JP2009253348A - データ処理方法及びデータ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オーディオデータ等を無線で送受信する際、通信開始時のレイテンシを不用意に悪化させることなく、通信中のジッタを有効に抑える。
【解決手段】オーディオパケット受信処理では、受信したオーディオパケットをジッタバッファに保存する(ステップS12)。データ蓄積量が第1ジッタ閾値を超えると、パケット読み込みを開始し、SBCフレームへの分解(ステップS18)、そしてSBCフレームのデコード処理を開始する(ステップS20)。このとき、ジッタバッファ内でのデータ蓄積量が第2ジッタ閾値に達するまでの間は、オーディオサンプル内挿処理を実行し(ステップS24)、内挿したオーディオサンプルを出力する(ステップS26)。
【選択図】図2

Description

本発明は、無線通信によって受信したデータをバッファメモリに蓄積しながら使用するデータ処理方法及びデータ処理装置に関する。
従来、無線LANやブルートゥース(Bluetooth:登録商標)等の無線通信手段を用いてデータを送受信し、再生機本体から離れた位置にある機器で音声や音楽を再生する先行技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。音楽や音声、映像等の再生には途切れのないリアルタイム性が要求されるため、この先行技術では、受信したデータをデータバッファに順次蓄積し、そのデータ蓄積量がある程度の閾値を上回った状態を維持することで、送信機器と受信機器との間でジッタが発生するのを防止している。
また、最初に無線通信を開始した時点ではバッファメモリが空(データ未蓄積)の状態であるため、通信開始と同時に再生を開始することはできない。このため、データを受信してから所定の遅延時間を経過するまでの間はデータを順次バッファメモリに蓄積しておき、その蓄積量がある程度の閾値に達してから再生を開始する先行技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この先行技術によれば、再生を開始してからデータの通信状況が悪化したとしても、それまでに蓄積されたデータを用いて、途切れることなく再生を続けることができる。
特開2004−221951号公報(段落0023〜0025、図2) 特開2007−266875号公報(段落0019〜0023、図4)
上述した先行技術に挙げられるように、受信側の機器で音声が途切れたり、映像が滞ったりするのを防止するには、バッファメモリの閾値をある程度まで高く設定し、なるべく多くのデータを蓄積してから再生を開始することが望ましい。しかしながら、バッファメモリの閾値をあまり大きく設定していると、無線通信を開始してから実際に再生が開始されるまでの遅延時間(レイテンシ)がそれだけ長くなってしまうという問題がある。そうかといって、閾値の設定が低すぎると、再生中に通信状況が悪化したときに音途切れの耐性が悪化してしまう。
このように、無線通信を用いたリアルタイムなデータの送受信においては、遅延時間の短縮と再生の安定とが互いにトレードオフの関係にあり、これらを両立する技術の創出が望まれているところである。
そこで本発明は、通信開始時のレイテンシを不用意に悪化させることなく、通信中のジッタを有効に抑えることができる技術を提供しようとするものである。
本発明は上記の課題を解決するため、受信したデータの利用を開始するための第1の閾値とは別に、新たに第2の閾値(>第1の閾値)を設定し、データの利用開始後はバッファメモリ内での蓄積量を第2の閾値を基準として管理する手法を採用する。すなわち本発明は以下のデータ処理方法、及びデータ処理装置として実現されている。
本発明のデータ処理方法は、無線通信により送信されたデータを順次受信する工程と、未だデータが蓄積されていない状態のバッファメモリに対し、受信したデータを順次蓄積させる工程と、バッファメモリ内でのデータの蓄積量が第1の閾値を超えた場合、バッファメモリから蓄積された順にデータの読み出しを開始する工程と、バッファメモリからのデータの読み出し開始後、バッファメモリ内でのデータの蓄積量が第1の閾値より大きい第2の閾値に達していない間は、バッファメモリから読み出されるデータに補填データを付与する工程と、バッファメモリからのデータの読み出し中にバッファメモリ内でのデータの蓄積量が第2の閾値に達した場合、補填データを付与することなくバッファメモリからデータを読み出す工程とを有するものである。
また本発明のデータ処理装置は、無線通信により送信されたデータを順次受信するデータ受信手段と、データを一時的に蓄積可能なバッファメモリと、未だデータが蓄積されていない状態のバッファメモリに対し、データ受信部にて受信されたデータを順次蓄積させるデータ蓄積手段と、バッファメモリ内でのデータの蓄積量が第1の閾値を超えた場合、バッファメモリから蓄積された順にデータの読み出しを開始するデータ取得手段と、データ取得手段によりデータの読み出しが開始された後、バッファメモリ内でのデータの蓄積量が第1の閾値より大きい第2の閾値に達していない間は、バッファメモリから読み出されるデータに補填データを付与する一方、データ取得手段によるデータの読み出し中にバッファメモリ内でのデータの蓄積量が第2の閾値に達した場合、補填データの付与を中止するデータ処理手段とを備えた構成である。
本発明によれば、バッファメモリが空(データ未蓄積)の状態で無線通信を開始してから、バッファメモリ内でのデータの蓄積量が第1の閾値に達するまでの間は、バッファメモリからデータの読み出しは行われず、受信したデータが順次バッファメモリに蓄積されていく。
バッファメモリ内でのデータの蓄積量が第1の閾値を超えると、蓄積されたデータの読み出しが開始される。読み出しされたデータは、例えば音楽や音声、映像の再生等に用いられる。ただし、本発明ではバッファメモリからデータを読み出してそのまま使用するのではなく、読み出したデータに補填データを付与した状態で使用するものとしている。
この場合、例えば音楽や映像の再生中に一定のレートでデータが使用されていても、単位時間内にバッファメモリで新たに蓄積されるデータ量に比較して、そこから読み出されるデータ量を少なく抑えることができる。このため通信状況が極端に悪化しない限り、バッファメモリからデータの読み出しを開始した後も、データの蓄積量は順調に増加していくことになる。
その後、バッファメモリ内でのデータの蓄積量が第2の閾値を超えると、今度は補填データを付与することなくバッファメモリからデータが読み出される。したがって、バッファメモリ内でのデータの増加は抑えられ、データの蓄積量は第2の閾値の近傍で安定化する。また、この後に例えば通信状況が悪化してデータの蓄積量が減少した場合、上記のようにバッファメモリから読み出されるデータに補填データが付与されるので、たとえ一時的にデータの蓄積量が第2の閾値を下回ったとしても、データの蓄積量は第2の閾値に向けて増加していくことになる。
このため本発明では、第1の閾値を適度に低く設定しつつ、第2の閾値をある程度の高い水準に設定しておくことで、最初にデータの読み出しが開始されるまでのレイテンシを低く抑えることができる上、データの読み出し中はバッファメモリ内でのデータの蓄積量がある程度の水準まで引き上げられるので、ジッタの発生を有効に抑えることができる。
なお本発明において、バッファメモリが空の状態で無線通信を開始してから、バッファメモリ内でのデータの蓄積量が第1の閾値に達していない間は、受信したデータに補填データを付与した状態で順次蓄積させてもよい。
この場合、単位時間内で実際に受信したデータよりも補填データ分だけ多くのデータがバッファメモリに蓄積されていくので、データの蓄積量が第1の閾値に達するまでの時間を短縮して、レイテンシを抑えることができる。
また本発明において、上記のバッファメモリには、受信したデータが連続した所定サンプル数の単位で蓄積されている。この場合、補填データは、連続した所定サンプル数のうちの末尾のサンプルデータを用いた最近傍法により創出される。
このような態様であれば、比較的簡素な方法で補填データを付与することができるため、それだけデータ処理の負荷を軽減し、処理時間を短縮することができる。
より実用的には、本発明においてデータはオーディオデータのフォーマットで送受信されており、バッファメモリから読み出されたオーディオデータを用いて再生が行われる。この場合、オーディオデータの再生開始までのレイテンシを低く抑えつつ、音途切れへの耐性を高めることができる。
以上のように本発明によれば、無線通信によりデータを送受信する際のレイテンシを悪化させることなく、通信機器同士でのジッタの発生を確実に抑えることができ、いずれか一方を犠牲にすることなく互いを両立させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔データ処理装置の構成〕
図1は、一実施形態のデータ処理装置10の構成を概略的に示す図である。データ処理装置10は、例えばブルートゥース(Bluetooth:登録商標)規格に準拠した無線通信モジュールとして構成されている。このようなデータ処理装置10は、例えばワイヤレススピーカやワイヤレスヘッドホン等の音響機器に内蔵される無線通信モジュールとして使用することができる。
データ処理装置10は、例えばRF回路12を有しており、このRF回路12により他の通信機器との間で無線通信を行うことができる。上記のようにデータ処理装置10をワイヤレススピーカやワイヤレスヘッドホンの無線通信モジュールとして使用する場合、例えば携帯音楽プレーヤや音楽再生機能付きの携帯電話機、パーソナルコンピュータ、ビデオゲーム機等との間で無線通信が行われる。
またデータ処理装置10は、オーディオデータ受信部14及びジッタバッファ16を有しており、このうちオーディオデータ受信部14は、RF回路12にて受信した信号を復調し、オーディオデータ(オーディオパケット)を生成する。ジッタバッファ16は、ある程度の記憶容量を有したバッファメモリであり、ここにはオーディオデータ受信部14で生成されたオーディオデータが順次蓄積されるものとなっている。なおジッタバッファ16はFIFO形式である。
さらにデータ処理装置10は、オーディオパケット解析部18、SBCフレームデコード部20及びジッタモニタ/データ内挿処理部22を有している。これらオーディオパケット解析部18、SBCフレームデコード部20及びジッタモニタ/データ内挿処理部22は、それぞれ演算処理回路としての機能を有している。
先ずオーディオパケット解析部18は、ジッタバッファ16から順次オーディオデータを読み込み、オーディオパケットの解析を行う。またSBCフレームデコード部20は、解析されたオーディオパケットをSBCフレームにデコードする。本実施形態では、例えば1つのオーディオパケットに複数のSBC(Subband Codec)フレームが含まれている構成である。また、SBCフレームはオーディオデータの圧縮(コーデック)形式の1つであり、この圧縮形式ではフレームが最小単位となっている。なお、1つのSBCフレームからは所定サンプル数M(例えば128サンプル以下)のオーディオサンプル(フォーマットはPCM形式)が出力される。1サンプルには、例えば左右それぞれ16bitずつのオーディオデータが含まれる。なお、サンプル数やビット数の値はこれらに限定されるものではない。
ジッタモニタ/データ内挿処理部22は、ジッタバッファ16内でのデータ蓄積量をモニタリングするとともに、条件に応じてオーディオサンプルに内挿処理を施す。内挿処理は、例えば最近傍法により行うことができる。すなわち本実施形態では、所定サンプル数Mあるオーディオサンプルのうち、末尾の1サンプルをコピーしたものを補填して内挿処理を行っている。このときコピーされた末尾の1サンプルが補填データとなる。
そしてデータ処理装置10は、オーディオ再生用の構成としてオーディオバッファ24及びオーディオ出力部を有している。このうちオーディオバッファ24は、SBCフレームデコード部20から出力されたオーディオサンプルを順次蓄積するバッファメモリであり、このオーディオバッファ24もまたFIFO形式である。
またオーディオ出力部26は、一定のサンプリングレートでオーディオバッファ24からオーディオサンプルを読み出し、これを図示しないアンプに出力する。出力されたオーディオサンプルは、図示しないアンプ(D/Aコンバータ)でアナログ信号に変換された後、増幅されてスピーカの駆動信号として用いられる。
〔オーディオパケット受信処理〕
次に、データ処理装置10において実行されるオーディオパケット受信処理の内容について具体的に説明する。以下の説明により、本発明のデータ処理方法の一実施形態についても明らかとなる。
図2は、オーディオパケット受信処理の手順例を示すフローチャートである。以下、オーディオパケット受信処理の内容について、その手順を追って説明する。このオーディオパケット受信処理は、例えばジッタバッファ16が空(データ未蓄積)の状態で開始されるものとする。
ステップS10:オーディオパケット受信処理の実行に伴い、データ処理装置10は上記のオーディオデータ受信部14で生成されたオーディオパケットをジッタバッファ16に保存する。
ステップS12:パケットを保存すると、次にスタートフラグに値(=01h)がセットされているか否かの確認が行われる。スタートフラグは、例えばオーディオサンプルの再生出力開始用フラグとして用いられるコントロールフラグであり、その初期値は00hで、この値が01hに書き換えられると再生開始となる。
なお、実際のオーディオパケット受信処理の開始時にはスタートフラグはセットされていないので(初期値=00h)、データ処理装置10は次にステップS14の手順を実行する。なおフラグは、図示しないレジスタ、RAM等の記憶領域にその値が記憶されている。
ステップS14:この手順では、ジッタバッファ16内でのデータ蓄積量が第1ジッタ閾値(TH_jitter1)を超えているか否かの確認が行われる。第1ジッタ閾値は、ジッタバッファ16からのデータの読み出しを開始するための条件を設定するものである。すなわち、ジッタバッファ16内でのデータ蓄積量が第1ジッタ閾値に達していなければ(No)、データの読み出しを行うことなく蓄積が続けられる。この場合、データ処理装置10は次のオーディオパケット受信処理へと手順を進める(Return)。
次のオーディオパケット受信処理においても、上記のステップS10〜ステップS14の手順が繰り返し実行される。その結果、ジッタバッファ16内には受信されたオーディオパケットが順次蓄積されていくことになる。
この後、ジッタバッファ16内でのデータ蓄積量が第1ジッタ閾値を超えると(ステップS14=Yes)、データ処理装置10は次にステップS16の手順を実行する。
ステップS16:ここではデータ処理装置10は、上記のスタートフラグに値(=1)をセットする。なおスタートフラグに値がセットされると、これ以後はステップS12の判断(Yes)を経てステップS18が実行されることになる。
ステップS18:この手順では、上記のオーディオパケット解析部18によりジッタバッファ16からオーディオパケットの読み込みを実行する。これにより、最初に蓄積されたオーディオパケットから順にデータが読み出されていくことになる。ここで読み出されたオーディオパケットは、さらにSBCフレーム(N個のフレーム)に分解される。合わせて、ここではSBCカウンタの値がリセット(=0)される。なお、SBCカウンタの値もまた、図示しないレジスタやRAM等の記憶領域に記憶されている。
ステップS20:分解されたSBCフレームは、上記のSBCフレームデコード部20でデコード処理を施される。これにより、上記のように所定サンプル数のオーディオサンプルが出力されることになる。
〔データ蓄積量が第2ジッタ閾値に達していない場合〕
ステップS22:次に、ジッタモニタ/データ内挿処理部22においてジッタバッファ16内でのデータ蓄積量をモニタリングし、現在の蓄積量が第2ジッタ閾値(TH_jitter2)を超えているか否かの確認が行われる。その結果、未だデータ蓄積量が第2閾値に達していなければ(No)、次にステップS24が実行される。
ステップS24:ここでは、ジッタモニタ/データ内挿処理部22によりオーディオサンプル内挿処理が行われる。なお内挿処理は、上記のように最近傍法を用いて行われる。
ステップS26:この場合、次の手順ではジッタモニタ/データ内挿処理部22から内挿処理を施したオーディオサンプルが出力される。そして、出力されたオーディオサンプルは順次、オーディオバッファ24に蓄積される。
〔データ蓄積量が第2ジッタ閾値を超えた場合〕
以上の手順はデータ蓄積量が第2ジッタ閾値に達していない場合に実行されるが、データ蓄積量が第2ジッタ閾値を超えた場合は以下の手順が実行される。
ステップS22:すなわち、現在のデータ蓄積量が第2ジッタ閾値を超えた場合(Yes)、上記のステップS24を実行せずにそのままステップS26が実行される。これにより、それまで行われたオーディオサンプルの内挿処理が中止される。
ステップS26:この場合、次の手順では内挿処理を施していないオーディオサンプルが出力される。そして、出力されたオーディオサンプルは順次、オーディオバッファ24に蓄積される。
ステップS28:次の手順では、上記のSBCカウンタの値がインクリメント(+1)される。このときSBCカウンタには、インクリメント後の値が上書き保存されることになる。
ステップS30:そして、次の手順でSBCカウンタの値が所定値N以上であるか否かの確認が行われる。ここでの所定値Nは、オーディオパケットに含まれるSBCフレーム数に相当する。したがって、SBCカウンタの値が所定値N未満である場合(No)、上記のステップS20に戻って次のSBCデコード処理を行い、以下同様にステップS22〜ステップS28の手順が繰り返される。
この後、ステップS20〜ステップS28の手順がN回まで繰り返し実行されると、SBCカウンタの値が所定数Nに到達する(ステップS30=Yes)。この場合、データ処理装置10は次のオーディオパケット受信処理へ進む(Return)。
図3は、オーディオパケット受信処理でのジッタバッファ16へのデータの蓄積と読み出しの手順を示す概念図である。上記のようにジッタバッファ16はFIFO形式であり、上記のステップS10でパケットが保存されると、そのデータは1段目から2段目、3段目、・・・・の順に蓄積されていく。
〔データ蓄積量が第1ジッタ閾値未満の場合〕
このとき、データの蓄積量が第1ジッタ閾値(TH_jitter1)に達するまでの間は、データの読み出しを行わずにデータの蓄積のみが行われる(ステップS14=No)。したがって、この間はオーディオサンプルの再生が開始されず、無線通信のレイテンシとなる。
〔データ蓄積量が第1ジッタ閾値を超えた場合〕
一方、データの蓄積量が第1ジッタ閾値を超えると、ジッタバッファ16からデータの読み出しが開始される(ステップS14=Yes)。この場合、スタートフラグに値(=01h)がセットされるので、以降はパケットの保存とともにデータの読み出し(SBCフレームへの分解)が並行して行われることになる(ステップS10→ステップS12→ステップS18)。データの読み出しは、FIFO形式にしたがって蓄積された順に行われる。またこれにより、データ処理装置10から実際にオーディオサンプルの出力が開始される結果、図示しない音響機器によるオーディオ再生が開始される。
〔再生開始後にデータ蓄積量が第2ジッタ閾値未満の場合〕
また、上述したようにオーディオサンプルの出力を開始しても、データ蓄積量が第2ジッタ閾値(TH_jitter2)未満である場合(ステップS22=No)、オーディオサンプルに内挿処理を施したものが出力されるため、単位時間あたりのデータ蓄積量に比較して、データの読み出し量が多くなる。これにより、オーディオサンプル再生中にデータ蓄積量は第2ジッタ閾値に向けて順調に増加していくことになる。
〔データ蓄積量が第2ジッタ閾値を超えた場合〕
この後、データの蓄積量が第2ジッタ閾値を超えると、上記のように内挿処理が中止されるので(ステップS22→ステップS26)、データ蓄積量は第2ジッタ閾値の近傍で安定化する。また、通信状況の悪化によって一時的にデータ蓄積量が第2ジッタ閾値を下回ると、内挿処理を再開し、第2ジッタ閾値に達するまでデータ蓄積量を増加する。
以上のように本実施形態では、ジッタバッファ16の閾値に関して第1ジッタ閾値と第2ジッタ閾値をそれぞれ別々に設定しているで、最初の再生開始条件を第1ジッタ閾値で設定するとともに、その後のデータ蓄積量の水準を第2ジッタ閾値で管理することができる。このため、レイテンシを特に悪化させることなく、高い水準で音途切れの耐性を高めることができるという利点がある。
〔その他の実施形態〕
上述したオーディオパケット受信処理において、ジッタバッファ16内でのデータ蓄積量が第1ジッタ閾値に達するまでの間にデータ内挿処理を施してもよい。例えば、図2中のステップS10の前にステップS14と同様の手順を挿入し、データ蓄積量が第1ジッタ閾値未満の場合(No)に内挿処理を実行するステップを追加する。この場合、データ蓄積量が第1ジッタ閾値に達するまでの時間を短縮することができ、それだけレイテンシを少なくすることができる。
本発明は上述した実施形態に制約されることなく、各種の変形を伴って実施することができる。一実施形態では、データ処理装置10にオーディオパケット解析部18やSBCフレームデコード部20、ジッタモニタ/データ内挿処理部22等を設けているが、これらの機能をマイクロコンピュータ(CPU)のリソースで全て賄い、それぞれの機能をアプリケーションで実現してもよい。
また、一実施形態ではオーディオデータを例に挙げているが、本発明は映像データを処理する用途に適用することもできる。
一実施形態のデータ処理装置の構成を概略的に示す図である。 オーディオパケット受信処理の手順例を示すフローチャートである。 オーディオパケット受信処理でのジッタバッファへのデータの蓄積と読み出しの手順を示す概念図である。
符号の説明
10 データ処理装置
12 RF回路
14 オーディオデータ受信部
16 ジッタバッファ
18 オーディオパケット解析部
20 SBCフレームデコード部
22 ジッタモニタ/データ内挿処理部
24 オーディオバッファ
26 オーディオ出力部

Claims (5)

  1. 無線通信により送信されたデータを順次受信する工程と、
    未だデータが蓄積されていない状態のバッファメモリに対し、受信したデータを順次蓄積させる工程と、
    前記バッファメモリ内でのデータの蓄積量が第1の閾値を超えた場合、前記バッファメモリから蓄積された順にデータの読み出しを開始する工程と、
    前記バッファメモリからのデータの読み出し開始後、前記バッファメモリ内でのデータの蓄積量が前記第1の閾値より大きい第2の閾値に達していない間は、前記バッファメモリから読み出されるデータに補填データを付与する工程と、
    前記バッファメモリからのデータの読み出し中に前記バッファメモリ内でのデータの蓄積量が前記第2の閾値に達した場合、前記補填データを付与することなく前記バッファメモリからデータを読み出す工程と
    を有したことを特徴とするデータ処理方法。
  2. 請求項1に記載のデータ処理方法において、
    前記バッファメモリ内でのデータの蓄積量が前記第1の閾値に達していない間は、受信したデータに補填データを付与した状態で順次蓄積させることを特徴とするデータ処理方法。
  3. 請求項1又は2に記載のデータ処理方法において、
    前記バッファメモリには、受信したデータが連続した所定サンプル数の単位で蓄積されており、
    前記補填データは、連続した所定サンプル数のうちの末尾のサンプルデータを用いた最近傍法により創出されることを特徴とするデータ処理方法。
  4. 前記データがオーディオデータのフォーマットで送受信されるものであり、
    前記バッファメモリから読み出されたオーディオデータを用いて再生を行うことを特徴とするデータ処理方法。
  5. 無線通信により送信されたデータを順次受信するデータ受信手段と、
    データを一時的に蓄積可能なバッファメモリと、
    未だデータが蓄積されていない状態の前記バッファメモリに対し、前記データ受信部にて受信されたデータを順次蓄積させるデータ蓄積手段と、
    前記バッファメモリ内でのデータの蓄積量が第1の閾値を超えた場合、前記バッファメモリから蓄積された順にデータの読み出しを開始するデータ取得手段と、
    前記データ取得手段によりデータの読み出しが開始された後、前記バッファメモリ内でのデータの蓄積量が前記第1の閾値より大きい第2の閾値に達していない間は、前記バッファメモリから読み出されるデータに補填データを付与する一方、前記データ取得手段によるデータの読み出し中に前記バッファメモリ内でのデータの蓄積量が前記第2の閾値に達した場合、前記補填データの付与を中止するデータ処理手段と
    を備えたことを特徴とするデータ処理装置。
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