JP2009253291A - ロボット位置キャリブレーションツール(rpct) - Google Patents

ロボット位置キャリブレーションツール(rpct) Download PDF

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Abstract

【課題】粒子の発生又は長期のガス放出に関してシステムへの影響が最小限の状態で、真空内ロボットのキャリブレーションを全自動化し、レチクルの移送中の位置合わせ不良による反復的な粒子発生を最小化するキャリブレーション結果を生成することができるシステム及び方法。
【解決手段】最小の粒子発生及びガス放出の状態で、リソグラフィツール内の移送ステーションにレチクルをハンドオフするロボットの位置を正確にキャリブレーションするために、ロボット位置キャリブレーションツール(RPCT)を使用する。最小のセンサ使用及び最小のペイロードの滑りでロボットをキャリブレーションし、リソグラフィツールの真空チャンバ内の粒子発生及びガス放出を最小化する方法、システム及びコンピュータプログラムプロダクトについて説明する。
【選択図】図3

Description

[0001] 本発明はリソグラフィ装置の真空チャンバ内の自動ロボット位置キャリブレーションツールに関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板又は基板の部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は例えば、フラットパネルディスプレイ、集積回路(IC)及び微細構造を含む他のデバイスの製造に使用可能である。リソグラフィ装置内で、ロボット(本明細書では区別なく「真空内ロボット」(in-vacuum robot)と呼ぶ)を使用して、レチクルをリソグラフィ装置の真空チャンバ内に配置する。レチクルを効果的に移送するために、移送中にレチクルの滑りが最小になり、それによって粒子の発生が最小になることを保証するように、真空内ロボットをリソグラフィツール内の1つ又は複数の移送ステーション/ハンドオフ位置に対して正確にキャリブレーションしなければならない。リソグラフィシステム内の粒子は、基板にインプリント中のパターンを変化させ、ツールの有効生産性を低下させることがあるので、望ましくない。大部分のロボットキャリブレーションは従来、人間による位置の視覚的検証に頼っている。従来のシステムがロボットアームキャリブレーションの自動化に最も近づいている方法は、ロボットアームのエンドエフェクタ部分で真空チャンバ内の予め規定されたキャリブレーション表面に物理的に「接触」することによって実行される。あるいは、光学アラインメント方法を使用する従来のシステムは、ロボットアーム及び/又はリソグラフィ装置の他の部分に内蔵された過度の数のセンサを使用して、ロボットを位置合わせし、キャリブレーションする。
[0003] 上述したキャリブレーション技術は全て、特に極端紫外線(EUV)ツールの場合のように(例えばロボットのエンドエフェクタと基準表面/移送ステーションとの接触、及びロボットと基準構造/移送ステーションとの位置合わせ不良による滑りによって引き起こされる)低レベルの粒子発生が望ましい場合に、望ましくない。このような技術は時間も消費し、真空環境内の材料の選択によって限定される。
[0004] 例えば、人間による検証は非常に正確ではなく、首尾一貫しない。また、真空チャンバへの人間のアクセスは必ずしも可能でなく、アクセスが可能であった場合でも、アクセスは真空チャンバ内への望ましくない異物粒子の導入につながり、これは誤差/欠陥がある製造を引き起こすことがある。不正確な位置合わせは、ペイロードの滑りにつながることもあり、さらに真空チャンバ内の粒子発生を引き起こす。さらに、製造及び内蔵機械の公差及び解像度の限界により、リソグラフィ装置を組み立てる前に正確な位置合わせのためにロボットを予めプログラムすることが不可能である。
[0005] エンドエフェクタで予め規定されたキャリブレーション表面に接触する様々な技術は、トルク力センサを必要とし、これは真空内ロボットの複雑さ及びペイロードを増大させる。エンドエフェクタとキャリブレーション表面との物理的接触は、望ましくない粒子の発生を引き起こす。さらに、真空チャンバ内に光学アラインメントなどの追加のセンサがあると、真空環境への分子のガス放出が増加し、これはリソグラフィ装置の光学系を損傷することがある。厳密なガス放出要件もセンサ材料の選択肢を限定し、それによって全製造費を増加させる。
[0006] したがって、必要とされているのは、粒子の発生又は長期のガス放出に関してシステムへの影響が最小限の状態で、真空内ロボットのキャリブレーションを全自動化し、レチクルの移送中の位置合わせ不良による反復的な粒子発生を最小化するキャリブレーション結果を生成することができ、それによって従来のシステムの欠点を実質的に取り除くシステム及び方法である。同様に必要とされているのは、真空内のセンサが最小である、又はセンサがない状態で、より高速のキャリブレーションを実行するシステム及び方法である。
[0007] 本発明の1つの実施形態では、ロボット位置キャリブレーションツール(RPCT)を備えるシステムが提供される。一例では、RPCTは、ロボットの実際のペイロードと実質的に同じ機械的形状因子(例えばEUV内部ポッド及び/又はレチクルのサイズ)を有する。RPCTは、ロボットからリソグラフィツール内のハンドオフ位置に対応する移送ステーションへと移送する間に、ロボットに対してどの程度移動したかを検出する。一例では、RPCTは次に、トランシーバを使用して、無線又は他の方法で移動量及び方向をコントローラへと伝送し、ロボットの新しいペイロードハンドオフ位置を割り出す。移送したRPCTと移送ステーションとの間の位置合わせ度が計算される。RPCTと移送ステーションとが許容可能な限度内で位置合わせされている場合、ロボットはキャリブレーションされたと言われる。そうでない場合、RPCTはロボットによって移送ステーションから取り上げられ、ロボットが新しい位置へと移動し、測定が再び繰り返される。ロボットによって送出されたままのRPCTと(RPCTが載っている)移送ステーションの運動マウントとの間で所望の位置合わせレベルが達成されるまで、このようなプロセスが実行される。新しいハンドオフ位置が割り出されると、ベースプレートのあらゆる滑り、及びこのような滑りにより発生した外部粒子が最小になるように、ベースプレート上のレチクルを移送ステーションへと移送することができる。
[0008] 追加的又は代替的に、RPCTの移動したベクトル距離(例えば角度、直線又は他の距離)及び移動方向を、ロボットに装着された1つ又は複数のセンサによって計算することができる。ロボット上に存在するこのようなセンサは気密封止して、ガス放出問題を回避し、それによってウェーハ上に製造された最終フィーチャの外部ガス放出による欠陥の可能性をさらに低下させることができる。このようなセンサは、例えば光学距離測定センサ、又は容量ゲージでよい。
[0009] 別の実施形態では、ロボット上のセンサの第一距離読み取り値を記録するために真空内ロボット上に存在するRPCTを移動させる例示的ステップと、ロボットが特定の距離を移動した後に、第二距離読み取り値を記録して、RPCTが(例えばx、y及びRz座標系で)平面内をどの程度移動したかを割り出すステップと、第一距離読み取り値と第二距離読み取り値との差(オフセット)を割り出すステップと、差に基づいて、ロボットがハンドオフ位置に対応する移送ステーションに対して許容可能な限界内で位置合わせされているかを割り出すステップと、将来のキャリブレーションのために最終的なロボットハンドオフ位置を記憶し、それによって移送ステーションの運動マウントへの移送中に、RPCT(又は任意の他のタイプのペイロード)の滑りを最小化するステップとを含む方法が提供される。
[0010] 追加的及び代替的実施形態を、真空外位置合わせに使用することができる。さらに、所望に応じて追加的センサを追加することにより、追加の位置をキャリブレーションすることができ、例えばz軸に沿ったロボットの移動を実行することができる。例えば、センサを使用して、垂直方向(z軸)での移送が生じた場合にそれを感知することができる。さらに、ロボットアームキャリブレーションの技術、システム及び方法を、当業者によく知られている他の従来の技術と組み合わせて使用し、これらの従来の技術をさらに改良することができる。あるいは、本発明の様々な実施形態を、単独型及び独立した技術、システム及び方法として使用することができる。
[0011] 本発明のさらなる実施形態、特徴、及び利点、さらに本発明の様々な実施形態の構造及び動作を、添付図面を参照しながら以下で詳細に説明する。
[0012] 本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本発明の1つ又は複数の実施形態を図示し、記述とともに本発明の原理を説明し、当業者が本発明を作成し、使用できるようにする働きをする。
[0013]本発明の様々な実施形態によるリソグラフィ装置を示した図である。 [0014]本発明の1つの実施形態による複数の移送ステーションがある真空内ロボットを示した図である。 [0015]本発明の1つの実施形態による真空内ロボットをさらに詳細に示した図である。 [0016]図4Aは、本発明の1つの実施形態によるペイロードと真空内ロボットのエンドエフェクタ部分上にある対応する突き合わせピンとを示した立面図である。[0017]図4Bは、本発明の1つの実施形態によるエンドエフェクタ部分及び移送ステーションを示した図である。[0018]図4Cは、本発明の1つの実施形態によるペイロードを示した平面図である。 [0019]本発明の1つの実施形態による移送ステーション及びベースプレート上に存在するエンドエフェクタを示した図である。 [0020]図4Eは、本発明の1つの実施形態により、ペイロードの移送中にキャリブレーション目的で移送ステーションに向かう真空内ロボットの移動を示した図である。[0020]図4Fは、本発明の1つの実施形態により、ペイロードの移送中にキャリブレーション目的で移送ステーションに向かう真空内ロボットの移動を示した図である。 [0021]図5Aから図5Bは、本発明の1つの実施形態により、センサが取り付けられたRPCT及び1つ又は複数の基準マークがあるエンドエフェクタを示したさらなる詳細図である。 [0022]本発明の1つの実施形態によりロボットアームの位置及び動きをキャリブレーションするステップを示したフローチャートである。 [0023]本発明の1つの実施形態により様々なアルゴリズムを実現するために使用される例示的コンピュータシステムを示した図である。
[0024] 次に、添付図面を参照しながら本発明の1つ又は複数の実施形態について説明する。
[0025] 本明細書は、本発明のフィーチャを組み込んだ1つ又は複数の実施形態を開示する。開示される実施形態は本発明を例示するにすぎない。本発明の範囲は開示される実施形態に限定されない。本発明は請求の範囲によって規定される。
[0026] 記載される実施形態、及び「1つの実施形態」、「実施形態」、「例示的実施形態」などへの本明細書における言及は、記載される実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、それぞれの実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含むことができない、又は含まないことを示す。さらに、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。さらに、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性について記載している場合、明示的に記載されているか、記載されていないかにかかわらず、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識にあることが理解される。
[0027] 図1は、本発明の実施形態によるリソグラフィ装置を示したものである。この装置は、照明システムIL、支持構造MT、基板テーブルWT、及び投影システムPSを備える。
[0028] 照明システムILは、放射ビームB(例えば水銀灯によって提供されるUV放射のビーム、又はKrFエキシマレーザ又はArFエキシマレーザによって発生するDUV放射のビーム、又はEUV源によって発生するEUV放射)を調節するように構成される。
[0029] 照明システムは、放射を誘導、成形又は制御するために、屈折、反射、及び回折型等の光学コンポーネント、又はその任意の組み合わせなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[0030] 支持構造(例えばマスクテーブル)MTは、マスクパターンMPを有するパターニングデバイス(例えばマスク又は動的パターニングデバイス)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第一ポジショナPMに接続される。
[0031] 基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTは、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、特定のパラメータに従って基板Wを正確に位置決めするように構成された第二ポジショナPWに接続される。
[0032] レンズLを含む投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSは、パターニングデバイスMAのパターンMPによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成される。
[0033] 支持構造はパターニングデバイスを支持、つまりその重量を支えている。支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0034] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンMPが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特別な機能層に相当する。
[0035] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0036] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム及び反射屈折光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なされる。
[0037] ここに示している本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0038] リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0039] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
[0040] 図1を参照すると、照明システムILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOから照明システムILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及び照明システムILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0041] 照明システムILは、放射ビームのマスクレベルにおける角度強度分布を調節するアジャスタADを備えていてもよい。通常、照明システムの瞳IPUにおける強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、照明システムILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。また、照明システムを用いて放射ビームを調整し、その断面にわたってマスクレベルで所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0042] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブルMT)上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスクMA又はプログラマブルパターニングデバイス)に入射し、パターニングデバイスによってパターンMPに従いパターンが与えられる。放射ビームBはマスクMAを通り抜けて、基板Wのターゲット部分C上にビームを集束する投影システムPSを通過する。
[0043] 投影システムは、照明システムの瞳IPUに結合した瞳PPUを有し、照明システムの瞳IPUにおける強度分布から発して、マスクパターンにおける回折の影響を受けずにマスクパターンを通過する放射の部分が、ここで照明システムの瞳IPUにおける強度分布の像を生成する。
[0044] 第二ポジショナPW及び位置センサIF(例えば干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば放射ビームBの経路において様々なターゲット部分Cに位置決めするように正確に移動できる。同様に、第一ポジショナPM及び別の位置センサIF(図1には明示せず)を使用して、例えばマスクライブラリから機械的に検索した後に、又はスキャン中に、放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めすることができる。一般的に、マスクテーブルMTの移動は、第一ポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第二ポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、固定してもよい。マスクMA及び基板Wは、マスクアラインメントマークM1、M2及び基板アラインメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アラインメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に配置してもよい(スクライブラインアラインメントマークとして知られる)。同様に、マスクMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアラインメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0045] マスクテーブルMT及びパターニングデバイスMAは、真空チャンバV内にあってよく、ここで真空内ロボットIVRを使用して、パターニングデバイスMAと同様のマスクなどのパターニングデバイスを真空チャンバVに出し入れすることができる。あるいは、マスクテーブルMT及びパターニングデバイスMAが真空チャンバVの外側にある場合は、真空内ロボットIVRと同様に、様々な移動動作に真空外ロボットを使用することができる。真空内及び真空外ロボットは両方とも、任意のペイロード(例えばマスク)を移送ステーションの固定された運動マウントへと滑らかに移送するために、キャリブレーションする必要がある。
[0046] 図示のリソグラフィ装置は以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0047] 1.ステップモードにおいては、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち1回の静止露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の静止露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0048] 2.スキャンモードにおいては、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する(つまり1回の動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
[0049] 3.別のモードでは、マスクテーブルMTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0050] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0051] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えばこれは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又は検査ツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[0052] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はその辺りの波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[0053] リソグラフィ動作の後ばかりでなく、その前にも、真空内ロボットを使用して、リソグラフィ装置の真空チャンバ内にオブジェクト(例えばレチクル)を配置又は位置決めする。最小の滑りでオブジェクトを配置するために、真空内ロボットは、各移送ステーションに合わせて正確にキャリブレーションされなければならない。
[0054] 図2は、本発明の1つの実施形態により、真空内ロボット(IVR)204を使用する真空内キャリブレーションの例示的な全体的構成200を示す。構成200は、真空チャンバ202、ロボットアーム212がある真空内ロボット212、移送ステーション214a〜iを通してオブジェクト216(例えばレチクル)を真空チャンバ202内外に移送するレチクル交換ロボット218、及び真空外ロボット210を示す。
[0055] 本発明の様々な実施形態を使用して、様々な移送位置についてロボットアーム212をキャリブレーションする。このようなキャリブレーションはいつでも実行することができる。例えば、キャリブレーションは、各オブジェクト216(本明細書では区別なくペイロード216又はレチクル216とも呼ぶ)を真空チャンバ202内で移動させる前に実行するか、予め規定されるか、周期的か、ランダムな間隔で、必要に応じて、又は追加的及び/又は代替的にリソグラフィ装置のアイドル状態中に実行することができる。「ペイロード」という用語は一般的に、真空内又は真空外ロボットによって取り上げ、配置される任意のオブジェクトを指すことに留意されたい。
[0056] 真空チャンバ202内で、ロボットアーム212はレチクル/オブジェクト216を移動させ、それを様々なリソグラフィ動作のためにロボットアーム212のエンドエフェクタ部分(図2には図示せず)を介して移送ステーション214a〜iのうち1つへと移送する。本明細書で述べるリソグラフィツール内の「移送ステーション」という用語は一般的に、オブジェクト216を移送ステーション214a〜iの対応する運動マウントに配置又はハンドオフすることができる任意の位置を指すことに留意されたい。レチクル216をエンドエフェクタ上に移送する間の滑りを最小化するために、真空内ロボット204を真空チャンバ202内の移送ステーション214a〜iに正確に位置合わせしなければならない。真空内ロボット204は、移送ステーション214aから214iの位置に対応する複数の交換位置から、このような移送動作を実行することができる(しかし、任意の数のオブジェクト/レチクル及び任意の数の対応する移送ステーションを使用することもできる)。したがって、ロボットアーム212がオブジェクト/レチクル216を真空チャンバ202内の移送ステーション214a〜iへと滑らかで滑りが少ない状態で移送し、位置合わせできるように、真空内ロボット204が制御される。
[0057] 図3は、本発明の実施形態による(真空内ロボット204と同様の)真空内ロボット300を示す。真空内ロボット300は、回転中心軸C0の周囲で回転し、その周囲にロボットベース316が構築される。ロボットアーム212、又はそのサブコンポーネント及び部分は、回転中心軸C0の周囲の1つ又は複数の軸線/方向、又は他の局所的軸線/方向に沿って移動することができる。ロボットベース316がロボットアーム212に接続される。ロボットアーム212は、ロボット位置キャリブレーションツール(RPCT)302又はレチクルをキャリア上で保持することができるエンドエフェクタ部分304を備える。
[0058] 一例では、エンドエフェクタ部分304はピン、例えばピンP1、P2、P3を有してよい。
[0059] 一例では、RPCT部分302は赤外線無線トランシーバ306(本明細書では区別なくトランシーバ306とも呼ぶ)に結合される。無線トランシーバ306は、通信信号318によって距離及び移動データをディテクタ/リーダ314に伝送する。図示の例では、信号318はミラー310で反射し、ディテクタ/リーダ314によって受信される前に真空チャンバ202内の窓312を通過する。他の実施形態では、当業者が理解しているように、信号318はディテクタ/リーダ314によって直接受信するか、他の信号路を通って受信してもよいことを認識されたい。
[0060] 必要に応じて、無線トランシーバ306によって伝送された位置データに基づき、移送ステーション(図示せず)に対してエンドエフェクタ304又はRPCT部分302を正確に位置合わせするように、ロボットアーム212の位置、及びその結果としてそのコンポーネント(例えばRPCT302及びエンドエフェクタ部分304)の位置を変更及び/又は調節する。図2も参照すると、これで通常のリソグラフィ動作中に、真空内ロボット204をキャリブレーションした後、ロボットアーム212によって保持されたペイロード216を、真空チャンバ202内の移送ステーション220へとよりよく移送できるようにすることができる。
[0061] 追加的又は代替的に、本明細書では無線トランシーバ306について述べているが、有線通信路、赤外線、無線周波路などを介して通信するトランシーバのように、当業者に周知の他のタイプのトランシーバも使用できることに留意されたい。図3に述べた実施形態では、トランシーバ306が無線周波(RF)トランシーバである場合、信号318は図示の路を辿る必要がなく、トランシーバ306内で使用されている特定のタイプのアンテナに応じて、任意の他の経路を通して無線伝送できることにも留意されたい。RFトランシーバを使用しているこのようなシナリオでは、ミラー310は必要ない。さらに、RFトランシーバは、当業者に周知の標準的な技術によってRFリンクを確立することにより、コントローラ320と通信することができる。
[0062] ロボットアーム212の様々な部分に関連する位置データがディテクタ/リーダ314に到達すると、プロセッサ320を使用して位置データが処理される。コントローラ320は、データに基づいてRPCT302の所望の位置を割り出す。一例では、コントローラ320が1つ又は複数のソフトウェアアルゴリズムを実行し、移送ステーション214a〜iのいずれかの運動マウントにてレチクル/オブジェクト216をハンドオフするために、RPCT302を使用してエンドエフェクタ部分304のその後の望ましい相対位置を正確に割り出す。その後の望ましい相対位置に対応するデータは、フィードバック信号322として真空内ロボット204へと伝送され、これはロボットアーム212を1つ又は複数の方向に沿って動かすことにより、ロボットアーム212の位置を調節する。追加的又は代替的に、移送ステーション214a〜iとエンドエフェクタ部分304との位置合わせは、1ステップで実行するか、所望の精度に適合するまで繰り返すことができる。
[0063] 図4CはペイロードPの平面図を示す。キャリブレーション動作中、ペイロードPはRPCT302と同じであることに留意されたい。しかし、記述を単純化するために、本明細書では(以前で定義した)「ペイロード」という総称を使用する。ペイロードPは、V1、V2及びV3と図示されている3つのV字形切り欠き又はニッチを備える。V字形の切り欠きが図示されているが、例えば円錐面−平面−Vのように他のタイプの運動マウントも使用することができる。これらの3つのV字形ニッチV1、V2及びV3(図4Aの立面図で図示)に対応しているのは、エンドエフェクタ402から延在する相補的なピンP1、P2及びP3であり、これも図4Aに図示されている。キャリブレーション後、ペイロードPの3つのV字形切り欠きV1、V2及びV3は、移送ステーションの運動マウントの1組の突き合わせピンB1、B2及びB3に適合する(図4Bに図示)。同様に、別のキャリブレーション動作中に、ペイロードPのV字形切り欠きは、エンドエフェクタ402のピンP1、P2及びP3に対する捕捉範囲又は突き合わせの閾値レベル内に適合し、それによってペイロードPをエンドエフェクタ402と正確に位置合わせする。
[0064] 図4Bは、真空チャンバ(図示せず)内にあってよいエンドエフェクタ402及び移送ステーション406を示す。本発明の1つの実施形態によれば、エンドエフェクタ402は、移送ステーション406へと移送される前に自身上に存在するペイロード(例えばRPCT302)を有する。エンドエフェクタ402は3つのボールピンP1、P2、P3を備え、これはペイロード(図示せず)を保持し、移送ステーション406上の対応するボールピンB1、B2、B3を介してペイロードを移送ステーション406上へと移送する。ピンP1、P2及びP3(及びB1、B2、B3)及びペイロード上の対応するニッチの形状は、当業者によく知られている設計上の選択肢である。ペイロード及びエンドエフェクタの例示的構造が、「Apparatus for Transferring and Loading a Reticle with a Robotic Reticle End-Effector」と題した米国特許第7,004,715号に示され、これは参照により全体が本明細書に組み込まれる。
[0065] 図4Dは、本発明の1つの実施形態による移送ステーション414及びベースプレート408上に存在するエンドエフェクタ402を示す。図4Eは、本発明の1つの実施形態によるベースプレート408の底部を示す。図4Fから図4Gは、本発明の1つの実施形態により、自身上に存在するレチクル216がある、及びないベースプレート408を示す。
[0066] 図4Dは、ボールピンB1、B2及びB3が、レチクルを担持するように構成されたベースプレート408上のV字形切り欠きをいかに突き止めるかを示す。図4Dから分かるように、V字形切り欠きは、面(図示せず)内のベースプレート408に平行な動作を防止する。同様に、図4Dは、ピンP1、P2及びP3を介してベースプレート408のV字形切り欠きV1、V2及びV3にラッチ接続されたエンドエフェクタ部分402も示す。V字形切り欠きの細長い形状は、(移送ステーション214a〜iのいずれかと同様の)移送ステーション414とエンドエフェクタ部分402との両方に対応するように成形される。RPCT302(図4Dには図示されていないが、図3参照)は、移送ステーション414とエンドエフェクタ部分402との相互に対する角度位置合わせ不良(Rz)及び水平位置合わせ不良(x、y)を測定し、それに応じて移送ステーション414の位置に合わせてエンドエフェクタ402を有するロボット204をキャリブレーションする。追加的センサを追加して、垂直距離を測定し、ハンドオフ高さのキャリブレーションを可能にすることができる。
[0067] 図4E及び図4Fは、本発明の1つの実施形態により、ロボットのキャリブレーションされたハンドオフ位置を割り出すために、ロボットアーム212(部分的に図示)によってRPCT302を動かす方法をさらに詳細に示す。図4Eは、RPCT302を保持するエンドエフェクタ304の運動マウントの下のハンドオフ位置に対応する移送ステーションの運動マウント422を示す。RPCT302は、時間t0でキャリブレーションプロセス(以下で図6で説明)が開始する場合に、センサS1、S2、S3からロボットのエンドエフェクタ304上の基準ブロックBまでの距離を測定する。RPCT302は、矢印424で示す方向にて移送ステーションの運動マウント422に向かって移動し、したがってRPCT302がエンドエフェクタ304の運動マウントから移送ステーションの運動マウント422へと移動する。本明細書で示すように、移送ステーションの運動マウント802は、その表面の1つに存在するピンT1、T2及びT3を有し、RPCT302の切り欠きと空間的に突き合う。
[0068] 図4Fは、RPCT302が移送ステーションの運動マウント422へと移送されている第二時間インスタンスt1を示す。RPCT302は、基準ブロックBに対する自身の位置の第二測定値をとり、測定位置データを外部コントローラへ伝送する。この実施形態では、センサS1、S2、S3を使用し、運動マウントの1つのボール及びVから別のボール及びVへと移送する間に滑りを最小化し、したがって粒子の発生を最小化するのに必要であるような座標系のx、y、Rzの位置を割り出すことができる。時間t0と時間t1における測定値の差を使用して、x、y、Rzにおけるロボット移送位置のキャリブレーションが許容可能な範囲内にあるかを割り出し、図6に示すようにプロセスが継続される。
[0069] 正確なキャリブレーションが実行され、ロボットアーム212に対応する関連の位置及び動作データが割り出されると、ペイロードPをエンドエフェクタ304の運動マウントから移送ステーションの運動マウント802へと最小の滑りで効果的に移送することができる。
[0070] 図5Aはさらに、1つの実施形態によるペイロードPをさらに詳細に示す。V字形ニッチV1、V2及びV3に加えて、ペイロードPはセンサS1、S2及びS3も有し、これは真空内ロボット(図示せず)のエンドエフェクタ部分402上の基準ブロックBまでの距離を測定し、センサS1、S2及びS3が結合されているトランシーバ306(図示せず)へと内部でこれを伝送する。追加的又は代替的に、センサS1、S2及びS3はペイロードPと結合するように図示されているが、真空内ロボットアーム(図示せず)のいずれの場所に配置することもできる。さらに、センサS1、S2及びS3は、特定の用途に応じて真空内ロボットアームに永久的に固定するか、交換可能にすることができる。センサS1、S2及びS3は運動センサ、位置センサ、又は他のタイプのセンサでよい。センサS1、S2及びS3の偶発的又は自然な漏れ/ガス放出による真空チャンバ(図示せず)内の汚染を最小化するために、センサS1、S2及びS3を、気密封止したパッケージ502内で真空内ロボットアームに配置するか、真空環境で費やす時間が制限されたRPCT302に配置し、したがって真空システムへのガス放出を制限することができる。
[0071] 3つのセンサS1、S2及びS3が図示されているが、特定の要求に応じて、センサを1つしか使用せずに、あるいは4つ以上のセンサを使用して位置/動作データを記録できることが、当業者には明白なはずである。
[0072] 図5Bは、ペイロードP及びエンドエフェクタ402の重ね合わせの底面図を示す。例えば、図3に関して、これはRPCT302の移送ステーション406へのハンドオフ中に生じてよい。図5Bに示すように、V字形切り欠きV1、V2、V3は、エンドエフェクタ402上のピン(図示せず)及びピンP1、P2、P3に対応する。エンドエフェクタ402は、例えばRPCT部分302がエンドエフェクタ部分402に対する位置をよりよく測定するのを補助するために、ブロックBなどの基準マークを有することができる。また、センサS1、S2及びS3は、測定した距離が3自由度、この場合はX、Y及びRzに対応することを保証するために、戦略的に配置することができる。追加的センサを追加して、高さZを測定することができる。例えば図5Bに示す実施形態では、センサS1、S2及びS3は、基準ブロックBからの距離d1、d2及びd3をそれぞれ測定する。移送ステーション214a〜iへの移送中にキャリブレーションしたロボットの位置を調節すると、ペイロードをボールピンP1、P2、P3からボールピンB1、B2、B3に交換する間に、ペイロードPとエンドエフェクタ部分402の間、さらにペイロードPと移送ステーション406の間の滑りによる真空チャンバ202内の粒子発生が最小化される。
[0073] 図6は、本発明の例示的実施形態を実現するステップを示す方法600を描くフローチャートである。ステップ602〜616は、必ずしも図示の順序で実行する必要はなく、特定の要求に応じて任意の順序で実行することができる。一例では、方法600は、図1から図5Bで上述し、図7及び図8Aから図8Bで下述するシステムの1つ又は複数を使用して実行される。
[0074] ステップ602では、1つ又は複数のセンサを使用して、エンドエフェクタ部分を含むロボットアーム位置に対するRPCTの位置を測定する。位置(又は幾つかの実施形態では動作)は、当業者によく知られているデカルト座標系、円柱座標系、球面座標系統又は任意の他の一般座標系で測定することができる。
[0075] ステップ604では、ロボットアームに対するRPCTに対応する位置データの記録を、トランシーバによって無線又はその他の方法で外部コントローラに伝送する。無線伝送するように述べられているが、以上で検討したように、他の伝送技術も使用することができる。
[0076] ステップ606では、外部コントローラが真空内ロボットアームのエンドエフェクタ部分304によって保持されたRPCTの相対位置を割り出すか、計算する。伝送された位置及び動作データを、コントローラ上に記録された1つ又は複数のソフトウェアアルゴリズムの実現/ルーチンへの入力として使用し、所望の座標でロボットアームに対するRPCTの位置を割り出す。
[0077] ステップ608では、RPCTを真空チャンバ内の移送ステーションへと移送するように、ロボットアームを垂直に下降させる。
[0078] ステップ610では、移送ステーション上に位置するRPCTの新しい位置に対応する位置データを、ロボットアームに対して測定する。
[0079] ステップ612では、新しい測定位置データを外部コントローラに伝送し、外部コントローラが、RPCTの面内での移動量を含めて、RPCTの新しい位置に関するさらなる計算を実行する。
[0080] ステップ614では、外部コントローラが、第一位置データと新しい位置データ(位置合わせに関する)との差が許容可能な範囲内であるかを決定する。範囲内でない場合、外部コントローラはフィードバック信号を真空内ロボットに送り返し、(ステップ616に示すように)RPCTを取り上げる。次に、相対位置合わせに基づいて、新しい移送位置を計算する。次に、移送ステーションへの移送前と移送後にRPCTとロボットの間で測定した位置の差が許容可能な限界内になるまで、ロボットが再びステップ602〜616を実行する。外部コントローラが実行するこのような計算は、当業者によく知られている最適化技術を含むことができる。
[0081] 位置合わせが許容可能な範囲内である場合、ステップ620で、キャリブレーションした状態のロボット位置を記録し、その後のペイロードを最小の滑りで効果的に移送する。
[0082] 一例では、ロボットアームの位置をキャリブレーションした後、及びペイロード(例えばマスク)を移送ステーションへと移送した後、真空内ロボットは、リソグラフィ動作を支持するのに必要であるようなレチクル移動を実行する準備が整う。
[0083] 追加的又は代替的に、ステップ602〜616及びその一部を、真空内ロボットの複数のハンドオフ位置で、例えば図2に関して前述したように実行することができる。
[0084] 図7は、様々なコントローラの動作及び/又はソフトウェアのアルゴリズムを実現する例示的コンピュータシステム700を示す。本発明の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はその組合せを使用して実現してもよく、1つ又は複数のコンピュータシステム又は他の処理システムで実現してよい。しかし、本発明によって実行される操作はしばしば、比較又はチェックなど、通常は人間のオペレータが実行する精神的作業に関連する用語に言及された。本明細書で述べ、本発明の一部を形成する作業のいずれにおいても、人間のオペレータのこのような能力は必要なく、大部分のケースでは望ましくもない。むしろ、作業は機械の作業である。本発明の作業を実行するために有用な機械は、汎用デジタルコンピュータ又は同様のデバイスを含んでよい。
[0085] 実際、本発明の実施形態によれば、本発明は本明細書で述べる機能を実行することができる1つ又は複数のコンピュータシステムを指向する。
[0086] コンピュータシステムの例は、図7に示すコンピュータシステム700を含む。コンピュータシステム700は、プロセッサ704などの1つ又は複数のプロセッサを含む。プロセッサ704は、例えば通信バス、交差バー、ネットワークなどの通信インフラストラクチャ706に接続される。様々なソフトウェアの実施形態を、この例示的コンピュータシステム700に関して説明する。本記述を読むと、他のコンピュータシステム及び/又はアーキテクチャを使用して本発明を実現する方法が、当業者には明白になる。
[0087] コンピュータシステム700は、入出力デバイス又はディスプレイ730に表示するために、通信インフラストラクチャ706(又は図7には図示されていないフレームバッファ)からのグラフィック、テキスト及びその他のデータを転送する表示インタフェース702を含む。コンピュータシステム700は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの主メモリ708も含み、2次メモリ710も含んでよい。2次メモリ710は、例えばハードディスクドライブ712及び/又はフロッピディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブなどを代表とする取り外し可能記憶ドライブ714を含んでよい。取り外し可能記憶ドライブ714は、よく知られている方法で取り外し可能記憶ユニット718を読み書きする。取り外し可能記憶ユニット718は、フロッピディスク、磁気テープ、光ディスクなどを代表とする。取り外し可能記憶ユニット718は、取り外し可能記憶ドライブ714で読み書きしてもよい。認識されるように、取り外し可能記憶ユニット718は、自身内に記憶されてコンピュータで使用可能な記憶媒体、コンピュータソフトウェア及び/又はデータを含む。
[0088] 本発明の様々な実施形態によれば、2次メモリ710は、コンピュータプログラム又は他の命令をコンピュータシステム700にロード可能にするために、他の同様のデバイスを含んでよい。このようなデバイスは、例えば取り外し可能記憶ユニット718などの取り外し可能記憶ユニット、及びインタフェース716を含んでよい。このようなデバイスの例は、プログラムカートリッジ及び(ビデオゲームデバイスに見られるような)カートリッジインタフェース、(消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、又はプログラム可能読み取り専用メモリ(PROM)などの)取り外し可能メモリチップ及び関連するソケット、及びソフトウェア及びデータを取り外し可能記憶ユニット718からコンピュータシステム700へと伝送可能にする他の取り外し可能記憶ユニット及びインタフェースを含んでよい。
[0089] コンピュータシステム700は通信インタフェース727も含んでよい。通信インタフェース727は、ソフトウェア及びデータをコンピュータシステム700と外部デバイスとの間で伝送可能にする。通信インタフェース727の例はモデム、ネットワークインタフェース(イーサネットカードなど)、通信ポート、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会(PCMCIA)のスロット及びカードなどを含んでよい。通信インタフェース727を介して伝送されるソフトウェア及びデータは、複数の信号の形態であり、これは通信インタフェース727によって受信することができる電子信号、電磁信号、光信号又は他の信号でよい。信号は、通信路(例えばチャネル)726を介して通信インタフェース727に提供される。通信路726は、これらの信号を搬送し、線又はケーブル、光ファイバ、電話線、セルラリンク、無線周波(RF)リンク及び他の通信路を使用して実現することができる。
[0090] 本文書では、「コンピュータプログラム媒体」及び「コンピュータで使用可能な媒体」という用語は、取り外し可能記憶ドライブ714、ハードディスクドライブ712にインストールされたハードディスク、信号などの媒体を一般的に指すために使用される。これらのコンピュータプログラムプロダクトは、コンピュータシステム700にソフトウェアを提供する。本発明は、このようなコンピュータプログラムプロダクトを指向する。
[0091] コンピュータプログラム(コンピュータ制御論理とも呼ぶ)は、主メモリ708及び/又は2次メモリ710に記憶される。コンピュータプログラムは、通信インタフェース727を介して受信することもできる。このようなコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム700が本明細書で検討するような本発明のフィーチャを実行できるようにする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ704が本発明のフィーチャを実行できるようにする。したがって、このようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステム700の制御プログラムを表す。
[0092]本発明の実施形態によれば、ソフトウェアを使用して本発明を実現する場合は、取り外し可能記憶ドライブ714、ハードディスクドライブ712又は通信インタフェースを使用して、ソフトウェアをコンピュータプログラムプロダクトに記憶し、コンピュータシステム700にロードすることができる。制御論理(ソフトウェア)は、プロセッサ704によって実行されると、プロセッサ704をして本明細書で述べるような本発明の機能を実行させる。
[0093] 別の実施形態では、本発明は例えば特定用途向け集積回路(ASIC)などのハードウェアコンポーネントを使用して、主にハードウェア内で実現される。本明細書で述べる機能を実行するようにハードウェア状態機械を実現することは、当業者にとって明白である。
[0094] さらに別の実施形態では、本発明はハードウェアとソフトウェアの組合せを使用して実現される。
[0095] 以上では光学リソグラフィとの関連で本発明の実施形態の使用に特に言及しているが、本発明は、インプリントリソグラフィなどの他の用途においても使用可能であり、状況が許せば、光学リソグラフィに限定されないことが理解される。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスの微細構成によって、基板上に生成されるパターンが規定される。パターニングデバイスの微細構成を基板に供給されたレジストの層に押しつけ、その後に電磁放射、熱、圧力又はその組合せにより、レジストを硬化する。パターニングデバイスをレジストから離し、レジストを硬化した後にパターンを残す。
結論
[0096] 以上で本発明の様々な実施形態について説明してきたが、これは例示によってのみ提示されたものであり、制限するものではないことを理解されたい。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更できることが、当業者には明白である。したがって、本発明の幅及び範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても制限されず、請求の範囲及びその同等物によってのみ規定されるものである。
[0097] 発明の概要及び要約の項目は、発明者が想定するような本発明の1つ又は複数の例示的実施形態について述べることができるが、全部の例示的実施形態を述べることはできず、したがって本発明及び請求の範囲をいかなる意味でも制限しないものとする。

Claims (15)

  1. エンドエフェクタ部分及び前記エンドエフェクタ部分上に存在するロボット位置キャリブレーションツール(RPCT)部分を含むロボットアームと、
    前記ロボットアームに結合され、
    前記エンドエフェクタの運動マウントによって保持されている間に、前記エンドエフェクタ部分から前記RPCT部分までの第一距離と、
    移送ステーションの運動マウントに保持されている場合に、前記エンドエフェクタ部分から前記RPCT部分までの第二距離と、
    を割り出すセンサと、
    前記センサに結合され、前記割り出された位置及び位置情報を表す信号を伝送するトランシーバと、
    前記信号で伝送された相対運動情報に基づいて、新しいロボットハンドオフ位置を割り出すコントローラと、
    を備える真空内ロボットをキャリブレーションするシステム。
  2. 前記トランシーバが無線トランシーバである、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記センサが、前記RPCTの運動方向を割り出す、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記センサが、前記RPCTと前記ロボットアームとの間の相対運動距離を割り出す、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記センサが気密封止され、それによって真空環境へのガス放出を回避する、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記センサが、前記ロボットアームの前記エンドエフェクタ部分及び/又は前記RPCT部分の少なくとも一方に結合された取り外し可能距離センサを備える、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記エンドエフェクタ部分が位置合わせ目的の基準マークを有する、請求項1に記載のシステム。
  8. 放射ビームを生成する照明システムと、
    前記放射ビームにパターンを与える、真空チャンバ内に配置されたパターニングデバイスと、
    前記パターンが与えられたビームを基板のターゲット部分に投影する投影システムと、をさらに備え、
    前記ロボットは、前記真空チャンバ内で前記パターニングデバイスを動かし、前記センサは、前記ロボットが新しい位置へと移動した後、前記移送ステーションに対する前記RPCTの新しい位置を割り出す、請求項1に記載のシステム。
  9. リソグラフィツールの真空チャンバ内でロボットをキャリブレーションする方法であって、
    (a)前記ロボットに対するロボット位置キャリブレーションツール(RPCT)の第一位置を割り出して、その結果、第一距離とし、
    (b)前記ロボットを垂直に動かして、前記RPCTを移送ステーションの運動マウント上の第二位置へと移送し、その結果、前記第二位置に対応する第二距離とし、
    (c)前記第一及び第二距離をコントローラに無線伝送し、
    (d)前記移送ステーションへの移送中に前記RPCTによって移動した前記第一距離と前記第二距離との差に基づいて、オフセットを計算し、
    (e)前記ロボットアームを新しい位置へと動かし、前記コントローラからのフィードバック信号に基づいて新しい距離を測定し、それによって前記新しい位置が前記ロボットのキャリブレーションされた位置を割り出す、
    ことを含む方法。
  10. 前記RPCTと前記移送ステーションとの位置合わせの閾値レベルに適合するために、ステップ(a)から(e)を1回又は複数回繰り返すことをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. リソグラフィツールの真空チャンバ内でオブジェクトを移送する方法であって、
    (a)前記真空チャンバ内でロボットによって担持された前記オブジェクトの第一位置を検出し、
    (b)前記オブジェクトを移送すべき先である移送ステーションの運動マウントの第二位置を検出し、
    (c)前記オブジェクトと前記移送ステーションとの相対位置を割り出し、
    (d)前記相対位置をコントローラに無線伝送し、
    (e)前記移送ステーションに対して、前記オブジェクトを担持する前記ロボットを正確に位置合わせするために、前記コントローラからフィードバック信号を受信し、
    (f)前記フィードバック信号に基づいて、前記ロボットの位置をキャリブレーションし、
    (g)ステップ(f)の後に、前記オブジェクトを前記移送ステーションへと移送する、
    ことを含む方法。
  12. ステップ(f)が、結果として前記ロボットの新しい位置にするために、少なくとも1つの軸線に沿って前記ロボットを動かすことを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 少なくとも1つのプロセッサを制御するために自身上に記録されたコンピュータプログラム論理を有するコンピュータで使用可能な媒体を備えるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラム論理が、
    キャリブレーションツールを担持するロボットの第一位置を検出する第一コンピュータプログラムコード手段と、
    前記キャリブレーションツールを移送すべき先である移送ステーションの運動マウントの第二位置を検出する第二コンピュータプログラムコード手段と、
    前記キャリブレーションツールと前記移送ステーションとの相対位置を割り出す第三コンピュータプログラムコード手段と、
    前記相対位置に関するデータをコンピュータに無線受信する第四コンピュータプログラムコード手段と、
    前記移送ステーションに対して、前記キャリブレーションツールを担持する前記ロボットの前記相対位置を正確に位置合わせするために、フィードバック信号を伝送する第五コンピュータプログラムコード手段と、
    前記フィードバック信号に基づいて、担持する前記ロボットの前記移送された位置をキャリブレーションする第六コンピュータプログラムコード手段と、
    前記キャリブレーションツールを前記移送ステーションへと移送する第七コンピュータプログラムコード手段と、
    を備えるコンピュータプログラム。
  14. プロセッサによって実行されると、前記プロセッサをして、
    (a)リソグラフィツールの真空チャンバ内でロボットに対するロボット位置キャリブレーションツールの第一距離データを生成させ、
    (b)第二距離データを生成するために、前記真空チャンバ内で前記ロボットを移送ステーションに向かって垂直に移動させ、
    (c)前記第一及び前記第二距離データをコントローラに無線伝送させ、
    (d)前記第一距離データと前記第二距離データとの差に基づいて、オフセットを計算させ、
    (e)前記計算されたオフセットに基づいて、前記コントローラからフィードバック信号を無線受信させ、
    (f)前記フィードバック信号に基づいて、前記ロボットを新しい位置に調節させて、前記ロボットのキャリブレーションされた位置を生成させる、命令を含むコンピュータ読み取り可能媒体。
  15. リソグラフィツール内のオブジェクトのハンドオフ位置をキャリブレーションするために、自身内に組み入れられ、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムコードを有するコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、
    前記プロセッサがロボットの第一位置データを生成できるようにする第一コンピュータプログラムコードと、
    前記プロセッサが前記第一位置データをコントローラに無線伝送できるようにする第二コンピュータプログラムコードと、
    前記プロセッサが、前記伝送された第一位置データに基づいて、前記コントローラからフィードバック信号を無線受信できるようにする第三コンピュータプログラムコードと、
    前記プロセッサが、前記フィードバック信号に基づき、前記ロボットの第二位置に合わせて前記ロボットの第一位置を調節できるようにする第四コンピュータプログラムコードと、
    を備え、前記第二位置がキャリブレーションされた位置である、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
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