JP2009248326A - 切断機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 煩わしい作業を伴うことなく、基準面からの鋸刃の突出量を大小二つの突出量に迅速に変更できる切断機を提供する。
【解決手段】 鋸刃を回転させる駆動手段を有する本体と、被切断物に沿わせる基準面が形成され、本体に対して回転自在に枢結されたベース体と、本体及びベース体を固定可能に構成された固定手段とを備え、本体とベース体との相対回転で、ベース面からの鋸刃の突出量を調整可能に構成された切断機において、ベース体に対して基準面の反対面側に延設された延出体を備え、本体又は延出体の何れか一方には、他方に向けて延出し、本体と延出体との相対移動方向に間隔をあけて互いに対向する一対の対向部が設けられ、本体又は延出体の何れか他方には、一対の対向部間に先端部が介在するストッパーが設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、円板状の鋸刃を回転させることで被切断物を切断するように構成された切断機に関し、特には、被切断物に沿わせる基準面からの鋸刃の突出量が調整可能に構成された切断機に関する。
従来から、木材や石膏ボード等の被切断物を切断する切断機として種々のものが提供されており、その一つとして、円板状の鋸刃で被切断物を切断する丸鋸が周知である。
かかる丸鋸は、図15に示す如く、円板状の鋸刃Cを回転させる駆動手段(図示しない)を有する本体60と、被切断物に沿わせる基準面610が形成されるとともに、本体60に対して鋸刃Cの回転軸(駆動手段の出力軸)600と平行な軸611周りで回転自在に枢結されたベース体61とを備え、鋸刃Cとベース体61との相対的な位置関係を維持すべく、本体60とベース体61とが位置決め可能に構成されている。
前記丸鋸6は、本体60とベース体61とを前記軸611周りで相対回転させることで、ベース体61の基準面610に対する鋸刃Cの突出量が調整可能になっており、被切断物の厚みや外径等に対応させて鋸刃Cの突出量を調整した上で、本体60とベース体61とを位置決めするようになっている。
これにより、上記構成の丸鋸6は、鋸刃Cを回転させつつ被切断物に対してベース体61の基準面610を沿わせ、本体60を鋸刃Cの回転軸600と直交方向に移動させることで、基準面610からの鋸刃Cの突出量に応じた切り込み深さで被切断物を切断できるようになっている。
そして、この種の丸鋸6には、本体60とベース体61との相対回転量を定量的に変更できるように構成されたもの、すなわち、基準面610に対する鋸刃Cの突出量(被切断物に対する切り込み深さ)を段階的に変更可能に構成されたものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
かかる丸鋸6について、引き続き図15を参照して説明すると、該丸鋸6は、上記構成に加え、ベース体61に対して基準面610の反対側に延設され、延出方向に一定間隔をあけて複数の凹部620…が形成された延出体62と、本体60に対して所定の軸線周りで回転自在に枢着され、該軸線周りの回転で複数の凹部620…の何れか一つに対して先端部が出退可能な爪体63とを備える。
前記延出体62は、ベース体61に延設されているため、本体60とベース体61との相対回転に伴って本体60に対して延出方向に移動するようになっている。これにより、爪体63の先端部が出退可能な凹部620…の位置を本体60に対して変更でき、爪体63の先端の出退の対象となる凹部620…に対応してベース体61の基準面610に対する鋸刃Cの突出量を変更できるようになっている。
各凹部620…は、爪体63の先端部が進入(介在)した状態で該爪体63の先端部に沿う平面で構成される第一面621と、外側に向かうにつれて第一面621から離間した傾斜面で構成される第二面622とで画定されている。
前記爪体63は、バネ等の付勢手段630によって第二面622側に向けて付勢されるとともに、先端部が凹部620…内(第一面621と第二面622との間)に介在した状態で第二面622側に回転することが規制されている。
上記構成の丸鋸6は、第一面621から爪体63が離間する方向に本体60とベース体61とを相対回転させると、爪体63の先端部が第二面622に当接することになるが、該第二面622が傾斜面で構成されているため、本体60と延出体62との相対移動に伴う力の分力で爪体63が第一面621側(図中、右回り)に回転して先端部が凹部620…から退避するようになっている。そして、爪体63が凹部620…間(凸部)を通過すると、付勢手段630の付勢によって回転して先端部が隣接する凹部620…内に進入するようになっている。
これに対し、第一面621と爪体63とが接近乃至当接する方向に本体60とベース体61とを相対回転させようとすると、第二面622側(図中、左回り)への回転が規制された爪体63の先端部が第一面621に当接することになるため、当該方向でのベース体61と本体60との相対回転が規制されることになる。
そのため、上記構成の丸鋸6は、第一面621と爪体63の先端部とが接近乃至当接する方向で本体60とベース体61とを相対回転させる際には、凹部620…(延出体62)を延出方向(第二面622から第一面621に向かう方向)に僅かに移動させつつ爪体63を第一面621側(図中、右回り)に回転させるように操作することで、凹部620…から爪体63の先端部を退避させ、この状態を維持しつつベース体61と本体60とを相対回転させるようになっている。
このように、上記構成の丸鋸6は、本体60とベース体61とを相対回転させて複数の凹部620…の何れか一つに爪体63の先端部を進入させることで、本体60とベース体61とが選択した凹部620…の配置に対応した定常的な配置となり、基準面610に対する鋸刃Cの突出量を各凹部620…の配置に対応させて定量的に変更できるようになっている。
実開平2−95602号公報
ところで、丸鋸6で切断可能な被切断物は、種々のものがあるが、工場や建築現場等で使用される材料(被切断物)には、規格で定められた使用頻度の高いものがある。
かかる使用頻度の高い被切断物は、厚み又は外径が異なる二種類のものであることが多く、例えば、建築現場では、厚みの異なる二種類の石膏ボード(9.5mmの石膏ボードと12.5mmの石膏ボード)が丸鋸6で切断する対象の90%を占めている。
そして、上述のような二種類の被切断物を切断するに当り、切断の対象となる被切断物に対応させて頻繁に鋸刃Cの突出量(切り込み深さ)を変更しなければならないのが現状である。
しかしながら、前記丸鋸6は、第二面622に爪体63が当接する方向に本体60とベース体61とを相対回転させるときには爪体63に対する操作を行う必要がないものの、第一面611に爪体63が当接する方向に本体60とベース体61とを相対回転させるときには爪体63に対する操作を行わなければならないため、鋸刃Cの突出量の頻繁な変更(切り換え)は非常に繁雑な作業となる。
また、鋸刃Cに面取り刃を備えたものを採用したときにも、鋸刃Cの突出量を頻繁に変更しなければならない場合があり作業が繁雑になってしまう。すなわち、面取り刃は、鋸刃Cの外径よりも小径な円周上で該鋸刃Cの一方又は両方の面に取り付けられるため、面取り刃が基準面610から突出した状態で被切断物を切断しつつ面取りを行うことができる一方、面取り刃が基準面610から退避した状態で被切断物の切断のみを行える状態となる。そのため、従来の丸鋸6は、被切断物を切断するだけの作業と面取りも併せて行う作業とを頻繁に変更しなければならない場合、鋸刃Cの突出量を頻繁に変える作業が非常に繁雑になる。
さらに、前記丸鋸6は、鋸刃Cの突出量が所定ピッチでしか調整できず、微調整ができない。このため、面取りの大きさを変えることができない。また、本体60と延出体62とをボルト締結(固定手段)で固定しないため、第一面621と第二面622との間を爪体63が僅かであるが移動し、本体60(鋸刃C)と延出体62(ベース体61)との間にガタが生じ、精密な切断ができない。
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、煩わしい作業を伴うことなく、ベース体の基準面からの鋸刃の突出量を大小二つの突出量に迅速に変更できる切断機を提供することを課題とする。
本発明に係る切断機は、円板状の鋸刃を回転させる駆動手段を有する本体と、被切断物に沿わせる基準面が形成され、本体に対して鋸刃の回転軸と平行な軸周りで回転自在に枢結されたベース体と、本体及びベース体を固定可能に構成された固定手段とを備え、本体とベース体との相対回転で、ベース面からの鋸刃の突出量を調整可能に構成された切断機において、ベース体に対して基準面の反対面側に延設された延出体を備え、本体又は延出体の何れか一方には、他方に向けて延出し、本体と延出体との相対移動方向に間隔をあけて互いに対向する一対の対向部が設けられ、本体又は延出体の何れか他方には、一対の対向部間に先端部が介在するストッパーが設けられ、本体とベース体との相対回転で、一方の対向部がストッパーに当接する状態と、他方の対向部がストッパーに当接する状態とに切り換えるように構成されていることを特徴とする。
上記構成の切断機によれば、固定手段による本体とベース体との固定を解除すると、ストッパーが一対の対向部間で本体及び延出体の相対移動方向に移動可能になり、本体とベース体との相対回転が許容される。そして、ストッパーが一方の対向部に当接した状態で、鋸刃の突出量が大小二つのうちの一方の突出量となり、ストッパーが他方の対向部に当接した状態で、鋸刃の突出量が大小二つのうちの他方の突出量となる。そして、鋸刃の突出量が大小二つの何れか一方の突出量となった状態で、固定手段によって本体とベース体とを固定することで、鋸刃の突出量を適正な状態で維持させることができる。
このように、上記構成の切断機は、固定手段による本体とベース体との固定作業、及び、本体とベース体との相対回転作業を行うだけで、基準面からの鋸刃の突出量を大小二つの突出量に迅速に変更することができる。
本発明の一態様として、ストッパーは、一対の対向部間に対して出退可能に構成されてもよい。かかる構成によれば、ストッパーの先端部が一対の対向部間に進入した状態で、本体とベース体とが相対回転したときにストッパーの先端部が何れか一方の対向部と当接可能な状態となり、ストッパーの先端部が一対の対向部間から退避した状態で、本体とベース体とが相対回転したときにストッパーの先端部が何れの対向部にも当接しない状態になる。従って、鋸刃の突出量を定量的な大小二つの突出量に変更できる状態と、鋸刃の突出量を無段階的に変更できる状態とにすることができ、汎用性を高めることができる。
この場合、一対の対向部は、本体と延出体との相対移動方向に複数組並んで設けられることが好ましい。このようにすれば、ストッパーを対向部間から退避させた上で本体と延出体との相対移動方向に設けられた別の対向部間に進入させることができる。これにより、鋸刃の突出量を大小二つの突出量に変更できるパターンが増え、汎用性をよりいっそう高めることができる。
本発明の他態様として、一対の対向部の少なくとも何れか一方は、本体と延出体との相対移動方向に位置変更可能に設けられてもよい。かかる構成によれば、ストッパーと対向部との当接位置を変更することができるため、対向部の位置を予め変更しておくことで、定量的に変更される鋸刃の突出量を所望する突出量に調整することができる。
具体的には、何れか一方の対向部を位置変更させることで、一方の対向部が当初のままの配置となる一方、他方の対向部が変更後の配置となるため、一方の対向部がストッパーに当接したときの鋸刃の突出量を変更することなく、他方の対向部がストッパーに当接したときの鋸刃の突出量を変更することができる。また、対向部間の間隔を変更することなく一対の対向部を位置変更させることで、対向部間で許容されるストッパーの移動距離が変更されることなく、各対向部とストッパーとの当接位置が変更されるため、鋸刃の大小二つの突出量の差を変更することなく、鋸刃の大小二つの突出量を変更することができる。さらに、対向部間の間隔を拡大又は縮小するように一対の対向部を位置変更させることで、対向部間で許容されるストッパーの移動距離が変更されるのに併せて各対向部とストッパーとの当接位置が変更されるため、鋸刃の大小二つの突出量の差を変更しつつ鋸刃の大小二つの突出量を変更することができる。
本発明の別の態様として、ストッパーは、本体と延出体との相対移動方向に位置変更可能に設けられてもよい。かかる構成によれば、ストッパーを位置変更することで、ストッパーと対向部との当接位置が変更されるため、定量的に変更される鋸刃の突出量を所望する突出量に調整することができる。
本発明の別の態様として、一対の対向部は、延出体に設けられ、ストッパーは、本体に対して所定の軸線周りで回転自在に枢着されるとともに先端部を一対の対向部間に進入させるべく付勢手段によって付勢され、前記軸線周りの回転で一対の対向部間に対して先端部が出退可能に構成されてもよい。かかる構成によれば、ストッパーに対する対向部の当接で、鋸刃の突出量を定量的に変更できる上に、簡単な操作でストッパーを対向部間から退避させることができ、鋸刃の突出量を任意に設定することができる。
この場合、ストッパーの先端部が一対の対向部間から退避した状態で、ストッパーの姿勢を維持させる姿勢維持手段をさらに備えることが好ましい。このようにすれば、姿勢維持手段によってストッパーを対向部間から退避させた状態を維持させることができるため、ストッパーの姿勢を保つといった煩わしい作業を行うことなく鋸刃の突出量の調整を容易に行うことができる。
本発明のさらに別の態様として、ベース体の基準面の反対面側に基端部が枢結されて延出するガイドリンクと、本体とベース体との相対回転に伴って移動するガイドリンクを延出方向に案内すべく、本体に設けられた案内体とを備え、前記ガイドリンクは、前記延出体として兼用されてもよい。かかる構成によれば、装置の構造を複雑にすることがなく、上記作用及び効果を奏することができる。すなわち、ガイドリンクと延出体を別個に設けてもよいが、このようにすると装置の大型化が余儀なくされるため、ガイドリンクを延出体に兼用することで、装置の簡略化及び小型化を達成することができる。
以上のように、本発明に係る切断機によれば、煩わしい作業を伴うことなく、ベース体の基準面からの鋸刃の突出量を大小二つの突出量に迅速に変更できるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の第一実施形態に係る切断機について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る切断機は、図1及び図2に示す如く、円板状の鋸刃Cを回転させることで、被切断物を切断する丸鋸である。該丸鋸1は、図2及び図3に示す如く、円板状の鋸刃Cを回転させる駆動手段100を有する本体10と、本体10に対して鋸刃Cの回転軸101(駆動手段100の出力軸101)と平行な軸(以下、枢結軸という)S周りで回転自在に枢結されたベース体20と、本体10とベース体20とを枢結軸S周りで相対回転させるときにベース体20(後述するベース本体210)を案内するための案内手段30と、本体10とベース体20とを互いに固定可能に構成された固定手段40とを備える。
前記本体10は、前記駆動手段100と、ハウジング110とを備える。
前記駆動手段100は、駆動モータMと、駆動モータMの出力回転を変速する変速機構(図示しない)とで構成されている。前記駆動モータMには、電動モータやエアーモータ等の種々のモータを採用することができ、本実施形態においては、電動モータを採用している。前記変速機構は、駆動モータMの出力軸に連結されており、駆動モータMの回転出力を増速又は減速するようになっている。そして、変速機構の出力軸(鋸刃Cの回転軸)101には、鋸刃Cを同心で取り付けるための取付手段(図示しない)が設けられている。取付手段には、種々のものがあるが、何れも鋸刃Cの交換が可能に構成されており、一般的に、出力軸101に螺合されたナット部材で鋸刃Cの中央部を挟み込んで取り付けるようになっている。
前記ハウジング110は、駆動手段100(駆動モータM及び変速機構)を内装した駆動系カバー部111と、駆動系カバー部111の上部に連設されたハンドル部112と、駆動系カバー部111に連設され、変速機構の出力軸101に取り付けられた鋸刃Cの上方を覆う鋸刃カバー部113とを備える。
ハンドル部112は、作業者が把持可能に形成されている。該ハンドル部112には、駆動モータMを稼働させるためのスイッチ112aが設けられている。
前記鋸刃カバー部113は、駆動系カバー部111の他端(筒状部分の他端開口縁部)に連設されており、鋸刃Cの刃部を覆うようになっている。具体的に説明すると、鋸刃カバー部113は、駆動系カバー部111の他端から外方に拡がり、変速機構の出力軸101の軸線方向から見て略半円状をなす接続部113aと、前記出力軸101の軸線方向から見て略半円環状をなし、接続部113aに対して間隔をあけて配置された垂下カバー部113bと、接続部113aと垂下カバー部113bとの外周同士を接続した上部カバー部113cとを備えており、変速機構の出力軸101に取り付けた鋸刃Cの外周の刃部が接続部113aと垂下カバー部113bとの間に介在するようになっている。そして、前記上部カバー部113cには、ストッパー150の後述する操作部152を外部から操作可能にするための開口114が形成されている(図1乃至図3参照)。
そして、図1及び図2に示す如く、鋸刃カバー部113には、鋸刃Cの回転中心よりも下方側にある鋸刃Cの刃部を覆うためのロアカバー117が取り付けられている。該ロアカバー117は、鋸刃Cの回転中心周りで回転可能に設けられている。これにより、ロアカバー117は、鋸刃Cの回転中心周りで回転することで、鋸刃Cの刃部を覆った状態と、前記鋸刃Cカバー内に退避して鋸刃Cの刃部が露呈した状態とに切り替わるようになっており、常態において、バネの付勢によって刃部を覆った状態で維持するようになっている。
本実施形態に係る鋸刃カバー部113は、図2及び図3に示す如く、本体10とベース体20とを枢結するための枢結軸Sを挿入する軸挿入部118が形成されている。該軸挿入部118は、挿入する枢結軸Sが鋸刃Cの回転軸101(出力軸101)に対して平行になるように形成される。本実施形態の軸挿入部118は、被切断物を切断する際の移動方向で先頭側となる鋸刃カバー部113の一端部に設けられている。
前記ベース体20は、被切断物に沿わせる基準面200が形成されている。具体的には、ベース体20は、一面が前記基準面200として平面状をなすプレート状のベース本体210と、該ベース本体210を本体10に枢結可能に構成された連結部220とを備える。本実施形態に係るベース体20は、鋸刃Cの回転軸101と直交する第二の軸(以下、第二軸という)S2周りでも回転可能になっている。そのため、ベース体20には、本体10に対して第二軸S2線周りで回転可能に連結する連結手段230が設けられている。
前記ベース本体210は、平面視略長方形状に形成されており、長手方向に延びる長穴状の開口211が形成されている。これにより、ベース本体210は、開口211から鋸刃Cを突出させ得るようになっている。本実施形態において、鋸刃カバー部113にロアカバー117が設けられているため、前記開口211は、鋸刃Cのみならず、鋸刃Cを覆ったロアカバー117も基準面200側に突出させ得るように形成されている。
前記連結手段230は、ベース本体210の基準面200の反対側面(基準面200の裏面)に突設された支持体231と、該支持体231に対して第二軸S2周りで回転自在に枢結された回転フレーム232とを備えている。そして、本実施形態に係る丸鋸1は、第二軸S2周りでベース体20を適正に回転させるべく、連結手段230がベース本体210の長手方向の両端部に設けられている。そして、一方の連結手段230(被切断物を切断する際の進行方向で先頭側になる端部に設けられた連結手段230)は、回転フレーム232に前記連結部220が連設されている。該連結部220には、軸挿入部118に跨るように単一な枢結軸Sが挿入されている。これにより、一方の連結手段230は、枢結軸S周りで本体10とベース体20とを相対回転可能とした上で、第二軸S2周りでも本体10とベース体20とを相対回転可能としている。
そして、他方の連結手段230も同様に、支持体231及び回転フレーム232を備えており、回転フレーム232に、後述のガイドリンク300の基端部が枢結されている。詳細については後述するが、ガイドリンク300は、固定手段40によって本体10に固定されるようになっているため、他方の連結手段230は、ガイドリンク300を介して回転フレーム232が本体10に連結された状態になっている。
そして、各連結手段230は、支持体231と回転フレーム232とを互いに固定する第二固定手段233が設けられている。第二固定手段233は、螺旋部材で構成されており、第二軸S2周りで回転したベース体20が所望する角度になった状態で、支持体231と回転フレーム232とを互いに固定できるようになっている。
案内手段30は、図3に示す如く、ベース体20の基準面200の反対面側から延出するガイドリンク300と、本体10とベース体20との相対回転に伴って移動するガイドリンク300を延出方向に案内すべく、本体10に設けられた案内体310とを備える。
本実施形態に係るガイドリンク300は、ベース体20の他端側に設けられている。そして、ガイドリンク300は、鋸刃カバー部113内で延出方向に移動できるように、本体10とベース体20とを枢結した枢結軸Sから当該ガイドリンク300の配置位置までの距離よりも小さな曲率半径(鋸刃カバー部113の上部カバー部113cの曲率半径以下の曲率半径)で、鋸刃Cの回転軸101と同方向に延びる軸線周りで円弧状に延出している。このため、ガイドリンク300は、曲率中心が枢結軸Sに対して偏心することから、本実施形態にかかるガイドリンク300は、基端部が連結手段230の回転フレーム232に鋸刃Cの回転軸101と平行な枢結軸(以下、第二枢結軸という)S3周りで回転自在に枢結されている。そして、該ガイドリンク300は、鋸刃カバー部113の接続部113aに沿うように配置されている。
該ガイドリンク300は、本体10(接続部113a)の穴に回転可能に挿入された案内体310を挿通する長穴301が延出方向に沿って形成されている。また、該ガイドリンク300は、接続部113aと対向する面の反対面には、長穴301の幅よりも幅広で長穴301と同方向に延びる浅溝302が形成されており、該浅溝302に固定手段40の後述するナット402が回り止めされた状態で嵌め込まれている。
前記案内体310は、ガイドリンク300の長穴301に挿入されるように鋸刃カバー部113の接続部113aから延出しており、本実施形態においては、固定手段40がガイドリンク300を介して本体10とベース体20とを固定するように構成されているため、固定手段40の後述する雄ネジ部材400が案内体310として長穴301に挿入されている。
前記固定手段40は、図2に示す如く、本体10とベース体20との相対移動を阻止すべく、本体10とベース体20とを互いに定位置で固定できるようになっている。本実施形態に係る固定手段40は、本体10とガイドリンク300とを挟み込むことで、本体10に対してベース体20を間接的に固定できるようになっている。具体的に説明すると、固定手段40は、頭部を外側にして鋸刃カバー部113の接続部113aに挿通される雄ネジ部材400と、該雄ネジ部材400の頭部に連結された操作レバー401と、ガイドリンク300に形成された長穴301に挿通された雄ネジ部材400のネジ部に螺合されたナット402とを備えている。前記操作レバー401は、雄ネジ部材400の軸線と直交方向に延びるように形成されている。そして、ナット402は、ガイドリンク300に形成された浅溝302に嵌め込まれて回り止めされており、雄ネジ部材400との供回りが防止されている。上記構成の固定手段40は、操作レバー401の操作で雄ネジ部材400を回転させることで、雄ネジ部材400の頭部とナット402とによって鋸刃カバー部113(本体10)とガイドリンク300とを締め付けて固定するようになっている。これより、本体10とガイドリンク300が連結されたベース体20とを定位置で固定できるようになっている。
本実施形態に係る丸鋸1は、上記構成を前提に、図3に示す如く、ベース体20に対して基準面200の反対面側に延設された延出体50を備えている。
前記延出体50は、上述の如く、ベース体20の基準面200の反対面側に延設され、ガイドリンク300と同様の構成であるところ、本実施形態において、前記ガイドリンク300を延出体50として兼用している。このように、本実施形態では延出体50及びガイドリンク300が同一のものであるが、以下の説明において、ガイドリンク300を延出体50として説明することとする。
前記延出体50には、本体10に向けて延出し、本体10と延出体50との相対移動方向に間隔をあけて互いに対向する一対の対向部51,52が設けられている。本実施形態に係る延出体50は、略一定幅で円弧状に形成されており、前記一対の対向部51,52が鋸刃カバー部113の上部カバー部113cと対向する外周部に設けられている。一対の対向部51,52のそれぞれは、延出体50の延出方向に間隔をあけて互いに対向する平面で構成されている。本実施形態においては、延出体50の外周部に一定の深さで外周方向(長手方向)に延びた凹部55が形成されており、延出体50の長手方向で凹部55…の始点及び終点を画定する一対の平面が前記一対の対向部51,52を構成している。
本実施形態の延出体50には、一対の対向部51,52が本体10と延出体50との相対移動方向に複数組並んで設けられている。そして、何れの組の一対の対向部51,52も、上述の如く、延出体50に外周部に形成された凹部55…の始点及び終点を画定する平行(又は略平行)な二面で構成されている。
一対の対向部51,52のそれぞれは、ベース体20の基準面200からの鋸刃Cの突出量に応じて配置が設定される。そのため、一対の対向部51,52の間隔は、大小二つの突出量の差、すなわち、被切断物に対する大小二つの切り込み量の差に対応している。そして、本実施形態のように、一対の対向部51,52が複数組設けられる場合には、その他の組における一対の対向部51,52の配置は、優先順位が高い切り込み量に応じて設定される。従って、一対の対向部51,52の配置を決定する複数の凹部55…は、延出体50の延出方向に等間隔に形成される場合や、不等間隔に形成される場合があり、また、各凹部55…の長手方向の長さ(凹部55…を画定する平行な二面(一対の対向部51,52)の間隔)は、同一に設定される場合や、異なる間隔に設定される場合がある。
前記ストッパー150は、本体10の鋸刃カバー部113に取り付けられている。そして、本実施形態に係るストッパー150は、一対の対向部51,52間に対して先端部が出退可能に構成されている。
具体的に説明すると、本実施形態に係るストッパー150は、鋸刃カバー部113の内面に固定された取付ベース151に対し、鋸刃Cの回転軸101と平行な所定の軸線周りで回転自在に枢着されている。前記取付ベース151は、本体10と延出体50との相対移動方向に位置変更可能に取り付けられており、これによってストッパー150も同方向に位置変更可能になっている。ストッパー150は、一方向を長手にして延びるように形成されており、その長手方向の中間位置が取付ベース151に枢着されている。そして、ストッパー150は、回転中心を境にして長手方向の一端側の先端部が長手方向と直交する方向に屈曲しており、一対の対向部51,52間に介在できるようになっている。該ストッパー150の先端部は、一対の対向部51,52間に介在し、何れか一方の対向部51,52に当接したときに、何れか他方の対向部51,52との間に本体10及び延出体50の相対移動を許容する移動代が形成されるサイズに設定されている。これにより、ストッパー150の先端部が一対の対向部51,52に挟まれることなく、本体10と延出体50との相対移動を許容している。
そして、該ストッパー150は、回転中心を境にして長手方向の他端側が操作部152として設定され、該操作部152を鋸刃カバー部113の開口114から外部に突出させている。そして、該ストッパー150は、バネ体153によって一端側が延出体50側に向けて付勢されている。これにより、ストッパー150は、常態においてバネ体153の付勢によって先端部が一対の対向部51,52間に進入(介在)した状態となる一方、バネ体153の付勢に対抗するように操作部152を押し操作することで、先端部が一対の対向部51,52間(凹部55…)から退避した状態になるようになっている。
本実施形態に係る丸鋸1は、ストッパー150の先端部が対向部51,52間に対して出退可能とされているため、先端部を対向部51,52間から退避させたストッパー150をその姿勢で維持させる姿勢維持手段155を備えている。姿勢維持手段155は、ストッパー150が回転軸周りで回転可能とされ、且つ他端側が操作部152として設定されていることを前提としたもので、鋸刃カバー部113に取り付けられている。本実施形態に係る姿勢維持手段155は、上部カバー部113cの長手方向に延びるように、該上部カバー部113cの開口114に連続して形成されたスリット119に嵌着されている。具体的には、該姿勢維持手段155は、鋸刃カバー部113の内側に配設される押圧部155aと、鋸刃カバー部113の外側に配設される姿勢維持用の操作部155bと、スリット119を介して押圧部155aと操作部155bとを連結し、スリット119に沿って案内される案内接続部155cとを備えている。
該姿勢維持手段155は、操作部155bの操作でスリット119の長手方向にスライドさせることで、押圧部155aがストッパー150の操作部152を押圧する状態と、押圧部155aによるストッパー150の操作部152に対する押圧を解除した状態とに切り換え可能になっている。
本実施形態に係る丸鋸1は、以上の構成からなり、かかる丸鋸1の作動について説明すると、対向部51,52がストッパー150に当接したときに鋸刃Cの突出量が所望する突出量となるように、予めストッパー150(取付ベース151)を本体10と延出体50との相対移動方向に位置変更させて固定しておく。そして、固定手段40による本体10とベース体20との固定を解除し、これらを枢結軸S周りで相対回転可能な状態にする。
そして、本体10及びベース体20を枢結軸S周りで相対回転させる。本実施形態に係る丸鋸1は、ストッパー150の一端側がバネ体153によって付勢されているため、本体10及びベース体20を相対回転させても、ストッパー150の先端部が一対の対向部51,52間に位置し、該対向部51,52間で移動することになる。そして、図3及び図4に示す如く、何れか一方の対向部51,52にストッパー150の先端部が当接すると、延出体50の連結されたベース体20は、延出体50の配置に対応した姿勢となる。
すなわち、本実施形態に係る丸鋸1は、図3に示す如く、ストッパー150が延出体50の基端側にある他方の対向部52に当接すると、予め設定された大小二つの鋸刃Cの突出量のうち、大きい方の突出量で鋸刃Cが基準面200から突出する一方、図4に示す如く、ストッパー150が延出体50の先端側にある一方の対向部51に当接すると、予め設定された大小二つの鋸刃Cの突出量のうち、小さい方の突出量で鋸刃Cが基準面200から突出することになる。そして、ストッパー150が何れか一方の対向部51,52に当接した状態で、固定手段40で本体10とベース体20とを固定することで、鋸刃Cの突出量を一定状態で維持できるようになる。
従って、本実施形態に係る丸鋸1は、鋸刃Cを回転させつつ被切断物に対してベース体20の基準面200を沿わせ、鋸刃Cの回転軸101と直交方向に移動させることで、基準面200に対する鋸刃Cの突出量に応じた切り込み深さで被切断物を切断することができる。
そして、鋸刃Cの突出量を当初とは異なる大小二つの突出量に変更する場合には、固定手段40による本体10とベース体20との固定を解除し、これらが枢結軸S周りで相対回転可能な状態にする。
しかる後、図5に示す如く、ストッパー150を回転させて先端部を一対の対向部51,52間から退避させ、該先端部が対象となる他の対向部51,52間に対応した配置になるよう本体10とベース体20とを枢結軸S周りで相対回転させる。そして、ストッパー150の先端部を上記他の対向部51,52間に進入させた上で、本体10とベース体20とを枢結軸S周りで相対回転させる。
この場合においても、ストッパー150は、バネ体153によって付勢されているため、本体10とベース体20とを枢結軸S周りで相対回転させても、ストッパー150の先端部が一対の対向部51,52間に位置し、該対向部51,52間で移動することになる。そして、何れか一方の対向部51,52にストッパー150の先端部が当接すると、延出体50の連結されたベース体20は、延出体50の配置に対応した姿勢となるため、鋸刃Cの突出量は当初とは異なる大小二つの突出量に切り換えられることになる。そして、固定手段40で本体10とベース体20とを固定することで、鋸刃Cの突出量が一定状態で維持することになる。
これにより、本実施形態に係る丸鋸1は、鋸刃Cを回転させつつ被切断物に対してベース体20の基準面200を沿わせ、鋸刃Cの回転軸101と直交方向に移動させることで、変更後の鋸刃Cの突出量に応じた切り込み深さで被切断物を切断することができる。
そして、任意の突出量(切り込み深さ)で被切断物を切断する場合には、図6に示す如く、ストッパー150を回転させて先端部を一対の対向部51,52間から退避させた状態にする。この際、操作部152の押し操作でストッパー150の姿勢を維持させてもよいが、本実施形態に係る丸鋸1には、姿勢維持手段155が設けられているため、該姿勢維持手段155によって操作部152を押圧状態にすることで、ストッパー150の先端部を対向部51,52間から退避させた状態にしてもよい。
このように、ストッパー150の先端部を一対の対向部51,52間から退避させると、ストッパー150の先端部が何れの対向部51,52にも当接しない状態となるため、本体10とベース体20との枢結軸S周りでの相対回転がフリーになり、基準面200からの鋸刃Cの突出量が所望する突出量に調整することができる。そして、鋸刃Cの突出量を調整した後に固定手段40で本体10とベース体20とを固定することで、鋸刃Cの突出量が所望する突出量で維持することになる。
これにより、本実施形態に係る丸鋸1は、鋸刃Cを回転させつつ被切断物に対してベース体20の基準面200を沿わせ、鋸刃Cの回転軸101と直交方向に移動させることで、鋸刃Cの突出量に応じた所望の切り込み深さで被切断物を切断することができる。
以上のように、本実施形態に係る丸鋸1は、ベース体20に対して基準面200の反対面側に延設された延出体50を備え、該延出体50には、本体10に向けて延出し、本体10と延出体50との相対移動方向に間隔をあけて互いに対向する一対の対向部51,52が設けられ、本体10には、一対の対向部51,52間に先端部が介在するストッパー150が設けられ、本体10とベース体20との相対回転で、一方の対向部51がストッパー150に当接する状態と、他方の対向部52がストッパー150に当接する状態とに切り換るように構成されているので、固定手段40による本体10とベース体20との固定作業と、本体10とベース体20とを相対回転させる作業とを行うだけで、鋸刃Cの突出量を大小二つの突出量に迅速に変更できる。
また、本実施形態に係る丸鋸1は、ストッパー150が一対の対向部51,52間に対して出退可能に構成されているので、鋸刃Cの突出量を定量的な大小二つの突出量に変更できる状態と、鋸刃Cの突出量を無段階的に変更できる状態とにすることができ、汎用性を高めることができる。
また、一対の対向部51,52が、本体10と延出体50との相対移動方向に複数組並んで設けられているので、ストッパー150を選択した何れかの一対の対向部51,52間に進入させることができ、該ストッパー150の先端部を進入させる対向部51,52間の配置によって、延出体50の連結されたベース体20と本体10(鋸刃C)との相対位置を変更することができる。また、何れの組の対向部51,52間にストッパー150の先端部を進入させても、一対の対向部51,52間でのストッパー150の移動が許容され、何れか一方の対向部51,52がストッパー150に当接した状態に切り換えることができる。これにより、鋸刃Cの突出量を大小二つの突出量に変更できるパターンが増え、汎用性をよりいっそう高めることができる。
さらに、本実施形態に係る丸鋸1によれば、一対の対向部51,52は、延出体50に設けられ、ストッパー150は、本体10に対して所定の軸線周りで回転自在に枢着されるとともに先端部が一対の対向部51,52間に介在するようにバネ体(付勢手段)153に付勢され、所定の軸線周りの回転で一対の対向部51,52間に対して先端部が出退可能に構成されているので、対向部51,52に対するストッパー150の当接で、鋸刃Cの突出量を定量的に変更できる上に、簡単な操作でストッパー150を対向部51,52間から退避させることができ、上述のように鋸刃Cの突出量を任意に設定することができる。
また、本実施形態に係る丸鋸1は、ストッパー150の先端部が一対の対向部51,52間から退避した状態で、ストッパー150の姿勢を維持させる姿勢維持手段155を備えているので、姿勢維持手段155によってストッパー150を対向部51,52間から退避させた状態を維持させることができ、ストッパー150の姿勢を保つといった煩わしい作業を行うことなく鋸刃Cの突出量の調整を容易に行うことができる。
そして、本実施形態に係る丸鋸1は、ベース体20の基準面200の反対面側に基端部が枢結されて延出するガイドリンク300を延出体50として兼用しているので、装置全体を複雑化や大型化させることなく、上記作用及び効果を奏するものにすることができる。
次に、本発明の第二実施形態に係る丸鋸について説明する。なお、本実施形態に係る丸鋸は、基本構成が第一実施形態と共通しており、本体及びベース体には、第一実施形態と同一のものが採用されている。従って、ここでは、第一実施形態と共通する構成については、説明を割愛し、相違する構成についてのみ説明することとする。また、第一実施形態の構成と同一の構成又は相当する構成については、第一実施形態と同一名称及び同一符号を付すこととする。
本実施形態に係る丸鋸1は、図7に示す如く、第一実施形態と同様にガイドリンク300が延出体50として兼用されている。そして、本実施形態に係る丸鋸1は、一対の対向部51,52が本体10とガイドリンク300との相対移動方向に位置変更可能に構成されている。
具体的に説明すると、本実施形態に係る丸鋸1の延出体50は、ベース本体210の基準面200とは反対面側に延出する延出体本体500と、互いに対向する一対の対向部51,52で構成された凹部55が形成され、延出体本体500に固定される固定部材510とを備えている。すなわち、第一実施形態において、延出体50そのものに一対の対向部51,52(凹部55…)を形成したが、本実施形態においては、延出体本体500と一対の対向部51,52で構成された凹部55が形成された固定部材510とを別体で構成し、延出体本体500に対して固定部材510の配置を調整して固定することで、一対の対向部51,52を所望する位置に設定できるようになっている。
前記延出体本体500は、鋸刃Cの回転軸101と同方向に延びる軸線周りで円弧状に延出しており、該延出方向と直交方向の幅が略一定幅に設定されている。該延出体本体500は、枢結軸Sから当該延出体50の配置位置までの距離よりも小さな曲率半径に設定され、曲率中心が枢結軸Sに対して偏心している。これに伴い、延出体本体500は、鋸刃Cの回転軸101と平行な第二枢結軸S3周りで回転自在にベース体20(他方の連結手段230の回転フレーム232)に枢着されている。
前記固定部材510は、円弧状をなす延出体本体500の外周に沿って配置できるように一方向を長手にして形成されている。そして、該固定部材510は、長手方向の両端部に長手方向に延びる長穴又はスリット(図においては長穴)511が形成されており、該長穴又はスリット511に挿通したネジ512で延出体本体500に固定されるようになっている。本実施形態においては、ネジ512の頭部が固定部材510から外方に突出しないように、延出体本体500の外周に沿う面の反対面に長穴又はスリット511よりも幅広なザグリ513が長手方向に延びるように形成されており、該ザグリ513にネジ512の頭部が収容されるようになっている。
そして、該固定部材510は、延出体本体500の外周に沿う面の反対面側に長手方向に延びる凹部55が形成されており、延出体50の長手方向で凹部55の始点及び終点を画定する一対の平面が前記一対の対向部51,52を構成している。
本実施形態に係る丸鋸1は、ストッパー150が第一実施形態と同様に構成されており、本体10に対して鋸刃Cの回転軸101と平行な軸線周りで回転自在に枢着されるとともに、一端側がバネ体153によって延出体50に向けて付勢されている。これにより、常態においてバネ体153の付勢で先端部が一対の対向部51,52間に介在し、他端側の操作部152に対する押圧で先端部が一対の対向部51,52間から退避するようになっている。
次に、本実施形態に係る丸鋸1の作動について説明とすると、本実施形態に係る丸鋸1は、一対の対向部51,52(凹部55)の形成された固定部材510が、本体10及び延出体50の相対移動方向(一対の対向部51,52の間隔方向)に位置変更可能とされているため、一対の対向部51,52が所望する鋸刃Cの突出量と対応した配置になるように、予め固定部材510の配置を決定して固定しておく。そして、固定手段40による本体10とベース体20との固定を解除した上で、本体10とベース体20とを枢結軸S周りで相対回転させることで、ベース体20の基準面200に対する鋸刃Cの突出量が変更される。
従って、本実施形態においても、延出体50の先端側にある一方の対向部51がストッパー150に当接すると、予め設定された大小二つの鋸刃Cの突出量のうち、小さい方の突出量で鋸刃Cが基準面200から突出する一方、延出体50の基端側にある他方の対向部52がストッパー150に当接すると、予め設定された大小二つの鋸刃Cの突出量のうち、大きい方の突出量で鋸刃Cが基準面200から突出することになる。なお、本実施形態においては、単一な固定部材510に一対の対向部51,52が一体的に形成されているため、大きい方の突出量と小さい方の突出量との差には変化はない。そして、ストッパー150が何れかの対向部51,52に当接した状態で、固定手段40で本体10とベース体20とを固定することで、鋸刃Cの突出量を一定状態で維持できるようになる。
これにより、本実施形態に係る丸鋸1においても、鋸刃Cを回転させつつ被切断物に対してベース体20の基準面200を沿わせ、鋸刃Cの回転軸101と直交方向に移動させることで、基準面200に対する鋸刃Cの突出量に応じた切り込み深さで被切断物を切断することができる。
以上のように、本実施形態に係る丸鋸1は、第一実施形態と同様に、一対の対向部51,52が延出体50に設けられるとともに、一対の対向部51,52間に先端部を介在させるストッパー150が本体10に設けられているため、煩わしい作業を行うことなく、鋸刃Cの突出量を大小二つの突出量に迅速に変更することができる。
また、ストッパー150は、対向部51,52間に対して出退可能に構成されているので、該ストッパー150を対向部間から退避させることで、本体10及びベース体20が無段階で相対回転可能となり、鋸刃Cの突出量を任意に設定することもできる。
そして、本実施形態においては、一対の対向部51,52(凹部55)の形成された固定部材510が、本体10及び延出体50の相対移動方向に位置変更可能に構成されているので、固定部材510(対向部51,52)の位置変更可能な範囲で鋸刃Cの突出量を変更することができる。これにより、鋸刃Cの突出量が特定の大小二つにのみ限定されたものとならず、汎用性を高めることができる。
次に、本発明の第三実施形態に係る丸鋸について説明する。なお、本実施形態に係る丸鋸については、基本構成が第一実施形態と共通しており、本体及びベース体には、第一実施形態と同一のものが採用されている。従って、ここでも、第一実施形態と共通する構成については、説明を割愛し、相違する構成についてのみ説明することとする。また、第一実施形態の構成と同一の構成又は相当する構成については、第一実施形態と同一名称及び同一符号を付すこととする。
本実施形態に係る丸鋸1は、図8に示す如く、第一実施形態と同様にガイドリンク300が延出体50として兼用されている。そして、本実施形態に係る丸鋸1は、一方の対向部51が固定されるとともに他方の対向部52が本体10とガイドリンク300との相対移動方向に位置変更可能に構成されている。
具体的に説明すると、本実施形態に係る丸鋸1の延出体50は、ベース本体210の基準面200とは反対面側に延出するとともに他方の対向部52が形成された延出体本体500と、一方の対向部51が形成され、該一方の対向部51を他方の対向部52に対向させて延出体本体500に固定されるストップ部材520とを備えている。すなわち、第一実施形態において、延出体50そのものに一対の対向部51,52(凹部55)を形成し、第二実施形態において、延出体本体500に固定される固定部材510に一対の対向部51,52を形成したが、本実施形態においては、延出体本体500に他方の対向部52を形成し、延出体本体500に固定されるストップ部材520に一方の対向部51を形成し、延出体本体500に対してストップ部材520の配置を調整して固定することで、他方の対向部52を所望する位置に設定できるようになっている。
前記延出体本体500は、鋸刃Cの回転軸101と同方向に延びる軸線周りで円弧状に延出しており、該延出方向と直交方向の幅が略一定幅に設定されている。該延出体本体500は、枢結軸Sから当該延出体50の配置位置までの距離よりも小さな曲率半径に設定され、曲率中心が枢結軸Sに対して偏心している。これに伴い、延出体本体500は、鋸刃Cの回転軸101と平行な第二枢結軸S3周りで回転自在にベース体20(他方の連結手段230の回転フレーム232)に枢着されている。
本実施形態に係る延出体本体500は、外周部に延出方向を長手にした凹部55aが形成されている。延出体本体500は、凹部55aを画定する長手方向の対向二面の他方が対向部52として設定されている。かかる凹部55aは、長手方向の長さが予め設定される一対の対向部51,52の間隔よりも大幅に長く形成されており、ストップ部材520を長手方向に移動可能に配置できるようになっている。そして、該凹部55aは、ストップ部材520を配置した状態で、他方の対向部52とストップ部材520との間が、ストッパー150の先端部を介在させる介在代と、本体10及び延出体50の相対移動を許容する移動代とを合わせた長さ以上の間隔になるように、長手方向の長さが設定されている。本実施形態においては、ストップ部材520が延出体本体500の延出方向に位置変更可能に構成されており、これに伴って、本実施形態に係る凹部55aは、ストップ部材520を延出体本体500の先端側に配置したときに、他方の対向部52とストップ部材520との間に、前記介在代と移動代の合計長さにストップ部材520の位置調整代を加えた長さの間隔があくように、長手方向の長さが設定されている。
前記ストップ部材520は、片状に形成されており、一端面が一方の対向部51として設定されている。該ストップ部材520は、一端面(対向部51)を延出体本体500の対向部52に対向させて凹部55a内に配置される。なお、図8に示す丸鋸1は、他方の対向部52として延出体本体500の基端側にある凹部55aの起立面が設定されているため、ストップ部材520は、延出体本体500の先端側に配置されているが、他方の対向部52として延出体本体500の先端側にある凹部55aの起立面が設定される場合には、ストップ部材520は、延出体本体500の基端側に配置される。
ストップ部材520には、対向部51が形成された一端側から他端側に向けて延びる長穴521が穿設されており、凹部55a内に配置された状態で、長穴521に挿通したネジ522を延出体50に螺入することで固定されるようになっている。該ストップ部材520は、ネジ522を挿通する穴521が上述の如く長穴にされているため、ネジ522による固定を解除することで、延出体本体500の延出方向に移動できるようになっている。これにより、本実施形態に係る丸鋸1は、ストップ部材520の位置変更によって、一対の対向部51,52の間隔を変更できるようになっている。
本実施形態に係る丸鋸1は、ストッパー150が第一及び第二実施形態と同様に構成されており、本体10に対して鋸刃Cの回転軸101線と平行な軸線周りで回転自在に枢着されるとともに、一端側がバネ体153によって延出体50に向けて付勢されている。これにより、常態において、バネ体153の付勢で先端部が一対の対向部51,52間に介在し、他端側の操作部152に対する押圧で先端部が一対の対向部51,52間から退避するようになっている。
次に、本実施形態に係る丸鋸1の作動について説明とすると、本実施形態に係る丸鋸1は、一方の対向部51の形成されたストップ部材520が、本体10と延出体50との相対移動方向に位置変更可能とされているため、一方の対向部51が所望する鋸刃Cの突出量と対応した配置になるように、予めストップ部材520の配置を決定して固定しておく。そして、固定手段40による本体10とベース体20との固定を解除した上で、本体10とベース体20とを枢結軸S周りで相対回転させることで、ベース体20の基準面200に対する鋸刃Cの突出量が変更される。
従って、本実施形態においても、何れかの対向部51,52がストッパー150に当接することで、鋸刃Cの突出量が大小二つに変更されることになる。なお、本実施形態においては、一方の対向部51が形成されたストップ部材520が位置変更可能とされているため、ストッパー150に一方の対向部51が当接したときの鋸刃Cの突出量は調整可能であるが、ストッパー150に他方の対向部52が当接したときの鋸刃Cの突出量は一定である。そして、ストッパー150が何れかの対向部51,52に当接した状態で、固定手段40で本体10とベース体20とを固定することで、鋸刃Cの突出量を一定状態で維持できるようになる。
これにより、本実施形態に係る丸鋸1においても、鋸刃Cを回転させつつ被切断物に対してベース体20の基準面200を沿わせ、鋸刃Cの回転軸101と直交方向に移動させることで、基準面200に対する鋸刃Cの突出量に応じた切り込み深さで被切断物が切断される。
以上のように、本実施形態に係る丸鋸1は、第一及び第二実施形態と同様に、一対の対向部51,52が延出体50に設けられるとともに、一対の対向部51,52間に先端部を介在させるストッパー150が本体10に設けられているため、煩わしい作業を行うことなく、鋸刃Cの突出量を大小二つの突出量に迅速に変更することができる。
また、ストッパー150は、対向部51,52間に対して出退可能に構成さているので、該ストッパー150を対向部51,52間から退避させることで、本体10及びベース体20が無段階で相対回転可能となり、鋸刃Cの突出量を任意に設定することもできる。
そして、本実施形態においては、一方の対向部51の形成されたストップ部材520が、本体10と延出体50との相対移動方向に位置変更可能に構成されているので、ストップ部材520(対向部51)の位置変更可能な範囲で鋸刃Cの突出量を変更することができる。これにより、鋸刃Cの突出量が特定の大小二つの突出量にのみ限定されたものとならず、汎用性を高めることができる。
次に、本発明の第四実施形態に係る丸鋸について説明する。なお、本実施形態に係る丸鋸については、基本構成が第一実施形態と共通しており、本体及びベース体には、第一実施形態と同様のものが採用されている。従って、ここでも、第一実施形態と共通する構成については、説明を割愛し、相違する構成についてのみ説明することとする。また、第一実施形態の構成と同一の構成又は相当する構成については、第一実施形態と同一名称及び同一符号を付すこととする。
本実施形態に係る丸鋸1は、図9に示す如く、第一実施形態と同様にガイドリンク300が延出体50として兼用されている。そして、本実施形態に係る丸鋸1は、第一乃至第三実施形態とは異なり、一対の対向部51,52が本体10に設けられ、ストッパー150が延出体50に設けられている。
具体的に説明すると、本実施形態に係る丸鋸1の延出体50は、本体10に向けて延出する延出体本体500と、該延出体本体500に取り付けられたストッパー150とを備える。
前記延出体本体500は、鋸刃Cの回転軸101と同方向に延びる軸線周りで円弧状に延出しており、該延出方向と直交方向の幅が略一定幅に設定されている。該延出体本体500は、枢結軸Sから当該延出体50の配置位置までの距離よりも小さな曲率半径に設定され、曲率中心が枢結軸Sに対して偏心している。これに伴い、延出体本体500は、鋸刃Cの回転軸101と平行な第二枢結軸S3周りで回転自在にベース体20(他方の連結手段230の回転フレーム232)に枢着されている。
前記ストッパー150は、延出体本体500の外周に取り付けられており、本体10(上部カバー部113c)に設けられた一対の対向部51,52間に対して先端部が出退可能に構成されている。
本実施形態に係るストッパー150は、一方向を長手にして延びるように形成されており、延出体本体500の外周部に対して基端部が鋸刃Cの回転軸101と平行な軸線周りで回転自在に枢着されている。ストッパー150は、長手方向の一端側の先端部が長手方向と直交する方向に屈曲しており、一対の対向部51,52間に介在できるようになっている。該ストッパー150の先端部は、一対の対向部51,52間に介在したときに、何れか一方の対向部51,52との間に本体10及び延出体50の相対移動を許容する移動代が形成されるサイズに設定されている。これにより、ストッパー150の先端部が一対の対向部51,52に挟まれることなく、本体10と延出体50との相対移動を許容している。
本実施形態に係るストッパー150は、上述の如く、回転自在とされているため、バネ体153によって一端側が本体10側に向けて付勢されている。これにより、ストッパー150は、常態においてバネ体153の付勢によって先端部が一対の対向部51,52間に進入(介在)した状態となるように構成されている。なお、本実施形態に係る丸鋸1は、ストッパー150が延出体50に設けられているため、本体10には姿勢維持手段155は設けられていない。
本実施形態に係る丸鋸1は、鋸刃カバー部113の内面に一対のストップ部材510a,510bが間隔をあけて設けられている。具体的には、一対のストップ部材510a,510bは、何れもブロック状に形成されており、円弧状をなす上部カバー部113cの内面に、該内周方向(本体10と延出体50との相対移動方向)に間隔をあけて固定されている。これにより、一対のストップ部材510a,510bの互いに対向する二面が一対の対向部51,52として機能するようになっている。上記一対のストップ部材510a,510bは、上部カバー部113cに設けた長穴540に移動可能に設けられ、その間隔が調整可能になっている。
本実施形態に係る丸鋸1は、ストッパー150がバネ体153によって付勢されているため、該ストッパー150の先端部が、一対のストップ部材510a,510b間で上部カバー部113cの内面に押し付けられた状態となっており、本体10とベース体20とを相対回転させてもストッパー150の先端部が一対の対向部51,52間に位置するようになっている。
本実施形態に係る丸鋸1は、以上の構成からなり、固定手段40による本体10とベース体20との固定を解除することで、これらが枢結軸S周りで相対回転可能な状態となる。そして、本体10及びベース体20を枢結軸S周りで相対回転させることで、何れか一方の対向部51,52にストッパー150の先端部が当接する。これにより、予め設定された大小二つの鋸刃Cの突出量の何れかで鋸刃Cが基準面200から突出した状態となる。
従って、本実施形態に係る丸鋸1においても、鋸刃Cを回転させつつ被切断物に対してベース体20の基準面200を沿わせて鋸刃Cの回転軸101と直交方向に移動させることで、基準面200に対する鋸刃Cの突出量に応じた切り込み深さで被切断物を切断することができる。
以上のように、本実施形態に係る丸鋸1は、延出体50に向けて延出する一対の対向部51,52が本体10と延出体50との相対移動方向に間隔をあけて本体10に設けられ、一対の対向部51,52間に先端部を介在させるストッパー150が延出体50に設けられているため、煩わしい作業を行うことなく、鋸刃Cの突出量を大小二つの突出量に迅速に変更することができる。
そして、本実施形態に係る丸鋸1は、ガイドリンク300が延出体50として兼用されているので、装置全体を複雑化や大型化させることなく、上記作用及び効果を奏するものにすることができる。
次に、本発明の第五実施形態に係る丸鋸について説明する。なお、本実施形態に係る丸鋸は、基本構成が第一実施形態と共通している。従って、ここでも、第一実施形態と共通する構成については、説明を割愛し、相違する構成についてのみ説明することとする。また、第一実施形態の構成と同一の構成又は相当する構成については、第一実施形態と同一名称及び同一符号を付すこととする。
本実施形態に係る丸鋸1は、図10に示す如く、第一実施形態と同様にガイドリンク300が延出体50として兼用されている。すなわち、延出体50は、第一実施形態と同様に、ベース体20の他端側に設けられている。そして、延出体50は、鋸刃Cの回転軸101と同方向に延びる軸線周りで円弧状に延出し、基端部がベース体20の他端側に枢結されている。本実施形態に係る丸鋸1は、延出体50に一対の対向部51,52が設けられている。一対の対向部51,52は、第一実施形態と同様に、延出体50に形成された長手方向に延びる凹部55を画定する対向二面で構成されている。
該丸鋸1は、ストッパー150が本体10に設けられている。本実施形態においては、ストッパー150が二つ設けられている。二つのストッパー150は、本体10と延出体50との相対移動方向に並んで配置されている。二つのストッパー150のそれぞれは、対称的に配置される以外は第一実施形態のストッパー150と同一構成である。そして、二つのストッパー150は、それぞれの先端部が同時に一対の対向部51,52間に進入するようになっている。本実施形態に係る一対の対向部51,52の間隔は、二つのストッパー150の先端部が同時に凹部55内に進入した状態で、何れか一方の対向部51,52とストッパー150の先端部との間に本体10と延出体50との相対移動を許容するための間隔が形成されるようになっている。
本実施形態に係る丸鋸1は、以上の構成からなり、本体10とベース体20とを相対回転させることで、一方のストッパー150の先端部と一方の対向部51とが当接した状態と、他方のストッパー150の先端部と他方の対向部52とが当接した状態とに切り換わり、鋸刃Cの突出量が切り替わる。また、何れか一方のストッパー150を回転させて先端部を一対の対向部51,52間から退避させることで、本体10とベース体20との定量的に設定される相対回転量が変更される。
すなわち、一方の対向部51に先端部を当接させる一方のストッパー150を対向部51,52間から退避させると、一方の対向部51が他方のストッパー150に当接可能となり、他方の対向部52に先端部を当接させる他方のストッパー150を対向部51,52間から退避させると、他方の対向部52が一方のストッパー150に当接可能となる。これにより、本体10と延出体50との定量的な相対移動量の変更パターンが増えるようになっている。また、二つのストッパー150の先端部を一対の対向部51,52から退避させることで、本体10と延出体50との相対移動が規制されなくなる。これにより、ベース体20の基準面200からの鋸刃Cの突出量を無段階で変更できるようになる。
以上のように、本実施形態に係る丸鋸1は、本体10に向けて延出する一対の対向部51,52が延出体50に設けられ、一対の対向部51,52間に先端部を介在させるストッパー150が本体10に設けられているため、煩わしい作業を行うことなく、鋸刃Cの突出量を大小二つの突出量に迅速に変更することができる。
特に、本実施形態に係る丸鋸1は、一対の対向部51,52間に対して出退可能なストッパー150が二つ設けられているので、何れか一つのストッパー150の先端部を対向部51,52間から退避させることで、鋸刃Cの定量的な突出量の変更パターンを増やすことができ、また、両方のストッパー150の先端部を対向部51,52間から退避することで鋸刃Cの突出量を無段階に変更することができ、汎用性を高めることができる。
そして、本実施形態に係る丸鋸1は、ガイドリンク300が延出体50として兼用されているので、装置全体を複雑化や大型化させることなく、上記作用及び効果を奏するものにすることができる。
次に、本発明の第六実施形態に係る丸鋸について説明する。なお、本実施形態に係る丸鋸は、基本構成が第一実施形態と共通している。従って、ここでも、第一実施形態と共通する構成については、説明を割愛し、相違する構成についてのみ説明することとする。また、第一実施形態の構成と同一の構成又は相当する構成については、第一実施形態と同一名称及び同一符号を付すこととする。
本実施形態に係る丸鋸1は、図11に示す如く、第一実施形態と同様にガイドリンク300が延出体50として兼用されている。すなわち、延出体50は、第一実施形態と同様に、ベース体20の長手方向の他端側に設けられている。そして、延出体50は、鋸刃Cの回転軸101と同方向に延びる軸線周りで円弧状に延出し、基端部がベース体20の他端側に枢結されている。本実施形態に係る丸鋸1は、延出体50にストッパー150が設けられている。本実施形態に係る延出体50は、外周部に段差を形成すべく、先端から基端側に向けて所定長さが幅広に形成され、該幅広な部分から基端に向けて幅狭に形成されている。これにより、延出体50は、外周部において、延出方向の先端と段差との間が本体10側に突出した態様をなし、当該部分がストッパー150として機能するようになっている。
該丸鋸1は、一対の対向部51,52が本体10に設けられている。本実施形態に係る丸鋸1は、一方の対向部51を形成する第一対向部材525aと、他方の対向部52を形成する第二対向部材525bとが鋸刃カバー部113に取り付けられている。
前記第一対向部材525aは、鋸刃カバー部113(上部カバー部113c)の内面に固定された取付ベース530に対し、鋸刃Cの回転軸101と平行な軸線周りで回転自在に枢着されている。前記取付ベース530は、本体10と延出体50との相対移動方向に位置変更可能に取り付けられており、これによって第一対向部材525aも同方向に位置変更可能になっている。第一対向部材525aは、一方向を長手にして延びるように形成されており、その長手方向の中間位置が取付ベース530に枢着されるとともに、バネ体531によって一端側が延出体50側に向けて付勢されている。該第一対向部材525aは、常態においてバネ体531の付勢で先端が延出体50の幅狭な部分の外周上に接触し、本体10と延出体50とが相対移動したときに、延出体50の外周上を摺接し、該延出体50に形成されたストッパー150(段差)に当接(干渉)するようになっている。これにより、第一対向部材525aは、先端が一方の対向部51として機能するようになっている。第一対向部材525aは、回転中心を境にして長手方向の他端側が操作部514として設定され、該操作部514を鋸刃カバー部113(上部カバー部113c)の開口114’から外部に突出させている。これにより、第一対向部材525aは、バネ体531の付勢に対抗するように操作部514を押し操作することで、先端が延出体50の外周から離間し、ストッパー150との干渉(当接)を回避できるようになっている。
前記第二対向部材525bは、鋸刃カバー部113(上部カバー部113c)の内面に固定されたベース部526と、該ベース部526から延出体50側に向けて延出し、他方の対向部52として機能する延出部527とで構成されている。該第二対向部材525bは、上部カバー部113cに穿設された長穴116に挿通された蝶ボルト528が螺入されることで本体10に固定される。そして、該第二対向部材525bは、蝶ボルト528による固定を解除することで、本体10と延出体50との相対移動方向に位置変更可能になっている。延出部527は、延出体50の先端が当接可能な延出量に設定されている。これにより、本実施形態に係る丸鋸1は、第一対向部材525aの先端(一方の対向部51)と第二対向部材525bの延出部527(他方の対向部52)とが互いに対向し、延出体50に形成されたストッパー150がこれらの間に介在した状態になっている。
本実施形態に係る丸鋸1は、以上の構成からなり、第一対向部材525a及び第二対向部材525b(他方の対向部52)が本体10と延出体50との相対移動方向に位置変更可能とされているため、一対の対向部51,52が所望する鋸刃Cの突出量と対応した配置になるように、予め第一対向部材525a及び第二対向部材525bの配置を決定して固定しておく。そして、固定手段40による本体10とベース体20との固定を解除した上で、本体10及びベース体20を枢結軸S周りで相対回転させることで、ベース体20の基準面200に対する鋸刃Cの突出量が変更される。
従って、本実施形態においても、何れかの対向部51,52がストッパー150に当接することで、鋸刃Cの突出量が大小二つに変更されることになる。そして、ストッパー150が何れかの対向部51,52に当接した状態で、固定手段40で本体10とベース体20とを固定することで、鋸刃Cの突出量を一定状態で維持できるようになる。なお、本実施形態に係る丸鋸1は、第一対向部材525aの操作部514を押し操作することで、ストッパー150との干渉が回避されるため、本体10及びベース体20が無段階で相対回転可能となり、鋸刃Cの突出量を任意に設定することもできる。
これにより、本実施形態に係る丸鋸1においても、鋸刃Cを回転させつつ被切断物に対してベース体20の基準面200を沿わせ、鋸刃Cの回転軸101線と直交方向に移動させることで、基準面200に対する鋸刃Cの突出量に応じた切り込み深さで被切断物を切断することができる。
以上のように、本実施形態に係る丸鋸1は、一対の対向部51,52が本体10に設けられるとともに、一対の対向部51,52間に先端部を介在させるストッパー150が延出体50に設けられているため、煩わしい作業を行うことなく、鋸刃Cの突出量を大小二つの突出量に迅速に変更することができる。
また、本実施形態に係る丸鋸1は、第一対向部材525aがストッパー150との干渉を回避可能に構成さているので、本体10及びベース体20が無段階で相対回転可能となり、鋸刃Cの突出量を任意に設定することもできる。また、第一対向部材525a及び第二対向部材525bが位置変更可能に構成されているので、第一対向部材525a及び第二対向部材525b(一対の対向部51,52)の位置変更可能な範囲で鋸刃Cの突出量を変更することができる。これにより、鋸刃Cの突出量が特定の大小二つにのみ限定されたものとならず、汎用性を高めることができる。
次に、本発明の第七実施形態に係る丸鋸について説明する。なお、本実施形態に係る丸鋸は、基本構成が第一実施形態と共通している。従って、ここでも、第一実施形態と共通する構成については、説明を割愛し、相違する構成についてのみ説明することとする。また、第一実施形態の構成と同一の構成又は相当する構成については、第一実施形態と同一名称及び同一符号を付すこととする。
本実施形態に係る丸鋸1は、図12(a)及び図12(b)に示す如く、第一実施形態と同様にガイドリンク300が延出体50として兼用されている。すなわち、延出体50は、第一実施形態と同様に、ベース体20の他端側に設けられている。そして、延出体50は、鋸刃Cの回転軸101と同方向に延びる軸線周りの円弧状に延出し、基端部がベース体20の他端側に枢着されている。そして、本実施形態に係る丸鋸1は、延出体50に一対の対向部51,52が形成され、本体10にストッパー150が設けられている。
前記延出体50には、本体10に向けて延出し、本体10と延出体50との相対移動方向に間隔をあけて互いに対向する一対の対向部51,52が設けられている。本実施形態に係る延出体50は、略一定幅で円弧状に形成されており、一対の対向部51,52が鋸刃カバー部113の上部カバー部113cと対向する外周部に設けられている。一対の対向部51,52のそれぞれは、延出体50の延出方向に間隔をあけて互いに対向する平面で構成されている。本実施形態においては、延出体50の外周部に一定の深さで外周方向(長手方向)に長手をなした凹部55が形成されており、延出体50の長手方向で凹部55の始点及び終点を画定する対向二面が前記一対の対向部51,52を構成している。
前記ストッパー150は、先端部が一対の対向部51,52間に対して出退可能に構成されている。具体的に説明すると、本体10の鋸刃カバー部113にストッパー150を保持するストッパー保持金具156が取り付けられている。該ストッパー保持金具156は、鋸刃カバー部113の上部カバー部113c内面に沿って配置される金具本体部156aと、金具本体部156aに連設され、該金具本体部156aを上部カバー部113cに沿って配置した状態で鋸刃カバー部113の接続部113aに沿うように形成された取付部156bとを備えている。前記金具本体部156aは、ストッパー150(後述するストッパー本体150a)を挿通する貫通穴157が穿設されており、該貫通穴157が上部カバー部113cに周方向で長穴状に形成された開口114’’に対応するように配置される。取付部156bは、接続部113aに対してネジ止めされるようになっている。本実施形態においては、接続部113aに対して本体10と延出体50との相対移動方向に延びる長穴(採番しない)が穿設されており、該長穴に挿入したネジ(採番しない)によって取付部156bが固定されている。これにより、取付部156b(ストッパー保持金具156)が長穴の延びる方向に位置変更できるようになっている。
前記ストッパー150は、金具本体部156aの貫通穴157に挿通され、鋸刃カバー部113の内外に貫通した棒状のストッパー本体150aと、該ストッパー本体150aの鋸刃カバー部113内に位置する一端部に取り付けられた当接体150bと、ストッパー本体150aの鋸刃カバー部113外に位置する他端部に設けられたハンドル部150cとで構成されている。これにより、本実施形態に係るストッパー150は、ストッパー本体150aの軸線方向に移動可能となっており、この軸線方向の移動で、当接体150bが一対の対向部51,52間に介在する状態と、当接体150bが一対の対向部51,52間から退避した状態とに切り換え可能となっている。本実施形態において、ストッパー保持金具156と当接体150bとの間にコイルバネ153’が介装されており、この弾発力でストッパー150を先端(一端)側に付勢し、常態において当接体150bが一対の対向部51,52間に介在するようになっている。
前記当接体150bは、図12(b)に示す如く、ストッパー本体150aの軸線と同心をなす楕円形状に形成されている。これにより、ストッパー150全体を軸線周りで回転させることで、当接体150bの短径方向の外周が対向部51,52に対向する状態と、当接体150bの長径方向の外周が対向部51,52に対向する状態に切り換え可能になっている。すなわち、ストッパー150全体を軸線周りで回転させることで、当接体150bと対向部51,52との当接位置を変更できるため、本体10とベース体20とを相対回転させたときに基準面200からの鋸刃Cの突出量を変更できるようになっている。
図12(a)に戻り、前記ハンドル部150cは、鋸刃カバー部113の外側に配置されることにより、ストッパー150をストッパー本体150aの軸線方向に移動可能とし、また、軸線周りでの当接体150bの回転を可能としている。
本実施形態に係る丸鋸1は、以上の構成からなり、本体10とベース体20とを相対回転させることで、ストッパー150の先端(当接体150b)が何れか一方の対向部51,52に当接した状態に切り換わり、鋸刃Cの突出量が切り替わる。また、ストッパー150の当接体150bを一対の対向部51,52から退避させることで、本体10と延出体50との相対移動が規制されなくなり、ベース体20の基準面200からの鋸刃Cの突出量が無段階で変更されることになる。そして、固定手段40で本体10とベース体20とを固定することで、鋸刃Cの突出量を一定状態で維持できるようになる。
従って、本実施形態に係る丸鋸1は、鋸刃Cを回転させつつ被切断物に対してベース体20の基準面200を沿わせ、鋸刃Cの回転軸101と直交方向に移動させることで、基準面200に対する鋸刃Cの突出量に応じた切り込み深さで被切断物を切断することができる。
以上のように、本実施形態に係る丸鋸1は、本体10に向けて延出する一対の対向部51,52が延出体50に設けられ、一対の対向部51,52間に先端部を介在させるストッパー150が本体10に設けられているため、煩わしい作業を行うことなく、鋸刃Cの突出量を大小二つの突出量に迅速に変更することができる。
また、ストッパー150は、対向部51,52間に対して出退可能に構成さているので、該ストッパー150を対向部51,52間から退避させることで、本体10及びベース体20が無段階で相対回転可能となり、鋸刃Cの突出量を任意に設定することもできる。
さらに、本実施形態に係る丸鋸1は、当接体150bをストッパー本体150aの軸線と同心の楕円状に形成されるため、当接体150bを回転させることで、鋸刃Cの定量的な突出量の変更パターンを増やすことができ、汎用性を高めることができる。
そして、本実施形態に係る丸鋸1は、ガイドリンク300が延出体50として兼用されているので、装置全体を複雑化や大型化させることなく、上記作用及び効果を奏するものにすることができる。
次に、本発明の第八実施形態に係る丸鋸について説明する。なお、本実施形態に係る丸鋸は、基本構成が第一実施形態と共通している。従って、ここでも、第一実施形態と共通する構成については、説明を割愛し、相違する構成についてのみ説明することとする。また、第一実施形態の構成と同一の構成又は相当する構成については、第一実施形態と同一名称及び同一符号を付すこととする。
本実施形態に係る丸鋸1は、図13に示す如く、第一実施形態と同様にガイドリンク300が延出体50として兼用されている。すなわち、延出体50は、第一実施形態と同様に、ベース体20の他端側に設けられている。そして、延出体50は、鋸刃Cの回転軸101と同方向に延びる軸線周りで円弧状に延出し、基端部がベース体20の他端側に枢結されている。そして、本実施形態に係る丸鋸1は、延出体50に一対の対向部51,52が形成され、本体10にストッパー150が設けられている。
前記延出体50には、本体10に向けて延出し、本体10と延出体50との相対移動方向に間隔をあけて互いに対向する一対の対向部51,52が設けられている。本実施形態に係る延出体50は、略一定幅で円弧状に形成されており、前記一対の対向部51,52が鋸刃カバー部113の上部カバー部113cと対向する外周部に設けられている。一対の対向部51,52のそれぞれは、延出体50の延出方向に間隔をあけて互いに対向する一対の平面で構成されている。本実施形態においては、延出体50の外周部に一定の深さで外周方向(長手方向)に長手をなした凹部55が形成されており、延出体50の長手方向で凹部55の始点及び終点を画定する対向二面が前記一対の対向部51,52を構成している。
前記ストッパー150は、本体10の鋸刃カバー部113に取り付けられている。そして、本実施形態に係るストッパー150は、一対の対向部51,52間に対して先端部が出退可能に構成されている。
本実施形態に係るストッパー150は、鋸刃カバー部113の内面に固定された取付ベース151に対し、鋸刃Cの回転軸101と平行な軸線周りで回転自在に枢着されたストッパー本体158と、一対の対向部51,52間に介在するストッパー本体158の先端部に取り付けられた当接位置調整部材159とを備えている。ストッパー本体158は、一方向を長手にして延びるように形成されており、その長手方向の中間位置が取付ベース151に枢着されている。そして、ストッパー本体158は、回転中心を境にして長手方向の一端側の先端部が長手方向と直交する方向に屈曲しており、一対の対向部51,52間に介在できるようになっている。
そして、該ストッパー本体158は、回転中心を境にして長手方向の他端側が操作部152として設定され、操作部152を鋸刃カバー部113の開口114から外部に突出させている。そして、該ストッパー本体158は、バネ体153によって一端側が延出体50側に向けて付勢されている。これにより、ストッパー本体158は、常態においてバネ体153の付勢によって先端部が一対の対向部51,52間に進入(介在)した状態となる一方、バネ体153の付勢に対抗するように操作部152を押し操作することで、先端部が一対の対向部51,52間(凹部55)から退避した状態になるようになっている。
前記当接位置調整部材159は、ストッパー本体158の先端部における対向部51,52と対向する二面のうちの一方の面に対して接離可能に設けられている。すなわち、当接位置調整部材159は、ストッパー本体158の先端部の形状に対応するようにL字状に曲げられた金具で、一方の片159aがストッパー本体158の先端部と対向するように、他方の片159bがストッパー本体158に固定されている。そして、該他方の片159bは、ストッパー本体158にスライド可能に取り付けられている。これにより、当接位置調整部材159全体をスライドさせることで、一方の片159aがストッパー本体158の先端部に接離するようになっている。
本実施形態に係る丸鋸1は、以上の構成からなり、予め当接位置調整部材159の配置を調整しておくことで、ストッパー150のストッパー本体158の先端部と対向部51,52との当接位置が変わることになる。
そして、本体10とベース体20とを相対回転させることで、ストッパー本体158の先端部と他方の対向部52とが当接した状態と、当接位置調整部材159の一方の片159aと一方の対向部51とが当接した状態とに切り換わり、鋸刃Cの突出量が切り替わる。本実施形態では、延出体50の先端側にある一方の対向部51と当接するように当接位置調整部材159が設けられているため、一方の片159aをストッパー本体158から離間させておくことで、一方の対向部51と当接位置調整部材159が当接したときの鋸刃Cの突出量が、一方の片159aをストッパー本体158に接近させたときよりも大きくなることになる。これに対し、一方の片159aをストッパー本体158に接近させておくことで、一方の対向部51と当接位置調整部材159が当接したときの鋸刃Cの突出量は、一方の片159aがストッパー本体158から離間したときよりも小さくなる。
また、ストッパー150の先端部を一対の対向部51,52から退避させることで、本体10と延出体50との相対移動が規制されなくなり、ベース体20の基準面200からの鋸刃Cの突出量が無段階で変更されることになる。そして、固定手段40で本体10とベース体20とを固定することで、鋸刃Cの突出量を一定状態で維持できるようになる。
従って、本実施形態に係る丸鋸1は、鋸刃Cを回転させつつ被切断物に対してベース体20の基準面200を沿わせ、鋸刃Cの回転軸101と直交方向に移動させることで、基準面200に対する鋸刃Cの突出量に応じた切り込み深さで被切断物が切断される。
以上のように、本実施形態に係る丸鋸1は、本体10に向けて延出する一対の対向部51,52が延出体50に設けられ、一対の対向部51,52間に先端部を介在させるストッパー150が本体10に設けられているため、煩わしい作業を行うことなく、鋸刃Cの突出量を大小二つの突出量に迅速に変更することができる。
特に、本実施形態に係る丸鋸1は、ストッパー本体158の先端部に当接位置調整部材159を設けたので、当接位置調整部材159を位置変更させることで、鋸刃Cの定量的な突出量の変更パターンを増やすことができ、汎用性を高めることができる。
そして、本実施形態に係る丸鋸1は、ガイドリンク300が延出体50として兼用されているので、装置全体を複雑化や大型化させることなく、上記作用及び効果を奏するものにすることができる。
尚、本発明の切断機(丸鋸)は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記各実施形態において、本体10とベース体20との相対回転を案内するガイドリンク300を延出体50として兼用するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、ガイドリンク300と延出体50とを別個に設けるようにしてもよい。この場合、ガイドリンク300又は延出体50の何れか一方を鋸刃カバー部113内に設けるとともに、ガイドリンク300又は延出体50の何れか他方を鋸刃カバー部113外に設けるようにしてもよい。すなわち、鋸刃カバー部113の接続部113aを挟んで延出体50とガイドリンク300とを配置するようにしてもよい。また、ガイドリンク300を備えたものに限定されるものではなく、延出体50のみを備えたもの、すなわち、案内体310に案内されない延出体50を備えたものであっても勿論よい。但し、本体10とベース体20との相対回転の安定性を考慮すれば、ガイドリンク300を設けることは言うまでもない。
上記各実施形態において、延出体50(ガイドリンク300)の基端部をベース体20に枢着したが、これに限定されるものではなく、例えば、延出体50を円弧状にする場合、その曲率中心が本体10とベース体20との枢結軸Sと同心になれば、延出体50を回転不能にベース体20に固定するようにしてもよい。
上記各実施形態において、一般的な鋸刃Cを前提に説明したが、何れの丸鋸1も鋸刃Cが交換可能に構成されているため、例えば、図14(a)及び図14(b)に示すような面取り刃Csを備えた丸鋸1を本体10に取り付けるようにしてもよい。このようにすれば、鋸刃Cの突出量を大小二つの突出量に変更することで、図14(a)に示す如く、被切断物Bを切断のみを行う状態と、図14(b)に示す如く、被切断物Bを切断しつつ面取り刃Csで面取りを行う状態とに切り換えることも可能である。
すなわち、面取り刃Csは、丸鋸1の外径よりの小さな円周上で鋸刃Cの一方の面に配置されているため、大小二つの突出量のうちの小さい方の突出量が、面取り刃Csを基準面200から突出させないように設定される一方、大小二つの突出量のうちの大きい方の突出量が、面取り刃Csを基準面200から突出させるように設定されることで、被切断物Bの切断のみを行う状態と、被切断物Bの切断と面取りとを併せて行う状態とに切り換え可能となる。
従って、面取り刃Csを備えた鋸刃Cを対象とする場合、丸鋸1は、一対の対向部51,52のうち、延出体50の基端側にある一方の対向部が面取り刃Csを基準面200から突出させた状態(図14(b)の状態)にする配置とされる一方、一対の対向部51,52のうち、延出体50の先端側にある他方の対向部が面取り刃Csを基準面200から退避させた状態(図14(a)の状態)にする配置とされる。なお、第一実施形態のように、一対の対向部51,52が複数設けられる場合には、何れかの組の対向部51,52の配置を面取り刃Csの配置に合わせたものにしておいてもよい。
上記一乃至第三実施形態、第五乃至第八実施形態において、ストッパー150に対して対向部51,52が当接しない状態にできるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、一対の対向部51,52及びストッパー150が移動或いは姿勢変更することなく固定されたものであってもよい。但し、このようにすると、鋸刃Cの突出量が大小二つのパターンのみに変更可能となるため、丸鋸1の汎用性を高めるには、一対の対向部51,52の何れか一方、或いは、ストッパー150を移動可能に構成し、ストッパー150に対して対向部51,52が当接しない状態にできるようにすることが好ましい。
上記第二乃至第八実施形態において、一対の対向部51,52を一組だけ設けたが、これに限定されるものではなく、第一実施形態と同様に、一対の対向部51,52を複数組設けても勿論よい。
本発明の第一乃至第八実施形態に係る切断機(丸鋸)の説明図であって、(a)は、正面図を示し、(b)は、ハンドル部を一部破断させた背面図を示す。 本発明の第一乃至第八実施形態に係る切断機(丸鋸)の一部を破断させた平面図を示す。 本発明の第一実施形態に係る切断機(丸鋸)の縦断面図であって、ストッパーを他方の対向部に当接させた状態のロアカバーを省略した図2のI−I断面図を示す。 第一実施形態に係る切断機(丸鋸)の部分縦断面図であって、ストッパーを一方の対向部に当接させた状態を示す。 第一実施形態に係る切断機(丸鋸)の縦断面図であって、ストッパーの先端部を一対の対向部間から退避させた状態を示す。 第一実施形態に係る切断機(丸鋸)の縦断面図であって、ストッパーを一対の対向部間から退避させ、本体とベース体とを無段階に相対回転可能な状態を示す。 本発明の第二実施形態に係る切断機(丸鋸)の部分縦断面図を示す。 本発明の第三実施形態に係る切断機(丸鋸)の部分縦断面図を示す。 本発明の第四実施形態に係る切断機(丸鋸)の部分縦断面図を示す。 本発明の第五実施形態に係る切断機(丸鋸)の部分縦断面図を示す。 本発明の第六実施形態に係る切断機(丸鋸)の部分縦断面図を示す。 本発明の第七実施形態に係る切断機(丸鋸)の説明図であって、(a)は、部分縦断面図を示し、(b)は、(a)のII−II断面を示す。 本発明の第八実施形態に係る切断機(丸鋸)の部分縦断面図示す。 本発明の第一乃至第八実施形態に係る切断機(丸鋸)で面取り刃付きの鋸を取り付けたときの状態を説明する状態図であって、(a)は、被切断物を切断のみ行う状態を示し、(b)は、被切断物を切断しつつ面取りを行う状態を示す。 従来の切断機(丸鋸)の概略縦断面図を示す。
符号の説明
1…丸鋸(切断機)、10…本体、20…ベース体、30…案内手段、40…固定手段、50…延出体、51,52…対向部、55…凹部、100…駆動手段、101…回転軸(出力軸)、110…ハウジング、111…駆動系カバー部、112…ハンドル部、112a…スイッチ、113…鋸刃カバー部、113a…接続部、113b…垂下カバー部、113c…上部カバー部、114,114’,114’’…開口、116…長穴、117…ロアカバー、118…軸挿入部、119…スリット、150…ストッパー、150a…ストッパー本体、150b…当接体、150c…ハンドル部、151…取付ベース、152…操作部、153…バネ体、153’…コイルバネ、155…姿勢維持手段、155a…押圧部、155b…操作部、155c…案内接続部、156…ストッパー保持金具、156a…金具本体部、156b…取付部、157…貫通穴、158…ストッパー本体、159…当接位置調整部材、159a…片、159b…片、200…基準面、210…ベース本体、211…開口、220…連結部、230…連結手段、231…支持体、232…回転フレーム、233…第二固定手段、300…ガイドリンク、301…長穴、302…浅溝、310…案内体、400…雄ネジ部材、401…操作レバー、402…ナット、500…延出体本体、510…固定部材、510a,510b…ストップ部材、511…スリット、512…ネジ、513…ザグリ、514…操作部、520…ストップ部材、521…長穴、522…ネジ、525a…第一対向部材、525b…第二対向部材、526…ベース部、527…延出部、528…蝶ボルト、530…取付ベース、531…バネ体、C…鋸刃、Cs…面取り刃、M…駆動モータ、S…枢結軸、S2…第二軸、S3…第二枢結軸

Claims (8)

  1. 円板状の鋸刃を回転させる駆動手段を有する本体と、被切断物に沿わせる基準面が形成され、本体に対して鋸刃の回転軸と平行な軸周りで回転自在に枢結されたベース体と、本体及びベース体を固定可能に構成された固定手段とを備え、本体とベース体との相対回転で、ベース面からの鋸刃の突出量を調整可能に構成された切断機において、ベース体に対して基準面の反対面側に延設された延出体を備え、本体又は延出体の何れか一方には、他方に向けて延出し、本体と延出体との相対移動方向に間隔をあけて互いに対向する一対の対向部が設けられ、本体又は延出体の何れか他方には、一対の対向部間に先端部が介在するストッパーが設けられ、本体とベース体との相対回転で、一方の対向部がストッパーに当接する状態と、他方の対向部がストッパーに当接する状態とに切り換えるように構成されていることを特徴とする切断機。
  2. ストッパーは、一対の対向部間に対して出退可能に構成されている請求項1に記載の切断機。
  3. 一対の対向部は、本体と延出体との相対移動方向に複数組並んで設けられている請求項2に記載の切断機。
  4. 一対の対向部の少なくとも何れか一方は、本体と延出体との相対移動方向に位置変更可能に設けられている請求項1乃至3の何れか1項に記載の切断機。
  5. ストッパーは、本体と延出体との相対移動方向に位置変更可能に設けられている請求項1乃至4の何れか1項に記載の切断機。
  6. 一対の対向部は、延出体に設けられ、ストッパーは、本体に対して所定の軸線周りで回転自在に枢着されるとともに先端部を一対の対向部間に進入させるべく付勢手段によって付勢され、前記軸線周りの回転で一対の対向部間に対して先端部が出退可能に構成されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の切断機。
  7. ストッパーの先端部が一対の対向部間から退避した状態で、ストッパーの姿勢を維持させる姿勢維持手段をさらに備える請求項6に記載の切断機。
  8. ベース体の基準面の反対面側に基端部が枢結されて延出するガイドリンクと、本体とベース体との相対回転に伴って移動するガイドリンクを延出方向に案内すべく、本体に設けられた案内体とを備え、前記ガイドリンクは、前記延出体として兼用されている請求項1乃至7の何れか1項に記載の切断機。
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