JP2009252379A - シールドコネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】合成樹脂製の雌雄のハウジング30,70のキャビティ31,75内にはそれぞれ雌雄のシールド端子20,50が挿入される。雌外導体23の内周面には左右一対の接点26が設けられ、両コネクタF,Mが正規嵌合された際には、雄外導体53が雌外導体23の内周に嵌って、一対の接点26が雄外導体53の外周面の接触面58に接触する。雄シールド端子50が圧入される雄ハウジング70のキャビティ75の内壁には、雄外導体53の左右の接触面58の移動経路に沿うようにして、その接触面58を逃がす逃がし溝76が凹み形成されている。
【選択図】図9
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、対応するシールド端子の外導体同士の導通を確実に取れるようにするところにある。
(1)一方のシールド端子の外導体における周壁には、径方向の内外に弾性変位可能な弾性片が形成され、この弾性片の内面に前記接点が設けられている。他方のシールド端子の外導体が、弾性片を外側に弾性変位させつつ一方のシールド端子の外導体の内側に嵌合され、同弾性片の復元弾力で接点が接触面に押圧接触される。外導体同士の嵌合抵抗が小さく抑えられる。
本発明の一実施形態を図1ないし図17に基づいて説明する。
この実施形態では、図1に示すように、互いに嵌合される雌コネクタFと雄コネクタMとを備えている。雌コネクタFは、シールド電線10の端末に設けられた雌側のシールド端子20(以下、雌シールド端子20)が装着されるものであり、一方、雄コネクタMは、プリント基板40の端縁に取り付けられて、同プリント基板40の導電部45,46と接続された雄側のシールド端子50(以下、雄シールド端子50)が装着され、雌雄のコネクタF,Mを嵌合することにより、シールド電線10と対応する導電部45,46同士を接続することに機能する。
以下では、各コネクタF,Mについて、嵌合時に相手コネクタと対向する側を前方として説明する。
シールド電線10は、軸心側から順に、芯線11、絶縁内皮12、編組線13、絶縁外皮14を同心に備えた公知構造のものであり、芯線11は信号線を構成し、編組線13はアース線を構成する。
雌外導体23は、図4ないし図6にも示すように、誘電体22の外周に間隔を開けて嵌着される円筒形をなす接続部24の後部側に、前後2個のバレル25A,25Bが設けられた形状であり、前側のバレル25Aが編組線13に、後側のバレル25Bが絶縁外皮14にそれぞれかしめ圧着されるようになっている。
なお、接続部24の下面の先端寄りの位置には、後記するランス33に係止する係止突起28が形成されているとともに、その後方に、挿入ガイド用の2枚のスタビライザ29が形成されている。
なお、雌ハウジング30の上面には、前縁から後縁側に向けて片持ち状に延出されて弾性変位可能なロックアーム35が設けられている。
雄内導体51は、細長いタブ状に形成され、後端側が一段上がった段差状に形成されている。この雌内導体21が誘電体52内に圧入され、前後両端部51A,51Bを誘電体52の前後両面から突出させた状態で装着されている。
この雄外導体53は、円筒部55における先端側の半分強の領域が、上記した雌外導体23の接続部24と誘電体22との間の環形の隙間内に緊密に嵌合可能となっている。したがって、雄外導体53の円筒部55の左右の外周面における長さ方向のほぼ中央位置でかつ中央高さ位置が、上記した雌外導体23の内周面に設けられた左右の接点26と接触する接触面58となっている(図9参照)。
なお、両圧入突起60の直ぐ後方には、後向きの楔状をなして内方に叩き出された係止突起61が形成されている。
このとき図8に示すように、誘導体52の後面が雄外導体53の後面とほぼ面一に収まり、一方、誘導体52の前面から突出した雄内導体51の前端部51Aが、雄外導体53の円筒部55における前端側の領域内の軸心部に位置するようになっている。また、雄内導体51の後端部51Bの上面と、左右の接触片64の上面とが、同じ高さ位置に来るようになっている。
後記するように、雄シールド端子50がキャビティ75内に圧入された場合の正規の停止位置は、図16に示すように、誘導体52の突部52Aの後面が、本体部71の後面よりも僅かに入った位置であるが、雄シールド端子50がキャビティ75内において正規の停止位置で停止された場合、スタビライザ63とガイド溝78の奥面との間にはクリアランスC1ができる設定となっている。なお、誘電体52の突部52Aと挿通溝77の奥面との間にもクリアランスC2が設けられる。
さらに、フード部72の上側の内壁における端縁部には、雄ハウジング70側のロックアーム35のロック突起35Aが係止する係止突起84が形成されている。
雌コネクタF側では、シールド電線10の端末に雌シールド端子20が接続され、このシールド端子が、図2の矢線に示すように、雌ハウジング30のキャビティ31内に後方から挿入され、正規位置まで押し込まれところで、図1に示すように、ランス33により抜け止め状態に一次係止され、続いてリテーナにより二重係止されて装着される。
押込部材がストロークの前端位置まで進出したら、図1に示すように、雄シールド端子50は、誘導体52の突部52Aの後面が本体部71の後面よりも少し入り込んだ正規位置まで押し込まれ、そののち押込部材は後退する。
このように組み付けられた雄コネクタMは、プリント基板40の端縁に取り付けられる。プリント基板40は表裏反転されて配され、図1に示すように、雄コネクタMは、本体部71を取付凹部41に嵌めつつ表面(同図の下面)に向けて下方から当てる。このとき、取付部73に装着された取付具74が、相手の取付用ランド43の挿入孔42を貫通し、左右の取付部73が、取付凹部41の左右の側縁部に当たって停止され、取付具74の突出部分が取付用ランド43に半田付けされて、雄ハウジング70がプリント基板40の端縁に固定される。
ここで、雄内導体51の後端部51Bが、取付凹部41の奥縁側に設けられた信号用導電部46に、また、雄外導体53に設けられた左右の接触片64がグランド用導電部45にそれぞれ当てられるから、半田付けすることにより導通が取られる。
より具体的には、雄内導体51の先端が、相手の雌内導体21内に前方から進入する。一方、雄外導体53の先端側が、雌外導体23の先端側の内周側に挿入され、弾性片27を弾性変位させつつ進入する。
この間、雌外導体23側の接点26が、雄外導体53の接触面58からその前方の外周面を摺接することになるが、上記のようにそれらの面には、合成樹脂材が一切付着していないから、接点26と対応する接触面58とが直に接触できて、確実に導通を取ることが可能となる。
また、雌シールド端子20の雌外導体23に備えた一方の接点26は、弾性片27上に形成したから、雌雄の外導体23,53同士が嵌合される際の抵抗を小さく抑えた上で、高い接触圧を得ることができる。
それに対してこの実施形態では、雄シールド端子50が、自動圧入機に装備された押込部材によりキャビティ75内に圧入され、かつ同押込部材がストロークの前端位置まで進出したところで、雄シールド端子50が正規位置まで押し込まれるようにし、そのときスタビライザ63がガイド溝78の奥面の手前に留まるようにしている。その結果、雄シールド端子50の片当たりが回避され、軸線が傾いた状態で装着されることが防止される。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、雄シールド端子の雄外導体に設けられた左右一対の接点について、一方は弾性片に形成した場合を例示したが、両接点とも弾性片に形成したり、あるいは両接点とも壁面を直接に叩き出して形成してもよい。
(2)上記実施形態では、接点が左右一対設けられている場合を例示したが、接点は1個だけであったり、逆に3個以上であってもよい。
(3)上記実施形態とは逆に、雄シールド端子における雄外導体の内周面に接点が、雌シールド端子における雌外導体の外周面に、同接点が接触する接触面が形成されている場合にも、本発明は同様に適用できる。
(5)雄コネクタについては、プリント基板に装着される基板用コネクタを例示したが、機器の壁面に装着される機器用コネクタや、シールド電線の端末に接続されるハーネス用コネクタであってもよい。
(6)上記実施形態では単極のコネクタを例示したが、多極のコネクタであってもよい。
M…雄コネクタ
10…シールド電線
20…雌シールド端子
21…雌内導体
22…誘電体
23…雌外導体
26…接点
27…弾性片
30…雌ハウジング
31…キャビティ
40…プリント基板
50…雄シールド端子
51…雄内導体
52…誘電体
53…雄外導体
55…円筒部
58…接触面
60…圧入突起
63…スタビライザ
70…雄ハウジング
75…キャビティ
76…逃がし溝
78…ガイド溝
C1…クリアランス
Claims (4)
- 互い嵌合される一対の合成樹脂製のハウジングを備え、各ハウジングに対向して設けられたキャビティには、内導体の回りに誘電体を介して外導体を配してなるシールド端子がそれぞれ挿入され、一方のシールド端子の外導体は、他方のシールド端子の外導体が内側に嵌合可能でかつ内周面に接点が設けられるとともに、他方のシールド端子は、その外導体がキャビティの前方に突出した状態で装着され、他方のシールド端子の外導体が一方のシールドの外導体内に嵌合されて前記接点と接触することで両外導体の導通が取られるようにしたシールドコネクタにおいて、
他方のシールド端子が挿入される側の前記ハウジングの前記キャビティの内壁には、この他方のシールド端子の外導体の外周面のうち一方のシールド端子の外導体の前記接点と接触する接触面の移動経路に沿うようにして、その接触面を逃がす逃がし溝が凹み形成されていることを特徴とするシールドコネクタ。 - 一方のシールド端子の外導体における周壁には、径方向の内外に弾性変位可能な弾性片が形成され、この弾性片の内面に前記接点が設けられていることを特徴とする請求項1記載のシールドコネクタ。
- 他方のシールド端子の外導体の外周面における前記接触面よりも挿入方向の後方位置には、前記ハウジングの前記キャビティの内壁に食い込んで抜け止めする圧入突起が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のシールドコネクタ。
- 他方のシールド端子の外導体の外周面には、スタビライザが軸線方向に沿った姿勢で突設される一方、前記ハウジングの前記キャビティの内壁には、前記スタビライザを挿通可能なガイド溝が、前記キャビティの入口の開口縁から奥に向けて形成され、かつ他方のシールド端子が正規位置まで挿入された場合に、前記スタビライザと前記ガイド溝の奥面との間にクリアランスが設けられる設定となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のシールドコネクタ。
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