JP2009248454A - ハイガスバリア積層体および包装用容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材フィルム面に有機珪素化合物、金属または金層酸化物を蒸着してなる蒸着膜を設け、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性塗布膜を設けた、2枚以上のガスバリア性フィルムをヘキサメチレンジイソシアネート系化合物を硬化剤とする2液硬化型ポリウレタン系接着剤で接着する。
【選択図】なし
Description
そこで本発明は、2枚以上のガスバリア性フィルムを積層してなり、ガスバリア性に優れると共に、耐熱性、接着強度に優れ、発泡や白化などが無く、外観に優れる、ハイガスバリア積層フィルムを提供することを目的とする。
前記ガスバリア性フィルムの少なくとも1枚は、基材フィルム面に有機珪素化合物、金属または金属酸化物を蒸着してなる蒸着膜を設け、該無機酸化物の蒸着膜の面上に一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたガスバリア性積層フィルムであり、
前記2液硬化型ポリウレタン系接着剤が、ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物を硬化剤として使用するものであることを特徴とする、ハイガスバリア積層フィルムを提供するものである。
更に、電子部品用に使用される、上記包装用容器を提供するものである。
本発明のハイガスバリア積層フィルムは、従来のガスバリア性フィルムを特定の2液硬化型ポリウレタン系接着剤で接着するものであり、容易にハイガスバリアの積層フィルムを製造することができる。
前記ガスバリア性フィルムの少なくとも1枚は、基材フィルム面に有機珪素化合物、金属または金属酸化物を蒸着してなる蒸着膜を設け、該無機酸化物の蒸着膜の面上に一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたガスバリア性積層フィルムであり、
前記2液硬化型ポリウレタン系接着剤が、ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物を硬化剤として使用するものであることを特徴とする、ハイガスバリア積層フィルムである。また、本発明の第二は、上記ハイガスバリア積層フィルムからなる包装用容器である。以下、本発明のガスバリア性積層体および包装用容器を詳細に説明する。
本発明のハイガスバリア積層フィルムは、少なくとも基材フィルム面に有機珪素化合物、金属または金属酸化物を蒸着してなる蒸着膜を設け、該無機酸化物の蒸着膜の面上に一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたガスバリア性積層フィルムと他のガスバリア性フィルムとが、2液硬化型ポリウレタン系接着剤で接着されてなり、更にヒートシール層が積層されていてもよい。図1、図2に本発明のハイガスバリア性積層フィルムの層構成の好適な態様の一例を示す。
本発明で使用する2液硬化型ポリウレタン系接着剤は、ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物を硬化剤とするウレタン系接着剤である。ポリオールを主剤とし、硬化剤としてポリイソシアネートを使用する2液反応型のウレタン系接着剤があるが、本発明では、ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物を硬化剤として使用する点に特徴がある。層間に発生する発泡と2液硬化型ポリウレタン系接着剤の成分について検討したところ、ポリイソシアネートとして、キシレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネートやイソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネートを使用すると発泡や白化が生じるが、ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物を主成分とする場合には発泡や白化が抑制されることが判明した。すなわち、ポリウレタンのイソシアネート基(−N=C=O)に水(H2O)が反応すると炭酸ガス(CO2)が発生するが、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートのいずれもイソシアネート基を含有する点で共通する。しかしながら、ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物を主成分とするウレタン系接着剤の場合には、発泡が抑制されるのである。
前記ポリカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ポリカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ポリカルボン酸が例示できる。
溶媒を使用する場合には、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどの非水溶性系溶剤、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノールなどのグリコールエーテル類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶剤などを使用することができる。溶剤を使用して塗布した後、乾燥温度は50〜120℃の範囲で行うことができる。塗布形式としては、ロール塗布やスプレー塗布、エアナイフ塗布、浸漬、はけ塗りなどの一般的に使用される塗装形式のいずれも使用され得る。ロール塗布またはスプレー塗布が好ましい。
2液硬化型ポリウレタン系接着剤の使用量には特に限定はないが、一般には、0.1〜10g/m2(乾燥状態)である。上記2液硬化型ポリウレタン系接着剤は、ロールコート、グラビアコート、キスコートその他のコート法や印刷法によって行うことができる。
本発明では、少なくとも1枚のガスバリア性積層フィルムを積層する。ガスバリア性積層フィルムとしては基材フィルム面に無機酸化物の蒸着膜を設け、該無機酸化物の蒸着膜の面上に一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたガスバリア性積層フィルムを好適に使用することができる。このガスバリア性積層フィルムはガスバリア性に優れるため、2枚のガスバリア性積層フィルムを2液硬化型ポリウレタン系接着剤によって積層すると、特にガスバリア性に優れる。
ガスバリア性積層フィルムを構成する基材フィルムとしては、有機珪素化合物、金属または金属酸化物を蒸着してなる蒸着膜やガスバリア性塗布膜を設けるに足る機械的、物理的、化学的強度を有し、特に前記蒸着膜を形成する条件に耐え、前記蒸着膜の特性を損なうことなく良好に保持し得る樹脂フィルムを使用することが好ましい。
(ii)表面処理
本発明において、上記の基材フィルムの一方の面に有機珪素化合物、金属または金属酸化物を蒸着してなる蒸着膜を形成するが、予め基材フィルムに表面処理をおこなってもよい。これによって前記蒸着膜やガスバリア性塗布膜との密着性を向上させることができる。
本発明で使用するガスバリア性積層フィルムにおける蒸着膜としては、例えば、化学気相成長法、物理気相成長法またはこれらを複合して、有機珪素化合物、金属または金属酸化物を蒸着してなる蒸着膜である。
本発明では、プラズマ化学気相成長装置221の真空チャンバー222内に配置された巻き出しロール223から基材フィルム201を繰り出し、更に、該基材フィルム201を、補助ロール224を介して所定の速度で冷却・電極ドラム225周面上に搬送する。一方、ガス供給装置226、227および、原料揮発供給装置228等から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガスその他等を供給して蒸着用混合ガス組成物を調製し、これを原料供給ノズル229を通して真空チャンバー222内に導入する。該蒸着用混合ガス組成物を上記冷却・電極ドラム225周面上に搬送された基材フィルム201の上に供給し、グロー放電プラズマ230によってプラズマを発生させ照射し、蒸着膜を製膜化する。次いで、上記で蒸着膜を形成した基材フィルム201を補助ロール233を介して巻き取りロール234に巻き取れば、プラズマ化学気相成長法による有機珪素化合物を蒸着してなる蒸着膜を形成することができる。なお、冷却・電極ドラム225は、真空チャンバー222の外に配置されている電源231から所定の電力が印加され、冷却・電極ドラム225の近傍には、マグネット232を配置してプラズマの発生が促進されている。このように冷却・電極ドラムに電源から所定の電圧が印加されているため、真空チャンバー内の原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロー放電プラズマが生成される。このグロー放電プラズマは、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態で基材フィルムを一定速度で搬送させると、グロー放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の基材フィルムの上に、有機珪素化合物を蒸着してなる蒸着膜を形成することができる。なお、図3中、符号235は真空ポンプを表す。
上記の異種の蒸着膜の2層以上からなる複合膜としては、まず、基材フィルムの上に、化学気相成長法により、緻密で柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る有機珪素化合物を蒸着してなる蒸着膜を設け、次いで、該蒸着膜の上に、物理気相成長法による金属または金属酸化物を蒸着してなる蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる蒸着膜を構成することが好ましいものである。上記とは逆くに、基材フィルムの上に、先に、物理気相成長法により、金属または金属酸化物を蒸着してなる蒸着膜を設け、次に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る有機珪素化合物を蒸着してなる蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる蒸着膜を構成することもできる。
本発明で使用するガスバリア性塗布膜としては、一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合してなるガスバリア性組成物からなる塗布膜であり、該組成物を上記基材フィルム上の蒸着膜の上に塗工して塗布膜を設け、20℃〜180℃、かつ上記の基材フィルムの融点以下の温度で10秒〜10分間加熱処理して形成することができる。
本発明においてケイ素であることが好ましい。この場合、本発明で好ましく使用できるアルコキシドとしては、上記一般式R1 nM(OR2)mにおいてn=0の場合には、一般式Si(ORa)4(ただし、式中、Raは、炭素数1〜5のアルキル基を表す。)で表されるものである。上記において、Raとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、その他等が用いられる。このようなアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシランSi(OCH3)4、テトラエトキシシランSi(OC2H5)4、テトラプロポキシシランSi(OC3H7)4、テトラブトキシシランSi(OC4H9)4等を例示することができる。
まず、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、ゾルゲル法触媒、酸、水、有機溶媒、および、必要に応じて、金属アルコキシド等を混合し、ガスバリア性組成物を調製する。混合により、ガスバリア性組成物(塗工液)は、重縮合反応が開始および進行する。
ガスバリア性組成物として配合されたアルコキシシランや金属アルコキシドは、添加された水によって加水分解される。加水分解の際には、酸が加水分解の触媒として作用する。次いで、ゾルゲル法触媒の働きによって、加水分解によって生じた水酸基からプロトンが奪取され、加水分解生成物同士が脱水重縮合する。このとき、酸触媒により同時にシランカップリング剤も加水分解されて、アルコキシ基が水酸基となる。
本発明で好適に使用できるガスバリア性フィルムとしては、上記に限定されるものでない。例えば、エチレン−α・β不飽和カルボン酸及びそのエステル化合物共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール(EVOH)、ナイロン6フィルム、ナイロン66フィルム、ナイロン12フィルム、ナイロンMXD6フィルム、Cナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系(含変性)樹脂(PETなど)、ポリブチレンテレフタレート系(含変性)樹脂(PBTなど)、塩化ビニリデン−メチルアクリレート共重合体(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)がある。特に、酸素バリア性のある結晶性ポリアミドであるMXD6ナイロン(NY)を好適に使用することができる。ここに、酸素バリア性のある結晶性ポリアミドとしてのナイロンMXD6フィルムは、メタキシレンジアミン(MXDA)とアジピン酸との重縮合反応から得られる結晶性のポリアミドであり、ナイロン6、ナイロン66などとは異なり、主鎖中に芳香族環を有するため、ガスバリア性が良く、強度があり、2次加工適性が良好である特性がある。本発明では、EVOHやMXD6を好適に使用することができる。
(5)ヒートシール層
本発明では、ヒートシール層として、ヒートシール性フィルムを積層することができる。ヒートシール性フィルムとしては、熱によって溶融し相互に融着し得る各種のヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂、その他等を使用することができる。具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、これらの金属架橋物、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。
上記ヒートシール性フィルムは、前記した2液硬化型ポリウレタン系接着剤を使用して接着することが好ましい。
本発明では、ハイガスバリア積層フィルムを構成するいずれかの層に印刷層を形成してもよい。ガスバリア性積層フィルムのガスバリア性塗布膜やその表面処理面に裏印刷を行うことが好ましい。
(7)ハイガスバリア積層フィルムの製造方法
本発明のハイガスバリア積層フィルムは、予め調製したガスバリア性積層フィルムや、このようなガスバリア性積層フィルムが市販されている場合には市販品を使用し、2枚のガスバリア性フィルムを前記2液硬化型ポリウレタン系接着剤で接着して製造する。
本発明の包装用容器は、上記ハイガスバリア積層フィルムを製袋して製造することができる。袋体は、上記ハイガスバリア積層フィルムを使用し、そのヒートシール層の面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺端部をヒートシールしてシール部を形成して製造することができる。その製袋方法としては、上記のような本発明に係るハイガスバリア積層フィルムを、折り曲げるかあるいは重ね合わせて、その内層の面を対向させ、更にその周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型、その他等のヒートシール形態によりヒートシールして、本発明に係る包装用容器を製造することができる。その他、例えば、自立性包装用袋(スタンディングパウチ)等も可能である。
製造例1
(1) 片面をコロナ処理を行った厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロールに装着して繰り出し、次いで、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、酸化アルミニウムを供給し、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成し、酸化アルミニウムの蒸着膜面にプラズマ処理を行った。次いで、下記表1に示す組成に従って、組成a.エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH、エチレン共重合比率29%)をイソプロピルアルコールおよびイオン交換水の混合溶媒にて溶解したEVOH溶液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート40、イソプロピルアルコール、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌、更に、予め調製した組成c.のポリビニルアルコール系、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液を加えて攪拌し、無色透明のガスバリア性組成物を得た。
片面をコロナ処理を行った厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロールに装着し、次いで、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、有機珪素化合物であるヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOという。)を供給して、厚さ200Åの蒸着膜を形成し、この蒸着膜面にプラズマ処理を行った。次いで、下記の表2に示す組成に従って、組成a.EVOH(エチレン共重合比率29%)をイソプロピルアルコールおよびイオン交換水の混合溶媒にて溶解したEVOH溶液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート40、イソプロピルアルコール、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌、更に予め調製した組成c.のポリビニルアルコール水溶液、シランカップリング剤(エポキシシリカSH6040)、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液を加えて攪拌し、無色透明のバリアー塗工液を得た。
製造例1で製造したガスバリア性積層フィルム(I)のゲルゾル系バリアコートに脂肪族ポリオールを主剤とし、ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物を硬化剤とする2液硬化型ポリウレタン系接着剤を2〜3g/m2(乾燥状態)塗布し、製造例1で製造した別のガスバリア性積層フィルム(I)のゲルゾル系バリアコート側を積層し、次いで、PETフィルム側に脂肪族ポリオールを主剤とし、ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物を硬化剤とする2液硬化型ポリウレタン系接着剤を2〜3g/m2(乾燥状態)塗布し、厚さ40μmのLLDPE(東セロ(株)製、商品名「TUX−VCS」)を積層し、本発明のハイガスバリア積層フィルム(I)を製造した。
製造例2で製造したガスバリア性積層フィルム(II)のゲルゾル系バリアコートに脂肪族ポリオールを主剤とし、ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物を硬化剤とする2液硬化型ポリウレタン系接着剤を2〜3g/m2(乾燥状態)塗布し、製造例2で製造した別のガスバリア性積層フィルム(I)のゲルゾル系バリアコート側を積層し、次いで、PETフィルム側に脂肪族ポリオールを主剤とし、ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物を硬化剤とする2液硬化型ポリウレタン系接着剤を2〜3g/m2(乾燥状態)塗布した。この接着剤層に厚さ40μmのCPP(東レフィルム加工(株)製、商品名「トレファンNO3501」)を積層し、本発明のハイガスバリア積層フィルム(II)を製造した。
比較例1
脂肪族ポリオールを主剤とし、ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物を硬化剤とする2液硬化型ポリウレタン系接着剤に代えて、脂肪族ポリオールを主剤とし、キシリレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートとを配合した混合物を硬化剤とする2液硬化型ポリウレタン系接着剤を使用した以外は実施例1と同様に操作して、酸素透過度、水蒸気透過度、剥離強度を測定し、および外観性を観察した。結果を表3に示す。
脂肪族ポリオールを主剤とし、ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物を硬化剤とする2液硬化型ポリウレタン系接着剤に代えて、脂肪族ポリオールを主剤とし、キシリレンジイソシアネート系化合物を硬化剤とする2液硬化型ポリウレタン系接着剤を使用した以外は実施例2と同様に操作して、酸素透過度、水蒸気透過度、剥離強度を測定し、および外観性を観察した。結果を表3に示す。
温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パーマトラン(PERMATRAN3/31)〕にて測定した。
前記試験片の端部をはがしてつまみしろを作成した。これを引張試験機(オリエンテック社製)を用いて、JIS K6854に準じて、90度剥離により50mm/分の引張速度で測定し、15mm当たりの剥離強度(単位:N/15mm)で評価した。
20・・・接着剤樹脂層、
30・・・ガスバリア性積層フィルム、
31・・・基材フィルム、
33・・・有機珪素化合物を蒸着してなる蒸着層、
35・・・ガスバリア性塗布膜、
40・・・ガスバリア性積層フィルム、
41・・・基材フィルム
43・・・有機珪素化合物、金属または金属酸化物を蒸着してなる蒸着層、
45・・・ガスバリア性塗布膜、
47・・・有機珪素化合物、金属または金属酸化物を蒸着してなる蒸着層、
49・・・ガスバリア性塗布膜
Claims (6)
- 2枚以上のガスバリア性フィルムが、2液硬化型ポリウレタン系接着剤で接着されてなるハイガスバリア積層フィルムであって、
前記ガスバリア性フィルムの少なくとも1枚は、基材フィルム面に有機珪素化合物、金属または金属酸化物を蒸着してなる蒸着膜を設け、該無機酸化物の蒸着膜の面上に一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたガスバリア性積層フィルムであり、
前記2液硬化型ポリウレタン系接着剤が、ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物を硬化剤として使用するものであることを特徴とする、ハイガスバリア積層フィルム。 - 前記無機酸化物の蒸着膜が、化学気相成長法による有機珪素化合物の蒸着膜からなることを特徴とする請求項1記載のハイガスバリア積層フィルム。
- 前記無機酸化物の蒸着膜が、物理気相成長法による酸化アルミニウムの蒸着膜からなることを特徴とする請求項1記載のハイガスバリア積層フィルム。
- 更に、ヒートシール層を有し、前記ヒートシール層は、前記2液硬化型ポリウレタン系接着剤を介して接着されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のハイガスバリア積層フィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のハイガスバリア積層フィルムからなる包装用容器。
- 電子部品用に使用される、請求項5記載の包装用容器。
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