JP2009254826A - 自己適合する外科的シール - Google Patents

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Abstract

【課題】外科的シールを通って挿入される外科的物体の横方向の運動の間に、拡張されていない作業空間の完全性を維持することのできるシールを提供すること。
【解決手段】外科的アクセス装置であって、長手方向軸を画定し、かつ、外科的物体の受け取りと通過とのための長手方向通路を有するアクセス部材と、該アクセス部材に据え付けられたシール部材であって、該シール部材は、該外科的物体と実質的に流体密なシーリング関係で該外科的物体を取り外し可能に受け入れるアパーチャを画定する内側シール部分を有する、シール部材と、少なくとも1つのケーブル部材とを備えている、外科的アクセス装置。
【選択図】図1A

Description

(関連出願の引用)
本願は、その全内容が本明細書において参考として援用される2008年4月15日出願の米国仮特許出願第61/044,955号に対する利益と優先権とを主張する。
(技術分野)
本開示は、外科的物体のシーリングされた受け入れに適応されたタイプの外科的シールに関する。特に、本開示は、カニューレアセンブリまたはトロカールアセンブリなどの外科的アクセス部材と共に使用する外科的シールに関する。
現在の多くの医学的処置および外科的処置は、アクセス部材を介して行われる。これらのデバイスは、患者の体の中に経皮的に導入される細いチューブまたはカニューレを組み込み、そして、中央開口を有しており、処置の間に、外科的物体が、該中央開口を通って導入され、かつ、操作される。概して、かかる処置は、「内視鏡的」と呼ばれ、そして、患者の腹部に行われる場合には、処置は、「腹腔鏡的」と呼ばれる。本開示の全体を通して、用語「低侵襲性」は、内視鏡的処置と腹腔鏡的処置との両方を含むように理解されるべきである。
概して、低侵襲性処置の間には、患者の体の中への外科的物体の導入に先立って、吹送ガスが、使用されることにより、標的の外科手術部位の周りの範囲を拡張して、より大きく、よりアクセスしやすい作業空間を作り出す。したがって、外科的物体のあるときと、ないときとの両方の場合において、アクセス部材の中央開口に沿った実質的に流体密なシールの維持が、吹送ガスの漏れを防止し、かつ、拡張された外科的作業空間の収縮または萎縮を防止するために望ましい。このために、外科的アクセス部材は、概して、1つ以上のシールを組み込み、該1つ以上のシールの多数の種類が、当該分野において公知である。1つのかかる例は、本明細書において参考として援用される同一人に譲渡されたPearsonの特許文献1に見られ得る。
低侵襲性処置の間に、医師は、頻繁に、外科的物体と、アクセス部材の中に配置されたシールとをアクセス部材の中で横方向に動かすことにより、外科的作業空間の異なる領域にアクセスする。この横方向の運動は、シールをゆがめることがあり得、それにより、吹送ガスの漏れをもたらしたり、拡張されていない作業空間の完全性を損なったりする可能性がある。
米国特許第5,512,053号明細書
多くの種類の外科的シールが、当該分野において公知であるが、外科的シールを通って挿入される外科的物体の横方向の運動の間に、拡張されていない作業空間の完全性を維持することのできるシールに対して、継続的な必要性が存在している。
したがって、本発明は、外科的アクセス装置に関し、該外科的アクセス装置は、長手方向軸を画定し、かつ、外科的物体の受け取りと通過とのための長手方向通路を有するアクセス部材と、アクセス部材に据え付けられ、かつ、外科的物体と実質的に流体密なシーリング関係で外科的物体を取り外し可能に受け入れるアパーチャを画定する内側シール部分を有するシール部材と、少なくとも1つのケーブル部材とを含む。該少なくとも1つのケーブル部材は、シール部材の第1の半径方向セクションに接続された第1のケーブルの端と、第1の半径方向セクションから場所を変えられたシール部材の第2の半径方向セクションに接続された第2のケーブルの端とを有する。第1のケーブルの端と、第2のケーブルの端とは、外科的物体の中心を外れる横方向の運動の間に、長手方向軸に対して横方向に移動させられ、それにより、シール部材の内側シール部分の対応する横方向の移動をもたらすように適合されており、それにより、内側シール部分は、外科的物体との実質的に流体密なシーリング関係を維持する。第1のケーブルの端と第2のケーブルの端とは、内側シール部分に隣接した場所において、シール部材のそれぞれの第1の半径方向セクションと第2の半径方向セクションとに接続され得る。第1の半径方向セクションと第2の半径方向セクションとは、概ね直径方向に対向した関係にあり得る。第1のケーブル部材と第2のケーブル部材とは、シール部材の間隔を置かれた半径方向セクションに接続されたケーブルの端を有するそれぞれのケーブル部材を提供され得る。
第1のケーブルの端は、第1の場所において第1の半径方向セクションに接続され得、そして、第2のケーブルの端は、第2の場所において第2の半径方向セクションに接続され得、第1の場所と第2の場所とは、実質的にアパーチャに隣接している。
シール部材は、少なくとも1つのケーブル部材を少なくとも部分的に受け入れるように構成された少なくとも1つのチャネルを画定し得る。少なくとも1つのチャネルは、シール部材の中に画定され得る。あるいは、少なくとも1つのチャネルは、シール部材の外側表面に画定される。
少なくとも1つのケーブル部材は、外科的シール部材の使用の間、実質的に一定のままである長さを画定し得る。少なくとも1つのケーブル部材は、実質的に剛性でない材料で形成され得る。
シール部材は、エラストマー材料で形成されるので、シール部材は、外科的物体のそれぞれの挿入および取り外しの際に、第1の状態と第2の状態との間で弾力的に遷移し得る。シール部材のアパーチャは、第1の状態における第1の直径と、第2の状態における第2の直径とを画定し得る。少なくとも1つのケーブル部材は、シール部材の中に挿入された外科的物体の横方向の操作の際に、シール部材のアパーチャを移動させるように構成されており、アパーチャは、アパーチャの第2の直径が、実質的に一定のままであるように横方向操作の方向に移動させられる。
アクセス部材は、カニューレを含み得、該カニューレは、外科的物体の通過のために寸法を合わされた長手方向開口部を画定する。筐体が、カニューレに接続され得る。筐体は、シール部材を受け入れるように構成され、かつ、少なくとも1つのケーブル導管を画定する。少なくとも1つのケーブル導管は、シール部材の中での外科的物体の横方向の操作の間に、少なくとも1つのケーブル部材の移動を可能にするように構成される。
本明細書において開示された外科的シールのこれらの特徴と他の特徴とが、本開示の様々な実施形態の以下の詳細な記述から当業者にさらに容易に理解される。
したがって、本発明は以下を提供する。
(項目1)
外科的アクセス装置であって、
長手方向軸を画定し、かつ、外科的物体の受け取りと通過とのための長手方向通路を有するアクセス部材と、
該アクセス部材に据え付けられたシール部材であって、該シール部材は、該外科的物体と実質的に流体密なシーリング関係で該外科的物体を取り外し可能に受け入れるアパーチャを画定する内側シール部分を有する、シール部材と、
少なくとも1つのケーブル部材であって、該少なくとも1つのケーブル部材は、該シール部材の第1の半径方向セクションに接続された第1のケーブルの端と、該第1の半径方向セクションから場所を変えられた該シール部材の第2の半径方向セクションに接続された第2のケーブルの端とを有し、該第1のケーブルの端と、該第2のケーブルの端とは、該外科的物体の中心を外れる横方向の運動の間に、該長手方向軸に対して横方向に移動させられ、それにより、該シール部材の該内側シール部分の対応する横方向の移動をもたらすように適合されており、それにより、該内側シール部分は、該外科的物体との実質的に流体密なシーリング関係を維持する、少なくとも1つのケーブル部材と
を備えている、外科的アクセス装置。
(項目2)
上記第1のケーブルの端と上記第2のケーブルの端とは、上記内側シール部分に隣接した場所において、上記シール部材のそれぞれの第1の半径方向セクションと第2の半径方向セクションとに接続されている、項目1に記載の外科的アクセス装置。
(項目3)
上記第1の半径方向セクションと上記第2の半径方向セクションとは、概ね直径方向に対向した関係にある、項目2に記載の外科的アクセス装置。
(項目4)
第1のケーブル部材と第2のケーブル部材とを含み、各ケーブル部材は、上記シール部材の間隔を置かれた半径方向セクションに接続されたケーブルの端を有する、項目2に記載の外科的アクセス装置。
(項目5)
上記第1のケーブルの端は、第1の場所において上記第1の半径方向セクションに接続され、そして、上記第2のケーブルの端は、第2の場所において上記第2の半径方向セクションに接続されており、該第1の場所と該第2の場所とは、実質的に、上記アパーチャに隣接している、項目1に記載の外科的アクセス装置。
(項目6)
上記シール部材は、上記少なくとも1つのケーブル部材を少なくとも部分的に受け入れるように構成された少なくとも1つのチャネルを画定する、項目1に記載の外科的アクセス装置。
(項目7)
上記少なくとも1つのチャネルは、上記シール部材の中に画定される、項目6に記載の外科的アクセス装置。
(項目8)
上記少なくとも1つのチャネルは、上記シール部材の外側表面に画定される、項目6に記載の外科的アクセス装置。
(項目9)
上記少なくとも1つのケーブル部材は、上記外科的シール部材の使用の間、実質的に一定のままである長さを画定する、項目1に記載の外科的アクセス装置。
(項目10)
上記少なくとも1つのケーブル部材は、実質的に剛性でない材料で形成される、項目1に記載の外科的アクセス装置。
(項目11)
上記シール部材は、エラストマー材料で形成されるので、該シール部材は、上記外科的物体のそれぞれの挿入および取り外しの際に、第1の状態と第2の状態との間で弾力的に遷移する、項目1に記載の外科的アクセス装置。
(項目12)
上記シール部材の上記アパーチャは、第1の状態における第1の直径と、第2の状態における第2の直径とを画定する、項目11に記載の外科的アクセス装置。
(項目13)
上記少なくとも1つのケーブル部材は、上記シール部材の上記アパーチャの中に挿入された上記外科的物体の横方向の操作の際に、該シール部材の該アパーチャを移動させるように構成されており、該アパーチャは、該アパーチャの第2の直径が、実質的に一定のままであるように横方向操作の方向に移動させられる、項目12に記載の外科的アクセス装置。
(項目14)
上記アクセス部材は、カニューレを含み、該カニューレは、上記外科的物体の通過のために寸法を合わされた長手方向開口部を画定する、項目1に記載の外科的アクセス装置。
(項目15)
上記カニューレに接続された筐体をさらに含み、該筐体は、上記シール部材を受け入れるように構成され、かつ、少なくとも1つのケーブル導管を画定し、該少なくとも1つのケーブル導管は、該シール部材の中での上記外科的物体の横方向の操作の間、上記少なくとも1つのケーブル部材の移動を可能にするように構成されている、項目14に記載の外科的アクセス装置。
(摘要)
外科的アクセス装置は、長手方向軸を画定し、かつ、外科的物体の受け取りと通過とのための長手方向通路を有するアクセス部材と、アクセス部材に据え付けられ、かつ、外科的物体と実質的に流体密なシーリング関係で外科的物体を取り外し可能に受け入れるアパーチャを画定する内側シール部分を有するシール部材と、少なくとも1つのケーブル部材とを含む。該少なくとも1つのケーブル部材は、シール部材の第1の半径方向セクションに接続された第1のケーブルの端と、第1の半径方向セクションから場所を変えられたシール部材の第2の半径方向セクションに接続された第2のケーブルの端とを有する。第1のケーブルの端と、第2のケーブルの端とは、外科的物体の中心を外れる横方向の運動の間に、長手方向軸に対して横方向に移動させられ、それにより、シール部材の内側シール部分の対応する横方向の移動をもたらすように適合されており、それにより、内側シール部分は、外科的物体との実質的に流体密なシーリンク関係を維持する。
図1Aは、本開示の原理に従った、シール部材の上面斜視図である。 図1Bは、図1Aのシール部材の一実施形態の上面斜視図である。 図2Aは、第1の状態で示された、図1Aのシール部材の上面図である。 図2Bは、第2の状態で示された、図1Aのシール部材の上面斜視図であり、外科的物体が、シール部材の中に挿入されている。 図2Cは、第1のケーブル部材と第2のケーブル部材とを有する、図1Aのシール部材の上面図である。 図3Aは、図1のシール部材の別の実施形態の上面斜視図であり、シール部材の近位表面に画定されたチャネルを含む。 図3Bは、図1のシール部材の別の実施形態の側面図であり、シール部材の周囲に画定されたチャネルを含む。 図3Cは、図1のシール部材の別の実施形態の上面図であり、シール部材の中に画定されたチャネルを含む。 図3Dは、図3Cのシール部材の側面図である。 図4Aは、図1のシール部材と共に使用する外科的アクセス部材の部品を分解された斜視図である。 図4Bは、図4Aの切断線4B−4Bに沿って取られた外科的アクセス部材の筐体の側面断面図である。 図5は、図1のシール部材の上面斜視図であり、挿入の後に外科的物体によってシール部材に及ぼされる力を例示している。 図6は、公知の例示的なシール部材を通って挿入された外科的物体の横方向の操作の際の公知の例示的なシール部材の上面図である。 図7は、外科的物体の横方向の操作の際の、図5のシール部材の上面図である。
本開示の様々な実施形態が、図面を参照して以下で記述される。
同様の参照番号は同様の要素または同一の要素を同一とみなす図面と以下の記述とにおいて、当該分野において、習慣的であり、かつ、公知であるように、用語「近位」は、器具の使用中に医師に最も近い装置の端を指すが、用語「遠位」は、医師から最も遠い端を指す。
図1A〜図1Bを参照すると、シール部材100が開示されており、該シール部材100は、それぞれの近位表面102および遠位表面104と、周囲106と、アパーチャ108とを画定し、該アパーチャ108は、外科的物体「I」(図2B)を取り外し可能に受け入れるように構成されているので、実質的に流体密なシールが、外科的物体「I」と形成される。シール部材100は、少なくとも1つのケーブル部材110を含み、該少なくとも1つのケーブル部材110は、以下で詳細に考察される。
シール部材100は、外科的物体「I」と実質的に流体密なシールを形成するように外科的物体「I」を受け入れるという意図した目的に適した任意の構成を示し得、該任意の構成は、限定するものではないが、図1Aに見られるような実質的に平坦な構成、または図1Bに見られるような概ね円錐形の構成を含む。
シール部材100は、性質において少なくとも半弾力的である任意の適切な生体適合性材料で形成され得、該任意の適切な生体適合性材料は、限定するものではないが、エラストマー材料を含む。かかる材料でシール部材100を形成することが、外科的物体「I」の挿入および取り外しの際に、シール部材100の弾力的な変形を容易にし、そして、特に、アパーチャ108の弾力的な変形を容易にする。以下でさらに詳細に考察されるように、シール部材100の弾力的な性質が、使用中に、シール部材100が様々な程度の変形を示すことを可能にし、それにより、様々なサイズの外科的物体の収容を容易にし、そして、シール部材100の中での外科的物体の軸方向または横方向の操作の間の外科的物体との実質的に流体密なシールの維持を容易にする。
図2A〜図2Bに見られるように、外科的物体「I」を受け入れることに先立って、シール部材100は、第1の状態にあり、該第1の状態においては、シール部材100のアパーチャ108は、第1の直径「D」を画定し、該第1の直径「D」は、実質的に、外科的物体「I」の直径「D」よりも小さい。アパーチャ108は、第1の状態においては閉じられ得る。すなわち、アパーチャ108は、「D」が0になることにより、外科的物体「I」のない場合にシール部材100を通る吹送ガスの漏れを防止するように閉じられ得る。外科的物体「I」の挿入の際に、アパーチャ108が、変形または伸張することにより、より大きな直径「D」の外科的物体「I」を収容し、それにより、第2の状態に遷移する。第2の状態において、シール部材100のアパーチャ108は、外科的物体「I」の直径「D」と実質的に近似する第2の直径「D」を画定し、それにより、外科的物体「I」と実質的に流体密なシールを形成し、そして、吹送ガスの漏れを防止する。第2の状態において、外科的物体「I」の直径「D」と、したがって、シール部材100のアパーチャ108の直径「D」とは、当該分野において一般的であるように、概して、約5mm〜約15mmの範囲内にあるが、直径「D」に関しては、実質的により大きな値、または実質的により小さな値がまた、本開示の範囲内にある。
さらに、図2A〜図2Bを参照して、シール部材100のケーブル部材110が、考察される。
ケーブル部材110は、任意の生体適合性材料で形成され得、該任意の生体適合性の材料は、例えば、ステンレス鋼、ポリマー材料など、特性において、実質的に剛性ではなく、かつ、実質的に拡張することができないので、ケーブル110の長さは、シール部材100の使用の間、実質的に一定のままである。ケーブル部材110は、第1の端112と第2の端114とのそれぞれを有し、該第1の端112と該第2の端114とは、シール部材100のそれぞれの第1のセクション116と第2のセクション118とにおいてシール部材100に取り付けられる。ケーブル部材110の第1の端112と第2の端114とはそれぞれ、第1の場所120と第2の場所122とにおいて第1のセクション116と第2のセクション118とに取り付けられ、該第1の場所120と該第2の場所122とは、実質的に、アパーチャ108に隣接して配置され、かつ、互いから間隔を置かれている。ケーブル部材110の第1の端112と第2の端114とを固定するための様々な配置が、想定される。例えば、シール部材100は、シール部材100の材料の中に埋め込まれたポストを有し得る。第1の端112と第2の端114とは、ポストに取り付けられ得るか、固定され得る。代替例において、第1の端112と第2の端114とは、シール部材100の製造の間、例えば、モールディングプロセスなどの間、シール部材100の中に埋め込まれ得る。第1の端112と第2の端114とを取り付ける他の手段がまた、想定される。それぞれの第1のセクション116および第2のセクション118、結果として、それぞれの第1の場所120および第2の場所122は、互いに、実質的に直径方向に対向している。
ここで図2Cを参照すると、一実施形態において、シール部材100が、開示されており、該シール部材100は、第1のケーブル部材110を含み、該第1のケーブル部材110は、それぞれの第1の端112と第2の端114とを有し、該第1の端112と該第2の端114とは、第1の場所120と第2の場所122とにおいて、シール部材100の第1のセクション116と第2のセクション118とにそれぞれ取り付けられる。この実施形態において、シール部材100はさらに、第2のケーブル部材110を含み、該第2のケーブル部材110は、それぞれの第1の端112と第2の端114とを有し、該第1の端112と該第2の端114とは、第1の場所120と第2の場所122とにおいて、シール部材100の第1のセクション116と第2のセクション118とにそれぞれ取り付けられる。図2A〜図2Bのシール部材100に関して、第1の位置120および第1の位置120と、第2の位置122および第2の位置122とのぞれぞれは、実質的にアパーチャ108に隣接して配置され、かつ、互いから間隔を置かれている。追加のケーブル、例えば、第2のケーブル部材110の組み込み、または3本以上のケーブル部材の組み込みが、以下で考察されるように、アパーチャ108を通って挿入される外科的物体「I」(図2B)を横方向に操作する際に、アパーチャ108のより均一な変形を容易にする。
図3A〜図3Dに見られるように、一実施形態において、シール部材100は、ケーブル110を少なくとも部分的に受け入れるように構成された少なくとも1つのチャネル124を画定する。チャネル124は、シール部材100の外側表面、例えば、近位表面102(図3A)、遠位表面104(図示せず)、もしくは周囲106(図3B)、またはシール部材100の中(図3C〜図3D)のいずれかにおいて形成されるので、ケーブル部材110は、少なくとも部分的に、シール部材100によって隠される。
ここで図4Aを参照すると、例えば、カニューレアセンブリ10の形態の外科的アクセス部材が、例示されており、該外科的アセンブリ部材は、シール部材100と共に使用され得る。近位端12において、カニューレアセンブリ10は、筐体14を含み、該筐体14は、本開示の主題であるシール部材100を収容するように構成されている。筐体14から遠位方向に延在しているものが、カニューレまたは細長い部材16である。例示されているように、カニューレアセンブリ10は、必要に応じて、ゼロ閉鎖弁18をさらに含み得る。
筐体14は、シール部材100を収容するという意図した目的に適した任意の構造であり得る。図4Bに見られるように、一実施形態において、筐体14は、その内部表面22に少なくとも1つの導管20を画定する。導管20は、以下でさらに詳細に考察されるように、シール部材100の中での外科的物体「I」の横方向の操作の間に、ケーブル110を受け入れ、かつ、ケーブル110の移動を可能にするように構成されている。シール筐体14に関するさらなる情報は、Exlineらによる共有に係る米国特許第7,169,130号を参照して獲得され得、該米国特許第7,169,130号の全内容は参考として援用される。
カニューレ16は、筐体14から遠位方向に延在し、そして、長手方向通路24を画定し、該長手方向通路24は、例えば、閉塞具、トロカール、または内視鏡などの外科的物体「I」(図2B)が、長手方向通路24を通過することを可能にするように構成されている。遠位端26において、カニューレ16は、開口部28を画定し、該開口部28は、外科的物体「I」が、開口部28を通過することを可能にするように構成されている。従来、外科的物体は、概して、実質的に約3mm〜約15mmの範囲内の直径を画定する。したがって、長手方向通路24は、同様に寸法を合わされるが、実質的により大きいか、実質的により小さい外科的物体と、実質的により大きいか、より小さい長手方向通路24および開口部28を画定するカニューレ16とがまた、本開示の範囲内にある。
ここで図2A、図4A、および図5〜図7を参照すると、シール部材100の使用法と機能とが、外科的アクセス装置、例えば、カニューレアセンブリ10と共に記述される。最初に、標的の外科手術部位が、適切な生体適合性ガス、例えば、COガスで拡張させられるので、より大きな内部の作業空間が患者の中に作り出され、それにより、患者の内臓および/または内腔に対するより優れたアクセスを提供し得る。当該分野においては一般的であるように、拡張は、拡張針または同様なデバイスを用いて行われ得る。その後、概略的に外科的物体「I」として描かれている様々な外科的物体が、カニューレアセンブリ10の中に挿入され、そして、シール部材100と細長い部材16とを通って遠位方向に前進させられることにより、拡張された作業空間に経皮的にアクセスし、そして、低侵襲性処置を行う。
拡張の後、次に、シール部材100は、拡張ガスの漏れを防止し、それにより、外科的物体「I」の存在しない場合と存在する場合との両方における拡張された作業空間の完全性を維持する。図2Aに見られるように、外科的物体「I」の挿入に先立って、シール部材100は、第1の状態にあり、該第1の状態においては、アパーチャ108は、第1の直径「D」を画定する。外科的物体「I」の挿入(図5)の際に、シール部材100と、特に、そのアパーチャ108とは、外科的物体「I」によって加えられる力「F」を受ける。該力「F」は、半径方向外側に向かっている。力「F」は、アパーチャ108を開かせ、それにより、シール部材100を第2の状態に遷移させ、該第2の状態においては、アパーチャ108は、第2のより大きな直径「D」を画定し、該第2のより大きな直径「D」は、外科的物体「I」の直径「D」を実質的に近似する。第2の状態において、アパーチャ108は、半径方向内側に向けられた付勢力「F」を及ぼし、該付勢力「F」は、シール部材100を第1の状態に戻そうとする。付勢力「F」は、外科的物体「I」に及ぼされ、それにより、外科的物体「I」と実質的に流体密なシールを作り出す。
先に考察されたように、低侵襲性処置の間において、外科的作業空間の異なる範囲にアクセスするために、外科的物体を軸方向または横方向に操作することが、多くの場合に必要となる。図6は、公知のシール「S」における、かかる横方向操作の影響を説明する。当業者には理解されるように、矢印「A」の方向に外科的物体「I」を横方向に操作することが、シール「S」の拡大されたアパーチャ108を横方向にゆがめ得、それにより、漏出経路128を作り出し、そして、そこを通る吹送ガスの漏れをもたらす可能性がある。本開示のシール部材100は、組み込みのケーブル部材110によって、この可能性を軽減する。
図7に見られるように、矢印「A」の方向における外科的物体「I」の横方向の運動の際に、力「F」が、シール部材100の第1のセクション120においてシール部材100に加えられる。力「F」は、矢印「A」の方向にアパーチャ108をゆがめようとし、それにより、漏出経路128(図6)を作り出す。第1のセクション116に力「F」を加える際に、ケーブル部材110の第1の端112は、ケーブル部材110の第1の端112と、第1の場所120におけるシール部材100との間の接続によって力「F」を受ける。力「F」は、第1のセクション116を移動させ、それにより、ケーブル部材110の第1の端112を移動させ、そして、最終的に、ケーブル部材110の第2の端114を移動させる。ケーブル部材110の第2の端114と、第2の場所122におけるシール部材100との間の接続によって、シール部材100の第2のセクション118が、力「F」の影響を受け、そして、同様に、矢印「A」によって示された方向に移動させられる。結果として、アパーチャ108は、実質的に一定の態様で変形し、第2の状態において直径「D」を維持し、そして、漏出経路128が存在する場合には、漏出経路128の寸法を最小にするので、外科的物体「I」と形成される実質的に流体密なシールが、保たれ、そして、シール部材100を通る吹送ガスの漏れは、減らされる。追加のケーブル部材(図2C)の組み込みはさらに、外科的物体「I」の横方向の運動の際にアパーチャ108の均一な変形を確実にし、そして、外科的物体「I」との実質的に流体密なシールを保つことを確実にする。本開示は、ケーブル部材110を含む材料と、その構成および寸法とは、外科的物体「I」の横方向の操作の間において、シール部材100の第2のセクション118によって実現されるゆがみの程度が、第1のセクション116のゆがみの程度を近似し、それにより、第2の状態におけるアパーチャ108の直径「D」を実質的に維持するようなものであり得ることを企図する。
本開示の例示的な実施形態が、添付の図面を参照して本明細書に記述されてきたが、上の記述、開示、および図は、限定として解釈されるべきではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。したがって、本開示は、それらの正確な実施形態に限定されないことと、様々な他の変更と改変とが、本開示の範囲または精神から逸脱することなく、当業者によってもたらされ得ることとが理解されるべきである。

Claims (15)

  1. 外科的アクセス装置であって、
    長手方向軸を画定し、かつ、外科的物体の受け取りと通過とのための長手方向通路を有するアクセス部材と、
    該アクセス部材に据え付けられたシール部材であって、該シール部材は、該外科的物体と実質的に流体密なシーリング関係で該外科的物体を取り外し可能に受け入れるアパーチャを画定する内側シール部分を有する、シール部材と、
    少なくとも1つのケーブル部材であって、該少なくとも1つのケーブル部材は、該シール部材の第1の半径方向セクションに接続された第1のケーブルの端と、該第1の半径方向セクションから場所を変えられた該シール部材の第2の半径方向セクションに接続された第2のケーブルの端とを有し、該第1のケーブルの端と、該第2のケーブルの端とは、該外科的物体の中心を外れる横方向の運動の間に、該長手方向軸に対して横方向に移動させられ、それにより、該シール部材の該内側シール部分の対応する横方向の移動をもたらすように適合されており、それにより、該内側シール部分は、該外科的物体との実質的に流体密なシーリング関係を維持する、少なくとも1つのケーブル部材と
    を備えている、外科的アクセス装置。
  2. 前記第1のケーブルの端と前記第2のケーブルの端とは、前記内側シール部分に隣接した場所において、前記シール部材のそれぞれの第1の半径方向セクションと第2の半径方向セクションとに接続されている、請求項1に記載の外科的アクセス装置。
  3. 前記第1の半径方向セクションと前記第2の半径方向セクションとは、概ね直径方向に対向した関係にある、請求項2に記載の外科的アクセス装置。
  4. 第1のケーブル部材と第2のケーブル部材とを含み、各ケーブル部材は、前記シール部材の間隔を置かれた半径方向セクションに接続されたケーブルの端を有する、請求項2に記載の外科的アクセス装置。
  5. 前記第1のケーブルの端は、第1の場所において前記第1の半径方向セクションに接続され、そして、前記第2のケーブルの端は、第2の場所において前記第2の半径方向セクションに接続されており、該第1の場所と該第2の場所とは、実質的に、前記アパーチャに隣接している、請求項1に記載の外科的アクセス装置。
  6. 前記シール部材は、前記少なくとも1つのケーブル部材を少なくとも部分的に受け入れるように構成された少なくとも1つのチャネルを画定する、請求項1に記載の外科的アクセス装置。
  7. 前記少なくとも1つのチャネルは、前記シール部材の中に画定される、請求項6に記載の外科的アクセス装置。
  8. 前記少なくとも1つのチャネルは、前記シール部材の外側表面に画定される、請求項6に記載の外科的アクセス装置。
  9. 前記少なくとも1つのケーブル部材は、前記外科的シール部材の使用の間、実質的に一定のままである長さを画定する、請求項1に記載の外科的アクセス装置。
  10. 前記少なくとも1つのケーブル部材は、実質的に剛性でない材料で形成される、請求項1に記載の外科的アクセス装置。
  11. 前記シール部材は、エラストマー材料で形成されるので、該シール部材は、前記外科的物体のそれぞれの挿入および取り外しの際に、第1の状態と第2の状態との間で弾力的に遷移する、請求項1に記載の外科的アクセス装置。
  12. 前記シール部材の前記アパーチャは、第1の状態における第1の直径と、第2の状態における第2の直径とを画定する、請求項11に記載の外科的アクセス装置。
  13. 前記少なくとも1つのケーブル部材は、前記シール部材の前記アパーチャの中に挿入された前記外科的物体の横方向の操作の際に、該シール部材の該アパーチャを移動させるように構成されており、該アパーチャは、該アパーチャの第2の直径が、実質的に一定のままであるように横方向操作の方向に移動させられる、請求項12に記載の外科的アクセス装置。
  14. 前記アクセス部材は、カニューレを含み、該カニューレは、前記外科的物体の通過のために寸法を合わされた長手方向開口部を画定する、請求項1に記載の外科的アクセス装置。
  15. 前記カニューレに接続された筐体をさらに含み、該筐体は、前記シール部材を受け入れるように構成され、かつ、少なくとも1つのケーブル導管を画定し、該少なくとも1つのケーブル導管は、該シール部材の中での前記外科的物体の横方向の操作の間、前記少なくとも1つのケーブル部材の移動を可能にするように構成されている、請求項14に記載の外科的アクセス装置。
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