JP2009254954A - 貴金属含有酸化タングステン光触媒体の製造方法 - Google Patents

貴金属含有酸化タングステン光触媒体の製造方法 Download PDF

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竜 阿部
Fumiaki Otani
文章 大谷
Yoshiaki Sakatani
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Abstract

【課題】紫外線照射承知のような高価な製造設備を使用することなく、貴金属を含有する酸化タングステン光触媒体を製造しうる方法を提供する。
【解決手段】本発明の製造方法は、タングステン酸類またはその塩に貴金属またはその前駆体を添加したのち、480℃〜850℃で焼成することを特徴とする。好ましくはタングステン酸類の塩がアンモニウム塩であり、貴金属前駆体が白金化合物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、貴金属含有酸化タングステン光触媒体の製造方法に関し、詳しくは貴金属を含有する酸化タングステン光触媒体の製造方法に関する。
半導体にバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光を照射すると、価電子帯の電子が伝導
帯に励起され、価電子帯に正孔が生成するとともに、伝導帯に電子が励起される。かかる正孔および電子は、それぞれ強い酸化力および還元力を有することから、半導体に接触した分子種に酸化還元作用を及ぼす。この酸化還元作用は光触媒作用と呼ばれており、かかる光触媒作用を示し得る半導体は、光触媒体と呼ばれている。このような光触媒体として、酸化タングステンが知られている。酸化タングステンは、蛍光灯の照明下に高い光触媒用を示す光触媒体である。
より高い光触媒作用を示す光触媒体として、貴金属を含有する貴金属含有光触媒体も知られており、その製造方法として、分散媒中に粒子状の光触媒体が分散され、貴金属の前駆体が溶解された分散液に高強度の紫外線を照射することにより、該前駆体を貴金属に変換し、含有させる方法が知られている〔非特許文献1:Solar Energy Materials and Solar Cells, 51(1998), 203-219〕。還元後の分散液から分散媒を除去することにより、固形分として貴金属含有光触媒体を得ることができる。
しかし、かかる従来の製造方法は、貴金属の前駆体を還元するために強力な紫外線を必要とすることから、製造設備として高価な紫外線照射装置を用いるものであった。このため、工業化の観点からは、安価な製造設備で貴金属含有光触媒体を製造しうる方法が求められている。
Solar Energy Materials and Solar Cells, 51(1998), 203-219
そこで本発明者は、高価な製造設備を使用することなく、貴金属を含有する酸化タングステン光触媒体を製造しうる方法を開発するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、タングステン酸類またはその塩に貴金属またはその前駆体を添加したのち、480℃〜850℃で焼成することを特徴とする貴金属含有酸化タングステン光触媒体の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、高価な紫外線照射装置を使用することなく、貴金属含有光触媒体を製造することができる。
〔タングステン酸類またはその塩〕
本発明の製造方法に用いられるタングステン酸類とは、タングステン酸〔H2WO4〕、メタタングステン酸、パラタングステン酸などが挙げられる。
タングステン酸類の塩としては、例えばアンモニウム塩のほか、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩などのアルカリ塩などような金属塩が挙げられ、好ましくはアンモニウム塩である。
タングステン酸類の塩として具体的には、例えばタングステン酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、タングステン酸セシウム、メタタングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸ナトリウム、メタタングステン酸カリウム、メタタングステン酸セリウム、パラタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸ナトリウム、パラタングステン酸カリウム、パラタングステン酸セシウムなどが挙げられる。
タングステン酸類およびその塩は、それぞれ単独で、または2種以上を組合わせて用いられる。
〔貴金属またはその前駆体〕
本発明の製造方法に用いられる貴金属としては、例えばCu、Pt、Au、Pdなどが挙げられる。貴金属を用いる場合、通常は微細な粒子状のものが用いられる。
貴金属の前駆体とは、焼成により貴金属に導かれうる化合物であって、例えば上記貴金属の酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、有機酸塩、炭酸塩、りん酸塩などが挙げられる。
かかる前駆体として具体的には、Cuの前駆体として、例えば硝酸銅(Cu(NO3)2)、硫酸銅(Cu(SO4)2)、塩化銅(CuCl2、CuCl)、臭化銅(CuBr2,CuBr)、沃化銅(CuI)、沃素酸銅(CuI26)、塩化アンモニウム銅(Cu(NH4)2Cl4)、オキシ塩化銅(Cu2Cl(OH)3)、酢酸銅(CH3COOCu、(CH3COO)2Cu)、蟻酸銅((HCOO)2Cu)、炭酸銅(CuCO3)、蓚酸銅(CuC24)、クエン酸銅(Cu2647)、リン酸銅(CuPO4)などが挙げられる。
Ptの前駆体として、例えば塩化白金(PtCl2、PtCl4)、臭化白金(PtBr2、PtBr4)、沃化白金(PtI2、PtI4)、塩化白金カリウム(K2(PtCl4))、ヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)、亜硫酸白金(H3Pt(SO3)2OH)、酸化白金(PtO2)、塩化テトラアンミン白金(Pt(NH3)4Cl2)、炭酸水素テトラアンミン白金(C21446Pt)、テトラアンミン白金リン酸水素(Pt(NH3)4HPO4)、水酸化テトラアンミン白金(Pt(NH3)4(OH)2)、硝酸テトラアンミン白金(Pt(NO3)2(NH3)4)、テトラアンミン白金テトラクロロ白金((Pt(NH3)4)(PtCl4))などが挙げられる。
Auの前駆体として、例えば塩化金(AuCl)、臭化金(AuBr)、沃化金(AuI)、水酸化金(Au(OH)2)、テトラクロロ金酸(HAuCl4)、テトラクロロ金酸カリウム(KAuCl4)、テトラブロモ金酸カリウム(KAuBr4)、酸化金(Au23)などが挙げられる。
Pdの前駆体として、例えば酢酸パラジウム((CH3COO)2Pd)、塩化パラジウム(PdCl2)、臭化パラジウム(PdBr2)、沃化パラジウム(PdI2)、水酸化パラジウム(Pd(OH)2)、硝酸パラジウム(Pd(NO3)2)、酸化パラジウム(PdO)、硫酸パラジウム(PdSO4)、テトラクロロパラジウム酸カリウム(K2(PdCl4))、テトラブロモパラジウム酸カリウム(K2(PdBr4))などが挙げられる。
貴金属またはその前駆体は、それぞれ単独で、または2種以上を組合せて使用され、その使用量は、貴金属原子に換算して、酸化タングステン〔WO3〕に換算したタングステン酸類またはその塩の使用量100質量部に対して、光触媒作用の向上効果が十分に得られる点で通常0.005質量部以上、コストに見合った効果が得られる点で通常1質量部以下であり、好ましくは0.01質量部〜0.6質量部である。
〔貴金属またはその前駆体の添加〕
本発明の製造方法では、かかるタングステン酸類またはその塩に貴金属またはその前駆体を添加する。
添加する方法としては、例えばタングステン酸類またはその塩を水に溶解または分散させた水溶液または分散液に、微粒子状の貴金属を加える方法が挙げられる。微粒子状の貴金属またはその前駆体を水に溶解または分散させて、上記水溶液または分散液に加える方法も挙げられる。
上記水溶液または分散液に貴金属またはその前駆体を加えたのち、通常は、乾燥させて、固形分として、タングステン酸類またはその塩に貴金属またはその前駆体が添加された混合物を得ることができる。乾燥する方法としては、例えば自然乾燥により乾燥させる方法、加熱により乾燥させる加熱乾燥法、減圧下に留去することにより乾燥させる減圧乾燥法、加熱した気流中に噴霧することにより乾燥させる噴霧乾燥法などが挙げられる。
タングステン酸類またはその塩を予め成形して成形体とし、この成形体に貴金属またはその前駆体が溶解または分散させた混合液を噴霧することにより添加する方法も挙げられる。
〔粉砕〕
固形分としてタングステン酸類またはその塩に貴金属またはその前駆体が添加された混合物を得た場合、この混合物は、粉砕してもよい。粉砕方法は、例えば水などの液体を加えることなく、乾燥状態で粉砕する乾式粉砕であってもよいし、水などの液体を加えた湿潤状態で粉砕する湿式粉砕であってもよい。乾式粉砕により粉砕する場合には、例えば転動ミル、振動ボールミル、遊星ミルなどのボールミル、ピンミルなどの高速回転粉砕機、媒体撹拌ミル、ジェットミルなどの粉砕装置を用いることができる。湿式粉砕により粉砕する場合には、例えば振動ボールミル、遊星ミルなどのボールミル、高速回転粉砕機、媒体撹拌ミルなどの粉砕装置を用いることができる。
〔焼成〕
本発明の製造方法では、次いで焼成する。焼成温度は480℃〜850℃である。480℃未満であったり、850℃を超えると、光触媒作用が十分に得られないことがあり、好ましくは500℃〜750℃である。
焼成の際の昇温速度は、通常100℃/時間以上、好ましくは180℃/時間以上であり、通常は400℃/時間以下である。
焼成は、通常、空気中、酸素中などで行ってもよいし、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。
焼成は通常、気流焼成炉、トンネル炉、回転炉などの焼成炉を用いて行われる。
焼成に要する時間は、タングステン酸類またはその塩が酸化タングステンに遷移するに十分な時間であればよく、通常は10分〜30時間、好ましくは30分〜10時間である。
〔貴金属含有酸化タングステン光触媒体〕
かくして、タングステン酸類またはその塩が酸化タングステンに遷移すると共に、貴金属化合物前駆体を用いた場合には、この前駆体が貴金属に遷移して、貴金属含有酸化タングステン光触媒体を得ることができる。得られた貴金属酸化タングステン光触媒体は、例えばBET比表面積が0.4m2/g〜6.5m2/g、好ましくは2m2/g以上である。
得られた貴金属含有酸化タングステン光触媒体は、粉砕してもよい。粉砕方法は、例えば水などの液体を加えることなく、乾燥状態で粉砕する乾式粉砕であってもよいし、水などの液体を加えた湿潤状態で粉砕する湿式粉砕であってもよい。乾式粉砕により粉砕する場合には、例えば転動ミル、振動ボールミル、遊星ミルなどのボールミル、ピンミルなどの高速回転粉砕機、媒体撹拌ミル、ジェットミルなどの粉砕装置を用いることができる。湿式粉砕により粉砕する場合には、例えば振動ボールミル、遊星ミルなどのボールミル、高速回転粉砕機、媒体撹拌ミルなどの粉砕装置を用いることができる。
貴金属含有酸化タングステン光触媒体は、添加剤と混合して用いることもできる。添加剤としては、例えば非晶質シリカ、シリカゾル、水ガラス、オルガノポリシロキサンなどのケイ素化合物、非晶質アルミナ、アルミナゾル、水酸化アルミニウムなどのアルミニウム化合物、是オライト、カオリナイトなどのアルミノケイ酸塩、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムなどのアルカリ土類金属酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、リン酸カルシウム、モレキュラーシーブ、活性炭、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Os、Ir、Ag、Zn、Cd、Ga、In、Tl、Ge、Sn、Pb、Bi、La、Ceのような金属元素の水酸化物や酸化物、有機ポリシロキサン化合物の重縮合物、リン酸塩、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマー、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。これらの添加剤を添加して用いる場合、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
貴金属含有酸化タングステン光触媒体は、水やアルコールなどの有機溶媒中に分散させてコーティング液として使用することができる。また、必要に応じて、この光触媒体の分散性を向上させる目的で、分散剤を添加してもよい。さらに、基材上に塗膜にしたときの基材との密着性を向上させる目的で、無機系バインダー、有機系バインダーを添加することもできる。
このコーティング液は、例えば建築物の内壁、天井、窓ガラス、タイルなどに塗布することにより、光触媒体層を形成することができる。この光触媒体層は、貴金属含有酸化タングステン光触媒体を含むので、可視光線を多く含む蛍光灯、ハロゲンランプ、キセノンランプ、発光ダイオード、太陽光線などを照射することにより、高い光触媒作用を示す。このため、屋内空間においても、大気中の悪臭物質、水中の有機溶剤、農薬、界面活性剤の分解を効率よく行うことができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって
限定されるものではない。
なお、各実施例における測定法は、以下のとおりである。
1.BET比表面積
光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子のBET比表面積は、比表面積
測定装置〔湯浅アイオニクス社製「モノソーブ」〕を用い窒素吸着法により測定した。
2.結晶型
X線回折装置〔リガク社製「RINT2000/PC」〕を用いて試料のX線回折スペクトルを求め、このスペクトルから主成分の結晶構造を求めた。
3.光触媒作用〔アセトアルデヒド分解能〕
内径6cmシャーレ容器内に、各実施例で得た光触媒体0.1gを載置し、水を少量入れてペースト状にしてシャーレ全体に均一となるように展開した。これを110℃の乾燥機で1時間乾燥させ、その後、大気中でブラックライト〔紫外線強度2mW/cm2〕を16時間照射して、測定サンプルとした。
直径8cm、高さ10cm、容量約0.5Lの密閉式ガラス製容器内に、上記で得た測定サンプルを載置し、酸素20容量%および窒素80容量%からなり、相対湿度が50%となるように調湿した混合ガスで容器内を満たし、アセトアルデヒド13.4μモルを封入したのち、容器の外から蛍光灯光〔6000ルクス、ミノルタ社製照度計「T−10」で測定〕を照射した。蛍光灯光の照射中、容器内のアセトアルデヒド濃度を光音響マルチガスモニタ〔INNOVA社製、「1312型」〕により経時的に測定した。照射時間に対するアセトアルデヒドの濃度減少から、反応開始初期10分での一次反応速度定数を算出し、これをアセトアルデヒド分解能とした。一次反応速度定数が大きいほど、アセトアルデヒドの分解能は大きい。
実施例1
メタタングステン酸アンモニウム水溶液〔日本無機化学社製「MW−2」、WO3換算の濃度50質量%〕150gに、塩化白金酸〔H2PtCl6、エヌイーケムキャット社製〕を溶解した水溶液〔Pt換算の濃度0.4質量%〕を18.75g添加した。その後70℃で一晩真空乾燥することにより水分を除去して固形物を得た。この固形物を乳鉢で粉砕して、目開き150μmの篩を通過させて粗粒分を除去し、その後、空気中で昇温速度200℃/時間で500℃に昇温し、同温度で1時間焼成して、粉末状の白金含有酸化タングステン光触媒体を得た。得られた光触媒体の結晶型は酸化タングステン(WO3)であり、そのBET比表面積は6.0m2/gであった。また白金の添加量は白金原子換算で、酸化タングステン100質量部に対して、0.1質量部であった。得られた白金含有酸化タングステン光触媒体のアセトアルデヒド分解反応(一次反応速度定数)は0.0591h-1であった。
実施例2
焼成温度を600℃とした以外は実施例1と同様に操作して、白金含有酸化タングステン光触媒体を得た、この光触媒体の結晶型は酸化タングステン(WO3)であり、BET比表面積は3.9m2/g、アセトアルデヒド分解反応(一次反応速度定数)は0.0680h-1であった。
実施例3
焼成温度を700℃とした以外は実施例1と同様に操作して、白金含有酸化タングステン光触媒体を得た。この光触媒体の結晶型は酸化タングステン(WO3)であり、BET比表面積は2.4m2/g、アセトアルデヒド分解反応(一次反応速度定数)は0.525h-1であった。
実施例4
焼成温度を800℃とした以外は実施例1と同様に操作して、白金含有酸化タングステン光触媒体を得た。この光触媒体の結晶型は酸化タングステン(WO3)であり、BET比表面積は0.5m2/g、アセトアルデヒド分解反応(一次反応速度定数)は0.0426h-1であった。
比較例1
焼成温度を400℃とした以外は実施例1と同様に操作して、粉末状物を得た。この粉末状物の結晶型を求めようとしたが、酸化タングステン(WO3)を示す結晶ピークは見出せず、メタタングステン酸アンモニウムの分解中間体と思われるものの混合物であった。この粉末状物のBET比表面積は7.2m2/g、アセトアルデヒド分解反応(一次反応速度定数)は0.0019h-1であった。
比較例2
焼成温度を450℃とした以外は実施例1と同様に操作して、白金含有酸化タングステン光触媒体を得た。この光触媒体の結晶型は酸化タングステン(WO3)であったが、X線回折スペクトルには酸化タングステン以外のメタタングステン酸アンモニウムの分解中間体と思われるものを示すピークが比較的高い強度で見られた。この光触媒体のBET比表面積は6.9m2/g、アセトアルデヒド分解反応(一次反応速度定数)は0.0205h-1であった。
比較例3
焼成温度を900℃とした以外は実施例1と同様に操作して、白金含有酸化タングステン光触媒体を得た。この光触媒体の結晶型は酸化タングステン(WO3)であった。この光触媒体のBET比表面積は0.3m2/g、アセトアルデヒド分解反応(一次反応速度定数)は0.0219h-1であった。
比較例4
塩化白金酸を用いない以外は実施例1と同様に操作して酸化タングステン光触媒体を得た。この光触媒体の結晶型は酸化タングステン(WO3)であった。この光触媒体のBET比表面積は5.5m2/g、アセトアルデヒド分解反応(一次反応速度定数)は0.0086h-1であった。
比較例5
塩化白金酸を用いず、焼成温度を600℃とした以外は実施例1と同様に操作して酸化タングステン光触媒体を得た。この光触媒体の結晶型は酸化タングステン(WO3)であった。この光触媒体のBET比表面積は4.1m2/g、アセトアルデヒド分解反応(一次反応速度定数)は0.0079h-1であった。
比較例6
塩化白金酸を用いず、焼成温度を700℃とした以外は実施例1と同様に操作して酸化タングステン光触媒体を得た。この光触媒体の結晶型は酸化タングステン(WO3)であった。この光触媒体のBET比表面積は2.5m2/g、アセトアルデヒド分解反応(一次反応速度定数)は0.0088h-1であった。
比較例7
塩化白金酸を用いず、焼成温度を800℃とした以外は実施例1と同様に操作して酸化タングステン光触媒体を得た。この光触媒体の結晶型は酸化タングステン(WO3)であった。この光触媒体のBET比表面積は0.6m2/g、アセトアルデヒド分解反応(一次反応速度定数)は0.0072h-1であった。

Claims (3)

  1. タングステン酸類またはその塩に貴金属またはその前駆体を添加したのち、480℃〜850℃で焼成することを特徴とする貴金属含有酸化タングステン光触媒体の製造方法。
  2. タングステン酸類の塩がアンモニウム塩である請求項1に記載の製造方法。
  3. 貴金属が白金である請求項1に記載の製造方法。
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