JP2009248324A - 複合繊維構造体およびその製造方法、バグフィルター用ろ材 - Google Patents

複合繊維構造体およびその製造方法、バグフィルター用ろ材 Download PDF

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Abstract

【課題】圧力損失が著しく上昇することなく、粒径がサブミクロンオーダーの微細なダストの捕集効率を高め、かつ払い落とし性に優れた、複合繊維構造体およびその製造方法を提供する。また、複合繊維構造体を用いた上記特性を有するバグフィルター用ろ材を提供する。
【解決手段】2層以上の繊維構造体が積層されてなる複合繊維構造体であって、該複合繊維構造体が少なくとも、繊維径が1〜1000nmの芳香族ポリアミド極細繊維を含む繊維構造体(A)と、繊維径が5〜50μmの繊維からなる繊維構造体(B)とが接触して積層されてなり、該繊維構造体(A)には、芳香族ポリアミド極細繊維が繊維形状を有している部分と、複数の芳香族ポリアミド極細繊維が軟化して一体化しフィルム形状を有している部分とが存在し、該フィルム形状を有している部分と繊維構造体(B)を構成する繊維とが接合していることを特徴とする複合繊維構造体とする。また、2層以上の繊維構造体が積層した積層体とし、該積層体を、少なくとも、繊維径が1〜1000nmの芳香族ポリアミド極細繊維を含む繊維構造体(A)と、繊維径が5〜50μmの繊維からなる繊維構造体(B)とを接触させて積層した積層体とし、該積層体を温度が30℃〜350℃、線圧が50〜300kgf/cmの加熱加圧処理を施して、2層以上の繊維構造体からなる複合繊維構造体とする。さらに、上記複合繊維構造体からなるバグフィルター用ろ材とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種焼却炉から発生する燃焼排ガス中に含まれる粒径がサブミクロンオーダーのダストを効率的に捕集し、かつ払い落とし性に優れた複合繊維構造体およびその製造方法、該複合繊維構造体からなるバグフィルター用ろ材に関する。
排気ガス中に含まれるダスト除去や、有価粉体の回収等には、構造が比較的簡単であり、集塵率が高く、処理できる粉体の粒径範囲が広いバグフィルターを備えた集塵機が最も多く利用されており、そのダスト捕集機構は、まず細孔部にダストの一次付着層が成形され、この一次付着層によってダストが捕集される、というものである。主な要求特性としては、ダストの払落し性が良好であること、目詰まりがないこと、圧力損失が低いこと、である。
繊維構造物からなるバグフィルターは、例えば、繊維長(長繊維、紡績糸等)、繊維種類(天然繊維、合成繊維、無機繊維)、構成(織物、不織布等)、が多種多様となっており、使用環境に合わせて選択することが可能であるが、それぞれ問題点を含んでいる。例えば、織物のバグフィルターは圧力損失が低いが、ダスト払落し時に一次付着層が脱落しやすく、圧力損失や処理風量の変動が大きい、等であり、フェルトでは織物に比べて捕集効率が高いが、ダスト払落し性が悪い、等である。
上記のような繊維構造物の短所を補うため、種々後加工が施されることが多く、中でも、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の延伸皮膜を接着させると、初期からの捕集効率が高く、かつダスト剥離性も良いといった、優れた方法が開発された(特許文献1)。しかしながら、他素材との接着性が悪いために膜が剥離するといった点や、不織布や織物と比較して圧力損失が高く、皮膜形成のためのコストが非常に高いという問題点がある。
特開平10−244110号公報
本発明の目的は、圧力損失が著しく上昇することなく、粒径がサブミクロンオーダーの微細なダストの捕集効率を高め、かつ払い落とし性に優れた、複合繊維構造体およびその製造方法を提供することにある。また、複合繊維構造体を用いた上記特性を有するバグフィルター用ろ材を提供することにある。
本発明者が鋭意検討したところ、繊維径が1〜1000nmの芳香族ポリアミド極細繊維からなる乾式不織布、特に電解紡糸した乾式不織布を基布に積層した積層体では、加圧加熱処理したところ、驚くべきことに特定の条件において低温加圧にもかかわらず芳香族ポリアミド極細繊維が軟化し部分的なフィルム形状が形成され、かかる部分で基材とがより強固に接合し、しかも複合繊維構造体の払い落とし性をも向上できることを見出し、本発明に到達した。
かくして、本発明によれば、2層以上の繊維構造体が積層されてなる複合繊維構造体であって、該複合繊維構造体が少なくとも、繊維径が1〜1000nmの芳香族ポリアミド極細繊維を含む繊維構造体(A)と、繊維径が1〜50μmの繊維からなる繊維構造体(B)とが接触して積層されてなり、該繊維構造体(A)には、芳香族ポリアミド極細繊維が繊維形状を有している部分と、複数の芳香族ポリアミド極細繊維が軟化して一体化しフィルム形状を有している部分とが存在し、該フィルム形状を有している部分と繊維構造体(B)を構成する繊維とが接合していることを特徴とする複合繊維構造体が提供される。
また、本発明によれば、2層以上の繊維構造体が積層した積層体とし、該積層体を、少なくとも、繊維径が1〜1000nmの芳香族ポリアミド極細繊維を含む繊維構造体(A)と、繊維径が5〜50μmの繊維からなる繊維構造体(B)とを接触させて積層した積層体とし、該積層体を温度が30℃〜350℃、線圧が50〜300kgf/cmの加熱加圧処理を施して、2層以上の繊維構造体からなる複合繊維構造体とすることを特徴とする複合繊維構造体の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、上記複合繊維構造体からなるバグフィルター用ろ材が提供される。
本発明によれば、1〜1000nmの芳香族ポリアミド極細繊維によって高捕集効率かつ低圧力損失が達成され、なおかつカレンダー加工によって平滑化した表面により、ダスト剥離性が向上するといった、これまでのバグフィルター全般にわたる課題が達成できる。
本発明における複合繊維構造体の構成は、2層以上の繊維構造体が積層されてなる複合繊維構造体であって、該複合繊維構造体が少なくとも、繊維径が1〜1000nmの芳香族ポリアミド極細繊維を含む繊維構造体(A)と、繊維径が5〜50μmの繊維からなる繊維構造体(B)とが接触して積層されてなり、該繊維構造体(A)には、芳香族ポリアミド極細繊維が繊維形状を有している部分と、複数の芳香族ポリアミド極細繊維が軟化して一体化しフィルム形状を有している部分とが存在し、該フィルム形状を有している部分と繊維構造体(B)を構成する繊維とが接合していることを特徴とする。
ここで、フィルム形状とは、複数の極細繊維が軟化して一体化し、繊維形状を留めず、表面がフィルムのように平滑となっている状態をいい、該フィルム形状は厚み斑があっても空隙を有していてもよい。
本発明においては、上記構成の複合繊維構造体であることにより、繊維構造体(A)と繊維構造体(B)との密着性が向上し、層間の剥離が起こりにくい。また、性能面では微細なダストの侵入を防ぎ、かつ毛羽のない平滑な表面であるために、フッ素樹脂加工や多孔膜のラミネートを実施せずとも、ダスト剥離性に優れる複合繊維構造体、特にバグフィルターに適した複合繊維構造体となる。
繊維構造体(A)を構成する芳香族ポリアミド極細繊維の繊維径は、1〜1000nmである必要があるが、好ましくは10〜600nm、より好ましくは30〜300nmである。繊維径が1nm未満であると得られる強力が著しく低下し、ダスト払落し時に与えられる物理的な衝撃で破損しやすいく、一方、極細繊維の繊維径が1000nmを超えると、極細繊維特有の種々効果、例えばサブミクロンダスト高捕集効果が顕著に発現されなくなる。さらに、バグフィルターには触媒などの機能性粒子を担持させることがあるが、極細繊維では直径が大きい繊維と比較して、表面積が非常に大きくなるため、かかる機能が十分に発揮される。
繊維構造体(A)は、極細繊維の繊維径として1〜1000nmを達成することが可能な、乾式不織布製造法により成形され、例えば、特開2006−037276号公報の電界紡糸法などを好ましく挙げることができる。上記方法により成形された電界紡糸法により成形された芳香族ポリアミド極細繊維からなる繊維構造体は、驚くべきことに、後述する特定の成形条件を選んだとき、また低温加圧でも該極細繊維が軟化し部分的なフィルム形状が形成され、繊維構造体(B)とより強固に接合することがわかった。
また、繊維構造体(A)を構成する極細繊維は、ポリメタフェニレンイソフタルアミドであることが好ましい。ポリメタフェニレンイソフタルアミドは耐熱性、耐薬品性などに優れており、産業資材用途に広く使用されているものである。極細繊維を成形しやすい高分子には、ポリビニルアルコールやナイロンなどがあるが、これらは加熱加圧処理や高温雰囲気下にて溶融、劣化するため、圧力損失があがりやすくなったり、サブミクロンダストの捕集効率が落ちたり、といった欠点が生じる。
繊維構造体(A)の目付は、全ろ材目付けの0.1〜20重量%であることが好ましく、1.0〜15重量%であることがより好ましい。上記目付が低すぎると、例えばサブミクロンダストの捕集効率が落ち、高すぎると圧力損失が上がりやすくなるため、好ましくない。
一方、繊維構造体(B)は、織物、編物、不織布などを採用することができるが、特に通気性および剛性の点から不織布が好ましい。
また、上記繊維構造体(B)を構成する繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアミドイミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリイミド繊維等の合成繊維、ガラス繊維、金属繊維等の無機繊維、セルロース繊維等の植物繊維のうち少なくとも1種類からなることが好ましく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、繊維構造体(B)を構成する繊維の繊維径は、払い落し時の複合繊維構造体の強度を保持し、かつ極細繊維との強固な密着を達成するため、1〜50μm、好ましくは5〜30μmとする必要がある。なお、繊維の断面が円形でない場合は、繊維断面の長径と短径を測定し、その平均値が上記範囲にあればよい。
繊維構造体(B)の目付は、圧力損失や複合繊維構造体の強度の観点から200〜800g/mが好ましく、300〜600g/mがより好ましい。
以上に説明した本発明の複合繊維構造体は、例えば以下の方法により製造することができる。すなわち、2層以上の繊維構造体が積層した積層体とし、該積層体を、少なくとも、繊維径が1〜1000nmの芳香族ポリアミド極細繊維を含む繊維構造体(A)と、繊維径が1〜50μmの繊維からなる繊維構造体(B)とを接触させて積層した積層体とし、該積層体を温度が30〜350℃、線圧が50〜300kgf/cmの加熱加圧処理を施すことにより製造することができる。上記加熱加圧処理の条件において、温度は100〜350℃、線圧は150〜300kgf/cmであることがより好ましい。ここで、加熱温度および加圧力が低すぎると、極細繊維間の接着力が弱くなり、一方、加熱温度および加圧力が高すぎると繊維構造体(A)および(B)を構成する繊維同士が融着などを起こして目が潰れるなどし、通気性が確保できなくなり、圧力損失があがり易くなるため、好ましくない。
また、上記の加熱加圧処理を施すことにより、繊維構造体(A)と繊維構造体(B)との密着性が向上し、加工性が向上する。さらに、性能面では微細なダストの侵入を防ぎ、かつ毛羽のない平滑な表面であるために、フッ素樹脂加工や多孔膜のラミネートを実施せずとも、ダスト剥離性に優れる複合繊維構造体、特にバグフィルターに適した複合繊維構造体を得ることができる。
ここで、上記の芳香族ポリアミド極細繊維を含む繊維構造体(A)と、繊維構造体(B)とを接触させて積層した積層体を成形する方法としては以下の方法を好ましく採用することができる。
一つの方法としては、全芳香族ポリアミド溶液を、高電圧を印加して繊維構造体(B)上にスプレーして極細繊維を形成する方法を好ましく例示することができる。また、得られる極細繊維の繊維径は印加電圧、溶液濃度、スプレーの飛散距離等に依存し、これらの条件を調整することで任意の繊維径とすることができる。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを用いることができる。
具体的には、全芳香族ポリアミドポリマーと溶媒とを1:99〜16:84の重量比で溶解させたポリマー溶液を調製し、5〜70kVの電圧下で、紡糸距離を5.0〜50cmとし、単位距離あたりの電圧に換算すると0.5〜7.0kv/cmとして電界紡糸を行うことにより前述した繊維径を有する芳香族ポリアミド極細繊維を作製することができる。
また、ポリマー溶液の安定性付与などの点から、必要に応じアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を、全芳香族ポリアミドポリマーを溶解させたポリマー溶液に対し、0.05〜5重量%含んでいても良い。
紡糸溶液の供給は、ノズルや口金から押し出す方法や、紡糸溶液中に浸した円盤やドラムに、必要量となるように紡糸溶液を付着させ、連続回転させることにより供給する方法が挙げられる。
以上に説明した本発明の複合繊維構造体は、圧力損失が著しく上昇することなく、粒径がサブミクロンオーダーの微細なダストの捕集効率を高め、かつ払い落とし性に優れており、バグフィルター用ろ材に好ましく用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。しかし、以下の例によって、本発明が限定されることはない。なお、実施例中のろ過布の性能はドイツの工業規格であるVDI3926のI型機に準ずる評価設備を用い、ろ過速度:2m/秒、ダスト供給量:2g/分、払い落し圧力:0.2MPa、払い落し時間:0.1秒、払い落しに至るまでの設定圧力損失:784Paの条件で評価した。
(1)使用ダスト
JIS8901試験用標準ダスト10種(フライアッシュ;日本粉体工業製)を用いた。
(2)捕集効率
ろ過布を通り抜けたダスト濃度から下記式により算出した。この数値が高いほど、捕集効率が良好と言える。
捕集効率={(ダスト供給濃度−吹き漏れダスト)/ダスト供給濃度}×100
(3)残留圧力損失
50サイクル後の圧縮空気によるダストの払い落し直後の圧力損失を残留圧力損失とする。この数値が低いほど、払い落し性能が良好と言える。
(4)集塵サイクル時間
50サイクル後のダストが払い落とされてから、次の払い落としまでに要する時間を集塵サイクル時間とする。この数値が大きいほど、ろ過布の目詰まりに対する寿命が長いといえる。
(5)平均繊維径、繊維構造体(A)の加工後の形態
繊維構造体(A)を構成する芳香族ポリアミド極細繊維の平均繊維径は、日本電子製電子顕微鏡JSM6330Fを用い倍率3000倍にて該極細繊維の繊維径を20本測定しその平均値とした。繊維構造体(B)を構成する繊維の平均繊維径は、上記電子顕微鏡を用い倍率1000倍にて20本の繊維につき繊維横断面の長径と短径を測定して平均値をそれぞれ算出し、さらに該20本の繊維の平均値の平均値とした。カレンダー加工後の繊維構造体(A)の形態は、上記電子顕微鏡を用い倍率300倍にて観察した。
[実施例1]
特公昭47−10863号公報実施例1記載の方法に準じ、界面重合法によりポリメタフェニレンイソフタルアミドを主成分とする芳香族ポリアミド(PA)粉末状体を製造した。得られた芳香族ポリアミド粉末状体、塩化カルシウム、溶媒N,N−ジメチルアセトアミドを10:1:89の重量比で溶解させたポリマー溶液を調製した。このポリマー溶液を電解紡糸法にて印加電圧20kV下にて芳香族ポリアミド極細繊維を成形し、目付が0.5g/mとなるように、繊維構造体(B)である平均繊維径9μmの芳香族ポリアミド繊維(帝人テクノプロダクツ製「コーネックス」)からなるフェルト(目付450g/m)上に積層させた。さらに得られた積層体に、上ローラが金属製加熱フラットローラ、下ローラが耐熱樹脂製フラットローラであるカレンダー装置により、上ローラの温度を150℃、線圧を300kgf/cmとしてカレンダー加工を施し、平均繊維径が112nmの極細繊維からなる繊維構造体(A)と、繊維構造体(B)とを一体化した複合繊維構造体を得た。得られた複合繊維構造体を用い、バグフィルター用ろ材としての性能評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例2]
上ローラの温度を300℃、線圧を150kgf/cmに変更した以外は、実施例1と同様にして複合繊維構造体を得、バグフィルター用ろ材としての性能評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
芳香族ポリアミド粉末状体、塩化カルシウム、溶媒N,N−ジメチルアセトアミドの重量比を16:2:82に変更した以外は、実施例1と同様にして複合繊維構造体を得、バグフィルター用ろ材としての性能評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
芳香族ポリアミド極細繊維からなる繊維構造体(A)を成形せず、実施例1の芳香族ポリアミド繊維フェルトのみを用い、カレンダー加工も行わなかった。さらに該フェルトについてバグフィルター用ろ材としての性能評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
上ローラ温度を25℃、線圧を25kgf/cmに変更した以外は、実施例1と同様にして複合繊維構造体を得、バグフィルター用ろ材としての性能評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
カレンダー加工を実施しない以外は、実施例1と同様にして複合繊維構造体を得、バグフィルター用ろ材としての性能評価を行った。繊維構造体(A)の繊維構造体(B)への密着性が悪く評価中に剥離したため、途中で評価を中止した。
[比較例4]
ポリビニルアルコール(PVA)(クラレ製)を水に15:85の重量比で溶解させたポリマー溶液を調製し、これを芳香族ポリアミドポリマー溶液の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして複合繊維構造体を得た。但し、繊維構造体(A)を構成するポリビニルアルコール繊維の平均繊維径は274nmであった。実施例1と同様のカレンダー加工を実施し、繊維構造体(A)の形態を観察したところ、極細繊維が溶融し該繊維形状部分を確認できなかったため評価を実施しなかった。
[比較例5]
上ローラ温度を25℃、線圧を25kgf/cmに変更した以外は、比較例4と同様にして複合繊維構造体を得た。繊維構造体(A)の形態を観察したところ、極細繊維が切断され該繊維形状部分を保持していなかったため、評価を実施しなかった。
Figure 2009248324
本発明によれば、耐熱性などの高機能を有する芳香族ポリアミド極細繊維を使用し、加熱加圧処理工程を経ることによって、払落し性に優れた高性能バグフィルターを提供することができる。

Claims (7)

  1. 2層以上の繊維構造体が積層されてなる複合繊維構造体であって、該複合繊維構造体が少なくとも、繊維径が1〜1000nmの芳香族ポリアミド極細繊維を含む繊維構造体(A)と、繊維径が1〜50μmの繊維からなる繊維構造体(B)とが接触して積層されてなり、該繊維構造体(A)には、芳香族ポリアミド極細繊維が繊維形状を有している部分と、複数の芳香族ポリアミド極細繊維が軟化して一体化しフィルム形状を有している部分とが存在し、該フィルム形状を有している部分と繊維構造体(B)を構成する繊維とが接合していることを特徴とする複合繊維構造体。
  2. 繊維構造体(A)の割合が、複合繊維繊維構造体の全重量に対しての0.1〜20重量%である請求項1に記載の複合繊維構造体。
  3. 繊維構造体(A)が、電解紡糸法によって成形された極細繊維から構成されている請求項1に記載の複合繊維構造体。
  4. 繊維構造体(A)を構成する芳香族ポリアミド極細繊維が、ポリメタフェニレンイソフタルアミドからなる請求項1に記載の複合繊維構造体。
  5. 繊維構造体(B)を構成する繊維が、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリイミド繊維等の合成繊維、ガラス繊維、金属繊維等の無機繊維、セルロース繊維等の植物繊維の少なくとも1種類である請求項1に複合繊維構造体。
  6. 2層以上の繊維構造体が積層した積層体とし、該積層体を、少なくとも、繊維径が1〜1000nmの芳香族ポリアミド極細繊維を含む繊維構造体(A)と、繊維径が1〜50μmの繊維からなる繊維構造体(B)とを接触させて積層した積層体とし、該積層体を温度が30〜350℃、線圧が50〜300kgf/cmの加熱加圧処理を施して、2層以上の繊維構造体からなる複合繊維構造体とすることを特徴とする複合繊維構造体の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の複合繊維構造体からなるバグフィルター用ろ材。
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