JP2009250251A - ボールジョイントおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】信頼性が高く低コストで製造できるボールジョイントを提供することを目的とする。
【解決手段】ボールジョイント10は、円柱状のスタッド部110と、側面が球状でかつ中心をスタッド部110の軸線O上に位置させるボール部120とを有するボールスタッド100と、ボール部120の側面の形状と相似形状の球部310を有しかつ中心をスタッド部110の軸線O上に位置させ、ボール部120を覆う樹脂製の樹脂ボール部材300と、樹脂ボール部材300と相対回転自在にかつ揺動自在に嵌合する球面状の凹部212を有するボールシート210とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車両に搭載されるスタビライザーに備えられるボールジョイントおよびその製造方法に関する。
例えば車両の懸架機構部におけるスタビライザーとショックアブソーバとの接続部や、スタビライザーとサスペンションアームとの接続部などのように、互いに相対変位する2つの部分を回転可能にかつ揺動可能に接続するために、例えば特許文献1に記載されているようなボールジョイントが用いられている。
特許文献1のボールジョイントは、スタッド部およびボール部を有するボールスタッドと、ボールスタッドのボール部が圧入されベアリング機能を有するボールシートと、ボールシートを圧入するハウジング部と、ボールシートとボールスタッドのボール部との間で行われる摺動および揺動運動を阻害する異物が侵入しないようにダストカバーを備えていた。
従来のボールジョイントは、ダストカバーから露出するボールスタッドのねじ部や取り付けフランジ部の耐食のために、表面処理を施工するニーズがあった。例えば、従来のボールジョイントは、ボールスタットが一体成形されているため、ボール部も含め、表面全体をコーティングしていた。そして、ボール部において、必要表面粗度が損なわれるため、ボール部のみ、切削などで表面処理を剥離し、転造などの研磨工程にて再度表面仕上げをし、要求粗度を満たす必要があった。
特開2003−83321号公報
しかしながら、特許文献1に記載のボールジョイントでは、ボール部の表面処理の要求がなければ、そのまま部品として使用できるボールスタッドを表面処理した後、ボール部のみを再度表面仕上げをするためのコーティングコストに加え、ねじ部をチャックすることによりねじ部を損傷しないためのチャック条件を整えることが困難となっていた。そのため、再度の表面仕上げをするボールスタッドの製造コストは、表面処理しないボールスタッドを製造する製造コストに比べて、高額となっていた。
一方、一体成形されたボールスタッドではなく、抵抗溶接などでスタッド部とボール部とを接合するボールスタッドでは、スタッド部のみの段階でスタッド部全体の表面加工を施工し、その後ボール部と接合するため、前述のボールスタッドを一体成型した場合における煩雑さはないが、接合部品となるため、接合部の強度を確保するための接合条件管理が困難であるとともに、信頼性の確保に不安を残していた。
そこで本発明は、信頼性が高く低コストで製造できるボールジョイントを提供することを目的とする。
本発明のボールジョイントは、円柱状のスタッド部と、側面が球状でかつ中心を前記スタッド部の軸線上に位置させるボール部とを有するボールスタッドと、前記ボール部の側面の形状と相似形状の球部を有しかつ中心を前記スタッド部の軸線上に位置させ、前記ボール部を覆う樹脂製の樹脂ボール部材と、前記樹脂ボール部材と相対回転自在にかつ揺動自在に嵌合する球面状の凹部を有するボールシートとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、樹脂ボール部材の離型後の熱収縮量が樹脂ボール部材の球部上でばらつき、樹脂ボール部材がゆがむのを防止することができる。そのため、球部の厚さが均一となり、樹脂ボール部材の真球度を高めることができる。その結果、重要特性であるトルクを得ることができ、樹脂ボール部材が滑らかに摺動および揺動運動することができる。また、球部の厚さが均一となるため、樹脂ボール部材とボールシートとの間で樹脂ボール部材が摺動および揺動運動することによる摩擦熱によって、樹脂ボール部材の一部分が高温になるのを防止する。その結果、樹脂ボール部材の溶解などのトラブルを防止することができる。つまり、信頼性を高めることができる。
本発明において、前記ボールスタッドは、一体成形されており、表面全体に防錆コーティングされることが望ましい。
本発明によれば、一体成形されているため、ボールスタッドの強度を維持することができる。また、表面全体に防錆コーティングされているため、ボールスタッドの地肌が露出している部分がなくなり、ボールスタッドに水や塩水などが付着した場合でも、ボールスタッドが錆びるのを防止することができる。その結果、錆などによりボールスタッドが破損するのを防止することができる。つまり、信頼性を高めることができる。
本発明において、前記球部の厚さは、0.5mm〜2.0mmの範囲内であることが望ましい。
本発明によれば、球部の厚さを所定の厚さにすることによって、樹脂ボール部材とボールシートとの間で樹脂ボール部材が摺動および揺動運動することによる摩擦熱を速やかに内包するボール部に伝え、ボールシート外にあるボールスタッドのスタッド部から放熱する。その結果、樹脂ボール部材が高温になるのを抑制し、樹脂ボール部材の溶解などのトラブルを防止することができる。
本発明において、前記スタッド部は、前記ボール部側にテーパー部を有し、前記樹脂ボール部材は、前記ボール部の上側を覆うとともに、前記テーパー部を覆う上部を有し、前記上部の厚さは、前記球部の厚さより厚いことが望ましい。
本発明によれば、ボールスタッドをボールシートから引き抜く方向に働く外力などに抗する。そのため、ボールスタッドがボールシートから外れにくい。その結果、ボールスタッドがボールシートから外れるのを防止することができる。
本発明において、前記凹部に異物が侵入するのを防止するダストカバーと、前記ダストカバーの内側に充填されるグリースとを備えることが望ましい。
本発明によれば、グリースがボールスタッドのスタッド部を覆う状態となる。そのため、ボールスタッドが放熱する際に、ダストカバー内においても、空気を介してダストカバーから外界へという具合に断熱性の高い空気を媒介にするのではなく、グリースを介して伝熱するため、ボールスタッドの熱をダストカバーの内側から外界へ効率的に放熱することができる。
本発明において、前記凹部にグリース潤滑のためのグリース流通路を設けることが望ましい。
本発明によれば、グリース流通路に充填されたグリースが樹脂ボール部材の上下に形成された空間間を樹脂ボール部材の側面のグリース流通路を伝いながら行きかう。そのため、グリースが奪った熱を放熱し、また、熱を吸収するという熱循環の働きをする。その結果、樹脂ボール部材が溶解するのを防止する。
本発明において、前記樹脂ボール部材は、上側に形成された平坦な上部フラット部と、下側に形成された平坦な下部フラット部とを有することが望ましい。
本発明によれば、樹脂ボール部材を可能な限り小さく形成することができる。そのため、ボールスタッドをボールシートの底部側へ寄せて配置することができる。その結果、ボール部の中心を所定の位置に配置することができる。
本発明において、前記ボール部の表面に、前記ボール部と前記樹脂ボール部材とのずれを防止する凹凸部を設けることが望ましい。
凹凸部としては、ショットブラストまたはショットピーニングにより粗度劣化される、または、窪みを設ける、または、突起を設ける、または、ライン突起を設ける、または、ライン溝を設けることなどが挙げられる。
本発明によれば、アンカー効果を利用して、樹脂ボール部材を安定的に固定するとともに、回転方向でのボール部と樹脂ボール部材とのずれを防止する。その結果、ボールジョイントの信頼性を高めることができる。
本発明のボールジョイントの製造方法は、金属材料を加工してボールスタッドのスタッド部およびボール部を一体成形する成形工程と、前記成形工程の後、前記ボールスタッドの表面全体に防錆コーティングする防錆コーティング工程と、前記防錆コーティング工程の後、前記ボールスタッドのボール部を樹脂ボール部材で覆う樹脂成形工程とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、ボール部を樹脂ボール部材で覆うことによって、鋼製のボールスタッドの表面処理を行ってもその後にボール部の仕上げなど、ボールスタッドに対する工程が樹脂成形工程以外不要になる。そのため、煩雑な工程を省くことができる。その結果、低コストでボールジョイントを製造することができる。また、防錆コーティング工程の後に樹脂成形工程を行うため、ボールスタッドの地肌が露出している部分がなくなり、錆に対して耐性のあるボールジョイントを構成することができる。そのため、錆によりボールシートの凹部が摩耗し、がたが発生するのを防止することができる。その結果、信頼性の高いボールジョイントを製造することができる。
本発明によれば、信頼性が高いボールジョイントを低コストで製造できる。
(ボールジョイントの構成)
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、ボールジョイントを示す図である。図2は、ボール部の周辺を拡大して示す拡大図である。図3は、ボールスタッドの第1の変形例を示す図である。図4は、ボールスタッドの第2の変形例を示す図である。図5は、ボールスタッドの第3の変形例を示す図である。図6は、ボールシートを示す斜視図である。
ボールジョイント10は、図1に示すように、ボールスタッド100と、軸支部材200と、樹脂ボール部材300と、ダストカバー400などを備えている。このボールジョイント10は、ボールスタッド100と、このボールスタッド100をユニバーサルに軸支する軸支部材200とを主体として構成され、図示省略した板状の取付部材に固定される。ボールジョイント10は、車両用スタビライザーの接続部などに用いられる。
ボールスタッド100は、図2に示すように、円柱状のスタッド部110の一端部にボール部120が形成されたものである。ボールスタッド100には、スタッド部110の軸方向中間部に鍔状のフランジ部130およびダストカバー400のずれを止める凸部150が形成されている。また、ボールスタッド100には、スタッド部110のフランジ部130から先端側、すなわちボール部120とは反対側の周面にねじ部140が形成され、ボール部120側にテーパー部160が形成されている。ボール部120の中心は、スタッド部110の軸線O上に位置している。ボールスタッド100は、鋼などの金属材料により形成されている。
ボール部120は、側面が球状である。また、ボール部120は、所定の設計要求値である球径より直径1.0〜4.0mm小さい球径に形成されている。ボール部120の表面は、ショットブラストまたはショットピーニングにより人為的に必要な表面粗度(Ra2.0〜10.0)(凹凸部)を確保している。これにより、アンカー効果を利用して、樹脂ボール部材300を安定的に固定するとともに、回転方向でのボール部120と樹脂ボール部材300とのずれを防止している。その結果、ボールジョイント10の信頼性を高めることができる。
なお、ボール部120の表面をショットブラストまたはショットピーニングで必要な表面粗度にする実施形態に限らず、図3に示すように小さな窪み(凹凸部)521をボール部520の表面に配してもよいし、図4に示すように逆に小さな突起(凹凸部)621をボール部620の表面に設けてもよい。あるいは、図5に示すように経度方向に複数のライン溝(凹凸部)721またはライン突起(凹凸部)をボール部720の表面に設けてもよい。
ボールスタッド100は、一体成形されているため、ボールスタッド100の強度を維持することができる。また表面全体に防錆コーティングされているため、ボールスタッド100の地肌が露出している部分がなくなり、ダストカバー400の内側に水や塩水などが浸入した場合でも、錆に対して耐性のあるボールスタッド100を構成することができる。その結果、錆などによりボールスタッド100が破損するのを防止することができる。
ボールスタッド100は、ねじ部140が形成されたボールスタッド100の先端部を図示省略した取付部材に形成された孔に通し、ねじ部140に図示省略したナットをねじ込んで取付部材に締め付けることにより、ボールスタッド100のフランジ部130とナットで取付部材を挟んで締結される。
軸支部材200は、図1に示すように、ボールシート210と、このボールシート210を収容する金属製のハウジング220とから構成されている。ボールシート210は、上端縁に鍔部211を有する有底円筒状であり、その内部には球面上の凹部212が形成され、外側底面にボールシート210をハウジング220に固定するための熱かしめ部213を有している。ボールシート210は、ポリアセタールやポリブチレンテレフタレートなどの硬質樹脂で形成されている。
凹部212には、図6に示すように、複数のグリース流通路214を設けている。また、凹部212には、図示省略したグリースを充填している。そのため、グリース流通路214に充填されたグリースが樹脂ボール部材300の上下に形成された空間間を樹脂ボール部材300の側面のグリース流通路214を伝いながら行きかう。そのため、グリースが奪った熱を放熱し、また、熱を吸収するという熱循環の働きをする。その結果、樹脂ボール部材300が溶解するのを防止する。
ハウジング220は、上端縁に鍔部221を有する有底円筒状で、底面にボールシート210の熱かしめ部213が挿入される孔部222を有し、その外周壁にはハウジング220の径方向に延びるサポートバー230の一端が固着されている。ボールシート210は、ボールシート210に設ける熱かしめ部213をハウジング220の孔部222に嵌合させた状態で熱かしめ部213を熱でかしめ、ハウジング220に固定される。
樹脂ボール部材300は、摺動特性に優れながら高い耐熱性を有している熱硬化性合成樹脂材料または熱可塑性合成樹脂材料で成形されている。例えば、樹脂ボール部材300は、ポフェニレンサルファイド系あるいはポリエーテルエーテルケトンなどで成形されている。樹脂ボール部材300の中心は、スタッド部110の軸線O上に位置している。樹脂ボール部材300は、図2に示すように、要求球径になるようにボール部120を覆っている。
そのため、樹脂の方が鋼などの金属に比べて材料密度が小さいので、例えば、凹部212に接触する部分を鋼製のボール部で16mmΦとするボールスタッドに比べて、ボール部120と樹脂ボール部材300で16mmΦとした場合、1g〜1.5gの軽量化を図ることができる。
樹脂ボール部材300は、球部310と、上部320と、下部330とを有している。球部310は、ボール部120の側面を覆う部分である。球部310は、中心がスタッド部110の軸線O上に位置するように、ボール部120の側面の形状と相似形状に形成されている。つまり、球部310は、厚さが均一になるように形成されている。
球部310がこのように形成されることによって、樹脂ボール部材300の離型後の熱収縮量が樹脂ボール部材300の球部310上でばらつき、樹脂ボール部材300がゆがむのを防止することができる。そのため、樹脂ボール部材300の真球度を高めることができる。その結果、重要特性であるトルクを得ることができ、樹脂ボール部材300が滑らかに摺動および揺動運動することができる。また、球部310の厚さが均一となるため、樹脂ボール部材300とボールシート210との間で樹脂ボール部材300が摺動および揺動運動することによる摩擦熱によって、樹脂ボール部材300の一部分が高温になるのを防止する。その結果、樹脂ボール部材300の溶解などのトラブルを防止することができる。つまり、信頼性を高めることができる。
球部310の厚さは、具体的には、0.5mm〜2.0mmである。球部310の厚さは、樹脂ボール部材300を構成する材料や樹脂ボール部材300の成形時に支障が生じないような条件などにより適時変更することができ、できるだけ薄く形成する。このように、球部310の厚さを所定の厚さにすることによって、樹脂ボール部材300とボールシート210との間で樹脂ボール部材300が摺動および揺動運動することによる摩擦熱を速やかに内包するボール部120に伝え、ボールシート210外にあるボールスタッド100のテーパー部160から放熱する。その結果、樹脂ボール部材300が高温になるのを抑制し、樹脂ボール部材300の溶解などのトラブルを防止することができる。
上部320は、ボール部120の上側を覆うとともに、スタッド部110のテーパー部160を覆う部分である。上部320の厚さは、球部310の厚さより厚くしている。上部320の厚さは、具体的には、0.7mm〜3.0mmである。したがって、ボールスタッド100をボールシート210から引き抜く方向に働く外力などに抗する。そのため、ボールスタッド100がボールシート210から外れにくい。その結果、ボールスタッド100がボールシート210から外れるのを防止することができる。
下部330は、ボール部120の下側を覆う部分である。下部330の厚さは、所定の厚さに形成されている。下部330の端部および上部310の端部は、滑らかなR形状に形成されている。そのため、樹脂ボール部材300が滑らかに摺動および揺動運動することができる。
樹脂ボール部材300は、上側に形成された平坦な上部フラット部340と、下側に形成された平坦な下部フラット部350とを有している。そのため、樹脂ボール部材300を可能な限り小さく形成することができ、ボールスタッド100をボールシート210の底部側へ寄せて配置することができる。その結果、ボール部120の中心は、サポートバー230の中心線上に配置され、サポートバー230に曲げモーメントが発生するのを防止することができる。さらに、ボールスタッド100のスタッド部110にテーパー部160を形成しているから、その揺動角度が確保されるという利点もある。
樹脂ボール部材300は、図1に示すように、ボールシート210の凹部212に摺動自在に嵌合されている。これにより、ボールスタッド100は、ボールシート210に対しボール部120を中心としてユニバーサルに、すなわち首振り回転および軸回り回転自在に軸支されている。
ダストカバー400は、図1に示すように、ゴム製で笠状に形成されており、大径側の端縁がボールシート210の鍔部211とハウジング220の鍔部221との間に挟まれて固定され、小径側の端縁がボールスタッド100のフランジ部130に掛止され、凸部150にずれを止められて固定されている。そのため、シール性が確保され、ボールシート210の凹部212にゴミが侵入するのを防止している。
ダストカバー400の内側には、グリースGが充填されている。つまり、グリースGがボールスタッド100のテーパー部160などを覆う状態となっている。そのため、ボールスタッド100が放熱する際に、ダストカバー400内においても、空気を介してダストカバー400から外界へという具合に断熱性の高い空気を媒介にするのではなく、グリースGを介して伝熱するため、ボールスタッド100の熱をダストカバー400の内側から外界へ効率的に放熱することができる。
(樹脂ボール部材を備えるボールスタッドの製造方法)
次に、樹脂ボール部材300を備えるボールスタッド100の製造方法について説明する。
樹脂ボール部材300を備えるボールスタッド100の製造方法は、大まかに、金属材料をボールスタッド100の形状に一体成形する成形工程と、ボールスタッド100の表面全体に防錆コーティングする防錆コーティング工程と、ボールスタッド100のボール部120を樹脂ボール部材300で覆う樹脂成形工程との3工程からなる。
まず、成形工程を行う。成形工程では、まず、棒状の金属材料を金型にセットした状態で、金属材料を軸線方向に加圧することにより、一体成形されるボールスタッド100の基本的な形状とフランジ部130が成形される圧造工程を行う。そして、ボール部120のみ設計要求値である球径より小さく切削する。次に、基本的な形状に形成された金属材料に焼入れ・焼戻し等の熱処理を実施し、所定の硬さに調質される熱処理工程を行う。次に、ショットブラストによりばりの除去や表面研削などの研削工程を行う。
次に、フランジ部130からテーパー部160までのスタッド部110を仕上げる切削工程を行う。このとき、必要に応じて窪み521、突起621またはライン溝721などが成形される。最後に、ねじ部140を成形するねじ転造工程を行う。この成形工程により、ボールスタッド100が一体成形される。
成形工程の後、ボールスタッド100の表面全体に防錆コーティングする防錆コーティング工程を行う。以上のような、成形工程および防錆コーティング工程によりボールスタッド100が完成する。
防錆コーティング工程の後、樹脂ボール部材300を成形する樹脂成形工程を行う。樹脂成形工程では、ボールスタッド100のボール部120を含む領域を射出成形用の型にセットし、この型の内部に合成樹脂材料を射出することによって、樹脂ボール部材300が成形される。いわゆるインサート成形である。このとき、ボール部120の側面の形状と相似形状の球部310を有しかつ中心をスタッド部110の軸線O上に位置させ、ボール部120を覆うように樹脂ボール部材300が成形される。以上のような3工程により樹脂ボール部材300を備えるボールスタッド100が完成する。
この製造方法によれば、ボール部120を樹脂ボール部材300で覆うことによって、鋼製のボールスタッド100の表面処理を行ってもその後にボール部120の仕上げなど、ボールスタッド100に対する工程が樹脂成形工程以外不要になる。そのため、ボール部120の仕上げなどの煩雑な工程を省くことができる。その結果、低コストでボールジョイント10を製造することができる。
また、防錆コーティング工程の後に樹脂成形工程を行うため、ボールスタッド100の地肌が露出している部分がなくなり、ダストカバー400の内側に水や塩水などが浸入した場合でも、錆に対して耐性のあるボールジョイント10を構成することができる。そのため、錆によりボールシート210の凹部212が摩耗し、がたが発生するのを防止することができる。その結果、信頼性の高いボールジョイント10を製造することができる。
さらに、予め、射出成形用の型の型形状において、上部フラット部340の端部および下部フラット部350の端部のR形状を設定しておけば、上部フラット部340の端部および下部フラット部350の端部において、滑らかなラインを確保することができる。そのため、樹脂ボール部材300が滑らかに摺動および揺動運動することができる。
本発明は、自動車等の車両に搭載されるスタビライザーに利用することができる。
ボールジョイントを示す図である。 ボール部の周辺を拡大して示す拡大図である。 ボールスタッドの第1の変形例を示す図である。 ボールスタッドの第2の変形例を示す図である。 ボールスタッドの第3の変形例を示す図である。 ボールシートを示す斜視図である。
符号の説明
10…ボールジョイント、110…スタッド部、120…ボール部、160…テーパー部、210…ボールシート、212…凹部、214…グリース流通路、300…樹脂ボール部材、310…球部、320…上部、340…上部フラット部、350…下部フラット部、400…ダストカバー、521…窪み、621…突起、721…ライン溝、G…グリース、O…軸線。

Claims (9)

  1. 円柱状のスタッド部と、側面が球状でかつ中心を前記スタッド部の軸線上に位置させるボール部とを有するボールスタッドと、
    前記ボール部の側面の形状と相似形状の球部を有しかつ中心を前記スタッド部の軸線上に位置させ、前記ボール部を覆う樹脂製の樹脂ボール部材と、
    前記樹脂ボール部材と相対回転自在にかつ揺動自在に嵌合する球面状の凹部を有するボールシートと
    を備えることを特徴とするボールジョイント。
  2. 前記ボールスタッドは、一体成形されており、表面全体に防錆コーティングされることを特徴とする請求項1に記載のボールジョイント。
  3. 前記球部の厚さは、0.5mm〜2.0mmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のボールジョイント。
  4. 前記スタッド部は、前記ボール部側にテーパー部を有し、
    前記樹脂ボール部材は、前記ボール部の上側を覆うとともに、前記テーパー部を覆う上部を有し、
    前記上部の厚さは、前記球部の厚さより厚いことを特徴とする請求項1に記載のボールジョイント。
  5. 前記凹部に異物が侵入するのを防止するダストカバーと、
    前記ダストカバーの内側に充填されるグリースと
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のボールジョイント。
  6. 前記凹部にグリース潤滑のためのグリース流通路を設けることを特徴とする請求項1に記載のボールジョイント。
  7. 前記樹脂ボール部材は、上側に形成された平坦な上部フラット部と、下側に形成された平坦な下部フラット部とを有することを特徴とする請求項1に記載のボールジョイント。
  8. 前記ボール部の表面に、前記ボール部と前記樹脂ボール部材とのずれを防止する凹凸部を設けることを特徴とする請求項1に記載のボールジョイント。
  9. 金属材料を加工してボールスタッドのスタッド部およびボール部を一体成形する成形工程と、
    前記成形工程の後、前記ボールスタッドの表面全体に防錆コーティングする防錆コーティング工程と、
    前記防錆コーティング工程の後、前記ボールスタッドのボール部を樹脂ボール部材で覆う樹脂成形工程と
    を具備することを特徴とするボールジョイントの製造方法。
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