JP2009254264A - Issatchenkiaorientalisに属する菌の形質転換系 - Google Patents

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Abstract

【課題】Issatchenkia orientalisに属する菌について栄養要求性の内在性遺伝子をマーカー遺伝子とする形質転換システムを提供する。
【解決手段】Issatchenkia orientalisに属する変異体由来の特定な塩基配列で表される塩基配列を含むDNAを含み、Issatchenkia orientalisに属する菌であってウラシル要求性変異体の遺伝子形質転換用DNA構築物と形質転換方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、Issatchenkia orientalisに属する菌についての形質転換系の提供に関する。
木質などのバイオマスを糖化するためには、物理的処理、化学的処理または酵素処理などの方法がある。処理の方法によっては、糖化液は、微生物が生育できないような温度やpHに変化することがあるため、微生物の生育に適した条件に変える必要がある。微生物が熱やpHや化学物質などのストレスに対して耐性能力を備えていれば、糖化液等を微生物の生育に適した条件に変える必要がないことから、生産コストを低減させることができる。
従来、ストレス耐性のある酵母として、アルコール発酵性酵母MF-121株が知られている(特許文献1)。この菌株は、酸性河川(万座温泉街を流れる万座川の支流)の河川水からスクリーニングされた酵母菌である。日本酒の製造に使用される清酒酵母は、硫酸濃度5%、pH2.0では増殖及び発酵はできないが、MF-121株は可能であることが報告されており、耐塩、耐酸性に優れている株であることが知られている(非特許文献1)。
一般に、酵母を利用してバイオマスの分解等に利用するために、当該株を遺伝子工学的に改良するには、この菌株に対する遺伝子組換えシステムが必要不可欠である。すなわち、形質転換体の宿主となるある種の要求性を有する宿主とその要求性を相補するマーカー遺伝子が必要である。
マーカー遺伝子としては、薬剤耐性遺伝子(外来性遺伝子)と栄養要求性相補遺伝子(内在性遺伝子)がある。前者は遺伝子導入の選択性が悪く、また安全性にも問題がある場合があった。後者は、遺伝子導入の選択性がよく、マーカー遺伝子として本来的に内在する遺伝子を使用することから安全性は高いと考えられる。
酵母菌の遺伝子組換え技術としては、パン酵母や清酒酵母が属するSaccharomyces cerevisiae(以下Sc)について特に進んでいる。また、数種の酵母については形質転換システムが確立されている(特許文献2〜4)。
特開2004−344084号公報 特開2003−144185 特表2002−514049 特表平4−505557 Hisamatsu M., Furubayashi T., Karita S., Mishima T. and Isono N., Isolation and identification of a novel yeast fermenting ethanol under acidic condition., J. Appl. Glycosci., 2007, 53, 111-113.
しかしながら、サッカロマイセス属をのぞき、酵母菌のほとんどは、栄養要求性遺伝子をマーカー遺伝子とする遺伝子導入するための形質転換システムが構築されていないのが現状である。これは、このような形質転換システムに必要なある種の栄養性要求性株とそれを相補する遺伝子の探索に多量の試行錯誤を要するからである。既述のMF-121株は、Issatchenkia orientalisに属することが分かっているが(非特許文献1)、この属に属する菌について現在まで形質転換システムが開発された報告例はない。
そこで、本発明はIssatchenkia orientalisに属する菌について栄養要求性の内在性遺伝子をマーカー遺伝子とする形質転換システムを提供することを一つの目的とする。
本発明者らは、Issatchenkia orientalis MF-121株について栄養要求性株の取得と当該栄養要求性を相補する遺伝子の取得を試みた。種々検討したところ、いくつかのウラシル要求性株を取得するとともに、ある種のウラシル要求性株のウラシル要求性を相補できる相補遺伝子を見出したにより、遺伝子の導入が確認できるという知見を得た。本発明者らは、これらの知見にもとづき本発明を完成した。すなわち、本発明によれば、以下の手段が提供される。
本発明によれば、以下の(a)〜(e)のいずれかのDNAを含む、Issatchenkia orientalisに属する菌であってウラシル要求性変異体の遺伝子形質転換用DNA構築物が提供される。
(a)配列番号1で表される塩基配列を含むDNA
(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列をコードするDNA
(c)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が置換、欠失及び/又は付加したアミノ酸配列を含み、オロチジン−5’−リン酸脱炭酸酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA
(d)配列番号1で表される塩基配列又はその一部からなるDNAに対してストリンジェントな条件でハイブリダイズし、オロチジン−5’−リン酸脱炭酸酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA
(e)配列番号2で表されるアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、オロチジン−5’−リン酸脱炭酸酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA
本発明のDNA構築物においては、前記ウラシル要求性変異体は、MF-121株(受託番号FERM P−19368)に由来するウラシル要求性変異体であってもよいし、また、TTK100株(受領番号FERM ABP−10957)又はその変異体であってもよい。さらに、本発明のDNA構築物は、発現用ベクターであってもよいし、相同組換え用のDNA配列を含んでいてもよい。
本発明のウラシル要求性変異体は、TTK100株(受領番号FERM ABP−10957)又は当該株の変異体であってもよい。さらに、本発明のウラシル要求性変異体は、Issatchenkia orientalisに属する菌であって内在性のURA3遺伝子が不活性化されたものであってもよい。この態様において、前記Issatchenkia orientalisに属する菌は、MF-121株又は当該株の変異体であってもよい。
本発明によれば、Issatchenkia orientalisに属する菌の内在性のURA3遺伝子を不活性化する工程と、前記不活性化工程で得られる細胞を5’−フルオロオロチン酸を含有する培地で培養する工程と、と備える、ウラシル要求性変異体の作製方法が提供される。
本発明の作製方法において、前記不活性化工程は、TTK100株(受領番号FERM ABP−10957)と前記Issatchenkia orientalisに属する菌とを細胞融合する工程としてもよいし、前記内在性のURA3遺伝子に対する相同組換えにより前記内在性のURA3遺伝子を不活性化する工程としてもよい。また、前記Issatchenkia orientalisに属する菌は、MF-121株(受託番号FERM P−19368)又は当該株の変異体としてもよい。
本発明によれば、Issatchenkia orientalisに属するウラシル要求性変異体を、上記いずれかのDNA構築物で形質転換する工程を備える、Issatchenkia orientalisに属する菌の形質転換方法が提供される。
本発明の形質転換方法においては、前記ウラシル要求性変異体は、MF-121株(受託番号FERM P−19368)に由来するウラシル要求性変異体であってもよいし、TTK100株(受領番号FERM ABP−10957)又はその変異体であってもよい。
本発明によれば、Issatchenkia orientalisに属するウラシル要求性変異体と、上記いずれかのDNA構築物と、を備えるIssatchenkia orientalisに属する菌の形質転換キットが提供される。
本発明によれば、宿主がIssatchenkia orientalisに属する菌であり、上記いずれかのDNA構築物を保有する、形質転換体が提供される。前記Issatchenkia orientalisに属する菌は、MF-121株に由来するウラシル要求性変異体であってもよいし、TTK100株であってもよい。
本発明は、Issatchenkia orientalisに属する菌の形質転換システムに関し、詳しくは、Issatchenkia orientalis形質転換システムのためのDNA構築物、当該システムのためのウラシル要求性変異体、ウラシル要求性変異体の作製方法、形質転換方法、形質転換キット及び形質転換体等に関する。
本発明は、Issatchenkia orientalisMF-121株などのIssatchenkia 属orientalis種に属する菌(以下、Issatchenkia orientalis種菌という。)のウラシル要求性変異体の取得とこれを相補するウラシル要求性を相補するIssatchenkia orientalis種菌にに内在するオロチジン−5’−リン酸脱炭酸酵素(以下、単にURA3という。)遺伝子のクローニングに基づいている。
Issatchenkia orientalis MF-121株をはじめとするIssatchenkia orientali種菌は、Candida kruseiやCandida pseudlambica、Pichia membranfaciens等との近縁であると考えられているが、Candida glycerinogenesとの関係は知られていなかった。また、Saccharomyces cerevisiaeのURA3遺伝子では、Issatchenkia orientalisにおけるウラシル要求性を相補できないこと及びIssatchenkia orientalis種菌についてのゲノムの塩基配列が解析されていないことから、Issatchenkia orientalis種菌のウラシル要求性を相補できる遺伝子の取得は困難であると考えられた。しかしながら、意外にもある種のプライマーを用いた部分的なURA3遺伝子のクローニングにより、MF-121種菌のURA3遺伝子を取得することができ、Issatchenkia orientalis種菌のウラシル要求性を相補できることがわかった。Issatchenkia orientalis種菌のURA3遺伝子は、上記した近縁種と考えられた菌ではないCandida glycerinogenesのURA3遺伝子と高い相同性を有し、コードするポリペプチドは当該Candida glycerinogenesのポリペプチドと同一のアミノ酸配列からなっていた。
以下、本発明の各種実施形態について詳細に説明する。
(DNA構築物)
本発明のDNA構築物は、Issatchenkia属orientalis種に属する菌であってウラシル要求性変異体の遺伝子形質転換用のポリヌクレオチド構築物である。本発明のポリヌクレオチド構築物は、以下に詳述するように、Issatchenkia orientalis種菌のウラシル要求性を相補できるURA3遺伝子のコード領域を含んでいる。このため、URA3遺伝子は、Issatchenkia orientalis種菌のウラシル要求性変異体につきマーカー遺伝子として機能することができ、本発明のDNA構築物は、Issatchenkia orientalis種菌のウラシル要求性変異体の形質転換用として利用できる。なお、本発明のDNA構築物の適用対象となるウラシル要求性変異体は、Issatchenkia orientalis種菌のウラシル要求性変異体であれば特に限定されない。好ましいウラシル要求性変異体については後段で説明する。
本発明のDNAポリヌクレオチド構築物は、前記(a)〜(e)のいずれかのDNAを含むことができる。すなわち、配列番号1で表される塩基配列を含むDNAを含むことができる。配列番号1で表される塩基配列は、Issatchenkia orientalis MF-121株(受託番号FERM P-19368号)から取得したオロチジン−5’−リン酸脱炭酸酵素活性を有するポリペプチドをコードしている。
また、本発明のDNA構築物は、前記(b)のDNA、すなわち、配列番号2で表されるアミノ酸配列をコードするDNAを含むことができる。典型的には、配列番号1で表される塩基配列からなるDNAであるが、このほか、アミノ酸保存的に塩基が置換されたDNAが挙げられる。
本発明のDNA構築物は、前記(c)のDNA、すなわち、配列番号2で表されるアミノ酸配列に対して、1又は複数個のアミノ酸が置換、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、オロチジン−5’−リン酸脱炭酸酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAを含むことができる。このようなアミノ酸配列は、例えば、アミノ酸配列をコードするDNAに変異を導入することによって取得できる。
DNAに変異を導入するには、Kunkel法、Gapped duplex法等の公知の手法又はこれに準ずる方法を採用することができる。また、例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(例えばMutan−K(TAKARA社製)やMutan−G(TAKARA社製))などを用いて変異の導入が行われる。また、エラー導入PCRやDNAシャッフリング等の手法により、遺伝子の変異導入やキメラ遺伝子を構築することもできる。エラー導入PCR及びDNAシャッフリング手法は、当技術分野で公知の手法であり、例えばエラー導入PCRについてはChen K, and Arnold FH. 1993, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 90: 5618-5622を、またDNAシャフリングやカセットPCR等の分子進化工学的手法は、例えば、Kurtzman,A.L.,Govindarajan, S., Vahle, K., Jones, J. T., Heinrichs, V., Patten P. A.,Advances in directed protein evolution by recursive genetic recombination: applications to therapeutic proteins. Curr. Opinion Biotechnol.,12, 361-370, 2001、及び、Okuta, A., Ohnishi, A. and Harayama, S., PCR isolation of catechol 2,3-dioxygenase gene fragments from environmental samples and their assembly into functional genes. Gene, 212, 221-228, 1998を参照することができる。
さらに、本発明のDNA構築物は、前記(d)のDNA、すなわち、配列番号1で表される塩基配列又はその一部からなるDNAに対してストリンジェントな条件でハイブリダイズし、オロチジン−5’−リン酸脱炭酸酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAを含むことができる。
このようなDNAは、例えば、配列番号1で表される塩基配列又はその一部若しくはこれらに相補的な塩基配列からなるDNAをプローブとして用いた、コロニーハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法、あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等の公知のハイブリダイゼーション法を利用して得ることができる。本明細書で言う「ストリンジェントな条件」とは、特異的ハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。このようなストリンジェントな条件は当業者において公知であるが、Molecular Cloning: A laboratory Mannual, 3nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY.,2001(以下、モレキュラークローニング第3版と略す)又は、Current Protocols in Molecular Biology, Supplement 1〜38, John Wiley & Sons (1987-1997)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略す)を参照して設定することができる。例えば、ハイブリダイゼーション液(50%ホルムアミド、10×SSC
0.15M NaCl、15mM クエン酸ナトリウム、pH7.0)、5×Denhardt溶液、1%SDS、10%デキストラン硫酸、10μg/ml変性サケ精子DNA、50mM リン酸バッファー(pH7.5))を用いて、42℃〜50℃程度でインキュベーションし、その後、0.1×SSC、0.1%SDSを用いて65℃〜70℃で洗浄する条件を挙げることができる。なおストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとしては、プローブとして使用するDNAの塩基配列と一定以上の相同性を有するDNAが挙げられ、例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の相同性を有するDNAが挙げられる。
前記(d)のDNAは、また、Issatchenkia orientalis種菌の染色体DNAやcDNAライブラリを鋳型とし、配列番号1に記載の塩基配列に基づいて設計したプライマーを用いたPCRにより得ることもできる。
本発明のDNA構築物は、前記(e)のDNA、すなわち、配列番号2で表されるアミノ酸配列と90%以上の相同性(好ましくは同一性)を有し、オロチジン−5’−リン酸脱炭酸酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAを含むことができる。このようなDNAは、例えば、上記した、DNAへの変異導入、ハイブリダイゼーション、PCR等により取得することができる。好ましくは、相同性は95%以上であり、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上である。
本発明における、塩基配列、あるいはアミノ酸配列のホモロジーは、 Lipman-Pearson法(Science (1985)227:1435-41)によるプログラムを用いて計算した値を表す。タンパク質のホモロジーは、アミノ酸配列に関するデータベースを利用して検索することができる。例えばSWISS-PROT、PIR、DAD等のタンパク質のアミノ酸に配列情報を蓄積したデータベースを利用することができる。あるいはDNAのホモロジーは、塩基配列情報を蓄積したデータベースを利用して検索することができる。DDBJ、EMBLまたはGenBank等のDNAに関するデータベースが公知である。これらのデータベースにおいては、DNAの塩基配列を元に予想されたアミノ酸配列情報を利用することもできる。各種の配列情報は、これらのデータベース等を対象に、BLAST、FASTA等のプログラムを利用して検索することができる。ここに例示したデータベースは、いずれもインターネット(例えば、 http://www.ncbi.nlm.nih.gov.)を通じて利用することができる。
なお、DNAがコードするポリペプチドがオロチジン−5’−リン酸脱炭酸酵素活性を有するかどうかは、ポリペプチドがオロチジン-5'-リン酸を脱炭酸しウリジル-5’-リン酸に変換する活性を検出するほか、DNA構築物をTTK100株のようなウラシル要求性体に導入してウラシル要求性が相補できるかどうか等で検出することができる。
本発明のDNA構築物は、宿主細胞であるウラシル要求性変異体の形質転換を意図したものであり、形質転換の手法や宿主細胞における上記DNAを含む外来性DNAの保持形態(染色体に導入する形態や染色体外に保持する形態等)に応じて、上記DNA以外の構成要素及び構造が適宜決定される。本発明のDNA構築物の一つの態様は、発現ベクターの形態を採ることができる。発現ベクターの形態は特に限定されないで、プラスミドベクター、コスミドベクター、ファージベクター等の形態を採ることができる。発現ベクターは、通常、プロモーター、宿主において発現させようとする遺伝子をコードするDNA、ターミネーター、エンハンサー等を適宜備えることができる。このようなDNA構築物を得るための遺伝子組換えの手法は、モレキュラークローニング第3版等を参照して行うことができる。
本発明のDNA構築物の他の一つの態様としては、外来性DNAの宿主染色体への組み込みを意図する態様が挙げられる。この態様においては、本発明のDNA構築物は、宿主染色体の一部と相同組み換え可能なDNA配列を備えることができる。
(ウラシル要求性変異体)
本発明のウラシル要求性変異体は、Issatchenkia orientalis種菌においてURA3遺伝子が不活性化されたウラシル要求性変異体が挙げられる。URA3遺伝子の不活性化は、例えば、URA3遺伝子の遺伝子破壊、遺伝子置換及び変異導入等のいずれかによって達成される。不活性化されるURA3遺伝子は、例えば、配列番号1で表される塩基配列からなるUra3タンパク質のコード領域のほか、URA3遺伝子の調節領域であってもよい。このような不活性化により、Ura3タンパク質として機能できない程度に発現が抑制されるかUra3タンパク質は全く発現されないか、不活性なタンパク質として発現されることが多い。
特には、Issatchenkia orientalis種菌は、MF-121株や当該株に由来する変異体であることが好ましい。ここで、MF-121株に由来する変異体とは、紫外線照射や化学的処理等の公知の変異体取得技術により、MF-121株に所望の形質が付与された変異体である。また、本発明のウラシル要求性変異体としては、MF-121株から本発明者らが取得したTTK100株が挙げられる。
本発明のウラシル要求性変異体は、ウラシル要求性のほかに紫外線照射や化学的処理等の公知の変異体取得技術により、所望の形質が付与された変異体であってもよい。
なお、MF−121株は、平成15年5月22日に独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1−1−1 つくばセンター 中央第6)に、受託番号FERM P−19368として寄託されている。また、TTK100株は、本出願人により平成20年(2008年)4月8日に独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に、受領番号FERM ABP−10957として受領されている。
Issatchenkia orientalis種菌においてURA3遺伝子が不活性化され、ウラシル要求性となっているかどうかは、ウラシル要求性変異体である可能性のある菌のゲノムに対してURA3遺伝子を増幅可能なプライマーを用いて取得した増幅産物を確認してもよいし、こうした菌を、最小培地と最小培地にウラシルを添加した培地との双方で培養したとき、最少培地では生育せず、ウラシル添加最少培地でのみ生育するかどうかに基づいて確認してもよい。
(ウラシル要求性変異体の作製方法)
本発明のIssatchenkia orientalis種菌のウラシル要求性変異体の作製方法は、Issatchenkia orientalisに属する菌の内在性のURA3遺伝子を不活性化する工程と、前記不活性化工程により得られた細胞を5-フルオロオロチン酸(5-fluoro-orotic acid)を含有する培地で培養する工程と、を備えることができる。内在性のURA3遺伝子としては、前記(a)〜(e)のいずれかのDNAを含むことができる。また、不活性化対象としてのURA3遺伝子は、Ura3タンパク質のコード領域のほか調節領域が含まれる。
ウラシル要求性を付与するIssatchenkia orientalis種菌としては、MF-121株及び当該株に由来する変異体を含むIssatchenkia orientalis種菌を用いることができる。
不活性の手法は、特に限定されないが、例えば、Issatchenkia orientalis TTK100株とIssatchenkia orientalis種菌とを細胞融合する態様が挙げられる。細胞融合は,プロトプラスト化した細胞を,Ca2+とポリエチレングリコール(PEG)存在化あるいは電気パルスを用いて融合させる技術である。また、Issatchenkia orientalis種菌の内在性URA3遺伝子に対して、相同組換えによりノックアウト、ノックインなどにより内在性URA3遺伝子を不活性化してもよい。相同組換えのためには、配列番号1や配列番号3で表される塩基配列等に基づいて相同組換えのための塩基配列を決定し、不活性化のためのDNA構築物を設計することができる。
不活性化工程で得られた細胞を、5-フルオロオロチン酸を含有する培地で培養することで、ウラシル要求性変異体を選抜することができる。
(形質転換方法)
本発明のIssatchenkia orientalis種菌の形質転換方法は、Issatchenkia orientalis種菌に属するウラシル要求性変異体に、本発明のDNA構築物で形質転換する工程を備えることができる。本発明の形質転換方法によれば、従来遺伝子工学的な改変が困難であったIssatchenkia orientalisについても各種の有用遺伝子の導入が可能となるため、MF-121株などの有用な株を活用できるようになる。
形質転換の対象となるウラシル要求性変異体は、本発明のウラシル要求性変異体とすることができ、好ましくはMF-121株に由来するウラシル要求性変異体やTTK100株又はその変異体が挙げられる。また、形質転換の手法は従来公知の各種方法、例えば、トランスフォーメーション法や、トランスフェクション法、接合法、プロトプラスト法、エレクトロポレーション法、リポフェクション法、酢酸リチウム法等を用いて、上記したコード化DNAによりウラシル要求性変異体のウラシル要求性が相補できるような形態で導入すればよい。
(形質転換キット)
本発明のIssatchenkia orientalisに属する菌の形質転換キットは、本発明のIssatchenkia orientalisに属するウラシル要求性変異体と、本発明のDNA構築物と、を備えることができる。本発明の形質転換キットにおけるウラシル要求性変異体とDNA構築物については、既に説明した本発明のウラシル要求性変異体と本発明のDNA構築物の各種実施態様をそのまま適用することができる。本発明の形質転換キットによれば、従来遺伝子工学的な改変が困難であったIssatchenkia orientalisについても各種の有用遺伝子の導入を容易に実施できる。
以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
MF-121株のウラシル要求性株の取得
MF-121株を30℃で1日YPD培地(1 % Yeast extract + 2 % peptone + 2 % Glucose)で試験管培養し、培養液を再度三角フラスコで30℃で5時間培養した。細胞を洗浄後、YPDプレートに広げ、紫外線ランプで60秒間紫外線を照射した。プレートは30℃で1日増殖させた。酵母菌を増殖させたYPDプレートをウラシル要求性株が取得できる5-フルオロオロチン酸(5-FOA)培地(0.67 % YNB w/o a.a.(Yeast nitrogen base without amino acids)+ 2 % Glucose + 1mg/ml 5-FOA+ 0.005 % uracil)にレプリカし、30℃で再び培養した。
増殖したコロニーをシングルコロニー化し、最少培地(0.67 % YNB w/o a.a. + 2 % Glucose)、最少培地+ウラシル(0.67 % YNB w/o a.a. + 2 % glucose + 0.005 % uracil)培地へ塗布し、30℃で培養した。結果を図1に示す。
図1に示すように、3株のウラシル要求性株が取得できた。それぞれの株の名前をTTK99, TTK100, TTK101とした。
ScURA3遺伝子の形質転換
5-FOAの耐性株として取得される変異株は、ウラシル合成酵素の一つURA3遺伝子またはURA5遺伝子に変異がある可能性が高いことが知られている。MF-121株はゲノム解読がされていないために、URA3遺伝子をクローニングすることができない。取得した3株のウラシル要求性を相補する遺伝子を取得するために、Saccharomyces cerevisiae(以下、Scと略す)のURA3遺伝子をS288C株式会社ゲノムからPCRによりで合成し、3株に形質転換した。まず、S288C株を、YPD培地で培養し、ゲノムDNAをGenとるくん(酵母用)(登録商標)(タカラバイオ株式会社製)で抽出し、PrimeSTAR max DNA polymeraseで合成した。合成に必要なプライマーは、URA3-630F、URA3+1270Rを使用した。反応条件は、98℃10秒、60℃5秒、72℃1分を40サイクル繰り返して反応させた。
URA3-630F:(CTAGGGAAGACAAGCAACGAAACG)(配列番号4)
URA3+1270R:(CTTGGAAACGCTGCCCTACACGTTCGC)(配列番号5)
形質転換方法は、以下のとおりであった。すなわち、YPD 培地で30℃、1日試験管培養し、培養液を再度三角フラスコで30℃で5時間培養した。細胞を洗浄し、60 % ポリエチレングリコール(平均分子量3350)を120μl、4 M 酢酸リチウムを5μl、1 M ジチオスレイトールを10μl、10 mg/mlサケ精子DNAを10μl、1.98μgのPCR反応で合成したScURA3及び細胞懸濁液50μlを混合し、45℃で1時間反応させ、最小培地へ播種した。なお、対照として形質転換しないウラシル要求性株も同様にして最小培地に播種した。また、ScURA3を相補できる対照実験として、Sc BY4741株に対しても同様にしてScURA3を42℃で1時間反応させ、最小培地へまいた。結果を表1に示す。
表1に示すように、PCR産物で形質転換したScBY4741株では多くのコロニーが出現した。しかし、MF-121株のウラシル要求性株(TTK100株)では、形質転換の有無に関わらずコロニー出現率の優位差はなかった。すなわち、MF-121株のウラシル要求性は、ScURA3で相補できないため、MF-121株のURA3遺伝子をクローニングする必要があることがわかった。
MF-121株のURA3遺伝子のクローニング
Sc以外の未知のURA3遺伝子をクローニングできる方法としていくつかの論文が報告されている。このなかで、Van Bogaert N. A. I.らの方法(Cloning, characterization and functionality of the orotidine-5’-phospate decarboxylase gene (URA3) of the glycolipid-producing yeast Candida bombicola., Yeast, 2007, 24 (3), 201-208.)に参考にし、以下に示すdegeneratePCRプライマー(URA3-F2及びURA3-R2)を用いて、MF-121株のゲノムからdegenerate degeneratePCR PCR反応を行った。なお、PCR条件は、以下のとおりとした。すなわち、MF121株のゲノムを鋳型DNAとし、KOD dash DNA polymeraseを使用した。反応条件は、94℃30秒、51℃30秒、68℃3分を40サイクル繰り返して反応させた。得られたPCR産物を電気泳動した結果を図2に示す。
URA3-F2:(AARTTYGCHGAYATHGG)(配列番号6)
URA3-R2:(CCHACHCCDGGNGTCA)(配列番号7)
図2に示すように、PCR産物中に、ScURA3で合成されるサイズとほぼ同じサイズのDNA断片を分離することができた。このDNA断片につきシークエンス反応により塩基配列を解読したところ、Candida glycerinogenesのURA3遺伝子の一部と一致した。そこで、Candida GlycerinogenesのURA3遺伝子が報告されているNCBIのBALST(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/Blast.cgi)でCandida glycerinogenesのDNA塩基配列情報(BLAST accession No. AY623794)に基づいて、MF-121株のURA3遺伝子(Ura3タンパク質をコードするIoURA3 ORF並びにプロモーター及びターミネーター配列を含むIoURA3)を取得するためのプライマーをそれぞれ設計した。なお、PCR条件は、以下のとおりとした。すなわち、MF121株のゲノムを鋳型DNAとし、KOD dash DNA polymeraseを使用した。反応条件は、98℃10秒、60℃15秒、72℃1分を35サイクル繰り返して反応させた。得られたPCR産物を電気泳動した結果を図3に示す。
IoURA3-543F:(AAACAGGGAAGGTTGACATTGTCTAGCGGC)(配列番号8)
IoURA3+1067R:(AACACTTAGAATACGCGGAACAATCAATCG)(配列番号9)
なお、MF121株のゲノムDNAは次のようにして精製した。MF-121株をYPD培地で培養後、SET液(1.2M ソルビトール、1Mトリス(pH7.5)、0.5M EDTA(pH7.5))に懸濁し、Zymo solution(5mg/ml、Zymolase 20T(生化学バイオビジネス社製)、10%メルカプトエタノール、90%SET液)を加えて37℃で1時間反応させた。反応後、10%SDSを加えて、核酸をフェノール/クロロホルム抽出し、イソプロパノールで沈殿させ、核酸を70%エタノールで洗浄し、乾燥させた。TE(1M トリス(pH8.0)、0.5M EDTA(pH8.0))に懸濁後、RNase溶液でRNAを分解し、再度フェノール/クロロホルム抽出し、イソプロパノールで沈殿後、70%エタノールで洗浄してDNAを乾燥させた。
図3に示すように、IoURA3のDNA断片は、約1600bpであり、IoURA3ORFは約800bpであった。さらに、IoURA3を常法に従いクローニングして塩基配列を解析した結果を図4及び図5に示す。
図4に示すように、クローニングしたDNA配列は、1611bp(配列番号3)で、544番目から1329番目までのDNA配列がタンパク質をコードする領域(図5、配列番号1)であった。また、この配列中Candida glycerinogenesのURA3遺伝子と3塩基異なる配列が見つかった(Candida glycerinogenesでは366番目のAがGに置換され、912番目のAがGに置換され、1397番目のAが欠失している。)。また、タンパク質をコードするDNA配列にCandida glycerinogenesと異なる配列があったが、アミノ酸配列ではCandida glycerinogenesのURA3遺伝子がコードするものと100%一致した。
MF-121株URA3遺伝子のウラシル要求性株への形質転換
PCR反応により合成されたMF-121株のURA3遺伝子で、実施例1で取得したウラシル要求性株(TTK99、TTK100、TTK101)を形質転換し、ウラシル要求性を相補できるかどうかを調べた。PCR産物としてIoURA3 ORFは3.72μg、IoURA3は4.64μg、ScURA3は2.74μgを用いた以外は、実施例2における形質転換と同様に実施した。結果を表2及び図6に示す。
表2に示すように、MF-121株のURA3遺伝子は、TTK99株、TTK101株では形質転換されたと思われるコロニー数は確認できなかったが、TTK100株では多数のコロニーが観察された(図6)。また、IoURA3のORFのみでも形質転換されたコロニーが得られた。Saccharomyces cerevisiaeのURA3遺伝子(ScURA3)ではどの株も形質転換されず、また、IoURA3ORF及びIoURA3は、BY4741を形質転換できた。
TTK100株の形質転換効率の検討
TTK100株は、BY4741(Sc)と比べて形質転換効率が10分の1以下であった(実施例2)。遺伝子操作を効率的に行うには、形質転換効率の向上が重要である。本実施例では、形質転換効率を向上させるための形質転換操作を行った。
TTK100株をYPD培地で培養後、再度5時間YPD培地で培養し、細胞を回収した。形質転換に使用するDNAは次のようにして合成した。Issatchenkia orientalisのゲノムを鋳型DNAとして、MF-121株のゲノムDNAを用い、KOD Plus DNA polymeraseを使用してPCR反応を行った。プライマーは、IoURA3-543F及びIoURA3+1067Rを使用し、反応条件は、94℃15秒、60℃30秒、68℃2分を40サイクル繰り返して反応させた。
60%ポリエチレングリコール(平均分子量3350)を120μl、4M酢酸リチウムを5μl、1Mジチオスレイトールを10μl、10mg/mlサケ精子DNAを10μl、1.63gの合成したIoURA3遺伝子を混ぜ、細胞を50μl加えた。42℃又は45℃で、30、60、90、120、150、180、210及び240分反応させた後、最少培地に播種した。結果を図7に示す。
図7に示すように、42℃では120分、45℃では90分まで反応時間を延ばすと、形質転換の効率が上昇した。最も形質転換効率が良好であった42℃で120分反応させた場合であった。この条件による形質転換によれば、当初の条件(実施例2、42℃、1時間)よりも形質転換効率を2倍以上上昇させることができた。
MF-121株からのウラシル要求性変異株の取得結果を示す図である。 MF-121株のURA3配列のdegenerate PCRの結果を示す図である。 MF-121株のゲノムから取得したIoURA3 PCR産物及びIoURA3ORFのPCR産物の電気泳動結果を示す図である。 クローニングしたIoURA3のDNA配列を示す図である。 クローニングしたIoURA3のDNA配列がコードするUra3タンパク質のアミノ酸配列を示す図である。 TTK100株へのMF-121株から取得したIoURA3による相補性試験結果を示す図である。 TTK株の形質転換操作における熱反応時間の検討結果を示す図である。
配列番号4〜9:プライマー

Claims (19)

  1. 以下の(a)〜(e)のいずれかのDNAを含む、Issatchenkia orientalisに属する菌であってウラシル要求性変異体の遺伝子形質転換用DNA構築物。
    (a)配列番号1で表される塩基配列を含むDNA
    (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列をコードするDNA
    (c)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が置換、欠失及び/又は付加したアミノ酸配列を含み、オロチジン−5’−リン酸脱炭酸酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA
    (d)配列番号1で表される塩基配列又はその一部からなるDNAに対してストリンジェントな条件でハイブリダイズし、オロチジン−5’−リン酸脱炭酸酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA
    (e)配列番号2で表されるアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、オロチジン−5’−リン酸脱炭酸酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA
  2. 前記ウラシル要求性変異体は、MF-121株(受託番号FERM P−19368)に由来するウラシル要求性変異体である、請求項1に記載のDNA構築物。
  3. 前記ウラシル要求性変異体は、TTK100株(受領番号FERM ABP−10957)である、請求項2に記載のDNA構築物。
  4. 発現用ベクターである、請求項1〜3のいずれかに記載のDNA構築物。
  5. 相同組換え用のDNA配列を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のDNA構築物。
  6. TTK100株(受領番号受領番号FERM ABP−10957)又は当該株の変異体である、ウラシル要求性変異体。
  7. Issatchenkia orientalisに属する菌であって、内在性のURA3遺伝子が不活性化されたウラシル要求性変異体。
  8. 前記Issatchenkia orientalisに属する菌は、MF-121株(受託番号FERM P−19368)又は当該株に由来する変異体である、請求項7に記載のウラシル要求性変異体。
  9. Issatchenkia orientalisに属する菌の内在性のURA3遺伝子を不活性化する工程と、
    前記不活性化工程で得られる細胞を5−フルオロオロチン酸を含有する培地で培養する工程と、
    を備える、ウラシル要求性変異体の作製方法。
  10. 前記不活性化工程は、TTK100株(受領番号FERM ABP−10957)と前記Issatchenkia orientalisに属する菌とを細胞融合する工程である、請求項9に記載の作製方法。
  11. 前記不活性化工程は、前記内在性のURA3遺伝子に対する相同組換えにより前記内在性のURA3遺伝子を不活性化する工程である、請求項9に記載の作製方法。
  12. 前記Issatchenkia orientalisに属する菌は、MF-121株(受託番号FERM P−19368)又は当該菌に由来する変異体である、請求項9〜11のいずれかに記載のDNA構築物。
  13. Issatchenkia orientalisに属するウラシル要求性変異体を、請求項1〜5のいずれかに記載のDNA構築物で形質転換する、Issatchenkia orientalisに属する菌の形質転換方法。
  14. 前記ウラシル要求性変異体は、MF-121株(受託番号FERM P−19368)に由来するウラシル要求性変異体である、請求項13に記載の形質転換方法。
  15. 前記ウラシル要求性変異体は、TTK100株(受領番号FERM ABP−10957)である、請求項13又は14に記載の形質転換方法。
  16. Issatchenkia orientalisに属するウラシル要求性変異体と、
    請求項1〜5のいずれかに記載のDNA構築物と、
    を備えるIssatchenkia orientalisに属する菌の形質転換キット。
  17. 宿主がIssatchenkia orientalisに属する菌であり、請求項1〜5のいずれかに記載のDNA構築物を保有する、形質転換体。
  18. 前記Issatchenkia orientalisに属する菌は、MF-121株(受託番号FERM P−19368)又は当該株に由来するウラシル要求性変異体である、請求項17に記載の形質転換体。
  19. 前記Issatchenkia orientalisに属する菌は、TTK100株(受領番号FERM ABP−10957)である、請求項17に記載の形質転換体。
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