JP2009252282A - 磁気ディスクのクリーニング方法及び装置並びに磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気ディスクに付着している塵埃を効果的に除去し、高品質の磁気転写を実現する。
【解決手段】中心部に孔を有する磁気ディスク10の平坦面に粘着シートの粘着面を接触させた後、平坦面から粘着シートを剥離して、平坦面から塵埃を除去する面クリーニング工程と、表面が粘着材で覆われた粘着ローラ34の粘着面を磁気ディスク10の外周縁面10B及び内周縁面に接触させつつ該粘着ローラ34を外周縁面10B及び内周縁面の全周にわたって回転移動させて、外周縁面10B及び内周縁面から塵埃を除去するエッジクリーニング工程と、を行う。かかるクリーニング工程を経た磁気ディスクと転写用の情報信号に対応する転写パターンを担持したマスター担体とを密着させ、外部から磁界を印加することにより磁気転写を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は磁気ディスクのクリーニング方法及び装置並びに磁気ディスクの製造方法に係り、特にハードディスク装置等に用いられる磁気記録媒体にフォーマット情報等の磁気情報を転写する際の被転写ディスク(スレーブディスク)に付着した塵埃の除去に好適なクリーニング技術及びこれを用いた磁気ディスクの製造方法に関する。
近年、急速に普及しているハードディスクドライブに使用される磁気ディスク(ハードディスク)は、磁気ディスクメーカーよりドライブメーカーに納入された後、ドライブに組み込まれる前に、フォーマット情報やアドレス情報が書き込まれるのが一般的である。この書き込みは、磁気ヘッドにより行うこともできるが、これらのフォーマット情報やアドレス情報が書き込まれているマスターディスクより一括転写する方法(磁気転写)が効率的であり、好ましい(特許文献1、2参照)。
磁気転写技術においては、マスターディスク(転写原盤)とスレーブディスク(被転写体)とを密着させる必要があるが、ディスク間に塵埃があると転写不良となる。この塵埃は、スレーブディスクの製造時や搬送時等に発生したものが当該スレーブディスクに付着して持ち込まれるものがある。このようにディスクに付着してくる塵埃については、転写工程の前に塵埃の有無を検査し、塵埃が付着しているディスクを排除することも可能であるが、かかる方策ではディスクの製造歩留まりを上げることができない。
その一方、従来、ディスクに付着している塵埃を除去するクリーニング技術として、バーニッシュテープ、ワイプテープにより塵埃を除去する方法や、バーニッシュヘッドをディスク上で走査させて塵埃を吹き飛ばす方法、エアブローをディスクに吹き付けて塵埃を吹き飛ばす方法などが知られており、これ以外にもCO洗浄、NiPメッキした基板(ダミーディスク)と密着させて異物を移着させる方法、プラズマ洗浄、スクラブ洗浄、超音波洗浄、ジェット洗浄などがある。
また、半導体ウエハ表面の洗浄処理にあたって、ローラの面に粘着テープをその粘着面が外側になるように巻きつけて、ウエハの表面上を回転移動させる方法や(特許文献3)、テープを媒体表面に接触させてパーティクルを除去する、いわゆるテープクリーニング方式(特許文献4)、磁気ディスク基板に潤滑剤を塗布して、磁性体の薄膜を成膜するときに付着するパーティクルなどのゴミを取り除く方法(特許文献5)など、様々な方法が提案されている。
特開2003−99921号公報 特開2003−272139号公報 特開昭48−35771号公報 特開2002−109730号公報 特開2001−351231号公報
しかしながら、従来のクリーニング技術は、それぞれ欠点がある。すなわち、テープバーニッシュによる方法ではテープエッジでの発塵があり、固い塵埃の場合、除去後にディスク表面上で引きずってキズの原因となり、ワイプテープは小さなゴミを吸着することができない。バーニッシュヘッドによる方法では、ヘッドが走査される領域しかクリーニングできないので、磁気記録媒体のエッジに付着している塵埃を除去することができない。エアブローは吹き飛ばされた塵埃の再付着が懸念され、塵埃剥離力が弱い。
また、ダミーディスクを用いる方法は、1回のクリーニング処理の実施では塵埃の除去能力が低く、生産性が悪い。プラズマ洗浄は、金属の塵埃の除去ができないうえ、マスターディスクの表面の酸化や塵埃の除去速度が遅いという欠点がある。CO洗浄、スクラブ洗浄、超音波洗浄、ジェット洗浄は、いずれも磁気ディスクの表面(潤滑材)を痛めてしまうという問題がある。
更に、磁気転写に特有の課題として、マスターディスクとスレーブディスクを密着させる際に、ディスクが置かれるホルダー内を減圧してディスク間の密着を高める方法が採用される場合に(特許文献1,2)、ディスクの外周端面や内周端面に付着している塵埃が減圧時に密閉空間(減圧空間)を浮遊し、ディスクの記録面上(マスターディスクとの密着面)に移動してしまうという問題がある。このような記録面以外の場所に付着している塵埃の存在も転写不良の原因となり得るため、記録面のみならず、ディスクのあらゆる面(端面等)について塵埃を除去することが必要である。この点、従来のクリーニング方法では、十分に塵埃を除去できない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、磁気ディスクに付着している塵埃を効果的に除去することができる磁気ディスクのクリーニング方法及び装置並びにこれを適用した磁気ディスクの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明に係る磁気ディスクのクリーニング方法は、中心部に孔を有する磁気ディスクのクリーニング方法であって、磁気ディスクの平坦面に粘着シートの粘着面を接触させた後、前記平坦面から前記粘着シートを剥離して、前記平坦面から塵埃を除去する面クリーニング工程と、表面が粘着材で覆われた粘着ローラの粘着面を前記磁気ディスクの外周縁面及び内周縁面に接触させつつ該粘着ローラを前記外周縁面及び内周縁面の全周にわたって回転移動させて、前記外周縁面及び内周縁面から塵埃を除去するエッジクリーニング工程と、を行うことを特徴とする。
本発明によれば、磁気ディスクのディスク面(平坦面)と外周及び内周のエッジから確実に塵埃を除去することができる。なお、エッジクリーニング工程において磁気ディスクの外周縁面に転動させる粘着ローラと、内周縁面に転動させる粘着ローラとは、それぞれ別々のものであってもよいし、共通の粘着ローラを用いてもよい。
また、面クリーニング、外周縁面のクリーニング(外周エッジクリーニング)、内周縁面のクリーニング(内周エッジクリーニング)の各工程を実施する順序は適宜設計可能である。
また、本発明は前記目的を達成するために、中心部に孔を有する磁気ディスクのクリーニング装置であって、粘着シートの粘着面を磁気ディスクの平坦面に接触させ、該平坦面から前記粘着シートを剥離することにより、前記平坦面から塵埃を除去する面クリーニング手段と、表面が粘着材で覆われた粘着ローラの粘着面を前記磁気ディスクの外周縁面及び内周縁面に接触させつつ該粘着ローラを前記外周縁面及び内周縁面の全周にわたって回転移動させて、前記外周縁面及び内周縁面から塵埃を除去するエッジクリーニング手段と、を備えることを特徴とする磁気ディスクのクリーニング装置を提供する。
更に、本発明は前記目的を達成するために、中心部に孔を有する被記録用の磁気ディスクに直流磁界を印加することにより該磁気ディスクの磁性層の初期磁化を行う初期磁化工程と、前記磁気ディスクの平坦面に粘着シートの粘着面を接触させた後、前記平坦面から前記粘着シートを剥離して、前記平坦面から塵埃を除去する面クリーニング工程と、表面が粘着材で覆われた粘着ローラの粘着面を前記磁気ディスクの外周縁面及び内周縁面に接触させつつ該粘着ローラを前記外周縁面及び内周縁面の全周にわたって回転移動させて、前記外周縁面及び内周縁面から塵埃を除去するエッジクリーニング工程と、前記面クリーニング工程及び前記エッジクリーニング工程を経た磁気ディスクと転写用の情報信号に対応する転写パターンを担持したマスター担体とをチャンバー内に配置し、該チャンバー内を減圧することにより前記マスター担体と磁気ディスクを密着させる密着工程と、前記マスター担体と磁気ディスクとを密着させた状態で外部から磁界を印加して、前記情報信号を磁気ディスクの前記磁性層に転写記録する磁気転写工程と、を行うことにより前記情報信号が記録された磁気ディスクを製造することを特徴とする磁気ディスクの製造方法を提供する。
本発明によれば、チャンバー内の減圧を伴う密着工程の前に、面クリーニング工程及びエッジクリーニング工程を実施することにより、被記録用の磁気ディスクのディスク面、外周縁面及び内周縁面の塵埃を効果的に除去することができる。これにより、減圧のエア流でディスク面上に塵埃が移動するという問題を改善でき、信号品質の安定した磁気転写を実現できる。なお、本発明は垂直磁気記録方式、面内(水平)磁気記録方式の何れの方式についても適用可能である。
本発明によれば、ディスク面(平坦面)のみならず、外周及び内周の端面を含む磁気ディスクの全ての面から塵埃を効果的に除去することができる。
また、本発明による磁気ディスクのクリーニング技術を用いて被記録用の磁気ディスクのクリーニングを行った後に、マスター担体との密着及び外部磁界の印加による磁気転写を行うことにより、良好な転写記録が可能となり、高品質の磁気ディスクを製造することができる。
以下、添付図面にしたがって本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔磁気ディスクの製造プロセスの概要〕
初めに、磁気ディスクの製造工程の全体的な流れについて説明する。図1は本発明の実施形態に係る磁気ディスクの製造方法を示す工程図である。ここで説明する磁気ディスクは、ハードディスク装置に用いられる垂直磁気記録媒体であり、磁気転写によって、サーボ信号やアドレス情報信号などが転写記録されるものである。
図1に示すように、まず、スレーブディスク製造工程(ステップS10)において、フォーマット情報やアドレス情報が書き込まれる前の被転写媒体(スレーブ媒体)としての被転写用磁気ディスク(以下「スレーブディスク」という)を製造する。
次いで、上記製造されたスレーブディスクは初期磁化工程(ステップS12)に送られ、この初期磁化工程において、スレーブディスクに対して垂直方向に直流磁界Hi(初期化磁界)を印加し、スレーブディスクの初期磁化を行う。
初期磁化工程後のスレーブディスクは、クリーニング工程(ステップS14)に送られ、このクリーニング工程にて塵埃の除去が行われる。当該クリーニング工程の内容について詳細は後述する。
クリーニング工程を経たスレーブディスクは、検査工程(ステップS16)に搬送され、塵埃の付着の有無が検査される。塵埃の付着が確認されたディスクはクリーニング工程に戻され、再クリーニングが行われる。また、キズ等の欠陥が検出されたディスクや所定回数のクリーニングを実行しても改善しないディスクは、不良品として排除される。
この検査工程(ステップS16)にて判定基準を満たしたディスクのみが、磁気転写工程(ステップS18)へと送られる。
磁気転写工程(ステップS18)では、転写情報(サーボ信号等)を担持したマスターディスクとスレーブディスクを密着させ、初期磁化とは逆方向の磁界(Hd)を印加することにより磁気転写を行う。これにより、スレーブディスクの磁性層にサーボ信号やアドレス情報などが記録される。
その後、転写用の磁界(Hd)の印加を解除してスレーブディスクをマスターディスクから剥離することで、サーボ信号等が記録された垂直磁気記録媒体を得る。
なお、クリーニング工程を初期磁化工程の前に実施する態様も可能である。
以下に、図1に示した各工程ついて詳説する。
〔スレーブディスク製造工程の説明〕
図2は、図1のスレーブディスク製造工程(ステップS10)により作製されたスレーブディスク10の模式断面図である。
本例のスレーブディスク10は、円盤状の基板の表面の片面或いは、両面に垂直磁化膜からなる磁性層が形成されたものであり、具体的には、高密度ハードディスク等が挙げられる。
図2に示すように、スレーブディスク10は、ガラスなど非磁性の基板12上に、軟磁性層(軟磁性下地層;SUL)13、非磁性層(中間層)14、磁性層(垂直磁気記録層)16が順次積層形成された構造からなり、磁性層16の上は更に保護層18と潤滑層19とで覆われている。なお、ここでは、基板12の片面に磁性層16を形成した例を示すが、基板12の表裏両面に磁性層を形成する態様も可能である。
円盤状の基板12は、ガラスやAl(アルミニウム)等の非磁性材料から構成されており、この基板12上に軟磁性層13を形成した後(軟磁性層形成工程)、非磁性層14(非磁性層形成工程)を形成し、更に磁性層16を形成する(磁性層形成工程)。
軟磁性層13は、磁性層16の垂直磁化状態を安定させ、記録再生時の感度を向上させるために有益である。軟磁性層13に用いられる材料は、CoZrNb、FeTaC、FeZrN、FeSi合金、FeAl合金、パーマロイなどFeNi合金、パーメンジュールなどのFeCo合金等の軟磁性材料が好ましい。この軟磁性層13は、ディスクの中心から外側に向かって半径方向に(放射状に)磁気異方性が付けられている。
軟磁性層13の厚さは、50nm〜2000nmであることが好ましく、80nm〜400nmであることが更に好ましい。
非磁性層14は、後に形成する磁性層16の垂直方向の磁気異方性を大きくする等の理由により設けられる。非磁性層14に用いられる材料は、Ti(チタン)、Cr(クロム)、CrTi、CoCr、CrTa、CrMo、NiAl、Ru(ルテニウム)、Pd(パラジウム)等が好ましい。非磁性層14は、スパッタリング法により上記材料を成膜することにより形成される。非磁性層14の厚さは、10nm〜150nmであることが好ましく、20nm〜80nmであることが更に好ましい。
磁性層16は、垂直磁化膜(磁性膜内の磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向したもの)により形成されており、この磁性層16に情報が記録される。磁性層16に用いられる材料は、Co(コバルト)、Co合金(CoPtCr、CoCr、CoPtCrTa、CoPtCrNbTa、CoCrB、CoNi等)、Fe、Fe合金(FeCo、FePt、FeCoNi等)等が好ましい。これらの材料は、磁束密度が大きく、成膜条件や組成を調整することにより垂直の磁気異方性を有している。磁性層16は、スパッタリング法により上記材料を成膜することにより形成される。磁性層16の厚さは、10nm〜500nmであることが好ましく、20nm〜200nmであることが更に好ましい。
本実施の形態では、スレーブディスク10の基板12として、外形65mmの円盤状のガラス基板を用い、スパッタリング装置のチャンバー内にガラス基板を設置し、1.33×10−5Pa(1.0×10−7Torr)まで減圧した後、チャンバー内にAr(アルゴン)ガスを導入し、チャンバー内にあるCoZrNbターゲットを用い、同じくチャンバー内の基板の温度を室温として、80nm厚のSUL第1層をスパッタリング成膜する。次にその上に、チャンバー内にあるRuターゲットを用いて0.8nmのRu層をスパッタリング成膜する。更にその上に、CoZrNbターゲットを用い、80nm厚のSUL第2層をスパッタリング成膜する。こうしてスパッタ成膜されたSULを、半径方向に50Oe以上の磁場を印加した状態で200℃まで昇温し室温に冷却する。
次に、CrTiターゲットを用い、基板温度が200℃の条件の下で放電させることによりスパッタリング成膜をおこなう。これによりCrTiからなる非磁性層14を60nm成膜する。
この後、上記と同様にArガスを導入し、同じチャンバー内にあるCoCrPtターゲットを用い、同じく基板温度が200℃の条件の下で放電させることによりスパッタリング成膜をおこなう。これによりCoCrPtからなる磁性層16を25nm成膜する。
以上のプロセスにより、ガラス基板に、軟磁性層、非磁性層と磁性層が成膜された被転写用磁気ディスク(スレーブディスク)10を作製した。
〔初期磁化工程〕
スレーブディスク10の初期磁化(直流磁化)は、スレーブディスク10のディスク面に対し垂直に直流磁界を印加することができる装置(不図示の磁界印加手段)により初期化磁界Hiを発生させることにより行う。具体的には、初期化磁界Hiとしてスレーブディスク10の保磁力Hc以上の強度の磁界を発生させることにより行う。この初期磁化工程(図1のステップS12)により、図3に示すように、スレーブディスク10の磁性層16について、ディスク面と垂直な一方向に初期磁化Piさせる。なお、この初期磁化工程は、スレーブディスク10を磁界印加手段に対し相対的に回転させることにより行ってもよい。
〔クリーニング工程の説明〕
次に、図4〜6を用いて、図1のクリーニング工程(ステップS14)について説明する。クリーニング工程は、ディスクの平坦面(記録面)に付着した塵埃等を除去する面クリーニング工程(図4参照)と、ディスクの外周端面及び内周端面に付着した塵埃等を除去するエッジクリーニング工程(図5、図6参照)とを含んで構成される。
(面クリーニング工程について)
図4は面クリーニング工程に用いられるクリーニングヘッド20の構成図である。面クリーニング工程では、クリーニングヘッド20に固定された粘着シート24の粘着面(粘着材が全面にわたって付与されている面)24Aをスレーブディスク10のディスク面(記録面)10Aに密着させ、所定時間経過後に粘着シート24をスレーブディスク10から剥離する。このスレーブディスク10と粘着面24Aとの密着及び剥離を所定回数繰り返すことで、スレーブディスク10のディスク面10Aから塵埃が除去される。
具体的には、スレーブディスク10は、ハンドリングロボット等の搬送手段を用いてストッカーから粘着シート24の粘着面24Aと対向する位置に搬送され、ディスク面10A(クリーニング対象面)が粘着面24Aと対向する状態で固定される。
次に、粘着シート24を保持したクリーニングヘッド20を図4に白抜き矢印A−A’で示したA方向に移動させて、粘着シート24の粘着面24Aをスレーブディスク10のディスク面10Aに密着させる。その後、クリーニングヘッド20を白抜き矢印AA’のA’方向に移動させて、スレーブディスク10のディスク面10Aから粘着シート24を離間させる。このとき、スレーブディスク10のディスク面10Aに貼り付けた粘着シート24を塵埃に対して可能な限りのディスク面10Aと略平行な方向に外力をかけながら剥がすことが好ましい。所定の外力を付加しながらディスク面10Aから粘着シート24を剥離することにより、ディスク面10Aに強固に付着している異物も除去することができ、異物除去の効率化が可能である。
なお、本例ではスレーブディスク10に対してクリーニングヘッド20を移動させる形態を説明するが、両者は相対的に移動可能であればよく、例えば、クリーニングヘッド20側を固定し、スレーブディスク10をA方向及びA’方向に移動させる構成も可能である。
このようにして、スレーブディスク10と粘着シート24との密着及び剥離により、スレーブディスク10のディスク面10Aのクリーニングが行われる。なお、スレーブディスク10と粘着シート24との密着及び剥離は1回のみでよい。
スレーブディスク10と粘着シート24との剥離速度は、糊残りを抑制するために1〜10(mm/秒)とするとよい。但し、使用する粘着シート24の種類によって剥離速度の最適値が異なるので、最適となる条件を確認した上で、当該最適な剥離速度が適用される。
スレーブディスク10の一方の面のクリーニングが終了した後に、一旦、スレーブディスク10と粘着シート24を離間させ、スレーブディスク10を反転させてから、他方の面(反対側の面)に対しても、上記と同様のクリーニング工程を行うことにより、ディスク両面のクリーニングが行われる。
また、両面のクリーニングを行う他の態様として、図4に示したクリーニング用の粘着シートを2つ備え、それぞれの粘着シート24の粘着面24Aが所定の間隔を離して対向するように2つの粘着シート24を配置し、スレーブディスク10を2つの粘着シート24の間に移動させ、または粘着シート24側を移動させることにより、2つの粘着シート24を交互に(または、同時に)スレーブディスク10の一方の面及び他方の面に接触/離間させる態様も可能である。
粘着シート24には、例えば、BT−150E−KL(日東電工社製)が好適に用いられる。本例に適用される粘着シートに必要な性能として、数回にわたってスレーブディスク10と粘着シート24との密着及び剥離を繰り返すので、再剥離性が良いことが望ましい。良好な再剥離性を有していない粘着シートを用いると、スレーブディスク10と粘着シート24とを剥離したときに、スレーブディスク10に粘着シート24の粘着材が付着してスレーブディスク10を粘着材によって汚染してしまうからである。
また、クリーニングヘッド20における粘着シート24のスレーブディスク10を密着させる部分の面積は、図4のように、スレーブディスク10のディスク面10Aの面積を超える大きさに構成される。図4に例示するような長尺の粘着シート24を巻いたロールから粘着シート24の一部を引き出して使用する場合には、粘着シート24の短手方向の長さ及びロールから粘着シート24を引き出す長さは、スレーブディスク10の直径を超えるように決められる。
所定回数のクリーニングを行った粘着シート24は、スレーブディスク10から除去した塵埃が粘着面24Aに付着してしまうので、適宜交換される。例えば、クリーニング回数を計測する計測手段を備え、計測手段によって計測されたクリーニング回数が所定の値を超えると、粘着シート24を交換するように構成するとよい。クリーニング回数は、クリーニング処理を施したスレーブディスクの枚数(クリーニング処理を施した面の数)としてもよいし、クリーニングヘッド20の往復動作の回数としてもよい。
本例では、ロール状に巻かれた供給側の粘着シート(供給側ロール26)から粘着シート24を引き出し、引き出された粘着シート24を巻き取り側の回収側ロール28に巻き、供給側ロール26と回収側ロール28との間の粘着シート24をスレーブディスク10のクリーニングに使用する。粘着シート24を交換するときには、クリーニングに用いた粘着シート24を回収側ロールに巻き、供給側のロール26から新しい粘着シート24が引き出される。
すなわち、計測手段の計測値(クリーニング回数)が所定の値を超えると、回収側ロール28を支持する支持部材(不図示)を回動させてクリーニングに用いた粘着シート24を回収側ロール28へ回収するとともに、供給側ロール26を支持する支持部材(不図示)を回動させて新しい粘着シート24を供給する。図4には、符号Bで供給側ロール26の回動方向を図示し、符号Cで回収側ロール28の回動方向を図示し、粘着シート24の移動方向を矢印線Dで図示する。
なお、本例では、ロール状の粘着シートをロールから引き出して使用する態様を示したが、所定の形状及び所定のサイズにカットされた粘着シートを用いることも可能である。
また、粘着シート24のエッジ部分は粘着シート24の加工や搬送による屑が付着しているので、ロール状、シート状どちらの形態を適用する場合にも、粘着シート24のエッジ部分とスレーブディスク10のクリーニング面との接触を避ける形態が適用される。
(エッジクリーニング工程について)
次に、スレーブディスク10のディスクエッジ面(外周縁面及び内周縁面)のクリーニング方法について説明する。
図5はスレーブディスク10の外周縁面10Bをクリーニングする工程(外周エッジクリーニング工程)を模式的に図示した図であり、図6はスレーブディスク10の内周縁面10Cをクリーニングする工程(内周エッジクリーニング工程)を示した図である。
なお、ここでは、「外周エッジクリーニング工程(図5)」を先に実施し、その後「内周エッジクリーニング工程(図6)」を実施する例を説明するが、実施順序は特に限定されず、「内周エッジクリーニング工程(図6)」を先に実施し、その後「外周エッジクリーニング工程(図5)」を実施してもよい。
図5及び図6に示すように、エッジクリーニング工程に用いるクリーニングヘッド30は、粘着シート32の粘着面32Aが外側になるように巻き付けられたローラ34(以下「粘着ローラ」という)と、該粘着ローラ34を回転可能に支持するシャフト36と、粘着ローラ34をスレーブディスク10の外周縁面10B、及び内周縁面10Cに沿って移動させる不図示の移動機構と、を備えて構成される。
図4で説明した面クリーニング工程が終わると、図5に示す外周エッジクリーニング工程に進み、粘着ローラ34をスレーブディスク10の外周縁面10Bに接触回転させながら、外周縁面10Bに沿って粘着ローラ34を移動させることにより外周縁面10Bの塵埃を除去するクリーニングが行われる。
すなわち、外周エッジクリーニング工程では、まず、スレーブディスク10及びクリーニングヘッド30の少なくとも一方を移動させることにより、スレーブディスク10の外周縁面10Bに粘着ローラ34の外側面(粘着面32A)を接触させる。そして、粘着ローラ34に一定の押し付け力を付与して、粘着ローラ34をスレーブディスク10の外周縁面10Bに接触させた状態を維持しつつ、該粘着ローラ34を図5中の矢印Eで示す回転方向に回転(シャフト36を中心に回転)させながら、スレーブディスク10の外周縁面10Bの全周にわたって図5の矢印Fで示す移動方向に粘着ローラ34を移動(外周縁面10Bに沿って転動)させる。
なお、矢印Eで示す粘着ローラ34の回転は、矢印Fで示す粘着ローラ34の移動に伴って従動回転する構成であってもよいし、モータ等の動力源から回転駆動力を付与する構成(自転)であってもよい。
こうして、スレーブディスク10の外周縁面10Bの全周(少なくとも1周分)にわたって粘着ローラ34が転動することで、スレーブディスク10の外周縁面10Bに付着した塵埃が粘着ローラ34に付着し、スレーブディスク10から除去される。
外周エッジクリーニング工程においても、粘着ローラ34とスレーブディスク10との剥離速度は、糊残り抑制のため1〜10(mm/秒)とすることが好ましい。但し、使用する粘着テープによって剥離速度の最適値が異なるので、最適となる条件を確認した上で、当該最適な剥離速度が適用される。
このとき、粘着ローラ34の外側面である粘着シート32の粘着面32Aと、スレーブディスク10の外周縁面10Bと、を確実に接触させるために、粘着シート32は所定の弾性を有していることが好ましい。また、粘着ローラ34の幅はスレーブディスク10の外周縁面10Bの幅(スレーブディスク10の厚み)を超えるように構成される。
エッジクリーニングのクリーニングヘッド30に用いられる粘着シート32も再剥離性が良いものが好ましく、粘着ローラ34に巻き付けられる粘着シート32には、例えば、BT−150E−KL(日東電工社製)が好適に用いられる。
図5に示す粘着ローラ34は、粘着シート32が複数回にわたって巻かれた構造を有し、所定回数のクリーニングが行われると、粘着ローラ34の1周分の粘着シート32が切り取られ、新しい粘着シート32(新しい粘着面32A)が最外表面(粘着ローラ34の外側面)に露出するように構成されている。なお、粘着ローラ34の1周分の粘着シート32が切り取られると、粘着ローラ34の外径が次第に小さくなるため、粘着ローラ34とスレーブディスク10との接触を確実に行う観点から、切り取られる粘着シートの厚み分だけ粘着ローラ34とスレーブディスク10との距離を小さくするように、不図示の調整機構によって粘着ローラ34とスレーブディスク10との距離が調整される。
図5で説明した外周エッジクリーニング工程が終了すると、続いて、図6に示すように、クリーニングヘッド30をスレーブディスク10の内周縁面10Cと対向する位置(スレーブディスク10の中央部に形成されている孔10Dの内部)に移動させて、スレーブディスク10の内周縁面10Cのクリーニング(内周エッジクリーニング工程)が行われる。
図6に示す内周エッジクリーニング工程は、クリーニング対象が内周エッジであるという点を除いて、図5で説明した外周エッジクリーニング工程と同様である。すなわち、図6に示す内周エッジクリーニング工程では、粘着ローラ34の外側面に巻き付けられた粘着シート32の粘着面32Aをスレーブディスク10の内周縁面10Cに接触させるように、クリーニングヘッド30を移動させる。そして、粘着ローラ34に一定の押し付け力を付与して、粘着ローラ34をスレーブディスク10の内周縁面10Cに接触させた状態を維持しつつ、図5中に符号Gで示す回転方向に粘着ローラ34を回転(従動又は自転)させながら、スレーブディスク10の内周縁面10Cの全周にわたって、図6中に符号Hで示す移動方向に一定速度で粘着ローラ34を移動(内周縁面10Cに沿って転動)させる。これにより、スレーブディスク10の内周縁面10Cに付着した塵埃が除去される。
内周エッジクリーニング工程においても、粘着ローラ34とスレーブディスク10との剥離速度は、糊残り抑制のため1〜10(mm/秒)とすることが好ましい。但し、使用する粘着テープによって剥離速度の最適値が異なるので、最適となる条件を確認した上で、当該最適な剥離速度が適用される。
本例では、外周エッジクリーニング工程(図5)と内周エッジクリーニング工程(図6)とで共通のクリーニングヘッド30を用いたが、それぞれの工程で別々のヘッドを用いることも可能である。
内周縁面10Cのクリーニングにおいても、所定回数のクリーニングが行われた後には、粘着シート32を交換することが好ましい。内周縁面10Cのクリーニングにおいても外周縁面10Bのクリーニングと同様の方法によって粘着シート32を交換可能である。
上述したように、クリーニング工程(図1のステップS14)では、面クリーニング工程(図4)によりスレーブディスク10の平坦面(記録面)の塵埃除去が行われ、外周エッジクリーニング工程(図5)及び内周エッジクリーニング工程(図6)によってスレーブディスク10の外周縁面10B及び内周縁面Cの塵埃除去が行われ、スレーブディスク10のすべての面の塵埃が確実に除去される。
なお、外周縁面10B及び内周縁面10Cのクリーニングに用いたクリーニングヘッド30と同様の構成をディスク面10A(平坦面)のクリーニングに適用してもよい。ディスク面10Aと、外周縁面10B及び内周縁面10Cのクリーニング方法を共通化することで、スレーブディスク10のあらゆる面について効率的なクリーニングが実現される。
〔検査工程の説明〕
次に、検査工程(図1のステップS16)について説明する。クリーニング工程(ステップS14)が終了したスレーブディスク10は、検査工程(ステップS16)において、ディスク面10A(両面)及び外周縁面10B、内周縁面10Cに塵埃の付着やキズ等の欠陥がないかどうかが検査される。
例えば、被検査領域を撮像するCCDなどの撮像素子と、撮像素子から得られた撮像信号に所定の処理を施す画像処理部と、画像処理部によって処理された信号(画像)を解析して被検査領域の付着物の有無を判断する画像解析部と、を備えた検査装置(検査手段)によってスレーブディスク10の検査が行われる。なお、検査工程には、他の光学的手法を適用することも可能である。
検査工程において、磁気転写に問題となる付着物が付着していると判断されたスレーブディスク10は、クリーニング工程(図1のステップS14)に戻されて、再びクリーニング処理が施される。一方、検査工程において、磁気転写に問題となる付着物が付着していないと判断されたスレーブディスク10は磁気転写工程(図1のステップS18)に送られる。なお、所定回数のクリーニングを行っても付着物が付着していると判断されるスレーブディスク10は製造ラインからはじかれ、廃棄される。
〔磁気転写工程〕
次に、磁気転写工程について説明する。
図7は、磁気転写装置においてスレーブディスクとマスターディスクとを密着させる手段としてのホルダーの構造例を示す断面図である。
このホルダー40(「チャンバー」に相当)は、接離移動可能な下側チャンバー(ベースチャンバー)42と上側チャンバー(押圧チャンバー)44とを備え、両者の接近に伴いシール部材46により密閉形成される内部空間に、スレーブディスク10とマスターディスク(「マスター担体」に相当)50とを両者の中心位置を合わせた状態で対峙密着させる。
下側チャンバー42はマスターディスク50の外径より大きい円形状の上面42aを有し、この上面42aの中央部にマスターディスク50の下面を吸着や接着などにより保持する。上側チャンバー44はスレーブディスク10の外径より大きい下面44aを有し、この下面44aにシート状の弾性部材52が取り付けられ、この弾性部材52を介してスレーブディスク10を保持する。
弾性部材52はスレーブディスク10の背面(図7における上面)に接触してスレーブディスク10の背面側からスレーブディスク10を押圧するもので、弾性特性を有する材料により円盤状に形成され、上側チャンバー44に保持(例えば、接着固定)される。弾性特性を有する材料としては、シリコンゴム、ポリウレタンゴム、フッ素ゴム、ブタジエンゴム、テフロン(登録商標)ゴム、バイトンゴムなど一般的なゴムや、スポンジゴム等の発泡樹脂などが使用できる。
上側チャンバー44は図の上下方向に下側チャンバー42に対して接離移動可能であり、スレーブディスク10をマスターディスク50上に押圧して密着させるようになっている。なお、スレーブディスク10はマスターディスク50上にセットするようにしてもよい。
下側チャンバー42の外周には図の上方に突出する鍔部42bが設けられ、上側チャンバー44の外周には図の下方に突出する鍔部44bが設けられている。上側チャンバー44の鍔部44bの外周面の径は、下側チャンバー42の鍔部42bの内周面の径より小さく、下側チャンバー42の鍔部42bの内周側に、上側チャンバー44の鍔部44bが挿入可能に設けられている(逆の大小関係にあってもよい)。そして、上側チャンバー44の鍔部44bの外周にOリングによるシール部材46が装着され、このシール部材46は上側チャンバー44を下側チャンバー42側に移動させた際に、下側チャンバー42の鍔部42bの内周面に摺接して、接離移動方向(軸方向)と平行な面同士のシールを行って両チャンバー42,44間の内部空間を密閉する。なお、シール部材46は下側チャンバー42に装着してもよい。上記シール部材46により内部空間を密閉した状態で、下側チャンバー42と上側チャンバー44との接離移動が可能に設けられている。また、スレーブディスク10、マスターディスク50、弾性部材52の厚みが変化してスレーブディスク10とマスターディスク50との密着高さが変更しても、密閉状態を確保できる。
下側チャンバー42の底面および上側チャンバー44の上面には、それぞれ回転軸部42c,44cが突設されている。この下側チャンバー42および上側チャンバー44は図示しない回転機構に連係されて一体に回転駆動される。また、下側チャンバー42の鍔部42bより内周側でマスターディスク50より外周部の上面42aには、排気口27aが開口されている。この排気口27aに連通するエア通路27bが下側チャンバー42内に形成され、回転軸部31cのエア通路27cを通して外部に導出され、不図示の真空ポンプ(真空吸引手段)に接続されている。この真空ポンプによるエアの排出により、下側チャンバー42と上側チャンバー44とで形成される密閉空間を所定の真空度(例えば、50〜100kPaの範囲の値)に制御する。これにより、スレーブディスク10とマスターディスク50とが所定の密着圧力となるように設定され、両ディスクの密着性が高められる。なお、図示しないが、上側チャンバーにも同様に排気口を形成して、内部空間の真空吸引を行うようにしてもよい。また、ティスクの中心部に排気口を設け、ディスクの内周部分から真空吸引を行う態様も可能である。
更に、密着力を強化するために、ホルダー40を外部から機械的に加圧する押圧手段(例えば、加圧シリンダーによって上側チャンバー44又は下側チャンバー42に所定の押圧荷重を印加する構成)を備えてもよい。
このように、スレーブディスク10をマスターディスク50と密着させた状態で、スレーブディスク10の初期磁化方向と逆向きの転写用磁界を印加して磁気転写を行う。本実施形態によれば、磁気転写工程の密着工程の前に、クリーニング工程(ステップS14)によって、スレーブディスク10のディスク面10A、外周縁面10B、及び内周縁面10Cの全ての面について塵埃が確実に除去されているので、密閉工程における吸引(ホルダー内の減圧)を実施しても、スレーブディスク10とマスターディスク50との接触面に塵埃が移動することがなく、良好な密着状態を得ることができる。
なお、図7の例では、スレーブディスク10の片面のみにマスターディスク50を密着させる構成を示したが、ディスク両面に磁性層(記録層)が形成された転写用磁気ディスク(スレーブディスク)について、両面から同時にマスターディスクを密着させる構成も可能である。この場合、両面を同時転写することができる利点がある。
図8にマスターディスク50の平面図を示す。マスターディスク50は中心部に孔50aが開口された剛体による円盤状ディスクに形成されている。このマスターディスク50は、基板上に形成された微細凹凸パターンの軟磁性体が被覆されてなり、当該凹凸パターン面がスレーブディスク10に密着される転写パターンが形成された転写情報担持面50bとなる。この転写情報担持面50bと反対側の面(裏面側)が下側チャンバー42に真空吸着保持される。
マスターディスク50の基板としては、ニッケル、シリコン、石英板、ガラス、アルミニウム、合金、セラミックス、合成樹脂等を使用する。凹凸パターンの形成は、スタンパー法等によって行われる。軟磁性体の形成は、磁性材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜手段、メッキ法などにより成膜する。
また、マスターディスク50の軟磁性体層(磁性層)の上にダイヤモンドライクカーボン等の保護膜や、更に、保護膜上に潤滑剤層を設けてもよい。マスターディスク50は、スレーブディスク10と密着させた際に磁性層が傷つきやすく、マスターディスク50として使用できなくなってしまうことを防止するためである。また、潤滑剤層は、スレーブディスク10との接触の際に生じる摩擦による傷の発生などを防止し、耐久性を向上させる効果がある。
具体的に、保護膜として、厚さが5〜30nmのカーボン膜を形成し、更にその上に潤滑剤層を形成した構成が好ましい。また、磁性層と保護膜との密着性を強化するため、磁性層上にSi等の密着強化層を形成し、その後に保護膜を形成してもよい。
なお、垂直記録方式と面内記録方式とで、ほぼ同様のマスターディスク50が使用される。
転写情報がサーボ信号の場合は、マスターディスク50の情報担持面50bには、図8に示すように、転写情報に対応して、ディスク中心部から等間隔でほぼ放射方向(図示の場合は、若干湾曲している)に延びる細幅の領域にサーボパターン54(転写パターン)が部分的に形成されている。このサーボパターン54の部分がスレーブディスク10との密着が要求される部分であり、磁気転写によりサーボパターン54に対応する磁化パターンをスレーブディスク10に転写記録する。
図9は、磁気転写に用いられる磁気転写装置の構成例を示した模式図である。磁気転写装置は、コア62にコイル63が巻きつけられた電磁石からなる磁界印加手段60を有するものであり、このコイル63に電流を流すことによりギャップ64において、密着させたマスターディスク50とスレーブディスク10に対し垂直に磁界を発生する構造になっている。発生する磁界の向きは、コイル63に流す電流の向きによって変えることができる。したがって、この磁気転写装置によって、スレーブディスク10の初期磁化を行うことも、磁気転写を行うことも可能である。
この磁気転写装置により初期磁化させた後、磁気転写を行う場合には、磁界印加手段(磁気印加装置)60のコイル63に、初期磁化したときにコイル63に流した電流の向きと逆向きの電流を流す。これにより、初期磁化の際の磁化向きとは反対の向きに記録用磁界を発生させることができる。
磁気転写工程では、スレーブディスク10及びマスターディスク50を密着させたものを回転させつつ、磁界印加手段60によって記録用磁界Hdを印加し、マスターディスク50に記録されている突起状のパターンからなる情報をスレーブディスク10の磁性層16に磁気転写するため、磁気転写装置には不図示の回転手段が設けられている。なお、この構成以外にも、磁界印加手段60を回転させる機構を設け、スレーブディスク10及びマスターディスク50に対し、相対的に回転させる手法であってもよい。
図9に示すように、転写すべき情報に対応した凹凸パターン(転写パターン)を有するマスターディスク50をスレーブディスク10に密着させた状態で、記録用磁界Hdを印加すると、この印加された磁界は、マスターディスク50の転写パターンにおけるスレーブディスク10に密着した軟磁性体による凸部パターン54aに吸い込まれ、凸部上面では磁束Gが強くなる。一方、マスターディスク50の凹部54bに対応する部分は磁束が弱くなる。このため、凸部と接触する部分のスレーブディスク10の磁化(初期磁化)が反転し、その他の部分(凹部に対応する部分)は初期磁化の向きがそのまま維持される。
その結果、スレーブディスク10の磁性層にはマスターディスク50の転写パターン(凹凸パターン)に応じた磁化パターンが転写記録される。本実施の形態では、記録用磁界Hdは、本実施の形態に用いられるスレーブディスク10の磁性層16の保磁力Hcの75〜125%、好ましくは、85〜115%の強度の磁界を印加することにより磁気転写を行う。
これにより、図10に示すように、スレーブディスク10の磁性層16には、サーボ信号等の磁気パターンの情報が、初期磁化Piの反対向きの磁化となる記録磁化Pdとして記録される。
なお、本発明の実施に際して、マスターディスク50の情報担持面50bに形成された突起状のパターンは、転写情報に対応するポジパターンと反対のネガパターンであってもよい。この場合、初期化磁界Hiの方向及び記録用磁界Hdの方向を各々逆方向にすることにより、スレーブディスク10の磁性層16に、同様の磁化パターンを磁気転写することができるからである。また、本実施の形態では、磁界印加手段は、電磁石の場合について説明したが、同様に磁界が発生する永久磁石を用いても良い。
上記実施形態では、垂直記録を例示したが、磁化の記録方向がディスクの面内方向と平行な面内(水平)記録の場合についても同様に適用できる。ただし、面内記録の場合は、初期磁化の方向や転写時における印加磁界の方向が垂直記録の場合とは相違する。
上述した本発明の実施形態による磁気ディスクの製造方法によれば、スレーブディスク10のディスク面(記録面)10A及び外周縁面10B、内周縁面10Cの付着物を確実に除去することによって、スレーブディスク10とマスターディスク50との好ましい密着状態を得ることができ、密着不良による信号抜けや信号変形に起因する記録(転写)不良が回避され、好ましい転写記録が実現される。
本発明は、磁気記録媒体の製造に用いられる磁気転写用の磁気ディスク(スレーブディスク)のクリーニング技術として好ましく適用できるが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、転写原盤と被転写体とを密着させて、磁気情報や形状等の情報を転写する任意の転写装置に適用可能である。
本発明の実施形態に係る磁気ディスク製造方法の流れを示す工程図 スレーブディスク模式断面図 初期磁化工程後の磁性層(記録層)の磁化方向を示す断面図 図1のクリーニング工程における面クリーニング工程に用いるクリーニングヘッドの構成を示す図 図1のクリーニング工程における外周エッジクリーニング工程を説明する図 図1のクリーニング工程における内周エッジクリーニング工程を説明する図 磁気転写装置におけるホルダーの構造例を示す断面図 マスターディスクの平面図 磁気転写工程に用いる磁界印加装置の概略構成図 磁気転写工程後のスレーブディスク磁性層の磁化方向を示した模式断面図
符号の説明
10…スレーブディスク、10A…ディスク面、10B…外周縁面、10C…内周縁面、20,30…クリーニングヘッド、24,32…粘着シート、34…粘着ローラ、40…ホルダー、50…マスターディスク

Claims (3)

  1. 中心部に孔を有する磁気ディスクのクリーニング方法であって、
    磁気ディスクの平坦面に粘着シートの粘着面を接触させた後、前記平坦面から前記粘着シートを剥離して、前記平坦面から塵埃を除去する面クリーニング工程と、
    表面が粘着材で覆われた粘着ローラの粘着面を前記磁気ディスクの外周縁面及び内周縁面に接触させつつ該粘着ローラを前記外周縁面及び内周縁面の全周にわたって回転移動させて、前記外周縁面及び内周縁面から塵埃を除去するエッジクリーニング工程と、
    を行うことを特徴とする磁気ディスクのクリーニング方法。
  2. 中心部に孔を有する磁気ディスクのクリーニング装置であって、
    粘着シートの粘着面を磁気ディスクの平坦面に接触させ、該平坦面から前記粘着シートを剥離することにより、前記平坦面から塵埃を除去する面クリーニング手段と、
    表面が粘着材で覆われた粘着ローラの粘着面を前記磁気ディスクの外周縁面及び内周縁面に接触させつつ該粘着ローラを前記外周縁面及び内周縁面の全周にわたって回転移動させて、前記外周縁面及び内周縁面から塵埃を除去するエッジクリーニング手段と、
    を備えることを特徴とする磁気ディスクのクリーニング装置。
  3. 中心部に孔を有する被記録用の磁気ディスクに直流磁界を印加することにより該磁気ディスクの磁性層の初期磁化を行う初期磁化工程と、
    前記磁気ディスクの平坦面に粘着シートの粘着面を接触させた後、前記平坦面から前記粘着シートを剥離して、前記平坦面から塵埃を除去する面クリーニング工程と、
    表面が粘着材で覆われた粘着ローラの粘着面を前記磁気ディスクの外周縁面及び内周縁面に接触させつつ該粘着ローラを前記外周縁面及び内周縁面の全周にわたって回転移動させて、前記外周縁面及び内周縁面から塵埃を除去するエッジクリーニング工程と、
    前記面クリーニング工程及び前記エッジクリーニング工程を経た磁気ディスクと転写用の情報信号に対応する転写パターンを担持したマスター担体とをチャンバー内に配置し、該チャンバー内を減圧することにより前記マスター担体と磁気ディスクを密着させる密着工程と、
    前記マスター担体と磁気ディスクとを密着させた状態で外部から磁界を印加して、前記情報信号を磁気ディスクの前記磁性層に転写記録する磁気転写工程と、
    を行うことにより前記情報信号が記録された磁気ディスクを製造することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
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