反応し固形物となることが抑制され、透明性基材上に成形した防曇性被膜が白化するまたは所望の防曇性能が得られないという虞が減少した。
また、これらポリオールは液体の状態では、その液面より吸湿し、対流又は拡散によって水分を取り込む。また、吸湿し水分を取り込んだポリオールは、ウレタン樹脂を合成する際に、前述のように水分がイソシアネート化合物と反応しゲル化物を生成し、防曇性被膜を失透させる、および被膜を形成することが難しくなる等の不具合が生じ易い。
しかしながら、ポリオールを冷却し凝固させて固体した状態では、対流および拡散が起こらないので、水分の取り込みは極端に少なくなり、防曇性被膜を得るためのウレタン樹脂用原料として有効に使える期間、言い換えれば、寿命が長くなる。
本発明のウレタン樹脂用原料の保存方法において、ポリオールは疎水性ポリオールと親水性ポリオールを共存させる。イソシアネート化合物と反応させるポリオールを含有するウレタン樹脂用原料において、疎水性ポリオールと親水性ポリオールを共存させることは、イソシアネート化合物と反応させてウレタン樹脂とした際に適度な大きさの網目構造を作り、水を吸着し網目構造内に取り込み排出するという防曇性被膜の防曇性能を発現するのに必要である。
本発明において、疎水性ポリオールとしてアクリルポリオールを使用する場合、その数平均分子量は500以上、5000以下であることが好ましい。数平均分子量が500未満の場合は、イソシアネート化合物と反応させ合成したウレタン樹脂の網目構造が小さくなり水を放出するときの水の経路が狭くなり、脱水する能力が低下し防曇性能が劣化する傾向がある。また、5000を超える場合は、イソシアネート化合物と反応させて防曇性被膜とした際に、被膜の強度が低下する傾向がある。
また、本発明において、疎水性ポリオールとしてポリエステルポリオールを使用する場合、その数平均分子量は500以上、5000以下、水酸基価は10mgKOH/g以上、200mgKOH/g以下であることが好ましい。ポリエステルポリオールの場合、これら数値範囲外とすると、イソシアネート化合物と反応させ合成したウレタン樹脂の網目構造が小さくなること、防曇性被膜の剛直性低下等の理由により、防曇性能の低下、膜強度の不足等の不具合が生じる傾向がある。
また、本発明において、親水性ポリオールとしてポリオキシアルキレン系ポリオールを用いる場合、ポリエチレングルコールが好適に使用され、その数平均分子量は400以上、2000以下であることが好ましい。数平均分子量が400未満の場合は、イソシアネート化合物と反応して合成したウレタン樹脂が、水を吸収する能力が低く、数平均分子量が2000を超える場合は、被膜の強度が低下する傾向がある。
詳しくは、ポリエチレングリコールのオキシエチレン鎖は、イソシアネート化合物と反応させてなるウレタン樹脂を防曇性被膜とした際に、水を吸収する機能および被膜中に吸水された水の放出する機能を有する。水の吸収は、オキシエチレン鎖の酸素部位が水を結合水として取り込むことで発現する。オキシエチレン鎖に吸収された水は結合水として存在するため氷点下環境においても凍らず、過冷却水として被膜中に存在するため、低温時でも水が放出される。氷点下であっても湿度が低い状態であれば、被膜に吸収した水が効率的に脱水される。氷点下における防曇性能を考慮するとオキシエチレン鎖を有するポリエチレングリコールを使用することが好ましい。
また、防曇性被膜が吸水した後に、防曇性被膜から水を放出する場合、防曇性被膜を形成するウレタン樹脂の骨格が硬いと、ウレタン樹脂内の網目構造により、水を吸収したオキシエチレン鎖から水を放出するときの水の経路が確保され、被膜への吸水と脱水がスムーズになる。
アクリルポリオール又はポリエステルポリオールに対するポリエチレングリコールの添加量は、アクリルポリオールとポリエチレングリコールの質量比がアクリルポリオール:ポリエチレングリコール=50:50〜30:70、又はポリエステルポリオールとポリエチレングリコールの質量比が、ポリエステルポリオール:ポリエチレングリコール=50:50〜30:70とすることが好ましい。
ポリエチレングリコールを添加した後、凝固点以下に冷却して凝固させる。凝固した状態を保つには、アクリルポリオール:ポリエチレングリコール=50:50〜30:70又はポリエステルポリオール:ポリエチレングリコール=50:50〜30:70の範囲において、20℃以下とすることが必要であり、例えば、20℃以下の断熱容器内、冷蔵庫又は冷蔵室内で保存する。イソシアネート化合物に添加して、ウレタン樹脂を合成する際は、加熱装置等による加温する、凝固点以上の高温室内に入庫する等の手段で昇温し、融解させて液状とする。その際、前述の理由により、ウレタン樹脂用原料の温度が凝固点を基準として高温側に5℃以上、15℃以下となるように加熱し溶解させることが好ましい。また、ポリエチレングリコールが添加されたアクリルポリオール又はポリエステルポリオールを昇温し、融解させる際にポリオールが重合反応を起こす可能性も考えられるので、該重合反応を抑制するには、融解し液状とした後は凝固点を基準として高温側に5℃以上、15℃以下に液温を制御することが好ましい。
アクリルポリオール又はポリエステルポリオールを含有するウレタン樹脂用原料を融解し液状にした後に、希釈溶媒を添加する際は、希釈溶媒としては、イソシアネート化合物のイソシアネート基に対して活性のない溶媒を添加する必要があり、例えば、酢酸エステル系溶媒、ケトン類、ジアセトンアルコールを使用する。
ウレタン樹脂は、イソシアネート化合物のイソシアネート基とポリオールの水酸基とが反応してウレタン結合となることで合成され、ポリオールを適宜選択することで被膜の強度、防曇性能等を設定でき、イソシアネート化合物、ポリオール、およびその他の化学種、および/またはそれらの反応物を有する塗布液をガラス板表面にスピンコート法、ディップコート法、フローコート法、カーテンコート法等の公知の塗布手段により、例えば、透明性基材であるガラス板に塗布し、硬化させることでガラス板上に防曇性被膜が得られる。このとき、防曇性被膜の密着性および耐久性を向上させるために、透明性基材としてガラス板にプライマー層を形成させ、その上に塗布液を塗布してもよい。
ポリオールを含有するウレタン樹脂用原料を反応させる、イソシアネート化合物としては、ジイソシアネート化合物、好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネートを出発原料としたビウレットおよび/またはイソシアヌレート構造を有する3官能のポリイソシアネート化合物が使用される。当該物質は、耐候性、耐薬品性、耐熱性があり、特に耐候性に対して有効である。又、当該物質以外にも、ジイソフォロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ビス(メチルシクロヘキシル)ジイソシアネート及びトルエンジイソシアネート等も使用される。
前記イソシアネート成分に存在するイソシアネート基の数は、ポリオール成分に存在する水酸基の数に対して、1.0倍量以上、3.0倍量以下、より好ましくは1.2倍量以上、2.5倍量以下となるように調整することが好ましい。1.0倍量未満の場合は、塗布剤の硬化性が悪化するとともに、形成された膜は軟らかく、耐候性、耐溶剤性、耐薬品性等の耐久性が低下する。一方、3.0倍量を超える場合は、過剰硬化により、被膜の製造が困難になる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
(防曇性被膜を形成するための防曇性被膜形成用塗布液の調製)
イソシアネート基を有するイソシアネート化合物として、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプポリイソシアネート(商品名「N3200」住友バイエルウレタン株式会社製)を用いた。
平均分子量3000で水酸基価33mgKOH/gのアクリルポリオールを50質量%有する溶液(商品名「デスモフェンA450BA」住化バイエルウレタン株式会社製)および平均分子量1000のポリエチレングリコールを準備し、アクリルポリオールとポリエチレングリコールの質量比が「アクリルポリオール:ポリエチレングリコール=40:60」となるように混合した後、冷蔵室に入れて10℃に冷やし凝固させた、これをウレタン樹脂用原料とした。尚、ウレタン樹脂用原料の凝固点は22℃であった。また、前記イソシアネート化合物、アクリルポリオールおよびポリエチレングリコールは、水分の混入なきよう密閉されたものを入手し使用した。
室温10℃の冷蔵室内に凝固させて10日間保管した前記ウレタン樹脂用原料を、30℃の恒温室に入れて自然融解させた後、上記イソシアネート化合物と混合し防曇性被膜形成用塗布液を調製した。
詳しくは、イソシアネート化合物が有するイソシアネート基の数を、ウレタン樹脂用原料中のポリオール成分に存在する水酸基の数に対して、1.6倍量となるように、100gのウレタン樹脂用原料に対し、33gのイソシアネート化合物を添加混合し、ウレタン成分総量が35質量%となるようにイソシアネート化合物及びウレタン樹脂用原料の混合物に希釈溶媒として酢酸イソブチルを添加混合し、透明性基材としてのガラス基板に被膜を形成するための防曇性被膜形成用塗布液を調製した。
(ガラス基板表面への防曇性被膜の形成)
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(品番「LS−3150」信越シリコーン株式会社製)を、90質量%のエタノールと10質量%のイソプロピルアルコールからなる変性アルコール(商品名「エキネンF−1」、キシダ化学株式会社製)で1質量%となるように希釈してウレタン樹脂からなる防曇被膜の付着性改善のためのプライマー層形成のための溶液を調製した。次に該溶液を吸収したセルロース繊維からなるワイパー(商品名「ベンコット」、型式M−1、大きさ、50mm×50mm、小津産業株式会社製)で、フロート法によって得られた大きさ、100mm×100mm(3.5mm厚)のガラス基板の表面を払拭することで該溶液を塗布し、室温状態にて乾燥後、水道水を用いてワイパーで膜表面を水洗することで、プライマー層を形成したガラス基板を準備した。
室温、25℃に調整されたクリーンルーム内で、該ガラス基板に防曇性被膜を形成するための上記調製の防曇性被膜形成用塗布液をスピンコート法によりガラス基板に塗布した後、加熱炉に入れて、約100℃に約30分間保持することにより、膜厚56μmの防曇性被膜が形成されたガラス基板を得た。
実施例2
実施例1でのウレタン樹脂用原料の調製で、アクリルポリオールの代わりに疎水性を呈するポリオールとして平均分子量1400で水酸基価124mgKOH/gのポリカーボネートポリオールを80質量%有する溶液(商品名「PC−61」日本ポリウレタン株式会社製)を使用し、各成分の混合比を「ポリカーボネートポリオール:ポリエチレングリコール=40:60」となるように混合しウレタン樹脂用原料とした。尚、本ウレタン樹脂用原料の凝固点は21℃であった。また、前記イソシアネート化合物、アクリルポリオールおよびポリエチレングリコールは、水分の混入なきよう密閉されたものを入手し使用した。
室温10℃の冷蔵室に10日間保管した前記ウレタン樹脂用原料を、室温30℃の恒温室に入れて自然融解させた後、実施例1のイソシアネート化合物と混合し防曇性被膜形成用塗布液を調製した。
詳しくは、イソシアネート化合物が有するイソシアネート基の数を、ウレタン樹脂用原料中のポリオール成分に存在する水酸基の数に対して、1.7倍量となるように、100gのウレタン樹脂用原料に対し、73gのイソシアネート化合物を添加混合量した以外は実施例1と同様の操作で行い、25℃に調整されたクリーンルーム内で、該ガラス基板に防曇性被膜を形成するための上記防曇性被膜形成用塗布液をスピンコート法により塗布した後、加熱炉に入れて、約100℃に約30分間保持することにより、膜厚40μmの防曇性被膜が形成されたガラス基板を得た。
実施例2
実施例1でのウレタン樹脂用原料の調製で、アクリルポリオールの代わりに疎水性を呈するポリオールとして平均分子量550で水酸基価198mgKOH/gのポリカプロラクトントリオール(商品名「プラクセル308」ダイセル化学工業株式会社製)を使用し、各成分の混合比を「ポリカプロラクトントリオール:ポリエチレングリコール=40:60」となるように混合しウレタン樹脂用原料とした。尚、本ウレタン樹脂用原料の凝固点は23℃であった。また、前記イソシアネート化合物、アクリルポリオールおよびポリエチレングリコールは、水分の混入なきよう密閉されたものを入手し使用した。
室温10℃の冷蔵室に10日間保管した前記ウレタン樹脂用原料を、室温30℃の恒温室に入れて自然融解させた後、上記イソシアネート化合物と混合した。
イソシアネート化合物が有するイソシアネート基の数を、ウレタン樹脂用原料中のポリオール成分に存在する水酸基の数に対して、1.6倍量となるように、100gのウレタン樹脂用原料に対し、64gのイソシアネート化合物を添加混合量した以外は実施例1と同様の操作で行い、25℃に調整されたクリーンルーム内で、該ガラス基板に防曇性被膜を形成するための上記防曇性被膜形成用塗布液をスピンコートにより塗布した後、加熱炉に入れて、約100℃に約30分間保持することにより、膜厚30μmの防曇性被膜が形成されたガラス基板を得た。
比較例1
実施例1〜3にけるウレタン樹脂用原料を調製後、気温5〜15℃の倉庫内で10日間保存し、凝固したウレタン樹脂用原料の容器を80℃の温水に浸漬し溶解させた後、ウレタン樹脂用原料とイソシアネート化合物を混合し、上記アンダーコート処理を施したガラス基板上にスピンコーターを用いてスピンコート法で塗布した後、実施例1〜3と同様の手順でガラス基板上に防曇性被膜を形成したが、防曇性被膜に斑紋および白濁が生じた。ウレタン樹脂用原料とイソシアネート化合物を混合する際の温度が高すぎてゲル化物が生成されことによると思える。
比較例2
気温5〜15℃の倉庫内で保管し凝固した状態のポリエチレングリコールの容器を80℃の温水に浸漬し溶解させた後、前述のアクリルポリオールまたはポリエステルポリオールを加え、さらにイソシアネート化合物を加え、防曇性被膜形成用塗布液とした。当該防曇性被膜形成用塗布液を、上記アンダーコート処理を施したガラス基板上にスピンコーターを用いてスピンコート法で塗布した後、実施例1〜3と同様の手順でガラス基板上に防曇性被膜を形成したが、防曇性被膜に斑紋および白濁が生じた。ウレタン樹脂用原料とイソシアネート化合物を混合する際の温度が高すぎてゲル化物が生成されことによると思える。
実施例1〜32で得られた被膜に対して各種性能のテストを行ったが、表1に示すように、各種性能は優れたものであった。
Figure 2009256531
〔防曇性被膜の吸水率〕:湿度50%、温度55℃の環境で12時間保持後、同湿度にて温度25℃の環境で12時間保持したときの防曇性物品の質量(a)を測定し、被膜に43℃飽和水蒸気を5分間接触させ、その後、すぐに被膜表面の水膜を払拭後に物品の質量(b)を測定し、[b−a]/[a−(ガラス板の質量)]×100(%)の計算式で得られた値を吸水飽和時の吸水率とした。即ち、吸水率は防曇性被膜の質量に対する吸水可能な水分量を質量百分率で表したものである。尚、ここでの(a)値は、被膜が吸水していない状態のものに相当する。
〔防曇性被膜に吸水された水の脱水速度〕:上記ようにして得られた吸水飽和状態の防曇性被膜に関し、湿度50%、温度25℃の環境においたときに上記質量(b)から上記質量(a)までに到達する時間が3分以内のものを水の脱水性に優れる防曇性被膜として合格(○)、これを満たさないものを不合格(×)とした。
〔被膜の結露抑制効果〕:"JIS S 4030眼鏡用くもり止め剤試験法"に準拠して43℃に設定した温水からの飽和水蒸気中に1分間保持した時の曇り具合と、保持後に常温(23℃、湿度63%)中に取り出したときの呼気による曇り具合を観察する。この操作を1サイクルとして30サイクル行い、膜の外観に異常がなく曇りが発生しないものを合格(〇)、曇りが発生したものを不合格(×)とした。
〔防曇性被膜の霜抑制効果〕:−25℃に設定した冷凍庫内に30分保持した後、常温(23℃、湿度63%)中に取り出したときの外観、曇り具合、呼気による曇りを観察する。この操作を1サイクルとして10サイクル行い、膜の外観に異常がなく曇りが発生しないものを合格(○)、曇りが発生したものを不合格(×)とした。
〔耐トラバース磨耗性〕:膜表面に荷重4.9N/4cmでネル(綿300番)を5000往復させた時の外観と呼気防曇性を測定し、異常なきものを合格(○)、異常があったものを不合格(×)とした。
〔鉛筆硬度〕:"JIS K 5600 塗料一般試験方法"に準拠して、鉛筆で膜表面を5回引っ掻き、膜の破れが2回未満であった鉛筆を鉛筆硬度とした。該鉛筆硬度は耐擦傷性の指標とすることができる。
〔耐水性〕:40±2℃の水中に24時間浸漬させ、浸漬後に外観に異常がないもの、及び呼気によって曇りが発生しなかったもの、並びに鉛筆硬度の低下が1ランク以内であるものを(〇)、2ランク以上低下するものを不合格(×)とした。
〔スリップ性〕:"JIS K 7125 プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数試験方法"に準拠して、接触面積40cm(一辺の長さ6.3cm)の正方形の滑り片を200g荷重で防曇性膜上に乗せ、スリップ性を測定した。尚、滑り片の底面(供試体との接地面)は、実使用での布払拭を想定してネル(綿300番)で覆った。
ここで、測定値より導かれた静摩擦係数において、被膜が吸水していない状態で0.8以下、被膜が吸水飽和状態で0.9以下のものを合格(○)、これを満たさないものを不合格(×)とした。
尚、試験される被膜が樹脂単独でなる場合、耐トラバース磨耗性、鉛筆硬度、耐水性、及びスリップ性の評価結果は、樹脂の剛直性を評価するものとして代用してもよい。
〔被膜への水滴の接触角〕:被膜への水滴の接触角については、“JISR 3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」”に準拠して測定した。100mm角に切断した試験片を、湿度50%、温度55℃の環境で12時間保持後、同湿度にて温度25℃の環境で12時間保持することで、被膜が吸水されていない状態の試験片とした。該試験片を協和界面化学株式会社製接触角計(CA−2型)に設置し、被膜上に2μlの水を滴下させて、水滴の接触角を測定した。又、同試験片の被膜に43℃飽和水蒸気を5分間接触させ、被膜を吸水飽和状態し、該試験片を前記接触角計に設置し、被膜上に2μlの水を滴下させて、水滴の接触角を測定した。
被膜の膜厚測定〕:試料作製の際に基材の一部にマスキングフィルム(商品名「SPV−400X」日東電工株式会社製)を貼付しておき、防曇性物品を作製した後、マスキングフィルムを剥がす。そして、被膜と基材とで形成される段差部分を高精度微細形状測定器(SUREFCORDER ET 4000A 小坂研究所製)で測定することにより、被膜の膜厚を測定した。

Claims (5)

  1. イソシアネート化合物と反応させてウレタン樹脂とし透明基材上にウレタン樹脂からなる防曇性被膜を形成するための疎水性ポリオールおよび親水性ポリオールを含有するウレタン樹脂用原料を、疎水性ポリオールと親水性ポリオールを混合後冷却し凝固させた状態で保存することを特徴とするウレタン樹脂用原料の保存方法。
  2. 親水性ポリオールがポリオキシアルキレン系ポリオールであることを特徴とする請求項1に記載のウレタン樹脂用原料の保存方法。
  3. 親水性ポリオールがポリオキシアルキレン系ポリオールであり、数平均分子量400以上、2000以下のポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウレタン樹脂用原料の保存方法。
  4. 疎水性ポリオールが数平均分子量500以上、5000以下のアクリルポリオールまたは数平均分子量500以上、5000以下且つ水酸基価が10mgKOH/g以上、200mgKOH/g以下のポリエステルポリオールから選ばれることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のウレタン樹脂用原料の保存方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のウレタン樹脂用原料の保存方法により保存され凝固した状態のウレタン樹脂用原料の温度が凝固点を基準として高温側に5℃以上、15℃以下となるように加熱し溶解させた後、イソシアネート化合物を加えることを特徴とする防曇性被膜形成用塗布液の調整方法。
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