JP2009256451A - シリコーンゴム発泡体の製造方法及びシリコーンゴム発泡体 - Google Patents
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Abstract
【効果】液状付加硬化型シリコーンゴム組成物の射出成形により、均一なセルを有するシリコーンゴム発泡体を形成することができ、生産性向上にも寄与することができる。
【選択図】なし
Description
(A)1分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合した水素原子(SiH基)を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)BET法による比表面積が50m2/g以上であるヒュームドシリカ、及び
(D)付加反応触媒
を必須成分としてなるものが挙げられる。
(A)成分の1分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンは、通常、付加硬化型シリコーンゴム組成物のベースポリマーとして使用されている公知のオルガノポリシロキサンであり、25℃で1〜100Pa・s、好ましくは5〜100Pa・s、より好ましくは10〜100Pa・sの粘度を有するものである。この(A)成分のオルガノポリシロキサンの粘度が上記範囲より低いと、組成物の硬化により得られるシリコーンゴム発泡体の機械的強度が低下し、発泡体成形品として、実用上問題となる場合がある。また、粘度が上記範囲より高いと、組成物の粘度が高くなりすぎて材料ポンプによる供給時間が長くなり、生産性が悪くなる場合がある。なお、本発明において、粘度は回転粘度計等により測定することができる。
RaSiO(4-a)/2 (I)
(式中、Rは独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基などの非置換の一価炭化水素基;3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基等の上記一価炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子やシアノ基で置換された置換アルキル基などの置換一価炭化水素基である。複数の置換基は、異なっていても同一であってもよいが、分子中にアルケニル基を2個以上(通常、2〜50個、好ましくは2〜20個程度)含んでいることが必要である。このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合したものでも、分子鎖途中(分子鎖非末端)のケイ素原子に結合したものでもよく、これらの両者に結合したものであってもよいが、少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有することが好ましい。aは1.9〜2.4、好ましくは1.95〜2.05の範囲の数である。)
で示されるものが用いられる。
(B)成分の1分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合した水素原子(SiHで示されるヒドロシリル基)を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン中のアルケニル基と、(B)成分中の珪素原子結合水素原子(SiH基)との付加(ヒドロシリル化)反応において、架橋剤として作用する成分である。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中の珪素原子数(又は重合度)が2〜300個、好ましくは3〜200個、より好ましくは4〜100個程度のものであればよい。
本発明の(C)成分であるヒュームドシリカは、シリコーンゴムに十分な強度を与えるために配合されるものである。ヒュームドシリカのBET法による比表面積は、50m2/g以上、好ましくは100〜400m2/g、より好ましくは150〜350m2/gである。比表面積が50m2/gより小さいと十分な強度が得られないばかりか、発泡体の外観が悪くなるおそれがある。比表面積が400m2/gより大きいと配合が困難になるおそれがある。
(D)成分の付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金属金属触媒が挙げられる。
この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができ、通常、白金族金属(質量換算)として(A)成分に対し、0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度である。
本発明において適用される室温で液状の付加硬化型シリコーンゴム組成物において、その他の成分として、必要に応じて、沈降シリカ、石英粉、珪藻土、炭酸カルシウムのような充填剤、カーボンブラック、導電性亜鉛華、金属粉等の導電剤、窒素含有化合物やアセチレン化合物、リン化合物、ニトリル化合物、カルボキシレート、錫化合物、水銀化合物、硫黄化合物等のヒドロシリル化反応制御剤、酸化鉄、酸化セリウムのような耐熱剤、ジメチルシリコーンオイル等の内部離型剤、接着性付与剤、チクソ性付与剤等を配合することは、発泡体成形品の外観等を損なわない範囲で任意とされる。
図1に示す通り、液状付加硬化型シリコーンゴム組成物は、材料として、通常、A液とB液の2液に分けて用いられる。2液に分けられた材料は、材料供給ポンプ1,2から定量器11,12に供給される。定量器11,12からA液とB液が所定の割合で材料供給ライン3を通じて合流する。A液とB液が合流する材料供給ライン3に超臨界流体供給装置4から超臨界流体Cを圧入し、材料A液とB液及び超臨界流体Cは、スタティックミキサー5を使用してプレ混合される。プレ混合された材料は射出成形機のシリンダー部6に供給され、定量しながら、スクリューミキサー61によって、再度回転混合される。混合後、シリンダー部6から、金型7に射出され、金型内で加熱され、発泡と共に硬化させ、均一なセルを有するシリコーンゴム発泡体が成形される。
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された25℃の粘度が30Pa・s(平均重合度 約750)であるジメチルポリシロキサン90質量部、比表面積が300m2/gであるヒュームドシリカ(日本アエロジル(株)製、アエロジル300)40質量部、ヘキサメチルジシラザン8質量部、水2質量部を室温(25℃)で30分混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌を続けて冷却し、シリコーンゴムベースを得た。
調製したA液とB液の2液の液状付加硬化型シリコーンゴム組成物を材料供給ポンプにセットし、A液とB液を等量(質量)供給し、また、材料供給ラインへ超臨界流体供給装置から40℃に加温した二酸化炭素を圧力8MPaで圧入した。超臨界状態の二酸化炭素は、A液とB液の材料合計量100質量部に対し、実施例1では10質量部、実施例2では15質量部を供給した。スタティックミキサーでA液とB液の材料と超臨界状態の二酸化炭素をプレ混合し、射出成形機のシリンダー部へ供給した。シリンダー部で再度、スクリューミキサーでA液とB液の材料と超臨界状態の二酸化炭素を回転混合した。金型のゲート断面積S(mm2)に対するキャビティ内の最大流動長L(mm)の比L/S(mm/mm2)の値が7.1である金型を使用し、該金型へ混合物を90MPaの圧力で射出し、120℃、240秒で硬化し、シリコーンゴム発泡体を得た。得られた発泡体の密度と発泡体のセルの最大粒径と最小粒径を計測し、その結果を表1に示した。
実施例1と同様に材料供給ラインへ超臨界流体供給装置から温度23℃の窒素を圧力8MPaで圧入した。超臨界状態の窒素は、A液とB液の材料合計量100質量部に対し、実施例3では10質量部、実施例4では15質量部を供給した以外は同様に射出成形を行い、120℃、240秒で硬化し、シリコーンゴム発泡体を得た。得られた発泡体の密度と発泡体のセルの最大粒径と最小粒径を計測し、その結果を表1に示した。
金型への射出圧力を120MPaとした以外は、それぞれ実施例1,2と同様にしてシリコーンゴム発泡体を得た。得られた発泡体の密度と発泡体のセルの最大粒径と最小粒径を計測し、その結果を表2に示した。
金型への射出圧力を120MPaとした以外は、それぞれ実施例3,4と同様にしてシリコーンゴム発泡体を得た。得られた発泡体の密度と発泡体のセルの最大粒径と最小粒径を計測し、その結果を表2に示した。
11,12 定量器
3 材料供給ライン
4 超臨界流体供給装置
5 スタティックミキサー
6 シリンダー部
61 スクリューミキサー
7 金型
A A液
B B液
C 超臨界流体
Claims (2)
- 超臨界流体と液状の付加硬化型シリコーンゴム組成物とを混合した混合物を、射出圧力100MPa未満で金型キャビティ内に射出して、発泡・硬化させることを特徴とするシリコーンゴム発泡体の製造方法。
- 請求項1記載の方法により得られるシリコーンゴム発泡体。
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